JP3947714B2 - 帯板巻取り張力付与装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば幅広な金属性帯板を該帯板の長手方向に沿って複数条に裁断するスリッターラインにおいて、金属性帯板のスリット後に各スリット帯板を巻取る際に生じる張力の不均衡を調整し、均等な巻取り張力を付与することのできる帯板巻取り張力付与装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧着フェルトによる擦り傷や圧着マークが帯板の表面に付着しても問題にならないコイル材にはフェルト圧着方式の「テンションパッド」が多く用いられ、光沢のあるメッキ処理など施した材料やステンレス材や光沢仕上げの非鉄金属材などの巻取りに対しては、当社で開発したプーリとエンドレスベルトを備えたベルト可動式(商標名「ベルトブライドル」)が利用されている。
一般的なスリッターラインでは、高級な表面処理のコイルとそうでないコイルが混在しているので、当社ではベルトブライドルとテンションパッドを上下2段に装備した機種(コンビネーション型)を開発して、処理材のグレードに合わせて、ベルト式とフェルト式を切り替えて利用できるようにした。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上下4段のフレームを有しており、昇降切替と圧下状態への切替のために各フレーム間には特殊な連結装置bを工夫しているが、大型な構造の複雑で高価な装置となる一因でもあり、又連結装置bの不具合に起因して上下のフレームの落下事故につながる危険性もある。(図14参照)
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、装置を小型化して回転させるだけの簡単な操作で安全に、帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体と帯板圧着面非可動型圧力付与体とに切り替えることのできる帯板巻取り張力付与装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、上下に相対向して略長円形状態で循環動自在に張設され且つ幅方向に複数並設されたエンドレスベルト、上下のエンドレスベルトが各々略長円形状態で循環動自在に張設される一対のプーリ、上下の各エンドレスベルトの内側表面を押圧する各ベルト押圧部を有する上下の圧力付与体とから各々構成される上下一対の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の片側に、上記エンドレスベルトを跨いで帯板圧着面非可動型圧力付与体を設け、各エンドレスベルトの外側表面の摩擦係数を内側表面の摩擦係数より大にし、上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体による圧着時には上下の各エンドレスベルトを帯板の上下両面に押し付け圧着し、各エンドレスベルトを移動する各帯板との摩擦係合で駆動し、移動する各帯板と一体となって各エンドレスベルトを独立して上記圧力付与体の外周を循環動する構成にすると共に、帯板圧着面非可動型圧力付与体が設けられた上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を各々水平軸回りに回転自在に支持し、帯板上下両面への圧着を帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体と帯板圧着面非可動型圧力付与体とに回転切り替え自在とした手段よりなるものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、上下に相対向して略円形状態で循環動し且つ幅方向に複数並設されたエンドレスベルト、上下の各エンドレスベルトがその外周を並設状態で循環動し且つエンドレスベルトの内側表面を押圧するベルト押圧部を有する上下の圧力付与体とから各々構成される上下一対の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の片側に、上記エンドレスベルトを跨いで帯板圧着面非可動型圧力付与体を設け、並設状態で循環動する各エンドレスベルトを分割ガイドするベルトガイド用突起を上記の各圧力付与体の外周に設け、各エンドレスベルトの外側表面の摩擦係数を内側表面の摩擦係数より大にし、上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体による圧着時には上下の各エンドレスベルトを帯板の上下両面に押し付け圧着し、各エンドレスベルトを移動する各帯板との摩擦係合で駆動し、移動する各帯板と一体となって各エンドレスベルトを独立して上記圧力付与体の外周を循環動する構成にすると共に、帯板圧着面非可動型圧力付与体が設けられた上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を各々水平軸回りに回転自在に支持し、帯板上下両面への圧着を帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体と帯板圧着面非可動型圧力付与体とに回転切り替え自在とした手段よりなるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に記載の発明の実施の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0008】
〔実施の形態−1〕
ここで、図1は全体側面図、図2は装置の全体正面図、図3は装置の側断面図、図4は装置の要部の側面図、図5(A)は図4のA−A矢視断面図、図5(B)は図5(A)のB部拡大図、図6は使用説明図、図7は組み合わせの説明図である。
【0009】
帯板巻取り張力付与装置は、図示しないスリット帯板巻取装置に巻き取られるスリット帯板aに所定の巻き取り張力を付与する装置で、図示しないスリット帯板巻取装置の前方側でスリット帯板aの移動通路の途中に配置されている。
【0010】
帯板巻取り張力付与装置は、上下に相対向して略長円形状態で循環動自在に張設され且つ幅方向に複数並設されたエンドレスベルト1と、上下のエンドレスベルト1が各々略長円形状態で循環動自在に張設される一対の上部プーリ21、下部プーリ31、エンドレスベルト1の内側表面1aを押圧する上下一対の上部圧力付与体22、下部圧力付与体32とから各々構成される上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2及び下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3、両圧力付与体22,32を支持するスタンド4、上部圧力付与体22に圧下力を付与する液圧シリンダ5、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2に設けられた上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6、下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3に設けられた下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7などから主に構成されている。
【0011】
上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2は、幅方向に並設され各一対の上部プーリ21の間に循環動自在に張設されたエンドレスベルト1と、エンドレスベルト1の内側表面1aを押圧する上部圧力付与体22とから構成されている。上部圧力付与体22は上部側に並設して配置されたエンドレスベルト1を下方に押圧し、一方、下部圧力付与体32は下部側に並設して配置された複数のエンドレスベルト1を反力により上方に押圧する。上部圧力付与体22と下部圧力付与体32とは協働して、上下に相対向する各エンドレスベルト1同士の間を通過するスリット帯板aをエンドレスベルト1を介して間接的に上下から同一の押圧力で挟圧して、一定の張力を付与するものである。
【0012】
エンドレスベルト1は、スリット帯板aの移動方向に循環動自在に配置され、これが横方向つまりスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に複数並設して配置され、更にこれらが上下に相対向して配置されている。
【0013】
上下に配置され且つ横方向に並設された各エンドレスベルト1は、無端状のベルトから構成され、上部側に配置された一対の各上部プーリ21間、及び下部側に配置された一対の各下部プーリ31間に、それぞれ独立して略長円形状態で循環動自在に張設されている。各エンドレスベルト1は独立してスリット帯板aの移動方向に循環動できるように装着されている。
【0014】
