JP3686886B2 - 帯板巻取り張力付与装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば幅広な金属性帯板を該帯板の長手方向に沿って複数条に裁断するスリッターラインにおいて、金属性帯板のスリット後に各スリット帯板を巻取る際に生じる張力の不均衡を調整し、均等な巻き取り張力を付与することのできる帯板巻取り張力付与装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
圧着フェルトによる擦り傷や圧着マークが帯板の表面に付着しても問題にならないコイル材にはフェルト圧着方式の「テンションパッド」が多く用いられ、光沢のあるメッキ処理など施した材料やステンレス材や光沢仕上げの非鉄金属材などの巻取りに対しては、当社で開発したプーリーとエンドレスベルトを備えた「ベルトブライドル」が利用されている。
一般的なスリッターラインでは、高級な表面処理のコイルとそうでないコイルが混在しているので、当社ではベルトブライドルとテンションパッドを上下2段に装備した機種(コンビネーション型)を開発して、処理材のグレードに合わせて、ベルト式とフェルト式を切り替えて利用できるようにした。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上下4段のフレームを有しており、昇降切替と圧下状態への切替のために各フレーム間には特殊な連結装置bを工夫しているが、複雑で高価な装置となる一因でもあり、又連結装置bの不具合に起因して上下のフレームの落下事故につながる危険性もある。(図19参照)
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、回転させるだけの簡単な操作で安全に、帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体と帯板圧着面非可動型圧力付与体とに切り替えることのできる帯板巻取り張力付与装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、帯板を挟んでその上下側に帯板の幅方向に配置され、圧力付与体と該圧力付与体の外周を並設状態で循環動する複数のエンドレスベルトとから構成される上下一対の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の片側に、上記エンドレスベルトを跨いで帯板圧着面非可動型圧力付与体を設け、上記帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を構成する上記圧力付与体を、エンドレスベルトの内側表面を直接押圧する側断面が直線状のベルト押圧部と、ベルト押圧部の両端側に各々形成され側断面が弧状のベルト反転部とから少なくとも構成し、該ベルト反転部に並設された各エンドレスベルトを分割ガイドするベルトガイド用突起を設け、各エンドレスベルトの外側表面の摩擦係数を内側表面の摩擦係数より大にし、上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体による圧着時には上下の各エンドレスベルトを帯板の上下両面に押し付け圧着し、各エンドレスベルトを移動する各帯板との摩擦係合で駆動し、移動する各帯板と一体となって各エンドレスベルトを独立して上記圧力付与体の外周を循環動する構成にすると共に、帯板圧着面非可動型圧力付与体が設けられた上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を各々水平軸回りに回転自在に支持し、帯板上下両面への圧着を帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体と帯板圧着面非可動型圧力付与体とに回転切り替え自在とした手段よりなるものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、帯板を挟んでその上下側に帯板の幅方向に配置され、圧力付与体と該圧力付与体の外周を並設状態で循環動する複数のエンドレスベルトとから構成される上下一対の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の片側に、上記エンドレスベルトを跨いで帯板圧着面非可動型圧力付与体を設け、上記帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を構成する上記圧力付与体を、エンドレスベルトの内側表面を直接押圧する側断面が直線状のベルト押圧部と、ベルト押圧部の両端側に各々形成され、側断面視において、エンドレスベルトとの接触面が丸みを帯びた複数のベルト反転ガイド子を所定間隔で、エンドレスベルトとの接触軌跡が弧状になるように配置されて構成されるベルト反転部とから少なくとも構成し、該ベルト反転部に並設された各エンドレスベルトを分割ガイドするベルトガイド用突起を設け、各エンドレスベルトの外側表面の摩擦係数を内側表面の摩擦係数より大にし、上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体による圧着時には上下の各エンドレスベルトを帯板の上下両面に押し付け圧着し、各エンドレスベルトを移動する各帯板との摩擦係合で駆動し、移動する各帯板と一体となって各エンドレスベルトを独立して上記圧力付与体の外周を循環動する構成にすると共に、帯板圧着面非可動型圧力付与体が設けられた上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を各々水平軸回りに回転自在に支持し、帯板上下両面への圧着を帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体と帯板圧着面非可動型圧力付与体とに回転切り替え自在とした手段よりなるものである。
