JP2004176058A - 蒸気圧低減剤、ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物及びポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

蒸気圧低減剤、ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物及びポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 発泡剤としてのHFC−245faの蒸気圧及びHFC−245faを用いたポリウレタンフォーム用プレミックス組成物の蒸気圧を効果的に低減できる蒸気圧低減剤、それを含有するポリウレタンフォーム用プレミックス組成物及びこの組成物を用いたポリウレタンフォームの製造方法などを提供する。
【解決手段】 下記の一般式(1)
【化1】
Figure 2004176058

(式中、R1、R2およびR3は、同一又は異なって、炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、R1、R2およびR3の全てがエチル基である化合物を除く)で表され、かつ、MIL H -19457に準じて測定される全酸量が650(KOHmg)以下である化合物の少なくとも1種を含む1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの蒸気圧低減剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの蒸気圧低減剤、ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物、及び、ポリウレタンフォームの製造方法などに関する。
硬質ポリウレタンフォーム又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームは、発泡剤の存在下、イソシアネートとポリオール組成物とを反応させることにより調製される。工業的には、工場内で全成分を混合して発泡及び硬化させるライン発泡により、又は、建設現場などで各成分を混合して発泡及び硬化させる現場発泡により、ポリウレタンフォームが形成される。いずれの場合も、ポリオール、硬化触媒、発泡剤、整泡剤およびその他の添加物を混合してなるプレミックス組成物とイソシアネートとを別々に調製しておき、両者を混合することにより発泡及び硬化を行う。
現在、硬質ポリウレタンフォーム用発泡剤として主に用いられている1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)は弱いオゾン層破壊能を有するため過渡的物質として使用されており、2003年末以降全廃されることが決定されている。そこで、分子中に塩素原子を有さず、オゾン層破壊能がない1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)がHCFC−141bの代替物質の一つとして注目されている。
HFC−245faは、最小発火エネルギーが1×105mJより高く、引火点を有さない点で優れた発泡剤である。特に現場発泡させる場合には、排気設備が不十分である場合が多いため、引火し難い発泡剤であることはHFC−245faの大きな利点である。
しかし、HFC−245faは、沸点が15.3℃と低く蒸気圧が高いために、特に夏場は、HFC−245fa自体及びプレミックス組成物の保存や搬送に耐圧ドラムが必要になったり、取り扱いに注意を要する等の難点がある。さらにHFC−245faは、分子中に塩素原子を有さないことから、塩素原子を有するHCFC−141bに比べて、ポリオール成分と混合する場合の溶解性が低いために、プレミックス組成物中で濃度に不均一が生じるという難点もある。
ポリウレタンフォーム用発泡剤としてのHFC−245faの使用に関しては種々の提案がなされている。例えば、HFC−245faを単独でまたは他の低沸点の炭化水素系発泡剤と混合して用いることが、特許文献1等に開示されている。 また、HFC−245faを1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)等のHFC系発泡剤と混合して用いることが特許文献2、特許文献3、特許文献4に記載されている。また、HFC−245faをシクロペンタン、シクロヘキサンと混合して用いることが特許文献5に記載されている。
しかし、上記のような発泡剤を併用する場合も、HFC−245faの蒸気圧を低減させることはできない。
特開平5−239251号公報(段落0014〜0015等) 特開平9−71628号公報(段落0019) 特開平10−87774号公報(段落0011) 特開平11−49886号公報(段落0009〜0010、0012、0017〜0019) 特開平11−343326号公報(段落0047〜0050)
本発明の目的は、発泡剤としてのHFC−245faの蒸気圧及びHFC−245faを用いたポリウレタンフォーム用プレミックス組成物の蒸気圧を効果的に低減できる蒸気圧低減剤、それを含有するポリウレタンフォーム用プレミックス組成物、及び、この組成物を用いたポリウレタンフォームの製造方法などを提供することである。
前記目的を達成するために本発明者は研究を重ね、以下の知見を得た。
(i) 以下の一般式(1)で表される化合物のうち、MIL H-19457に準じて測定される全酸量が650(mgKOH)以下であるリン酸エステル化合物は、HFC−245faの蒸気圧を効果的に低減させる。
Figure 2004176058
(式中、R1、R2およびR3は、同一又は異なって、炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、R1、R2およびR3の全てがエチル基である化合物を除く)
(ii) 上記一般式(1)で表される化合物は耐加水分解性に優れるために、発泡助剤としての水を含むポリウレタンフォーム用プレミックス組成物に含ませておいても、プレミックス組成物の保存中に加水分解し難い。これにより、一般式(1)で表されるリン酸エステル化合物の加水分解物である酸により発泡が阻害されることがなく又は殆どない。その結果、このプレミックス組成物を用いてポリウレタンフォームを製造することにより良好な発泡性が得られ、また蒸気圧低減効果が長期にわたり維持される。
本発明は前記知見に基づき完成されたものであり、以下の1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの蒸気圧低減剤、ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物、ポリウレタンフォームの製造方法、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの蒸気圧低減方法、及び、発泡剤組成物を提供する。
1. 下記の一般式(1)
Figure 2004176058
(式中、R1、R2およびR3は、同一又は異なって、炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、R1、R2およびR3の全てがエチル基である化合物を除く)で表され、かつ、MIL H -19457に準じて測定される全酸量が650(mgKOH)以下である化合物の少なくとも1種を含む1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの蒸気圧低減剤。
2. 一般式(1)の化合物が、ポリn−プロピルホスフェート、トリn−ブチルホスフェート、トリn−ペンチルホスフェート、トリiso−プロピルホスフェート、トリiso−ブチルホスフェート、トリsec−ブチルホスフェート、トリtert−ブチルホスフェート、トリiso−ペンチルホスフェート、トリsec−ペンチルホスフェート、トリネオペンチルホスフェート、エチルジ(n−プロピル)ホスフェート、エチルジ(iso−プロピル)ホスフェート、エチルジ(n−ブチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、エチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、エチルジ(tert−ブチル)ホスフェート、エチルジ(n−ペンチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ペンチル)ホスフェート、エチルジ(sec−ペンチル)ホスフェート、エチルジ(ネオペンチル)ホスフェート、ジエチルn−プロピルホスフェート、ジエチルn−ブチルホスフェート、ジエチルiso−ブチルホスフェート、ジエチルsec−ブチルホスフェート、ジエチルtert−ブチルホスフェート、ジエチルn−ペンチルホスフェート、ジエチルiso−ペンチルホスフェート、ジエチルsec−ペンチルホスフェート、ジエチルネオペンチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−プロピル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−プロピルホスフェート、n−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)sec−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(tert−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)tert−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(n−ペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ペンチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ペンチルホスフェート、n−プロピルジ(sec−ペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)sec−ペンチルホスフェート、n−プロピルジ(ネオペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)ネオペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)n−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)iso−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