JP3951112B2 - 等高線加工方法および等高線加工装置 - Google Patents

等高線加工方法および等高線加工装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金型の製品部荒加工を行うための方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金型の製品部荒加工工程は、一般的に、図9に側面図を示す金型素材W(六面体)から、等高線加工方法によって必要な金型形状Fを削り出すものである。そして、かかる等高線加工方法には、往復加工方法と、輪郭加工方法とが含まれる。
【0003】
図10(a)には、金型素材Wを上方から見たときの、往復加工の工具軌跡を概略的に示している。往復加工方法は、N段目の等高線に係る加工形状(Nは1以上の整数)を、六面体である金型素材Wの側面に沿って工具を往復移動させることにより、切削する方法である。
この往復加工方法によれば、図9の等高線Aに係る加工(加工の初期段階)では、等高線Aを通る平面と必要な金型形状Fとが交差しないので、等高線Aに係る工具軌跡CLは、等高線Aを通る平面の全範囲を、一定の高さで往復するものとなる。一方、加工が進み、図9の等高線Bに係る加工を行う場合には、等高線Bを通る平面と必要な金型形状Fとが交差して、切削により素材を除去すべき面積が減少する。よって、等高線Bに係る工具軌跡CLは、等高線Bを通る平面から必要な金型形状Fが突出する部分を避けた範囲を、一定の高さで往復するものとなる。さらに加工が進み、図9の等高線Cに係る加工を行う場合には、切削により素材を除去すべき面積は更に減少する。よって、等高線Cに係る工具軌跡CLは、等高線Cを通る平面から必要な金型形状Fを避けた、ごく狭い範囲を、一定の高さで往復するものとなる。
【0004】
一方、図10(b)の輪郭加工方法は、各段の加工断面形状、例えば、図9に示す等高線A、B、Cを通る平面と、必要な金型形状Fとが交差して形成される断面形状に沿って、工具を移動させることにより、必要な形状を切削する方法である。
この輪郭加工方法によれば、図9の等高線Aに係る加工(加工の初期段階)では、工具軌跡CLは、等高線Aを通る平面の全範囲を、同心状に移動するものとなる。また、図9の等高線Bに係る加工を行う場合には、工具軌跡CLは、等高線Bを通る平面から必要な金型形状Fが突出する部分を避けた範囲を、一定の高さで同心状に移動するものとなる。さらに、図9の等高線Cに係る加工を行う場合には、工具軌跡CLは、等高線Cを通る平面から必要な金型形状Fを避けた、ごく狭い範囲を、一定の高さで同心状に移動するものとなる。
【0005】
そして、図10(a)、(b)に示す工具軌跡(CL)を構成する線分と、工具軌跡を構成する各線分の始点および終点P(以下、「工具軌跡点」、「CL点」ともいう。)の数の総和は、切削により素材を除去すべき面積が広い、加工の初期段階では、往復加工方法による方が少なくなる。一方、加工が進行して切削により素材を除去すべき面積が減少すると、輪郭加工による方が少なくなるという傾向がある。なお、工具軌跡点Pの数は、加工に要する時間と密接に関係しており、その数が増加すると加工時間は増大し、その数が減少すると加工時間も減少することとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、金型の製品部荒加工を行う際には、輪郭加工方法を用いることが一般的であった。しかしながら、輪郭加工方法によると、加工の初期段階では、工具軌跡点Pの数が多くなるといった欠点があることから、従来の金型の製品部荒加工工程は、特に加工開始から一定の間は、効率的に加工を行うことができなかった。一方、往復加工方法を用いた場合には、加工の初期段階では、工具軌跡点Pの数を、輪郭加工方法による場合よりも少なくすることができるが、加工が進んだ段階では、輪郭加工方法に比べ工具軌跡点Pの数が多くなり、特に加工工程が進んだ時点で、効率的な加工を行うことができないこととなった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、金型の製品部荒加工の全行程を、より効率的に加工し、金型の製品部荒加工に要する時間を短縮することにある。