JPH08267628A - 難燃性複合断熱材および鉄道車両用空調ダクトの断熱材 - Google Patents

難燃性複合断熱材および鉄道車両用空調ダクトの断熱材

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JPH08267628A
JPH08267628A JP7073475A JP7347595A JPH08267628A JP H08267628 A JPH08267628 A JP H08267628A JP 7073475 A JP7073475 A JP 7073475A JP 7347595 A JP7347595 A JP 7347595A JP H08267628 A JPH08267628 A JP H08267628A
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JP
Japan
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flame
heat insulating
retardant
insulating material
resin foam
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Application number
JP7073475A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Inoue
勉 井上
Hisashi Nakajima
久 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08267628A publication Critical patent/JPH08267628A/ja
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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L59/00Thermal insulation in general
    • F16L59/08Means for preventing radiation, e.g. with metal foil

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄運第81号における極難燃性の評価基準を
満足し、安価で、且つ手によってダクト内側に対して取
り付け加工ができるだけの柔軟性を備え、カッター等で
容易に切断可能で、優れた加工性、施工性を備えた難燃
性複合断熱材を提供する。 【構成】 樹脂発泡体10の一方の面に金属箔21と難
燃繊維層22からなる表面材20を難燃繊維層21が樹
脂発泡体10に接するように積層する。燃焼時に樹脂発
泡体10の火炎側になる面に金属箔21と難燃繊維層2
2とによる表面材20の難燃繊維層22が接着されてい
るため、金属箔21側からの加熱時に金属箔21面から
樹脂発泡体10に直接に熱が伝わらないから、樹脂発泡
体20の熱変形、着火、着炎、発煙が抑制され、難燃性
が向上する

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱材に関し、特に難
燃性複合断熱材および鉄道車両用空調ダクトに使用する
断熱材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両用空調ダクトに用いられる断熱
材は、1969年5月15日付けの運輸省の規格である
「鉄道監督局長発各陸運局長あて通達第81号」(以
下、鉄運第81号という)による材料燃焼試験の適用を
受け、その判定結果が、難燃性、極難燃性、不燃性と云
う評価レベルのうちの少なくとも難燃性を満足する必要