)sec−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(tert−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)tert−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)n−ペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(iso−ペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)iso−ペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(sec−ペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)sec−ペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(ネオペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)ネオペンチルホスフェート、n−ブチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)iso−ブチルホスフェート、n−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)sec−ブチルホスフェート、iso−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート及びジ(iso−ブチル)sec−ブチルホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも1種である項1の蒸気圧低減剤。
3. 一般式(1)の化合物が、トリn−プロピルホスフェート、トリn−ブチルホスフェート、トリiso−プロピルホスフェート、トリiso−ブチルホスフェート、トリsec−ブチルホスフェート、エチルジ(n−プロピル)ホスフェート、エチルジ(n−ブチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、エチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、n−プロピルジ(iso−プロピル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−プロピルホスフェート、n−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)sec−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)n−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)iso−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)sec−ブチルホスフェート、n−ブチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)iso−ブチルホスフェート、n−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)sec−ブチルホスフェート、iso−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート及びジ(iso−ブチル)sec−ブチルホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも1種である項1に記載の蒸気圧低減剤。
4. ポリオール、硬化触媒、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、整泡剤および項1に記載の蒸気圧低減剤を含有するポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
5. さらに、カーボネート、ケトン、エステル、エーテル、アセタール、ニトリル、アミド、スルホキシド類及びスルホラン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の補助的蒸気圧低減剤を含む項4に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
6. 補助的蒸気圧低減剤が、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及びジメトキシメタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である項5に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
7. さらに、炭化水素系発泡剤、含フッ素炭化水素系発泡剤、含フッ素エーテル系発泡剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の補助的発泡剤を含む項4に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
8. 補助的発泡剤が、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、1,1,1,3,3―ペンタフルオロブタン、メトキシ−ヘプタフルオロプロパン及びメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である項7に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
9. さらに、水を含む項4に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
10. 項4に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物とポリイソシアネートとを混合することによりポリウレタンフォームを形成する工程を含むポリウレタンフォームの製造方法。
11. ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物が、さらに、カーボネート、ケトン、エステル、エーテル、アセタール、ニトリル、アミド、スルホキシド類及びスルホラン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の補助的蒸気圧低減剤を含むものである項10に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
12. 補助的蒸気圧低減剤が、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及びジメトキシメタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるである項11に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
13. ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物が、さらに、炭化水素系発泡剤、含フッ素炭化水素系発泡剤、含フッ素エーテル系発泡剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の補助的発泡剤を含有するものである項10に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
14. 補助的発泡剤が、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、1,1,1,3,3―ペンタフルオロブタン、メトキシ−ヘプタフルオロプロパン及びメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である項13に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
15. ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物が、さらに、水を含むものである項10に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
16. (A)1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと(B)下記の一般式(1)
Figure 2004176058
(式中、R1、R2およびR3は、同一又は異なって、炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、R1、R2およびR3の全てがエチル基である化合物を除く)
で表され、かつ、MIL H -19457に準じて測定される全酸量が650(mgKOH)以下である化合物の少なくとも1種とを含有する発泡剤組成物。
本発明によると、発泡剤としてのHFC−245faの蒸気圧及びHFC−245faを用いたポリウレタンフォーム用プレミックス組成物の蒸気圧を効果的に低減できる蒸気圧低減剤、それを含有するポリウレタンフォーム用プレミックス組成物、この組成物を用いたポリウレタンフォームの製造方法、効果的なHFC−245faの蒸気圧低減方法、及び、実用上十分に蒸気圧が低い発泡剤組成物が提供された。
詳述すれば、本発明の蒸気圧低減剤は、HFC−245faの蒸気圧を効果的に低減させる。これにより、本発明の蒸気圧低減剤及びこれを含むプレミックス組成物は、保存又は搬送の際の取り扱いが容易になる。
また本発明の蒸気圧低減剤は耐加水分解性に優れるため、発泡助剤として安価な水を用いたプレミックス組成物に添加する場合に加水分解され難い。その結果、蒸気圧低減剤の加水分解物である酸によって発泡が阻害されることがなく又は殆どないとともに、蒸気圧低減剤の効果が長期にわたり保持される。また本発明の蒸気圧低減剤を用いたプレミックス組成物は、安定で長期にわたり保存できるものとなり、特にプレミックス組成物中に上記の酸による相分離や沈降が生じることがない。また本発明の蒸気圧低減剤はそれ自体難燃剤でもあるところ、プレミックス組成物中で加水分解され難いため、実用上十分な難燃性を有するポリウレタンフォームが得られる。また、蒸気圧低減剤の加水分解物である酸による相分離や沈降が生じ難いことから、実用上十分な機械的特性を有するポリウレタンフォームが得られる。
