JP3950554B2 - シクロオレフィンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ルテニウム触媒存在下に単環芳香族炭化水素を水素添加してシクロオレフィンを製造する方法に関するものである。
シクロオレフィン類、特にシクロヘキセン類は有機化学工業製品の中間原料としてその価値が高く、特にポリアミド原料、リジン原料などとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
シクロオレフィン類の製造方法は様々な方法が知られており、その中でも単環芳香族炭化水素をルテニウム触媒を用いて部分的に水素添加する方法が最も一般的であり、選択率や収率を改良アップする方法として、触媒成分や担体の種類、あるいは反応系への添加物としての金属塩などについて検討した結果が多く報告されている。
【0003】
その中でもシクロオレフィンの収率が比較的高い水及び亜鉛が共存する反応系においては、例えば、▲1▼単環芳香族炭化水素を水及び少なくとも1種の亜鉛化合物の共存下、中性もしくは酸性条件下に水素により部分還元するに際し、触媒として30〜200Åの平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分とする粒子を担体に担持した触媒を用いて行う方法(特公平8−25919号公報)、▲2▼ルテニウム触媒の存在下に、単環芳香族炭化水素を部分的に水素添加してシクロオレフィンを製造するに当たり、反応系中に、飽和溶解度以下の量の、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛の中の少なくとも1種をすべて溶解状態で存在させて行う方法(特公平5−12331号公報)、▲3▼単環芳香族炭化水素を水の存在下、水素により部分還元するに際し、200Å以下の平均結晶子径を有する金属ルテニウムを主成分とする水素化触媒粒子を用い、少なくとも1種の固体性塩基性亜鉛の共存下、中性または酸性の条件下に反応を行う方法(特公平8−19012号公報)などが提案されている。
【0004】
しかし、どの方法においても、シクロオレフィンの選択率の向上や収率の改善を目的としたもので、そのルテニウム触媒の使用による活性劣化についてはほとんど述べられておらず、工業的にシクロオレフィンを製造する場合に直面する、触媒の活性劣化の問題を改善する方法を与えるものではない。すなわち、従来知られている技術は、工業的に且つ効率的にシクロオレフィンを製造する場合には不十分な技術と言わざるを得ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ルテニウム触媒、水及び硫酸亜鉛存在下、酸性条件で単環芳香族炭化水素を水素により部分水素添加して反応させて、シクロオレフィンを製造する方法を工業的に実施しようとする場合には、ルテニウム触媒はその使用により活性低下を起こすので、何らかの対策が必要である。さもなくば、活性の劣化にしたがってシクロオレフィンの製造量が著しく減少するので、安定的にシクロオレフィンを製造することが不可能となる。よって、通常は、予めルテニウム触媒の活性劣化を見込んで、初期の生産レートに必要なルテニウム触媒量を超える量の触媒が反応器に充填される。しかしながら、この方法ではルテニウム触媒使用量当たりのシクロオレフィン製造量が小さくなるという欠点がある。この原因の一つとして、ルテニウム触媒が反応条件である高温高圧下に置かれるだけで活性劣化を起こす性質をもっているため、過剰に充填した分も含めてすべての触媒が反応開始当初より活性の低下をはじめるということが挙げられる。よって、本発明は、ルテニウム触媒の使用による活性劣化の影響を受けずに、且つルテニウム触媒の使用量も従来法に比べて少なくし、安定的に且つ効率的にシクロオレフィンを製造する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ルテニウム触媒の活性劣化の影響を抑制できるシクロオレフィンの製法について検討した結果、ルテニウム触媒、水及び硫酸亜鉛存在下、酸性条件で単環芳香族炭化水素を水素により部分水素添加して反応させ、シクロオレフィンを製造するに当たり、オイル相と水相の2相が存在する状態で該反応を現に行っている反応器へ、反応器内の触媒スラリー濃度が0.05〜15%の範囲内でルテニウム触媒を追加添加して反応を行えば、驚くべきことに、先の従来法と比較して、より少量のルテニウム触媒でより多くのシクロオレフィンが製造でき、かつ安定的にシクロオレフィンが製造可能であることを見出した。さらに驚くべきことは、追加添加されるルテニウム触媒は反応器内に存在する触媒スラリー濃度の制限を受け、その触媒スラリー濃度が0.05〜15%でなければ効率的なシクロオレフィンの製造が困難なことである。