エンドレスベルト1の外側表面1bは、スリット帯板aと一体となってスリット帯板aを移動させる機能を果たすものである。これに対し、エンドレスベルト1の内側表面1aは、上部圧力付与体22のベルト押圧部22a及び下部圧力付与体32のベルト押圧部32aとの間の滑りによる摩擦力で、スリット帯板aに張力を発生させる機能を果たすものである。このため、エンドレスベルト1の内側表面1aは外側表面1bより摩擦係数が小さく滑り易いようになっている。
【0015】
エンドレスベルト1の内側表面1aは、織布の各繊維間及び編み目の凹部に潤滑剤を含浸できるように、合成繊維による織布とし、エンドレスベルト1の外側表面1bは、摩擦係数の高い可撓性の材料で密着構成されている。
【0016】
この織布をエンドレスベルト1の内側表面1aに用いることで、織布の各繊維間及び編み目の凹部に潤滑剤をあらかじめ染み込ませて摩擦係数を小さく出来るし、織布は固体の板状の材質とは異なり可撓性が大きい特徴があるので、圧力付与体22,32に押圧されたエンドレスベルト1の回転抵抗が小さい。織布は合成繊維のポリエステルやビニロン、ナイロンなどの素材を利用できる。
【0017】
また、エンドレスベルト1の外側表面1bは、内側表面1aよりも摩擦係数の大なる材質で形成されていてもよい。つまり、エンドレスベルト1の内側表面材は耐摩性の材料、例えば低い摩擦係数の軟質の合成樹脂系材を使用し、外側表面材は高い摩擦係数を有する弾性体、例えばゴムや合成樹脂材等を用いて構成されている。さらに、エンドレスベルト1の内側表面1aと上部圧力付与体22及び下部圧力付与体32の滑り面に潤滑剤を塗布する方法を用いて、エンドレスベルト1の内側表面1aの摩擦係数が外側表面1bの摩擦係数より小さくなるように構成してもよい。
【0018】
一対の上部プーリ21は、前記上部圧力付与体22を挟んでその前後側に各々配置されている。上部圧力付与体22の前後側にはそれぞれプーリ軸21aが並設されたエンドレスベルト1の幅方向に配置されており、前後側の各プーリ軸21aに複数の上部プーリ21がそれぞれ独立して回転自在に軸支されている。前側のプーリ軸21aはその両端側が上部圧力付与体22の前側の両端側に連結支持され、また、後側のプーリ軸21aはその両端側が上部圧力付与体22の後側の両端側に連結支持されている。
【0019】
各エンドレスベルト1は上部圧力付与体22の前後側の各プーリ軸21aに軸支された上部プーリ21の間に張設されている。即ち、各上部プーリ21は独立してスリット帯板aの移動方向に向けて回転できるように軸支されている。これにより、各エンドレスベルト1は独立してスリット帯板aの移動方向に循環動できるようになっている。
【0020】
一対の各上部プーリ21は円形の形状を有し、又円周縁側には溝型の案内つば21bがそれぞれ形成されていて、各エンドレスベルト1はこの溝型の案内つば21bによって両幅端側がガイドされて、隣のエンドレスベルト1との接触が防がれている。また、上部圧力付与体22の前後側の各プーリ軸21aに軸支された各上部プーリ21は、エンドレスベルト1の幅方向にずれないように各隣同士の上部プーリ21の間には図示しないボールベアリングや分割保持リングなどがプーリ軸21aに装着されている
【0021】
エンドレスベルト1が張設された一対の各上部プーリ21は上部圧力付与体22の前後側の各プーリ軸21aに遊転自在に軸支されていて、各上部プーリ21にはエンドレスベルト1を循環動させる駆動源は設けられてなく、エンドレスベルト1は移動するスリット帯板aとの摩擦係合で循環動する以外に、自力で循環動することがない。つまり、一対の各上部プーリ21間に各々張設されたエンドレスベルト1は、スリット帯板aと接触しない限り循環動することはない。
【0022】
前記上部圧力付与体22は上部側に配置された多数のエンドレスベルト1の内側を挿通する状態で配設されている。このような状態で配設された上部圧力付与体22は、エンドレスベルト1の内側表面1aを直接押圧する側断面が直線状のベルト押圧部22aと、ベルト押圧部22aの上方に平行に設けられ側断面が直線状のベルト通過部22bとから一体的に構成され、また例えば断面方形状に形成されている。上部圧力付与体22はその長手方向がスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に配設され、又エンドレスベルト1の内側を挿通している。
【0023】
ベルト押圧部22aは、スリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する面圧でエンドレスベルト1を介してスリット帯板aを押圧して、スリット帯板aに巻き取り張力を付与する部分である。このため、ベルト押圧部22aは、通過するスリット帯板aに平行になるようにスリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する直線状に形成されている。又横方向に複数並設された各エンドレスベルト1の内側表面1aを均一に押圧できるように形成されている。
【0024】
ベルト押圧部22aによって内側表面1aが押圧されて外側表面1bがスリット帯板aと直に接触するエンドレスベルト1は、外側表面1bがスリット帯板aに密着して滑ることなくスリット帯板aと一体となって同一速度で循環動する。ベルト押圧部22aは、エンドレスベルト1と接触する表面が平坦面に形成されていて、また、エンドレスベルト1の内側表面1aとの間の摩擦が小さくなるように仕上げられている。
【0025】
また、ベルト押圧部22aと接する側の上部圧力付与体22の内部には冷却室22cが各エンドレスベルト1を横断する方向に設けられている。冷却室22cは上部圧力付与体22のベルト押圧部22aによって押圧されるエンドレスベルト1が摩擦熱により過熱するのを冷やすためのものである。冷却室22cの内部は必要に応じて内部仕切板22dによって例えば2つ又はそれ以上に仕切られることもある。また、冷却室22cの内部を複数に仕切る内部仕切板22dの一部は部分的に開口されていて、一部の内部仕切板22dを挟んで両側が部分的に連通していることもある。
【0026】
上部圧力付与体22の内部の冷却室22cを仕切る内部仕切板22dは、内部が冷却室22cによって空洞となる上部圧力付与体22の形状保持の機能を果たす。即ち、エンドレスベルト1を下向きに押圧する上部圧力付与体22には上下方向に圧縮力が作用するが、内部仕切板22dがこれに抵抗して上部圧力付与体22がその長手方向に撓んだり湾曲したりするのを防ぐ機能を果たす。
【0027】
冷却室22cには水冷冷却室と空冷冷却室がある。水冷冷却室は内部に水を流し、空冷冷却室は内部に空気を流すことによって冷却する。水冷冷却室は通板するスリット帯板aの厚みが厚く、通板速度が速いと発生する摩擦熱も大となって、過熱しやすくなるときに使用される。空冷冷却室は通板するスリット帯板aの厚みが薄く通板速度も遅く過熱しにくいときに使用される。
【0028】
下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3は、幅方向に並設され各一対の下部プーリ31の間に循環動自在に張設されたエンドレスベルト1と、エンドレスベルト1の内側表面1aを押圧する下部圧力付与体32とから構成されている。下部圧力付与体32は下部側に並設して配置された複数のエンドレスベルト1を上部圧力付与体22からの反力により上方に押圧する。下部圧力付与体32は前記上部圧力付与体22と協働して、上下に相対向する各エンドレスベルト1同士の間を通過するスリット帯板aをエンドレスベルト1を介して間接的に上下から同一の押圧力で挟圧して、一定の張力を付与するものである。
【0029】
一対の下部プーリ31は、前記下部圧力付与体32を挟んでその前後側に各々配置されている。下部圧力付与体32の前後側にはそれぞれプーリ軸31aが並設されたエンドレスベルト1の幅方向に配置されており、前後側の各プーリ軸31aに複数の下部プーリ31がそれぞれ独立して回転自在に軸支されている。前側のプーリ軸31aはその両端側が下部圧力付与体32の前側の両端側に連結支持され、また、後側のプーリ軸31aはその両端側が下部圧力付与体32の後側の両端側に連結支持されている。
【0030】
各エンドレスベルト1は下部圧力付与体32の前後側の各プーリ軸31aに軸支された下部プーリ31の間に張設されている。即ち、各下部プーリ31は独立してスリット帯板aの移動方向に向けて回転できるように軸支されている。これにより、各エンドレスベルト1は独立してスリット帯板aの移動方向に循環動できるようになっている。
【0031】
一対の各下部プーリ31は円形の形状を有し、又円周縁側には溝型の案内つば31bがそれぞれ形成されていて、各エンドレスベルト1はこの溝型の案内つば31bによって両幅端側がガイドされて、隣のエンドレスベルト1との接触が防がれている。また、下部圧力付与体32の前後側の各プーリ軸31aに軸支された各下部プーリ31は、エンドレスベルト1の幅方向にずれないように各隣同士の下部プーリ31の間には図示しないボールベアリングや分割保持リングなどがプーリ軸31aに装着されている
【0032】
