JP4063180B2 - 金型加工工程決定装置、金型加工工程決定方法、金型加工工程決定プログラム、そのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体、ncデータ作成装置、及び工作機械制御装置 - Google Patents

金型加工工程決定装置、金型加工工程決定方法、金型加工工程決定プログラム、そのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体、ncデータ作成装置、及び工作機械制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、金型加工工程決定装置、金型加工工程決定方法、金型加工工程決定プログラム、そのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体、NCデータ作成装置、及び工作機械制御装置に関するものである。
従来、被加工物の加工工程を決定するためには、熟練者による経験で実施されていた。従って、作業者の熟練度によって、工程内容がばらつくことがあった。
この問題を解決するために、例えば、特開平1−321144号公報に開示された加工工程決定装置がある。この公報には、例えばねじ穴等の加工の場合、加工部位に関するデータを抽出して、予め定められたねじ穴の加工手順を決定づける特徴因子と加工部位毎の特徴因子とに基づき、加工部位毎の加工手順を決定することが記載されている。
特開平1−321144号公報
しかし、特開平1−321144号公報に開示された加工工程決定装置は、そのまま金型加工に適用することができない。ここで、金型加工とは、3次元的な形状を削り出す加工である。このような金型加工においては、特開平1−321144号公報に開示された穴加工に比べ、工具の動き・工具形状・被削材材質等が複雑に関係し合う加工であるため、特開平1−321144号に開示された加工を金型加工に適用することができない。例えば、ポケット形状の加工を行う場合、まず、荒加工を行い、場合によっては削り残し荒加工や中仕上加工を行い、最終的に仕上加工を行っている。また、型の形状や型材の被削性により加工工程の組合せと各工程における加工条件は複雑に変化する。つまり、加工形状がポケット形状部分のみであっても、荒加工工程や仕上加工工程などの複数の加工工程により行うことになる。ここで、金型の加工工程の順序からなる工程パターンは、加工時間、加工精度、及び工具寿命等に影響を及ぼすものである。従って、金型の加工工程は、やはり熟練者による経験により行うしかなかった。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、熟練者の経験によることなく、最適な金型の加工工程パターンを決定することができる金型工程決定装置等を提供することを目的とする。
請求項1に係る金型加工工程決定装置は、金型の加工工程を決定する金型加工工程決定装置において、少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを複数記憶する工程パターン記憶手段と、前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップを記憶する工程パターン関係マップ記憶手段と、前記工具剛性の情報及び前記被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力手段と、前記基本入力情報及び前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定手段と、を備えたことを特徴とする。
ここで、複数の工程パターンとは、例えば、「荒加工工程→仕上加工工程」の工程パターンや「荒加工工程→削り残し加工工程→仕上加工工程」の工程パターン等である。また、基本情報入力手段とは、例えば、キーボードやCAD等から入力された情報を入力する手段である。
請求項2に係る金型加工工程決定装置は、前記仕上加工工程は、前記荒加工工程の後に行われ前記荒加工工程により形成された表面粗さを低減させる中仕上加工工程と、前記中仕上加工工程の後に行われ前記荒加工工程及び前記中仕上加工工程により残された残し代を仕上加工する最終仕上加工工程とからなり、前記工程パターン関係マップにおける前記工具剛性は、前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具の剛性であることを特徴とする。
ここで、表面粗さとは、工具で被加工物を除去した後に幾何学的に残る削り残し形状の最大高さである。ここで、一般に、荒加工工程においては大きな表面粗さとなるため、荒加工工程の次の加工工程では残し代を除去する加工工程と表面粗さを除去する加工工程が必要となる。そして、例えば、工具剛性が小さい場合や被加工物の被削性が悪い場合等には、表面粗さを低減するために中仕上加工工程を挿入する。
請求項3に係る金型加工工程決定装置は、前記工程パターン関係マップ記憶手段は、加工機械の種類に応じた複数の前記工程パターン関係マップを記憶し、さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力手段と、前記加工機械種類及び複数の前記工程パターン関係マップに基づき一の前記工程パターン関係マップを決定する工程パターン関係マップ決定手段と、を備え、前記工程パターン決定手段は、前記基本入力情報及び決定された一の前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定することを特徴とする。
請求項4に係る金型加工工程決定装置は、さらに、前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの前記仕上加工工程以外の各前記加工工程における残し代の関係マップを記憶する残し代関係マップ記憶手段と、前記基本入力情報及び前記残し代関係マップに基づき前記工程パターン決定手段により決定された前記工程パターンの各前記加工工程における前記残し代を決定する残し代決定手段と、を備えたことを特徴とする。
ここで、残し代とは、例えば、荒加工工程における残し代は、最終的な加工形状、すなわち仕上加工工程によって加工される形状から切込方向に削り残す量をいう。そして、この残し代は、仕上加工工程以外の加工工程には常に必要な情報である。また、残し代決定手段は、例えば、例えば、工程パターン決定手段により決定された工程パターンが「荒加工工程→中仕上加工工程→最終仕上加工工程」の場合には、荒加工工程及び中仕上加工工程のそれぞれの残し代を決定する。
請求項5に係る金型加工工程決定装置は、さらに、前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの前記最終仕上加工工程以外の各前記加工工程における残し代の関係マップを記憶する残し代関係マップ記憶手段と、前記基本入力情報及び前記残し代関係マップに基づき前記工程パターン決定手段により決定された前記工程パターンの各前記加工工程における前記残し代を決定する残し代決定手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項6に係る金型加工工程決定装置は、さらに、前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する各前記加工工程における工具の移動経路の関係マップを記憶する工具移動経路関係マップ記憶手段と、前記基本入力情報及び前記工具移動経路関係マップに基づき各前記加工工程における工具移動経路を決定する工具移動経路決定手段と、を備えたことを特徴とする。
ここで、工具移動経路(カッタパス)とは、被加工物を加工する工具の先端位置の動作経路である。この工具移動経路として、例えば、等高線加工の経路や、突き加工の経路や、面沿い加工の経路等がある。等高線加工の経路とは、薄い切込みで平面的に工具を動作させる経路であって、例えば機械剛性の小さい加工機械や工具剛性の小さい場合や被削性が悪い場合等に適している。また、突き加工の経路は、軸方向に工具を動作させる経路であって、機械剛性の大きな加工機械に適している。また、面沿い加工の経路は、走査線上に工具を動作させる経路であって、工具剛性が大きい場合や被削性が良い場合等に適している。
請求項7に係る金型加工工程決定装置は、さらに、前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記中仕上加工工程により加工される被加工物の加工面の表面粗さの関係マップを記憶する表面粗さ関係マップ記憶手段と、前記基本入力情報及び前記表面粗さ関係マップに基づき前記中仕上加工工程における前記表面粗さを決定する表面粗さ決定手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項8に係る金型加工工程決定装置は、さらに、1以上の仕上詳細工程の順序からなる前記仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程の仕上詳細工程パターンを複数記憶する仕上詳細工程パターン記憶手段と、前記仕上詳細工程のうちの最終工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記仕上詳細工程パターンの関係マップである仕上詳細工程パターン関係マップを記憶する仕上詳細工程パターン関係マップ記憶手段と、前記仕上詳細工程パターンのうち優先する前記仕上詳細工程パターンの情報である仕上優先度情報を入力する仕上優先度情報入力手段と、前記仕上優先度情報及び前記仕上詳細工程パターン関係マップ及び前記仕上詳細工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記仕上詳細工程パターンに基づき一の前記仕上詳細工程パターンを決定する仕上加工工程パターン決定手段と、を備えたことを特徴とする。
ここで、複数の仕上詳細工程パターンとは、例えば、「全体仕上」のみの工程パターンや、「全体仕上→隅取り仕上」の工程パターンなどである。また、仕上優先度情報とは、例えば、加工精度の重視や加工能率の重視等の情報である。そして、一般に、加工精度を重視する場合には、仕上用工具1本で全て加工する「全体仕上」のみの工程パターンとする方がよい。一方、例えば、ポケット形状の最大深さが深い場合等において、加工能率を重視する場合、すなわち加工時間を短縮する等の場合には、深さが浅い部分については工具突き出し量の短い工具により仕上加工を行い、その後深さが深い部分について工具突き出し量の長い工具により仕上加工を行う方がよい。
請求項9に係る金型加工工程決定装置は、前記残し代関係マップ記憶手段は、加工機械の種類に応じた複数の前記残し代関係マップを記憶し、さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力手段と、前記加工機械種類及び複数の前記残し代関係マップに基づき一の前記残し代関係マップを決定する残し代関係マップ決定手段と、を備え、前記残し代決定手段は、前記基本入力情報及び決定された一の前記残し代関係マップに基づき前記残り代を決定することを特徴とする。