【0007】
すなわち、本発明は下記の通りである。
1)ルテニウム触媒、水及び硫酸亜鉛存在下、酸性条件で単環芳香族炭化水素を水素により部分水素添加して反応させ、シクロオレフィンを製造するに当たり、オイル相と水相の2相が存在する状態で該反応を現に行っている反応器へ、反応器内の触媒スラリー濃度が0.05〜15%の範囲内でルテニウム触媒を追加添加して反応を行うことを特徴とするシクロオレフィンの製造方法。
2)追加添加するルテニウム触媒が予め水と混合されスラリー状態で反応器へ追加添加されることを特徴とする上記1)記載の方法。
3)ルテニウム触媒が脈動を持った流動状態で反応器へ追加添加されることを特徴とする上記2)記載の方法。
4)該反応に用いるルテニウム触媒及び該追加添加されるルテニウム触媒が共に予め還元された金属ルテニウムを含む触媒であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれかに記載の方法。
【0008】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で原料として用いられる単環芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、及び通常炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されたベンゼンが挙げられる。
本発明の反応圧力は一般に10〜200atmで好ましくは20〜70atmである。反応圧力が低すぎるとシクロオレフィンの選択率が低下し、また反応圧力が高すぎると、反応器に供給する水素や単環芳香族炭化水素を高圧にしなければならず、共に非効率的である。
【0009】
さらに本発明の反応温度は、一般に50〜250℃であるが、好ましくは100〜200℃である。反応温度が低すぎると反応速度が低下し過ぎ、またシクロオレフィンの選択性が著しくさがるので好ましくない。また反応温度を上げすぎると、触媒であるルテニウムの平均結晶子径の成長を促してひいては、反応に寄与するルテニウムの表面積が減少し活性劣化を大きくするばかりか、生成したシクロオレフィンの分解反応が起こりはじめ、反ってシクロオレフィンの収率が低下するので、避けるほうが好ましい。
【0010】
本発明で用いるルテニウム触媒は、数々のルテニウム化合物を予め還元して得られる金属ルテニウムを含む触媒であることが好ましい。ルテニウム化合物は、例えば塩化物、臭化物、ヨウ化物などのハロゲン化物、あるいは硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、あるいは各種のルテニウムを含む錯体、例えばルテニウムカルボニル錯体、ルテニウムアセチルアセトナート錯体、ルテノセン錯体、ルテニウムアンミン錯体、及び係る錯体から誘導される化合物を用いることができる。さらにこれらルテニウム化合物を2種以上混合して用いることもできる。
【0011】
これらのルテニウム化合物の還元法としては、水素や一酸化炭素などによる接触還元法、あるいはホルマリン、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジンなどによる化学還元法が用いられる。このうち好ましくは水素による接触還元であり、通常50〜450℃、好ましくは100〜400℃の条件で還元活性化する。還元温度が50℃未満では還元に時間がかかりすぎ、また、450℃を超えるとルテニウムの凝集が進み、活性や選択性に悪影響を及ぼすことがある。尚、この還元は気相で行っても液相で行ってもよいが好ましくは液相還元である。
【0012】
また、ルテニウム化合物の還元前もしくは還元後において他の金属や金属化合物、例えば、亜鉛、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、銅、金、白金などやかかる金属の化合物を加えることによって得られるルテニウムを主体とするものを用いてもよい。かかる金属や金属化合物を使用する場合には、ルテニウム原子に対する原子比として通常0.001〜20の範囲で選択される。この中でも好ましくは亜鉛や亜鉛化合物であり、亜鉛や亜鉛化合物はルテニウム化合物の還元前に加えられるのが好ましく、その加える量としてはルテニウムに対して亜鉛が0.1〜50重量%含有する量がとりわけ好ましい。
【0013】