がある。
【0003】従来、この難燃性を満足する断熱材として
は、難燃処理を施した合成ゴム発泡体やポリオレフィン
系樹脂架橋発泡体等がある。また不燃性を満足するもの
としては、有機質の特殊耐炎繊維からなるフェルトやガ
ラスウール等の無機繊維製品がある。また先行技術とし
て、表面材と不燃材料と発泡体とを積層してなる防火性
断熱壁紙が特開昭57−203541号公報に開示され
ている。
【0004】また発泡体シートに金属箔を積層した防火
性シートが、実開昭60−166531号公報に開示さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、鉄道車両用空調
ダクトに用いられる断熱材については、鉄道車両の不燃
化対策の観点から前記規格における極難燃性以上の燃焼
基準が要求されるようになってきた。従来の難燃化合成
ゴム発泡体やポリオレフィン系樹脂架橋発泡体は極難燃
性の評価基準に不適合である。有機質の特殊耐炎繊維か
らなるフェルトは、不燃性で、不燃性の評価基準を満た
すが、極めて高価であると云う問題があり、またガラス
ウール等の無機繊維製品は、ダクトへの加工、施工時に
カッター等で簡単に切断加工できなかったり、手でダク
ト基材に内張りする時に折り曲げが困難であったりし
て、加工性、施工性が劣っている。またこの無機繊維製
品は、チクチクし、作業者に痛痒を与え、取扱い性が悪
いと云う問題もある。特開昭57−203541号公報
に開示されている防火性断熱壁紙は、極難燃性の評価基
準を満さない。
【0006】実開昭60−166531号公報に開示さ
れている防火性シートでは、金属箔が発泡体に直接積層
されているため、燃焼時の発泡体の溶融変化、変形が大
きく、極難燃性の評価基準を満たすには至らない。金属
箔が厚ければ、その金属箔の蓄熱量が大きくなり、金属
箔と接合している発泡体の熱変形が大きくなる。逆に、
金属箔が薄ければ、ガス圧により金属箔が破裂し、着
火、着炎する。従って、金属箔と発泡体との組み合わせ
のみでは、極難燃性の評価基準を満さない。
【0007】本発明は、鉄運第81号における極難燃性
の評価基準を満足し、安価で、且つ手によってダクト内
側に対して取り付け加工ができるだけの柔軟性を備え、
カッター等で容易に切断可能で、優れた加工性、施工性
を備えた難燃性複合断熱材、および鉄道車両用空調ダク
トに使用されて好適な断熱材を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による難燃性複合
断熱材は、樹脂発泡体の一方の面に金属箔と難燃繊維層
からなる表面材を難燃繊維層が樹脂発泡体に接するよう
に積層してなることを特徴とする。また本発明による難
燃性複合断熱材は、樹脂発泡体の一方の面に前記表面材
を積層され、他方の面に薄層の形状保持材を積層されて
いることを特徴とする。
【0009】上述の難燃性複合断熱材は、鉄道車両用空
調ダクトの断熱材とし使用される。本発明による難燃性
複合断熱材の一実施例を図1に、また別の実施例を図2
に示す。これらの図において、10は樹脂発泡体を、2
0は表面材を、30は形状保持材を各々示す。表面材2
0は、金属箔21と、金属箔21の一方の面部(裏面)
に積層された難燃繊維層22と、金属箔21の他方の面
部(表面)に形成された塗装膜23とを有している。樹
脂発泡体10と表面材20とは接着剤又はホットメルト
フィルムによる接着層40により接着されており、樹脂
発泡体10と形状保持材30とは接着剤またはホットメ
ルトフィルムによる接着層50により接着されている。
【0010】本発明による難燃性複合断熱材に用いられ
る樹脂発泡体としては、軟質ウレタン等の熱硬化性樹
脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA等のポリオ
