JP3948765B2 - 硬化性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この出願発明はチキソトロピー性に優れた湿分硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
反応性ケイ素基を有するポリマーは湿分存在下で架橋硬化するが、このポリマー中で、例えば主鎖骨格がポリオキシプロピレンであるものを用いた硬化性組成物は、室温では液状で硬化によりゴム弾性体となる特性を有し、建築用シーラント、工業用シーラント、弾性接着剤等に広く用いられている。
これら硬化性組成物を目地に充填したり被着体に塗工したりすることにより施工する際、作業性を向上させる目的でタレ防止剤が使用される。タレ防止剤は組成物の粘度とチキソトロピー性を高めることによって作業性を向上させている。タレ防止剤としては、これまでポリアマイドワックスや水添ひまし油等の有機化合物が使われているが、分散性が高いとは言えず、混合物は不透明であり、加熱処理をしないと特性が発現しにくく、粘度が不安定という問題がある。
一方、乾式法で製造される無機の表面シラノール基親水性微粉末シリカは、室温混合で容易に透明組成物が得られる特長があるが、表面シラノール基の反応性のためと考えられる組成物の粘度不安定が生じる。
また、シリカ表面をヘキサメチルシラザンやジメチルジクロルシラン等のシラン化合物(シリル化剤)で処理して疎水性にした疎水性微粉末シリカを使用すると、増粘性やチキソトロピー性が小さいという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この出願発明は、これらの問題を解決するモノであり、粘性とチキソトロピー性に優れ、透明性に優れる反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン系重合体の硬化性組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この出願発明者は上記課題を解決するために鋭意検討の結果、チキソ性付与剤としてポリエーテル変性タイプポリシロキサン表面処理シリカ微粉末を用いることにより、上記課題が解決できることを見い出し、この出願発明を完成した。
すなわち、この出願発明は、(a)1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体、及び(b)ポリエーテル変性タイプポリシロキサンで表面処理したシリカ微粉末を含有する硬化性組成物に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
この出願発明で用いられる(a)1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体の主鎖骨格は、本質的に一般式(1)で示される繰り返し単位を有するものである。
−R1−O− (1)
(式中、R1は2価のアルキレン基)
【0006】
一般式(1)におけるR1は、炭素数1〜14の、さらには2〜4の、直鎖状もしくは分岐状アルキレン基が好ましい。
一般式(1)で示される繰り返し単位の具体例としては、
−CH2O−、−CH2CH2O−、−CH2CH(CH3)O−、
−CH2CH(C2H5)O−、−CH2C(CH3)2O−、
−CH2CH2CH2CH2O−
等が挙げられる。
【0007】
オキシアルキレン重合体の主鎖骨格は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特にプロピレンオキシドを主成分とする重合体から成るのが好ましい。また、重合体の主鎖にはアルキレン基以外の繰り返し単位が含まれていてもよい。この場合、重合体中のオキシアルキレン単位の総和が80重量%以上、特には90重量%以上が好ましい。
【0008】
(a)成分中に含有される反応性ケイ素基は、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有しシロキサン結合を形成することにより架橋しうる基である。
【0009】
代表例としては、一般式(2)
−(SiR2 2-aXaO)p−SiR3 3-bXb (2)
(式中、R2およびR3は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基またはR4SiO−(R4は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR4は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R2またはR3が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を示し、Xが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0、1または2を、bは0、1、2または3を、それぞれ示す。また、p個の一般式(3)で表される基、
−SiR2 2-aXaO− (3)
におけるaは同一であってもよく、異なっていてもよい。pは0〜19の整数を示す。但し、(aの和)+b≧1を満足するものとする。)
で表わされる基があげられる。
