JP3953353B2 - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関し、特に、発泡剤として環境破壊の極めて少ないペンタン類を使用した前記硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0002】
【技術背景】
硬質ポリウレタンフォームは、優れた断熱性と高い機械的強度を有することから、家庭用・業務用の冷凍庫・冷蔵庫、浴槽、自動販売機、建築物、その他種々の分野における機器類、構築物などの断熱材として広く利用されている。
【0003】
この硬質ポリウレタンフォームを製造するための発泡剤としては、古くは、CFC−11(トリクロロモノフルオロメタン)が用いられていた。
しかし、CFC−11は、オゾン層破壊係数が高く、1995年末までに、製造自体が禁止されている。
【0004】
この代替発泡剤として、現在、オゾン層破壊係数の低いHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、例えば、HCFC−141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、HCFC−22(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン)が用いられている。
しかし、これら代替フロンも、分子内に塩素原子を含むため、オゾン層破壊係数は低いもののオゾン層を破壊する特性を有しており、段階的に使用削減が実施されている。
【0005】
また、分子内に塩素原子を含まない次世代フロンと言われるHFC(ハイドロフルオロカーボン)、例えば、HFC−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、HFC−245fa(1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)などの使用が検討されている。
しかし、これらHFCも、オゾン層破壊係数は低いものの、地球温暖化係数が高く、地球環境保護の観点から、将来、使用が規制されることも考えられる。
【0006】
一方、オゾン層破壊や地球温暖化に影響の少ない炭化水素系発泡剤、例えばペンタン類が、上記のようなフロン類に代わる発泡剤として導入され、使用されるようになって来ている。
ペンタン類は、フロンのような環境破壊を伴わない発泡剤として適しているものの、ペンタン類に特有の幾つかの問題を抱えている。
【0007】
すなわち、ペンタン類は可燃性であり、これを発泡剤として使用した場合、得られる硬質ポリウレタンフォームの難燃性が著しく悪化する。
硬質ポリウレタンフォームの難燃性能を向上させるために、これまで、多量のポリエステルポリオールを用い、成形される硬質ポリウレタンフォームをイソシアヌレート化(三量体化)する技術が報告されている。
しかし、ペンタン類は、従来の芳香族ポリエステルポリオールには極めて溶解し難いため、これを発泡剤として成形される硬質ポリウレタンフォームは、内部ボイドが発生したり、表面状態が悪化することがあり、また表面状態の悪化に伴って接着性の低下を招くなどの問題がある。
【0008】
従来、ペンタン類を発泡剤として硬質ポリウレタンフォームを製造する旨を開示する特許公報(特許第3176050号公報)もあるが、この公報において、実施例はフロンを発泡剤とするもののみであり、ペンタン類を発泡剤とする場合の具体的な説明、例えば、ペンタン類は硬質ポリウレタンフォームの原料に溶解し難いこと、ペンタン類を良好に溶解させることができる原料としてどのようなものが使用できるか、製品フォームの特性(外観品質、難燃性など)を良好にするためにはペンタン類はもとより、どのような原料をどれぐらい使用すればよいかなど、は一切触れられておらず、ペンタン類を発泡剤とするとの着想を単に提供するに止まっている。
【0009】
【発明の目的】
そこで、本発明は、環境破壊を伴わないペンタン類を使用するにも拘らず、優れた難燃性能を有すると共に、内部ボイドの発生がなく、表面状態も良好で、外観品質に優れた硬質ポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【0010】
【目的を達成するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために種々検討した結果、先ず、
(1)外観品質に優れた硬質ポリウレタンフォームとするためには、発泡剤としてのペンタン類が原料中に良好に溶解していることが重要であること、
(2)しかも、ペンタン類は、原料中に特定の量で含まれていることが重要であること、
の知見を得た。次に、これらの知見を基にペンタン類を溶解させる特性を有する原料の選定を行った結果、
(3)芳香族ポリエステルポリオールは、ペンタン類を良好に溶解させることができること、
(4)この芳香族ポリエステルポリオールを、ポリオール成分として含む原料を使用すれば、上記目的を全て良好に達成することができること、
の知見を得た。
【0011】
本発明は、以上の知見に基づいてなされたもので、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤を含む原料から硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、
発泡剤が、ペンタン類であり、
