JP3561642B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、バーナ燃焼時に生じる燃焼用酸素の不足を監視し、燃焼用酸素が不足する状態となったときにバーナの燃焼を停止する燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バーナを有する燃焼装置において、該バーナに近接して熱電対を設け、該バーナの燃焼時に該熱電対から出力される電圧を所定の基準電圧と比較することで、該バーナの燃焼状態を監視する燃焼装置が知られている。このように熱電対を設けた場合、熱電対の出力電圧は燃焼装置が設置された室内の酸素濃度が低下するに従って低くなる。そのため、バーナの燃焼時に熱電対の出力電圧が所定の基準電圧以下となったときに、燃焼用酸素が不足した状態になったと判断してバーナの燃焼を停止することによって、燃焼用酸素の不足によりバーナの不完全燃焼が生じることを防止することができる。
【0003】
しかし、バーナ燃焼時の熱電対の出力電圧と室内の酸素濃度との関係は、熱電対とバーナの取付け位置の関係や、熱電対の経年劣化等によって変化する。そのため、前記基準電圧を固定値としたときには、燃焼用酸素が不足する状態となったことを精度良く検知することができない場合があった。
【0004】
そこで、本願発明者は、バーナの点火後、燃焼状態が安定したときの熱電対の出力電圧に基づいて前記基準電圧を決定する燃焼装置を発明した(特許第2677478号公報)。この先願発明によれば、バーナの燃焼状態が安定したときの熱電対の出力電圧から所定レベル低い電圧に前記基準電圧を決定することで、上述した熱電対とバーナの取付け位置の関係や、熱電対の経年変化等の影響を排除して精度よく燃焼用酸素の不足を検知することができる。
【0005】
しかし、本願発明者らは、バーナの燃焼を停止した直後に該バーナを再点火して燃焼を再開したときに、前記先願発明の方法によって、バーナの燃焼状態が安定した状態での熱電対の出力電圧に基づいて前記基準電圧を決定した場合には、以下の不都合が生じることを知見した。
【0006】
即ち、バーナの燃焼が開始されると、室内の酸素が燃焼により消費されるため、燃焼時間の経過に伴って室内の燃焼用酸素の濃度が低下する。そのため、バーナの燃焼を停止したときには、燃焼用酸素の濃度は燃焼開始時よりも低下した状態となる。そして、この状態でガスバーナを再点火して燃焼を再開し、前記先願発明の方法により基準電圧を決定すると、燃焼用酸素の濃度が低下した状態でガスバーナの燃焼が安定したときの熱電対の出力電圧に基づいて、前記基準電圧が決定される。
【0007】
このようにして、燃焼用酸素の濃度が低下した状態でのガスバーナの燃焼再開時に新たに決定される基準電圧は、燃焼用酸素の濃度の低下に伴って熱電対の出力電圧が低下するため、燃焼開始時(燃焼用酸素の濃度が低下する前)に決定された基準電圧よりも低いものとなる。そのため、ガスバーナの燃焼が再開された後、燃焼用酸素の不足がさらに進んで熱電対の出力電圧が燃焼再開時に新たに決定された基準電圧以下となるまでは、熱電対の出力電圧が燃焼開始時に決定された基準電圧以下、即ち、本来燃焼用酸素が不足した状態と判断されるべき状態となっても、バーナの燃焼が継続され、ガスバーナの不完全燃焼が生じるおそれがあるという不都合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記不都合を解消し、燃焼用酸素が不足した状態でバーナの燃焼が継続されることを防止した燃焼装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、バーナと、該バーナの燃焼開始と燃焼停止とを指示する燃焼指示手段と、該バーナの燃焼状態に応じた電圧を出力する熱電対と、前記バーナの燃焼開始後、該バーナの燃焼状態が安定したときの前記熱電対の出力電圧に基づいて、燃焼用酸素の不足を検知するための基準電圧を決定し、該基準電圧を保持する基準電圧保持手段と、前記バーナの燃焼状態が安定した後、前記熱電対の出力電圧が前記基準電圧以下となったときに、燃焼用酸素が不足した状態となったと判断して前記バーナの燃焼を停止する酸欠監視処理を行う酸欠監視手段とを備えた燃焼装置の改良に関する。
【0010】
前記バーナの燃焼が開始されると、燃焼により酸素が消費されるため、燃焼用酸素の濃度は徐々に低下する。そのため、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止された時は、前記バーナの燃焼開始時よりも燃焼用酸素の濃度が低下した状態にある。そして、このように燃焼用酸素の濃度が低下した状態で前記バーナの燃焼が再開されたときに、前記基準電圧保持手段により、前記バーナの燃焼状態が安定したときの前記熱電対の出力電圧に基づいて前記基準電圧を決定すると、決定される前記基準電圧は、前記バーナの燃焼開始時、即ち燃焼用酸素の濃度が低下する前に決定された前記基準電圧よりも低いものとなる。
【0011】
そのため、燃焼用酸素の濃度が低下した状態での前記バーナの燃焼再開後に決定された基準電圧に基づいて前記酸欠監視処理を行うと、燃焼用酸素が不足した状態がさらに悪化して、前記熱電対の出力電圧が前記バーナの燃焼再開後に決定された基準電圧以下となるまでは、前記バーナの燃焼が継続される。したがって、熱電対の出力電圧が前記バーナの燃焼開始時に決定された基準電圧以下となり、本来ならば燃焼用酸素が不足した状態であると判断されるべき状態となっても前記バーナの燃焼が継続され、燃焼用酸素の不足により前記バーナの不完全燃焼が生じるおそれがある。
【0012】