【0010】
上記Xで示される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。具体的には、例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの内では、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基およびアルケニルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱やすいという観点からアルコキシ基が特に好ましい。
【0011】
この加水分解性基や水酸基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(aの和)+bは1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0012】
前記反応性ケイ素基を形成するケイ素原子は1個でもよく、2個以上であってもよいが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個程度あってもよい。
なお、一般式(4)
−SiR3 3-bXb (4)
(式中、R3,X,bは前記と同じ)
で表わされる反応性ケイ素基が、入手が容易である点から好ましい。
【0013】
また、上記一般式(3)、(4)におけるR2およびR3の具体例としては、たとえば、メチル基、エチル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基などのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基や、R4がメチル基などのアルキル基、フェニル基などのアリール基であるR4 3SiOーで示されるトリオルガノシロキシ基等があげられる。R2、R3としてはメチル基が、R4としてはメチル基、フェニル基が特に好ましい。
【0014】
反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行えばよい。すなわち、例えば以下の方法が挙げられる。
(イ) 分子中に水酸基等の官能基を有するオキシアルキレン重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基および不飽和基を有する有機化合物を反応させ、不飽和基を含有するオキシアルキレン重合体を得る。もしくは、不飽和基含有エポキシ化合物との共重合により不飽和基含有オキシアルキレン重合体を得る。ついで得られた反応生成物に不飽和基と反応しうる基及び反応性ケイ素を有する化合物を反応させる。不飽和基と反応しうる基及び反応性ケイ素基を有する化合物として反応性ケイ素基を有するヒドロシランや反応性ケイ素基を有するメルカプト化合物があげられる。
(ロ) 分子中に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等の官能基を有するオキシアルキレン重合体に、この官能基に対して反応性を示す官能基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる。以上の方法のなかで、(イ)の方法、または(ロ)の方法のうち、末端に水酸基を有する重合体とイソシアネート基および反応性ケイ素基を有する化合物を反応させる方法が好ましい。
【0015】
(a)成分の重合体は、直鎖状の重合体でも分岐を有する重合体でもよく、その分子量は500〜50,000程度、より好ましくは1,000〜30,000である。含有される反応性ケイ素基は重合体1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在するのがよい。分子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性が不充分になり、また多すぎると網目構造があまりに密となるため良好な機械特性を示さなくなる。
【0016】
(a)成分の具体例としては、特公昭45−36319号、同46−12154号、特開昭50−156599号、同54−6096号、同55−13767号、同55−13468号、同57−164123号、特公平3−2450号、米国特許3,632,557、米国特許4,345,053、米国特許4,366,307、米国特許4,960,844等の各公報に提案されているもの、また特開昭61−197631号、同61−215622号、同61−215623号、同61−218632号の各公報に提案されている数平均分子量6,000以上、Mw/Mnが1.6以下の高分子量で分子量分布が狭いオキシアルキレン系重合体が例示できるが、特にこれらに限定されるものではない。
上記の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体は、単独で使用してもよいし2種以上併用してもよい。また、反応性ケイ素基を有するビニル系重合体をブレンドしてなるオキシアルキレン重合体も使用できる。
【0017】
反応性ケイ素基を有するビニル系重合体をブレンドしてオキシアルキレン重合体を製造する方法は、特開昭59−122541号、同63−112642号、同特開平6−172631号等に提案されている。