ポリオールが、水酸基価150〜350mgKOH/gの芳香族ポリエステルポリオールを60重量%以上含むものであり、
該芳香族ポリエステルポリオールのペンタン類の溶解度が、該芳香族ポリエステルポリオール100gに対して10〜25gであって、かつ該芳香族ポリエステルポリオールが、(A)炭素数12〜30の脂肪酸、該脂肪酸を成分とする油脂又は脂肪酸化合物の1種以上と、(B)多塩基酸と、(C)多価アルコールとから得られ、該(A)成分が該(A),(B),(C)成分からなる反応混合物全重量に対して5〜40重量%であり、
ポリイソシアネートのインデックスが180〜300である、
ことを特徴とする。
【0012】
本発明における発泡剤であるペンタン類としては、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ネオペンタンなどが挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができ、また水を併用することもできる。
発泡剤の使用量は、ポリオール成分100重量部当たり、ペンタン類5〜30重量部であり、水を併用する場合は、水0〜3重量部とすることが好ましい。
ペンタン類が5重量部未満では、フォームが不均一となり、30重量部を超えると、硬質ポリウレタンフォームが収縮し易くなる場合がある。
水を併用する場合は、水が3重量部より多いと、硬質ポリウレタンフォームの接着性や脆性が低下する傾向になる。
【0013】
本発明の芳香族ポリエステルポリオールを得るための(A)成分の脂肪酸は、炭素数12〜30の脂肪酸であり、炭素数が30より多いと、得られる硬質ポリウレタンフォームの物性が低下する場合があり、12未満であると、発泡剤であるペンタン類を溶解し難くなる場合がある。
この脂肪酸の具体例としては、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ドコサヘキサエン酸などの天然あるいは合成脂肪酸が挙げられる。
これらは、いずれかを単独で、または2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0014】
上記の脂肪酸を成分とする油脂または脂肪酸化合物としては、例えば、アマニ油、コーン油、ゴマ油、ヒマシ油などの植物油;牛脂、豚脂、鯨油などの動物油;ニシン油などの魚油などが挙げられ、これらは天然油であっても、合成油であってもよい。
これらは、いずれかを単独で、または適宜の組み合わせによる2種以上を用いることができる。
【0015】
(B)成分の多塩基酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物などの芳香族多塩基酸が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0016】
(C)成分の多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−または1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類;などが使用できる。
これらは、いずれかを単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0017】
上記(A)成分は、上記(A),(B),(C)成分からなる反応混合物の合計量に対し、5〜40重量%とすることが重要である。
すなわち、(A),(B),(C)成分からなる反応混合物から得られる芳香族ポリエステルポリオールは、前記したように発泡剤であるペンタン類の溶解度を上げるために使用するものであって、5重量%未満では、ペンタン類を所望の溶解度で溶解させることができず、40重量%より多いと、硬質ポリウレタンフォームの物性が低下する場合がある。
【0018】
上記(A),(B),(C)成分からなる反応混合物を反応させることによって得られる芳香族ポリエステルポリオールの水酸基価は、150〜350mgKOH/gである。
150mgKOH/g未満では、硬質ポリウレタンフォームの強度が低下したり、収縮し易くなる場合があり、350mgKOH/gを超えると、後述するポリイソシアネート成分などとの混合攪拌操作性が低下し、硬質ポリウレタンフォームのセル荒れが発生して、フォームの外観品質が低下したり、被接着物との接着不良ひいては接着強度の低下などが生じる場合がある。
なお、上記の芳香族ポリエステルポリオールは、通常のエステル化反応によって得ることができる。エステル化以外の方法としては、油脂類およびポリエステル樹脂等を多価アルコールでエステル交換して得ることができる。
【0019】
また、上記芳香族ポリエステルポリオールは、発泡剤であるペンタン類の溶解度が、芳香族ポリエステルポリオール100gに対し10〜25gであることが重要である。
芳香族ポリエステルポリオールのペンタン類の溶解度がこれより低い場合は、貯蔵時や硬質ポリウレタンフォームの製造時にペンタン類が大気中に揮散してしまい、ペンタン類の使用量を上記より多くしても、硬質ポリウレタンフォームの発泡剤として消費される量が少なくなり、所望の発泡倍率を有する硬質ポリウレタンフォームを得ることができない場合や、フォームの外観品質が低下し、被接着物との接着不良ひいては接着強度の低下などが生じる場合がある。
芳香族ポリエステルポリオールのペンタン類の溶解度がこれより高い場合は、ペンタン類の使用量が飽和することがあり無意味となる場合や、溶解度を高めるために上記芳香族ポリエステルポリオールの特性を改良する必要があり、技術的あるいはコスト的な問題が生じる懸念がある。