エンドレスベルト1が張設された一対の各下部プーリ31は下部圧力付与体32の前後側の各プーリ軸31aに遊転自在に軸支されていて、各下部プーリ31にはエンドレスベルト1を循環動させる駆動源は設けられてなく、エンドレスベルト1は移動するスリット帯板aとの摩擦係合で循環動する以外に、自力で循環動することがない。つまり、一対の各下部プーリ31間に各々張設されたエンドレスベルト1は、スリット帯板aと接触しない限り循環動することはない。
【0033】
前記下部圧力付与体32は上部側に配置された多数のエンドレスベルト1の内側を挿通する状態で配設されている。このような状態で配設された下部圧力付与体32は、エンドレスベルト1の内側表面1aを直接押圧する側断面が直線状のベルト押圧部32aと、ベルト押圧部32aの下方に平行に設けられ側断面が直線状のベルト通過部32bとから一体的に構成され、また例えば断面方形状に形成されている。下部圧力付与体32はその長手方向がスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に配設され、又エンドレスベルト1の内側を挿通している。
【0034】
ベルト押圧部32aは、スリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する面圧でエンドレスベルト1を介してスリット帯板aを押圧して、スリット帯板aに巻き取り張力を付与する部分である。このため、ベルト押圧部32aは、通過するスリット帯板aに平行になるようにスリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する直線状に形成されている。又横方向に複数並設された各エンドレスベルト1の内側表面1aを均一に押圧できるように形成されている。
【0035】
ベルト押圧部32aによって内側表面1aが押圧されて外側表面1bがスリット帯板aと直に接触するエンドレスベルト1は、外側表面1bがスリット帯板aに密着して滑ることなくスリット帯板aと一体となって同一速度で循環動する。ベルト押圧部32aは、エンドレスベルト1と接触する表面が平坦面に形成されていて、また、エンドレスベルト1の内側表面1aとの間の摩擦が小さくなるように仕上げられている。
【0036】
また、ベルト押圧部32aと接する側の下部圧力付与体32の内部には冷却室32cが各エンドレスベルト1を横断する方向に設けられている。冷却室32cは下部圧力付与体32のベルト押圧部32aによって押圧されるエンドレスベルト1が摩擦熱により過熱するのを冷やすためのものである。冷却室32cの内部は必要に応じて内部仕切板32dによって例えば2つ又はそれ以上に仕切られることもある。また、冷却室32cの内部を複数に仕切る内部仕切板32dの一部は部分的に開口されていて、一部の内部仕切板32dを挟んで両側が部分的に連通していることもある。
【0037】
下部圧力付与体32の内部の冷却室32cを仕切る内部仕切板32dは、内部が冷却室32cによって空洞となる下部圧力付与体32の形状保持の機能を果たす。即ち、エンドレスベルト1を上向きに押圧する下部圧力付与体32には上下方向に圧縮力が作用するが、内部仕切板32dがこれに抵抗して下部圧力付与体32がその長手方向に撓んだり湾曲したりするのを防ぐ機能を果たす。
【0038】
冷却室32cには水冷冷却室と空冷冷却室がある。水冷冷却室は内部に水を流し、空冷冷却室は内部に空気を流すことによって冷却する。水冷冷却室は通板するスリット帯板aの厚みが厚く、通板速度が速いと発生する摩擦熱も大となって、過熱しやすくなるときに使用される。空冷冷却室は通板するスリット帯板aの厚みが薄く通板速度も遅く過熱しにくいときに使用される。
【0039】
各エンドレスベルト1の幅方向に配置された下部圧力付与体32の長手方向の両端側には外側方に向けて支持軸33が各々張り出して設けられており、各支持軸33は門型のスタンド4の上部横桁41の中央に軸支されているので下部圧力付与体32は支持軸33を中心に回転する構造になっており、この回転は手動でも簡単に行うことができる。
【0040】
下部圧力付与体32の両端側に設置されたスタンド4は、上部横桁41と上部横桁41の両端下部を支持する左右の縦桁42から構成される門型形状からなる。スタンド4は上部圧力付与体22及び下部圧力付与体32を支持するもので、上部横桁41の上方には上部圧力付与体22の両端側を支持する上部軸受け43が昇降自在に設けられている。この両側に設置されたスタンド4はその下端が板状のベース45上に固定されている。
【0041】
各エンドレスベルト1の幅方向に配置された上部圧力付与体22の長手方向の両端側には外側方に向けて支持軸23が各々張り出して設けられており、各支持軸23は門型のスタンド4の上部横桁41の上方に昇降軸44を介して昇降自在に設けられた上部軸受け43の中央に回転自在に各々軸支されているので上部圧力付与体22は支持軸23を中心に回転する構造になっており、この回転は手動でも簡単に行うことができる。
【0042】
門型のスタンド4の内側つまり上部横桁41と左右の縦桁42との間には、液圧シリンダ5が設けられている。液圧シリンダ5は上部軸受け43を昇降させると共に昇降する上部軸受け43を介して上部圧力付与体22に、エンドレスベルト1に対する圧下力を付与する。液圧シリンダ5には例えば油圧シリンダが使用される。
【0043】
液圧シリンダ5は下向きに伸縮するように、その上端が上部横桁41の下端中央に吊持されている。液圧シリンダ5の下端から下方に突出するピストンロッド51の下端は横連結板52の中央に連結されている。この横連結板52の両端側には上部軸受け43を昇降自在に支持する昇降軸44の下端がそれぞれ連結されている。
【0044】
各昇降軸44は上下方向に延設され上部横桁41を昇降自在に貫通しており、貫通した上端は上部軸受け43の下端に連結されている。上部圧力付与体22を支持する上部軸受け43は、この昇降軸44が液圧シリンダ5によって昇降することによって、これと一体となって昇降する構造になっている。
【0045】
即ち、液圧シリンダ5のピストンロッド51が下方に伸長すると、昇降軸44は下降し、これに連動して上部軸受け43及び上部圧力付与体22も下降して、エンドレスベルト1に圧下力が作用して、上部圧力付与体22及び下部圧力付与体32の協動による上下から挟圧してスリット帯板aに巻き取り張力を付与する。
【0046】
また、液圧シリンダ5のピストンロッド51が収縮すると、昇降軸44は上昇し、これに連動して上部軸受け43及び上部圧力付与体22も上昇して、エンドレスベルト1に対する圧下力は消失し、エンドレスベルト1によるスリット帯板aに対する巻き取り張力は消失する。
【0047】
上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2に設けられた上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6は、該可動ベルト型圧力付与体2の外周表面の片側に、該可動ベルト型圧力付与体2の外周表面にスリット帯板aの移動方向に循環動自在に並設された複数のエンドレスベルト1を跨いで設けられている。上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6は、上部圧力付与体22のベルト押圧部22aの反対側となるベルト通過部22b上に取り付けられている。
【0048】
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6は、押圧表面にフェルト61が取り付けられた押圧板62、押圧板62の両端を上部圧力付与体22のベルト通過部22b上の両端側の中央表面に支持連結する支持桁63、並設された複数のエンドレスベルト1同士の間の上部圧力付与体22のベルト通過部22bの表面に支持される複数の分割支持片64から構成されている。
【0049】
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6は押圧板62のフェルト61表面が移動中のスリット帯板aの表面を押圧するが、このときフェルト61は固定されていて、移動中のスリット帯板a表面との間で滑りを生じる。
【0050】
分割支持片64は、押圧板62の両端以外の中間部を支持して、押圧板62でスリット帯板aの表面を押圧時に、押圧板62が撓むのを防止する機能を果たす。また、各分割支持片64は、押圧板62のフェルト61と反対側の面がエンドレスベルト1に接触するのを防ぐのに十分な高さを有している。
【0051】
また、下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3に設けられた下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7は、該可動ベルト型圧力付与体3の外周表面の片側に、該可動ベルト型圧力付与体3の外周表面にスリット帯板aの移動方向に循環動自在に並設された複数のエンドレスベルト1を跨いで設けられている。下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7は、下部圧力付与体32のベルト押圧部32aの反対側となるベルト通過部32b上に取り付けられている。