ルテニウム触媒は、担体に担持させて使用しても良い。担体としては特に制限されるものではないが、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム、タングステンなど、あるいは、かかる金属の酸化物、複合酸化物、水酸化物、硫酸塩、難水溶性金属塩、あるいは、このような担体となりうるものを2種以上化学的あるいは物理的に組み合わせた化合物や混合物などが例示される。ルテニウムの担持方法としては、特に制限されるものではないが、吸着法、イオン交換法、浸せき法、共沈法、乾固法などが例示される。ルテニウムの担持量についても特に制限されるものではないが、通常担体に対して0.001〜20重量%である。しかし好ましくは、ルテニウムを担体に担持せず、そのまま用いた方がシクロオレフィンの高い選択率を得やすいので有利である。
【0014】
さらにルテニウム触媒の平均結晶子径は、好ましくは200Å以下であり、これを超える平均結晶子径では活性点が存在するルテニウム触媒の表面積が減少し、触媒活性がその初期から低くなるので触媒活性の点からは好ましくない。このルテニウム触媒の平均結晶子径の測定は、用いるルテニウム触媒をX線回折法によって得られる回折線幅の拡がりからScherrerの式より算出される。具体的には、CuKα線をX線源として用いて、回折角(2θ)で44°付近に極大を持つ回折線の拡がりから算出される。またこの平均結晶子径の下限値としては理論的に結晶単位より大きな値であって、現実的には10Å以上である。
【0015】
本発明の反応系においては水が存在していなければならず、その量は反応形式によって異なるが、用いる原料単環芳香族炭化水素に対して0.001〜100重量倍が好ましい。水の量が少なすぎるとシクロオレフィンの選択性の低下を招き、また水の量が多すぎると反応器が大きくなる等弊害があるため、さらに好ましくは用いる原料単環芳香族炭化水素に対して0.5〜20重量倍共存させるのが良い。但し、いずれの場合においても反応条件において原料及び生成物を主成分とする有機物液相と、水を含む液相とが1相とならない量の水が存在していばければならない。言い換えると、原料及び生成物が主成分の有機物液相つまりオイル相と水が主成分の水相が相分離した状態、つまりオイル相と水相の液2相状態となる量の水が存在していなければならない。尚、ここに言う主成分とは、該液相を構成する成分のうちモル数にして最大割合を示す成分のことである。もし、この液相が2相ではなく1相だけとなっている場合にはシクロオレフィンの選択性が著しく低下し、効率的なシクロオレフィンの製造方法とはならない。
【0016】
また反応系に共存させる水が形成する水相中の水素イオン濃度つまりpHは、7.0未満の酸性でなければならない。酸性でないとシクロオレフィンの選択率が著しく低下し、多量のシクロパラフィンが副生するのでシクロオレフィンを効率的な生産は望めない。
さらに、本発明は、硫酸亜鉛が存在している必要があり、反応系において全量が固体で存在する必要は特になく、反応系に存在する水相に少なくとも一部あるいは全部が溶解状態で存在すればよい。硫酸亜鉛以外にも他の金属硫酸塩が存在してもよい。例えば、鉄、ニッケル、カドミウム、ガリウム、インジウム、マグネシウム、アルミニウム、クロム、マンガン、コバルト、銅などの硫酸塩が例示され、これらを2種以上併用してもよいし、かかる金属硫酸塩を含む複塩であってもよい。用いる硫酸亜鉛は水相中の濃度が通常1×10-5〜5.0mol/lであるが、より好ましくは1×10-3〜2.0mol/lである。この濃度が高すぎても低すぎてもシクロオレフィンの選択率が低下し、効率的にシクロオレフィンを製造出来なくなる。その他の金属硫酸塩を併用する場合には、用いる金属硫酸塩の量は、反応系に存在している硫酸亜鉛の量よりも少ない方が好ましい。他の金属硫酸塩の量が硫酸亜鉛の量よりも多くなるとシクロオレフィンの選択率の低下を招くからである。
【0017】
本発明の反応系へは、従来知られた方法の如くに下記の金属塩を存在させてもよい。金属塩の種類としては、周期表のリチウム、ナトリウム、カリウムなどの1族金属、マグネシウム、カルシウムなどの2族金属(族番号はIUPAC無機化学命名法改訂版(1989)による)、あるいは亜鉛、マンガン、コバルト、銅、カドミウム、鉛、砒素、鉄、ガリウム、ゲルマニウム、バナジウム、クロム、銀、金、白金、ニッケル、パラジウム、バリウム、アルミニウムなどの金属硝酸塩、塩化物、酸化物、水酸化物、酢酸塩、燐酸塩など、又はこれらを2種以上化学的及び/又は物理的に混合して用いることなどが例示され、この中でも水酸化亜鉛、酸化亜鉛などの亜鉛塩の添加は好ましく、特に水酸化亜鉛を含む複塩、例えば、一般式(ZnSO4)m・(Zn(OH)2)nで示されるm:n=1:0.01〜100の複塩の存在は好ましい。