【0007】
ここで、請求項1、請求項2の好ましい態様として、圧力付与体のベルト押圧部の内部には冷却室が形成されている。また、圧力付与体のベルト反転部の内部には冷却室が形成されている。また、ベルト押圧部の裏側には凹部が形成され、この凹部内にはエンドレスベルトの内側表面を押圧してエンドレスベルトに緊張を付与するベルト緊張用ロールが配置されていてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に記載の発明の実施の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0009】
〔実施の形態−1〕
ここで、図1は装置の全体側面図、図2は装置の全体正面図、図3は帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の基本構成断面図、図4はベルトガイド用突起がピンと板の場合の構成断面図、図5(A)は帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の水冷冷却室を備えた構成断面図、図5(B)は帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の水冷冷却室と空冷冷却室を備えた構成断面図、図6は帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の変形構成断面図、図7は使用説明図、図8は組み合わせの説明図である。
【0010】
帯板巻取り張力付与装置は、スリット帯板aに所定の巻き取り張力を付与する装置で、図示しないスリット帯板巻取装置の前方側でスリット帯板aの移動通路の途中に配置されている。
【0011】
帯板巻取り張力付与装置は、上下に相対向して略長円形状態で循環動自在に保持されたエンドレスベルト1と、上下のエンドレスベルト1が各々略長円形状態で循環動自在にその外周を周回し、且つエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧する上下一対の上部圧力付与体20、下部圧力付与体30とから各々構成される上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2及び下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3、両圧力付与体20,30を支持するスタンド4、上部圧力付与体20に圧下力を付与する液圧シリンダ5、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2に設けられた上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6、下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3に設けられた下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7などから主に構成されている。
【0012】
上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2は、上部圧力付与体20と該圧力付与体20の外周表面を並設状態で循環動するエンドレスベルト1とから構成されている。上部圧力付与体20は上部側に配置されたエンドレスベルト1を下方に押圧し、一方、下部圧力付与体30は下部側に配置されたエンドレスベルト1を上方に押圧する。上部圧力付与体20と下部圧力付与体30とは協働して、上下に相対向する各エンドレスベルト1同士の間を通過するスリット帯板aをエンドレスベルト1を介して間接的に上下から同一の押圧力で挟圧して、一定の張力を付与するものである。
【0013】
エンドレスベルト1は、スリット帯板aの移動方向に循環動自在に配置され、これが横方向つまりスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に複数並設して配置され、更にこれらが上下に相対向して配置されている。
【0014】
上下に配置され且つ横方向に並設された各エンドレスベルト1は、無端状のベルトから構成され、上部側に配置された断面略長円形の上部圧力付与体20の外周、及び下部側に配置された断面略長円形の下部圧力付与体30の外周に、それぞれ独立して略長円形状態で循環動自在に装着されている。各エンドレスベルト1は独立してスリット帯板aの移動方向に循環動できるように装着されている。
【0015】
エンドレスベルト1が装着された上部圧力付与体20及び下部圧力付与体30には、エンドレスベルト1を循環動させる駆動源は設けられてなく、エンドレスベルト1は移動するスリット帯板aとの摩擦係合で循環動する以外に、自力で循環動することがない。つまり、上部圧力付与体20及び下部圧力付与体30に各々装着されたエンドレスベルト1は、スリット帯板aと接触しない限り循環動することはない。
【0016】
エンドレスベルト1の外側表面1bは、スリット帯板aと一体となってスリット帯板aを移動させる機能を果たすものである。これに対し、エンドレスベルト1の内側表面1aは、上部圧力付与体20及び下部圧力付与体30との間の滑りによる摩擦力で、スリット帯板aに張力を発生させる機能を果たすものである。このため、エンドレスベルト1の内側表面1aは外側表面1bより摩擦係数が小さく滑り易いようになっている。
【0017】
エンドレスベルト1の内側表面1aは、織布の各繊維間及び編み目の凹部に潤滑剤を含浸できるように、合成繊維による織布とし、エンドレスベルト1の外側表面1bは、圧縮弾性が小さく、加圧されても圧縮歪みがほとんど生じない硬度を有する比較的薄い可撓性の材料で密着構成されている。
