JP3951373B2 - 排水処理装置およびその方法、浄水処理設備 - Google Patents

排水処理装置およびその方法、浄水処理設備 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水処理装置およびその方法、浄水処理設備に関し、特に膜利用型浄水場における膜の洗浄排水の処理に係り、排水処理装置およびその方法、その排水処理装を備える浄水処理設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、膜ろ過処理を行っている浄水場における処理フローを示す図である。同図の浄水処理では、河川等からの原水を着水井20で受水した後、原水中の夾雑物を除去するためもしくは原水中の溶解性有機物質を除去するための前処理装置21へ導き、膜処理装置22にて原水中の懸濁成分および細菌類を除去する。膜処理装置22で得られた膜ろ過水を、滅菌処理設備によって塩素消毒を行って、水道水として供給されている。膜処理装置22では、定期的に膜の洗浄操作が実施されており、膜の洗浄によって排出された洗浄排水は排水池23へ送られ、汚泥と上澄水とに分離されている。汚泥は、濃縮槽24で重力により沈降濃縮されて脱水機25に供給される。さらに、濃縮槽24からの上澄水は、排水池23からの上澄水とともに着水井20へ返送される。
【0003】
上記構成の従来方式では、濃縮槽24から得られた濃縮汚泥濃度が季節の影響を受けて、夏期の場合には高々4%であり、冬期の場合に至っては高々2%である。そのために、脱水機25へ供給される濃縮汚泥混合液の容量と固形物濃度が季節によって著しく変動し、脱水機25の能力は、冬期における大容量・低濃度の濃縮汚泥混合液を処理することが可能なものとする必要があり、大型設備を設置する傾向にある。
【0004】
また、汚泥の濃縮方法に関しては、内圧式の膜モジュールに圧入して膜ろ過を行い、膜モジュールより濃縮された膜濃縮汚泥を物理洗浄により間欠的にシックナーに供給して脱水可能な濃度まで濃縮する方法が、特開平8−257600号公報に開示されている。図9を参照して説明すると、河川等からの原水を着水井20で受水した後、原水中の溶解性有機物質を除去するために薬品混和池25、フロック形成池26、薬品沈殿池27に送り、薬品沈殿池27の上澄水を砂ろ過池28に送って、さらに消毒をして水道水として供給する。膜モジュール29で得られた膜ろ過水は、滅菌処理設備によって塩素消毒を行って、水道水として供給されている。薬品沈殿池27の底部に沈殿した上水汚泥は、セラミック製であって内圧式の膜モジュール29へポンプで圧入され、デッドエンド方式による膜ろ過が行われる。膜モジュール29のろ過水は砂ろ過池28に送られ、膜モジュール29の膜濃縮汚泥は、間欠的な逆洗によってシックナー30に送られ、重力沈降させ、脱水可能な状態として脱水機31で脱水する。砂ろ過池28の逆洗排水は排水池32に送られ、その濃縮泥はシックナー30に送られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図8の膜ろ過処理を行う浄水処理設備では、脱水機25へ供給される濃縮汚泥混合液の容量と固形物濃度が季節によって著しく変動し、脱水機25の能力は、冬期における大容量であって、低濃度の濃縮汚泥混合液を処理する必要があるために、脱水機25を大型設備とする必要であり経済的ではない欠点を有する。また、浄水処理では、水回収率が重要な要素であり、水回収率の向上という観点から排水池23および濃縮槽24における上澄水は、必要に応じて着水井20へ返送されている。しかしながら、原水水質の悪化に伴って上澄水の水質の悪化も懸念される。特に、クリプトスポリジウムのような耐塩素性病原微生物が混入している原水では、着水井20へ返送される上澄水中にも存在する可能性があり、水処理系全体がクリプトスポリジウムのような耐塩素性病原微生物で汚染されるおそれがある。そのため着水井への返送水の濁度を極力低下させることによって、クリプトスポリジウム等の耐塩素性病原微生物が系内で循環することを防ぐことが望まれる。
【0006】