レフィン系樹脂、スチレン、アクリル等の熱可塑性樹
脂、更にはSBR、クロロプレン、EPDM等の合成ゴ
ム等を挙げることができ、特に材質を限定されないが、
加工性の点からするとポリオレフィン系樹脂が特に好ま
しい。
【0011】樹脂発泡体の気泡構造は、独立気泡でも、
連続気泡でもよく、樹脂は架橋されていても、いなくて
も構わない。樹脂発泡体の発泡倍率(CC/G)は5〜
100であることが好ましい。発泡倍率が5より小さい
と断熱性が不足し、100を超えると強度が不足して加
工性が悪くなる。断熱性と強度を充分発揮するために
は、発泡倍率が10〜40であることが特に好ましい。
【0012】樹脂発泡体の厚みは、2〜50mmである
ことが好ましい。厚みが2mmより薄いと断熱性が不足
し、50mmより厚いと加工性が悪くなる。この断熱性
と加工性を満足するためには、樹脂発泡体の厚みは3〜
25mmであることが特に好ましい。樹脂発泡体は、易
燃性のものでも構わないが、難燃処理を施したものの方
が好ましく、特に樹脂発泡体の厚みが5mm以下と薄い
場合には難燃処理度の高いものが好適である。
【0013】樹脂発泡体の難燃処理方法は、従来より実
施されている方法でよく、例えば、オレフィン系発泡体
の場合、ハロゲン系、リン系等の練込み型難燃剤を難燃
助剤と共に練り込む方法がある。
【0014】本発明の難燃性複合断熱材に用いられる金
属箔としては、アルミニウム、鉄、ステンレス、亜鉛、
銅等、またはこれらの合金からなる金属箔を例示するこ
とができ、可撓性、軽量性、経済性の観点からするとア
ルミニウム箔が最も好適である。アルミニウム箔の厚み
は20〜60μmの範囲のものが用いられる。厚みが2
0μmより薄いと、アルミニウム箔側から火炎で加熱さ
れる時その炎によってアルミニウム箔が酸化され、穴が
あいて難燃性能が不十分となり、60μmを超えると、
炎によってアルミニウム箔と樹脂発泡体界面の蓄熱が大
きくなり、その結果、発泡体の変形が大きくなり、極難
燃性の基準を満足できなくなる。
【0015】アルミニウム箔は難燃剤入りの樹脂で塗装
されているのがより好ましい。この樹脂塗料はアクリル
系のものであることが好適であるが、これに限定される
ものではない。塗装は2g/m2程度が好ましい。難燃
塗装剤の働きは、火炎によって加熱された時に難燃塗装
剤が溶融、炭化ガス化してアルミニウム箔の昇温と酸化
を防ぎ、穴明を防止する。
【0016】本発明による難燃性複合断熱材に用いられ
る難燃繊維層としては、難燃繊維による織布、不織布を
言いガラス繊維布、炭素繊維布、アラミド繊維布、フェ
ノール繊維布等を例示することができ、経済性からする
とガラス繊維布が最も好適である。更に重量は50〜1
00g/m2のものが好ましい。このような難燃繊維層
の働きは、金属箔の強度的な補強と火炎による加熱時に
難燃繊維層に接している樹脂発泡体の溶融物や炭化物が
落下するのを防止し、樹脂発泡体の変形拡大を抑える。
【0017】本発明による難燃性複合断熱材に用いられ
る形状保持材としては、和紙、洋紙等の紙類、木綿布、
麻布、ガラスペーパー、金属クロス等を例示することが
できる。厚み、重量等は特に限定されるものではない
が、例えば和紙では20〜80g/m2、ガラスペーパ
ーでは10〜120g/m2のものが好適に用いられ
る。金属箔側から火炎で加熱したとき、形状保持材が積
層されていると、樹脂発泡体が形状保持材側に膨らみ表
面材と分離するのを抑えるため、樹脂発泡体の加熱変形
面積を小さくできる。
【0018】本発明の難燃性複合断熱材は、接着剤を用
いて樹脂発泡体に表面材、形状保持材を積層接着するこ
とにより製造できる。接着剤としては、アクリル系、ク
ロロプレン、SBR等の合成ゴム系、ポリウレタン系、
ポリエステル系の溶剤型接着剤やエマルジョン型接着剤
が挙げられ、耐熱性、難燃性を有する接着剤が望ましい