またHFC−245faは、分子中に塩素原子を有さないことから、塩素原子を有するHCFC−141bに比べてポリオール成分との相溶性が低く、その結果、一般に、プレミックス組成物中でHCFC−141bの濃度に不均一が生じる場合がある。この点、本発明の蒸気圧低減剤はHFC−245faのポリオールへの溶解性を高める作用を有するため、均一なプレミックス組成物を与えることができる。
従来、発泡剤としては、ハロゲン化炭化水素のHCFC−141b等が用いられているが、この化合物は塩素を含むために環境保護の点で好ましくない。また、塩素を含有しない発泡剤としてはHFC−365mfc等が用いられているが、この化合物は引火点が−27℃と非常に低いために、難燃剤を併用する場合でも使用し難い。特に、排気設備が整わない現場発泡においては使用し難い。これに対してHFC−245faは塩素を含有せず、かつ、引火点を有さない点でも好ましい発泡剤である。
本発明の蒸気圧低減剤の使用によりHFC−245faの高蒸気圧であるという難点が解消され、塩素を含有せずかつ引火点を有さないHFC−245faの使用の途が開けた。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)蒸気圧低減剤
基本的構成
本発明のHFC−245faの蒸気圧低減剤は、下記の一般式(1):
Figure 2004176058
(式中、R1、R2およびR3は、同一又は異なって、炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、R1、R2およびR3の全てがエチル基である化合物を除く)
で表され、かつ、MIL H -19457に準じて測定される全酸量が650(mgKOH)以下である化合物の少なくとも1種を含む蒸気圧低減剤である。
この蒸気圧低減剤は、引火し難い発泡剤として汎用されているHFC−245faの蒸気圧を効果的に低減させることができる。また、この蒸気圧低減剤は加水分解され難いために、発泡助剤として水を含むポリウレタンフォーム用プレミックス組成物に添加しておいても加水分解物による発泡の阻害が生じ難く、また蒸気圧低減効果が長期にわたり維持される。このことから、長期にわたり安定に保存できるプレミックス組成物を与えることができる。また、この蒸気圧低減剤は、優れた難燃性を示すため難燃剤としても使用できる。さらに、HFC−245faはポリオールに溶解し難いところ、この蒸気圧低減剤はHFC−245faのポリオールへの溶解性を高めるため、均一なプレミックス組成物を与えることができる。
全酸量は、リン酸エステル化合物の加水分解の受けやすさを数値化したものであり、数値が大きくなるにつれてエステル結合が切れて酸になり易いことを示している。前述したように、本発明において、全酸量はMIL(Military Standard) H−19457に準じて測定される酸量であり、具体的には、以下の方法で測定される酸量である。
試験化合物75gと蒸留水25gとを耐圧試料瓶に入れて密栓する。予め93℃に調整した、1分間に5回転して試料瓶中の内容物を混合する機能を有する加水分解装置に耐圧試料瓶を取り付け、同温度で48時間保持した後、室温まで冷却する。次いで、耐圧試料瓶中の混合物を分液漏斗に移し、静置して水層を回収する。次いで、油層に洗浄水として蒸留水約100gを加えて軽く振盪した後、静置して水層を回収し、分離した水層を最初の水層と混合する。同様にして、さらに洗浄水が中性になるまで上記操作を繰り返す。回収した全ての水層の酸価を測定する。
酸価は、水層のサンプルS(g)をフェノールフタレインを指示薬として用いて、0.5規定の水酸化カリウム水溶液で赤く変色するまでに要した滴定量A(ml)から次式により算出する。
酸価(mgKOH/g)=0.5×56.1×A/S
その後、全酸量を下式により算出する。
全酸量(mgKOH)=酸価(mgKOH/g)×W(g)
上記計算式において、Wは回収した全ての水層の重量を示す。
本発明の蒸気圧低減剤は、全酸量が650(mgKOH)以下であることにより、発泡助剤として水を含むプレミックス組成物中に存在させた状態で保存しても、水により加水分解され難い。その結果、本発明の蒸気圧低減剤を使用することにより、リン酸エステル化合物の加水分解物である酸により発泡が阻害されることがなく又は殆どなく、実用上十分な発泡性を示すポリウレタンフォーム用プレミックス組成物が得られる。また、プレミックス組成物中に上記の酸による相分離や沈降が生じることがなく、その結果、実用上十分な難燃性及び機械的特性を有するポリウレタンフォームが得られる。
以上より、本発明のHFC−245faの蒸気圧低減剤は、ポリウレタンフォーム用の蒸気圧低減剤として好適に使用でき、中でもポリウレタンフォーム用プレミックス組成物に添加する蒸気圧低減剤として一層好適に使用でき、中でも建設現場等での現場発泡に供されるポリウレタンフォーム用プレミックス組成物に使用する蒸気圧低減剤としてより一層好適に使用できる。詳しくは、本発明の蒸気圧低減剤は、発泡剤として1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含むポリウレタンフォーム用プレミックス組成物に添加するための蒸気圧低減剤として好適であり、発泡剤として1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンを含み、さらに発泡助剤として水を含むポリウレタンフォーム用プレミックス組成物に添加するための蒸気圧低減剤として一層好適である。
本発明のリン酸エステル化合物の全酸量は、500(mgKOH)以下が好ましく、350(mgKOH)以下がより好ましい。全酸量は小さい方がよい。
好ましい蒸気圧低減剤
本発明の蒸気圧低減剤は、ポリオール成分に対するHFC−245faの溶解度を増大させる作用を有する。従って、本発明の蒸気圧低減剤の中では、ポリオール及びHFC−245faの双方に親和性を有し、かつ蒸気圧を低下しうる高い沸点を有する化合物が好ましい。
本発明のリン酸エステル化合物は、前述したように、3つのアルキル基(R1、R2およびR3)が全て同じであるリン酸エステル化合物、即ち単一リン酸エステル化合物であってもよく(但し、R1、R2およびR3の全てがエチル基である化合物を除く)、また、少なくとも1つのアルキル基が他のアルキル基と異なるリン酸エステル化合物、即ち混基リン酸エステル化合物であってもよい。
一般式(1)において、炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等の直鎖状のアルキル基;iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基等の分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。中でもエチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−プロピル基、sec−ブチル基又はiso−ブチル基が好ましい。
一般式(1)で表される化合物のうち、MIL H -19457に準じて測定された全酸量が650(mgKOH)以下の化合物の具体例としては、単一リン酸エステル化合物では、トリ(C3〜C5アルキル)ホスフェート、例えばトリn−プロピルホスフェート、トリn−ブチルホスフェート、トリn−ペンチルホスフェート、トリiso−プロピルホスフェート、トリiso−ブチルホスフェート、トリsec−ブチルホスフェート、トリtert−ブチルホスフェート、トリiso−ペンチルホスフェート、トリsec−ペンチルホスフェート及びトリネオペンチルホスフェート等が挙げられる。
混基リン酸エステル化合物としては、エチルジ(n−プロピル)ホスフェート、エチルジ(iso−プロピル)ホスフェート、エチルジ(n−ブチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、エチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、エチルジ(tert−ブチル)ホスフェート、エチルジ(n−ペンチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ペンチル)ホスフェート、エチルジ(sec−ペンチル)ホスフェート、エチルジ(ネオペンチル)ホスフェート、ジエチルn−プロピルホスフェート、ジエチルn−ブチルホスフェート、ジエチルiso−ブチルホスフェート、ジエチルsec−ブチルホスフェート、ジエチルtert−ブチルホスフェート、ジエチルn−ペンチルホスフェート、ジエチルiso−ペンチルホスフェート、ジエチルsec−ペンチルホスフェート、ジエチルネオペンチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−プロピル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−プロピルホスフェート、n−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)sec−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(tert−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)tert−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(n−ペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ペンチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ペンチルホスフェート、n−プロピルジ(sec−ペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)sec−ペンチルホスフェート、n−プロピルジ(ネオペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)ネオペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)n−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)iso−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)sec−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(tert−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)tert−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)n−ペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(iso−ペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)iso−ペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(sec−ペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)sec−ペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(ネオペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)ネオペンチルホスフェート、n−ブチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)iso−ブチルホスフェート、n−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)sec−ブチルホスフェート、iso−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート及びジ(iso−ブチル)sec−ブチルホスフェート等が挙げられる。