そこで、本発明は、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止されたときに、その後、燃焼用酸素の濃度が所定濃度まで回復したか否かを判断する酸素濃度回復判断手段を設け、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止された後、前記酸素濃度回復判断手段により、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復したと判断されるまでは、前記基準電圧保持手段は前記燃焼指示手段により前記バーナの燃焼が再開されても、前記基準電圧を変更せずに前記バーナの燃焼が停止された時の前記基準電圧を保持し、前記酸欠監視手段は、前記基準電圧保持手段により保持された前記バーナが停止された時点での前記基準電圧により前記酸欠監視処理を行うことを特徴とする。
【0013】
かかる本発明によれば、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止された後、前記酸素濃度回復判断手段により燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(通常の室内の酸素濃度を基準に決定される)まで回復したと判断される前に、前記バーナの燃焼が再開されたときは、前記酸欠監視手段は前記バーナの燃焼を停止した時の前記基準電圧により前記酸欠監視処理を行う。
【0014】
そのため、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度よりも低下した状態で前記バーナの燃焼が再開されたときでも、燃焼用酸素が不足する状態となったときには、前記熱電対の出力電圧が(前記バーナの燃焼停止時の)前記基準電圧以下となって、前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止される。したがって、燃焼用酸素が不足した状態で前記バーナの燃焼が継続され、前記バーナの不完全燃焼が生じることを防止することができる。
【0015】
また、前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止されてから、ある程度時間が経過すれば、前記燃焼装置の置かれた環境の換気が進んで、燃焼酸素の濃度が前記所定濃度まで回復すると考えられる。
【0016】
そのため、前記酸素濃度回復判断手段は、前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止されてから、所定時間が経過したときに、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復したと判断することができる。
【0017】
また、前記バーナの燃焼継続時間が長くなるに従って、燃焼により消費される酸素の総量も多くなる。そのため、前記燃焼指示手段の指示によって前記バーナの燃焼が停止された時の燃焼用酸素の濃度は、燃焼が停止されるまでの前記バーナの燃焼継続時間が長いほど低くなる。そして、前記バーナの燃焼が停止された時の燃焼用酸素の濃度が低いほど、その後、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復するのに要する時間が長くなる。
【0018】
そのため、前記酸素濃度回復判断手段は、前記所定時間を、前記燃焼指示手段の指示により前記バーナの燃焼が開始されてから、前記燃焼指示手段の指示により前記バーナの燃焼が停止されるまでの前記バーナの前回の燃焼継続時間に応じて決定することで、前記所定時間を必要最小限の時間に設定することができる。
【0019】
また、前記バーナの燃焼が開始されると、燃焼炎により前記熱電対が加熱されて前記熱電対の出力電圧が上昇する。そして、前記バーナの燃焼が停止されると、その後は時間の経過とともに前記熱電対は自然冷却されるので、前記熱電対の出力電圧は次第に低下する。
【0020】
そのため、前記酸素濃度回復判断手段は、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止された後、前記熱電対の出力電圧が所定レベル以下まで低下したときに、時間の経過により、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復したと判断することができる。
【0021】
また、前記燃焼装置が、前記バーナの異常燃焼等により前記燃焼装置が異常に加熱されたことを検出するための過熱温度検出手段を備えている場合は、前記バーナの燃焼が開始されると、前記バーナから放出される熱により前記燃焼装置が全体的に昇温されるので、前記過熱温度検出手段の検出温度はある程度上昇する。そして、前記バーナの燃焼が停止すると、その後は時間の経過とともに、前記燃焼装置は自然冷却されるので、前記過熱温度検出手段の検出温度は次第に低下する。
【0022】
そのため、前記酸素濃度回復判断手段は、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止された後、該過熱温度検出手段の検出温度が第1所定温度以下となったときに、時間の経過により燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復したと判断することができる。
【0023】
また、前記燃焼装置が暖房機であって室内の温度を検出する室温検出手段を備えている場合は、前記バーナの燃焼が開始されて室内の暖房が行われると、室温が上昇するため、前記室温検出手段の検出温度が上昇する。そして、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により、前記バーナの燃焼が停止されると、その後は時間の経過とともに室温が下がるため、前記室温検出手段の検出温度が下降する。
【0024】