【0020】
なお、従来、ポリエステルポリオールを硬質ポリウレタンフォームのポリオール成分とする旨を開示する特許公報(特許第3153875号公報、同3176050号公報、同3197508号公報、同3197513号公報)もあり、またこのポリエステルポリオールを用い、ペンタン類を発泡剤として硬質ポリウレタンフォームを製造する旨を開示する特許公報(前述の特許第3176050号公報)もあるが、前述のように、高品質の硬質ポリウレタンフォームを一定の品質で安定して製造する際の具体的条件、例えば、発泡剤であるペンタン類の溶解度、この溶解度を得るためのポリエステルポリオール中の脂肪酸の炭素数や含有量を特定している公報は一切なく、現に、これらの特許公報でも、実施例は、特定フロンを用いたもののみとなっている。
これは、ペンタン類を、特定の量で、しかも通常の溶解操作で容易に、溶解することのできるポリオール成分の開発あるいは特定が不十分であったことにあると推測できる。
本発明では、このような点に着目し、試行錯誤の結果、従来は、難燃性の硬質ポリウレタンフォームを得る際の原料であった脂肪酸変性芳香族ポリエステルポリオールが、前述のように、ペンタン類を発泡剤とする場合のポリオール成分として有望であることの知見を得てなし得たものである。
【0021】
本発明におけるポリオール成分は、上記の芳香族ポリエステルポリオールを60重量%以上含むものである。
上記の芳香族ポリエステルポリオールの含有量が60重量%未満であると、硬質ポリウレタンフォームの難燃性が不十分となる場合もあるばかりか、ペンタン類の溶解性が悪くなり、所定量のペンタン類を溶解することができなくなる。
本発明のポリオール成分は、上記の芳香族ポリエステルポリオールだけ(すなわち、上記の芳香族ポリエステルポリオールが100重量%)であってもよいが、40重量%までのポリエーテルポリオールあるいは上記の芳香族ポリエステルポリオール以外のポリエステルポリオールを含んでいてもよい。
【0022】
このポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュークローズ、ビスフェノールAなどの多価アルコール;エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンなどの脂肪族アミン類;トルエンジアミン、メチレンジアニリンなどの芳香族アミン類;マンニッヒ縮合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを1種または2種以上を付加重合して得られるポリエーテルポリオールなどが挙げられ、これらのポリエーテルポリオールは1種単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0023】
これらのポリエーテルポリオールの水酸基価は、特に限定しないが、300〜800mgKOH/gが適している。
300mgKOH/g未満では、硬質ポリウレタンフォームの強度が低下したり、収縮し易くなる場合があり、800mgKOH/gを超えると、後述するポリイソシアネート成分などとの混合攪拌操作性が低下し、硬質ポリウレタンフォームのセル荒れが発生して、フォームの外観品質が低下したり、被接着物との接着不良ひいては接着強度の低下などが生じる場合がある。
【0024】
また、上記以外にも、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、これらの無水物である脂肪族多塩基酸、あるいは油脂を、前記した多価アルコール類により、エステル化反応またはエステル交換反応して得られる脂肪族ポリエステルポリオールも、1種単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0025】
これら脂肪族ポリエーテルポリオールの水酸基価も、特に限定しないが、100〜400mgKOH/gが適している。
100mgKOH/g未満では、硬質ポリウレタンフォームの強度が低下したり、収縮し易くなる場合があり、400mgKOH/gを超えると、後述するポリイソシアネート成分などとの混合攪拌操作性が低下し、硬質ポリウレタンフォームのセル荒れが発生して、フォームの外観品質が低下したり、被接着物との接着不良ひいては接着強度の低下などが生じる場合がある。
【0026】
上記のポリオール成分と反応させるポリイソシアネート成分として、本発明では、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなど;これらの変性ポリイソシアネート、すなわち、ポリイソシアネートの部分化学反応で得られる生成物であって、例えば、エステル、尿素、ビューレット、アロファネート、カルボジイミド、イソシアヌレート、ウレタンなどの基を含むポリイソシアネート;などが挙げられ、これらは1種単独であるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0027】
上記のポリイソシアネート成分の使用量は、イソシアネートインデックス(=ポリイソシアネート成分のNCO基/ポリオール成分の活性水素《当量比》×100)が150〜300、好ましくは180〜250となる量である。
イソシアネートインデックスが150未満であると、硬質ポリウレタンフォームの難燃性や耐熱性が不十分となり、300を超えると、硬質ポリウレタンフォームのセルむらが発生し、フォームの外観品質が低下したり、被接着物との接着不良ひいては接着強度の低下などが生じる場合がある。