【0018】
金属塩の使用量は、水相を酸性に保てる限り、特に制限はないが、通常は用いるルテニウムに対して1×10-5〜1×105重量倍であり、これらは反応系内のどこに存在してもかまわず、存在形態については、必ずしも全量が水相に溶解している必要はない。
さらに水の他に水酸基を1つ以上持つ1種類以上の有機物が反応系内に存在していても良く、その量についても特に制限はないが、水及び単環芳香族炭化水素とそれらから得られるシクロオレフィンとシクロアルカンの両方を反応条件下で溶解させ得るものについては、反応系内に存在する水相とオイル相が液相として1相とならない範囲内でなければならない。つまり、該有機物の添加量は該反応液が該水相及び該オイル相の液相2相状態の存在を保ちうる範囲内である必要がある。この理由は液相2相状態でないとシクロオレフィンの選択率が著しく低下するためである。
【0019】
本発明の重要な特徴は、ルテニウム触媒、水及び硫酸亜鉛存在下、酸性条件で単環芳香族炭化水素を水素により部分水素添加して反応させ、シクロオレフィンを製造するに当たり、オイル相と水相の2相が存在する状態で該反応を現に行っている反応器へ、反応器内の触媒スラリー濃度が0.05〜15%の範囲内でルテニウム触媒を追加添加して反応を行うことである。ここに言う現に反応を行っている反応器とは、反応器内にルテニウム触媒が存在して反応を行っている最中の反応器、あるいはその反応を中断して再び反応を行うために反応器内にルテニウム触媒を存在させたまま待機している反応器をさす。
【0020】
また、本明細書中の触媒スラリー濃度とは、少なくともルテニウム触媒、水及び硫酸亜鉛によって構成される混合物の単位体積当たりの固形物重量濃度を言い、上記以外に分散剤やその他金属塩の固形物がスラリーの中に固形物として存在している場合は、それら重量もスラリー中固形物に含める。単位は%と表記し、下記式(1)により算出される。
【0021】
【数1】
【0022】
ルテニウム触媒、水、硫酸亜鉛存在下で単環芳香族炭化水素からシクロオレフィンを製造する方法において、従来技術には現に反応を行っている反応器に、より活性の高いルテニウム触媒を添加した場合の挙動について報告した例はなく、全く未知の操作であるが、発明者らは活性の異なる触媒を混合すれば活性の加算性つまり、下記式(2)に示す関係が成り立つのではないかと考えた
。
【0023】
【数2】
【0024】
触媒活性(触媒単位重量当たり、単位時間に反応できる単環芳香族炭化水素の重量)と触媒量(反応器内に存在にする触媒重量)の積は、本明細書においては総活性と定義され、反応器内の触媒が単位時間当たりに反応できる単環芳香族炭化水素の量を表し、その値は反応器内の触媒が単位時間当たりに反応により製造できるシクロオレフィンの量に正比例する。
【0025】
式(2)が成立する場合は、反応器全体の活性、つまり触媒活性と触媒量の積で表現される総活性が触媒の追加添加により追加添加前に比べて上昇し、活性低下分を補えることになり、触媒の活性低下によるシクロオレフィンの製造レートの減少が防ぐことができる。よって、この仮説を立証するために実験を行ったところ、驚くべきことに、本反応においてはこの仮説は常に成立するわけではなく、γfの活性を持つ触媒の追加添加効果があるのは限られた触媒スラリー濃度範囲内においてであった。即ち、γfの活性を持つ触媒の追加添加効果は、反応器内触媒スラリー濃度が1%を超えるような状態で追加添加すると、式(2)の左辺は式(2)の右辺に比べて小さくなりはじめる。そして15%を超えると、下記の式(3)に示される状況になる。これでは、活性の高い触媒を加えてもかえってシクロオレフィンの製造量を減少させることになる。この現象を式で表すと、下記式(3)のようになる。
【0026】
【数3】
【0027】
この原因は、おそらく触媒スラリー濃度の上昇によって活性の高い触媒と活性の低い触媒、つまり反応器で現に反応をおこなっていた触媒とあとから追加添加された触媒が何らかの化学的及び物理的相互作用を起こし、このような現象を引起こしたと推察する。
尚、式(3)の左辺は追加添加した混合後の総活性、式(3)の右辺は追加添加する前の総活性を表している。
したがって、反応器内の触媒スラリー濃度は低ければ低いほど、より多くの触媒を追加添加できることになるが、低すぎると反応器自体が大きくなるため、工業的に実施する際には制限を受け、具体的実施可能な下限としては、0.05%の触媒スラリー濃度が限度である。
【0028】