硬化触媒として塩基性化合物が汎用されるところ、これらの化合物は塩基に対して安定であるため、硬化反応に影響を及ぼさない点でも好ましい。
これらの中では、一般式(1)においてR1、R2、R3がそれぞれ炭素数2〜4のアルキル基である化合物、例えばトリn−プロピルホスフェート、トリn−ブチルホスフェート、トリiso−プロピルホスフェート、トリiso−ブチルホスフェート、トリsec−ブチルホスフェート、エチルジ(n−プロピル)ホスフェート、エチルジ(n−ブチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、エチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、n−プロピルジ(iso−プロピル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−プロピルホスフェート、n−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)sec−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)n−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)iso−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)sec−ブチルホスフェート、n−ブチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)iso−ブチルホスフェート、n−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)sec−ブチルホスフェート、iso−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート及びジ(iso−ブチル)sec−ブチルホスフェートが好ましい。
さらに、トリn−プロピルホスフェート、トリn−ブチルホスフェート、トリiso−ブチルホスフェート、トリsec−ブチルホスフェート、エチルジ(n−ブチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、エチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−プロピルホスフェート、 n−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)sec−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、iso−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、iso−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、n−ブチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)iso−ブチルホスフェート、n−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)sec−ブチルホスフェート、iso−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート及びジ(iso−ブチル)sec−ブチルホスフェートがより好ましい。
さらに、トリn−プロピルホスフェート、トリiso−ブチルホスフェート、エチルジ(n−ブチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−プロピルホスフェート、n−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート及びiso−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェートがより一層好ましい。
最も好ましいのはトリn−プロピルホスフェート及びトリiso−ブチルホスフェートである。
本発明の蒸気圧低減剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
一般式(1)において、R1、R2およびR3で表されるアルキル基の炭素数が余りに多くなると、耐加水分解性は向上するが、樹脂の機械物性の低下を招く恐れがある。一方、アルキル基の炭素数が余りに少なくなると、耐加水分解性が悪くなる。上記の炭素数の範囲であれば、このような問題は生じない。
(2)ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物
基本的構成
本発明のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物は、発泡剤としてのHFC−245faと本発明の蒸気圧低減剤とを含有する組成物であり、具体的には、ポリオール、硬化触媒、HFC−245fa、整泡剤及び本発明の蒸気圧低減剤を含む組成物である。
本発明のプレミックス組成物は、発泡剤として蒸気圧が高いHFC−245faを含むが、HFC−245faの蒸気圧低減剤として耐加水分解性に優れる特定のリン酸エステル化合物からなる本発明の蒸気圧低減剤を含むため、高蒸気圧による不都合を回避できる。
また、従来のHFC−245faの蒸気圧低減剤は加水分解され易いため、安価な発泡助剤である水の存在により加水分解されて加水分解物が発泡を阻害する場合があった。この点、本発明の蒸気圧低減剤は耐加水分解性に優れるため、発泡助剤として多量の水を使用しても蒸気圧低減剤の加水分解物による発泡の阻害が生じない又は生じ難い。このことから安価な水を発泡助剤として含むポリウレタンフォーム用プレミックス組成物用に使用することができる。
ポリオール
ポリオールとしては、特に限定されず、ポリウレタン樹脂原料として公知のポリオールを広い範囲から選択して使用できる。このような公知のポリオールとして、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、フェノールベースポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース、ビスフェノールAのような炭素数2〜15、OH基数2〜8の多価アルコール;アンモニア、エチレンジアミンのような脂肪族アミン化合物、トルエンジアミン、ジフェニルメタン4,4’−ジアミン等の芳香族アミン化合物の単独および混合物にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキサイドのようなアルキレンオキサイドを2〜100個付加した重合体ポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、二塩基酸と炭素数2〜15、OH基数2〜8の多価アルコールとから誘導される化合物、例えばアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、ジメチルテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどから誘導されるポリエステルポリオール等が挙げられる。また、ε−カプロラクトン等の環状エステルの開環重合によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール等も挙げられる。
フェノールベースポリオールとしては、フェノールとホルムアルデヒドとから得られるノボラック樹脂又はレゾール樹脂にアルキレンオキシド類を反応させたポリオール等が挙げられる。
HFC−245faの蒸気圧を低減させるために、ポリオールとしては、それに対するHFC−245faの溶解度が高いものを用いることが好ましい。これにより、HFC−245faの蒸気圧を一層効果的に低減できる。
ポリオールは単独で又は2種以上混合して使用できる。
硬化触媒
硬化触媒としては、ポリウレタン樹脂用の硬化触媒として公知の化合物を制限なく使用できる。このような公知の硬化触媒として、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、DBU、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N−ジメチルアミノエチルエーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等のアミン触媒;ジメチルアミノヘキサノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、4級アンモニウム塩類のような、1分子中に水酸基を1個以上含有する反応型アミン触媒等が挙げられる。
また、このような公知の硬化触媒として、例えばジブチル錫ジラウリレート、ラウリン酸錫ジクロリド、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、オクチル酸カリウム、酢酸カリウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸ニッケルなどの有機金属系触媒も挙げられる。