【0018】
好ましい具体例は、反応性ケイ素基を有し分子鎖が実質的に、下記一般式(5)で表される炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸エステル単量体単位および(または)メタアクリル酸エステル単量体単位と、下記一般式(6)で表される炭素数10以上のアルキル基を有するアクリル酸エステル単量体単位および(または)メタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる共重合体に、反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体をブレンドして製造する方法である。
【0019】
−CH2−C(R6)(COOR5)− (5)
(式中、R5は炭素数1〜8のアルキル基、R6は水素原子またはメチル基を示す)
−CH2−C(R6)(COOR7)− (6)
(式中、R6は前記に同じ、R7は炭素数10以上のアルキル基を示す)
前記一般式(5)のR5としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基などの炭素数1〜8、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル基があげることができる。なお、一般式(5)で表される単量体単位は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
前記一般式(6)のR7としては、たとえばラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、炭素数22のアルキル基、ベヘニル基などの炭素数10以上、通常は10〜30、好ましくは10〜20の長鎖のアルキル基があげられる。なお、一般式(6)で表される単量体単位は1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
【0020】
このビニル系共重合体の分子鎖は、実質的に(5)及び式(6)の単量体単位からなるが、ここでいう実質的にとは、この共重合体中に存在する式(5)及び式(6)の単量体単位の合計が50重量%をこえることを意味する。式(5)及び式(6)の単量体単位の合計は好ましくは70重量%以上である。
【0021】
また、式(5)の単量体単位と式(6)の単量体単位の存在比は、重量比で95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40がさらに好ましい。
この共重合体に含有されていてもよい式(5)及び式(6)以外の単量体単位としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸などのアクリル酸;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアミド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基を含む単量体;その他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレンなどに起因する単量体単位があげられる。
【0022】
この共重合体は、数平均分子量で500〜100,000のものが取り扱いの容易さの点から好ましい。
この共重合体が有する反応性ケイ素基としてはこの出願発明に用いる(a)成分のオキシアルキレン重合体中の反応性ケイ素基と同じものを用いることができる。
この共重合中の反応性ケイ素基の個数は充分な硬化性を得る点から平均1個以上、さらには1.1個以上、とくには1.5個以上が好ましく、また見かけ上反応性ケイ素基1個当りの数平均分子量が300〜4,000になるように存在することが好ましい。
【0023】
さらに、反応性ケイ素官能基を有するビニル系重合体をブレンドしてオキシアルキレン重合体を製造する方法としては、他にも、反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体の存在下で(メタ)アクリル酸エステル系単量体の重合を行う方法が利用できる。この製造方法は、特開昭59−78223号、特開昭59−168014号、特開昭60−228516号、特開昭60−228517号等の各公報に具体的に開示されているが、これらに限定されるものではない。
【0024】
この出願発明の(b)成分に用いられるシリカは、ケイ素ハロゲン化合物の火炎加水分解により生成されたいわゆるヒュームドシリカと称されるものが好ましく、市販のシリカ微粉体としては例えば以下のような商品名で市販されているものがある。
AEROSIL 50、130、200、300、380,OX50、TT600、MOX80、MOX170(以上日本アエロジル社)、REOLOSILQSー10、QS−20、QS−102、QS−30、QS−40(以上トクヤマ社)、Cabosil M−5、MS−7、MS−75、HSー5、EHー5(以上CABOT社)、Wacker HDK N20、T30、T40(以上WACKER CHEMIE社)
【0025】