【0052】
下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7は、押圧表面にフェルト71が取り付けられた押圧板72、押圧板72の両端を下部圧力付与体32のベルト通過部32b上の両端側の中央表面に支持連結する支持桁73、並設された複数のエンドレスベルト1同士の間の下部圧力付与体32のベルト通過部32bの表面に支持される複数の分割支持片74から構成されている。
【0053】
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体7は押圧板72のフェルト71表面が移動中のスリット帯板aの表面を押圧するが、このときフェルト71は固定されていて、移動中のスリット帯板a表面との間で滑りを生じる。
【0054】
分割支持片74は、押圧板72の両端以外の中間部を支持して、押圧板72でスリット帯板aの表面を押圧時に、押圧板72が撓むのを防止する機能を果たす。また、各分割支持片74は、押圧板72のフェルト71と反対側の面がエンドレスベルト1に接触するのを防ぐのに十分な高さを有している。
【0055】
なお、図では液圧シリンダ5は下向きに設置、つまり上部横桁41に吊持されて下向きにピストンロッド51が伸縮する構造になっているが、これと逆に液圧シリンダ5を上向きに設置、つまり液圧シリンダ5の下端をベース45上に設置しピストンロッド51が上端側になるようにして、上向きにピストンロッド51が伸縮する構造に設置してもよい。また、液圧シリンダ5には、スリット帯板aの板厚や板幅に合わせた張力を付与できるように、該液圧シリンダ5への流体圧を図示しない圧力調整装置で調整できる構造になっている。
【0056】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6と下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7とにより、スリット帯板aを挟圧して巻き取り張力を付与したい場合には、上部圧力付与体22及び下部圧力付与体32の両端側に設置された各スタンド4内に吊持された液圧シリンダ5のピストンロッド51を収縮して、各スタンド4の上方の上部軸受け43を上昇させる。各上部軸受け43を上昇させると両端が上部軸受け43に支持された上部圧力付与体22は上昇して、上部圧力付与体22と下部圧力付与体32との間は上下に開く。
【0057】
上部圧力付与体22を支持軸23を中心として180度回転させて、上部圧力付与体22の上部側に位置していた押圧板62のフェルト61を下向きにする。同様に下部圧力付与体32を支持軸33を中心として180度回転させて、下部圧力付与体32の下部側に位置していた押圧板72のフェルト71を上向きにする。この回転は手動で簡単に行うことができ、又手動に代えてモーターなどの駆動力を使って回転させることもできる。
【0058】
開いた上下に相対向するフェルト61、71同士の間に各スリット帯板aを通し、液圧シリンダ5のピストンロッド51を下向きに伸長して上部圧力付与体22を下降させて、上部圧力付与体22と下部圧力付与体32との間を閉じてスリット帯板aの通板作業を完了すると共に、上下の上部圧力付与体22及び下部圧力付与体32に装着したフェルト61、71により、スリット帯板aを上下から所定の押圧力で挟圧する。このとき、スリット帯板aには、液圧シリンダ5に作用する圧力に比例した張力が付与されるので、図示しない圧力調整装置により液圧力を調節して、スリット帯板aの張力を適当に調整する。
【0059】
これに対して、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2と下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3とにより、スリット帯板aを挟圧して巻き取り張力を付与したい場合には、前後両側に上部プーリ21がそれぞれ取り付けられた上部圧力付与体22を上に開いて、上部圧力付与体22を支持軸23を中心として180度回転させて、上部圧力付与体22の下部側に位置していた押圧板62のフェルト61を上向きにする。同様に前後両側に下部プーリ31がそれぞれ取り付けられた下部圧力付与体32を支持軸33を中心として180度回転させて、下部圧力付与体32の上部側に位置していた押圧板72のフェルト71を下向きにする。この回転は手動で簡単に行うことができ、又手動に代えてモーターなどの駆動力を使って回転させることもできる。
【0060】
開いた上下に相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士の間に各スリット帯板aを通し、液圧シリンダ5のピストンロッド51を下向きに伸長して上部圧力付与体22を下降させて、上部圧力付与体22と下部圧力付与体32との間を閉じてスリット帯板aの通板作業を完了すると共に、上部圧力付与体22の前後両側に取り付けられた各上部プーリ21間に張設された上側のエンドレスベルト1及び下部圧力付与体32の前後両側に取り付けられた各下部プーリ31間に張設された下側のエンドレスベルト1により、スリット帯板aを上下から所定の押圧力で挟圧する。
【0061】
上部圧力付与体22のベルト押圧部22aはエンドレスベルト1の内側表面1aを下向きに押圧して内側表面1aに完全に密着する。ベルト押圧部22aに下向きに押圧されたエンドレスベルト1は外側表面1bがスリット帯板aの表面と完全に密着する。エンドレスベルト1の外側表面1bがスリット帯板aの表面と完全に密着した後は、スリット帯板aを下方に押圧する。
【0062】
スリット帯板aの裏面と接触する下側のエンドレスベルト1は、反力によって下部圧力付与体32のベルト押圧部32aによって下側のエンドレスベルト1の内側表面1aを上向きに押圧して、エンドレスベルト1の外側表面1bとスリット帯板aの裏面を密着させて、上下の相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士で上下からスリット帯板aの表裏面を同一の圧力で押圧する。このとき、上下の相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士と密着したスリット帯板aの表裏面の全範囲には均等な圧力が付与される。
【0063】
そして、スリット帯板aの巻取りを開始すると、移動するスリット帯板aの表裏面と上下のエンドレスベルト1の外側表面1bとの密着摩擦により、上下の各エンドレスベルト1は各一対の上部プーリ21及び下部プーリ31に略長円形に張設されて略長円形状態で循環動して周回する。このとき、上下のエンドレスベルト1は移動する各スリット帯板aと滑りを生じることなく一体となって同速度で各々独立して循環動する。
【0064】
その一方で、上記上部圧力付与体22のベルト押圧部22a及び下部圧力付与体32のベルト押圧部32aの表面と上下のエンドレスベルト1の内側表面1aとの間の滑りによる摩擦力により、つまり、移動するスリット帯板aとの摩擦係合で略長円形状態で循環動するエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧するベルト押圧部22a及びベルト押圧部32aが所謂ブレーキ的な機能を果たして、スリット帯板巻取装置と帯板巻取り張力付与装置との間に位置する各スリット帯板aに必要な巻き取り張力を発生させるのである。張力の調整は液圧シリンダ5への圧力を図示しない圧力調整装置で調節して行う。
【0065】
また、帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2、3と帯板圧着面非可動型圧力付与体6,7との組み合わせとしては、図7(A)(D)のように同じもの同士の組み合わせ以外に、図7(B)のように、上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6と下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3、図7(C)のように、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2と下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7もある。スリット帯板aの表面仕上げは片側のみに高級塗装したものや、片面の品質保証を要求しない場合などがあるので、ベルトとフェルトの組合せを自由に変更できる利点もある。
【0066】
〔実施の形態−2〕
ここで、図9は装置の全体側面図、図10は装置の全体正面図、図11は装置の側断面図、図12は組み合わせの説明図である。
【0067】
帯板巻取り張力付与装置は、図示しないスリット帯板巻取装置に巻き取られるスリット帯板aに所定の巻き取り張力を付与する装置で、図示しないスリット帯板巻取装置の前方側でスリット帯板aの移動通路の途中に配置されている。