そして、金型製作コストを低減することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の請求項1に係る等高線加工方法は、等高線加工方法による金型の製品部荒加工工程において、N(Nは1以上の整数)段目の等高線に係る加工形状に対し、一種類の工具による、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡とを含む工具軌跡を複数種類作成し、そのうち、工具軌跡を構成する線分の始点および終点の数の総和である工具軌跡点数の最も少ない工具軌跡を最短の加工時間となる工具軌跡として選択し、N段目の最適工具軌跡として特定するステップを繰返し、この際、等高線と必要な金型形状とが交差しない加工の初期段階では、前記一種類の工具による工具軌跡を作成するステップで、往復加工の工具軌跡のみ作成し、当該往復加工の工具軌跡を最適工具軌跡として特定して、荒加工の全行程に係る加工データを作成し、当該加工データに基き加工を行うことを特徴とする。
本発明によれば、荒加工の全行程に係る、多段の工具軌跡の全てを、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡とから、最短の加工時間となる最適工具軌跡を選択することで、金型の製品部荒加工の全行程の加工効率を高めることができる。
【0009】
しかも、複数種類作成した工具軌跡の工具軌跡点数を比較することによって、一義的に最短の加工時間となる工具軌跡を選択する。この際、等高線と必要な金型形状とが交差しない加工の初期段階では、工具軌跡点数が少ない往復加工の工具軌跡のみ作成することとして、工具軌跡の作成作業の軽減を図り、かつ、最適工具軌跡の選択作業を不要とする。そして、最短の加工時間となる最適工具軌跡により、荒加工の全行程に係る加工データを作成することで、金型の製品部荒加工の全行程の加工効率を高める。
【0010】
又、上記課題を解決するための、本発明の請求項に係る等高線加工方法は、等高線加工方法による金型の製品部荒加工工程において、N(Nは1以上の整数)段目の等高線に係る加工形状に対し、一種類の工具による、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡とを含む工具軌跡を複数種類作成し、そのうち、工具軌跡を構成する線分の始点および終点の数の総和である工具軌跡点数の最も少ない工具軌跡を最短の加工時間となる工具軌跡として選択し、N段目の最適工具軌跡として特定するステップを繰返し、この際、輪郭加工の工具軌跡のみからなる最適工具軌跡が作成された後は、前記一種類の工具による工具軌跡を作成するステップで、輪郭加工の工具軌跡のみ作成し、当該輪郭加工の工具軌跡を最適工具軌跡として特定して、荒加工の全行程に係る加工データを作成し、当該加工データに基き加工を行うことを特徴とする。
本発明によれば、荒加工の全行程に係る、多段の工具軌跡の全てを、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡とから、最短の加工時間となる最適工具軌跡を選択することで、金型の製品部荒加工の全行程の加工効率を高めることができる。
【0011】
しかも、複数種類作成した工具軌跡の工具軌跡点数を比較することによって、一義的に最短の加工時間となる工具軌跡を選択する。この際、輪郭加工の工具軌跡のみからなる最適工具軌跡が作成された時点では、加工が進行して切削により素材を除去すべき面積が減少しており、それ以降の加工にあたっては、輪郭加工による方が往復加工の工具軌跡による場合よりも工具軌跡点が少なくなるとして、一義的に輪郭加工方法を選択することにより、工具軌跡の作成作業の軽減を図り、かつ、最適工具軌跡の選択作業を不要とする。そして、最短の加工時間となる最適工具軌跡により、荒加工の全行程に係る加工データを作成することで、金型の製品部荒加工の全行程の加工効率を高める。
【0012】
