JP3948952B2 - 白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法 - Google Patents

白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法に係り、詳しくは、廃白土を有効利用し、これから脂肪酸金属塩(石鹸或いは金属石鹸)を製造しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
油脂産業等においては、例えば油脂を精製する工程で漂白を行うために油脂を白土で処理することが行われている。油脂を処理した白土には、濾過後にも約25〜40重量%の油脂が吸着されているが、該油脂を工業的に適正なコストで分離することは難しいものであった。しかし、資源節約、廃棄物減量の観点から、白土に吸着されている油脂の有効活用が要望されている。
【0003】
このような観点から、油脂の処理に使用した後の、油脂を含有する廃白土を中和剤及びリパーゼ水溶液又は分散液と混合して反応させ白土含有脂肪酸金属塩組成物を得る方法が、特開2000−139489号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載の発明では、リパーゼの失活を抑制するために反応系中の水分含量を制限する必要があり、このためリパーゼによる加水分解率自体も低いといった欠点を有していた。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記のような欠点を有さず、反応系中の水分含量の自由度が高く、リパーゼによる加水分解率の高い、白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、油脂の処理に使用した廃白土に、中和剤を均一に混合させた後、リパーゼの水溶液又は分散液を添加し、油脂の加水分解反応と脂肪酸の中和反応とを略同時に行わせる白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法において、上記リパーゼとして、少なくとも、加水分解活性ピーク温度が10℃以上異なる2種のリパーゼを用いることを特徴とする白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される廃白土は、油脂の処理に使用した廃白土であり、例えば、動植物油脂の精製工程中の脱色工程等では活性白土を油脂に加えて加熱し、油脂中に存在する色素類を吸着させて除去することが行なわれており、色素類を吸着させた白土はフィルター等によって濾過され油脂と分離されるが、この濾過残さ(圧搾濾過白土)を一般に廃白土と称しており、このような廃白土を使用することができる。
【0008】
また、廃白土は、その中に含まれる油脂によって特に限定されるものではなく、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物油脂、パーム油、パーム核油、大豆油、菜種油、コーン油、米糠等の植物油脂、これらの動植物油脂の混合油脂、及びこれらの油脂の水素添加油脂(硬化油) 、さらにこれらの油脂のエステル交換油脂等、どのような油脂が含まれたものでも使用できる。なお、実用上、必要に応じ、予め、上記廃白土に、油脂、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸等を追加することができる。また、廃白土は、含まれる油脂の含有量によっても限定されないが、廃白土中の油脂の含有量が15〜50重量%のものが好ましく、20〜45重量%のものが更に好ましい。
【0009】
本発明に使用される中和剤は、上記廃白土に均一に混合させるもので、公知のものを用いることができ、特に限定されないが、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリ金属塩、及びこれらの混合物、水硬性セメント等のセメント類、酸化亜鉛等の公知の中和剤を添加することができる。これらの中でも、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、セメント類、酸化亜鉛、酸化マグネシウムが好ましい。とりわけ、反応性が高い点で、酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムが特に好ましく用いられ、また、安価な原料として入手可能である点で、水硬性セメントが特に好ましく用いられる。