【0018】
この織布をエンドレスベルト1の内側表面1aに用いることで、織布の各繊維間及び編み目の凹部に潤滑剤をあらかじめ染み込ませて摩擦係数を小さく出来るし、織布は固体の板状の材質とは異なり可撓性が大きい特徴があるので、圧力付与体20,30に装着されたエンドレスベルト1の回転抵抗が小さい。織布は合成繊維のポリエステルやビニロン、ナイロンなどの素材を利用できる。
【0019】
また、真円形型付与体のエンドレスベルトの材質は、厚み方向に十分な圧縮弾性と復元性が要求され、真円形型付与体の線接触に近い圧着状態でベルトの圧縮弾性歪みを利用しているが、それに比べて本願は圧倒的に圧着面積が大きいので、真円形と同等の摩擦抵抗力(張力)を発生するには低い面圧で十分であり、本願では真円形型付与体場合の圧縮歪み変形抵抗を必要としないので、比較的薄くて圧縮弾性度の小さな合成樹脂系の材質を用いる組合せで機能を発揮できるし、織布の各繊維間及び編み目に潤滑剤を含浸させられるので、特にエンドレスベルト1の内側表面1a及び外側表面1bに用いる素材自体の摩擦係数の差のある素材の組合せに限定する必要はないと言う特徴がある。
【0020】
また、エンドレスベルト1の外側表面1bは、内側表面1aよりも摩擦係数の大なる材質で形成されていてもよい。つまり、エンドレスベルト1の内側表面材は耐摩性の材料、例えば低い摩擦係数の軟質の合成樹脂系材を使用し、外側表面材は高い摩擦係数を有する弾性体、例えばゴムや合成樹脂材等を用いて構成されている。さらに、エンドレスベルト1の内側表面1aと上部圧力付与体20及び下部圧力付与体30の滑り面に潤滑剤を塗布する方法を用いて、エンドレスベルト1の内側表面1aの摩擦係数が外側表面1bの摩擦係数より小さくなるように構成してもよい。
【0021】
前記上部圧力付与体20は上部側に配置された多数のエンドレスベルト1の内側を挿通する状態で配設されている。このような状態で配設された上部圧力付与体20は、エンドレスベルト1の内側表面1aを直接押圧する側断面が直線状のベルト押圧部21と、ベルト押圧部21の上方に平行に設けられ側断面が直線状のベルトガイド部22と、上下のベルトガイド部22及びベルト押圧部21の両端側に各々形成され側断面が弧状例えば半円弧状のベルト反転部23とから一体的に構成されている。
【0022】
上部圧力付与体20は、上下のベルトガイド部22及びベルト押圧部21、その両端側の例えば半円弧状のベルト反転部23によって、例えば断面長円形状に形成されている。ベルト反転部23は半円弧状の形状以外の形状、部分楕円弧状或いは部分放物線状の形状も考えられ、この場合には上部圧力付与体20は断面略長円形状となる。上部圧力付与体20はその長手方向がスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に配設され、又エンドレスベルト1の内側を挿通している。
【0023】
横方向に複数並設された各エンドレスベルト1は略長円形断面の上部圧力付与体20の外周を独立して循環動する。上部圧力付与体20の周周り表面は長円形状に仕上げられ、各エンドレスベルト1が上部圧力付与体20の回りをスムーズに長円形状態で循環動できるようになっている。
【0024】
ベルト押圧部21は、スリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する面圧でエンドレスベルト1を介してスリット帯板aを押圧して、スリット帯板aに巻き取り張力を付与する部分である。このため、ベルト押圧部21は、通過するスリット帯板aに平行になるようにスリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する直線状に形成されている。又横方向に複数並設された各エンドレスベルト1の内側表面1aを均一に押圧できるように形成されている。
【0025】
ベルト押圧部21によって内側表面1aが押圧されて外側表面1bがスリット帯板aと直に接触するエンドレスベルト1は、外側表面1bがスリット帯板aに密着して滑ることなくスリット帯板aと一体となって同一速度で循環動する。ベルト押圧部21は、エンドレスベルト1と接触する表面が平坦面に形成されていて、また、エンドレスベルト1の内側表面1aとの間の摩擦が小さくなるように仕上げられている。
【0026】
上部圧力付与体20の外周には、横方向に複数並設された各エンドレスベルト1を分割ガイドする複数のベルトガイド用突起24がその周方向に一定間隔を隔てて突設されている。ベルトガイド用突起24は各エンドレスベルト1が幅方向に蛇行や変動するのを防ぐものである。ベルトガイド用突起24は両ベルト反転部23に適当間隔で複数設けられるが、必要に応じてベルトガイド部22にも設けられる。このベルトガイド用突起24には通常ピンが使用されるが、ピン以外に例えば板状のベルトガイド板25が使用されることもある。図4に図示するように、ベルトガイド板25が使用される場合、ベルトガイド板25はベルト反転部23に円弧状に突設され、ピンからなるベルトガイド用突起24はベルトガイド板25の両端側のベルト反転部23に突設される。
【0027】
また、上部圧力付与体20の内部には冷却室26が各エンドレスベルト1を横断する方向に設けられている。冷却室26は上部圧力付与体20の外周を循環動しながら周回するエンドレスベルト1が摩擦熱により過熱するのを冷やすためのものである。冷却室26は内部仕切板20aによって、両端側のベルト反転部23の内部と中間のベルト押圧部21の内部の3つに仕切られる。また、ベルト押圧部21の内部は必要に応じて内部仕切板20bによって更に2つ又は複数の内部仕切板20bによってそれ以上に仕切られることもある。更にまた、ベルト押圧部21の内部を複数に仕切る内部仕切板20bの一部は部分的に開口されていて、一部の内部仕切板20bを挟んで両側が部分的に連通していることもある。