また、図9の汚泥の濃縮方法では、内圧式の膜モジュール29に圧入して膜ろ過を行い、膜モジュール29より濃縮された膜濃縮汚泥を物理洗浄により間欠的にシックナー30に供給して脱水可能な濃度まで濃縮する。しかしながら、膜モジュール29としてセラミック製の無機膜を用いているため、膜モジュール29の交換時に膜を破損する恐れがある。しかも、デッドエンド方式のろ過運転で物理洗浄間隔を2時間以上としているために、汚泥が膜表面に付着して比較的短期間のうちに目詰まりを起こし、この目詰まりを解消するためには頻繁に酸またはアルカリによる薬品洗浄を行う必要があり、その薬品洗浄操作のための費用や労力がコスト高につながるという問題がある。さらにまた、膜モジュール29に使用されるセラミック膜は高価であるために、設備費および膜交換費が高くなるという問題もある。さらに、この汚泥の濃縮方法では、膜濃縮汚泥をシックナー30に供給して重力濃縮、固液分離後に最終汚泥を取り出すため、年間を通じて常に安定した汚泥濃度を脱水機31へ送ることが困難であるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような課題を克服すべく鋭意研究の結果完成されたものであって、膜処理装置から発生する膜洗浄排水を年間を通じてほぼ一定した汚泥濃度まで濃縮するとともに、着水井へ返送する上澄水の水質を向上させて耐塩素性病原微生物等が浄水システム内で循環することがなく、かつ経済的な排水処理装置およびその方法、この種の排水処理装置を備える浄水処理設備を提案することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、河川等から取水した原水を膜処理装置で膜ろ過処理して水道水として利用する浄水処理設備であって、前記膜処理装置の膜の洗浄によって排出される排水を、汚泥の固形物濃度が5〜10%となるまで濃縮する濃縮処理用膜装置と、前記濃縮処理用膜装置からの膜ろ過水を、減菌処理を施して水道水として供給する塩素消毒フローへ送水する水路と、を具備することを特徴とする浄水処理設備である。この構成では、河川等から取水した原水を浄水処理設備において、処理する際に、膜の洗浄によって発生する排水を、濃縮処理用膜装置を用いて処理することで、クリプトスポリジウムのような耐塩素性病原微生物の除去と汚泥の固形物濃度を年間を通じて安定した濃度に濃縮し、その膜ろ過水は水道水として利用可能な処理水とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記濃縮処理用膜装置の膜が膜充填率の異なる2種類以上の有機膜であることを特徴とする請求項1に記載の浄水処理設備である。この構成では、濃縮処理用膜装置の膜モジュール膜を少なくとも2段とし、前段と後段の膜モジュールの膜充填率を異ならせることで、後段の膜モジュールを監視することで膜損傷による汚染を解消する。
【0010】
また、請求項3の発明は、前記濃縮処理用膜装置の膜が膜内径の異なる2種類以上の有機膜であることを特徴とする請求項1に記載の浄水処理設備である。この構成では、膜モジュールとし膜内径の異なる2種類以上の有機膜を用いて、汚泥水を膜ろ過することで、効率良く汚泥を除去する。
【0011】
また、請求項4の発明は、前記濃縮処理用膜装置の膜処理が内圧型クロスフロー方式であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の浄水処理設備である。この構成では、膜処理を内圧型クロスフロー方式とすることで、膜に付着する汚泥を剥離し、浄水フローに循環させることで、膜目詰まりを抑制して、汚泥水の全量を高速に処理することができる。
【0014】
また、請求項5の発明は、河川等から取水した原水を膜処理装置で膜ろ過処理して水道水として利用する際に、前記膜処理装置の膜の洗浄によって生じる排水を、濃縮処理用膜装置へ供給して濃縮処理し、排水中に含まれる汚泥の固形物濃度を5〜10%まで濃縮するとともに、前記濃縮処理用膜装置より得られた膜ろ過水を、減菌処理を施して、水道水として利用することを特徴とする浄水処理方法である。この構成では、河川等から取水した原水を浄水処理設備で処理する際に、膜洗浄時に発生する排水を、濃縮処理用膜装置を用いて処理することで、汚泥の固形物濃度を上記の値に濃縮して、脱水機に打ち込むことができる。
【0015】