又、上記課題を解決するための、本発明の請求項に係る等高線加工方法は、等高線加工方法による金型の製品部荒加工工程において、N(Nは1以上の整数)段目の等高線に係る加工形状に対し、一種類の工具による、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡とを含む工具軌跡を複数種類作成し、そのうち、工具軌跡を構成する線分の始点および終点の数の総和である工具軌跡点数の最も少ない工具軌跡を最短の加工時間となる工具軌跡として選択し、N段目の最適工具軌跡として特定するステップを繰返し、この際、等高線と必要な金型形状とが交差しない加工の初期段階では、前記一種類の工具による工具軌跡を作成するステップで、往復加工の工具軌跡のみ作成し、当該往復加工の工具軌跡を最適工具軌跡として特定し、輪郭加工の工具軌跡のみからなる最適工具軌跡が作成された後は、前記一種類の工具による工具軌跡を作成するステップで、輪郭加工の工具軌跡のみ作成し、当該輪郭加工の工具軌跡を最適工具軌跡として特定して、荒加工の全行程に係る加工データを作成し、当該加工データに基き加工を行うことを特徴とする。
本発明によれば、荒加工の全行程に係る、多段の工具軌跡の全てを、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡とから、最短の加工時間となる最適工具軌跡を選択することで、金型の製品部荒加工の全行程の加工効率を高めることができる。
【0013】
しかも、複数種類作成した工具軌跡の工具軌跡点数を比較することによって、一義的に最短の加工時間となる工具軌跡を選択する。この際、等高線と必要な金型形状とが交差しない加工の初期段階では、工具軌跡点数が少ない往復加工の工具軌跡のみ作成することとして、工具軌跡の作成作業の軽減を図り、かつ、最適工具軌跡の選択作業を不要とする。又、輪郭加工の工具軌跡のみからなる最適工具軌跡が作成された時点では、加工が進行して切削により素材を除去すべき面積が減少しており、それ以降の加工にあたっては、輪郭加工による方が往復加工の工具軌跡による場合よりも工具軌跡点が少なくなるとして、一義的に輪郭加工方法を選択することにより、工具軌跡の作成作業の軽減を図り、かつ、最適工具軌跡の選択作業を不要とする。そして、最短の加工時間となる最適工具軌跡により、荒加工の全行程に係る加工データを作成することで、金型の製品部荒加工の全行程の加工効率を高める。
【0014】
また、本発明の請求項に係る等高線加工方法は、請求項1から3のいずれか1項記載の等高線加工方法において、前記最短の加工時間となる工具軌跡を選択するステップでは、離間する複数の領域に工具軌跡が跨る場合に、各領域毎に工具軌跡を選択するものである。
本発明によれば、工具軌跡が離間する複数の領域に跨る場合に、各領域毎に工具軌跡を選択することにより、一つの段の工具軌跡を最適工具軌跡のみで形成し、一つの段の加工時間を最も短くすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分及び相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0016】
図1には、本発明の実施の形態に係る等高線加工方法において、金型の製品部荒加工の全行程に係る加工データを作成する手順を、フローチャートで示している。また、図2には、図1に示す加工データ作成手順を実現するためのプログラム構成を、ブロック図で示している。さらに、図3〜図8には、図1のフローチャートに沿って作成された加工データに基き、金型の製品部荒加工を行う工程を示している。
【0017】
本発明の実施の形態に係る等高線加工装置の、演算処理装置に含まれるメインプログラム1は、入力プログラム2(加工条件記憶手段)と、往復加工の工具軌跡(CL)計算プログラム3および輪郭加工のCL計算プログラム4(工具軌跡作成手段)と、工具軌跡点数の比較プログラム5(比較手段、選択手段)と、CL登録プログラム6(記憶手段)と、CL表示プログラム7を含むものである。
ここで、図1〜図3を参照しながら、金型の製品部荒加工の全行程に係る加工データを作成する手順を説明する。
【0018】
(ステップi)図3に示すN(Nは1以上の整数)段目の等高線に係る加工形状に対し、往復加工及び輪郭加工の工具軌跡CLを求める。この際、入力プログラム2に沿って、金型素材Wの形状、必要な金型形状F、工具形状(一種類)、一段当りの切込み量、工具の回転数、工具の移動速度等、必要な加工条件を入力する。そして、これらの加工条件に基き、往復加工のCL計算プログラム3により、往復加工のCLを計算する。また、輪郭加工のCL計算プログラム4により、輪郭加工のCLを計算する。
(ステップii)続いて、工具軌跡点数の比較プログラム5に沿って、ステップiで計算した、往復加工のCLと輪郭加工のCLの、CL点数(工具軌跡点数)を比較する。