この出願発明に用いられるシリカ微粉体の処理剤であるオルガノポリシロキサンとしては、オルガノポリシロキサンとして知られている重合体であればどのようなものでも使用できる。
オルガノポリシロキサンの粘度は2cStから1,000cSt(25℃)、特には5cStから500cSt、さらには5cStから100cSt、が望ましい。2cSt以下だと揮発しやすく加熱処理することができない。1,000cSt以上だと粘度が高すぎシリカを均一に処理することができない。
【0026】
ポリエーテル変性タイプポリシロキサンの具体例としては、次の一般式で示される重合体鎖を有するオルガノポリシロキサンを例示できる。
XR2Si−O(SiR2O)n−SiR2X
(式中、Xはアルキル基、水酸基、アルコキシ基より選ばれる基、Rはアルキル基、フェニル基、ポリエーテル基、ポリエーテル置換アルキル基、エポキシ置換アルキル基、カルビノール基より選ばれる基を表し、複数個存在するRは同一であっても異なっていてもよい、nは1から500の整数を表す。ただし、Rの少なくとも1つはポリエーテル鎖を有する基。)
上記式中、RやXがアルキル基の場合メチル基、エチル基などを例示できる。
【0027】
オルガノポリシロキサンとしては、例えば以下のような商品名で市販されているものがある。
KF96L、KF96(以上ジメチルタイプ)、KF99(メチルハイドロジェンタイプ)、KF50(メチルフェニルタイプ)、KF410(アルキル変性タイプ)、KF351、KF351A、KF353、KF355、KF615、KF618、KF945、KF907、Xー22ー6008、KF6011(以上ポリエーテル変性タイプ)、KF851(アルコール変性タイプ)、X-22-819(フッ素変性タイプ)、KF910(高級脂肪酸エステル変性タイプ)、X-22-3500(カルナバ変性タイプ)、KF3935(アミド変性タイプ)、KF393(アミノ変性タイプ)KF105(エポキシ変性タイプ)、X-22-162A(カルボキシル変性)、KF6001(カルビノール変性タイプ)、X-22-164B、X-22-5002(以上メタクリル変性タイプ)、X-22-3667、X-22-3939A(ポリエーテル基及び異種官能基変性タイプ)等(以上信越化学工業社)、SH200、SH550、SH1107、SH8411、SH8416、SH8400、OFS546、818B等(以上東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、TSF451、TSF431、TSF483、TSF4420、TSF4730等(東芝シリコーン社)
【0028】
上記式中、Rがポリエーテル基のような変性オルガノポリシロキサンであるとき、有機基の位置はポリシロキサンの側鎖、末端どちらであっても構わない。オルガノポリシロキサンの中では、ポリエーテル鎖が側鎖或いは末端に結合したポリエーテル変性タイプポリシロキサンが、粘性とチキソトロピー性に特に優れる点で特に好ましい。
【0029】
これらの表面処理シリカの製法としてはシリカ粉体(例えばAEROSIL200)を密閉型ヘンシェルミキサーに入れ、シリカ100部に対して3〜40重量部のオルガノポリシロキサン(例えばKF96ー50cst)を高速で攪拌しながら滴下して加える。均一に処理するためオルガノポリシロキサンはヘキサン等の溶剤で希釈するのが好ましい。滴下後、100〜400℃に加熱処理することによりオルガノポリシロキサンはシリカ表面に化学的に結合される。オルガノポリシロキサンの処理量が3重量部以下であるとシリカ表面を十分に覆えないため、シラノール基が残存して好ましくない。40重量部以上では経済的でない。
【0030】
この出願発明の組成物は、必要に応じて種々の可塑剤を使用することができる。これらの添加量は、オキシアルキレン重合体100重量部に対して、可塑剤の総量が0.1〜150重量部の範囲になるように使用すると好ましい結果が得られる。150重量部をこえると液状成分が多くなり改善効果が小さくなる。
【0031】
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどの如きフタル酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ベンジルなどの如きエポキシ可塑剤類;2塩基酸と2価アルコールとのポリエステル類などのポリエステル系可塑剤;ポリプロピレングリコールやその誘導体などのポリエーテル類;ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレン類;ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、塩素化パラフィン類などの可塑剤が単独または2種類以上の混合物の形で任意に使用できる。
【0032】
この出願発明には、(a)成分の一分子中に少なくとも一個の反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン系重合体の硬化反応を促進する硬化触媒を使用してよい。この触媒は、従来公知のシラノール縮合触媒(硬化触媒)を広く使用することができる。
【0033】