また、請求項6の発明は、前記濃縮処理用膜装置による膜処理を内圧型クロスフロー方式で行うことを特徴とする請求項5に記載の排水処理方法である。この構成では、浄水処理フローの膜処理装置から比較的濃縮度の高い膜洗浄水を排水池に送られ、膜処理を内圧型クロスフロー方式で行うことによって、膜面流速を高く設定することが可能であり、排水の処理効率がよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る排水処理装置およびその方法、浄水処理設備について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明における排水処理装置およびその方法、浄水処理設備の一例を示す浄水処理フローを示す系統図である。同図において、本発明の浄水処理装置は、主として、河川等の原水を受水する着水井1、原水中の夾雑物を除去するためもしくは原水中の溶解性有機物質を除去するための前処理装置2、原水中の懸濁成分および細菌類を除去するための膜処理装置3、膜処理装置3において一定期的に実施する洗浄操作等により排出された膜洗浄水を受水する排水他4、汚泥の濃縮および清澄な膜ろ過水を得るための濃縮処理用膜装置5および膜濃縮汚泥を脱水する脱水機6より構成されている。前処理装置2は、原水中の夾雑物を除去する目的で、例えばオートストレーナのような簡易型回転固液分離器を用いることができる。また、原水中の溶解性有機物を除去する目的では、例えば生物処理、オゾン処理、活性炭処理のような高度処理装置を用いることができる。そして、濃縮処理用膜装置5では、膜処理装置3からの洗浄排水を汚泥の固形物濃度が5〜10%となるまで濃縮することができる。なお、排水処理装置は、膜処理装置3の膜の洗浄排水を処理する処理フローを実施する処理系であり、排水池4に送水された洗浄排水を濃縮処理用膜装置5や脱水機6で処理して乾燥汚泥を生成し、膜ろ過水を浄水処理系に戻す処理系である。
【0019】
図示においては、先ず、河川等の原水を着水井1で受水した後、原水中の夾雑物を除去するため、もしくは原水中の溶解性有機物質を除去するための前処理装置2へ導き、膜処理装置3にて原水中の懸濁成分および細菌類を除去する。膜処理装置3において得られた膜ろ過水は、滅菌処理設備により塩素消毒を行って水道水として供給される。膜処理装置3において、定期的に実施する膜洗浄操作により排出された洗浄排水は、排水他4へ送水され、さらに濃縮処理用膜装置5へ送られて処理される。濃縮処理用膜装置5より得られた膜ろ過水は、水路19aから着水井1へ送水される。一方、濃縮処理用膜装置5より間欠的、あるは連続的に得られた膜濃縮汚泥は、脱水機6へ送られ脱水される。
【0020】
また、図1のように濃縮処理用膜装置5による膜ろ過水を着水井1に戻す処理フローとすると、万が一濃縮処理用膜装置5の膜に破損が生じて懸濁成分および細菌類が漏出した場合にも、水処理系の膜処理装置3によって処理されるために、水道水水質を悪化させることが無い。さらには、濃縮処理用膜装置5の膜ろ過水を水処理系の膜で再び処理させることによって、水回収率の向上を図ることができると共に、濃縮処理用膜装置5の膜ろ過水水質は、重力濃縮処理の上澄水の水質に比して良好であるために、水処理系の膜に対する負荷を低減させることができる。
【0021】
続いて、図4を参照して、本発明における濃縮処理用膜装置5の構造図の一例について説明する。同図において、濃縮処理用膜装置5は、循環タンク7、撹拌機8、循環ポンプ9、膜モジュール10および洗浄手段11から構成されている。12〜18は配管を示し、Vはバルブを示している。先ず、排水池4より膜の洗浄排水が配管12を介して撹拌機8を備えている循環タンク7へ供給される。この排水は、循環ポンプ9により配管13を通って膜モジュール10へ送られ、膜ろ過処理された後、循環水は配管14を通って循環タンク7へ返送される。一方、膜ろ過水は、配管15を通って塩素消毒されて水道水として利用される。また、定期的に実施する洗浄操作において、洗浄手段11により配管16を通って膜モジュール10内を洗浄する。その膜の洗浄排水は、配管17を介して循環タンク7へ返送される。このようにして、循環タンク7において濃縮された汚泥は配管18を通ってバルブVにより間欠的あるいは連続的に引き抜かれた後、脱水機6へ送られる。
【0022】
本発明の濃縮処理用膜装置5では、膜モジュール10が精密ろ過膜(MF膜)あるいは限外ろ過膜(UF膜)の有機膜を用いており、膜の洗浄手段11としては、原水あるいは膜ろ過水を用いて行う逆流水洗浄または加圧ガスを用いて行う逆圧洗浄あるいはそれらの組み合わせを用いることができる。膜モジュール10は、その膜充填率が異なる2種類以上の膜で構成したり、あるいは膜内径の異なる2種類以上の有機膜で構成されている。
【0023】
