JP4688543B2 - 屋上及び屋根断熱防水工法用断熱積層体 - Google Patents
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また、特許第3142921号公報に記載されるフェノールフォームも知られている。
しかし、これらは、オゾン層破壊係数や地球温暖化の観点から製造や使用が規制されている。
(i)上記断熱積層体のプラスチック系発泡断熱材が、発泡剤として炭化水素を用いたものであり、(ii)表面材の少なくとも一方が、50g/m2以上のアスファルトを有するシートであり、(iii)この表面材から上記断熱材の内部にまで達する開口面積0.03mm2以上の孔を、1個/100cm2以上有する断熱積層体であり、上記孔のうち、断熱材の他方の表面材にまで達し、かつ縦断面が概略鼓状の孔が、1個/1000cm2以上であることを特徴とする。
このとき、断熱積層体の断熱材部分が、イソシアネートインデックス150以上の硬質ポリウレタンフォームであることが好ましい。
アスファルトを使用した表面材は、上記発泡断熱材の少なくとも一方の表面に積層するが、この表面材におけるアスファルトの使用量は、単位面積当たりの重量で50g/m2以上、好ましくは100g/m2以上である。
アスファルトが50g/m2未満では、トーチバーナーを当てて防水シートと融着させる施工段階で、十分な接着力を発現することが難しい。他方、アスファルトの量が多すぎると、本発明の積層体における物性には影響はないが、製造コスト、作業性等の観点から問題があるため、500g/m2程度を上限とすることが好ましい。
後者の表面材における基材としては、織布,不織布,編布等が好ましく、特に耐熱性の観点から、ガラス繊維からなる不織布が望ましい。
また、これらの表面材は、発泡断熱材の一方の面の表面材としてのみアスファルトを使用した表面材を使用する場合において、他方の面の表面材として使用することができる。
このとき、孔一個あたりの開口面積が小さすぎると、燃焼生成ガスが表面材と断熱材の層間に溜まり剥離が発生するため、本発明では、この開口面積を0.03mm2以上とする。
孔の面積が大きすぎると、発生する燃焼生成ガスの量が増えるので引火しやくなり、表面材にトーチバーナーによる残炎が生じやすくなったり、断熱積層体敷設から施工までに降雨等があった場合には、断熱積層体内部に水が浸み込みやすくなる等の不具合が生じる可能性があるため、孔一個当たりの開口面積の上限は10mm2程度とすることが望ましい。
孔の数が多すぎると、上記の開口面積が大きすぎる場合と同様の不具合が生じる可能性があるばかりか、接着力の低下が生じやすくなるため、開口面積の合計の上限で50cm2/100cm2となる孔数とすることが好ましい。
この縦断面形状が概略鼓状をなす孔は、細径部において該孔内を通過するガスの流速を高めることができ、しかも流速の大きいガス流が発生すれば、周囲のガスが速やかにかつ大量に孔内に誘引されることとなる。従って、このような態様の孔を設けることによって、本発明においては、トーチ工法を実施する際に発泡断熱材の内部で発生する燃焼生成ガスを、本願出願人による先提案の特許第3183553号公報に記載の構成のものに比して、より速やかにかつ大量に発泡断熱材の外側に逃散させることができ、炭化水素を発泡剤とする発泡断熱材を使用した屋上及び屋根断熱防水工法用断熱積層体を、トーチ工法に適したものとすることができる。
このとき、一対の針ロール、あるいは一対の針プレス板を用い、断熱積層体のアスファルトを使用した表面材側からと他方の表面材側からの両方から、略同一箇所に針が突き刺さるようにすれば、アスファルトを使用した表面材から断熱材の内部を通り他方の表面材にまで達する孔であって、縦断面形状が概略鼓状をなす孔を穿設することができる。
本発明では、このような穿設を行う箇所を1個/1000cm2以上設けておくことを特徴とする。これより少ないと、上記した速やかでかつ大量の燃焼生成ガスの実用的な逃散を実現することができない。なお、上限は特に限定せず、全ての孔がこのような態様であっても支障ないが、針同士の当接により針の先端部の欠け等を生じる虞れがあるため、50個/1000cm2程度を限度とすることが実用的である。
こられ何れの形状においても、上記のようにアスファルトを使用した一方の表面材から他方の表面材にまで至り、かつ縦断面形状が概略鼓状の細径部を有するものを、上記程度の個数で有するようにすることが好ましい。
発泡断熱材の自己接着性を利用ために、発泡断熱材としては硬質ポリウレタンフォームが好適である。
イソシアネートインデックスが150未満の場合、耐熱性が低く施工時に防水シートとの接着性能が得にくくなる場合がある。イソシアネートインデックスが高すぎる場合、発泡断熱材の自己接着性が低下し、接着剤等による後積層加工が必要となる。