硬化触媒は単独で又は2種以上混合して使用できる。
硬化触媒の使用量は、発泡条件によっても異なり一概に定められないが、ポリオール100重量部に対して通常0.01〜10重量部程度、特に0.1〜5重量部程度とするのが好ましい。硬化触媒の使用量が前記範囲であれば、適当なゲル時間及びライズ時間が得られるために、ポリウレタン組成物の垂れ落ちが生じず作業性がよい。また硬化が早すぎることがなく良好な作業性が得られる。
発泡剤
発泡剤としては、HFC−245faを用いる。
HFC−245faの使用量は、目的とする硬質ポリウレタンフォーム成型品の用途、ポリオールの種類、整泡剤の種類、硬化触媒の種類、その他の添加剤の種類、蒸気圧低減剤の種類等により異なるが、ポリオール100重量部に対して通常5〜80重量部程度、特に10〜60重量部程度とすることが好ましい。
補助的発泡剤
本発明のプレミックス組成物には、さらに、補助的発泡剤として、HFC−245faよりも沸点が高く、特に沸点20℃以上であり、分子量50〜200程度の低分子量化合物を併用することができる。このような補助的発泡剤を併用することにより、その分HFC−245faの使用量を減らすことができ、その結果蒸気圧低減剤の使用量を少なくすることができる。補助的発泡剤の種類によっても異なるが、上記範囲の分子量を有する補助的発泡剤を併用すれば、HFC−245faと補助的発泡剤とが相溶し易いため、HFC−245faの蒸気圧を低下させることができる。補助的発泡剤は単独で又は2種以上混合してHFC−245faと併用することができる。
このような補助的発泡剤として、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンのような炭素数5〜6の炭化水素系発泡剤;1,1,1,3,3―ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロペン(R−236fa)のような含フッ素炭化水素系発泡剤;メトキシ−ヘプタフルオロプロパン(CF3CF2CF2OCH3)、メトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタン(CHF2CF2OCH3)、メトキシ−3,3,3−トリフルオロプロペンのような含フッ素エーテル系発泡剤等が挙げられる。
特にn−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、1,1,1,3,3―ペンタフルオロブタン、メトキシ−ヘプタフルオロプロパン及びメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンが好ましく、中でも含フッ素炭化水素系発泡剤である1,1,1,3,3―ペンタフルオロブタン、メトキシ−ヘプタフルオロプロパン及びメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンがより好ましく、1,1,1,3,3―ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)がさらにより好ましい。これらの化合物は、低粘度であるため、プレミックス組成物を低粘度にすることができ、作業性を良くする効果もある。
メトキシ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンとメタノールとからアルカリ触媒存在下容易に得られる。
補助的発泡剤を併用する場合のその使用量は、発泡剤(HFC-245fa)の全量100重量部に対して通常1〜80重量部程度とするのが好ましく、1〜50重量部程度とするのがより好ましく、1〜30重量部程度とするのがさらにより好ましい。
発泡助剤
本発明のプレミックス組成物は必要に応じて発泡助剤を含むことができる。発泡助剤としては水を用いることが好ましい。水は安価であり、しかも寸法安定性及び耐熱性に優れるポリウレタンフォームを形成することができる。しかし、発泡剤を用いず発泡助剤として水のみを用いると、発泡時の発熱量が多くなりすぎたり、プレミックス組成物の粘度が高くなって作業性が低下する場合がある。発泡助剤として水を使用する場合には、ポリオール100重量部に対して通常0.01〜5重量部程度、特に0.1〜3重量部程度添加することが好ましい。
整泡剤
整泡剤としては、ポリウレタン樹脂の整泡剤として公知の化合物を制限なく使用できる。このような公知の整泡剤として、例えば有機ケイ素化合物からなる界面活性剤が用いられる。具体的には、アルキレンオキサイド変性ポリオルガノシロキサンで末端にアルコキシ基、活性のOH基、またはアシル基を有する物等が挙げられる。これら有機ケイ素化合物からなる界面活性剤は市販品であってもよく、具体的には、東レシリコーン(株)製SH−193、SH−195、SH−200、SRX−253等;信越シリコーン(株)製F−230、F−305、F−341、F−348等;日本ユニカー(株)製L−544、L−5310、L−5320、L−5420、L−5720;東芝シリコーン(株)製TFA−4200、TFA−4202等が挙げられる。
整泡剤の使用量は、ポリオール100重量部に対して通常0.05〜5重量部程度、特に0.1〜3重量部程度とすることが好ましい。前記範囲であれば、優れた整泡効果が得られる。
蒸気圧低減剤
HFC−245faの蒸気圧低減剤としては、上記説明した本発明の上記蒸気圧低減剤を使用する。
本発明の蒸気圧低減剤の使用量は、発泡剤(HFC−245fa)100重量部に対して通常0.1〜80重量部程度が好ましく、1〜50重量部程度がより好ましく、5〜45重量部程度がさらにより好ましい。前記範囲であれば、実用上充分にプレミックス組成物の蒸気圧を低減することができるとともに、得られるポリウレタンフォームの物性を損なわない。
補助的蒸気圧低減剤
本発明のプレミックス組成物は、本発明の蒸気圧低減剤に加えて補助的な蒸気圧低減剤を含むことができる。
補助的蒸気圧低減剤としては、酸素、リン、イオウ等のヘテロ原子が含まれる化合物、特にカーボネート、ケトン、エステル、エーテル、アセタール、ニトリル、アミド、スルホキシド類及びスルホラン類などの化合物が挙げられる。
具体的には、カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジ(C1〜C3)アルキルカーボネート等が挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のジ(C1〜C3)アルキルケトン、シクロヘキサノン等の炭素数5〜6の環状ケトンが挙げられる。
エーテルとしては、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等の炭素数2〜8、特に5〜8の鎖状エーテル、フラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の炭素数4〜6の環状エーテル等が挙げられる。
アセタールとしては、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,1−ジエトキシエタン、2,2−ジメトキシプロパン、1,3−ジオキソラン等の炭素数3〜6の鎖状アセタールまたは炭素数3〜6の環状アセタール等が挙げられる。
エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチルのような炭素数1〜4のアルコール残基よりなる酢酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンのような炭素数4〜6の環状エステル;トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェートのような炭素数3〜18のホスフェートエステル等が挙げられる。但し、補助的蒸気圧低減剤としてのエステルからは上記一般式(1)の化合物は除かれる。
ニトリルとしては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等が挙げられる。
アミドとしては、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
スルホキシド類としては、スルホキシド、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等が挙げられる。
スルホラン類としては、スルホラン、3−メチルスルホラン等が挙げられる。
中でも、スルホキシド類、エーテル、アセタールが好ましく、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジメトキシメタンがより好ましい。
これらの補助的蒸気圧低減剤は、塩基性ではないため、硬化触媒としてアミン触媒を使用する場合に、硬化反応に影響を及ぼさない又は及ぼし難い。また塩基に対して安定であるため、硬化触媒として塩基性触媒を用いることができる。
上記例示した補助的蒸気圧低減剤の中では、トリn−プロピルホスフェート又はトリイソブチルホスフェートと;ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及びジメトキシメタンなどが好ましい。
蒸気圧低減剤に補助的蒸気圧低減剤を併用する場合には、補助的蒸気圧低減剤の使用量は、発泡剤(HFC−245fa)100重量部に対して通常0.1〜80重量部程度とするのが好ましく、1〜50重量部程度とするのがより好ましく、1〜40重量部程度とするのがさらにより好ましい。
また補助的蒸気圧低減剤は、蒸気圧低減剤の100重量部に対して0.1〜100重量部程度とすることが好ましく、1〜90重量部程度とすることがより好ましく、10〜80重量部とすることがさらにより好ましい。
蒸気圧低減剤と補助的蒸気圧低減剤との好ましい組み合わせとしては、トリn−プロピルホスフェート又はトリイソブチルホスフェートと;ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及びジメトキシメタンの少なくとも1種との組み合わせが挙げられる。
蒸気圧低減剤は、その他の成分とともにポリオールと混合すればよいが、ポリオール、発泡剤、整泡剤、難燃剤または硬化触媒等と予め混合しておくこともできる。
難燃剤
本発明の蒸気圧低減剤は難燃性を有するため、プレミックス組成物には、別途難燃剤を添加することは必ずしも要さない。本発明の蒸気圧低減剤の中で、トリノルマルプロピルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等は難燃性にも優れるため、蒸気圧低減剤としてこれらの化合物を用いることにより、得られるポリウレタンフォームの難燃性が一層顕著になる。