また、本発明の濃縮処理用膜装置5におけるろ過方式として、外圧型あるは内圧型のデッドエンドろ過(全量ろ過)方式とすると、膜表面に付着した濃縮汚泥により比較的短期に目詰まりを起こし、頻繁に酸またはアルカリによる薬品洗浄を行う必要があり、経済的ではない。そのため膜表面に付着した濃縮汚泥を剥離・循環させるというクロスフロー方式にすれば、膜の目詰まりが抑制され、薬品洗浄頻度を少なくすることができる。その際、外圧型あるいは内圧型の膜モジュールを用いて通水すると、循環ポンプの動力が同じ場合、内圧型の方が外圧型に比して膜面流速を高く設定することができるため、膜表面での汚泥の堆積量が少なくなり膜の目詰まりが抑制される。以上のことから、本発明の濃縮処理用膜装置5におけるろ過方式としては、内圧型クロスフロー方式を採用することが好まい。
【0024】
さらに、本発明の濃縮処理用膜装置5の処理システムは、濃縮処理用膜装置5へ供給する排水の濃度が2%以上と高い場合には、1種類の有機膜を使用した単段システムとすることも可能であるが、排水の濃度が2%以下と低い場合には循環ポンプの動力費をできるだけ削減させるため、膜充填率および膜内径の異なる2種類以上の有機膜を使用することにより、段階的に汚泥の固形物濃度を上げるような多段システムとすることが好ましい。この際、膜充填率が20〜70%、膜内径が1〜4mmという範囲で、2種類以上の膜モジュールを組み合わせて使用することが好ましい。
【0025】
続いて、本発明の他の実施形態について、図2、図3を参照して説明する。図2、図3の実施形態において、同一部分には同一符号が付与されており、同一部分の説明は省略する。
【0026】
図2では、濃縮処理用膜装置5の膜ろ過水は、配管等を含む水路19bを介して膜処理装置3の処理水流入側に供給される。また、図3では、濃縮処理用膜装置5の膜ろ過水は、配管等を含む水路19cを介して塩素消毒フローに送水して水道水として供給される。無論、浄水処理設備として、水路19a、19b、19cの全てを備えてもよい。水路19a、19b、19cの全てを備える場合には、例えば濃縮処理用膜装置5の膜モジュールの損傷が激しい時には、水路19aに切り換えて着水井1に膜ろ過水を送水するように制御することができる。膜ろ過水の水質に応じて、水路19a、19b、19cの何れかに切り換えて、水道水の水質を基準内に維持する。また、浄水場の立地条件、例えば浄水処理場全体の水位高低あるいは返送配管の長さ等を勘案して、図1、図2または図3の方式を選択してもよい。このように濃縮処理用膜装置5の膜ろ過水を膜処理装置の前段または後段に戻して、前処理装置および膜処理装置の負荷軽減を図り、かつ塩素消毒設備に戻す塩素消毒をする浄水処理フローとすることで、浄水処理装置としての水回収率の向上を図ることができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に説明する。なお、これらの実施例によって、本発明を限定するものではない。
【0028】
(実施例1)
実施例1では、図1に示す浄水処理フローに従って処理する。前処理装置2には、オートストレーナ、オゾン接触槽および活性炭塔を配置して、原水中の夾雑物を除去し、原水中の溶解性有機物質を除去する。この前処理装置2で処理された処理水は、膜処理装置3に送られ、膜処理装置3から排出された固形物濃度0.1%の膜洗浄排水を、表1に示した仕様の濃縮処理用膜装置5に通水して処理した。
【0029】
【表1】
Figure 0003951373
【0030】
図5は、濃縮処理膜装置5における平均ろ過圧力の経日変化を示し、同図の横軸は通水日数であり、縦軸は平均ろ過圧力である。平均ろ過圧力は、膜入口圧力と循環水圧力の平均から膜出口圧力を差し引いた圧力を表している。なお、以下の表のPVDFは、フッ素樹脂であるポリフッ化ビニリデンを指している。表2には、本実施例により得られた膜濃縮汚泥と既存設備(図8の膜濃縮槽)により得られた濃縮汚泥とを脱水試験を行って得られた脱水性能について示している。表2から明らかなように、実施例1では、脱水機6に打ち込まれる汚泥の固形物の濃度が6.9%であり、脱水時間が5時間であったのに対して、既存設備では、脱水機6に打ち込まれる汚泥の固形物の濃度が2.8%であり、脱水時間が13時間であった。脱水ケーキの含水率は、実施例1が50.2%であるのに対して、既存設備では54.3%である。汚泥濃縮度、脱水時間、脱水ケーキの含水率の観点から本発明が優れていることは明らかである。また、表3は、実施例1により得られた膜ろ過水の水質分析結果を示している。本実施例においては、ろ過水を着水井1に戻しているが、水質結果は、表3から明らかなように、水道水水質基準をも満足するものであった。