そのため、前記酸素濃度回復判断手段は、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止された後、前記室温検出手段の検出温度が第2所定温度以上低下したときに、時間の経過により燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復したと判断することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例について、図1〜図11を参照して説明する。図1は本発明の燃焼装置である温風暖房機の全体構成図、図2は図1に示した温風暖房機の制御ブロック図、図3,図4は図1に示した制御ユニットの燃焼制御部の作動フローチャート、図5は図2に示した酸欠監視手段の作動フローチャート、図6は図2に示した基準電圧保持手段の作動フローチャート、図7は図2に示した酸素濃度回復判断手段の作動説明図、図8は燃焼用酸素の濃度が回復するまでに要する時間の設定方法の説明図、図9〜図11は図2に示した酸素濃度回復判断手段による、燃焼用酸素の濃度の回復判断方法の説明図である。
【0026】
図1を参照して、本実施の形態の温風暖房機はガスファンヒータであり、室内に配置される本体ケース1内に、ダクト2、送風ファン3、ガスバーナ4(本発明のバーナに相当する)、給気ダクト5、ガス供給管6及び制御ユニット7を備える。
【0027】
ダクト2は、温風の送風路を構成するものであり、室内空気を取り込むための吸気口8を本体ケース1の背面に開口し、本体ケース1の前面下部において温風の吹出口9を開口している。吸気口8には塵や埃等がダクト2内に流入するのを防ぐためにエアフィルタ10が着脱自在に取付けられている。吹出口9には、その開口度合いを調節する可動式ルーバ11が取付けられ、この可動式ルーバ11を駆動するためのギヤドモータ12が設けられている。
【0028】
送風ファン3は、通電電流に比例して回転数が変化するファンモータ14と、吹出口9に臨んでダクト2内に配置されファンモータ14により回転駆動される回転羽根15とを有し、回転羽根15の回転により吸気口8からダクト2内に室内空気sを吸引する。そして、吸引した室内空気sをダクト2内に組み込まれたガスバーナ4の燃焼排気hと混合し、それを温風mとして吹出口9から室内に吹き出す。この送風ファン3には、ファンモータ14の回転数を検出する回転数センサ16(ホール素子等により構成される)が設けられ、該回転数センサ16は、ファンモータ14の回転数に応じた信号を制御ユニット7に出力する。
【0029】
ダクト2内に組み込まれたガスバーナ4の下流側に、燃焼用空気と燃料ガスとの混合気に点火するための点火電極19が配置され、ガスバーナ4の燃焼排気hは燃焼胴17からダクト2内に排出される。また、ガスバーナ4の下流側には燃焼炎の有無を検知するための熱電対20が配置され、この熱電対20は、ガスバーナ4の燃焼炎に晒された状態で起電力を発生し、それを制御ユニット7に出力する。
【0030】
給気ダクト5は、室内空気s(燃焼用空気)と燃料ガスとをガスバーナ4に供給するための通路であり、ガスバーナ4と燃焼胴17とを連通し且つダクト2と画成して本体ケース1内に組み込まれ、本体ケース1の背面で開口した室内空気sの吸気口21を有している。そして、給気ダクト5のガスバーナ4側の箇所には、ガス供給管6の先端に取付けられたノズル22が設けられている。この給気ダクト5には、送風ファン3の回転作動により吸気口21から室内空気sが吸引され、その吸引された室内空気sがガス供給管6のノズル22から噴出される燃料ガスと混合されて、その混合気がガスバーナ4に供給される。尚、吸気口21は、ダクト2の吸気口8と共にエアフィルタ10により覆われている。
【0031】
また、給気ダクト5の内部の吸気口21付近の箇所には、この吸気口21に臨んで室温サーミスタ13(本発明の室温検出手段に相当する)が取付けられ、この室温サーミスタ13は、室温に応じた信号を制御ユニット7に出力する。
【0032】
ガス供給管6には、その上流側より、電磁弁24,25及び電磁比例弁26が順に配設されている。電磁弁24,25は制御ユニット7からの通電により開弁するものであり、通電が停止されると閉弁状態となって燃料ガスの通過を遮断する。電磁比例弁26は、制御ユニット7からの通電電流の大きさに伴って開度が増大する弁であり、通電電流とガスバーナ4への供給ガス量とが比例する。
【0033】
本体ケース1の外面部には運転スイッチ27、室温設定スイッチ28及びフィルタランプ29が配設されている。運転スイッチ27(本発明の燃焼指示手段に相当する)は、そのON/OFF操作により暖房運転の開始や終了を制御ユニット7に指示する。また、運転スイッチ27にはランプ(図示しない)が内蔵されており、ファンヒータの運転状態に応じて該ランプが点灯、点滅、消灯する。室温設定スイッチ28は室温を設定するための操作スイッチであり、その所定の操作により、設定温度Ta を例えば1℃ずつ上昇あるいは下降させて制御ユニット7に指示する。
【0034】
フィルタランプ29は、エアフィルタ10の目詰まりが進行している場合等、送風ファン3の回転作動時の風量が、正常な場合に比してある程度少なくなった場合に、制御ユニット7の通電制御により点灯し、その点灯によりエアフィルタ10の清掃等の必要性を使用者に報知する。また、過熱防止用サーミスタ30(本発明の過熱温度検出手段に相当する)は、ガスバーナ4の燃焼不良等により、ガスファンヒータの内部温度が異常に上昇したことを検知するものであり、制御ユニット7は、過熱防止用サーミスタ30の検出温度からガスファンヒータの内部温度が異常に上昇したことを検知したときは、ガスバーナ4の燃焼を停止してガスファンヒータを保護する。
【0035】
次に、図2を参照して、制御ユニット7は、CPUやROM、RAM等を用いて構成されたものであり、本発明の基準電圧保持手段40,酸欠監視手段41,及び酸素濃度回復判断手段42を有する燃焼制御部43と、ファン制御部44とを備える。
【0036】
燃焼制御部43は、運転スイッチ27及び室温設定スイッチ28の指示信号、並びに室温サーミスタ13,過熱防止用サーミスタ30及び熱電対20の検出信号に基づき、ガスバーナ4の点火、消火、燃焼量の調整(電磁比例弁26による燃料ガスの供給量の調整、及びファン制御部44を介したファンモータ14による燃焼用空気の供給量の調整)等の、ガスバーナ4の燃焼制御を行う。本実施の形態では、燃焼制御部43は、ガスバーナ4の点火動作時を含む燃焼運転中に、ガスバーナ4の燃焼量を3段階(強燃焼,中燃焼,弱燃焼)に制御する。