尚、追加添加されるルテニウム触媒はすでに反応器内に存在して現に反応を行っているルテニウム触媒よりも活性の高い触媒で、通常は、すでに反応器内存在しているルテニウム触媒を調整したときと同様の方法で調整された触媒が用いられることが好ましい。これはルテニウム触媒がその使用により活性劣化しているので、使用していない触媒を用いれば、少なくともすでに反応器内に存在して現に反応を行っているルテニウム触媒よりも活性の高い触媒となるからで、かつ異種の触媒を追加添加する場合よりも、その製造や使用後のルテニウム回収処理の際に扱いやすいからである。この他に反応器内に現に反応を行っている触媒と同等あるいはそれより低い触媒活性を持つ触媒を追加添加してもよいが、いたずらに触媒スラリー濃度を上げる結果にもなりかねず、好ましい方法とは言えない。
【0029】
従来の方法の場合、予め触媒の活性劣化を見越して初期に必要以上の触媒を反応器に入れて反応させているので、触媒スラリー濃度は本発明の方法の場合と比較して、高い状態で反応を行うことになる。従来法が本発明の方法よりも触媒スラリー濃度の悪影響をより多く受けることとなり、本発明の方法が格段に優れている。さらに、本発明の方法は、現に反応を行っている反応器へ触媒を追加添加するので、追加添加される触媒は、追加添加されるまでほとんど触媒活性を低下させていないので、従来法に比べて触媒活性損失は小さくなり、本発明の方法はこの点からも明らかに優れた方法である。本発明の方法により、工業的に長期間安定して効率的にシクロオレフィンを製造することが可能である。
【0030】
本発明において、反応器へルテニウム触媒を追加添加する方法としては、ルテニウム触媒を乾燥状態で反応器に直接投入する方法もあるが、予め水と混合してスラリー状態にすれば、高温高圧条件下で反応を行っている最中の反応器にポンプや圧縮水素を用いて投入できるので、効率的である。この際に硫酸亜鉛、その他分散剤や金属塩を追加添加するルテニウム触媒と予め混合して反応器へ投入してもかまわない。
【0031】
また追加添加するルテニウム触媒を、現に反応を行っている反応器内に投入する場所としては、反応器内及び反応系に存在するルテニウム触媒と速やかに混合できる場所が好ましく、例えば、反応器内で攪拌を行っている場合にはその攪拌動力が十分及んでいる場所や触媒スラリーが乱流をつくって流動している場所が特に好ましい。ここに言う乱流とは化学工学で定義されるレイノルズ数が4000以上の場所である。
【0032】
上記に言う好ましい場所は、反応器内壁付近にあるとは限らないので、その場所へは反応器内に追加添加するルテニウム触媒を通すための導管を設けて、上記の好ましい場所へその触媒を導き投入する方法が便利である。その場合には、よりルテニウム触媒スラリー同士の混合をよくする目的で、投入するルテニウム触媒スラリーの導管及び導管出口で平均流速が0.01m/s以上が好ましく、さらにはその導管の内壁のエロージョンを防止するために導管内の触媒スラリー平均流速は10m/s以下が好ましい。
【0033】
また、ルテニウム触媒を反応器内へ上記導管を用いて投入する場合に、触媒が導管内で脈動を持った流動状態であれば、導管内での触媒の沈降や凝集等による導管の閉塞も防げるので、特に好ましい。この脈動を持たせる方法としては市販のダイヤフラム式ポンプやプランジャー式ポンプを用いるとよいし、他には流量制御バルブを反応器とポンプの間に設置してこのバルブを断続的に開閉させてもよい。尚、反応器内に触媒スラリーを導く導管には市販の耐酸性材質、例えばニッケル系合金あるいは接液部をフッ素樹脂で皮膜したものを用いると腐食される心配がないので好ましい。またここで用いるポンプの接液部の材質としてはステンレス製あるいはそれ以上の耐酸性を示すものを選択すると腐食の心配がないので好ましい。
【0034】
本発明では、追加添加するルテニウム触媒の現に反応を行っている反応器への投入は、間欠式に行っても、連続式に行ってもよいが、どちらの方法においても反応系に大きな変動が起こらない様に時間をかけて行うのが好ましい。この具体的な時間については用いる反応形式や反応の制御方法により大きく異なるので、用いる制御方式が許容する範囲で適宜選択すればよい。
追加添加するルテニウム触媒の添加投入量やその投入回数については特に制限はないが、一回当たりの投入量を小さくして投入回数を多くするほうが反応系が乱れにくく、好ましい方法と言える。
【0035】
また、現に反応を行っている反応器へ追加添加するルテニウム触媒に、追加添加する前に予め反応条件と同様の高温高圧水素下に保持した後に、現に反応を行っている反応器へ追加添加してもよい。この保持は、あくまで触媒活性が反応器内の触媒活性より追加添加する触媒の活性が小さくならない範囲で行われる。その保持条件は、ルテニウム触媒の種類やその調整方法により異なるので、その特性に併せて適宜選択すればよい。