別途、難燃剤を添加する場合は、硬質ポリウレタンフォームの難燃剤として公知の化合物の1又は2種以上を別途添加することもできる。硬質ポリウレタンフォームの公知の難燃剤としては、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ブトキシエチル)ホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート又はトリス(2−エチルヘキシル)ホスフェートのような有機リン化合物;メラミン、ベンゾグアナミン、尿素、ポリリン酸アンモニウム又はピロリン酸アンモニウムのような窒素含有化合物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム又はホウ酸亜鉛のような金属化合物などが挙げられる。
その他の成分
本発明のプレミックス組成物には、必要に応じて、得られるポリウレタンフォームの物性を損なわない範囲で、その他の添加剤が含まれていてもよい。
そのような添加剤としては、界面活性剤、HFC−245faの分解抑制剤(HFC−245faの安定剤)、酸化防止剤、減粘剤、無機充填剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤および滑剤などが挙げられる。
界面活性剤は、プレミックス組成物中へのHFC−245faの溶解性を増大させるために添加することができる。このような界面活性剤としては、例えば公知の炭化水素系界面活性剤又は公知のフッ素系界面活性剤を用いることができる。
HFC−245faの分解抑制剤としては、α−メチルスチレン、イソプロペニルトルエン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばトリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト又はテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4−ジフェニレンホスホナイトなどの三価のリン化合物のようなリン系化合物;ヒドロキノン、2,5−ジーtert−ブチルヒドロキノン、オクチルヒドロキノン又は2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノンのようなヒドロキノン系化合物;フェノール系化合物;アミン系化合物又は硫黄系化合物などが挙げられる。
減粘剤としては、例えばフタル酸エステル、二塩基性脂肪酸エステル、トリメリット酸エステル又はグリセリンエステルなどが挙げられる。
無機充填剤としては、例えばマイカ、タルク又はアルミナなどが挙げられる。
耐電防止剤としては、例えばカチオン系界面活性剤又は非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、サリチレート系化合物又はベンゾトリアゾール系化合物などが挙げられる。
滑剤としては、例えば脂肪酸系化合物、脂肪族アミド系化合物、エステル系化合物又はアルコール系化合物などが挙げられる。
(3)ポリウレタンフォームの製造方法
基本的構成
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、本発明のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物とポリイソシアネートとを混合することによりポリウレタンフォームを形成する工程を含む方法である。
本発明の蒸気圧低減剤を、さらにポリイソシアネートにも添加しておくことができる。
ポリイソシアネート
ポリイソシアネート化合物としては、ポリウレタン樹脂の原料として公知のポリイソシアネート化合物を制限なく使用できる。ポリイソシアネート化合物であれば、芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物及び脂環族ポリイソシアネート化合物のいずれも使用できる。
具体的には、芳香族ポリイソシアネート化合物としては、1分子中のイソシアネート基数が2個以上の芳香族ポリイソシアネート化合物、例えば4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(クルードMDI)及びこれらのプレポリマー型変性体等が挙げられる。
脂環族系イソシアネート化合物としては、1分子中のイソシアネート基数が2個以上の脂環族ポリイソシアネート化合物、例えばイソホロンジイソシアネート及びこれらのプレポリマー型変性体等が挙げられる。
脂肪族系イソシアネート化合物としては、1分子中のイソシアネート基数が2個以上の脂肪族ポリイソシアネート化合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネート及びこれらのプレポリマー型変性体等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用できる。
ポリイソシアネートの使用量は、特に限定されないが、通常、イソシアネートインデックスが80〜130程度、特に90〜120程度になるようにすればよい。また、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームを製造する場合はイソシアネートインデックスが150〜300程度、特に170〜250程度となるようにすればよい。なお、イソシアネートインデックスとは、ポリオール成分、水などの活性水素含有化合物に含まれる活性水素基のモル数に対するイソアネート基のモル数のパーセンテージをいう。例えば、イソシアネートインデックス150は、活性水素基100モルに対して、イソアネート基が150モル存在することを意味する。
成型
本発明のプレミックス組成物にポリイソシアネートを添加し、通常公知の方法で撹拌することにより、発泡及び硬化が起こりポリウレタンフォームが得られる。成型方法は特に限定されず、注型法、スプレー法等の硬質ポリウレタンフォームの形成方法として公知の方法を採用できる。
得られるポリウレタンフォームは、蒸気圧低減剤を使用しない従来の発泡剤を使用して製造されたポリウレタンフォームと同様の機械的強度(例えば曲げ強度、圧縮強度等)を有する。
本発明において、硬質ポリウレタンフォームには、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームが含まれる。上記説明した硬質ポリウレタンフォームの製造方法において、ポリイソシアネートの使用量が比較的多い場合には、一部イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームが生成する。
(4)発泡剤組成物
本発明の発泡剤組成物は、(A)HFC−245faと、(B)上記一般式(1)で表され、かつ、MIL H -19457に準じて測定される全酸量が650(mgKOH)以下である化合物の少なくとも1種とを含有する組成物である。
(A)と(B)との比率は、(A)100重量部に対して(B)が通常0.1〜80重量部程度、特に1〜50重量部程度であるのが好ましい。
本発明の発泡剤組成物には、HFC−245faの他に公知の発泡剤が含まれていてよい。このような公知の発泡剤としては、例えば前記例示した補助的発泡剤(炭化水素系発泡剤、含フッ素炭化水素系発泡剤又は含フッ素エーテル系発泡剤等)が挙げられる。HFC−245fa以外の発泡剤を含む場合は、その使用量は、HFC−245fa100重量部に対して通常0.1〜80重量部程度であるのが好ましく、1〜50重量部程度であるのがより好ましく、1〜30重量部程度であるのがさらにより好ましい。
本発明の発泡剤組成物には、本発明の蒸気圧低減剤以外のHFC−245faの蒸気圧低減剤が含まれていてよい。このような蒸気圧低減剤としては、例えば前記例示した補助的蒸気圧低減剤が挙げられる。このような蒸気圧低減剤の含有量は、HFC−245fa100重量部に対して通常0.1〜80重量部程度であるのが好ましく、1〜50重量部程度であるのがより好ましく、1〜40重量部程度であるのがさらにより好ましい。
この発泡剤組成物は、溶剤、エアゾール用プロペラント、冷媒、発泡剤等として使用できる。特にプラスチック用発泡剤、中でもイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの発泡剤として好適に用いることができる。
実施例
次に本発明を実施例及び試験例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<蒸気圧低減剤の耐加水分解性の評価>
全酸量の測定方法
全酸量は、MIL H−19457に準じて測定した。具体的には、耐圧試料瓶に試験化合物75gと蒸留水25gとを入れて密栓した後、予め93℃に調整した加水分解装置(1分間に5回転して試料瓶中の内容物を混合する機能を有する)にこの耐圧試料瓶を取り付け、同温度で48時間保持し、室温まで冷却した。 その後、耐圧試料瓶中の混合物を分液漏斗に移し、静置して水層を回収した。次いで、油層に洗浄水として蒸留水約100gを加えて軽く振盪した後、静置して水層を回収した。分離した水層を最初の水層と混合した。同様にして、さらに洗浄水が中性になるまで洗浄操作を繰り返した。回収した全ての水層の酸価を測定し、全酸量を下式により求めた。
酸価は水層のサンプルS(g)をフェノールフタレインを指示薬に用いて、0.5規定の水酸化カリウム水溶液で赤く変色するまでに要した滴定量A(ml)を次式に当てはめて算出した。
酸価(mgKOH/g)=0.5×56.1×A/S
その後、全酸量を下式により算出した。
全酸量(mgKOH)=酸価(mgKOH/g)×W(g)
上記計算式において、Wは回収した全ての水層の合計重量を示す。
全酸量の測定結果を以下の表1に示す。
Figure 2004176058
表1中の略号は次のことを意味する。
TNPP:トリノルマルプロピルホスフェート
TIPP:トリイソプロピルホスフェート
TIBP:トリイソブチルホスフェート
TBP:トリノルマルブチルホスフェート
TMP:トリメチルホスフェート
TEP:トリエチルホスフェート
TMCPP:トリス(β−クロロプロピルホスフェート)
TBP、TMP及びTMCPPは大八化学工業社で製造されたものを使用し、他は市販されている試薬を使用した。
表1から明らかなように、本発明の蒸気圧低減剤であるTNPP、TIPP、TIBP、TBPは、全酸量が650(mgKOH)以下であり、耐加水分解性に優れる。
一方、比較例のTMP及びTEPは共に全酸量650mgKOHを超え耐加水分解性が悪い。また、TMCPPは全酸量50mgKOHであり耐加水分解性には優れるが、ハロゲンを含有している点で環境保護上好ましくない。
<プレミックス組成物の製造例>
実施例1〜8