【0037】
基準電圧保持手段40は、バーナ4の燃焼開始後、バーナ4の燃焼が安定したときの熱電対20の出力電圧に基づいて、燃焼用酸素が不足した状態(例えば酸素濃度18%以下)となったことを検知するための、前記強燃焼、中燃焼、及び弱燃焼に応じた強燃焼基準電圧VS ,中燃焼基準電圧VM ,及び弱燃焼基準電圧VW を決定し、これらをメモリ45に保持する。
【0038】
酸欠監視手段41は、バーナ4の燃焼中に、バーナ4の燃焼量(強燃焼,中燃焼,弱燃焼)に応じて、メモリ45に保持された強燃焼基準電圧VS ,中燃焼基準電圧VM ,及び弱燃焼基準電圧VW のいずれかを基準電圧VB として選択し、熱電対20の出力電圧が基準電圧VB 以下となったときに、燃焼用酸素が不足する状態となったと判断してバーナ4の燃焼を強制的に停止する。また、酸素濃度回復判断手段42は、バーナ4の燃焼が停止した後、燃焼用酸素の濃度が所定濃度(例えば20.5%)まで回復したか否かを判断する。
【0039】
ファン制御部31は、燃焼制御部43から指示される燃焼量に応じた目標回転数(前記強燃焼,中燃焼,弱燃焼に対応した3段階)を決定し、回転数センサ16で検出されるファンモータ14の回転数が該目標回転数と一致するように、ファンモータ14への通電量を制御する。
【0040】
次に、図2に示した制御ユニット7の燃焼制御部43による暖房運転の制御動作について、図1,図2を参照しつつ、図3,図4のフローチャートに従って説明する。本実施の形態のガスファンヒータにおいては、電源が供給されると、制御ユニット7が作動を開始して暖房運転の待機状態となる。
【0041】
そして、図3のSTEP1で、使用者が運転スイッチ27をON操作すると、燃焼制御部43による暖房運転の制御が開始される。燃焼制御部43は、先ずSTEP2で、ファン制御部44を介して、送風ファン3を一定時間、所定の回転数(例えば前記強燃焼に応じた回転数)で作動させることで、ダクト2,給気ダクト5内のプリパージを行う。
【0042】
STEP2で前記プリパージを行った後、燃焼制御部30は、点火電極19に通電して火花放電を生じさせ、STEP4で30秒タイマをスタートさせる。そして、STEP5で電磁弁24,25に通電してこれらを開弁し、STEP6でガスバーナ4に供給される燃料ガスが中燃焼に応じた量になるように電磁比例弁26に通電し、STEP7でファン制御部44を介して、ファンモータ14を中燃焼に応じた回転数(中速)で回転させる。
【0043】
STEP8及びSTEP30は、ガスバーナ4の点火検知処理である。燃焼制御部43は、STEP6で点火電極19の火花放電を開始してから、STEP8で熱電対20の出力電圧VTCが着火検知レベル以上となる前に、STEP30で30秒タイマがタイムアップしたとき、即ち、点火電極19の火花放電の開始から30秒以内に、ガスバーナ4の点火が検知されなかった場合は、着火不良と判断してSTEP30からSTEP31に進む。そして、STEP31で電磁弁24,25を閉弁してガスバーナ4への燃料ガスの供給を停止し、STEP32でファン制御部44を介してファンモータ14の作動を停止する。
【0044】
さらに、燃焼制御部43は、STEP41に進んで運転スイッチ27に内蔵されたランプ(図示しない)を点滅させるエラー表示を行う。そして、STEP42で、使用者が運転スイッチ27をOFF操作したときに、燃焼制御部43は、運転スイッチ27に内蔵されたランプを消灯してエラー表示を解除してSTEP1に戻り、再び運転スイッチ27のON操作待ちになる。
【0045】
一方、STEP8で熱電対20の出力が着火検知レベル以上となったときには、燃焼制御部43は、STEP8からSTEP9に進んで点火電極19への通電を遮断して火花放電を停止する。続くSTEP10〜STEP13はガスバーナ4の燃焼状態を安定させるための強制強燃焼処理である。
【0046】
燃焼制御部43は、前記強燃焼の燃焼量に応じて、STEP10で電磁比例弁26の開度を大きくし、STEP11でファン制御部44を介してファンモータ14の回転数を高速にする。そして、STEP12でスタートさせた50秒タイマがSTEP13でタイムアップするまで、即ち50秒間ガスバーナ4を前記強燃焼で継続燃焼させる。ここで、50秒という強制燃焼の設定時間は、ガスバーナ4の燃焼開始初期において、ガスバーナ4の種々の動作環境、あるいは燃料の種類もしくは燃料成分のばらつきによらずに確実にガスバーナ4の燃焼を早期に安定化することができる時間を想定して定めたものである。
【0047】
STEP13で50秒タイマがタイムアップし、強制強燃焼が終了したときは、燃焼制御部43は、STEP14で基準電圧保持手段40の作動を開始し、STEP15で酸欠監視手段41の作動を開始した後、STEP16で温調制御を開始する。温調制御においては、燃焼制御部43は、室温設定スイッチ28により設定された暖房目標温度と、室温サーミスタ13により検出される実際の室内の温度との差に応じて、ガスバーナ4の燃焼量(強燃焼,中燃焼,弱燃焼)を決定する。そして、決定した燃焼量が得られるように、電磁比例弁26の開度を調節し、また、ファン制御部44を介してファンモータ14の回転数を調節する。
【0048】
温調制御の実行が開始されると、詳細は後述するが、基準電圧保持手段40により、熱電対20の出力電圧からガスバーナ4の燃焼用酸素の不足を検知するための基準電圧が決定(変更)され、温調制御の実行中は、酸欠監視手段41により、燃焼用酸素が不足した状態となったか否かを監視する処理(酸欠監視処理)が実行される。酸欠監視手段41は、燃焼用酸素が不足した状態となったことを検知すると、ガスバーナ4の燃焼を強制的に停止し、酸欠停止フラグをONする。
【0049】
そして、酸欠監視手段41により酸欠停止フラグがONされると、燃焼制御部43は、STEP17からSTEP40に分岐して基準電圧保持手段40の作動を停止してSTEP41に進み、上述したエラー表示等を行う。
【0050】