が、これに限定されるものではない。
【0019】更にホットメルトフィルムやプライマーを
併用した熱融着法を用いて樹脂発泡体に表面材、形状保
持材を積層することもできる。
【0020】
【作用】難燃性複合断熱材の火炎側になる面に金属箔と
難燃繊維層とによる表面材の難燃繊維層が接着されてい
るため、金属箔側からの加熱時に金属箔面から樹脂発泡
体に直接に熱が伝わらない。また、難燃性複合断熱材の
積層成分の積層順序は、絶対的なものであり、次の積層
順序に限られ、それ以外では本発明の目的を達成できな
い。即ち、[金属箔/難燃繊維層/樹脂発泡体]また
は、[金属箔/難燃繊維層/樹脂発泡体/形状保持材]
の積層構造にすることにより、はじめて各成分の相乗効
果により、鉄運第81号における極難燃性の評価基準を
満足し、且つ安価で、加工性、施工性に優れた空調用ダ
クト、特に鉄道車両用空調ダクトに使用して好適な断熱
材が得られる。
【0021】
【実施例】
〔実施例1〕表面材として、厚さ30μmのアルミニウ
ム箔の一方の面部にアクリル系接着剤を固型分で2〜3
g/m2塗布して乾燥させ、130〜150℃で、難燃
繊維層としてガラスクロス(平織、重量86g/m2
を熱ラミネートしたものを使用する。
【0022】樹脂発泡体として、厚さ15mmの架橋ポ
リエチレン樹脂による独立気泡発泡体(発泡率20倍)
を使用し、樹脂発泡体の一方の面部に溶剤型のSBR系
接着剤〔積水化学工業(株)製;エスダインPK28
0〕を固型分で3〜5g/m2塗布して乾燥させ、この
接着剤塗布面に前記表面材を重ね合わせ、表面材の側よ
り130〜150℃に加熱し、ピンチローラにより樹脂
発泡体と表面材とを圧着して難燃性複合断熱材を作製し
た。
【0023】この難燃性複合断熱材について、鉄運第8
1号に従って極難燃性を評価した。燃焼試験装置は、図
7に示したように、基台A上に45度傾斜したサンプル
台Bに縦25.7cm、横18.2cmの矩形に切断し
た試料Cのアルミニウム箔側を火炎側に下向きに立てか
け、両面テープにより試料の両サイド約10〜15mm
幅をサンプル台Bに貼り付け固定する。試料Cの中心部
より25.4mm下部に基台A上の容器受台Dをもっ
て、鉄製の直径17.5mm、深さ7.1mm×厚味
0.8mmのアルコール容器Eを配置し、このアルコー
ル容器E内に0.5ccのエチルアルコールを入れ、点
火する。そしてアルコールの燃焼中の試料の着火、着
炎、煙発生等の状態及びアルコール燃焼後の試験片の変
形、炭化等を判定するものである。
【0024】鉄運第81号では、アルコール燃焼中に着
火、着炎がなく(試験体に着火しないことを目視確
認)、煙の発生量が目視にて僅少、少い、普通の3段階
の判定基準のうち少ないと判定され、アルコール燃焼後
には、炭化が試験片の上端まで達せず、試料の両面で、
膨れ、へこみなどの変形の長さが150mm以下である
と云う基準を満たすか、あるいはアルコール燃焼中に着
火、着炎が有ってもよいが、火勢は弱く、アルコール燃
焼後、残炎、炭化物残塵がなく、炭化寸法が長径で30
mm以下で、膨れ、へこみなどの変形の長手方向の長さ
が150mm以下であると云う基準の何れかを満たせ
ば、極難燃性と判定される。
【0025】本実施例の難燃性複合断熱材では、樹脂発
泡体の火炎側となる面にアルミニウム/ガラスクロス積
層材のガラスクロス面が接着されているため、アルミニ
ウム箔側からの加熱時に金属面から樹脂発泡体に直接熱
が伝わらず、樹脂発泡体が熱膨張するのが抑えられ、下
記表1に示すように、アルコール燃焼中に着火、着炎は
見られず、少しの煙しか発生せず、発泡体側への膨らみ
が小さく(裏面側に30mm位、長手方向へ80mm程
度)、アルコール燃焼後の変形寸法は130mmで、炭
化は上端60mmの位置までであって上端に達すること
がなく、鉄運第81号における極難燃基準を満たした。 〔実施例2〕表面材として、表面に難燃アクリルカラー