【0031】
【表2】
Figure 0003951373
【0032】
【表3】
Figure 0003951373
【0033】
(実施例2)
実施例2は、図2に示す浄水処理フローに従って処理したものである。前処理装置2には、実施例1と同様に、オートストレーナ、オゾン接触槽および活性炭塔を配置して、原水中の夾雑物を除去し、原水中の溶解性有機物質を除去した。この前処理装置2で処理された処理水は、膜処理装置3に送られ、膜処理装置3から排出された固形物濃度0.1%の膜洗浄排水を濃縮処理用膜装置5に通水して処理した。濃縮処理用膜装置5は、表4に示した仕様に基づく2段のろ過膜からなる。
【0034】
【表4】
Figure 0003951373
【0035】
図6には、濃縮処理膜装置5における平均ろ過圧力の経日変化を示し、同図の横軸が通水日数を示し、その横軸が平均ろ過圧力を示している。図6の平均ろ過圧力は、膜入口圧力と循環水圧力の平均から膜出口圧力を差し引いた圧力を表している。表5には、本実施例により得られた膜濃縮汚泥と既存設備(図8の膜濃縮槽)により得られた濃縮汚泥とを脱水試験を行って得られた脱水性能について示されている。表5から明らかなように、実施例2では、脱水機6に打ち込まれる汚泥の固形物の濃度が6.3%であり、脱水時間が5時間であったのに対し、既存設備では、脱水機6に打ち込まれる汚泥の固形物の濃度が2.7%であり、脱水時間が13時間である。脱水ケーキの含水率は、実施例2が51.3%であるのに対して、既存設備では52.5%である。汚泥濃縮度、脱水時間、脱水ケーキの含水率の観点から本発明が優れていることは明らかである。また、本実施例により得られた膜ろ過水の水質分析結果を表6に示した。本実施例においては膜ろ過水を膜処理装置3の直前に戻したが、水質結果は水道水水質基準をも満足するものであった。
【0036】
【表5】
Figure 0003951373
【0037】
【表6】
Figure 0003951373
【0038】
(実施例3)
実施例3では、図3に示す浄水処理フローに従って処理する。前処理装置2には、実施例1と同様にオートストレーナ、オゾン接触槽および活性炭塔を配置して、原水中の夾雑物を除去し、原水中の溶解性有機物質を除去する。この前処理装置2で処理された処理水は、膜処理装置3に送られ、膜処理装置3から排出された固形物濃度が0.1%の膜洗浄排水を濃縮処理用膜装置5に通水して処理した。濃縮処理用膜装置5は、表7に示した仕様のものである。
【0039】
【表7】
Figure 0003951373
【0040】
実施例3では、濃縮処理用膜装置5が2段となっており、図7は、濃縮処理膜装置5における平均ろ過圧力の経日変化が示されている。濃縮処理用膜装置5における平均ろ過圧力の経日変化を図7に示している。表8には、本発明の方法により得られた膜濃縮汚泥と既存設備(図8の膜濃縮)により得られた彼縮汚泥とを脱水試験して得られた脱水性能について示した。また、本発明の方法により得られた膜ろ過水の水質分析結果を表9に示した。
【0041】
表8から明らかなように、実施例3では、脱水機6に打ち込まれる汚泥の固形物の濃度が7.3%であり、脱水時間が4時間であったのに対し、既存設備では、脱水機6に打ち込まれる汚泥の固形物の濃度が2.4%であり、脱水時間が16時間である。脱水ケーキの含水率は、実施例3が53.3%であるのに対して、既存設備では52.3%である。汚泥濃縮度、脱水時間、脱水ケーキの含水率の観点から本発明が優れていることは明らかである。また、本実施例により得られた膜ろ過水の水質分析結果を表9に示した。本実施例において得られた膜ろ過水の水質結果は水道水水質基準をも満足するものであったため、塩素消毒設備へ送り滅菌作業を実施した。
【0042】
【表8】
Figure 0003951373
【0043】
【表9】
Figure 0003951373
【0044】
本発明では、排水処理装置の濃縮処理用膜装置5が、図5〜図7より明らかなように、濃縮処理用膜装置5における平均ろ過圧力の上昇は見られず安定して通水することができることを示している。従って、本発明の排水処理装置を浄水処理装置に使用すれば、排水処理系での故障や処理の中断等を発生することなく、水道水を安定して供給することができることを示している。
【0045】