また、温調制御の実行中に、使用者が運転スイッチ27をOFF操作すると、STEP18からSTEP19に進み、燃焼制御部43は、STEP19で基準電圧保持手段40の作動を停止し、STEP20で酸欠監視手段41の作動を停止する。そして、STEP21で電磁弁24,25を閉弁してガスバーナ4の燃焼を停止する。
【0051】
次のSTEP22は、酸素濃度回復判断手段42(図2参照)による処理であり、酸素濃度回復判断手段42は、ガスバーナ4の燃焼が停止された後、燃焼用酸素の濃度が所定濃度まで回復したことを判断するために、回復タイマをスタートさせる。
【0052】
STEP22における回復タイマの設定時間は、STEP21で電磁弁24,25が閉弁されてガスバーナ4の燃焼が停止された後、室内の換気が進んで、室内空気中の燃焼用酸素の濃度が所定濃度(例えば20.5%、ガスバーナ4の燃焼を開始する前の室内の酸素濃度を基準として決定される)まで回復するのに要する時間を想定して決定される。
【0053】
ここで、図8を参照して、STEP22における回復タイマの設定時間の決定方法について説明する。図8は、ガスバーナ4の燃焼と燃焼停止を行ったときの、燃焼用酸素の濃度の推移を示したグラフであり、縦軸が室内の燃焼用酸素の濃度(%)、横軸がバーナ4の燃焼開始からの経過時間(分)である。
【0054】
先ず、燃焼用酸素の濃度が最も低下した状態、即ち18%程度まで低下した状態(図中t31、これ以下になると酸欠監視手段41によりガスバーナ4の燃焼が停止される)から、前記所定濃度(20.5%)となるまで(図中t32)の時間を回復タイマの設定時間(固定値)とすることで、酸素濃度回復判断手段42は、回復タイマがタイムアップした時に、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復したと確実に判断することができる。
【0055】
また、図8のt30〜t31の38分間、ガスバーナ4が継続燃焼したときは、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復するのに、t31〜t32の8分間を要するのに対して、t33〜t34の14分間、ガスバーナ4が継続燃焼したときは、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復するのに、t34〜t35の3分間で済む。即ち、ガスバーナ4の燃焼継続時間が長いほど、ガスバーナ4の燃焼停止から、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復するのに要する時間が短くて済む。そのため、STEP22における回復タイマの設定時間を、ガスバーナ4の燃焼継続時間に応じて、例えば、
設定時間=燃焼継続時間/5
のように設定することで、回復タイマの設定時間を必要最小限の値に設定することができる。
【0056】
そして、燃焼制御部43は、STEP23で、ファンモータ14を一定時間、所定の回転数(例えば弱燃焼に応じた回転数)で継続作動させて、ダクト2,給気ダクト5内のポストパージを行い、次いでSTEP24でファンモータ14の作動を停止してSTEP1に戻り、再び運転スイッチ27のON操作待ちとなる。
【0057】
次に、図5〜図7を参照して、基準電圧保持手段40による強燃焼基準電圧VS ,中燃焼基準電圧VM ,及び弱燃焼基準電圧VW の決定処理と、酸欠監視手段41によるガスバーナ4に対する酸欠監視処理と、酸素濃度回復判断処理42によるガスバーナ4の燃焼停止後の燃焼用酸素の濃度の回復判断処理について説明する。
【0058】
図5は酸欠監視手段41の作動フローチャートであり、酸欠監視手段41は、該フローチャートに従って、基準電圧保持手段40により決定された(決定方法については後述する)、強燃焼基準電圧VS ,中燃焼基準電圧VM ,及び弱燃焼基準電圧VW を用いてガスバーナ4に対する酸欠監視処理を行う。
【0059】
酸欠監視手段41は、STEP50及びSTEP60で、ガスバーナ4の燃焼状態に応じて基準電圧VB を設定する。即ち、STEP50でガスバーナ4が強燃焼状態であればSTEP51で強燃焼基準電圧VS を基準電圧VB とし、STEP60でガスバーナ4が中燃焼であればSTEP61で中燃焼基準電圧VM を基準電圧VB とし、ガスバーナ4が弱燃焼であればSTEP63で弱燃焼基準電圧VW を基準電圧VB とする。
【0060】
次いで、酸欠監視手段41は、STEP52で熱電対20の出力電圧VTCを基準電圧VB と比較し、熱電対20の出力電圧VTCが基準電圧VB 以下となったときに、ガスバーナ4の燃焼用酸素が不足した状態(燃焼用酸素の濃度が18%以下である状態)になったと判断してSTEP53に進む。そして、酸欠監視手段41は、STEP53で電磁弁24,25を閉弁してガスバーナ4の燃焼を強制的に停止し、STEP54でファンモータ14を停止する。
【0061】
続くSTEP55は、酸素濃度回復判断手段42による処理であり、酸素濃度回復判断手段42は、回復タイマをスタートさせる。この回復タイマは、上述したように、燃焼用酸素の濃度がガスバーナ4の燃焼開始時の状態まで回復したことを判断するためのものである。ここで、STEP55における回復タイマの設定時間は、STEP53でガスバーナ4の燃焼が強制的に停止された後に、室内の換気が進んで燃焼用酸素の濃度が、前記所定濃度(20.5%)まで回復するのに要する時間を想定して決定される。次いで、酸欠監視手段41は、STEP56でガスバーナ4の燃焼を強制的に停止したことを示す酸欠停止フラグをONする。これにより、上述した図4のフローチャートにおいて、燃焼制御部43は、STEP17からSTEP40に分岐してエラー表示等を行う。
【0062】
次に、図6のフローチャートを参照して、基準電圧保持手段40(図2参照)の作動について説明する。基準電圧保持手段40は、基本的にはSTEP71〜STEP79,STEP90〜STEP94,及びSTEP95〜STEP98の処理を実行することで、ガスバーナ4の燃焼開始後、ガスバーナ4の燃焼が安定した状態となった時に、上述した酸欠監視手段41による酸欠監視処理で使用される、強燃焼基準電圧VS ,中燃焼基準電圧VM ,及び弱燃焼基準電圧VW を決定してメモリ45(図2参照)に保持する。