その具体例としては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネートなどのチタン酸エステル類;ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズなどのスズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナート;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナートなどのキレート化合物類;オクチル酸鉛;ナフテン酸鉄;ビスマス−トリス(2−エチルヘキソエート)などのビスマス化合物;ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリアタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)などのアミン系化合物、あるいはこれらアミン系化合物のカルボン酸などとの塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;などのシラノール縮合触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒などの公知のシラノール縮合触媒が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
【0034】
これらのシラノール縮合触媒の使用量は、オキシアルキレン重合体100重量部に対して0.1〜20重量部程度が好ましく、1〜10重量部程度が更に好ましい。オキシプロピレン重合体に対してシラノール縮合触媒の使用量が少なすぎると、硬化速度が遅くなり、また硬化反応が充分に進行しにくくなるので、好ましくない。一方、オキシアルキレン重合体に対してシラノール縮合触媒の使用量が多すぎると、硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な硬化物が得られにくくなるので、好ましくない。
【0035】
この出願発明には、硬化物の物性の調整や組成物中の水分を除去するため、湿分の存在下で反応する加水分解性官能基を有する低分子量シリコン化合物を併用してよい。分子量としては500以下のものが好ましい。また、この化合物は官能性の置換基を有することが好ましい。
【0036】
加水分解性官能基としては、アルコキシ基、アシロキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミノオキシ基、アミド基、アルケニルオキシ基などが例示できる。
【0037】
また、置換基としてはエポキシ含有基、アミノ含有基、アクリル含有基、メルカプト含有基などが例示できる。このような化合物の例としてシランカップリング剤があげられる。これらのシラン化合物は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。
また、この出願発明の組成物には、更に必要に応じてこの他の脱水剤、物性調整剤、充填剤、老化防止剤などの各種添加剤を適宜添加できる。
以下、実施例によりこの出願発明を具体的に説明する。
【0038】
【実施例】
合成例1
ケイ素ハロゲン化合物の火炎加水分解により生成されたシリカ微粉体(AEROSIL200、日本アエロジル社製)100重量部を密閉型ヘンシェルミキサーに入れ、窒素置換しながら攪拌し、これに処理剤として粘度50cstの末端メチル封止ジメチルポリシロキサン(KF96、信越化学工業社製)20重量部を噴霧混合した後、250℃で30分加熱攪拌処理して表面ジメチルポリシロキサン処理シリカ(A)を得た。
【0039】
合成例2
処理剤のポリシロキサンがポリエーテル変性シリコーンオイルKF618(信越化学工業社製)とした他は合成例1と同様に行ってポリシロキサン処理シリカ(B)を得た。
【0040】
合成例3
処理剤のポリシロキサンがポリエーテル変性シリコーンオイルKF351A(信越化学工業社製)とした他は合成例1と同様に行ってポリシロキサン処理シリカ(C)を得た。
【0041】
合成例4
処理剤のポリシロキサンがエポキシ変性シリコーンオイル818B(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)とした他は合成例1と同様に行ってポリシロキサン処理シリカ(D)を得た。
【0042】
合成例5
処理剤のポリシロキサンが両末端水酸基変性シリコーンオイルOFS546(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)とした他は合成例1と同様に行ってポリシロキサン処理シリカ(E)を得た。
【0043】
参考例1
1分子あたり平均1.4個のメチルジメトキシシリル基
−Si(CH3)(OCH3)2
を含有する数平均分子量8,000のプロピレンオキシド重合体60重量部と、1分子あたり平均2.2個のメチルジメトキシシリル基を含有する数平均分子量9,000のプロピレンオキシド重合体40重量部の混合物にタレ防止剤として合成例1の表面ジメチルポリシロキサン処理シリカ(A)3重量部を粉末のまま直接添加し、さらに可塑剤としてDOP(ジオクチルフタレート)50重量部、フィラーとして表面処理膠質炭酸カルシウム100重量部、重質炭酸カルシウム35重量部を加えた。予めヘラで混練りした後、小型3本ペイントロールに3回通し、組成物を得た。