【0036】
言うまでもなく、追加添加するルテニウム触媒に適宜選択された分散剤や、先に記載した金属硫酸塩や金属塩を予め混合してから、現に反応を行っている反応器へ追加添加しても一向に差し支えない。
さらに従来から知られている方法、例えば活性劣化に応じて反応温度をアップする方法や予め製造開始時に必要な触媒量以上のルテニウム触媒を反応器に充填する方法などと組み合わせてもかまわず、特に温度アップと組み合わせると効果的である。
本発明の製造方法は、回分式反応方式及び連続式反応方式の両方に適用できるが、特に製造設備を止めずに長期間の連続稼動を要求される連続式反応方式で極めて有効な方法となる。
【0037】
【発明実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。尚、触媒活性とは、触媒に含まれるルテニウムの単位重量当たりの単位時間当たりの単環芳香族炭化水素の反応量を示し、一般に単位は1/hとなり、下記式(4)によって算出され、総活性とは、触媒活性[1/h]とルテニウム触媒重量[g]との積で、実質的にシクロヘキセンの単位時間当たりの製造量に正比例する値である。
【0038】
【数4】
【0039】
【実施例1】
塩化ルテニウム(RuCl3・3H2O)15gを水5リットルに溶解し、これに30wt%のNaOH水溶液150mlを速やかに加えた後、この混合液を80℃として2時間攪拌を続けた。その後、冷却、静置沈降させ、沈降した黒色沈殿物をデカンテーション操作により、1NのNaOH水溶液で3回洗浄した。この黒色沈殿物は、大部分はRu(OH)3であり、一部は塩化物の状態で存在していた。この黒色沈殿物を5wt%のNaOH水溶液1.5リットルに分散させ、内面にテフロンコーティングを施した内容積3リットルのオートクレーブに仕込んだ後、水素により全圧を50atmとし、150℃で40時間還元した。冷却後、得られた黒色粉体をアルゴン雰囲気下で、30wt%のNaOH水溶液で洗浄後、さらに水洗し、これを常温で真空乾燥し、黒色のルテニウム触媒5.0gを得た。
【0040】
上記の操作を繰り返し、最終的に30gの黒色のルテニウム触媒を得、これを十分に混ぜて均一化した。この均一にした触媒をX線回折法で解析したところ、ルテニウムの平均結晶子は53Åであった。
このルテニウム触媒を用いて次の実験1〜3に示す水素によるベンゼンの部分水添反応を行った。
(実験1)上記ルテニウム触媒0.5g、分散剤として平均結晶径約200Åのジルコニア3.0g、硫酸亜鉛7水和物42.0g及び水280gから成る触媒スラリーを、内面をテフロンコーティングした内容積1リットルのステンレス製オートクレーブに仕込み、水素を用いて内部を十分置換した後に、外部加熱により内部を150℃まで昇温、さらに水素により圧力を50atmとした。電磁誘導式攪拌機によりオートクレーブ内部を高速攪拌しながら、常温で140mlのベンゼンを瞬時にオートクレーブ内に投入し、反応を行った。この反応中、反応温度を150℃に保ち、圧力は水素で常時全圧50atmとした。反応中に内液の一部を定期的に採取し、そのうちのオイル相組成をガスクロマトグラフィーで分析した。実験終了後にオートクレーブを常温常圧にまで降温落圧し、触媒スラリーを回収して触媒スラリー濃度を測定すると1.2%であった。この実験におけるベンゼン転化率40mol%における触媒活性を上記オイル相の分析結果から算出すると822[1/h]であった。
【0041】
(実験2)触媒活性が劣化し低下した触媒スラリーを得るために、ルテニウム触媒2.0g、平均結晶子径200Åのジルコニア12.0g、硫酸亜鉛7水和物42.0g、及び水280gを1リットルの反応器を持つ連続反応装置に仕込んで、連続的にベンゼン及び水素を供給して、連続的に反応し、連続的に反応器内からベンゼン及びシクロヘキセンを含むオイルを抜出しながら、電磁誘導攪拌機による高速攪拌条件下で80時間の連続反応をおこなった。この実験に用いた反応器は1リットルの内面をテフロンコーティングしたステンレス製のオートクレーブで、反応温度は150℃、反応圧力は実験1と同じく50atmで行った。尚、連続反応中にルテニウム触媒の反応系外への流出はなく、連続的に抜出したオイル中に溶解する水及び硫酸亜鉛は全量回収して、適宜反応器へ戻し、反応は反応開始後80時間で終了し、スラリーを全量回収した。この実験で活性の劣化した触媒スラリーを得た。
【0042】
次にこの触媒スラリー全量を、実験1で使用したオートクレーブに仕込み、実験1と同様に実験を行い、触媒の活性を調べた。この結果、ベンゼン転化率40%における触媒活性は316[1/h]であった。尚、この実験終了後に全量回収し、その触媒スラリー濃度は、5.0%であった。