樹脂を焼き付け塗装された厚さ20μmのアルミニウム
箔(金属層)の裏面に、アクリル系接着剤(固型分で2
〜3g/m2)により難燃繊維層としてガラスクロス
(平織、重量86g/m2)を熱ラミネートしたもの
(昭和アルミ社製;昭和カラークロス,JIS.A13
22防炎1級合格品)を使用した。
【0026】実施例1における樹脂発泡体と同じ樹脂発
泡体を使用し、その樹脂発泡体の一方の面部に実施例1
と同じ条件で上述の表面材を圧着して難燃性複合断熱材
を作製した。この難燃性複合断熱材について実施例1に
記載した燃焼試験装置を使用して燃焼試験を行い、鉄運
第81号に従って評価した。結果を表1に示す。
【0027】本実施例の難燃性複合断熱材でも、樹脂発
泡体の火炎側になる面にアルミニウム/ガラスクロス積
層材のガラスクロス面が接着されているため、アルミニ
ウム箔側からの加熱時に金属面から樹脂発泡体に直接熱
が伝わらず、樹脂発泡体が熱膨張するのが抑えられ、ア
ルコール燃焼中の着火、着炎は見られず、少しの煙しか
発生せず、発泡体側への膨らみが小さく、アルコール燃
焼後の変形寸法は110mmで、炭化が上端に達するこ
とがなく、鉄運第81号における極難燃基準を満たし
た。 〔実施例3〕表面材として、厚さ20μmのアルミニウ
ム箔の一方の面部にアクリル系接着剤を固型分で2〜3
g/m2塗布して乾燥させ、130〜150℃で、難燃
繊維層としてガラスクロス(平織、重量86g/m2
を熱ラミネートしたものを使用した。
【0028】実施例1における樹脂発泡体と同じ樹脂発
泡体を使用し、その樹脂発泡体の一方の面部に実施例1
と同じ条件で上述の表面材を圧着し、樹脂発泡体の表面
材とは反対側の面部にホットメルトフィルム(三井ポリ
ケミカル社製;ハイミラン,25μm)を挟んで形状保
持材として厚さ60μmの和紙(坪量60g/m2)を
重ね、和紙の側から130〜150℃に加熱し、ピンチ
ローラにより和紙を樹脂発泡体に圧着して難燃性複合断
熱材を作製した。
【0029】この難燃性複合断熱材について実施例1に
記載した燃焼試験装置を使用して燃焼試験を行い、鉄運
第81号に従って評価した。結果を表1に示す。本実施
例の難燃性複合断熱材でも、樹脂発泡体の火炎側になる
面にアルミニウム/ガラスクロス積層材のガラスクロス
面が接着されているため、アルミニウム箔側からの加熱
時に金属面から樹脂発泡体に直接熱が伝わらず、樹脂発
泡体が熱膨張するのが抑えられ、アルコール燃焼中の着
火、着炎は見られず、煙の発生は僅少で、アルコール燃
焼後の変形寸法は86mmで、炭化が上端に達すること
がなく、鉄運第81号における極難燃基準を満たした。
【0030】形状保持材がある場合には、燃焼中の変形
は、図3に示されているように、形状保持材30側では
殆ど発生せず、樹脂発泡体10は表面材20の側に僅か
に膨らみ、樹脂発泡体10と表面材20との接着面にエ
アー溜まりが発生することがない。また発生ガスは燃焼
後もガラスクロス層を介して外部へ拡散し、ガラスクロ
ス層が空洞通路をなす。燃焼後は、図4に示されている
ように、形状保持材30側では表面的変形は見られず、
火炎に曝された部分の裏面側でも樹脂発泡体10が残っ
ており、鉄運第81号における極難燃基準を満たす。 〔実施例4〕表面材として、実施例2におけるものと同
じものを使用し、樹脂発泡体として厚さ3mmの難燃処
理された架橋ポリエチレン樹脂による独立気泡発泡体
(発泡率30倍)を使用し、実施例1と同じ条件で、樹
脂発泡体と表面材とを圧着し、その樹脂発泡体の表面材
とは反対側の面部に実施例3と同様に和紙を圧着して難
燃性複合断熱材を作製した。
【0031】この難燃性複合断熱材について実施例1に
記載した燃焼試験装置を使用して燃焼試験を行い、鉄運
第81号に従って評価した。結果を表1に示す。本実施