【0028】
本発明では、以上のポリオール成分とポリイソシアネート成分とを、発泡剤であるペンタン類の存在下で反応させて、本発明における硬質ポリウレタンフォームを得るが、このとき触媒として、従来から一般に用いられているアミン触媒や金属触媒などが好ましく使用できる。
このアミン触媒としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルプロパンジアミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリン、トリエチレンジアミン、N,N′,N′−トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N,−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N′,N″−トリス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N−アミノエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾールなどが使用できる。
金属触媒としては、例えば、スタナスオクトエート;ジブチルチンジラウリレート;オクチル酸鉛;酢酸カリウム、オクチル酸カリウムなどのカリウム塩などが使用できる。
これらのアミン触媒や金属触媒の他に、蟻酸や酢酸などの脂肪酸の第4級アンモニウム塩なども使用できる。
以上の触媒は、それぞれ1種単独で使用してもよいし、2種以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
本発明における触媒の使用量は、ポリオール成分100重量部に対して0.01〜15重量部程度が好ましい。
【0029】
また、本発明では、整泡剤を使用することが好ましく、この整泡剤としても、従来から一般に用いられているシリコン系化合物など、例えば日本ユニカー社製商品名SZ−1642、SZ−1669、SZ−1671、L−5421、ゴールドシュミット社製商品名B8465、B8443など、が好ましく使用できる。
整泡剤の使用量は、ポリオール成分100重量部に対して0.1〜5重量部程度が好ましい。
【0030】
その他の助剤として、従来から一般に用いられている発泡安定剤、気泡制御剤、相溶化剤、充填剤、染料、顔料、難燃剤、加水分解防止剤などを適量で使用することができる。
【0031】
本発明の硬質ポリウレタンフォームは、前述のように、ポリオール成分、発泡剤であるペンタン類、触媒、その他の助剤からなる混合物と、ポリイソシアネート成分とを、所定の量で連続あるいは非連続に、添加・混合するなどの、従来から一般に行われている通常の発泡方式を採用して反応させることにより得ることができる。
【0032】
【実施例】
実施例1
表1に示す割合で、ポリオール、発泡剤、整泡剤、触媒、難燃剤を配合し、ポリオール混合物とした。
このポリオール混合物に、ポリイソシアネートを、表1に示すイソシアネートインデックスとなるように添加、混合した。
ポリイソシアネートの混合後、直ちに、40℃に調整したモールドに注入し、自由発泡させて、硬質ポリウレタンフォームを得た。
【0033】
表1中の原料は、以下の通りである。
ポリオールA:テレフタル酸とアマニ油とをエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール(反応混合物全重量に対するアマニ油量:5重量%),水酸基価250mgKOH/g
ポリオールB:テレフタル酸とアマニ油とをエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール(反応混合物全重量に対するアマニ油量:20重量%),水酸基価250mgKOH/g
ポリオールC:テレフタル酸とアマニ油とをエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール(反応混合物全重量に対するアマニ油量:40重量%),水酸基価250mgKOH/g
ポリオールD:テレフタル酸とアマニ油とをエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール(反応混合物全重量に対するアマニ油量:20重量%),水酸基価150mgKOH/g
ポリオールE:テレフタル酸とアマニ油とをエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール(反応混合物全重量に対するアマニ油量:20重量%),水酸基価350mgKOH/g
ポリオールF:テレフタル酸とコーン油とをエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール(反応混合物全重量に対するアマニ油量:20重量%),水酸基価350mgKOH/g
ポリオールG:無水フタル酸とステアリン酸とをエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール(反応混合物全重量に対するステアリン酸量:20重量%),水酸基価350mgKOH/g
ポリオールH:テレフタル酸とアマニ油とをエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール(反応混合物全重量に対するアマニ油量:20重量%),水酸基価120mgKOH/g