(実験3)触媒スラリーとして実験2で回収した触媒スラリーに、新たにルテニウム触媒0.5g、平均結晶子径200Åのジルコニア3.0gを追加添加したものを使用した以外は実験1と同様にして実験を行った。この結果、ベンゼン転化率40mol%における触媒活性は373[1/h]であり、触媒スラリー濃度は6.2%であった。
【0043】
実験1〜3の結果を表1に記載する。
【0044】
【表1】
【0045】
触媒活性が劣化して低下した触媒に、活性の劣化していない触媒を、触媒スラリー濃度0.05〜15%以下の範囲で追加添加することで、触媒活性を向上させ、かつ反応器内の触媒の総活性も向上させることができた。即ち、活性劣化分を補償する方法として、活性のより高い触媒を追加添加することが有効であることがわかる。
【0046】
【比較例1】
実施例1と同様にルテニウム触媒を調整し、これを用いて以下の実験を行った。
(実験1)実施例1の実験1と同様に実験を行い、ベンゼン転化率40%における触媒活性は、821[1/h]であった。また触媒スラリー濃度は1.2%であった。
(実験2)ルテニウム触媒6.0g、平均結晶子系200Åのジルコニア36gとした以外は実施例1の実験2と同様にして実験を行った。この結果は、ベンゼン転化率40%における触媒活性は224[1/h]であり、触媒スラリー濃度は15.0%であった。
(実験3)触媒スラリーとして比較例1の実験2で回収した触媒スラリーに、新たにルテニウム触媒0.5g、平均結晶子径200Åのジルコニア3.0gを追加添加したものを使用した以外は比較例1の実験1と同様にして実験を行った。この結果、ベンゼン転化率40%における触媒活性は195[1/h]であり、触媒スラリー濃度は16.2%であった。
実験1〜3の結果を表2に記載する。
【0047】
【表2】
【0048】
触媒活性の低い触媒に活性のより高い触媒を触媒スラリー濃度15%より大きい範囲で追加添加すると、触媒活性をかえって低下させ、かつ反応器内に存在する触媒の総活性も低下させた。即ち、活性のより高い触媒を追加添加しても劣化した触媒活性を補償することができないということがわかる。
【0049】
【実施例2】
塩化ルテニウム(RuCl3・3H2O)15g及び塩化亜鉛39gを水5リットルに溶解し、これに30wt%のNaOH水溶液210mlを速やかに加えた後、この混合液を80℃として2時間攪拌を続けた。その後、冷却、静置沈降させ、沈降した黒色沈殿物をデカンテーション操作により、1NのNaOH水溶液で3回洗浄した。この黒色沈殿物は、大部分はZn(OH)2を含有するRu(OH)3であり、一部は塩化物の状態で存在していた。この黒色沈殿物を5wt%のNaOH水溶液1.5リットルに分散させ、内面にテフロンコーティングを施した内容積3リットルのオートクレーブに仕込んだ後、水素により全圧を50atmとし、150℃で40時間還元した。冷却後、得られた黒色粉体をアルゴン雰囲気下で、30wt%のNaOH水溶液で洗浄後、さらに水洗し、これを常温で真空乾燥し、黒色のルテニウム触媒5.0gを得た。
【0050】
上記の操作を繰り返し、最終的に35gの黒色のルテニウム触媒を得、これを十分に混ぜて均一化した。この均一にした触媒をX線回折法で解析したところ、ルテニウムの平均結晶子は58Åであった。一方、この触媒中のルテニウムに対する亜鉛含有量を蛍光X線法で求めたところ、7.1wt%であった。
次にこの触媒を用いて水素によるベンゼンの部分水素添加を行った。
【0051】
上記触媒6.0g、水1500ml、硫酸亜鉛7水和物250g、分散剤として、結晶子径約200Åのジルコニア30gを次に示す連続反応実験装置の反応器内に仕込み、水素で十分内部を置換した後、140℃まで昇温後、高速攪拌下、部分水素添加反応を連続的に行った。この実験においては、反応器から連続的に抜出したオイル相をガスクロマトグラフィーで適宜分析し、ベンゼン転化率が40mol%となるように反応器へのベンゼン供給量を調整した。また、同時に連続反応実験装置から出てくるオイル量の測定を行い、シクロヘキセンの製造量を算出した。
【0052】
反応開始から2×To/20時間毎に上記ルテニウム触媒0.6gとジルコニア3.0gをプランジャーポンプを用いて水とともに脈動を持たせて反応器へ追加添加し、反応終了までに合計6.0gのルテニウム触媒の追加添加を行った。尚、時間Toの定義は後に記載する比較例2の中に定義されるToと同じ時間である。また、本実験における反応器内の触媒スラリー濃度は反応開始時は2.4%で反応実験終了時は4.8%であった。
この結果を図1に示す。
【0053】