例の難燃性複合断熱材でも、樹脂発泡体の火炎側になる
面にアルミニウム/ガラスクロス積層材のガラスクロス
面が接着されているため、アルミニウム箔側からの加熱
時に金属面から樹脂発泡体に直接熱が伝わらず、樹脂発
泡体が熱膨張するのが抑えられ、アルコール燃焼中の着
火、着炎は見られず、煙の発生は僅少であった。アルコ
ール燃焼後の変形寸法は80mmで、炭化が上端に達す
ることがなく、鉄運第81号における極難燃基準を満た
した。 〔比較例1〕厚さ10mmの難燃処理された架橋ポリエ
チレン樹脂による独立気泡発泡体(発泡率30倍)の単
体を用い、実施例1に記載した燃焼試験装置を使用して
燃焼試験を行い、鉄運第81号に従って評価した。結果
を表1に示す。
【0032】この材料は、アルコール燃焼中に着火、着
炎が見られ、普通程度に煙が発生し、アルコール燃焼後
に炭化が上端に達することはないが、53mmの大きさ
の穴明が生じ、鉄運第81号における極難燃基準を満た
さなかった。 〔比較例2〕厚さ15mmの架橋ポリエチレン樹脂によ
る独立気泡発泡体(発泡率20倍)の一方の面部に厚さ
30μmのアルミニウム箔を実施例1と同じ条件で圧着
して比較例の複合断熱材を作製した。
【0033】この複合断熱材について実施例1に記載し
た燃焼試験装置を使用して燃焼試験を行い、鉄運第81
号に従って評価した。結果を表1に示す。この複合断熱
材では、燃焼試験でアルコール火炎に曝した時、アルミ
ニウム箔が加熱されると同時に樹脂発泡体が熱伝達によ
り加熱され、アルコールが燃焼し終るまでの間にアルミ
ニウム箔の膨張よりも樹脂発泡体の気泡内に封じ込めら
れたエアーの膨張が大きく、樹脂発泡体とアルミニウム
箔との間の接着剤が加熱時に熱分解して接着力を減少
し、図5に示されているように、アルミニウム箔aと樹
脂発泡体bとが分離してエアー溜りcを発生し、樹脂発
泡体bがアルミニウム箔aを貼っていない側に膨らむ。
【0034】膨らみdは、加熱中、益々大きくなるが、
エアー溜りcが成長して大きくなってくると、エアー溜
りc内でのエアーの循環によってエアー温度が高くな
り、発泡体の微小気泡の破裂が多く生じ、発泡体の厚味
が薄くなるのと、樹脂発泡体の温度が溶融温度近くまで
高くなることにより、樹脂発泡体に穴明や嵌入等が起
り、エアー溜り内のエアーが抜けてしまう。高温のアル
ミニウム箔面に樹脂発泡体が接触すると、その部分の樹
脂発泡体が急速に分解炭化し、図6に示されているよう
に、変形寸法Lが150mmを超えた160mmの窪み
eが発生し、この変形面積の拡大により鉄運第81号に
おける極難燃基準を満たさなくなる。また、窪みeの底
部には炭化残塵fが残った。 〔比較例3〕厚さ15mmの架橋ポリエチレン樹脂によ
る独立気泡発泡体(発泡率20倍)の一方の面部に厚さ
200μmのアルミニウム箔を実施例1と同じ条件で圧
着して複合断熱材を作製した。
【0035】この複合断熱材について実施例1に記載し
た燃焼試験装置を使用して燃焼試験を行い、鉄運第81
号に従って評価した。結果を表1に示す。この複合断熱
材では、アルコール燃焼中の着火、着炎は見られず、煙
の発生は少なく、アルコール燃焼後に炭化が上端に達す
ることもないが、変形寸法が170mmに達し、鉄運第
81号における極難燃基準の変形寸法150mmを満た
さなかった。 〔比較例4〕レーヨン壁紙(総量227g/m2)に厚
さ5.0mmのガラス繊維不織布を貼り合わせた表面材
のガラス繊維不織布側に厚さ6mmの難燃処理された架
橋ポリエチレン樹脂による独立気泡発泡体(発泡率50
倍)を実施例1と同じ条件で圧着して複合断熱材を作製
した。
【0036】この複合断熱材について実施例1に記載し
た燃焼試験装置を使用して燃焼試験を行い、鉄運第81
号に従って評価した。結果を表1に示す。この複合材料
は、アルコール燃焼中に着火、着炎が見られ、煙が多く