【0010】
中和剤の使用量は、特に限定されないが、廃白土中の油脂が酵素反応により脂肪酸となった場合の酸価を想定して、好ましくは該酸価と0.7〜1.5当量、更に好ましくはほぼ当量となるように使用する。例えば、中和剤の使用量は、油脂を30〜40重量%含む廃白土を使用した場合には、該廃白土100重量部に対し、好ましくは3〜10重量部である。中和剤の使用量が過少であれば生成する脂肪酸金属塩が過少となるおそれがあり、使用量が過多になると実施は可能であるが不経済である。
【0011】
中和剤は、固体(粉末) 状でも水溶液としても用いることができるが、あまりに水分が多いと中和剤の水溶液がリパーゼを失活させる可能性が高まる。中和剤を水溶液として用いる場合、該中和剤の水溶液中の中和剤の濃度は、好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。
【0012】
また、本発明に使用されるリパーゼの水溶液又は分散液(以下、本明細書中ではリパーゼの分散液も含めて「リパーゼの水溶液」と記す)は、上記廃白土及び中和剤の混合物に添加して、上記廃白土中の油脂の加水分解反応と脂肪酸の中和反応とを略同時に行なわせるものである。上記リパーゼの水溶液中のリパーゼの濃度は、好ましくは0.01〜10重量%、さらにこのましくは0.05〜5重量%である。
【0013】
尚、リパーゼの水溶液には、他に塩類等を含むことができる。従って、リパーゼの水溶液は、緩衝液等であることができるのはもちろん、他に、キレート剤、界面活性剤を含んでなることができる。また、リパーゼの分散液の場合の分散媒は、水であることも上記塩類溶液(例えば緩衝液)であることもできる。
【0014】
これら中和剤の水溶液及びリパーゼの水溶液中の水分の合計量は、リパーゼの失活防止の観点から、廃白土100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部、さらに好ましくは5〜35重量部、最も好ましくは10〜20重量部となるようにする。
【0015】
本発明に用いるリパーゼは、油脂を加水分解し脂肪酸を生じせしめ得るものであればその由来に限定されず、微生物由来のリパーゼ、植物由来のリパーゼ、動物膵臓由来のリパーゼ( パンクレアチンリパーゼ) 等いずれも良好に使用できる。また、リパーゼの基質位置特異性も何ら限定されないが、ランダム型が特に好ましく用いることができる。なお、該リパーゼは適切な担体に固定化したものであることもできる。
【0016】
本発明において、リパーゼは、少なくとも、加水分解活性ピーク温度が10℃以上異なる2種のリパーゼを用いることが必要である。
加水分解活性ピーク温度(以下「P点」と称す)が10℃以上異なる2種のリパーゼを用いることにより、廃白土中の油脂の加水分解率が飛躍的に向上するものである。これは、おそらく、反応系における初期の加水分解反応による反応熱によって、反応系に不均一な温度分布が生じているためと考えられる。
【0017】
本発明においては、更に、上記P点が10℃以上異なる2種のリパーゼのうちの、一方のリパーゼのP点が55℃以下、好ましくは35〜55℃であり、且つ他方のリパーゼのP点が50℃以上、好ましくは50〜70℃であることが、廃白土中の油脂の加水分解率を向上する点で好ましい。
【0018】
本発明においては、更に、上記P点が10℃以上異なる2種のリパーゼのP点温度差が10〜45℃、好ましくは10〜30℃であることが、やはり廃白土中の油脂の加水分解率を向上する点で好ましい。
【0019】
また、本発明においては、上記P点が10℃以上異なる2種のリパーゼの使用量は、いずれか一方の使用量が他方の使用量の重量の4倍を超えず、且つ、全リパーゼ重量に対して、上記P点が10℃以上異なる2種のリパーゼの合計量が70重量%以上であることも、廃白土中の油脂の加水分解率を向上する点で好ましい。