ポリオールI:テレフタル酸とアマニ油とをエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール(反応混合物全重量に対するアマニ油量:20重量%),水酸基価400mgKOH/g
ポリオールJ:テレフタル酸とアマニ油とをエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール(反応混合物全重量に対するアマニ油量:60重量%),水酸基価250mgKOH/g
ポリオールK:テレフタル酸をエチレングリコールとグリセリンでエステル化した芳香族ポリエステルポリオール,水酸基価250mgKOH/g
ポリオールL:マレイン酸をエチレングリコールとグリセリンでエステル化した脂肪族ポリエステルポリオール,水酸基価250mgKOH/g
ポリオールM:トルエンジアミンにプロピレンオキサイドを付加して得たポリエーテルポリオール,水酸基価420mgKOH/g
イソシアネート:ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート(住化バイエルウレタン社製商品名“スミジュール44V20”,NCO31.0%)
整泡剤:日本ユニカー社製商品名“SZ−1642”
触媒:N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンと、カリウム含有量15重量%の酢酸カリウムエチレングリコール溶媒を、1:2(重量比)で混合したもの
難燃剤:大八化学社製商品名“TMCPP”
【0034】
また、表1において、
NCOインデックス:イソシアネートインデックス
ペンタン類の溶解度(ポリエステルポリオールのペンタン類の溶解度):試験管に、用いたポリエステルポリオール100gを採り、これを静かに攪拌しながら、用いるペンタン類を加え、混合液が白濁する直前のペンタン類の添加g数を意味する。
【0035】
【表1の1】
【0036】
【表1の2】
【0037】
【表1の3】
【0038】
【表1の4】
【0039】
【表1の5】
【0040】
以上のようにして得られた硬質ポリウレタンフォームの物性を表2に示す。
なお、表2に示す各物性は、次のような方法により測定した。
密度(kg/m3):JIS−A−9511に準拠。
圧縮強度(MPa):JIS−A−9511に準拠しており、0.1MPa以上が好ましい。
低温寸法変化率(%):ASTM−D−2126に準拠しており、±5%以内が好ましい(なお、「+」は膨張、「−」は収縮を意味する)。
接着強度(MPa):JIS−A−9526に準拠。
難燃性:JIS−A−1321に規定される表面試験(難燃3級試験)を行い、排気温度曲線が標準温度曲線を超えている部分の面積(単位℃×分、以下、「tdθ」と記す)が350tdθ以下であって、発煙係数(CA)が120以下のものを良好とし、120を超えるものを不適とした。
フォーム外観:目視によりボイド、セルむら、セル荒れなどの外観品質に問題がないものを良好とし、問題があるものを不適とした。
総合評価:上記の密度からフォーム外観までの6項目の総合評価であり、良好なものを○、やや問題はあるものの実用上支障ないものを△、実用上支障あるものを×とした。
【0041】
【表2の1】
【0042】
【表2の2】
【0043】
【表2の3】
【0044】
【表2の4】
【0045】
【表2の5】
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ポリオール成分としてペンタン類の溶解性に優れた芳香族ポリエステルポリオールすることにより、従来から、環境破壊は伴わないが、優れた難燃性や外観品質を得ることができないとされているペンタン類を発泡剤として使用して、優れた難燃性を有するばかりか、外観品質にも極めて優れた硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
また、本発明の硬質ポリウレタンフォームによれば、硬質ポリウレタンフォームが本来有する優れた断熱性と高い機械的強度をそのまま保持するため、従来から広く利用されている家庭用・業務用の冷凍庫・冷蔵庫、浴槽、自動販売機、建築物、その他種々の分野における機器類、構築物などの断熱材として、環境破壊を招来することなく、従来通り、有効に、広く利用することができる。
Claims (1)
- ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤を含む原料から硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、
前記発泡剤が、ペンタン類であり、
前記ポリオールが、水酸基価150〜350mgKOH/gの芳香族ポリエステルポリオールを60重量%以上含むものであり、
該芳香族ポリエステルポリオールのペンタン類の溶解度が、該芳香族ポリエステルポリオール100gに対して10〜25gであって、かつ該芳香族ポリエステルポリオールが、(A)炭素数12〜30の脂肪酸、該脂肪酸を成分とする油脂又は脂肪酸化合物の1種以上と、(B)多塩基酸と、(C)多価アルコールとから得られ、該(A)成分が該(A),(B),(C)成分からなる反応混合物全重量に対して5〜40重量%であり、
前記ポリイソシアネートのインデックスが180〜300である、
ことを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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