請求項10に係る金型加工工程決定装置は、前記工具移動経路関係マップ記憶手段は、加工機械の種類に応じた複数の前記工具移動経路関係マップを記憶し、さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力手段と、前記加工機械種類及び複数の前記工具移動経路関係マップに基づき一の前記工具移動経路関係マップを決定する工具移動経路関係マップ決定手段と、を備え、前記工具移動経路決定手段は、前記基本入力情報及び決定された一の前記工具移動経路関係マップに基づき前記工具移動経路を決定することを特徴とする。
請求項11に係る金型加工工程決定装置は、前記表面粗さ関係マップ記憶手段は、加工機械の種類に応じた複数の前記表面粗さ関係マップを記憶し、さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力手段と、前記加工機械種類及び複数の前記表面粗さ関係マップに基づき一の前記表面粗さ関係マップを決定する表面粗さ関係マップ決定手段と、を備え、前記表面粗さ決定手段は、前記基本入力情報及び決定された一の前記表面粗さ関係マップに基づき前記表面粗さを決定することを特徴とする。
請求項12に係る金型加工工程決定装置は、前記仕上詳細工程パターン関係マップ記憶手段は、加工機械の種類に応じた複数の前記仕上詳細工程パターン関係マップを記憶し、さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力手段と、前記加工機械種類及び複数の前記仕上詳細工程パターン関係マップに基づき一の前記仕上詳細工程パターン関係マップを決定する仕上詳細工程パターン関係マップ決定手段と、を備え、前記仕上詳細工程パターン決定手段は、前記仕上優先度情報及び決定された一の前記仕上詳細工程パターン関係マップ及び前記仕上詳細工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記仕上詳細工程パターンに基づき一の前記仕上詳細工程パターンを決定することを特徴とする。
請求項13に係る金型加工工程決定装置は、前記基本情報入力手段の前記工具剛性情報は、被加工物の加工領域における最大深さと該最大深さ付近における被加工物の最小形状径とからなり、前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記工具剛性は、前記最大深さを前記最小形状径で除した値とすることを特徴とする。
請求項14に係る金型加工工程決定装置は、前記基本情報入力手段は、被加工物の加工形状データを入力する加工形状データ入力手段と、前記加工形状データに基づき前記最大深さを算出する最大深さ算出手段と、前記加工形状データに基づき前記最小形状径を算出する最小形状径算出手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項15に係る金型加工工程決定装置は、前記基本情報入力手段の前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の硬度であることを特徴とする。
請求項16に係る金型加工工程決定装置は、前記基本情報入力手段の前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の靭性又は脆性であることを特徴とする。
請求項17に係る金型加工工程決定装置は、前記基本情報入力手段の前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の種類であることを特徴とする。
請求項18に係る金型加工工程決定方法は、少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを決定する金型加工工程決定方法において、前記仕上加工工程にて使用する工具剛性の情報及び被加工物の被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力ステップと、前記基本入力情報と前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定ステップと、からなることを特徴とする。
請求項19に係る金型加工工程決定方法は、前記仕上加工工程は、前記荒加工工程の後に行われ前記荒加工工程により形成された表面粗さを低減させる中仕上加工工程と、前記中仕上加工工程の後に行われ前記荒加工工程及び前記中仕上加工工程により残された残し代を仕上加工する最終仕上加工工程とからなり、前記工程パターン関係マップにおける前記工具剛性は、前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具の剛性であることを特徴とする。
請求項20に係る金型加工工程決定方法は、さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力ステップと、前記加工機械種類に基づき一の前記工程パターン関係マップを決定する工程パターン関係マップ決定ステップとを有し、前記工程パターン決定ステップにおける前記工程パターン関係マップは、前記工程パターン関係マップ決定ステップにて決定された一の前記工程パターン関係マップであることを特徴とする。
請求項21に係る金型加工工程決定方法は、さらに、前記基本入力情報と前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの前記仕上加工工程以外の各前記加工工程における残し代の関係マップとに基づき、前記工程パターン決定ステップにて決定された前記工程パターンの各前記加工工程における前記残し代を決定する残し代決定ステップと、を有することを特徴とする。
請求項22に係る金型加工工程決定方法は、さらに、前記基本入力情報と、前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの前記最終仕上加工工程以外の各前記加工工程における残し代の関係マップとに基づき、前記工程パターン決定ステップにて決定された前記工程パターンの各前記加工工程における前記残し代を決定する残し代決定ステップと、を有することを特徴とする。
請求項23に係る金型加工工程決定方法は、さらに、前記基本入力情報と前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する各記加工工程における工具の移動経路の関係マップとに基づき各前記加工工程における工具移動経路を決定する工具移動経路決定ステップとを有することを特徴とする。
請求項24に係る金型加工工程決定方法は、さらに、前記基本入力情報と前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記中仕上加工工程により加工される被加工物の加工面の表面粗さの関係マップとに基づき前記中仕上加工工程における前記表面粗さを決定する表面粗さ決定ステップを有することを特徴とする。
請求項25に係る金型加工工程決定方法は、さらに、前記仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程の仕上詳細工程の順序からなる仕上詳細工程パターンのうち優先する前記仕上詳細工程パターンの情報である仕上優先度情報を入力する仕上優先度情報入力ステップと、前記仕上優先度情報と前記仕上詳細工程のうちの最終工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記仕上詳細工程パターンの関係マップである仕上詳細工程パターン関係マップとに基づき一の前記仕上詳細工程パターンを決定する仕上加工工程パターン決定ステップと、を有することを特徴とする。
請求項26に係る金型加工工程決定方法は、さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力ステップと、前記加工機械種類に基づき一の前記残し代関係マップを決定する残し代関係マップ決定ステップとを有し、前記残し代決定ステップにおける前記残し代関係マップは、前記残し代関係マップ決定ステップにて決定された一の前記残し代関係マップであることを特徴とする。
請求項27に係る金型加工工程決定方法は、さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力ステップと、前記加工機械種類に基づき一の前記工具移動経路関係マップを決定する工具移動経路関係マップ決定ステップとを有し、前記工具移動経路決定ステップにおける前記工具移動経路関係マップは、前記工具移動経路関係マップ決定ステップにて決定された一の前記工具移動経路関係マップであることを特徴とする。
請求項28に係る金型加工工程決定方法は、さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力ステップと、前記加工機械種類に基づき一の前記表面粗さ関係マップを決定する表面粗さ関係マップ決定ステップとを有し、前記表面粗さ決定ステップにおける前記表面粗さ関係マップは、前記表面粗さ関係マップ決定ステップにて決定された一の前記表面粗さ関係マップであることを特徴とする。
請求項29に係る金型加工工程決定方法は、さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力ステップと、前記加工機械種類に基づき一の前記仕上詳細工程パターン関係マップを決定する仕上詳細工程パターン関係マップ決定ステップとを有し、前記仕上詳細工程パターン決定ステップにおける前記仕上詳細工程パターン関係マップは、前記仕上詳細工程パターン関係マップ決定ステップにて決定された一の前記仕上詳細工程パターンであることを特徴とする。
請求項30に係る金型加工工程決定方法は、前記基本情報入力ステップにおいて入力される前記工具剛性情報は、被加工物の加工領域における最大深さと該最大深さ付近における被加工物の最小形状径とからなり、前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記工具剛性は、前記最大深さを前記最小形状径で除した値とすることを特徴とする。
請求項31に係る金型加工工程決定方法は、前記基本情報入力ステップは、被加工物の加工形状データを入力する加工形状データ入力ステップと、前記加工形状データに基づき前記最大深さを算出する最大深さ算出ステップと、前記加工形状データに基づき前記最小形状径を算出する最小形状径算出ステップと、からなることを特徴とする。
請求項32に係る金型加工工程決定方法は、前記基本情報入力ステップにおいて入力される前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の硬度であることを特徴とする。
請求項33に係る金型加工工程決定方法は、前記基本情報入力ステップにおいて入力される前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の靭性又は脆性であることを特徴とする。
請求項34に係る金型加工工程決定方法は、前記基本情報入力ステップにおいて入力される前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の種類であることを特徴とする。