【0020】
本発明においては、上記P点が10℃以上異なる2種のリパーゼ以外のリパーゼを使用することができるが、この場合、上記要件を満たす限り、どのリパーゼの組み合わせを「P点が10℃以上異なる2種のリパーゼ」として設定しても差し支えない。
【0021】
尚、本発明において、P点は、オリーブ油に対するリパーゼの加水分解活性が最も高くなる温度、即ち、以下の方法により種々の温度(所定温度)において測定される遊離脂肪酸量を測定し、最も高い値を示す温度をP点として定義される。
【0022】
〔遊離脂肪酸量測定方法〕
(1)リパーゼ水溶液:0.01g/リットル
(2)2重量%ポリビニルアルコール水溶液:200ミリリットルの蒸留水に、重量平均分子量87000のポリビニルアルコール4.5g、及び重量平均分子量30000のポリビニルアルコール0.5gを加えて懸濁させ、攪拌しながら昇温して80℃とし、温度を保持して透明になるまで攪拌を続ける。透明となって完全に溶解したら放置して室温に冷却し、蒸留水を加えて250ミリリットルとする。
(3)オリーブ油乳液:局方オリーブ油75ミリリットルと、(2)の2重量%ポリビニルアルコール水溶液225ミリリットルをホモジナイザーの容器に入れ、氷浴中で10分間、14500±300rpmで乳化する。
(4)加水分解反応:(3)のオリーブ油乳液5ミリリットルとMcllvain緩衝液4ミリリットルを試験管に取り、所定温度の恒温槽に5分間置いた後、(1)のリパーゼ水溶液1ミリリットルを加え、震盪して十分混合した後、所定温度の恒温槽に30分間静置させる。その後、アセトン−エタノール混合液(体積比1:1)10ミリリットルを加え、震盪して十分混合し反応を停止させる。
(5)次に、0.05N水酸化ナトリウム水溶液10ミリリットルとアセトン−エタノール混合液(体積比1:1)10ミリリットルを加えて遊離の脂肪酸を中和し、残余の水酸化ナトリウム量を、窒素ガスを吹き込み攪拌しながら0.05N塩化水素水溶液で滴定する。
(6)別途、盲験値として、(3)のオリーブ油乳液5ミリリットルとMcllvain緩衝液4ミリリットルを試験管に取り、これにアセトン−エタノール混合液(体積比1:1)10ミリリットルを加えた後、(1)のリパーゼ水溶液1ミリリットルを加え、震盪して十分混合した後、同様に滴定する。
(7)両滴定値の差から、加水分解反応による遊離脂肪酸量を算出する。
【0023】
本発明において、リパーゼの全使用量は、その活性や固定化の有無、廃白土に含有されている油脂の量等によって適宜設定されるべきではあるが、従来の油脂の酵素処理において使用されている通常の量を使用することができ、例えば、廃白土中の油脂に対して、概ね0.01〜0.5重量%程度であれば支障ない。
【0024】
上記廃白土及び中和剤の混合物への、リパーゼの水溶液又は分散液の添加に際しては、これらを十分に混合することが好ましいのは言うまでもないが、その後のリパーゼによる加水分解反応は、混合物をそのまま放置しておくことにより行うことも、混合物をニーダー等で混練しながら行うことも、一時的に混練(単数回でも複数回でも支障なく)して行うこともできる。
【0025】
リパーゼによる加水分解反応処理の時間は特に限定されず、所望の油脂分解率(リパーゼによる作用を受けた後に廃白土中等の反応系内に残存する油脂及び脂肪酸の合計量を、リパーゼによる作用を受ける前のそれで除算した値を、1から減算した値)に到達するまで処理すれば良い。
【0026】
本発明により得られる白土含有脂肪酸金属塩組成物は、例えば、撥水剤として使用でき、特に窯業系サイディング材用及びパルプセメント板用の内添できる撥水剤等、とりわけ窯業系サイディング材用の内添できる撥水剤として用いると、極めて優れた撥水効果を得ることができるため好ましい。なお、本発明により得られる白土含有脂肪酸金属塩組成物を撥水剤として、窯業系サイディング材、パルプセメント板等に添加する場合、該窯業系サイディング材、パルプセメント板等の母材は特に限定されない。
【0027】