【0068】
帯板巻取り張力付与装置は、上下に相対向して略円形状態で循環動自在に保持されたエンドレスベルト1と、上下のエンドレスベルト1が各々略円形状態で循環動自在にその外周を周回し、且つエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧する上下一対の断面略円形の上部圧力付与体121、下部圧力付与体131とから各々構成される上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102及び下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103、両圧力付与体121,131を支持するスタンド104、上部圧力付与体121に圧下力を付与する液圧シリンダ105、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102に設けられた上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106、下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103に設けられた下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107などから主に構成されている。
【0069】
上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102は、上部圧力付与体121と該圧力付与体121の外周表面を並設状態で循環動するエンドレスベルト1とから構成されている。上部圧力付与体121は上部側に配置されたエンドレスベルト1を下方に押圧し、一方、下部圧力付与体131は下部側に配置されたエンドレスベルト1を反力により上方に押圧する。上部圧力付与体121と下部圧力付与体131とは協働して、上下に相対向する各エンドレスベルト1同士の間を通過するスリット帯板aをエンドレスベルト1を介して間接的に上下から同一の押圧力で挟圧して、一定の張力を付与するものである。
【0070】
エンドレスベルト1は、スリット帯板aの移動方向に循環動自在に配置され、これが横方向つまりスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に複数並設して配置され、更にこれらが上下に相対向して配置されている。
【0071】
上下に配置され且つ横方向に並設された各エンドレスベルト1は、無端状のベルトから構成され、上部側に配置された断面略円形の上部圧力付与体121の外周、及び下部側に配置された断面略円形の下部圧力付与体131の外周に、それぞれ独立して略円形状態で循環動自在に装着されている。各エンドレスベルト1は独立してスリット帯板aの移動方向に循環動できるように装着されている。
【0072】
エンドレスベルト1が装着された上部圧力付与体121及び下部圧力付与体131には、エンドレスベルト1を循環動させる駆動源は設けられてなく、エンドレスベルト1は移動するスリット帯板aとの摩擦係合で循環動する以外に、自力で循環動することがない。つまり、上部圧力付与体121及び下部圧力付与体131に各々装着されたエンドレスベルト1は、スリット帯板aと接触しない限り循環動することはない。
【0073】
エンドレスベルト1の外側表面1bは、スリット帯板aと一体となってスリット帯板aを移動させる機能を果たすものである。これに対し、エンドレスベルト1の内側表面1aは、上部圧力付与体121及び下部圧力付与体131との間の滑りによる摩擦力で、スリット帯板aに張力を発生させる機能を果たすものである。このため、エンドレスベルト1の内側表面1aは外側表面1bより摩擦係数が小さく滑り易いようになっている。
【0074】
エンドレスベルト1の内側表面1aは、織布の各繊維間及び編み目の凹部に潤滑剤を含浸できるように、合成繊維による織布とし、エンドレスベルト1の外側表面1bは、摩擦係数の高い可撓性の材料で密着構成されている。
【0075】
この織布をエンドレスベルト1の内側表面1aに用いることで、織布の各繊維間及び編み目の凹部に潤滑剤をあらかじめ染み込ませて摩擦係数を小さく出来るし、織布は固体の板状の材質とは異なり可撓性が大きい特徴があるので、圧力付与体121,131に装着されたエンドレスベルト1の回転抵抗が小さい。織布は合成繊維のポリエステルやビニロン、ナイロンなどの素材を利用できる。
【0076】
また、エンドレスベルト1の外側表面1bは、内側表面1aよりも摩擦係数の大なる材質で形成されていてもよい。つまり、エンドレスベルト1の内側表面材は耐摩性の材料、例えば低い摩擦係数の軟質の合成樹脂系材を使用し、外側表面材は高い摩擦係数を有する弾性体、例えばゴムや合成樹脂材等を用いて構成されている。さらに、エンドレスベルト1の内側表面1aと上部圧力付与体121及び下部圧力付与体131の滑り面に潤滑剤を塗布する方法を用いて、エンドレスベルト1の内側表面1aの摩擦係数が外側表面1bの摩擦係数より小さくなるように構成してもよい。
【0077】
前記上部圧力付与体121は上部側に配置された多数のエンドレスベルト1の内側を挿通する状態で配設されている。このような状態で配設された上部圧力付与体121は、断面が略円形の形状から形成されており、エンドレスベルト1の内側表面1aを直接押圧する断面円弧状のベルト押圧部121aを略円形の下端側に有している。上部圧力付与体121はその長手方向がスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に配設され、又エンドレスベルト1の内側を挿通している。
【0078】
横方向に複数並設された各エンドレスベルト1は略円形断面の上部圧力付与体121の外周を独立して循環動する。上部圧力付与体121の周り表面は略円形状に仕上げられ、各エンドレスベルト1が上部圧力付与体121の回りをスムーズに略円形状態で循環動できるようになっている。
【0079】
上部圧力付与体121の下端側のベルト押圧部121aは、スリット帯板aの移動方向に対して接点の面圧でエンドレスベルト1を介してスリット帯板aを押圧して、スリット帯板aに巻き取り張力を付与する部分である。このため、ベルト押圧部121aは、横方向に複数並設された各エンドレスベルト1の内側表面1aを均一に押圧できるように形成されている。
【0080】
ベルト押圧部121aによって内側表面1aが押圧されて外側表面1bがスリット帯板aと直に接触するエンドレスベルト1は、外側表面1bがスリット帯板aに密着して滑ることなくスリット帯板aと一体となって同一速度で循環動する。ベルト押圧部121aは、エンドレスベルト1の内側表面1aとの間の摩擦が小さくなるように滑らかな表面に仕上げられている。
【0081】
上部圧力付与体121の外周には、横方向に複数並設された各エンドレスベルト1を分割ガイドする複数のベルトガイド用突起122が横方向に一定間隔を隔ててその周方向に突設されている。ベルトガイド用突起122は各エンドレスベルト1が幅方向に蛇行や変動するのを防ぐものである。ベルトガイド用突起122はベルト押圧部121aを除く上部圧力付与体121の外周に適当間隔で複数設けられる。このベルトガイド用突起122には板状のベルトガイド板やピンが使用される。
【0082】
また、上部圧力付与体121の内部には必要に応じて冷却室121bが各エンドレスベルト1を横断する方向に設けられる。冷却室121bは上部圧力付与体121の外周を循環動しながら周回するエンドレスベルト1が摩擦熱により過熱するのを冷やすためのものである。また、冷却室121bの内部は必要に応じて内部仕切板121cによって2つ又はそれ以上に仕切られることもある。また、冷却室121bの内部を複数に仕切る内部仕切板121cの一部は部分的に開口されていて、一部の内部仕切板121cを挟んで両側が部分的に連通していることもある。
【0083】
上部圧力付与体121の内部の冷却室121bを仕切る内部仕切板121cは、内部が冷却室121bによって空洞となる上部圧力付与体121の形状保持の機能を果たす。即ち、エンドレスベルト1を下向きに押圧する上部圧力付与体121には上下方向に圧縮力が作用するが、内部仕切板121cがこれに抵抗して上部圧力付与体121がその長手方向に撓んだり湾曲したりするのを防ぐ機能を果たす。
【0084】
冷却室121bには水冷冷却室と空冷冷却室がある。水冷冷却室は内部に水を流し、空冷冷却室は内部に空気を流すことによって冷却する。水冷冷却室は通板するスリット帯板aの厚みが厚く、通板速度が速いと発生する摩擦熱も大となって、過熱しやすくなるときに使用される。空冷冷却室は通板するスリット帯板aの厚みが薄く通板速度も遅く過熱しにくいときに使用される。
【0085】
前記下部圧力付与体131は上部側に配置された多数のエンドレスベルト1の内側を挿通する状態で配設されている。このような状態で配設された下部圧力付与体131は、断面が略円形の形状から形成されており、エンドレスベルト1の内側表面1aを直接押圧する断面円弧状のベルト押圧部131aを略円形の上端側に有している。下部圧力付与体131はその長手方向がスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に配設され、又エンドレスベルト1の内側を挿通している。
【0086】
横方向に複数並設された各エンドレスベルト1は略円形断面の下部圧力付与体131の外周を独立して循環動する。下部圧力付与体131の周り表面は略円形状に仕上げられ、各エンドレスベルト1が下部圧力付与体131の回りをスムーズに略円形状態で循環動できるようになっている。
【0087】
下部圧力付与体131の上端側のベルト押圧部131aは、スリット帯板aの移動方向に対して接点の面圧でエンドレスベルト1を介してスリット帯板aを押圧して、スリット帯板aに巻き取り張力を付与する部分である。このため、ベルト押圧部131aは、横方向に複数並設された各エンドレスベルト1の内側表面1aを均一に押圧できるように形成されている。
【0088】
ベルト押圧部131aによって内側表面1aが押圧されて外側表面1bがスリット帯板aと直に接触するエンドレスベルト1は、外側表面1bがスリット帯板aに密着して滑ることなくスリット帯板aと一体となって同一速度で循環動する。ベルト押圧部131aは、エンドレスベルト1の内側表面1aとの間の摩擦が小さくなるように仕上げられている。
【0089】
下部圧力付与体131の外周には、横方向に複数並設された各エンドレスベルト1を分割ガイドする複数のベルトガイド用突起132が横方向に一定間隔を隔ててその周方向に突設されている。ベルトガイド用突起132は各エンドレスベルト1が幅方向に蛇行や変動するのを防ぐものである。ベルトガイド用突起132はベルト押圧部131aを除く下部圧力付与体131の外周に適当間隔で複数設けられる。このベルトガイド用突起132には板状のベルトガイド板やピンが使用される。
【0090】
また、下部圧力付与体131の内部には必要に応じて冷却室131bが各エンドレスベルト1を横断する方向に設けられる。冷却室131bは下部圧力付与体131の外周を循環動しながら周回するエンドレスベルト1が摩擦熱により過熱するのを冷やすためのものである。また、冷却室131bの内部は必要に応じて内部仕切板131cによって2つ又はそれ以上に仕切られることもある。また、冷却室131bの内部を複数に仕切る内部仕切板131cの一部は部分的に開口されていて、一部の内部仕切板131cを挟んで両側が部分的に連通していることもある。
【0091】
下部圧力付与体131の内部の冷却室131bを仕切る内部仕切板131cは、内部が冷却室131bによって空洞となる下部圧力付与体131の形状保持の機能を果たす。即ち、エンドレスベルト1を下向きに押圧する下部圧力付与体131には上下方向に圧縮力が作用するが、内部仕切板131cがこれに抵抗して下部圧力付与体131がその長手方向に撓んだり湾曲したりするのを防ぐ機能を果たす。
【0092】
冷却室131bには水冷冷却室と空冷冷却室がある。水冷冷却室は内部に水を流し、空冷冷却室は内部に空気を流すことによって冷却する。水冷冷却室は通板するスリット帯板aの厚みが厚く、通板速度が速いと発生する摩擦熱も大となって、過熱しやすくなるときに使用される。空冷冷却室は通板するスリット帯板aの厚みが薄く通板速度も遅く過熱しにくいときに使用される。
【0093】
各エンドレスベルト1の幅方向に配置された下部圧力付与体131の長手方向の両端側には外側方に向けて支持軸133が各々張り出して設けられており、各支持軸133は門型のスタンド104の上部横桁141の中央に軸支されているので下部圧力付与体131は支持軸133を中心に回転する構造になっており、この回転は手動でも簡単に行うことができる。
【0094】
下部圧力付与体131の両端側に設置されたスタンド104は、上部横桁141と上部横桁141の両端下部を支持する左右の縦桁142から構成される門型形状からなる。スタンド104は上部圧力付与体121及び下部圧力付与体131を支持するもので、上部横桁141の上方には上部圧力付与体121の両端側を支持する上部軸受け143が昇降自在に設けられている。この両側に設置されたスタンド104はその下端が板状のベース145上に固定されている。
【0095】
各エンドレスベルト1の幅方向に配置された上部圧力付与体121の長手方向の両端側には外側方に向けて支持軸123が各々張り出して設けられており、各支持軸123は門型のスタンド104の上部横桁141の上方に昇降軸144を介して昇降自在に設けられた上部軸受け143の中央に回転自在に各々軸支されているので上部圧力付与体121は支持軸123を中心に回転する構造になっており、この回転は手動でも簡単に行うことができる。
【0096】
門型のスタンド104の内側つまり上部横桁141と左右の縦桁142との間には、液圧シリンダ105が設けられている。液圧シリンダ105は上部軸受け143を昇降させると共に昇降する上部軸受け143を介して上部圧力付与体121に、エンドレスベルト1に対する圧下力を付与する。液圧シリンダ105には例えば油圧シリンダが使用される。
【0097】
液圧シリンダ105は下向きに伸縮するように、その上端が上部横桁141の下端中央に吊持されている。液圧シリンダ105の下端から下方に突出するピストンロッド151の下端は横連結板152の中央に連結されている。この横連結板152の両端側には上部軸受け143を昇降自在に支持する昇降軸144の下端がそれぞれ連結されている。
【0098】
各昇降軸144は上下方向に延設され上部横桁141を昇降自在に貫通しており、貫通した上端は上部軸受け143の下端に連結されている。上部圧力付与体121を支持する上部軸受け143は、この昇降軸144が液圧シリンダ105によって昇降することによって、これと一体となって昇降する構造になっている。
【0099】
即ち、液圧シリンダ105のピストンロッド151が下方に伸長すると、昇降軸144は下降し、これに連動して上部軸受け143及び上部圧力付与体121も下降して、エンドレスベルト1に圧下力が作用して、上部圧力付与体121及び下部圧力付与体131の協動による上下から挟圧してスリット帯板aに巻き取り張力を付与する。
【0100】
また、液圧シリンダ105のピストンロッド151が収縮すると、昇降軸144は上昇し、これに連動して上部軸受け143及び上部圧力付与体121も上昇して、エンドレスベルト1に対する圧下力は消失し、エンドレスベルト1によるスリット帯板aに対する巻き取り張力は消失する。
【0101】
上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102に設けられた上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106は、該可動ベルト型圧力付与体102の外周表面の片側に、該可動ベルト型圧力付与体102の外周表面にスリット帯板aの移動方向に循環動自在に並設された複数のエンドレスベルト1を跨いで設けられている。上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106は、上部圧力付与体121のベルト押圧部121aの反対側となる略円形の上端側に取り付けられている。
【0102】
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106は、押圧表面にフェルト161が取り付けられた押圧板162、押圧板162の両端を上部圧力付与体121のベルトガイド部22上の両端側の中央表面に支持連結する支持桁163、並設された複数のエンドレスベルト1同士の間の上部圧力付与体121のベルト押圧部121aの反対側となる略円弧状の表面に支持される複数の分割支持片164から構成されている。
【0103】
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106は押圧板162のフェルト161表面が移動中のスリット帯板aの表面を押圧するが、このときフェルト161は固定されていて、移動中のスリット帯板a表面との間で滑りを生じる。
【0104】
分割支持片164は、押圧板162の両端以外の中間部を支持して、押圧板162でスリット帯板aの表面を押圧時に、押圧板162が撓むのを防止する機能を果たす。また、各分割支持片164は、押圧板162のフェルト161と反対側の面がエンドレスベルト1に接触するのを防ぐのに十分な高さを有している。
【0105】
また、下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103に設けられた下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107は、該可動ベルト型圧力付与体103の外周表面の片側に、該可動ベルト型圧力付与体103の外周表面にスリット帯板aの移動方向に循環動自在に並設された複数のエンドレスベルト1を跨いで設けられている。下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107は、下部圧力付与体131のベルト押圧部131aの反対側となる略円形の下端側に取り付けられている。