【0063】
尚、メモリ45に保持された強燃焼基準電圧VS ,中燃焼基準電圧VM ,及び弱燃焼基準電圧VW のデータは、運転スイッチ27がOFF操作されても消失せず、ガスファンヒータへの電源供給が遮断されたときに消失する。そして、ガスファンヒータへの電源供給が再開された時に、強燃焼基準電圧VS ,中燃焼基準電圧VM ,及び弱燃焼基準電圧VW のデータとして所定の初期基準電圧VI がメモリ45にセットされる。
【0064】
また、STEP70は、酸素濃度回復判断手段42による処理であり、ガスバーナ4の燃焼が停止された直後に、ガスバーナ4が再点火されたときに生じる弊害を防止するためのものである。酸素濃度回復判断手段42の処理による効果については後述する。
【0065】
基準電圧保持手段40は、STEP71で、強燃焼基準電圧VS ,中燃焼基準電圧VM ,及び弱燃焼基準電圧VW が決定されたことを示すためのVS セットフラグ,VM セットフラグ,及びVW セットフラグをリセット(=0)する。そして、STEP72で、ガスバーナ4の燃焼が安定したことを判断するための2分タイマをスタートさせる。基準電圧保持手段40は、STEP73でガスバーナ4の燃焼量が変化せずにSTEP74で2分タイマがタイムアップしたとき、即ち、ガスバーナ4が2分間同一の燃焼状態(強燃焼、中燃焼、弱燃焼のいずれかの燃焼状態)で継続して燃焼したときに、ガスバーナ4の燃焼状態が安定したと判断してSTEP75に進む。
【0066】
そして、基準電圧保持手段40は、ガスバーナ4が強燃焼で継続して2分間燃焼したときは、STEP75からSTEP76に進み、STEP76でVS セットフラグがリセット(=0)されているとき(まだ強燃焼基準電圧VS が決定されていない状態であるとき)は、STEP77で熱電対20の出力電圧VTCを数回検出する。次いで、基準電圧保持手段40は、STEP78で検出した熱電対20の出力電圧VTCの平均電圧から所定レベル低い電圧を強燃焼基準電圧VS として決定し、メモリ45に保持する(それまでメモリ45に保持されていた強燃焼基準電圧VS のデータが更新される)。そして、STEP79で強燃焼基準電圧VS が決定されたことを示すVS セットフラグをセット(=1)する。
【0067】
また、ガスバーナ4が中燃焼で継続して2分間燃焼したときは、STEP75からSTEP90,STEP91に進む。そして、基準電圧保持手段40は、STEP91でVM セットフラグがリセット(=0)されているとき(まだ中燃焼基準電圧VM が決定されていない状態であるとき)は、STEP92で熱電対20の出力電圧VTCを数回検出する。次いで、基準電圧保持手段40は、STEP93で検出した熱電対20の出力電圧VTCの平均電圧から所定レベル低い電圧を中燃焼基準電圧VM として決定し、メモリ45に保持する(それまでメモリ45に保持されていた中燃焼基準電圧VM のデータが更新される)。そして、STEP94で中燃焼基準電圧VW が決定されたことを示すVW セットフラグをセット(=1)する。
【0068】
また、ガスバーナ4が弱燃焼で継続して2分間燃焼したときは、STEP75からSTEP90,STEP95に進む。そして、基準電圧保持手段40は、STEP95でVW セットフラグがリセット(=0)されているとき(まだ中燃焼基準電圧VM が決定されていない状態であるとき)は、STEP96で熱電対20の出力電圧VTCを数回検出する。次いで、基準電圧保持手段40は、STEP97で検出した熱電対20の出力電圧VTCの平均電圧から所定レベル低い電圧を小燃焼基準電圧VW として決定し、メモリ45に保持する(それまでメモリ45に保持されていた弱燃焼基準電圧VW のデータが更新される)。そして、STEP98で小燃焼基準電圧VW が決定されたことを示すVW セットフラグをセット(=1)する。
【0069】
そして、基準電圧保持手段40は、STEP80で、VS セットフラグ,VM セットフラグ,及びVW セットフラグが全てセット(=1)されたとき、即ち、強燃焼基準電圧VS ,中燃焼基準電圧VM ,及び弱燃焼基準電圧VW が全て決定されたときに、作動を終了する。
【0070】
次に、図7(a),7(b)を参照して、酸素濃度回復判断処理42の処理によって得られる効果について説明する。図7(a),7(b)はガスバーナ4の燃焼が開始された後、燃焼酸素の不足によりガスバーナ4の燃焼が停止され、その後、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復する前に、ガスバーナ4の燃焼が再開された場合の、熱電対20の出力電圧VTCの推移を示したグラフであり、縦軸が熱電対20の出力電圧VTC(mV)、横軸が経過時間(分)である。尚、説明の簡単のため、図7(a),7(b)におけるガスバーナ4の燃焼は強燃焼でのみ行われるものとする。
【0071】
図7(a)は、酸素濃度回復判断処理42による処理を行わない場合である。時刻t10でガスバーナ4の燃焼が開始され、ガスバーナ4の燃焼状態が安定したt11で、基準電圧保持手段40は、熱電対の出力電圧VA1よりも所定レベル(図中VD )低い電圧VB1を、強燃焼基準電圧VS (VS =VA1−VD 、VA1は前記所定濃度(20.5%)に対応した電圧となる)として決定(変更)し、酸欠監視手段41は該燃焼基準電圧VS を基準電圧VB (=VB1)として前記酸欠監視処理を行う。
そして、熱電対20の出力電圧VTCが基準電圧VB (=VB1)以下となったt12で、酸欠監視手段41はガスバーナ4の燃焼を強制的に停止する。その後、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復する前に、t13で使用者が運転スイッチ27をON操作してガスバーナ4の燃焼が再開されると、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)よりも低下した状態で、ガスバーナ4の燃焼が安定したt14で、熱電対20の出力電圧VA2(<VA1)よりも所定レベル(図中VD )低いVB2を電圧保持手段40は強燃焼基準電圧VS (VS =VA2−VD )を決定し、酸欠監視手段41は該強燃焼基準電圧VS を基準電圧VB (=VB2,<VB1)として決定して前記酸欠監視処理を行う。