本発明により得られる白土含有脂肪酸金属塩組成物を撥水剤として用いる場合、有効成分である脂肪酸金属塩の含有量は、白土含有脂肪酸金属塩組成物(撥水剤)中、好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは25〜50重量%である。また、この場合、撥水剤を窯業系サイディング材、パルプセメント板等に用いるときには、該撥水剤の添加量は、上記脂肪酸金属塩(有効成分)が、スラリー中の水硬性物質に対して、好ましくは0.05〜3重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%となる量である。
【0028】
本発明により得られる白土含有脂肪酸金属塩(好ましくはカルシウム塩)組成物を撥水剤として用いて、窯業系サイディング材、パルプセメント板等を製造するには、上記白土含有脂肪酸金属塩組成物を、セメント等の水硬性物質の粉末と均一混合するか又は水硬性物質に必要に応じて添加剤及び添加材料を配合した材料スラリーに添加して均一たらしめた後、成形、養生、硬化させる。
【0029】
また、本発明により得られる白土含有脂肪酸金属塩組成物を撥水剤に用いる場合、該撥水剤には、その性能を損なわない範囲で、硬化遅延剤、硬化促進剤、AE剤、減水剤、消泡剤、エマルジョン又はサスペンション安定のための界面活性剤等の他の成分を配合することも可能である。
【0030】
また、本発明により得られる白土含有脂肪酸金属塩組成物は、そのままでも洗浄剤、特にクレンザーとして好適に使用することができる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
〔実施例1〕
牛脂を処理した廃白土(含油脂分37.7重量%)1kgを小型ニーダーに入れ、室温下、水酸化ナトリウム70gを水250gに溶解した水溶液を攪拌しながら加え、均一なペースト状の混合物とした。
【0033】
次いで、P点が50℃のリパーゼ(天野エンザイム株式会社製:商品名アマノ30G)0.2g、及びP点が65℃のリパーゼ(ノボザイムズジャパン株式会社製:商品名リポザイムTL)0.3gを50gの水に溶解した水溶液を、ニーダー内に30分間かけて滴下した。滴下開始直後から発熱を伴いながら加水分解反応及び中和反応が進み、増粘しながら混合物は褐色から淡黄色に変化した。滴下終了時に温度は40℃であった。
【0034】
反応を完結させるためにビーカーに移し、室温下で熟成した。発熱は継続し、熟成開始から1時間後に混合物の中心部温度は70℃となったのでこのまま放置した。
【0035】
熟成開始から24時間後にペースト状の混合物をアルミニウム製のトレイに広げ、60℃で通風乾燥し、卓上型粉砕機で粉砕して、黄白色の白土含有脂肪酸金属塩組成物(白土含有ナトリウム石鹸)の粉末1170gを得た。加水分解時の水分が多かったにもかかわらず、得られた粉末中の油脂分は4.8重量%であり、廃白土中に含有されていた油脂の約85%が脂肪酸ナトリウムに変換されていた。
【0036】
得られた粉末状の白土含有脂肪酸金属塩組成物(白土含有ナトリウム石鹸)をフタ付のガラスビンに1g量り取り、水50gを加えて50回震盪すると非常に良く起泡し、30分後の泡もちも良好であった。
【0037】
また、この白土含有脂肪酸金属塩組成物を、水を含ませたスポンジに付け、油性インキを塗ったガラス製のビーカーの表面を磨くと、市販のクレンザーと同等の研磨・洗浄効果があった。また、機械油の付いたコンクリート製床にこの白土含有脂肪酸金属塩組成物を撒き、水で湿らせたデッキブラシでブラッシングして洗浄したところ、機械油は除去されて、きれいな床となった。
【0038】
〔比較例1〕
リパーゼとしてアマノ30Gの0.5gのみを使用した他は実施例1と同様にして白土含有脂肪酸金属塩組成物の粉末を得た。得られた粉末中の油脂分は13.0重量%であり、廃白土中の油脂分の59%が脂肪酸ナトリウムに変換されるにとどまった。
【0039】
〔比較例2〕
リパーゼとしてリポザイムTLの0.5gのみを使用した他は実施例1と同様にして白土含有脂肪酸金属塩組成物の粉末を得た。得られた粉末中の油脂分は12.2重量%であり、廃白土中の油脂分の62%が脂肪酸ナトリウムに変換されるにとどまった。
【0040】
〔実施例2〕
パーム油を処理した廃白土(含油脂分39.1重量%)1kgを小型ニーダーに入れ、ポルトランドセメント粉末70gを加え、均一になるまで攪拌・混合した。