【0106】
下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107は、押圧表面にフェルト171が取り付けられた押圧板172、押圧板172の両端を下部圧力付与体131のベルトガイド部32上の両端側の中央表面に支持連結する支持桁173、並設された複数のエンドレスベルト1同士の間の下部圧力付与体131のベルト押圧部131aの反対側となる円弧状の表面に支持される複数の分割支持片174から構成されている。
【0107】
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体107は押圧板172のフェルト171表面が移動中のスリット帯板aの表面を押圧するが、このときフェルト171は固定されていて、移動中のスリット帯板a表面との間で滑りを生じる。
【0108】
分割支持片174は、押圧板172の両端以外の中間部を支持して、押圧板172でスリット帯板aの表面を押圧時に、押圧板172が撓むのを防止する機能を果たす。また、各分割支持片174は、押圧板172のフェルト171と反対側の面がエンドレスベルト1に接触するのを防ぐのに十分な高さを有している。
【0109】
なお、図では液圧シリンダ105は下向きに設置、つまり上部横桁141に吊持されて下向きにピストンロッド151が伸縮する構造になっているが、これと逆に液圧シリンダ105を上向きに設置、つまり液圧シリンダ105の下端をベース145上に設置しピストンロッド151が上端側になるようにして、上向きにピストンロッド151が伸縮する構造に設置してもよい。また、液圧シリンダ105には、スリット帯板aの板厚や板幅に合わせた張力を付与できるように、該液圧シリンダ105への流体圧を図示しない圧力調整装置で調整できる構造になっている。
【0110】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106と下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107とにより、スリット帯板aを挟圧して巻き取り張力を付与したい場合には、上部圧力付与体121及び下部圧力付与体131の両端側に設置された各スタンド104内に吊持された液圧シリンダ105のピストンロッド151を収縮して、各スタンド104の上方の上部軸受け143を上昇させる。各上部軸受け143を上昇させると両端が上部軸受け143に支持された上部圧力付与体121は上昇して、上部圧力付与体121と下部圧力付与体131との間は上下に開く。
【0111】
上部圧力付与体121を支持軸123を中心として180度回転させて、上部圧力付与体121の上部側に位置していた押圧板162のフェルト161を下向きにする。同様に下部圧力付与体131を支持軸133を中心として180度回転させて、下部圧力付与体131の下部側に位置していた押圧板172のフェルト171を上向きにする。この回転は手動で簡単に行うことができ、又手動に代えてモーターなどの駆動力を使って回転させることもできる。
【0112】
開いた上下に相対向するフェルト161、171同士の間に各スリット帯板aを通し、液圧シリンダ105のピストンロッド151を下向きに伸長して上部圧力付与体121を下降させて、上部圧力付与体121と下部圧力付与体131との間を閉じてスリット帯板aの通板作業を完了すると共に、上下の上部圧力付与体121及び下部圧力付与体131に装着したフェルト161、171により、スリット帯板aを上下から所定の押圧力で挟圧する。このとき、スリット帯板aには、液圧シリンダ105に作用する圧力に比例した張力が付与されるので、図示しない圧力調整装置により液圧力を調節して、スリット帯板aの張力を適当に調整する。
【0113】
これに対して、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102と下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103とにより、スリット帯板aを挟圧して巻き取り張力を付与したい場合には、上部圧力付与体121を上に開いて、上部圧力付与体121を支持軸123を中心として180度回転させて、上部圧力付与体121の下部側に位置していた押圧板162のフェルト161を上向きにする。同様に下部圧力付与体131を支持軸133を中心として180度回転させて、下部圧力付与体131の上部側に位置していた押圧板172のフェルト171を下向きにする。この回転は手動で簡単に行うことができ、又手動に代えてモーターなどの駆動力を使って回転させることもできる。
【0114】
開いた上下に相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士の間に各スリット帯板aを通し、液圧シリンダ105のピストンロッド151を下向きに伸長して上部圧力付与体121を下降させて、上部圧力付与体121と下部圧力付与体131との間を閉じてスリット帯板aの通板作業を完了すると共に、上下の上部圧力付与体121及び下部圧力付与体131に装着したエンドレスベルト1により、スリット帯板aを上下から所定の押圧力で挟圧する。
【0115】
上部圧力付与体121のベルト押圧部121aはエンドレスベルト1の内側表面1aを下向きに押圧して内側表面1aに完全に密着する。ベルト押圧部121aに下向きに押圧されたエンドレスベルト1は外側表面1bがスリット帯板aの表面と完全に密着する。エンドレスベルト1の外側表面1bがスリット帯板aの表面と完全に密着した後は、スリット帯板aを下方に押圧する。
【0116】
スリット帯板aの裏面と接触する下部側のエンドレスベルト1は、反力によって下部圧力付与体131のベルト押圧部131aによって下部側のエンドレスベルト1の内側表面1aを上向きに押圧して、エンドレスベルト1の外側表面1bとスリット帯板aの裏面を密着させて、上下の相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士で上下からスリット帯板aの表裏面を同一の圧力で押圧する。このとき、上下の相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士と密着したスリット帯板aの表裏面の全範囲には均等な圧力が付与される。
【0117】
そして、スリット帯板aの巻取りを開始すると、移動するスリット帯板aの表裏面と上下のエンドレスベルト1の外側表面1bとの密着摩擦により、上下の各エンドレスベルト1は略円形の上部圧力付与体121及び下部圧力付与体131の外周を略円形状態で循環動して周回する。このとき、上下のエンドレスベルト1は移動する各スリット帯板aと滑りを生じることなく一体となって同速度で各々独立して循環動する。
【0118】
その一方で、上記上部圧力付与体121のベルト押圧部121a及び下部圧力付与体131のベルト押圧部131aの表面と上下のエンドレスベルト1の内側表面1aとの間の滑りによる摩擦力により、つまり、移動するスリット帯板aとの摩擦係合で略円形状態で循環動するエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧するベルト押圧部121a及びベルト押圧部131aが所謂ブレーキ的な機能を果たして、スリット帯板巻取装置と帯板巻取り張力付与装置との間に位置する各スリット帯板aに必要な巻き取り張力を発生させるのである。張力の調整は液圧シリンダ105への圧力を図示しない圧力調整装置で調節して行う。
【0119】
また、帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102、103と帯板圧着面非可動型圧力付与体106,107との組み合わせとしては、図12(A)(B)のように同じもの同士の組み合わせ以外に、図12(C)のように、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102と下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107、図12(D)のように、上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106と下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103もある。スリット帯板aの表面仕上げは片側のみに高級塗装したものや、片面の品質保証を要求しない場合などがあるので、ベルトとフェルトの組合せを自由に変更できる利点もある。
【0120】