この実験の結果から、シクロヘキセンの製造レートが触媒の活性劣化により経時的に低下していくのを触媒の追加添加により補償し、安定したシクロヘキセンの製造レートを保つことができたことがわかる。実験中のシクロヘキセン平均製造レートは1068g/hであった。
(連続反応実験装置)
連続反応装置の反応器には、内面にテフロンコーティングした4リットルのステンレス製オートクレーブを用いた。その反応器へは連続的に任意の量のベンゼン、及び消費された分の水素を供給出来るようにし、高速攪拌下で連続的に反応を行うことができる。連続反応装置からオイル相だけを連続的に抜き出せるようにし、このオイル相は連続的に冷却され、そこで生成する凝縮水によりオイルの洗浄を行い、その洗浄水は再び連続的に反応器に戻す仕組みとし、実験中の水や金属塩の流出を回避した。また、この実験装置は装置内に存在する触媒スラリーの体積量は常時一定になるよう制御する装置を設置し、実験中は触媒スラリーの体積量を一定に制御した。
【0054】
【比較例2】
反応中にルテニウム触媒及びジルコニアを反応器へ追加添加しなかったこと、及び反応開始前に反応器に入れるルテニウム触媒とジルコニアの重量を実施例の2.0倍としたこと以外は、実施例2と同様に実験した。この実験におけるルテニウム触媒の使用量は12.0gであり、実施例2で反応終了までに用いた触媒量に等しい。また、本実験に置ける反応器内の触媒スラリー濃度実験中終始4.8%であった。
この実験結果を図2に示す。
この実験からシクロヘキセンの製造レートは触媒活性劣化の影響を受け、経時的に減少し、安定した製造ができていないことがわかる。また実験中のシクロヘキセン平均製造レートは982g/hであった。
尚、図2中の時間軸にあるToは、シクロヘキセンの単位時間当たりの製造量が触媒活性の低下により連続反応開始直後の1/4となるのに要する時間と定義する。つまり活性が経時的劣化により1/4となる時間にほぼ相当する時間である。
【0055】
実施例2と比較例2を比べると、共に実験終了までに使用したルテニウム触媒の量は同じにも関わらず、実施例2が比較例2よりもシクロヘキセン平均製造レートが大きく、さらに実験終了直前のシクロヘキセン製造レートも実施例2が比較例2よりも高い。従って、実施例2は比較例2と同量のルテニウム触媒でよりも多くのシクロヘキセンを製造しており、言い換えると本発明の方法を用いれば、シクロヘキセンをより少ないルテニウム触媒で製造できることがわかる。これは、実施例2が比較例2の触媒スラリー濃度以下で反応を行い、触媒スラリー濃度の悪影響、即ち、触媒スラリー濃度の上昇に伴う触媒活性の低下を低く押さえるために触媒を追加添加しながら反応をおこなったことによる、及び追加添加で触媒反応条件に曝される触媒量を終始比較例2の場合以下にしたことによる効果である。また、シクロヘキセンの製造レートも実施例2は比較例2に比べて極めて安定している。本発明の方法により、シクロヘキセンがより効率的にかつ安定的に製造できた。
【0056】
【発明の効果】
ルテニウム触媒の使用量を押さえつつシクロオレフィンを安定的に、かつ効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の反応時間とシクロヘキセン製造レート(1時間当たりのシクロヘキセン製造量)の関係、つまりシクロヘキセン製造レートの経時的推移を示す図である。
【図2】比較例2の反応時間とシクロヘキセン製造レート(1時間当たりのシクロヘキセン製造量)の関係、つまりシクロヘキセン製造レートの経時的推移を示す図である。
Claims (4)
- ルテニウム触媒、水及び硫酸亜鉛存在下、酸性条件で単環芳香族炭化水素を水素により部分水素添加して反応させ、シクロオレフィンを製造するに当たり、オイル相と水相の2相が存在する状態で該反応を現に行っている反応器へ、反応器内の触媒スラリー濃度が0.05〜15%の範囲内でルテニウム触媒を追加添加して反応を行うことを特徴とするシクロオレフィンの製造方法。
- 追加添加するルテニウム触媒が予め水と混合されスラリー状態で反応器へ追加添加されることを特徴とする請求項1記載のシクロオレフィンの製造方法。
- ルテニウム触媒が脈動を持った流動状態で反応器へ追加添加されることを特徴とする請求項2記載のシクロオレフィンの製造方法。
- 該反応に用いるルテニウム触媒及び該追加添加されるルテニウム触媒が、共に予め還元された金属ルテニウムを含む触媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシクロオレフィンの製造方法。
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