【0028】
上部圧力付与体20の内部の冷却室26を仕切るこれらの内部仕切板20a,20bは、内部が冷却室26によって空洞となる上部圧力付与体20の形状保持の機能を果たす。即ち、エンドレスベルト1を下向きに押圧する上部圧力付与体20には上下方向に圧縮力が作用するが、内部仕切板20a,20bがこれに抵抗して上部圧力付与体20がその長手方向に撓んだり湾曲したりするのを防ぐ機能を果たす。
【0029】
冷却室26には水冷冷却室26aと空冷冷却室26bがある。水冷冷却室26aは内部に水を流し、空冷冷却室26bは内部に空気を流すことによって冷却する。水冷冷却室26aは通板するスリット帯板aの厚みが厚く、通板速度が速いと発生する摩擦熱も大となって、過熱しやすくなるときに使用される。空冷冷却室26bは通板するスリット帯板aの厚みが薄く通板速度も遅く過熱しにくいときに使用される。
【0030】
上部圧力付与体20の形状の変形例として、図6に示すように、ベルト押圧部21の裏側のベルトガイド部22が両端側の例えば半円弧状のベルト反転部23の上端より低い位置に設けられて、ベルト押圧部21の裏側に凹部22aが形成された上部溝型略長円形状もある。この場合には、上部側のエンドレスベルト1と凹部22aの内部との間には隙間が生じ、図6(A)に図示するように、この凹部22a内にエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧してエンドレスベルト1に緊張を付与するベルト緊張用ロール27が配置される。
【0031】
また、図6(B)に図示するように、この凹部22a内にベルト緊張用ロール27に代えて又は併用して、エンドレスベルト1の内側表面1aを潤滑する潤滑剤29が配置される。潤滑剤29は凹部22aの底に配置された凹状の潤滑剤ホルダー29aに収容されている。潤滑剤29は、常温では固形体で高温になると融点を超えて液状になるパラフィンを棒状に形成した不織布又は多孔性の発泡体に含浸させたものをエンドレスベルト1の内側表面1a側に接触配置し、エンドレスベルト1の回転による摩擦熱により内部の含浸したパラフィンが溶出してエンドレスベルト1の内側表面1aを潤滑して摩擦係数を低下させる。エンドレスベルト1はこの潤滑剤29によって回転中、その内側表面1aが潤滑されるため、頻繁にラインを止めて内側表面1aを潤滑する必要もなく、凹部22a内の潤滑剤29は生産性の向上に寄与する。
【0032】
下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3は、下部圧力付与体30と該圧力付与体30の外周表面を並設状態で循環動するエンドレスベルト1とから構成されている。下部圧力付与体30は下部側に配置された多数のエンドレスベルト1の内側を挿通する状態で配設されている。このような状態で配設された下部圧力付与体30は、エンドレスベルト1の内側表面1aを直接押圧する側断面が直線状のベルト押圧部31と、ベルト押圧部31の下方に平行に設けられ側断面が直線状のベルトガイド部32と、上下のベルト押圧部31及びベルトガイド部32の両端側に各々形成され側断面が弧状例えば半円弧状のベルト反転部33とから一体的に構成されている。
【0033】
下部圧力付与体30は、上下のベルトガイド部32及びベルト押圧部31、その両端側の例えば半円弧状のベルト反転部33によって、例えば断面長円形状に形成されている。ベルト反転部33は半円弧状の形状以外の形状、部分楕円弧状或いは部分放物線状の形状も考えられ、この場合には下部圧力付与体30は断面略長円形状となる。下部圧力付与体30はその長手方向がスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に配設され、又エンドレスベルト1の内側を挿通している。
【0034】
横方向に複数並設された各エンドレスベルト1は略長円形断面の下部圧力付与体30の外周を独立して循環動する。下部圧力付与体30の周周り表面は長円形状に仕上げられ、各エンドレスベルト1が下部圧力付与体30の回りをスムーズに長円形状態で循環動できるようになっている。
【0035】
ベルト押圧部31は、スリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する面圧でエンドレスベルト1を介してスリット帯板aを押圧して、スリット帯板aに巻き取り張力を付与する部分である。このため、ベルト押圧部31は、通過するスリット帯板aに平行になるようにスリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する直線状に形成されている。又横方向に複数並設された各エンドレスベルト1の内側表面1aを均一に押圧できるように形成されている。
【0036】
ベルト押圧部31によって内側表面1aが押圧されて外側表面1bがスリット帯板aと直に接触するエンドレスベルト1は、外側表面1bがスリット帯板aに密着して滑ることなくスリット帯板aと一体となって同一速度で循環動する。ベルト押圧部31は、エンドレスベルト1と接触する表面が平坦面に形成されていて、また、エンドレスベルト1の内側表面1aとの間の摩擦が小さくなるように仕上げられている。
【0037】
下部圧力付与体30の外周には、横方向に複数並設された各エンドレスベルト1を分割ガイドする複数のベルトガイド用突起34がその周方向に一定間隔を隔てて突設されている。ベルトガイド用突起34は各エンドレスベルト1が幅方向に蛇行や変動するのを防ぐものである。ベルトガイド用突起34は両ベルト反転部33に適当間隔で複数設けられるが、必要に応じてベルトガイド部32にも設けられる。このベルトガイド用突起34には通常ピンが使用されるが、ピン以外に例えば板状のベルトガイド板35が使用されることもある。図4に図示するように、ベルトガイド板35が使用される場合、ベルトガイド板35はベルト反転部33に円弧状に突設され、ピンからなるベルトガイド用突起34はベルトガイド板35の両端側のベルト反転部33に突設される。