【0072】
このように、酸素濃度回復判断手段42による処理を行わなかったときは、t13でガスバーナ4の燃焼を再開したときに、t14で新たに決定される基準電圧VB (=VB2)がガスバーナ4の燃焼停止時の基準電圧VB (=VB1,燃焼用酸素濃度18%に対応する)よりも低くなる。そのため、t14で酸欠監視手段41による酸欠監視処理が開始されたときに、熱電対20の出力電圧VTCが燃焼停止時の基準電圧VB (=VB1)以下となり、本来ならば、燃焼用酸素が不足した状態(燃焼用酸素の濃度が18%以下)と判断されるべき状態となっても、ガスバーナ4の燃焼は停止されない。
【0073】
そして、燃焼用酸素の濃度がさらに低下して熱電対20の出力電圧VTCが、t14で新たに決定された基準電圧VB (=VB2)以下となるt15までは、燃焼用酸素の濃度が不足した状態でガスバーナ4の燃焼が継続されるため、ガスバーナ4の不完全燃焼が生じるおそれがある。
【0074】
一方、図7(b)は、酸素濃度回復判断処理42による処理を行う場合である。t20でガスバーナ4の燃焼が開始されると、図7(a)と同様、ガスバーナ4の燃焼状態が安定したt21で、基準電圧保持手段40は強制燃焼基準電圧VS を(図中VB3=VA3−VD 、VA3は前記所定濃度(20.5%)に対応した電圧となる)を決定し、酸欠監視手段41は該強燃焼基準電圧VS を基準電圧VB (=VB3)として前記酸欠監視処理を行う。
【0075】
そして、熱電対20の出力電圧VTCがVB3以下となったt22で、酸欠監視手段41はガスバーナ4の燃焼を強制的に停止する。この時、上述した図5のフローチャートのSTEP55で、酸素濃度回復判断手段42により回復タイマがスタートされる。その後、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復する前に、t23で使用者が運転スイッチ27をON操作してガスバーナ4の燃焼が再開されたときは、回復タイマはまだタイムアップしていない。
【0076】
そのため、基準電圧保持手段40は、上述した図6のフローチャートのSTEP70で待ち状態となり、STEP71以下の処理は行われない。即ち、強燃焼基準電圧VS の更新が禁止される。この場合、酸欠監視手段41は、基準電圧保持手段40のメモリ45に保持された、t22でガスバーナ4の燃焼が強制的に停止されたときの基準電圧VB (=VB3)を用いて前記酸欠監視処理を行うこととなる。
【0077】
これにより、t23でガスバーナ4の燃焼が再開されてから、ガスバーナの燃焼が安定したt24で、酸欠監視手段42による前記酸欠監視処理が開始されたときに、熱電対20の出力電圧VTCが基準電圧VB (=VB3)以下となるため、ガスバーナ4の燃焼が直ちに停止される。
【0078】
そのため、図7(a)に示した例のように、燃焼用酸素が不足した状態(酸素濃度18%以下)で、ガスバーナ4の燃焼が継続され、ガスバーナ4の不完全燃焼が生じることを防止することができる。
【0079】
尚、図7(a),7(b)では、酸欠監視手段42によりガスバーナ4の燃焼が強制的に停止されたときの例を示したが、使用者の運転スイッチ27の操作によりガスバーナ4の燃焼が停止されたときにも、酸素濃度回復判断手段42により燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復するまでは、ガスバーナ4の燃焼停止時の基準電圧VB (酸素濃度18%に応じて電圧)で前記酸欠監視処理が行われる。そのため、燃焼用酸素が不足した状態(酸素濃度が18%以下となった状態)でガスバーナ4の燃焼が継続されることが防止される。
【0080】
また、本実施の形態では、酸素濃度回復判断手段42は、ガスバーナ4の燃焼停止後、所定時間が経過したときに、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復したと判断したが、図9に示したように、t40でガスバーナ4の燃焼が開始され、t41でガスバーナ4の燃焼が停止されたときに、その後時間が経過して燃焼用酸素の濃度が高くなるにつれて、熱電対20の出力電圧が低下する。そのため、酸素濃度回復判断手段42は、ガスバーナ4の燃焼停止後、熱電対20の出力電圧が所定レベル(例えば2mV)以下となったときに、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復したと判断するようにしてもよい。
【0081】
また、図10を参照して、t50でガスバーナ4の燃焼が開始されると、過熱防止用サーミスタ30の検出温度が上昇する。そして、t51でガスバーナ4の燃焼が停止されると、その後時間が経過して燃焼用酸素の濃度が高くなるにつれて、過熱防止用サーミスタ30の検出温度は下降する。このことから、酸素濃度回復判断手段42は、ガスバーナ4の燃焼停止後、過熱防止用サーミスタ30の検出温度が第1所定温度(例えば32℃)以下となったときに、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復したと判断するようにしてもよい。
【0082】
さらに、図11を参照して、t60でガスバーナ4の燃焼が開始されると、室内の温度が上がるため、室温サーミスタ13の検出温度が次第に上昇する。そして、t61でガスバーナ4の燃焼が停止されると、その後時間が経過して燃焼用酸素の濃度が高くなるにつれて室内の温度が下がるため、室温サーミスタ13の検出温度が下降する。このことから、酸素濃度回復判断手段42は、ガスバーナ4の燃焼停止後、室温サーミスタ30の検出温度が第2所定温度(例えば1.5℃)以上低下したときに、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度(20.5%)まで回復したと判断するようにしてもよい。