請求項35に係る金型加工工程決定プログラムは、金型の加工工程を決定する金型加工工程決定装置として機能させる金型加工工程決定プログラムにおいて、少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを複数記憶する工程パターン記憶手段と、前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップを記憶する工程パターン関係マップ記憶手段と、前記工具剛性の情報及び前記被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力手段と、前記基本入力情報及び前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定手段と、を備えた金型加工工程決定装置として機能させることを特徴とする。
請求項36に係る金型加工工程決定プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体は、金型の加工工程を決定する金型加工工程決定装置として機能させる金型加工工程決定プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体において、少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを複数記憶する工程パターン記憶手段と、前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップを記憶する工程パターン関係マップ記憶手段と、前記工具剛性の情報及び前記被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力手段と、前記基本入力情報及び前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定手段と、を備えた金型加工工程決定装置として機能させることを特徴とする。
請求項37に係るNCデータ作成装置は、被加工物である金型の素材形状データ及び被加工物である金型の加工形状データを入力する形状データ入力手段と、少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを決定する加工工程決定手段と、前記素材形状データ及び前記加工形状データ及び前記工程パターンに基づきNCデータを作成するNCデータ作成手段と、を備えたNCデータ作成装置において、前記加工工程決定手段は、前記工程パターンを複数記憶する工程パターン記憶手段と、前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップを記憶する工程パターン関係マップ記憶手段と、前記工具剛性の情報及び前記被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力手段と、前記基本入力情報及び前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項38に係る工作機械制御装置は、被加工物である金型の素材形状データ及び被加工物である金型の加工形状データを入力する形状データ入力手段と、少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを決定する加工工程決定手段と、前記素材形状データ及び前記加工形状データ及び前記工程パターンに基づきNCデータを作成するNCデータ作成手段と、前記NCデータに基づき工作機械を制御する制御手段と、を備えた工作機械制御装置において、前記加工工程決定手段は、前記工程パターンを複数記憶する工程パターン記憶手段と、前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップを記憶する工程パターン関係マップ記憶手段と、前記工具剛性の情報及び前記被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力手段と、前記基本入力情報及び前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る金型加工工程決定装置及び請求項18に係る金型加工工程決定方法によれば、工程パターン関係マップにおける工程パターンを、仕上加工工程にて使用される工具剛性及び被加工物の被削性により変更することで、最適な工程パターンを選択することができる。例えば、仕上加工工程にて使用される工具剛性が低い場合には、仕上加工での取り代を薄く均等にかつ高能率に行うために、荒加工から仕上加工までの間に例えば荒加工削り残し加工工程等の複数の工程を介する工程パターンとする方がよい。一方、仕上加工工程にて使用される工具剛性が高い場合には、仕上加工での取り代が大きく残った状態でも加工加工であるため、能率を考慮して「荒加工工程→仕上加工工程」の工程パターンとする方がよい。また、被加工物の被削性が良い場合には、「荒加工工程→仕上加工工程」の工程パターンとする方がよい。一方、被加工物の被削性が悪い場合には、荒加工から仕上加工までの間に例えば荒加工削り残し加工工程等の複数の工程を介する工程パターンとする。
これにより、熟練者の経験によることなく金型加工工程パターンを決定することができる。つまり、加工形状及び被加工物の種類が同一である場合には、作業者の熟練度に関わりなく、常に一定の金型加工工程パターンを決定することができる。そして、常に最適な工程パターンにすることができることにより、加工時間、加工精度、及び工具寿命等のばらつきのない最適な工程を設計することができる。
請求項2に係る金型加工工程決定装置及び請求項19に係る金型加工工程決定方法によれば、中仕上加工工程又は最終仕上加工工程にて使用する工具剛性に応じて工程パターンが決定される。ここで、工程パターンを決定するために用いる工具剛性とは、全ての加工工程に使用される工具の中で最も剛性が小さい工具を基準とするとよい。そして、一般には、最終仕上加工工程にて使用する工具剛性が最も剛性が小さい工具となるが、場合によっては中仕上加工工程にて使用する工具剛性が最も剛性が小さな工具となることがある。そこで、このような場合であっても、最適な工程設計することができる。
請求項3に係る金型加工工程決定装置及び請求項20に係る金型加工工程決定方法によれば、加工機械の種類に応じた工程パターン関係マップに基づき工程パターンを決定することができる。このように、加工機械の種類に応じて工程パターンを決定することができるので、より汎用性を有する金型加工工程決定装置とすることができる。
請求項4に係る金型加工工程決定装置及び請求項21に係る金型加工工程決定方法によれば、最適な残し代を決定することができる。その結果、熟練者の経験によることなく残し代を決定することができる。つまり、加工形状及び被加工物の種類が同一である場合には、作業者の熟練度に関わりなく、常に一定の残し代を決定することができる。このように常に最適な残し代にすることができることにより、加工時間、加工精度、及び工具寿命等のばらつきのない最適な工程を設計することができる。
請求項5に係る金型加工工程決定装置及び請求項22に係る金型加工工程決定方法によれば、中仕上加工工程又は最終仕上加工工程にて使用する工具剛性に応じて残し代が決定される。ここで、残し代を決定するために用いる工具剛性とは、全ての加工工程に使用される工具の中で最も剛性が小さい工具を基準とするとよい。そして、一般には、最終仕上加工工程にて使用する工具剛性が最も剛性が小さい工具となるが、場合によっては中仕上加工工程にて使用する工具剛性が最も剛性が小さな工具となることがある。そこで、このような場合であっても、最適な工程設計することができる。
請求項6に係る金型加工工程決定装置及び請求項23に係る金型加工工程決定方法によれば、それぞれの加工工程における最適な工具移動経路を決定することができる。
請求項7に係る金型加工工程決定装置及び請求項24に係る金型加工工程決定方法によれば、以下の効果を奏する。ここで、中仕上加工工程は、例えば、工具剛性が小さい場合や被加工物の被削性が悪い場合には、表面粗さを低減するために荒加工工程と最終仕上加工工程との間に挿入する場合がある。そのため、この中仕上加工工程においては、中仕上加工工程を行った後の表面粗さをどの程度にするかが重要な要素となる。そこで、この重要な要素となる表面粗さを表面粗さ関係マップに基づき決定することにより、最適な中仕上加工工程を設計することができる。
請求項8に係る金型加工工程決定装置及び請求項25に係る金型加工工程決定方法によれば、仕上詳細工程パターン関係マップにおける仕上詳細工程パターンを、最終工程にて使用される工具剛性及び被加工物の被削性及び仕上優先度情報により変更することで、最適な仕上詳細工程パターンを選択することができる。これにより、熟練者の経験によることなく金型加工工程パターンを決定することができる。つまり、加工形状及び被加工物の種類及び優先度情報が同一である場合には、作業者の熟練度に関わりなく、常に一定の仕上詳細工程パターンを決定することができる。
請求項9に係る金型加工工程決定装置及び請求項26に係る金型加工工程決定方法によれば、加工機械の種類に応じた残し代関係マップに基づき残し代を決定することができる。このように、加工機械の種類に応じて残し代を決定することができるので、より汎用性を有する金型加工工程決定装置とすることができる。
請求項10に係る金型加工工程決定装置及び請求項27に係る金型加工工程決定方法によれば、加工機械の種類に応じた残し代関係マップに基づき残し代を決定することができる。このように、加工機械の種類に応じて残し代を決定することができるので、より汎用性を有する金型加工工程決定装置とすることができる。
請求項11に係る金型加工工程決定装置及び請求項28に係る金型加工工程決定方法によれば、加工機械の種類に応じた残し代関係マップに基づき残し代を決定することができる。このように、加工機械の種類に応じて残し代を決定することができるので、より汎用性を有する金型加工工程決定装置とすることができる。
請求項12に係る金型加工工程決定装置及び請求項29に係る金型加工工程決定方法によれば、加工機械の種類に応じた残し代関係マップに基づき残し代を決定することができる。このように、加工機械の種類に応じて残し代を決定することができるので、より汎用性を有する金型加工工程決定装置とすることができる。
請求項13に係る金型加工工程決定装置及び請求項30に係る金型加工工程決定方法によれば、前記工具剛性情報及び前記工具剛性をより簡易的に求めることができる。つまり、前記最大深さと最小形状径のみを入力することにより、最適な工程パターン又は残し代又は表面粗さ又は工具移動経路又は仕上詳細工程パターンを決定することができる。また、前記工具剛性情報として、前記最大深さを前記最小形状径で除した値と非常に簡易的な関係式とすることにより、処理時間を短縮することができる。
請求項14に係る金型加工工程決定装置及び請求項31に係る金型加工工程決定方法によれば、最大深さ及び最小形状径を作業者が入力することなく、加工形状データ(CADデータ)を入力することのみで容易に最大深さ及び最小形状径を算出することができる。
請求項15に係る金型加工工程決定装置及び請求項32に係る金型加工工程決定方法によれば、被削性に非常に大きな影響を及ぼす被加工物の硬度を用いることにより、適切な工程パターン、残し代、中仕上加工工程の表面粗さ、工具移動経路及び仕上詳細工程パターンを容易に決定することができる。なお、被加工物の硬度が低い場合には被削性は良好となり、被加工物の硬度が高い場合には被削性は悪くなる。
請求項16に係る金型加工工程決定装置及び請求項33に係る金型加工工程決定方法によれば、被削性に非常に大きな影響を及ぼす被加工物の靭性又は脆性を用いることにより、適切な工程パターン、残し代、中仕上加工工程の表面粗さ、工具移動経路及び仕上詳細工程パターンを容易に決定することができる。なお、被加工物の靭性が低い場合又は脆性が高い場合には被削性は良好となり、被加工物の靭性が高い場合又は脆性が低い場合には被削性は悪くなる。