発生し、アルコール燃焼後には炭化が上端に達し、変形
寸法が160mmに達し、鉄運第81号における極難燃
基準を全く満たさなかった。
【0037】表1は、実施例1〜4、比較例1〜4の構
成、評価結果を要約したものである。また表1には、金
属箔の燃焼後のひび入りや、加工性についての評価も記
載した。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明
による難燃性複合断熱材は、燃焼時に樹脂発泡体の火炎
側になる面に金属箔と難燃繊維層とによる表面材の難燃
繊維層が接着されているので、金属箔側からの加熱時に
金属箔面から樹脂発泡体に直接に熱が伝わらないため、
樹脂発泡体の熱変形、着火、着炎、発煙が抑制され、難
燃性が向上する。従って、鉄道車両用空調ダクトに内張
りされる断熱材して使用できる。
【0040】本発明の難燃性複合断熱材は、樹脂発泡体
を使用しているので断熱性があり、空調ダクトに用いた
場合にダクト内エアーの保温、保冷、ダクト基材の結露
防止に効果を発揮する。また金属箔を使用しているの
で、火炎が直接発泡体に当たるのを防ぎ、熱を面方向に
逃がし発泡体の昇温を和らげる効果がある。更に金属箔
と発泡体の間に介在する難燃繊維層が発泡体表面部の溶
融物、燃焼物、炭化物の落下を防止して発泡体の変形拡
大を緩和する効果がある。
【0041】さらに形状保持材が積層されていると、形
状保持材が樹脂発泡体の裏面側への膨らみを防止し、樹
脂発泡体の熱変形面積が小さくなる。以上により本発明
による難燃性複合断熱材は、鉄運第81号に規定する極
難燃性基準を満足し、更に金属箔が薄いので、手で変形
させやすく、カッターによる切断も容易で、加工性、施
工性にも優れている。
【0042】尚、この難燃性複合断熱材の用途は空調ダ
クト用に限定されるものではなく、鉄道車両の側壁用断
熱材等としても好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による難燃性複合断熱材の一実施例を示
す断面図。
【図2】本発明による難燃性複合断熱材の他の実施例を
示す断面図。
【図3】本発明による難燃性複合断熱材の燃焼試験の燃
焼中の状態を示す断面図。
【図4】本発明による難燃性複合断熱材の燃焼試験の燃
焼後の状態を示す断面図。
【図5】比較例の難燃性複合断熱材の燃焼試験の燃焼中
の状態を示す断面図。
【図6】比較例の難燃性複合断熱材の燃焼試験の燃焼後
の状態を示す断面図。
【図7】燃焼試験装置を示す斜視図。
【符号の説明】
10 樹脂発泡体 20 表面材 21 金属箔 22 難燃繊維層 23 塗装膜 30 形状保持材 40、50 接着層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂発泡体の一方の面に金属箔と難燃繊
    維層からなる表面材を難燃繊維層が樹脂発泡体に接する
    ように積層してなる難燃性複合断熱材。
  2. 【請求項2】 前記樹脂発泡体の他方の面に薄層の形状
    保持材が積層されていることを特徴とする請求項1に記
    載の難燃性複合断熱材。
  3. 【請求項3】 前記金属箔が難燃剤入り塗料により塗装
    されたアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の難燃性複合断熱材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の難燃性複
    合断熱材を用いた鉄道車両用空調ダクトの断熱材。
JP7073475A 1995-03-30 1995-03-30 難燃性複合断熱材および鉄道車両用空調ダクトの断熱材 Pending JPH08267628A (ja)

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