【0038】
また、下部圧力付与体30の内部には冷却室36が各エンドレスベルト1を横断する方向に設けられている。冷却室36は下部圧力付与体30の外周を循環動しながら周回するエンドレスベルト1が摩擦熱により過熱するのを冷やすためのものである。冷却室36は内部仕切板30aによって、両端側のベルト反転部33の内部と中間のベルト押圧部31の内部の3つに仕切られる。また、ベルト押圧部31の内部は必要に応じて内部仕切板30bによって更に2つ又は複数の内部仕切板30bによってそれ以上に仕切られることもある。更にまた、ベルト押圧部31の内部を複数に仕切る内部仕切板30bの一部は部分的に開口されていて、一部の内部仕切板30bを挟んで両側が部分的に連通していることもある。
【0039】
下部圧力付与体30の内部の冷却室36を仕切るこれらの内部仕切板30a,30bは、内部が冷却室36によって空洞となる下部圧力付与体30の形状保持の機能を果たす。即ち、エンドレスベルト1を下向きに押圧する下部圧力付与体30には上下方向に圧縮力が作用するが、内部仕切板30a,30bがこれに抵抗して下部圧力付与体30がその長手方向に撓んだり湾曲したりするのを防ぐ機能を果たす。
【0040】
冷却室36には水冷冷却室36aと空冷冷却室36bがある。水冷冷却室36aは内部に水を流し、空冷冷却室36bは内部に空気を流すことによって冷却する。水冷冷却室36aは、通板するスリット帯板aの厚みが厚く、通板速度が速いと発生する摩擦熱も大となって、過熱しやすくなるときに使用される。空冷冷却室36bは通板するスリット帯板aの厚みが薄く通板速度も遅く過熱しにくいときに使用される。
【0041】
下部圧力付与体30の形状の変形例として、図6に示すように、ベルト押圧部31の裏側のベルトガイド部32が両端側の例えば半円弧状のベルト反転部33の下端より高い位置に設けられて、ベルト押圧部31の裏側に凹部32aが形成された下部溝型略長円形状もある。この場合には、下部側のエンドレスベルト1と凹部32aの内部との間には隙間が生じ、図6(A)に図示するように、この凹部32a内にエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧してエンドレスベルト1に緊張を付与するベルト緊張用ロール37が配置される。
【0042】
また、図6(B)に図示するように、この凹部32a内にベルト緊張用ロール37に代えて又は併用して、エンドレスベルト1の内側表面1aを潤滑する潤滑剤39が配置される。潤滑剤39は凹部32aの底に配置された凹状の潤滑剤ホルダー39aに収容されている。潤滑剤39は、常温では固形体で高温になると融点を超えて液状になるパラフィンを棒状に形成した不織布又は多孔性の発泡体に含浸させたものをエンドレスベルト1の内側表面1a側に接触配置し、エンドレスベルト1の回転による摩擦熱により内部の含浸したパラフィンが溶出してエンドレスベルト1の内側表面1aを潤滑して摩擦係数を低下させる。エンドレスベルト1はこの潤滑剤29によって回転中、その内側表面1aが潤滑されるため、頻繁にラインを止めて内側表面1aを潤滑する必要もなく、凹部32a内の潤滑剤39は生産性の向上に寄与する。
【0043】
下部圧力付与体30の両端側は、軸38を介してその両外方側に設置された門型のスタンド4に軸回りに回転自在に各々支持されている。下部圧力付与体30は軸38を中心に回転する構造になっている。この回転は手動でも簡単に行うことができる。下部圧力付与体30の両端には外側方に向けて軸38が各々張り出して設けられており、各軸38は門型のスタンド4の上部横桁41の中央に軸支されている。
【0044】
下部圧力付与体30の両端側に設置されたスタンド4は、上部横桁41と上部横桁41の両端下部を支持する左右の縦桁42から構成される門型形状からなる。スタンド4は上部圧力付与体20及び下部圧力付与体30を支持するもので、上部横桁41の上方には上部圧力付与体20の両端側を支持する上部軸受け43が昇降自在に設けられている。この両側に設置されたスタンド4はその下端が板状のベース45上に固定されている。
【0045】
上部圧力付与体20の両端側は、軸28を介してその両外方側に設置された門型のスタンド4に軸回りに回転自在に各々支持されている。上部圧力付与体20は軸28を中心に回転する構造になっている。この回転は手動でも簡単に行うことができる。上部圧力付与体20の両端には外側方に向けて軸28が各々張り出して設けられており、各軸28は門型のスタンド4の上部横桁41の上方に昇降自在に設けられた上部軸受け43の中央に軸支されている。
【0046】
門型のスタンド4の内側つまり上部横桁41と左右の縦桁42との間には、液圧シリンダ5が設けられている。液圧シリンダ5は上部軸受け43を昇降させると共に昇降する上部軸受け43を介して上部圧力付与体20に、エンドレスベルト1に対する圧下力を付与する。液圧シリンダ5には例えば油圧シリンダが使用される。
【0047】
液圧シリンダ5は下向きに伸縮するように、その上端が上部横桁41の下端中央に吊持されている。液圧シリンダ5の下端から下方に突出するピストンロッド51の下端は横連結板52の中央に連結されている。この横連結板52の両端側には上部軸受け43を昇降自在に支持する昇降軸44の下端がそれぞれ連結されている。
【0048】