請求項17に係る金型加工工程決定装置及び請求項34に係る金型加工工程決定方法によれば、被削性に非常に大きな影響を及ぼす被加工物の種類を用いることにより、適切な工程パターン、残し代、中仕上加工工程の表面粗さ、工具移動経路及び仕上詳細工程パターンを容易に決定することができる。なお、被加工物の種類は、被削性と一義的な関係にある。
請求項35に係る金型加工工程決定プログラムによれば、上述した金型加工工程決定装置における効果と同様の効果を奏することができる。なお、金型加工工程決定装置における他の特徴的な各手段は、金型加工工程決定プログラムに同様に適用することができる。この場合においても、金型加工工程決定装置と同様の効果を奏する。
請求項36に係る金型加工工程決定プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体によれば、上述した金型加工工程決定装置における効果と同様の効果を奏することができる。なお、金型加工工程決定装置における他の特徴的な各手段は、金型加工工程決定プログラムに同様に適用することができる。この場合においても、金型加工工程決定装置と同様の効果を奏する。
請求項37に係るNCデータ作成装置によれば、上述した金型加工工程装置をNCデータ作成装置に組み込むことにより、上記金型加工工程装置と同様の効果を奏する。なお、金型加工工程決定装置における他の特徴的な各手段は、金型加工工程決定プログラムに同様に適用することができる。この場合においても、金型加工工程決定装置と同様の効果を奏する。
請求項38に係る工作機械制御装置によれば、上述した金型加工工程装置を工作機械制御装置に組み込むことにより、上記金型加工工程装置と同様の効果を奏する。なお、金型加工工程決定装置における他の特徴的な各手段は、金型加工工程決定プログラムに同様に適用することができる。この場合においても、金型加工工程決定装置と同様の効果を奏する。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(工作機械制御装置)
本実施形態における工作機械制御装置について、図1を参照して説明する。図1に示すように、工作機械制御装置は、形状データ入力部(形状データ入力手段)1と、加工工程決定部(加工工程決定手段、金型加工工程決定装置)2と、NCデータ作成部(NCデータ作成手段)3と、機械制御部(制御手段)4とから構成される。なお、形状データ入力部1と、加工工程決定部2と、NCデータ作成部3とは、NCデータ作成装置を構成する。そして、このNCデータ作成装置は、工作機械制御装置に組み込まれる場合もあるし、独立した装置として構成する場合もある。
形状データ入力部1は、CAD(図示せず)により作成された被加工物の最終形状データ、すなわち加工により生成される加工形状データと、加工前の被加工物の素材形状データとを入力する。加工工程決定部2は、形状データ入力部1に入力された加工形状データ及び素材形状データに基づいて、加工工程パターンを決定する。なお、加工工程決定部の詳細については後述する。NCデータ作成部3は、形状データ入力部1に入力された加工形状データ及び素材形状データと、加工工程決定部2により決定された加工工程パターンとに基づいて、NCデータを作成する。機械制御部4は、作成されたNCデータに基づいて、工作機械の各構成部を制御する。ここで、加工工程決定部2は、NCデータ作成装置に組み込まれる場合もあるし、独立した装置として構成する場合もある。
(加工工程決定部2の概略構成)
次に、加工工程決定部(金型加工工程決定装置)2の概略構成について図2を参照して説明する。図2は、金型加工工程決定部2の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、金型加工工程決定部2は、加工機械種類入力部11と、工具剛性・被削性情報入力部12と、仕上優先度入力部13と、仕上面粗さ入力部14とからなる入力部を有する。
加工機械種類入力部(加工機械種類入力手段)11は、被加工物を加工する加工機械の情報、例えば、加工機械の種類を入力する。工具剛性・被削性情報入力部(基本情報入力手段)12は、仕上加工工程にて使用する工具剛性の情報、及び被加工物の被削性情報からなる基本入力情報を入力する。なお、工具剛性・被削性情報入力部12の詳細については、後述する。仕上優先度入力部(仕上優先度情報入力手段)13は、最終仕上詳細工程パターンのうち優先する仕上優先度情報を入力する。なお、仕上優先度の詳細については後述する。仕上面粗さ入力部14は、仕上加工工程によって形成される被加工物の面粗さを入力する。
さらに、金型加工工程決定部2は、工程パターン決定処理部15と、工具移動経路決定処理部16と、表面粗さ決定処理部17と、残し代決定処理部18と、最終仕上詳細工程パターン決定処理部19と、加工工程条件決定処理部20とを有する。これらの各処理部は、以下にそれぞれについて詳述する。
(工程パターン決定処理部15の構成)
工程パターン決定処理部15の詳細構成を図3に示す。図3に示すように、工程パターン決定処理部15は、工程パターン関係マップ記憶部151と、工程パターン関係マップ決定部152と、工程パターン記憶部153と、工程パターン決定部154とから構成される。
工程パターン記憶部(工程パターン記憶手段)153は、複数の加工工程の順序からなる工程パターンを複数記憶する。ここで、複数の工程パターンを図4に示す。図4に示すように、工程パターン記憶部153には、例えば、A〜Dまでの4つの工程パターンが記憶されている。工程パターンAは、「荒加工工程→中仕上加工工程→最終仕上加工工程」からなる。荒加工工程とは、加工部分の大部分を効率的に加工する工程である。荒加工工程においては、一般に、工具径の大きな工具を使用して大きな加工ピッチにて加工する。中仕上加工工程とは、荒加工工程によって削り残された部分を加工する工程である。一般に、工具径の大きな工具を使用する荒加工工程においては、被加工物の加工面が大きな表面粗さとなるため、この表面粗さを低減する加工工程が中仕上加工工程である。なお、表面粗さとは、工具で被加工物を除去した後に幾何学的に残る削り残し形状の最大高さである。最終仕上加工工程とは、被加工物の面粗さが要求された仕上面粗さとなるように加工する工程である。すなわち、荒加工工程及び中仕上加工工程における残し代を加工する工程である。
また、工程パターンBは、「荒加工工程→削り残し荒加工工程→中仕上加工工程→最終仕上加工工程」からなる。削り残し荒加工工程とは、例えば、工具径の大きな工具により荒加工工程を行った結果、被加工物の隅部分等に生じる削り残しを取り除く加工工程である。なお、削り残し荒加工工程は、複数回行われる場合がある。また、工程パターンCは、「荒加工工程→削り残し荒加工工程→中仕上加工工程→削り残し荒加工工程→最終仕上加工工程」からなる。工程パターンDは、「荒加工工程→中仕上加工工程→削り残し荒加工工程→中仕上加工工程→削り残し荒加工工程→最終仕上加工工程」からなる。なお、中仕上加工工程及び最終仕上加工工程は、複数回行われる場合がある。
工程パターン関係マップ記憶部(工程パターン関係マップ記憶手段)151は、加工機械の種類に応じた複数の工程パターン関係マップを記憶する。ここで、ある加工機械の種類における工程パターン関係マップを図5に示す。図5に示すように、工程パターン関係マップは、仕上加工工程(最終仕上加工工程又は中仕上加工工程)にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する工程パターンの関係マップである。ただし、図5では、仕上加工工程にて使用する工具剛性は、簡易的な関係式である金型形状L/Dとしている。ここで、L及びDについて図6を参照して説明する。図6は、被加工物(金型)の最終形状における断面図を示す。図6に示すように、L[mm]は、被加工物の加工領域における最大深さである。この最大深さLは、仕上加工工程にて使用する工具の突き出し量に関係する。D[mm]は、被加工物の最小形状の直径である。言い換えると、最小形状直径Dは、仕上加工工程にて使用する工具の直径となる。また、工程パターン関係マップにおける被加工物の被削性は、被加工物(金型)の材料硬度としている。
つまり、図5に示すように金型形状L/Dが小さく、かつ、金型の材料硬度が小さい(軟らかい)場合には、工程パターンAが選択される。そして、金型形状L/Dが大きくなるほど、工程パターンは、B、C、Dの順に変化させている。また、金型の材料硬度が大きくなるほど、工程パターンは、B、C、Dの順に変化させている。
ここで、金型形状L/Dが大きくなるほど、仕上加工工程にて使用する工具剛性が小さくなるため、加工の難易度が高くなる。また、金型の材料硬度が大きくなるほど、被加工物の被削性(加工の困難性)が悪くなり、加工の難易度が高くなる。従って、加工の難易度が高くなるほど、加工工程を多数工程に分割して行う工程パターンとしている。なお、加工機械の剛性等によって、適切な工程パターンが異なるので、図5に示す工程パターン関係マップを加工機械毎に有するようにしている。
工程パターン関係マップ決定部(工程パターン関係マップ決定手段)152は、加工機械種類入力部11に入力された加工機械の種類と工程パターン関係マップ記憶部151に記憶された複数の工程パターン関係マップとに基づき、入力された加工機械の種類に対応した一の工程パターン関係マップを決定する。
工程パターン決定部(工程パターン決定手段)154は、工具剛性・被削性情報入力部12に入力された工具剛性情報及び被削性情報と、工程パターン関係マップ決定部152にて決定された一の工程パターン関係マップと、工程パターン記憶部153に記憶された工程パターンとに基づき、一の工程パターンが決定される。なお、本実施形態においては、上述したように、工具剛性情報は金型形状L/Dとし、被削性情報は金型の材料硬度とする。そして、決定された工程パターンは、工具移動経路決定処理部16等に出力される。
(工具移動経路決定処理部16の構成)
工具移動経路決定処理部16の詳細構成を図7に示す。図7に示すように、工具移動経路決定処理部16は、工具移動経路関係マップ記憶部161と、工具移動経路関係マップ決定部162と、工具移動経路決定部163とから構成される。
工具移動経路関係マップ記憶部(工具移動経路関係マップ記憶手段)161は、加工機械の種類に応じた複数の工具移動経路関係マップを記憶する。ここで、ある加工機械の種類における工具移動経路関係マップを図8に示す。図8に示すように、工具移動経路関係マップは、最終仕上加工工程又は中仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する工具移動経路の関係マップである。ただし、図8では、仕上加工工程にて使用する工具剛性は、簡易的な関係式である金型形状L/Dとしている。また、工具移動経路関係マップにおける被加工物の被削性は、被加工物(金型)の材料硬度としている。
ここで、工具移動経路は、突き加工の経路PRと等高線加工の経路TRと面沿い加工MRの3種類としている。また、突き加工の経路は、軸方向に工具を動作させる経路であって、一般に、特に機械剛性の大きな加工機械や工具剛性の大きい場合や被削性が良い場合に適している。また、面沿い加工の経路は、走査線上に工具を動作させる経路であって、一般に、工具剛性が大きい場合や被削性が良い場合等に適している。等高線加工の経路TRは、薄い切込みで平面的に工具を動作させる経路であって、一般に、突き加工や面沿い加工に適する場合に比べて、機械剛性の小さい加工機械や工具剛性の小さい場合や被削性が悪い場合に適している。