【0019】
(ステップiii)そして、CL点数が少ない方の工具軌跡を選択し、N段目の等高線に係る最適工具軌跡として特定する。そして、CL登録プログラム6に沿って、N段目の最適工具軌跡を記憶する。
ここで、一段の等高線に係る工具軌跡が、離間する複数の領域に跨る場合には、各領域毎に工具軌跡を選択する。よって、離間する複数の領域に工具軌跡が跨る場合であっても、一つの段の工具軌跡を最適工具軌跡のみで形成することが可能である。
また、前述の如く、加工の初期段階の等高線に係る工具軌跡は、輪郭加工方法を用いるよりも往復加工方法を用いた方が、一般的にCL点数が少なくなるので、通常は、加工の初期段階では往復加工方法を最適工具軌跡として特定する。一方、加工の終盤では、往復加工方法を用いるよりも輪郭加工方法を用いた方が、一般的にCL点数が少なくなるので、通常は、加工の終盤では往復加工方法を最適工具軌跡として特定する。
【0020】
(ステップiv)ステップiiおよびステップiiiを、荒加工の全行程にわたって行ったか否かを判断し、全行程について完了していない場合には、ステップiiおよびステップiiiを繰返す。一方、全行程について完了している場合には、金型の製品部荒加工の全行程に係る加工データの作成を修了する。
なお、必要に応じて、往復加工のCLと輪郭加工のCL、CL点数、選択された最適工具軌跡等を、CL表示プログラム7に沿って、ディスプレーに表示することができる。
【0021】
本発明の実施の形態に係る等高線加工装置は、以上の手順により作成した金型の製品部荒加工の全行程に係る加工データに基き、図3〜図8に示す手順で、加工を行う。本発明の実施の形態においても、金型の製品部荒加工は、図4に示す金型素材W(六面体)から切削を開始するものである。
【0022】
まず最初に、図3に示すように、工具Tを1段目の等高線にかかる最適工具軌跡に沿って移動させ、1段目の加工を完了させる。1段目の加工が完了すると、続いて2段目以降の加工を順次行っていく。前述の如く、加工の初期段階で、往復加工方法が最適工具軌跡として特定された場合には、図5に示すように、往復加工の工具軌跡CLに沿って、切削加工が行われる。
【0023】
加工が進み、N段目の等高線を通る平面と必要な金型形状Fとが交差すると、図6、図7に示すように、離間する複数の領域に工具軌跡CLが跨る場合がある。かかる場合には、前述の如く、各領域毎に工具軌跡が選択されていることから、図6に示すように、何れの領域も往復加工の工具軌跡となる場合や、図7に示すように、各領域毎に往復加工の工具軌跡若しくは輪郭加工の工具軌跡が選択されている場合がある。また、図示は省略するが、何れの領域も輪郭加工の工具軌跡が選択される場合もある。
【0024】
そして、加工が終盤に差し掛かり、切削により素材を除去すべき面積が更に減少する場合には、輪郭加工方法が最適工具軌跡として特定されている。よって、図8に示すように、輪郭加工の工具軌跡CLに沿って、切削加工が行われる。
【0025】
上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
上述のように、本発明の実施の形態に係る等高線加工装置は、加工条件記憶手段としての入力プログラム2と、記憶された加工条件に基き、N段目の等高線に係る加工形状に対し一種類の工具による工具軌跡を複数種類作成可能な工具軌跡作成手段としての、往復加工のCL計算プログラム3および輪郭加工のCL計算プログラム4と、作成された工具軌跡から最短の加工時間となる工具軌跡を選択する選択手段としての比較プログラム5と、選択された工具軌跡をN段目の最適工具軌跡として記憶する記憶手段としてのCL登録プログラム6とを、備えるものである。また、比較プログラム5は、作成された工具軌跡のCL点数を比較する、比較手段として機能するものである。
【0026】
そして、金型の製品部荒加工の全行程に係る加工データを作成する手順は、ステップiにおいて、前記加工条件記憶手段(入力プログラム2)に記憶された加工条件に基き、前記工具軌跡作成手段(CL計算プログラム3、4)においてN段目の等高線に係る加工形状に対し一種類の工具による工具軌跡を複数種類作成する。本発明の実施の形態では、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡とが作成される。
【0027】
続いて、ステップiiにおいて、ステップiで計算した、往復加工のCLと輪郭加工のCL点数(工具軌跡点数)を比較し、ステップiiiにおいて、前記選択手段(比較プログラム5)により往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡いずれか一方を、最短の加工時間となる最適工具軌跡として選択する。本発明の実施の形態では、CL点数の少ない方の工具軌跡を選択する。このように、CL点数を比較することによって、一義的に最短の加工時間となる工具軌跡を選択することができる。しかも、離間する複数の領域に工具軌跡が跨る場合に、各領域毎に工具軌跡を選択することにより、一つの段の工具軌跡を最適工具軌跡のみで形成し、一つの段の加工時間を最も短くすることができる。
そして、前記記憶手段(CL登録プログラム6)によって、前記記憶手段で選択された工具軌跡をN段目の最適工具軌跡として記憶する。
【0028】
以上の各手段による作業を繰返すことで(ステップii〜ステップiv)、荒加工の全行程に係る加工データを構成する。よって、多段の工具軌跡の全てを、最短の加工時間となる最適工具軌跡とすることが可能となり、金型の製品部荒加工の全行程の加工効率を高めることができる。
そして、当該加工データに基き加工を行う(図3〜図8)ことにより、金型の製品部荒加工の全行程を、より効率的に加工し、金型の製品部荒加工に要する時間を短縮することが可能となる。その結果として、金型製作コストの低減を図ることができるものである。
【0029】
なお、ステップiにおいて作成する工具軌跡は、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡に限定されるものではなく、さらに別の工具軌跡も作成して、それらの中から最適工具軌跡を特定することとしても良い。
また、本発明の実施の形態では、上記作用効果を維持しつつ、図1にフローチャートで示した、金型の製品部荒加工の全行程に係る加工データを作成する手順を、更に簡略化することも可能である。
【0030】
例えば、等高線と必要な金型形状とが交差しない加工の初期段階では、一種類の工具による工具軌跡を作成するステップiで、往復加工の工具軌跡のみ作成し、ステップiiにおいて複数の工具軌跡のCL点数の比較をすることなく、往復加工の工具軌跡を最適工具軌跡として特定することとしても良い。
かかる手順は、等高線と必要な金型形状とが交差しない加工の初期段階では、往復加工の工具軌跡の方が工具軌跡点数が少なくなることを考慮して、加工の初期段階における工具軌跡の作成作業の軽減を図り、かつ、最適工具軌跡の選択作業を不要としたものである。
【0031】
また、一段の等高線に関し、輪郭加工の工具軌跡のみからなる最適工具軌跡が作成された後は、一種類の工具による工具軌跡を作成するステップiで、輪郭加工の工具軌跡のみ作成し、ステップiiにおいて複数の工具軌跡のCL点数の比較をすることなく、輪郭加工の工具軌跡を最適工具軌跡として特定することとしても良い。
かかる手順は、輪郭加工の工具軌跡のみからなる最適工具軌跡が作成された時点では、加工が進行して切削により素材を除去すべき面積が減少しており、それ以降の加工にあたっては、輪郭加工による方が往復加工の工具軌跡による場合よりも工具軌跡点が少なくなるとして、一義的に輪郭加工方法を選択することにより、工具軌跡の作成作業の軽減を図り、かつ、最適工具軌跡の選択作業を不要したものである。
【0032】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、金型の製品部荒加工の全行程を、より効率的に加工し、金型の製品部荒加工に要する時間を短縮することが可能となる。そして、金型製作コストの低減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る等高線加工方法において、金型の製品部荒加工の全行程に係る加工データを作成する手順を示すフローチャートである。
【図2】 図1に示す加工データ作成手順を実現するためのプログラム構成を示すブロック図である。
【図3】 図1のフローチャートに沿って作成された加工データに基き、金型の製品部荒加工を行う工程を示す説明図である。
【図4】 金型の製品部荒加工に係る金型素材を示す斜視図である。