【0041】
次いで、P点が45℃のリパーゼ(名糖産業(株)製:商品名リパーゼOF)0.2g、及びリポザイムTLの0.1gを140gの水に溶解した水溶液を、ニーダー内に30分間かけて滴下し、均一に混合した。
【0042】
得られた混合物は、湿った粉体が数mm〜1cm程度に造粒された粒状物になった。滴下終了時の温度は約35℃であり、反応を完結させるためにビーカーに移し、室温下で熟成した。発熱は継続し、熟成開始から1時間後に混合物の中心部温度は66℃となったのでこのまま放置した。
【0043】
熟成開始から48時間後、完全に固化した粒状物を卓上型粉砕機で粉砕後、60℃で通風乾燥し、粉末状の白土含有パーム油脂肪酸カルシウム1135gを得た。この粉末中の油脂分は2.4重量%であって、廃白土に含有された油脂の約93%が脂肪酸カルシウムに変換されていた。また、この粉末は、白土を含有し、非常に撥水性が高く、粉体流動性にも優れていた。
【0044】
〔比較例3〕
リパーゼとしてリパーゼOFの0.3gのみを使用した他は実施例2と同様にして白土含有脂肪酸金属塩組成物の粉末を得た。得られた粉末中の油脂分は8.2重量%であり、廃白土中の油脂分の78%が脂肪酸カルシウムに変換されるにとどまった。
【0045】
〔比較例4〕
リパーゼとしてリポザイムTLの0.3gのみを使用した他は実施例2と同様にして白土含有脂肪酸金属塩組成物の粉末を得た。得られた粉末中の油脂分は13.2重量%であり、廃白土中の油脂分の62%が脂肪酸カルシウムに変換されるにとどまった。
【0046】
〔実施例3〕
中和剤として粉末炭酸カルシウム87.5g、リパーゼとしてリパーゼOFの0.25g、及びP点が55℃のリパーゼ(名糖産業株式会社製:商品名リパーゼQL)0.25gを用いた他は実施例1と同様にして白土含有脂肪酸金属塩組成物の粉末を得た。
【0047】
得られた粉末中の油脂分は1.7重量%であって、廃白土に含有された油脂の約84%が脂肪酸カルシウムに変換されていた。また、この粉末は、白土を含有し、非常に撥水性が高く、粉体流動性にも優れていた。
【0048】
【発明の効果】
本発明の効果は、リパーゼによる加水分解率が高く、反応系中の水分含量の自由度が高く、原料の混合が均一に行え、製造物の用途範囲の広い、良好な白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法を提供したことにある。

Claims (4)

  1. 油脂の処理に使用した廃白土に、中和剤を均一に混合させた後、リパーゼの水溶液又は分散液を添加し、油脂の加水分解反応と脂肪酸の中和反応とを略同時に行わせる白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法において、上記リパーゼとして、少なくとも、加水分解活性ピーク温度が10℃以上異なる2種のリパーゼを用いることを特徴とする白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法。
  2. 上記加水分解活性ピーク温度が10℃以上異なる2種のリパーゼのうちの一方のリパーゼの加水分解活性ピーク温度が55℃以下であり、且つ他方のリパーゼの加水分解活性ピーク温度が50℃以上である、請求項1記載の白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法。
  3. 上記加水分解活性ピーク温度が10℃以上異なる2種のリパーゼの加水分解活性ピーク温度差が、10〜45℃である、請求項1又は2記載の白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法。
  4. 上記加水分解活性ピーク温度が10℃以上異なる2種のリパーゼの使用量は、いずれか一方の使用量が他方の使用量の重量の4倍を超えず、且つ、全リパーゼ重量に対して、上記加水分解活性ピーク温度が10℃以上異なる2種のリパーゼの合計量が70重量%以上である、請求項1〜3の何れかに記載の白土含有脂肪酸金属塩組成物の製造方法。
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