そして、本実施形態における工具移動経路関係マップは、図8に示すように、金型形状L/Dが小さく、かつ、金型の材料硬度が小さい(軟らかい)領域においては、荒加工工程では突き加工の経路PRが選択され、中仕上加工工程及び最終仕上加工工程では等高線加工の経路TRが選択される。さらに、金型形状L/Dが大きく、又は、金型の材料硬度が大きくなる領域においては、荒加工工程では等高線加工の経路TRが選択され、削り残し荒加工工程では面沿い加工の経路MRが選択され、中仕上加工工程及び最終仕上加工工程では等高線加工の経路TRが選択される。さらに、金型形状L/Dが大きく、又は、金型の材料硬度が大きくなる領域(図8の最外周側の領域)においては、荒加工工程、削り残し荒加工工程、中仕上加工工程、及び最終仕上加工工程の全ての加工工程にて、等高線加工の経路TRが選択される。
移動経路関係マップ決定部(工具移動経路関係マップ決定手段)162は、加工機械種類入力部11に入力された加工機械の種類と工具移動経路関係マップ記憶部161に記憶された複数の工具移動経路関係マップとに基づき、入力された加工機械の種類に対応した一の工具移動経路関係マップを決定する。
工具移動経路決定部(工具移動経路決定手段)163は、工具剛性・被削性情報入力部12に入力された工具剛性情報及び被削性情報と、工具移動経路関係マップ決定部162にて決定された一の工具移動経路関係マップとに基づき、一の各加工工程における工具移動経路が決定される。
(表面粗さ決定部17の構成)
表面粗さ決定処理部17の詳細構成を図9に示す。図9に示すように、表面粗さ決定処理部17は、表面粗さ関係マップ記憶部171と、表面粗さ関係マップ決定部172と、表面粗さ決定部173とから構成される。
表面粗さ関係マップ記憶部(表面粗さ関係マップ記憶手段)171は、加工機械の種類に応じた複数の表面粗さ関係マップを記憶する。ここで、ある加工機械の種類における表面粗さ関係マップは図10に示す。図10に示すように、表面粗さ関係マップは、最終仕上加工工程又は中仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する表面粗さの関係マップである。ただし、図10では、仕上加工工程にて使用する工具剛性は、簡易的な関係式である金型形状L/Dとしている。また、表面粗さ関係マップにおける被加工物の被削性は、被加工物(金型)の材料硬度としている。
また、図10に示すように、表面粗さ関係マップに記憶された表面粗さは、工具剛性及び被削性に応じて表面粗さa〜dとしている。ここで、表面粗さa、b、c、dの順に、表面粗さは小さくなっている。つまり、金型形状L/Dが小さく、かつ、金型の材料硬度が小さい(軟らかい)場合には、表面粗さaが選択される。そして、金型形状L/D又は金型の材料硬度が大きくなるにつれて、表面粗さb、c、dと変化する。
表面粗さ関係マップ決定部(表面粗さ関係マップ決定手段)172は、加工機械種類入力部11に入力された加工機械の種類と表面粗さ関係マップ記憶部171に記憶された複数の表面粗さ関係マップとに基づき、入力された加工機械の種類に対応した一の表面粗さ関係マップを決定する。
表面粗さ決定部(表面粗さ決定手段)173は、工具剛性・被削性情報入力部12に入力された工具剛性情報及び被削性情報と、表面粗さ関係マップ決定部172にて決定された一の表面粗さ関係マップとに基づき、一の表面粗さが決定される。すなわち、表面粗さa〜dの何れかが決定される。
(残し代決定処理部18の構成)
残し代決定処理部18の詳細構成を図11に示す。図11に示すように、残し代決定処理部18は、残し代関係マップ記憶部181と、残し代関係マップ決定部182と、残し代決定部183とから構成される。
残し代関係マップ記憶部(残し代関係マップ記憶手段)181は、加工機械の種類に応じた複数の残し代関係マップを記憶する。ここで、ある加工機械の種類における残し代関係マップを図12に示す。図12に示すように、残し代関係マップは、最終仕上加工工程又は中仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する残し代の関係マップである。ここで、残し代とは、例えば、荒加工工程における残し代は、最終的な加工形状、すなわち最終仕上加工工程によって加工される形状(最終形状)から切込方向に削り残す量をいう。そして、この残し代は、最終仕上加工工程以外の加工工程には常に必要な情報である。また、図12では、最終仕上加工工程にて使用する工具剛性は、簡易的な関係式である金型形状L/Dとしている。また、残し代関係マップにおける被加工物の被削性は、被加工物(金型)の材料硬度としている。
また、図12に示すように、残し代関係マップに記憶された残し代は、工具剛性及び被削性に応じて、荒加工工程の残し代a、a’と、中仕上加工工程の残し代b、b’と、最終仕上加工工程の残し代c、c’としている。ここで、それぞれの残し代は、a、a’の順、b、b’の順、c、c’の順に大きくなっている。つまり、金型形状L/Dが小さく、かつ、金型の材料硬度が小さい場合には、各加工工程の残し代a,b,cが選択される。そして、金型形状L/D又は金型の材料硬度が大きくなるにつれて、各加工工程の残し代a’、b’、c’が選択される。
残し代関係マップ決定部(残し代関係マップ決定手段)182は、加工機械種類入力部11に入力された加工機械の種類と残し代関係マップ記憶部181に記憶された複数の残し代関係マップとに基づき、入力された加工機械の種類に対応した一の残し代関係マップを決定する。
残し代決定部(残し代決定手段)183は、工具剛性・被削性情報入力部12に入力された工具剛性情報及び被削性情報と、残し代関係マップ決定部182にて決定された一の残し代関係マップとに基づき、一の残し代が決定される。
(最終仕上詳細工程パターン決定処理部19の構成)
最終仕上詳細工程パターン決定処理部19の詳細構成を図13に示す。図13に示すように、最終仕上詳細工程パターン決定処理部19は、最終仕上詳細工程パターン関係マップ記憶部191と、最終仕上詳細工程パターン関係マップ決定部192と、最終仕上詳細工程パターン記憶部193と、最終仕上詳細工程パターン決定部194とから構成される。
最終仕上詳細工程パターン記憶部(最終仕上詳細工程パターン記憶手段)193は、1以上の最終仕上詳細工程の順序からなる最終仕上加工工程の最終仕上詳細工程パターンを複数記憶する。ここで、複数の最終仕上詳細工程パターンを図14に示す。図14に示すように、最終仕上詳細工程パターン記憶部193には、例えば、1〜3の最終仕上詳細工程パターンが記憶されている。最終仕上詳細工程パターン1は、全体仕上工程のみからなる工程パターンである。この最終仕上詳細工程パターン1は、加工精度を重視した場合の最終仕上詳細工程パターンであって、工具1本で加工する工程パターンである。最終仕上詳細工程パターン2は、「全体仕上工程→隅部加工工程」からなる工程パターンである。この最終仕上詳細工程パターン2は、加工精度及び加工能率が標準的な場合における最終仕上詳細工程パターンであって、全体仕上工程と隅部加工工程とは使用工具を変更して加工する工程パターンである。最終仕上詳細工程パターン3は、「全体仕上工程A→全体仕上工程B→隅部加工工程A→隅部加工工程B」からなる工程パターンである。例えば、段差を有して最大深さLが大きなポケット形状の金型の場合等に用いる。すなわち、全体仕上工程Aにおいては、金型形状L/Dが小さな領域を加工し、全体仕上工程Bにおいて金型形状L/Dが大きな領域を加工する等とする。
最終仕上詳細工程パターン関係記憶部(最終仕上詳細工程パターン関係記憶手段)191は、加工機械の種類に応じた複数の最終仕上詳細工程パターン関係マップを記憶する。ここで、ある加工機械の種類における最終仕上詳細工程パターン関係マップを図15に示す。なお、図15の最終仕上詳細工程パターン関係マップに対応する加工機械は、図5の工程パターン関係マップに対応する加工機械と同一である。図15に示すように、最終仕上詳細工程パターン関係マップは、最終仕上詳細工程のうちの最終工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する最終仕上詳細工程パターンの関係マップである。ただし、図15では、最終仕上加工工程にて使用する工具剛性は、図5の工程パターン関係マップと同様に簡易的な関係式である金型形状L/Dとしている。また、最終仕上詳細工程パターン関係マップにおける被加工物の被削性は、被加工物(金型)の材料硬度としている。
そして、図15に示すように、金型形状L/Dが小さく、かつ、金型の材料硬度が小さい(軟らかい)場合には、図14に示す最終仕上詳細工程パターン1が常に選択される。金型形状L/D又は金型の材料硬度が大きくなると、最終仕上詳細工程パターン1及び最終仕上詳細工程パターン2のうちの何れか一方が選択される。金型形状L/D又は金型の材料硬度がさらに大きくなると、最終仕上詳細工程パターン1〜3のうちの何れかが選択される。なお、複数の最終仕上詳細工程パターンのうちの何れの最終仕上詳細工程パターンを選択するかについては、仕上優先度入力部13に入力された仕上優先度に基づき、後述する最終仕上詳細工程パターン決定部194にて決定される。
最終仕上詳細工程パターン関係マップ決定部(最終仕上詳細工程パターン関係マップ決定手段)192は、加工機械種類入力部11に入力された加工機械の種類と最終仕上詳細工程パターン関係マップ記憶部191に記憶された複数の最終仕上詳細工程パターン関係マップとに基づき、入力された加工機械の種類に対応した一の最終仕上詳細工程パターン関係マップを決定する。
最終仕上詳細工程パターン決定部(最終仕上詳細工程パターン決定手段)194は、工具剛性・被削性情報入力部12に入力された工具剛性情報及び被削性情報と、最終仕上詳細工程パターン関係マップ決定部192にて決定された一の最終仕上詳細工程パターン関係マップと、最終仕上詳細工程パターン記憶部193に記憶された最終仕上詳細工程パターンとに基づき、選択可能な最終仕上詳細工程パターンが決定される。そして、決定された選択可能な最終仕上詳細工程パターンと、仕上優先度入力部13に入力された仕上優先度情報とに基づき、一の最終仕上詳細工程パターンが決定される。例えば、仕上優先度が加工精度重視である場合であって、金型形状L/Dが小さく、かつ、金型の材料硬度が小さい(軟らかい)場合には、図14に示す最終仕上詳細工程パターン1が決定される。なお、本実施形態においては、上述したように、工具剛性情報は金型形状L/Dとし、被削性情報は金型の材料硬度とする。
(加工工程条件決定処理部20の構成)
加工条件決定処理部20は、各加工工程における加工条件を決定する。まず、荒加工工程における加工条件のうちの使用工具は、工具情報記憶部(図示せず)に記憶された工具情報と、工具移動経路決定処理部16にて決定された荒加工工程の工具移動経路と、残し代決定処理部18にて決定された荒加工工程における残し代とに基づき、適切な工具を選択する。削り残し荒加工においても荒加工工程と同様に、適切な工具を選択する。