各昇降軸44は上下方向に延設され上部横桁41を昇降自在に貫通しており、貫通した上端は上部軸受け43の下端に連結されている。上部圧力付与体20を支持する上部軸受け43は、この昇降軸44が液圧シリンダ5によって昇降することによって、これと一体となって昇降する構造になっている。
【0049】
即ち、液圧シリンダ5のピストンロッド51が下方に伸長すると、昇降軸44は下降し、これに連動して上部軸受け43及び上部圧力付与体20も下降して、エンドレスベルト1に圧下力が作用して、上部圧力付与体20及び下部圧力付与体30の協動による上下から挟圧してスリット帯板aに巻き取り張力を付与する。
【0050】
また、液圧シリンダ5のピストンロッド51が収縮すると、昇降軸44は上昇し、これに連動して上部軸受け43及び上部圧力付与体20も上昇して、エンドレスベルト1に対する圧下力は消失し、エンドレスベルト1によるスリット帯板aに対する巻き取り張力は消失する。
【0051】
上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2に設けられた上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6は、該可動ベルト型圧力付与体2の外周表面の片側に、該可動ベルト型圧力付与体2の外周表面にスリット帯板aの移動方向に循環動自在に並設された複数のエンドレスベルト1を跨いで設けられている。上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6は、上部圧力付与体20のベルト押圧部21の反対側となるベルトガイド部22上に取り付けられている。
【0052】
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6は、押圧表面にフェルト61が取り付けられた押圧板62、押圧板62の両端を上部圧力付与体20のベルトガイド部22上の両端側の中央表面に支持連結する支持桁63、並設された複数のエンドレスベルト1同士の間の上部圧力付与体20のベルトガイド部22の表面に支持される複数の分割支持片64から構成されている。
【0053】
押圧板62のフェルト61表面が上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6は押圧板62のフェルト61が移動中のスリット帯板aの表面を押圧するが、このときフェルト61は固定されていて、移動中のスリット帯板a表面との間で滑りを生じる。
【0054】
分割支持片64は、押圧板62の両端以外の中間部を支持して、押圧板62でスリット帯板aの表面を押圧時に、押圧板62が撓むのを防止する機能を果たす。また、各分割支持片64は、押圧板62のフェルト61と反対側の面がエンドレスベルト1に接触するのを防ぐのに十分な高さを有している。
【0055】
また、下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3に設けられた下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7は、該可動ベルト型圧力付与体3の外周表面の片側に、該可動ベルト型圧力付与体3の外周表面にスリット帯板aの移動方向に循環動自在に並設された複数のエンドレスベルト1を跨いで設けられている。下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7は、下部圧力付与体30のベルト押圧部31の反対側となるベルトガイド部32上に取り付けられている。
【0056】
下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7は、押圧表面にフェルト71が取り付けられた押圧板72、押圧下72の両端を下部圧力付与体30のベルトガイド部32上の両端側の中央表面に支持連結する支持桁73、並設された複数のエンドレスベルト1同士の間の下部圧力付与体30のベルトガイド部32の表面に支持される複数の分割支持片74から構成されている。
【0057】
押圧板72のフェルト71表面が上部帯板圧着面非可動型圧力付与体7は押圧板72のフェルト71が移動中のスリット帯板aの表面を押圧するが、このときフェルト71は固定されていて、移動中のスリット帯板a表面との間で滑りを生じる。
【0058】
分割支持片74は、押圧板72の両端以外の中間部を支持して、押圧板72でスリット帯板aの表面を押圧時に、押圧板72が撓むのを防止する機能を果たす。また、各分割支持片74は、押圧板72のフェルト71と反対側の面がエンドレスベルト1に接触するのを防ぐのに十分な高さを有している。
【0059】
なお、図では液圧シリンダ5は下向きに設置、つまり上部横桁41に吊持されて下向きにピストンロッド51が伸縮する構造になっているが、これと逆に液圧シリンダ5を上向きに設置、つまり液圧シリンダ5の下端をベース45上に設置しピストンロッド51が上端側になるようにして、上向きにピストンロッド51が伸縮する構造に設置してもよい。また、液圧シリンダ5には、スリット帯板aの板厚や板幅に合わせた張力を付与できるように、該液圧シリンダ5への流体圧を図示しない圧力調整装置で調整できる構造になっている。
【0060】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6と下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7とにより、スリット帯板aを挟圧して巻き取り張力を付与したい場合には、上部圧力付与体20及び下部圧力付与体30の両端側に設置された各スタンド4内に吊持された液圧シリンダ5のピストンロッド51を収縮して、各スタンド4の上方の上部軸受け43を上昇させる。各上部軸受け43を上昇させると両端が上部軸受け43に支持された上部圧力付与体20は上昇して、上部圧力付与体20と下部圧力付与体30との間は上下に開く。