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。前記実施の形態−1,2では、液圧シリンダ5,105は、下部帯板圧着可動ベルト型圧力付与体3,103が軸支されるスタンド4,104の上部横桁41,141の下方側に設けられている場合で説明したが、これに限定されるものではなく、例えば図8,図12に図示するように、スタンド4,104の上部側を上部帯板圧着可動ベルト型圧力付与体2,102より上方まで延設し、延設された上端に横設された最上部横桁41a,141aの中央上面に液圧シリンダ5,105を下向きに設置し、ピストンロッド51,151を最上部横桁41a,141aを貫通させて下方に向けて伸縮するように配置し、ピストンロッド51,151の下端を上部軸受け43,143に連結させる構造にしてもよい。
また、前記実施の形態−1,2では、スリット後の多条の各スリット帯板を巻き取る際の巻き取り張力の付与について説明したが、この発明は、1条の幅広な金属性帯板を巻取る際の巻き取り張力を付与する場合にも使用可能である。
さらに、金属性帯板に限らず、プラスチックや紙、繊維などの巻取りにも使用可能である。
【0121】
【発明の効果】
以上の記載より明らかなように、請求項1、請求項2の発明に係る帯板巻取り張力付与装置によれば、次のような新規的有益なる効果を奏するものである。
すべての板厚範囲に適応可能なベルト可動式又はベルト可動式とフェルト式を組み合わせた多機能な帯板巻取り張力付与装置を低価格で産業界に提供することが実現する。
従来のプーリを使用したベルト可動式(商標名「ベルトブライドル」)の場合にベルト側とテンションパッド側とを切り替えるときは、上下の連結金具を脱着してエレメントの相互切替作業を行うが、重量のある上下の昇降動作は危険性のあるものである。しかし、本願の場合は、同じエレメントを180度回転するだけで簡単に作業が完了するし、従来の複数段のフレームの場合の落下の危険性もなく、使い易く迅速且つ確実な操作法が実現する。
従来のコンビネーション型のベルトブライドルではフェルト側とベルト側がそれぞれ上下に配置されているので、帯板を通板した状態では相互に切り替えはできないが、本願では帯板を装置内に通板したままの状態で相互切り替え可能となるので、長い帯板(コイル)の途中から帯板(コイル)の表面状態の変化に対応して、ベルト側とフェルト側を自由に切り替えることが可能となる。又、帯板(コイル)の表面と裏面によって表面仕上げや処理状態が異なる場合には、その状態に応じて「ベルト同士」「フェルト同士」或いは「上部にベルトと下部にフェルト」或いはその逆などの上下の組み合わせを選択変更して通板操業が可能となり、品質管理、生産性の向上、ベルト及びフェルトなどの維持費用の低減にも大いに寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態−1を示す装置の全体側面図である。
【図2】この発明の実施の形態−1を示す装置の全体正面図である。
【図3】この発明の実施の形態−1を示す装置の側断面図である。
【図4】この発明の実施の形態−1を示す装置の要部の側面図である。
【図5】(A)は図4のA−A矢視断面図である。
(B)は図5(A)のB部拡大図である。
【図6】この発明の実施の形態−1を示す使用説明図である。
【図7】この発明の実施の形態−1を示す組み合わせの説明図である。
【図8】この発明の実施の形態−1の他例を示す装置の全体概略側面図である。
【図9】この発明の実施の形態−2を示す装置の全体側面図である。
【図10】この発明の実施の形態−2を示す装置の全体正面図である。
【図11】この発明の実施の形態−2を示す装置の側断面図である。
【図12】この発明の実施の形態−2を示す組み合わせの説明図である。
【図13】この発明の実施の形態−2の他例を示す装置の全体概略側面図である。
【図14】従来の装置の全体側面図である。
【符号の説明】
1 エンドレスベルト
1a 内側表面
1b 外側表面
2 上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体
21 上部プーリ
21a プーリ軸
21b 案内つば
22 上部圧力付与体
22a ベルト押圧部
22b ベルト通過部
22c 冷却室
22d 内部仕切板
23 支持軸
3 下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体
31 下部プーリ
31a プーリ軸
31b 案内つば
32 下部圧力付与体
32a ベルト押圧部
32b ベルト通過部
32c 冷却室
32d 内部仕切板
33 支持軸
4 スタンド
41 上部横桁
41a 最上部横桁
42 縦桁
43 上部軸受け
44 昇降軸
45 ベース
5 液圧シリンダ
51 ピストンロッド
52 横連結板
6 上部帯板圧着面非可動型圧力付与体
61 フェルト
62 押圧板
63 支持桁
64 分割支持片
7 下部帯板圧着面非可動型圧力付与体
71 フェルト
72 押圧板
73 支持桁
74 分割支持片
102 上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体
121 上部圧力付与体
121a ベルト押圧部
121b 冷却室
121c 内部仕切板
122 ベルトガイド用突起
123 支持軸
103 下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体
131 下部圧力付与体
131a ベルト押圧部
131b 冷却室
131c 内部仕切板
132 ベルトガイド用突起
133 支持軸
104 スタンド
141 上部横桁
141a 最上部横桁
142 縦桁
143 上部軸受け
144 昇降軸
145 ベース
105 液圧シリンダ
151 ピストンロッド
152 横連結板
106 上部帯板圧着面非可動型圧力付与体
161 フェルト
162 押圧板
163 支持桁
164 分割支持片
107 下部帯板圧着面非可動型圧力付与体
171 フェルト
172 押圧板
173 支持桁
174 分割支持片
a スリット帯板
b 連結装置
Claims (2)
- 上下に相対向して略長円形状態で循環動自在に張設され且つ幅方向に複数並設されたエンドレスベルト、上下のエンドレスベルトが各々略長円形状態で循環動自在に張設される一対のプーリ、上下の各エンドレスベルトの内側表面を押圧する各ベルト押圧部を有する上下の圧力付与体とから各々構成される上下一対の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の片側に、上記エンドレスベルトを跨いで帯板圧着面非可動型圧力付与体を設け、各エンドレスベルトの外側表面の摩擦係数を内側表面の摩擦係数より大にし、上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体による圧着時には上下の各エンドレスベルトを帯板の上下両面に押し付け圧着し、各エンドレスベルトを移動する各帯板との摩擦係合で駆動し、移動する各帯板と一体となって各エンドレスベルトを独立して上記圧力付与体の外周を循環動する構成にすると共に、帯板圧着面非可動型圧力付与体が設けられた上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を各々水平軸回りに回転自在に支持し、帯板上下両面への圧着を帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体と帯板圧着面非可動型圧力付与体とに回転切り替え自在としたことを特徴とする帯板巻取り張力付与装置。
- 上下に相対向して略円形状態で循環動し且つ幅方向に複数並設されたエンドレスベルト、上下の各エンドレスベルトがその外周を並設状態で循環動し且つエンドレスベルトの内側表面を押圧するベルト押圧部を有する上下の圧力付与体とから各々構成される上下一対の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の片側に、上記エンドレスベルトを跨いで帯板圧着面非可動型圧力付与体を設け、並設状態で循環動する各エンドレスベルトを分割ガイドするベルトガイド用突起を上記の各圧力付与体の外周に設け、各エンドレスベルトの外側表面の摩擦係数を内側表面の摩擦係数より大にし、上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体による圧着時には上下の各エンドレスベルトを帯板の上下両面に押し付け圧着し、各エンドレスベルトを移動する各帯板との摩擦係合で駆動し、移動する各帯板と一体となって各エンドレスベルトを独立して上記圧力付与体の外周を循環動する構成にすると共に、帯板圧着面非可動型圧力付与体が設けられた上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を各々水平軸回りに回転自在に支持し、帯板上下両面への圧着を帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体と帯板圧着面非可動型圧力付与体とに回転切り替え自在としたことを特徴とする帯板巻取り張力付与装置。
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