【0083】
また、本実施の形態では燃焼装置の例としてガスファンヒータを示したが、他の種類の燃焼装置であってもよい。さらにバーナはガスバーナ以外に、例えば石油バーナを使用する燃焼装置であってもよい。
【0084】
また、本実施の形態では、ガスバーナの燃焼量が、強燃焼、中燃焼、及び弱燃焼の3段階に切り替わるものを示したが、7段階や8段階など多段階に切り替わるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼装置である温風暖房機の全体構成図。
【図2】図1に示した温風暖房機の制御ブロック図。
【図3】図1に示した制御ユニットの作動フローチャート。
【図4】図1に示した制御ユニットの作動フローチャート。
【図5】図2に示した酸欠監視手段の作動フローチャート。
【図6】図2に示した基準電圧保持手段の作動フローチャート。
【図7】図2に示した酸素濃度回復判断手段の作動説明図。
【図8】燃焼用酸素の濃度が回復するまでに要する時間の設定方法の説明図。
【図9】図2に示した酸素濃度回復判断手段による、燃焼用酸素の濃度の回復判断処理の説明図。
【図10】図2に示した酸素濃度回復判断手段による、燃焼用酸素の濃度の回復判断処理の説明図。
【図11】図2に示した酸素濃度回復判断手段による、燃焼用酸素の濃度の回復判断処理の説明図。
【符号の説明】
1…本体ケース、2…ダクト、3…送風ファン、4…バーナ、5…給気ダクト、6…ガス供給管、7…制御ユニット、8…吸気口、9…吹出口、10…エアフィルタ、11…可動式ルーパ、12…ギヤドモータ、13…室温サーミスタ、14…ファンモータ、15…回転羽根、16…回転数センサ、17…燃焼胴、19…点火電極、20…熱電対、21…吸気口、22…ノズル、24,25…電磁弁、26…電磁比例弁、27…運転スイッチ、28…室温設定スイッチ、29…フィルタランプ、30…過熱防止用サーミスタ、40…基準電圧保持手段、41…酸欠監視手段、42…酸素濃度回復判断手段、43…燃焼制御部、44…ファン制御部
Claims (6)
- バーナと、該バーナの燃焼開始と燃焼停止とを指示する燃焼指示手段と、該バーナの燃焼状態に応じた電圧を出力する熱電対と、前記バーナの燃焼開始後、該バーナの燃焼状態が安定したときの前記熱電対の出力電圧に基づいて、燃焼用酸素の不足を検知するための基準電圧を決定し、該基準電圧を保持する基準電圧保持手段と、前記バーナの燃焼状態が安定した後、前記熱電対の出力電圧が前記基準電圧以下となったときに、燃焼用酸素が不足した状態となったと判断して前記バーナの燃焼を停止する酸欠監視処理を行う酸欠監視手段とを備えた燃焼装置において、
前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止されたときに、その後、燃焼用酸素の濃度が所定濃度まで回復したか否かを判断する酸素濃度回復判断手段を設け、
前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止された後、前記酸素濃度回復判断手段により、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復したと判断されるまでは、前記基準電圧保持手段は前記燃焼指示手段により前記バーナの燃焼が再開されても、前記基準電圧を変更せずに前記バーナの燃焼が停止された時の前記基準電圧を保持し、前記酸欠監視手段は、前記基準電圧保持手段により保持された前記バーナが停止された時点での前記基準電圧により前記酸欠監視処理を行うことを特徴とする燃焼装置。 - 前記酸素濃度回復判断手段は、前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止されてから所定時間が経過したときに、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復したと判断することを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
- 前記酸素濃度回復判断手段は、前記所定時間を、前記燃焼指示手段の指示により前記バーナの燃焼が開始されてから、前記燃焼指示手段の指示により前記バーナの燃焼が停止されるまでの前記バーナの前回の燃焼継続時間に応じて決定することを特徴とする請求項2記載の燃焼装置。
- 前記酸素濃度回復判断手段は、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止された後、前記熱電対の出力電圧が所定レベル以下まで低下したときに、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復したと判断することを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
- 前記燃焼装置の異常過熱を検出するための過熱温度検出手段を備え、前記酸素濃度回復判断手段は、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止された後、該過熱温度検出手段の検出温度が第1所定温度以下となったときに、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復したと判断することを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
- 前記燃焼装置は暖房機であって室内の温度を検出する室温検出手段を備え、前記酸素濃度回復判断手段は、前記燃焼指示手段又は前記酸欠監視手段により前記バーナの燃焼が停止された後、該室温検出手段の検出温度が第2所定温度以上低下したときに、燃焼用酸素の濃度が前記所定濃度まで回復したと判断することを特徴とする請求項1記載の燃焼装置。
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