【0061】
上部圧力付与体20を軸28を中心として180度回転させて、上部圧力付与体20の上部側に位置していた押圧板62のフェルト61を下向きにする。同様に下部圧力付与体30を軸38を中心として180度回転させて、下部圧力付与体30の下部側に位置していた押圧板72のフェルト71を上向きにする。この回転は手動で簡単に行うことができ、又手動に代えてモーターなどの駆動力を使って回転させることもできる。
【0062】
開いた上下に相対向するフェルト61、71同士の間に各スリット帯板aを通し、液圧シリンダ5のピストンロッド51を下向きに伸長して上部圧力付与体20を下降させて、上部圧力付与体20と下部圧力付与体30との間を閉じてスリット帯板aの通板作業を完了すると共に、上下の上部圧力付与体20及び下部圧力付与体30に装着したフェルト61、71により、スリット帯板aを上下から所定の押圧力で挟圧する。
【0063】
これに対して、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2と下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3とにより、スリット帯板aを挟圧して巻き取り張力を付与したい場合には、上部圧力付与体20を上に開いて、上部圧力付与体20を軸28を中心として180度回転させて、上部圧力付与体20の下部側に位置していた押圧板62のフェルト61を上向きにする。同様に下部圧力付与体30を軸38を中心として180度回転させて、下部圧力付与体30の上部側に位置していた押圧板72のフェルト71を下向きにする。この回転は手動で簡単に行うことができる。
【0064】
開いた上下に相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士の間に各スリット帯板aを通し、液圧シリンダ5のピストンロッド51を下向きに伸長して上部圧力付与体20を下降させて、上部圧力付与体20と下部圧力付与体30との間を閉じてスリット帯板aの通板作業を完了すると共に、上下の上部圧力付与体20及び下部圧力付与体30に装着したエンドレスベルト1により、スリット帯板aを上下から所定の押圧力で挟圧する。
【0065】
上部圧力付与体20のベルト押圧部21はエンドレスベルト1の内側表面1aを下向きに押圧して内側表面1aに完全に密着する。ベルト押圧部21に下向きに押圧されたエンドレスベルト1は外側表面1bがスリット帯板aの表面と完全に密着する。エンドレスベルト1の外側表面1bがスリット帯板aの表面と完全に密着した後は、スリット帯板aを下方に押圧する。
【0066】
スリット帯板aの裏面と接触する下部側のエンドレスベルト1は、反力によって下部圧力付与体30のベルト押圧部31によって下部側のエンドレスベルト1の内側表面1aを上向きに押圧して、エンドレスベルト1の外側表面1bとスリット帯板aの裏面を密着させて、上下の相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士で上下からスリット帯板aの表裏面を同一の圧力で押圧する。このとき、上下の相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士と密着したスリット帯板aの表裏面の全範囲には均等な圧力が付与される。
【0067】
そして、スリット帯板aの巻取りを開始すると、移動するスリット帯板aの表裏面と上下のエンドレスベルト1の外側表面1bとの密着摩擦により、上下の各エンドレスベルト1は略長円形の上部圧力付与体20及び下部圧力付与体30の外周を略長円形状態で循環動して周回する。このとき、上下のエンドレスベルト1は移動する各スリット帯板aと滑りを生じることなく一体となって同速度で各々独立して循環動する。
【0068】
その一方で、上記上部圧力付与体20のベルト押圧部21及び下部圧力付与体30のベルト押圧部31の表面と上下のエンドレスベルト1の内側表面1aとの間の滑りによる摩擦力により、つまり、移動するスリット帯板aとの摩擦係合で略長円形状態で循環動するエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧するベルト押圧部21及びベルト押圧部31が所謂ブレーキ的な機能を果たして、スリット帯板巻取装置と帯板巻取り張力付与装置との間に位置する各スリット帯板aに必要な巻き取り張力を発生させるのである。
【0069】
また、帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2、3と帯板圧着面非可動型圧力付与体6,7との組み合わせとしては、図8(A)(C)のように同じもの同士の組み合わせ以外に、図8(B)のように、上部帯板圧着面非可動型圧力付与体6と下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体3、図8(D)のように、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体2と下部帯板圧着面非可動型圧力付与体7もある。
【0070】
〔実施の形態−2〕
ここで、図9は装置の全体側面図、図10は装置の全体正面図、図11は帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の基本構成断面図、図12はベルトガイド用突起がピンと板の場合の構成断面図、図13は帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の水冷冷却室を備えた構成断面図、図14は帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の変形構成断面図、図15は使用説明図、図16は組み合わせの説明図である。