エステル系ポリオール(商品名:ファントールPL−305、東邦理化(株)製、OH価=314mgKOH/g、粘度=2370mPa・s/25℃)とエーテル系ポリオール(商品名:アクトコールAE−300、三井武田ケミカル製、OH価=755mgKOH/g、粘度=45000mPa・s/25℃)とを重量比70:30で混合した混合物100重量部に対して、トリn−プロピルホスフェート(TNPP)またはトリイソブチルホスフェート(TIBP)15重量部、整泡剤として有機ケイ素系界面活性剤(商品名:SH−193、東レシリコーン社製)1重量部、硬化触媒として酢酸カリウム2重量部及びトリアジン系触媒のPC−41(N,N',N"-トリス(ジメチルアミノプロピルヘキサヒドロ-S-トリアジン、商品名:ポリキャット41(POLYCAT−41)、三共エアプロダクト社製)2重量部、発泡助剤として水2重量部、後掲の表2に示す発泡剤組成物(発泡剤としてのHFC−245faと蒸気圧低減剤等(TNPP とTIBPを除く)とを含む)50重量部を氷冷下に混合して、プレミックス溶液を調製した。
比較例1
実施例1〜8において、蒸気圧低減剤を用いず発泡剤組成物としてHFC−245faのみ用いた他は、実施例1〜8と同様にしてプレミックス溶液を調製した。
試験例1(減圧率評価)
実施例1〜8及び比較例1の各プレミックス組成物の蒸気圧を以下の方法で測定した。各プレミックス組成物50gを、上部に圧力センサー(VALCOM Pressure Transducer VPRNP−A4−1700kPa(abs)−5)を装着した50mlガラス製耐圧容器に入れ、空気存在下マグネチックスターラーで攪拌し50℃にて蒸気圧を測定した。測定開始後約3時間の時点で平衡に到達した蒸気圧(平衡蒸気圧)を測定した。
得られた蒸気圧から、実施例1〜8の減圧率を以下の式に従い算出した。
減圧率(%)=100×(P0−P)/P0
(式中、P0は245faを単独で用いた比較例1のプレミックス組成物の蒸気圧を示し、Pは測定対象組成物の蒸気圧を示す。)
結果を以下の表2に示す。
Figure 2004176058
表2中の略号は次の意味を示す。
HFC−365mfc:1,1,1,3,3―ペンタフルオロブタン
TNPP:トリn−プロピルホスフェート
TIBP:トリイソブチルホスフェート
また表2中、カッコ内は、TNPP 及びTIBPを除く発泡剤組成物中の成分の含有比率である。
ジメチルスルホキシド(10重量部)、ジメトキシメタン(10重量部)、HFC−365mfc、シクロペンタンはTNPP 及びTIBPを除く発泡剤組成物中にそれぞれ10重量%含有されることを示す。ジメチルスルホキシド(20重量部)はTNPP 及びTIBPを除く発泡剤組成物中に20重量%含有されることを示す。ジメチルスルホキシド(15重量部)は、TNPP 及びTIBPを除く発泡剤組成物中に15重量%含有されることを示す。ジメトキシメタン(5重量部)はTNPP 及びTIBPを除く発泡剤組成物中に5重量%含有されることを示す。
なお、TNPP 及びTIBPは、直接ポリオール100重量部に15重量部を配合した。
表2から明らかなように、HFC−245faに本発明の蒸気圧低減剤であるTNPP又はTIBPを添加した実施例1又は2では、蒸気圧低減剤を使用しない比較例1に比べてそれぞれ12%又は13%の減圧率が得られた。
さらに、TNPP又はTIBPに本発明の補助的蒸気圧低減剤を併用した実施例3、4、7、8では、実施例1又は2に比べて減圧率がさらに大きくなった。その蒸気圧は273〜315kPaで、HCFC系発泡剤HCFC−141cフロンを用いた場合の蒸気圧と略同等であり、実用上十分な低蒸気圧である。
また、発泡剤のHFC−245faに補助的発泡剤のHFC−365mfcを併用した実施例5及び補助的発泡剤のシクロペンタンを併用した実施例6では、併用しない実施例1と同等の減圧率が得られた。このことから、補助的発泡剤を併用する場合も、併用しない場合に比べて、HFC−245faの蒸気圧が同程度に低減されることが分かる。
実施例9〜15
エステル系ポリオール(商品名:ファントールPL−305、東邦理化(株)製、OH価=314mgKOH/g、粘度=2370mPa・s/25℃)とポリエーテルポリオール(住化バイエルウレタン製、OH価=467mgKOH/g、粘度=3300mPa・s/25℃)とを重量比70:30で混合した混合物100重量部に対して、整泡剤(SH−193)(東レシリコーン社製)1重量部、硬化触媒として酢酸カリウム2重量部及びトリアジン系触媒のPC−41(N,N',N"-トリス(ジメチルアミノプロピルヘキサヒドロ-S-トリアジン、商品名:ポリキャット41(POLYCAT−41)、三共エアプロダクト社製)2重量部、発泡助剤として水2重量部、後掲の表3に示す発泡剤組成物(発泡剤としてのHFC−245faと蒸気圧低減剤等(TNPP及びTIBPを除く)とを含む)50重量部を氷冷下に混合して、プレミックス溶液を調製した。また、TNPP 及びTIBPは直接ポリオール100重量部に15重量部を配合した。
比較例2
実施例9〜15において、蒸気圧低減剤を用いず、発泡剤組成物としてHFC−245faのみ用い、さらにポリオール100重量部に対して15重量部の難燃剤TMCPP(トリス-(2-クロロプロピル)ホスフェート)(大八化学工業社製)を用いた他は、実施例9〜15と同様にしてプレミックス組成物を調製した。
試験例2(発泡性評価)
実施例9〜15及び比較例2のプレミックス組成物100重量部とイソシアネート(三井武田ケミカル(株)製コスモネートM−200)116重量部とを混合し攪拌後、ゲル時間及びライズ時間を測定した。ゲル時間は、プレミックスとイソシアネートとを混合後ゲル化するまでの時間を指し、これらを混合後に発泡している樹脂の表面を先の尖った針状の棒で突いたときに樹脂が糸状に付着し始めるまでの時間とした。ゲル時間が短いほど発泡性がよいことを示す。ライズ時間は発泡が止まるまでの時間であり、ライズ時間が短いほど発泡性がよいことを示す。
表3に結果を示す。
Figure 2004176058
表3において、ジメチルスルホキシド、ジメトキシメタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365fc)、シクロペンタンはそれぞれ発泡剤組成物中に10重量%含有される。
また表3において、カッコ内は、発泡剤組成物中の含有比率を表す。
TNPP 及びTIBPは、直接ポリオール100重量部に15重量部を配合した。
表3から明らかなように、発泡剤のHFC−245faに本発明の蒸気圧低減剤を併用した実施例9及び10の各プレミックス組成物は、このような蒸気圧低減剤を用いず、これに代えて従来難燃剤として用いられていたTMCPPを用いた比較例2のプレミックス組成物と同等の発泡性を示している。また、補助的発泡剤を併用した実施例13及び14、並びに、補助的蒸気圧低減剤を併用した実施例11、12及び15でも比較例2のプレミックス組成物と同等の発泡性を示しており、併用した補助的発泡剤又は補助的蒸気圧低減剤がHFC−245faによる発泡を阻害していないことが分かる。
本発明の蒸気圧低減剤は、硬質ポリウレタンフォーム又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの発泡剤として有用なHFC−245faの蒸気圧を効果的に低減することができる。このことから、HFC−245faを含むポリウレタンフォーム用プレミックス組成物への添加剤として好適に使用できる。また本発明の蒸気圧低減剤は、HFC−245faへの添加剤としても好適に使用できる。

Claims (16)

  1. 下記の一般式(1)
    Figure 2004176058
    (式中、R1、R2およびR3は、同一又は異なって、炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、R1、R2およびR3の全てがエチル基である化合物を除く)で表され、かつ、MIL H -19457に準じて測定される全酸量が650(mgKOH)以下である化合物の少なくとも1種を含む1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンの蒸気圧低減剤。
  2. 一般式(1)の化合物が、ポリn−プロピルホスフェート、トリn−ブチルホスフェート、トリn−ペンチルホスフェート、トリiso−プロピルホスフェート、トリiso−ブチルホスフェート、トリsec−ブチルホスフェート、トリtert−ブチルホスフェート、トリiso−ペンチルホスフェート、トリsec−ペンチルホスフェート、トリネオペンチルホスフェート、エチルジ(n−プロピル)ホスフェート、エチルジ(iso−プロピル)ホスフェート、エチルジ(n−ブチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、エチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、エチルジ(tert−ブチル)ホスフェート、エチルジ(n−ペンチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ペンチル)ホスフェート、エチルジ(sec−ペンチル)ホスフェート、エチルジ(ネオペンチル)ホスフェート、ジエチルn−プロピルホスフェート、ジエチルn−ブチルホスフェート、ジエチルiso−ブチルホスフェート、ジエチルsec−ブチルホスフェート、ジエチルtert−ブチルホスフェート、ジエチルn−ペンチルホスフェート、ジエチルiso−ペンチルホスフェート、ジエチルsec−ペンチルホスフェート、ジエチルネオペンチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−プロピル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−プロピルホスフェート、n−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)sec−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(tert−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)tert−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(n−ペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ペンチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ペンチルホスフェート、n−プロピルジ(sec−ペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)sec−ペンチルホスフェート、n−プロピルジ(ネオペンチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)ネオペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)n−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)iso−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)sec−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(tert−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)tert−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)n−ペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(iso−ペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)iso−ペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(sec−ペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)sec−ペンチルホスフェート、iso−プロピルジ(ネオペンチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)ネオペンチルホスフェート、n−ブチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)iso−ブチルホスフェート、n−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)sec−ブチルホスフェート、iso−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート及びジ(iso−ブチル)sec−ブチルホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1の蒸気圧低減剤。
  3. 一般式(1)の化合物が、トリn−プロピルホスフェート、トリn−ブチルホスフェート、トリiso−プロピルホスフェート、トリiso−ブチルホスフェート、トリsec−ブチルホスフェート、エチルジ(n−プロピル)ホスフェート、エチルジ(n−ブチル)ホスフェート、エチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、エチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、n−プロピルジ(iso−プロピル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−プロピルホスフェート、n−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)n−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)iso−ブチルホスフェート、n−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−プロピル)sec−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(n−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)n−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)iso−ブチルホスフェート、iso−プロピルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(iso−プロピル)sec−ブチルホスフェート、n−ブチルジ(iso−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)iso−ブチルホスフェート、n−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート、ジ(n−ブチル)sec−ブチルホスフェート、iso−ブチルジ(sec−ブチル)ホスフェート及びジ(iso−ブチル)sec−ブチルホスフェートからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の蒸気圧低減剤。
  4. ポリオール、硬化触媒、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、整泡剤および請求項1に記載の蒸気圧低減剤を含有するポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
  5. さらに、カーボネート、ケトン、エステル、エーテル、アセタール、ニトリル、アミド、スルホキシド類及びスルホラン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の補助的蒸気圧低減剤を含む請求項4に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
  6. 補助的蒸気圧低減剤が、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及びジメトキシメタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項5に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
  7. さらに、炭化水素系発泡剤、含フッ素炭化水素系発泡剤、含フッ素エーテル系発泡剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の補助的発泡剤を含む請求項4に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
  8. 補助的発泡剤が、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、1,1,1,3,3―ペンタフルオロブタン、メトキシ−ヘプタフルオロプロパン及びメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項7に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
  9. さらに、水を含む請求項4に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物。
  10. 請求項4に記載のポリウレタンフォーム用プレミックス組成物とポリイソシアネートとを混合することによりポリウレタンフォームを形成する工程を含むポリウレタンフォームの製造方法。
  11. ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物が、さらに、カーボネート、ケトン、エステル、エーテル、アセタール、ニトリル、アミド、スルホキシド類及びスルホラン類からなる群より選ばれる少なくとも1種の補助的蒸気圧低減剤を含むものである請求項10に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  12. 補助的蒸気圧低減剤が、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン及びジメトキシメタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であるである請求項11に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  13. ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物が、さらに、炭化水素系発泡剤、含フッ素炭化水素系発泡剤、含フッ素エーテル系発泡剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の補助的発泡剤を含有するものである請求項10に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  14. 補助的発泡剤が、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、1,1,1,3,3―ペンタフルオロブタン、メトキシ−ヘプタフルオロプロパン及びメトキシ−1,1,2,2−テトラフルオロエタンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項13に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  15. ポリウレタンフォーム用プレミックス組成物が、さらに、水を含むものである請求項10に記載のポリウレタンフォームの製造方法。
  16. (A)1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパンと(B)下記の一般式(1)
    Figure 2004176058
    (式中、R1、R2およびR3は、同一又は異なって、炭素数2〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、R1、R2およびR3の全てがエチル基である化合物を除く)
    で表され、かつ、MIL H -19457に準じて測定される全酸量が650(mgKOH)以下である化合物の少なくとも1種とを含有する発泡剤組成物。
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JP2021152162A (ja) * 2005-06-24 2021-09-30 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッドHoneywell International Inc. フッ素置換されたオレフィンを含む発泡剤及び組成物、並びに発泡方法

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