【図5】 加工の初期段階における工具軌跡と、金型素材の形状とを示す斜視図である。
【図6】 加工の中間段階における工具軌跡と、金型素材の形状とを示す斜視図である。
【図7】 加工の中間段階における工具軌跡の別例と、金型素材の形状とを示す斜視図である。
【図8】 加工の終盤における工具軌跡の別例と、金型素材の形状とを示す斜視図である。
【図9】 金型素材の形状と、必要な金型形状と、等高線加工方法に係る等高線との関係を示す説明図である。
【図10】 (a)は、図9に示す金型素材を上方から見たときの、往復加工の工具軌跡を示す概略図であり、(b)は、同じく金型素材を上方から見たときの、輪郭加工の工具軌跡を示す概略図である。
【符号の説明】
i 往復加工及び輪郭加工の工具軌跡点を求めるステップ
ii 工具軌跡点の数を比較するステップ
iii N段目の最適工具軌跡を特定するステップ
2 入力プログラム
3 往復加工の工具軌跡計算プログラム
4 輪郭加工の工具軌跡計算プログラム
5 工具軌跡点数の比較プログラム
6 工具軌跡登録プログラム

Claims (4)

  1. 等高線加工方法による金型の製品部荒加工工程において、N(Nは1以上の整数)段目の等高線に係る加工形状に対し、一種類の工具による、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡とを含む工具軌跡を複数種類作成し、そのうち、工具軌跡を構成する線分の始点および終点の数の総和である工具軌跡点数の最も少ない工具軌跡を最短の加工時間となる工具軌跡として選択し、N段目の最適工具軌跡として特定するステップを繰返し、この際、等高線と必要な金型形状とが交差しない加工の初期段階では、前記一種類の工具による工具軌跡を作成するステップで、往復加工の工具軌跡のみ作成し、当該往復加工の工具軌跡を最適工具軌跡として特定して、荒加工の全行程に係る加工データを作成し、当該加工データに基き加工を行うことを特徴とする等高線加工方法。
  2. 等高線加工方法による金型の製品部荒加工工程において、N(Nは1以上の整数)段目の等高線に係る加工形状に対し、一種類の工具による、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡とを含む工具軌跡を複数種類作成し、そのうち、工具軌跡を構成する線分の始点および終点の数の総和である工具軌跡点数の最も少ない工具軌跡を最短の加工時間となる工具軌跡として選択し、N段目の最適工具軌跡として特定するステップを繰返し、この際、輪郭加工の工具軌跡のみからなる最適工具軌跡が作成された後は、前記一種類の工具による工具軌跡を作成するステップで、輪郭加工の工具軌跡のみ作成し、当該輪郭加工の工具軌跡を最適工具軌跡として特定して、荒加工の全行程に係る加工データを作成し、当該加工データに基き加工を行うことを特徴とする等高線加工方法。
  3. 等高線加工方法による金型の製品部荒加工工程において、N(Nは1以上の整数)段目の等高線に係る加工形状に対し、一種類の工具による、往復加工の工具軌跡と輪郭加工の工具軌跡とを含む工具軌跡を複数種類作成し、そのうち、工具軌跡を構成する線分の始点および終点の数の総和である工具軌跡点数の最も少ない工具軌跡を最短の加工時間となる工具軌跡として選択し、N段目の最適工具軌跡として特定するステップを繰返し、この際、等高線と必要な金型形状とが交差しない加工の初期段階では、前記一種類の工具による工具軌跡を作成するステップで、往復加工の工具軌跡のみ作成し、当該往復加工の工具軌跡を最適工具軌跡として特定し、輪郭加工の工具軌跡のみからなる最適工具軌跡が作成された後は、前記一種類の工具による工具軌跡を作成するステップで、輪郭加工の工具軌跡のみ作成し、当該輪郭加工の工具軌跡を最適工具軌跡として特定して、荒加工の全行程に係る加工データを作成し、当該加工データに基き加工を行うことを特徴とする等高線加工方法。
  4. 前記最短の加工時間となる工具軌跡を選択するステップでは、離間する複数の領域に工具軌跡が跨る場合に、各領域毎に工具軌跡を選択することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の等高線加工方法。
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