さらに、中仕上加工工程における加工条件のうちの使用工具は、工具情報記憶部(図示せず)に記憶された工具情報と、工具移動経路決定処理部16にて決定された中仕上加工工程の工具移動経路と、表面粗さ決定処理部17にて決定された表面粗さと、残し代決定処理部18にて決定された中仕上加工工程における残し代とに基づき、適切な工具を選択する。
さらに、最終仕上加工工程における加工条件のうちの使用工具は、最終仕上詳細工程パターン決定部194にて決定された一の最終仕上詳細工程パターンとに基づき、対応する工具を最終仕上詳細工程毎に選択する。
さらに、各加工工程における加工条件のうちの切削速度、1刃当りの送り量、切込量、及びピックフィード量等は、仕上面粗さ入力部14に入力された仕上面粗さ等に基づき公知の技術により決定する。
(工具剛性・被削性情報入力部の構成)
次に、工具剛性・被削性情報入力部12について、図16及び図17を参照して説明する。図16は、工具剛性・被削性情報入力部12の第1実施形態を示す。図16に示すように、工具剛性・被削性情報入力部12は、L/D算出部31と、硬度入力部32とから構成される。
L/D算出部31は、作業者によりキーボード等により入力される最大深さLと最小形状径Dに基づき、L/Dを算出する。硬度入力部32は、作業者によりキーボード等により入力される被加工物の硬度(金型の材料硬度)に基づき、加工工程決定部2に入力している。
次に、工具剛性・被削性情報入力部12の第2実施形態を図17を参照して説明する。。図17に示すように、工具剛性・被削性情報入力部12は、加工形状入力部41と、最大深さL算出部42と、最小形状径D算出部43と、L/D算出部44と、硬度入力部45とから構成される。
加工形状入力部41は、形状データ入力部1に入力された形状データのうちの加工形状データを入力する。最大深さL算出部42は、加工形状入力部41に入力された加工形状データに基づき、最大深さLを算出する。ここで、最大深さLは、上述したように加工形状に依存するものであるので、容易に算出することができる。最小形状径D算出部43は、加工形状入力Bう41に入力された加工形状データに基づき、最小形状径Dを算出する。ここで、最小形状径Dも、最大深さLと同様に、加工形状に依存するものであるので、容易に算出することができる。そして、L/D算出部44は、最大深さL算出部42により算出された最大深さLと、最小形状径D算出部43により算出された最小形状径Dとに基づき、金型形状L/Dを算出する。硬度入力部45は、作業者によりキーボード等により入力される被加工物の硬度(金型の材料硬度)に基づき、加工工程決定部2に入力している。
(加工工程決定部2の動作)
次に、加工工程決定部2(図1に示す)の動作について図18〜23のフローチャートを参照して説明する。なお、工具剛性・被削性情報入力部は図17の構成の場合について説明する。図18に示すように、まず、加工形状データ、加工機械種類、金型の材料硬度、仕上優先度情報、及び仕上面粗さを入力する(基本情報等入力ステップ)(ステップS1)。具体的には、加工形状データは、形状データ入力部1を介して加工形状入力部41(図17に示す)に入力される。そして、加工機械種類、金型の材料硬度、仕上優先度情報、及び仕上面粗さは、作業者がキーボード等により入力される。
続いて、入力された加工形状データに基づき、最大深さL算出42及び最小形状径43にて最大深さL及び最小形状径Dを算出する(ステップS2)。続いて、算出された最大深さL及び最小形状径Dに基づき、L/D算出部44にて金型形状L/Dを算出する(ステップS3)。
続いて、工程パターン決定処理部15(図2に示す)にて、入力された加工機械種類及び工具剛性・被削性情報に基づき、工程パターンの決定処理を行う(工程パターン決定処理ステップ)(ステップS4)。ここで、工程パターンの決定処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。図19に示すように、まず、工程パターン関係マップ決定部152(図3に示す)にて、工程パターン関係マップを決定する(工程パターン関係マップ決定ステップ)(ステップS11)。続いて、工程パターン決定部154(図3に示す)にて、工程パターンを決定する(工程パターン決定ステップ)(ステップS12)。
図18に戻り説明する。工程パターンを決定した後には、工具移動経路決定処理部16(図2に示す)にて、入力された加工機械種類及び工具剛性・被削性情報に基づき、各加工工程における工具移動経路の決定処理を行う(工具移動経路決定処理ステップ)(ステップS5)。ここで、工具移動経路の決定処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。図20に示すように、まず、工具移動経路関係マップ決定部162(図7に示す)にて、各加工工程における工具移動経路関係マップを決定する(工具移動経路関係マップ決定ステップ)(ステップS21)。続いて、工具移動経路決定部163(図7に示す)にて、各加工工程における工具移動経路を決定する(工具移動経路決定ステップ)(ステップS22)。
図18に戻り説明する。工具移動経路の決定処理の後には、表面粗さ決定処理部17(図2に示す)にて、入力された加工機械種類及び工具剛性・被削性情報に基づき、表面粗さの決定処理を行う(表面粗さ決定ステップ)(ステップS6)。ここで、表面粗さの決定処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。図21に示すように、まず、表面粗さ関係マップ決定部172(図9に示す)にて、表面粗さ関係マップを決定する(表面粗さ関係マップ決定ステップ)(ステップS31)。続いて、表面粗さ決定部173(図9に示す)にて、表面粗さを決定する(表面粗さ決定ステップ)(ステップS32)。
図18に戻り説明する。表面粗さの決定処理の後には、残し代決定処理部18(図2に示す)にて、入力された加工機械種類及び工具剛性・被削性情報に基づき、残し代の決定処理を行う(残し代決定処理ステップ)(ステップS7)。ここで、残し代の決定処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。図22に示すように、まず、残し代関係マップ決定部182(図11に示す)にて、残し代関係マップを決定する(残し代関係マップ決定ステップ)(ステップS41)。続いて、残し代決定部183(図11に示す)にて、残し代を決定する(残し代決定ステップ)(ステップS42)。
図18に戻り説明する。残し代の決定処理の後には、最終仕上詳細工程条件決定処理部19(図2に示す)にて、入力された加工機械種類及び工具剛性・被削性情報及び仕上優先度情報に基づき、最終仕上詳細工程パターンの決定処理を行う(最終仕上詳細工程パターン決定ステップ)(ステップS8)。ここで、最終仕上詳細工程パターンの決定処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。図23に示すように、まず、最終仕上詳細工程パターン関係マップ決定部192(図13に示す)にて、最終仕上詳細工程パターン関係マップを決定する(最終仕上詳細工程パターン関係マップ決定ステップ)(ステップS51)。続いて、仕上優先度入力部13から仕上優先度情報を入力する(仕上優先度情報入力ステップ)(ステップS52)。続いて、最終仕上詳細工程パターン決定部194(図13に示す)にて、最終仕上詳細工程パターンを決定する(最終仕上詳細工程パターン決定ステップ)(ステップS53)。
図18に戻り説明する。最終仕上詳細工程パターンの決定処理の後には、加工工程条件決定処理部20(図2に示す)にて、入力された加工機械種類及び工具剛性・被削性情報及び仕上面粗さ情報と、決定された工具移動経路及び表面粗さ及び残し代及び最終仕上詳細工程パターンとに基づき、各加工工程における加工工程条件の決定処理を行う(加工条件決定ステップ)。そして、加工工程条件決定部2の動作を終了する。
(他の実施形態)
上記実施形態においては、工程パターン関係マップ、残し代関係マップ、表面粗さ関係マップ、工具移動経路関係マップ、及び最終仕上詳細工程パターン関係マップは、金型形状L/Dと金型の材料硬度に対するマップとしているがこれに限られるものではない。ここで、上述したように金型形状L/Dは、工具剛性を簡易的に示したものであるので、工具剛性そのものと変更してもよい。また、金型の材料硬度は、被加工物(金型)の靭性又は脆性としてもよいし、被加工物の種類としてもよい。
また、上記実施形態においては、加工工程決定部を装置として説明したが、本発明は装置に限られるものではない。例えば、同様の機能を実現させることができる限り、当該装置をコンピュータにて機能させるプログラムでも良いし、さらには、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であっても良い。
本発明の工作機械制御装置を示す図である。 金型加工工程決定部(金型加工工程決定装置)を示すブロック図である。 工程パターン決定処理部を示すブロック図である。 複数の工程パターンを説明する図である。 工程パターン関係マップを示す図である。 被加工物の最終形状における断面図を示す。 工具移動経路条件決定処理部を示すブロック図である。 工具移動経路関係マップを示す図である。 表面粗さ決定処理部を示すブロック図である。 表面粗さ関係マップを示す図である。 残し代決定処理部を示すブロック図である。 残し代関係マップを示す図である。 最終仕上加工工程パターン決定処理部を示すブロック図である。 複数の最終仕上詳細工程パターンを説明する図である。 最終仕上詳細工程パターン関係マップを示す図である。 工具剛性・被削性情報入力部の第1実施形態を示す図である。 工具剛性・被削性情報入力部の第2実施形態を示す図である。 加工工程決定部の処理を示すフローチャートである。 工程パターン決定処理を示すフローチャートである。 工具移動経路決定処理を示すフローチャートである。 表面粗さ決定処理を示すフローチャートである。 残し代決定処理を示すフローチャートである。 最終仕上詳細工程パターン決定処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1:形状データ入力部(形状データ入力手段)、2:加工工程決定部(加工工程決定手段、金型加工工程決定装置)、3:NCデータ作成部(NCデータ作成手段)、4:機械制御部(制御手段)、12:工具剛性・被削性情報入力部(基本情報入力手段)、152:工程パターン関係マップ決定部(工程パターン関係マップ決定手段)、154:工程パターン決定部(工程パターン決定手段)、162:工具移動経路関係マップ決定部(工具移動経路関係マップ決定手段)、163:工具移動経路決定部(工具移動経路決定手段)、172:表面粗さ関係マップ決定部(表面粗さ関係マップ決定手段)、173:表面粗さ決定部(表面粗さ決定手段)、182:残し代関係マップ決定部(残し代関係マップ決定手段)、183:残し代決定部(残し代決定手段)、192:最終仕上詳細工程パターン関係マップ決定部(最終仕上詳細工程パターン関係マップ決定手段)、194:最終仕上詳細工程パターン決定部(最終仕上詳細工程パターン決定手段)

Claims (38)

  1. 金型の加工工程を決定する金型加工工程決定装置において、
    少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを複数記憶する工程パターン記憶手段と、