しかも、表2、表5および表8より明らかなように、本発明により得られた汚泥濃度は、既存設備の場合に比べて2.5〜3.0倍に上昇し、脱水機による脱水時間は、既存設備の場合に比べて62〜75%も短縮され、脱水性に優れた濃縮汚泥を得ることができた。即ち、脱水機による汚泥処理が短時間になされるので、汚泥が滞貨することなく処理される。
【0046】
また、本発明では、表3、表6および表9より明らかなように、濃縮処理用膜装置による膜ろ過水水質が、水道水水質基準を満足するものであり、また、クリプトスポリジウムのような耐塩素性病原微生物は、濃縮処理用膜装置で除去されるので検出することはできなかった。膜ろ過水は、水道水として利用することができることは明らかである。
【0047】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の濃縮処理用膜装置によれば、ほぼ一定した固形物濃度(5〜10%)の汚泥を、脱水機へ打ち込むことができるとともに、脱水機における脱水時間を大幅に短縮することができる利点があり、従来の重力式濃縮方法の場合と比較して、脱水機の容量を小型にすることができる利点があり、設備費を安価なものとすることができる。
【0048】
また、本発明によれば、濃縮処理用膜装置の膜洗浄排水を内圧型クロスフロー方式で膜ろ過を行うために、平均ろ過圧力の急激な上昇はなく連続通水することができる。従って、比較的短期で目詰まりを起こすことがなく、薬品洗浄の間隔が長くなることから、薬品洗浄操作のための費用や労力が削減できる。従って、本発明の排水処理装置を浄水場に採用することで、高度水処理がなされた水道水を安価に供給することができる効果的のものである。
【0049】
さらに、従来は、図8に示すように膜の洗浄排水を排水池に導きその上澄水を着水井へ返送していたが、本発明においては、膜の洗浄排水を膜処理しているので、膜ろ過水は着水井へ戻すほかに、膜処理装置直前もしくは水道水として再利用することが可能となり、浄水処理設備としての水回収率の向上を図ることができる等の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における浄水処理フローを示す系統図である。
【図2】本発明の他の実施形態における浄水処理フローを示す系統図である。
【図3】本発明の他の実施形態における浄水処理フローを示す系統図である。
【図4】濃縮処理用膜装置の構成図を示す浄水処理フローを示す系統図である。
【図5】実施例1の運転結果を示す図である。
【図6】実施例2の運転結果を示す図である。
【図7】実施例3の運転結果を示す図である。
【図8】従来技術における浄水処理を示す図である。
【図9】従来技術における浄水処理を示す図である。
【符号の説明】
1 着水井
2 前処理装置
3 膜処理装置
4 排水他
5 濃縮処理用膜装置
6 脱水機
7 循環タンク
8 撹拌機
9 循環ポンプ
10 膜モジュール
11 洗浄手段
12〜18 配管
19a〜19c 水路

Claims (6)

  1. 河川等から取水した原水を膜処理装置で膜ろ過処理して水道水として利用する浄水処理設備であって
    前記膜処理装置の膜の洗浄によって排出される排水を、汚泥の固形物濃度が5〜10%となるまで濃縮する濃縮処理用膜装置と、
    前記濃縮処理用膜装置からの膜ろ過水を、減菌処理を施して水道水として供給する塩素消毒フローへ送水する水路と、
    を具備することを特徴とする浄水処理設備
  2. 前記濃縮処理用膜装置の膜が膜充填率の異なる2種類以上の有機膜であることを特徴とする請求項1に記載の浄水処理設備
  3. 前記濃縮処理用膜装置の膜が膜内径の異なる2種類以上の有機膜であることを特徴とする請求項1に記載の浄水処理設備
  4. 前記濃縮処理用膜装置の膜処理が内圧型クロスフロー方式であることを特徴とする請求項1、2または3いずれか1項に記載の浄水処理設備
  5. 河川等から取水した原水を膜処理装置で膜ろ過処理して水道水として利用する際に、前記膜処理装置の膜の洗浄によって生じる排水を、濃縮処理用膜装置へ供給して濃縮処理し、排水中に含まれる汚泥の固形物濃度を5〜10%まで濃縮するとともに、前記濃縮処理用膜装置より得られた膜ろ過水を、塩素減菌処理フローへ送水し、減菌処理を施して、水道水として利用することを特徴とする浄水処理方法
  6. 前記濃縮処理用膜装置による膜処理を内圧型クロスフロー方式で行うことを特徴とする請求項5に記載の浄水処理方法。
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