目付け量100g/m2のガラス繊維不織布に100g/m2のアスファルトを含浸させたものを表面材として用い、これをシクロペンタンを発泡剤とする硬質ポリウレタンフォーム(イソシアナートインデックス180)からなる発泡断熱材30×30×3cm(両面にPE防湿フィルム付きライナー材による表面材が被覆してあるボード)の一方の面に、エポキシ系接着剤を用いて貼付け、本発明の断熱積層体とした。
この断熱積層体に、直径1mm(開口面積0.785mm2)、深さ2mmの表1に示す針数の針ロールを使用して、アスファルトを使用した表面材側から断熱材内部に到達する孔を穿った。
発泡剤としてノルマルペンタンを用いた以外は実施例1と同様にして断熱積層体を得、この断熱積層体に実施例1と同様にして穿孔した。
発泡剤として水及びシクロペンタン(水:シクロペンタン《重量比》=2:15)を用いた以外は実施例1と同様にして断熱積層体を得、この断熱積層体に実施例1と同様にして穿孔した。
発泡断熱材として発泡剤にイソペンタンを用いたフェノールフォーム30×30×3cm(表面材として断熱材の両面にポリエステル不織布が被覆してあるボード)を用いる以外は実施例1と同様にして断熱積層体を得、この断熱積層体に実施例1と同様にして穿孔した。
発泡断熱材として発泡剤にシクロペンタンを用いたエポキシフォーム30×30×3cm(表面材による被覆なし)を用いる以外は実施例1と同様にして断熱積層体を得、この断熱積層体に実施例1と同様にして穿孔した。
発泡断熱材として発泡剤にブタンを用いた押出しポリスチレンフォーム30×30×3cm(表面材による被覆なし)を用いる以外は実施例1と同様にして断熱積層体を得、この断熱積層体に実施例1と同様にして穿孔した。
実施例1で使用したものと同じ針ロールを一対用意し、両ロールの針数の10%が略同一箇所に突き刺さるようにしたものを使用する以外は、実施例1と同様にして、実施例1で得た断熱積層体に穿孔した。
実施例1で得た断熱積層体であって、穿孔しないものを用意した。
発泡剤としてHCFC-141bを用いる以外は実施例1と同様にして断熱積層体を得た。
目付け量100g/m2のガラス繊維不織布に100g/m2のアスファルトを含浸させたものを表面材として用い、これに、発泡断熱材として発泡剤に水及びシクロペンタン(水:シクロペンタン《重量比》=1:20)を用いたイソシアネートインデックスが200の硬質ポリウレタンフォームを、該ウレタンフォームの自己接着性を利用して、一体成形し30×30×3cmの断熱積層体とした。
この断熱積層体に実施例1と同様にして穿孔した。
発泡剤として水及びシクロペンタン(水:シクロペンタン《重量比》=1:20)を用い、イソシアネートインデックスが260の硬質ポリウレタンフォームを用いる以外は、実施例8と同様にして断熱積層体を得、この断熱積層体に実施例1と同様にして穿孔した。
発泡剤として水及びシクロペンタン(水:シクロペンタン《重量比》=1:20)を用い、イソシアネートインデックスが120の硬質ポリウレタンフォームを用いる以外は、実施例8と同様にして断熱積層体を得、この断熱積層体に実施例1と同様にして穿孔した。
上記の実施例、比較例、参考例で作成した各断熱積層体について、次の性能を評価し、結果を表1に示す。
◎;層間剥離が全く見られないもの。
○;層間剥離が極く僅かな箇所で発生しているが、実用に供して何らの問題がないもの。
△;層間剥離が少しの箇所で見られるものの、実用に供して問題がないもの。
×;層間剥離が広い範囲で生じており、実用に供することができないもの。
◎;全く異常がみられないもの。
○;僅かな変形や膨張などの不具合がみられるものの、実用に供して問題ないもの。
△;少しの変形や膨張などの不具合がみられるものの、実用に供して問題ないもの。
×;大きな変形や膨張などの不具合がみられ、実用に供し得ないもの。
◎;発火も残炎も全く無いもの。
○;発火あるいは残炎が極く僅かに視られるものの、危険は全くないもの。
△;発火あるいは残炎が少し視られるものの、注意すれば危険はないもの。
×;発火あるいは残炎があり、危険が大きいもの。
Claims (2)
- トーチ工法による屋上及び屋根断熱防水工法に使用される断熱積層体であって、
該断熱積層体は、板状のプラスチック系発泡断熱材の両面が表面材により積層されており、
(i)前記プラスチック系発泡断熱材は、発泡剤として炭化水素を用いたものであり、
(ii)前記表面材の少なくとも一方が、50g/m2以上のアスファルトを有するシートであり、
(iii)前記表面材から断熱材の内部にまで達する開口面積0.03mm2以上の孔を1個/100cm2以上有し、当該孔のうち、他方の表面材にまで達し、かつ縦断面が概略鼓状の孔が、1個/1000cm 2 以上である
ことを特徴とする断熱積層体。 - 断熱積層体の断熱材部分が、イソシアネートインデックス150以上の硬質ポリウレタンフォームであることを特徴とする請求項1または2記載の断熱積層体。
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