    前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップを記憶する工程パターン関係マップ記憶手段と、
    前記工具剛性の情報及び前記被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力手段と、
    前記基本入力情報及び前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定手段と、
    を備えたことを特徴とする金型加工工程決定装置。
  2. 前記仕上加工工程は、
    前記荒加工工程の後に行われ前記荒加工工程により形成された表面粗さを低減させる中仕上加工工程と、
    前記中仕上加工工程の後に行われ前記荒加工工程及び前記中仕上加工工程により残された残し代を仕上加工する最終仕上加工工程とからなり、
    前記工程パターン関係マップにおける前記工具剛性は、前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具の剛性であることを特徴とする請求項1記載の金型加工工程決定装置。
  3. 前記工程パターン関係マップ記憶手段は、加工機械の種類に応じた複数の前記工程パターン関係マップを記憶し、
    さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力手段と、
    前記加工機械種類及び複数の前記工程パターン関係マップに基づき一の前記工程パターン関係マップを決定する工程パターン関係マップ決定手段と、
    を備え、
    前記工程パターン決定手段は、前記基本入力情報及び決定された一の前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定することを特徴とする請求項1記載の金型加工工程決定装置。
  4. さらに、前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの前記仕上加工工程以外の各前記加工工程における残し代の関係マップを記憶する残し代関係マップ記憶手段と、
    前記基本入力情報及び前記残し代関係マップに基づき前記工程パターン決定手段により決定された前記工程パターンの各前記加工工程における前記残し代を決定する残し代決定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の金型加工工程決定装置。
  5. さらに、前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの前記最終仕上加工工程以外の各前記加工工程における残し代の関係マップを記憶する残し代関係マップ記憶手段と、
    前記基本入力情報及び前記残し代関係マップに基づき前記工程パターン決定手段により決定された前記工程パターンの各前記加工工程における前記残し代を決定する残し代決定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項2記載の金型加工工程決定装置。
  6. さらに、前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する各前記加工工程における工具の移動経路の関係マップを記憶する工具移動経路関係マップ記憶手段と、
    前記基本入力情報及び前記工具移動経路関係マップに基づき各前記加工工程における工具移動経路を決定する工具移動経路決定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の金型加工工程決定装置。
  7. さらに、前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記中仕上加工工程により加工される被加工物の加工面の表面粗さの関係マップを記憶する表面粗さ関係マップ記憶手段と、
    前記基本入力情報及び前記表面粗さ関係マップに基づき前記中仕上加工工程における前記表面粗さを決定する表面粗さ決定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項2記載の金型加工工程決定装置。
  8. さらに、1以上の仕上詳細工程の順序からなる前記仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程の仕上詳細工程パターンを複数記憶する仕上詳細工程パターン記憶手段と、
    前記仕上詳細工程のうちの最終工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記仕上詳細工程パターンの関係マップである仕上詳細工程パターン関係マップを記憶する仕上詳細工程パターン関係マップ記憶手段と、
    前記仕上詳細工程パターンのうち優先する前記仕上詳細工程パターンの情報である仕上優先度情報を入力する仕上優先度情報入力手段と、
    前記仕上優先度情報及び前記仕上詳細工程パターン関係マップ及び前記仕上詳細工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記仕上詳細工程パターンに基づき一の前記仕上詳細工程パターンを決定する仕上加工工程パターン決定手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の金型加工工程決定装置。
  9. 前記残し代関係マップ記憶手段は、加工機械の種類に応じた複数の前記残し代関係マップを記憶し、
    さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力手段と、
    前記加工機械種類及び複数の前記残し代関係マップに基づき一の前記残し代関係マップを決定する残し代関係マップ決定手段と、
    を備え、
    前記残し代決定手段は、前記基本入力情報及び決定された一の前記残し代関係マップに基づき前記残り代を決定することを特徴とする請求項4又は5に記載の金型加工工程決定装置。
  10. 前記工具移動経路関係マップ記憶手段は、加工機械の種類に応じた複数の前記工具移動経路関係マップを記憶し、
    さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力手段と、
    前記加工機械種類及び複数の前記工具移動経路関係マップに基づき一の前記工具移動経路関係マップを決定する工具移動経路関係マップ決定手段と、
    を備え、
    前記工具移動経路決定手段は、前記基本入力情報及び決定された一の前記工具移動経路関係マップに基づき前記工具移動経路を決定することを特徴とする請求項6記載の金型加工工程決定装置。
  11. 前記表面粗さ関係マップ記憶手段は、加工機械の種類に応じた複数の前記表面粗さ関係マップを記憶し、
    さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力手段と、
    前記加工機械種類及び複数の前記表面粗さ関係マップに基づき一の前記表面粗さ関係マップを決定する表面粗さ関係マップ決定手段と、
    を備え、
    前記表面粗さ決定手段は、前記基本入力情報及び決定された一の前記表面粗さ関係マップに基づき前記表面粗さを決定することを特徴とする請求項7記載の金型加工工程決定装置。
  12. 前記仕上詳細工程パターン関係マップ記憶手段は、加工機械の種類に応じた複数の前記仕上詳細工程パターン関係マップを記憶し、
    さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力手段と、
    前記加工機械種類及び複数の前記仕上詳細工程パターン関係マップに基づき一の前記仕上詳細工程パターン関係マップを決定する仕上詳細工程パターン関係マップ決定手段と、
    を備え、
    前記仕上詳細工程パターン決定手段は、前記仕上優先度情報及び決定された一の前記仕上詳細工程パターン関係マップ及び前記仕上詳細工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記仕上詳細工程パターンに基づき一の前記仕上詳細工程パターンを決定することを特徴とする請求項8記載の金型加工工程決定装置。
  13. 前記基本情報入力手段の前記工具剛性情報は、被加工物の加工領域における最大深さと該最大深さ付近における被加工物の最小形状径とからなり、
    前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記工具剛性は、前記最大深さを前記最小形状径で除した値とすることを特徴とする請求項1又は請求項4〜8の何れかに記載の金型加工工程決定装置。
  14. 前記基本情報入力手段は、
    被加工物の加工形状データを入力する加工形状データ入力手段と、
    前記加工形状データに基づき前記最大深さを算出する最大深さ算出手段と、
    前記加工形状データに基づき前記最小形状径を算出する最小形状径算出手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項13記載の金型加工工程決定装置。
  15. 前記基本情報入力手段の前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の硬度であることを特徴とする請求項1又は請求項4〜8の何れかに記載の金型加工工程決定装置。
  16. 前記基本情報入力手段の前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の靭性又は脆性であることを特徴とする請求項1又は請求項4〜8の何れかに記載の金型加工工程決定装置。
  17. 前記基本情報入力手段の前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の種類であることを特徴とする請求項1又は請求項4〜8の何れかに記載の金型加工工程決定装置。
  18. 少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを決定する金型加工工程決定方法において、
    前記仕上加工工程にて使用する工具剛性の情報及び被加工物の被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力ステップと、
    前記基本入力情報と前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定ステップと、
    からなることを特徴とする金型加工工程決定方法。
  19. 前記仕上加工工程は、
    前記荒加工工程の後に行われ前記荒加工工程により形成された表面粗さを低減させる中仕上加工工程と、
    前記中仕上加工工程の後に行われ前記荒加工工程及び前記中仕上加工工程により残された残し代を仕上加工する最終仕上加工工程とからなり、
    前記工程パターン関係マップにおける前記工具剛性は、前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具の剛性であることを特徴とする請求項18記載の金型加工工程決定方法。
  20. さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力ステップと、
    前記加工機械種類に基づき一の前記工程パターン関係マップを決定する工程パターン関係マップ決定ステップとを有し、