得られた組成物をガラス容器(K−5)に入れ23℃で15日間保存した。これを23℃にてBS型粘度計を用い粘度とチキソトロピー性を測定した。結果を表1に示した。粘度は2rpm時の粘度値を示す。粘比は2rpm時の粘度と10rpm時の粘度との比により求めた。
【0044】
【表1】
【0045】
参考例2
タレ防止剤として、表面ジメチルポリシロキサン処理シリカ市販品RY200S(日本アエロジル社品)をそのまま用いた以外は参考例1と同様にして実施した。
【0046】
比較例1〜2
タレ防止剤として、表面シラン処理疎水性処理シリカR972、RX200(日本アエロジル社品)をそのまま用いた以外は実施例1と同様にして実施した。
【0047】
比較例3
タレ防止剤を用いなかった以外は実施例1と同様にして実施した。
【0048】
参考例3
1分子あたり平均1.4個のメチルジメトキシシリル基
−Si(CH3)(OCH3)2
を含有する数平均分子量8,000のプロピレンオキシド重合体60重量部と、1分子あたり平均2.2個のメチルジメトキシシリル基を含有する数平均分子量9,000のプロピレンオキシド重合体40重量部の混合物にタレ防止剤として、合成例1の表面ジメチルポリシロキサン処理シリカ(A)を3重量部用い予めヘラで混練りした後、小型3本ペイントロールに2回通し、組成物を得た。得られた組成物を直径3.6cmのガラス容器(K−8)に入れ23℃で7日間保存した。これを23℃にてBH型粘度計を用い粘度とチキソトロピー性を測定した。結果を表2及び表3に示した。粘度は2rpm時の粘度値を示す。粘比は2rpm時の粘度と10rpm時の粘度との比により求めた。透明性は直径3.6cmのガラス容器(K−8)に入れたサンプルを目視観察した。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
参考例4
タレ防止剤として、表面ジメチルポリシロキサン処理シリカ市販品RY200S(日本アエロジル社品)をそのまま用いた以外は参考例3と同様にして実施した。
【0052】
実施例1
タレ防止剤として、合成例2の表面ポリエーテル変性シリコーン処理シリカ(B)を用いた以外は参考例3と同様にして実施した。
【0053】
実施例2
タレ防止剤として、合成例3の表面ポリエーテル変性シリコーン処理シリカ(C)を用いた以外は参考例3と同様にして実施した。
【0054】
参考例5
タレ防止剤として、合成例4の表面エポキシ変性シリコーン処理シリカ(D)を用いた以外は参考例3と同様にして実施した。
【0055】
参考例6
タレ防止剤として、合成例5の表面両末端水酸基変性シリコーン処理シリカ(E)を用いた以外は参考例3と同様にして実施した。
【0056】
比較例4〜7
タレ防止剤として、表面シラン処理疎水性処理シリカR972、RX200(日本アエロジル社品)、水添ひまし油、脂肪族アマイドワックスをそのまま用いた以外は参考例3と同様にして実施した。
【0057】
比較例8
タレ防止剤を用いなかった以外は参考例3と同様にして実施した。
【0058】
【発明の効果】
以上述べたように、この出願発明の硬化性組成物は、粘性とチキソトロピー性に優れ、透明性に優れた組成物を提供することができる。
Claims (6)
- (a)1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体、及び(b)ポリエーテル変性タイプポリシロキサンで表面処理したシリカ微粉末を含有することを特徴とする硬化性組成物。
- シリカがケイ素ハロゲン化合物の火炎加水分解により生成されたシリカであり、その比表面積が窒素吸着法(BET法)により20m2/g〜400m2/gであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
- ポリエーテル変性タイプポリシロキサンが次の一般式で示される重合体であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
XR2Si−O(SiR2O)n−SiR2X
(式中、Xはアルキル基、水酸基、アルコキシ基より選ばれる基、Rはアルキル基、フェニル基、ポリエーテル基、ポリエーテル置換アルキル基、エポキシ置換アルキル基、カルビノール基より選ばれる基を表し、Rは同一であっても異なっていてもよく、nは1から500の整数を表す。ただし、Rの少なくとも1つはポリエーテル鎖を有する基。) - ポリエーテル変性タイプポリシロキサンの処理量がシリカ100重量部に対して3から40重量部である請求項1に記載の硬化性組成物。
- (a)1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体、及び(b)ポリエーテル変性タイプポリシロキサンで表面処理したシリカ微粉末を含有することを特徴とするシーラント用硬化性組成物。
- (a)1分子中に少なくとも1個の反応性ケイ素基を含有するオキシアルキレン重合体、及び(b)ポリエーテル変性タイプポリシロキサンで表面処理したシリカ微粉末を含有することを特徴とする接着用硬化性組成物。
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