    前記工程パターン決定ステップにおける前記工程パターン関係マップは、前記工程パターン関係マップ決定ステップにて決定された一の前記工程パターン関係マップであることを特徴とする請求項18記載の金型加工工程決定方法。
  21. さらに、前記基本入力情報と前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの前記仕上加工工程以外の各前記加工工程における残し代の関係マップとに基づき、前記工程パターン決定ステップにて決定された前記工程パターンの各前記加工工程における前記残し代を決定する残し代決定ステップと、
    を有することを特徴とする請求項18記載の金型加工工程決定方法。
  22. さらに、前記基本入力情報と、前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの前記最終仕上加工工程以外の各前記加工工程における残し代の関係マップとに基づき、前記工程パターン決定ステップにて決定された前記工程パターンの各前記加工工程における前記残し代を決定する残し代決定ステップと、
    を有することを特徴とする請求項19記載の金型加工工程決定方法。
  23. さらに、前記基本入力情報と前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する各前記加工工程における工具の移動経路の関係マップとに基づき各前記加工工程における工具移動経路を決定する工具移動経路決定ステップとを有することを特徴とする請求項18又は19に記載の金型加工工程決定方法。
  24. さらに、前記基本入力情報と前記中仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記中仕上加工工程により加工される被加工物の加工面の表面粗さの関係マップとに基づき前記中仕上加工工程における前記表面粗さを決定する表面粗さ決定ステップを有することを特徴とする請求項19記載の金型加工工程決定方法。
  25. さらに、前記仕上加工工程又は前記最終仕上加工工程の仕上詳細工程の順序からなる仕上詳細工程パターンのうち優先する前記仕上詳細工程パターンの情報である仕上優先度情報を入力する仕上優先度情報入力ステップと、
    前記仕上優先度情報と前記仕上詳細工程のうちの最終工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記仕上詳細工程パターンの関係マップである仕上詳細工程パターン関係マップとに基づき一の前記仕上詳細工程パターンを決定する仕上加工工程パターン決定ステップと、
    を有することを特徴とする請求項18又は19に記載の金型加工工程決定方法。
  26. さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力ステップと、
    前記加工機械種類に基づき一の前記残し代関係マップを決定する残し代関係マップ決定ステップとを有し、
    前記残し代決定ステップにおける前記残し代関係マップは、前記残し代関係マップ決定ステップにて決定された一の前記残し代関係マップであることを特徴とする請求項21又は22に記載の金型加工工程決定方法。
  27. さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力ステップと、
    前記加工機械種類に基づき一の前記工具移動経路関係マップを決定する工具移動経路関係マップ決定ステップとを有し、
    前記工具移動経路決定ステップにおける前記工具移動経路関係マップは、前記工具移動経路関係マップ決定ステップにて決定された一の前記工具移動経路関係マップであることを特徴とする請求項23記載の金型加工工程決定方法。
  28. さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力ステップと、
    前記加工機械種類に基づき一の前記表面粗さ関係マップを決定する表面粗さ関係マップ決定ステップとを有し、
    前記表面粗さ決定ステップにおける前記表面粗さ関係マップは、前記表面粗さ関係マップ決定ステップにて決定された一の前記表面粗さ関係マップであることを特徴とする請求項24記載の金型加工工程決定方法。
  29. さらに、被加工物を加工する加工機械の種類を入力する加工機械種類入力ステップと、
    前記加工機械種類に基づき一の前記仕上詳細工程パターン関係マップを決定する仕上詳細工程パターン関係マップ決定ステップとを有し、
    前記仕上詳細工程パターン決定ステップにおける前記仕上詳細工程パターン関係マップは、前記仕上詳細工程パターン関係マップ決定ステップにて決定された一の前記仕上詳細工程パターンであることを特徴とする請求項25記載の金型加工工程決定方法。
  30. 前記基本情報入力ステップにおいて入力される前記工具剛性情報は、被加工物の加工領域における最大深さと該最大深さ付近における被加工物の最小形状径とからなり、
    前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記工具剛性は、前記最大深さを前記最小形状径で除した値とすることを特徴とする請求項18又は請求項21〜25の何れかに記載の金型加工工程決定方法。
  31. 前記基本情報入力ステップは、
    被加工物の加工形状データを入力する加工形状データ入力ステップと、
    前記加工形状データに基づき前記最大深さを算出する最大深さ算出ステップと、
    前記加工形状データに基づき前記最小形状径を算出する最小形状径算出ステップと、
    からなることを特徴とする請求項30記載の金型加工工程決定方法。
  32. 前記基本情報入力ステップにおいて入力される前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の硬度であることを特徴とする請求項18又は請求項21〜25の何れかに記載の金型加工工程決定方法。
  33. 前記基本情報入力ステップにおいて入力される前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の靭性又は脆性であることを特徴とする請求項18又は請求項21〜25の何れかに記載の金型加工工程決定方法。
  34. 前記基本情報入力ステップにおいて入力される前記被削性情報及び前記工程パターン関係マップ又は前記残し代関係マップ又は前記表面粗さ関係マップ又は前記工具移動経路関係マップ又は前記仕上詳細工程パターン関係マップの前記被削性は、被加工物の種類であることを特徴とする請求項18又は請求項21〜25の何れかに記載の金型加工工程決定方法。
  35. 金型の加工工程を決定する金型加工工程決定装置として機能させる金型加工工程決定プログラムにおいて、
    少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを複数記憶する工程パターン記憶手段と、
    前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップを記憶する工程パターン関係マップ記憶手段と、
    前記工具剛性の情報及び前記被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力手段と、
    前記基本入力情報及び前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定手段と、
    を備えた金型加工工程決定装置として機能させることを特徴とする金型加工工程決定プログラム。
  36. 金型の加工工程を決定する金型加工工程決定装置として機能させる金型加工工程決定プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体において、
    少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを複数記憶する工程パターン記憶手段と、
    前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップを記憶する工程パターン関係マップ記憶手段と、
    前記工具剛性の情報及び前記被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力手段と、
    前記基本入力情報及び前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定手段と、
    を備えた金型加工工程決定装置として機能させることを特徴とする金型加工工程決定プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
  37. 被加工物である金型の素材形状データ及び被加工物である金型の加工形状データを入力する形状データ入力手段と、
    少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを決定する加工工程決定手段と、
    前記素材形状データ及び前記加工形状データ及び前記工程パターンに基づきNCデータを作成するNCデータ作成手段と、
    を備えたNCデータ作成装置において、
    前記加工工程決定手段は、
    前記工程パターンを複数記憶する工程パターン記憶手段と、
    前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップを記憶する工程パターン関係マップ記憶手段と、
    前記工具剛性の情報及び前記被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力手段と、
    前記基本入力情報及び前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定手段と、
    を備えたことを特徴とするNCデータ作成装置。
  38. 被加工物である金型の素材形状データ及び被加工物である金型の加工形状データを入力する形状データ入力手段と、
    少なくとも荒加工工程及び該荒加工工程の後に行われる仕上加工工程を含む複数の加工工程の順序からなる工程パターンを決定する加工工程決定手段と、
    前記素材形状データ及び前記加工形状データ及び前記工程パターンに基づきNCデータを作成するNCデータ作成手段と、
    前記NCデータに基づき工作機械を制御する制御手段と、
    を備えた工作機械制御装置において、
    前記加工工程決定手段は、
    前記工程パターンを複数記憶する工程パターン記憶手段と、
    前記仕上加工工程にて使用する工具剛性及び被加工物の被削性に対する前記工程パターンの関係マップである工程パターン関係マップを記憶する工程パターン関係マップ記憶手段と、
    前記工具剛性の情報及び前記被削性の情報からなる基本入力情報を入力する基本情報入力手段と、
    前記基本入力情報及び前記工程パターン関係マップ及び前記工程パターン記憶手段に記憶された複数の前記工程パターンとに基づき一の前記工程パターンを決定する工程パターン決定手段と、
    を備えたことを特徴とする工作機械制御装置。
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