【0071】
帯板巻取り張力付与装置は、スリット帯板aに所定の巻き取り張力を付与する装置で、図示しないスリット帯板巻取装置の前方側でスリット帯板aの移動通路の途中に配置されている。
【0072】
帯板巻取り張力付与装置は、上下に相対向して略長円形状態で循環動自在に保持されたエンドレスベルト1と、上下のエンドレスベルト1が各々略長円形状態で循環動自在にその外周を周回し、且つエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧する上下一対の上部圧力付与体120、下部圧力付与体130とから各々構成される上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102及び下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103、両圧力付与体120,130を支持するスタンド104、上部圧力付与体120に圧下力を付与する液圧シリンダ105、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102に設けられた上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106、下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103に設けられた下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107などから主に構成されている。
【0073】
上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102は、上部圧力付与体120と該圧力付与体120の外周表面を並設状態で循環動するエンドレスベルト1とから構成されている。上部圧力付与体120は上部側に配置されたエンドレスベルト1を下方に押圧し、一方、下部圧力付与体130は下部側に配置されたエンドレスベルト1を上方に押圧する。上部圧力付与体120と下部圧力付与体130とは協働して、上下に相対向する各エンドレスベルト1同士の間を通過するスリット帯板aをエンドレスベルト1を介して間接的に上下から同一の押圧力で挟圧して、一定の張力を付与するものである。
【0074】
エンドレスベルト1は、スリット帯板aの移動方向に循環動自在に配置され、これが横方向つまりスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に複数並設して配置され、更にこれらが上下に相対向して配置されている。
【0075】
上下に配置され且つ横方向に並設された各エンドレスベルト1は、無端状のベルトから構成され、上部側に配置された断面略長円形の上部圧力付与体120の外周、及び下部側に配置された断面略長円形の下部圧力付与体130の外周に、それぞれ独立して略長円形状態で循環動自在に装着されている。各エンドレスベルト1は独立してスリット帯板aの移動方向に循環動できるように装着されている。
【0076】
エンドレスベルト1が装着された上部圧力付与体120及び下部圧力付与体130には、エンドレスベルト1を循環動させる駆動源は設けられてなく、エンドレスベルト1は移動するスリット帯板aとの摩擦係合で循環動する以外に、自力で循環動することがない。つまり、上部圧力付与体120及び下部圧力付与体130に各々装着されたエンドレスベルト1は、スリット帯板aと接触しない限り循環動することはない。
【0077】
エンドレスベルト1の外側表面1bは、スリット帯板aと一体となってスリット帯板aを移動させる機能を果たすものである。これに対し、エンドレスベルト1の内側表面1aは、上部圧力付与体120及び下部圧力付与体130との間の滑りによる摩擦力で、スリット帯板aに張力を発生させる機能を果たすものである。このため、エンドレスベルト1の内側表面1aは外側表面1bより摩擦係数が小さく滑り易いようになっている。
【0078】
エンドレスベルト1の内側表面1aは、織布の各繊維間及び編み目の凹部に潤滑剤を含浸できるように、合成繊維による織布とし、エンドレスベルト1の外側表面1bは、圧縮弾性が小さく、加圧されても圧縮歪みがほとんど生じない硬度を有する比較的薄い可撓性の材料で密着構成されている。
【0079】
この織布をエンドレスベルト1の内側表面1aに用いることで、織布の各繊維間及び編み目の凹部に潤滑剤をあらかじめ染み込ませて摩擦係数を小さく出来るし、織布は固体の板状の材質とは異なり可撓性が大きい特徴があるので、圧力付与体120,130に装着されたエンドレスベルト1の回転抵抗が小さい。織布は合成繊維のポリエステルやビニロン、ナイロンなどの素材を利用できる。
【0080】
また、真円形型付与体のエンドレスベルトの材質は、厚み方向に十分な圧縮弾性と復元性が要求され、真円形型付与体の線接触に近い圧着状態でベルトの圧縮弾性歪みを利用しているが、それに比べて本願は圧倒的に圧着面積が大きいので、真円形と同等の摩擦抵抗力(張力)を発生するには低い面圧で十分であり、本願では真円形型付与体場合の圧縮歪み変形抵抗を必要としないので、比較的薄くて圧縮弾性度の小さな合成樹脂系の材質を用いる組合せで機能を発揮できるし、織布の各繊維間及び編み目に潤滑剤を含浸させられるので、特にエンドレスベルト1の内側表面1a及び外側表面1bに用いる素材自体の摩擦係数の差のある素材の組合せに限定する必要はないと言う特徴がある。
【0081】
また、エンドレスベルト1の外側表面1bは、内側表面1aよりも摩擦係数の大なる材質で形成されていてもよい。つまり、エンドレスベルト1の内側表面材は耐摩性の材料、例えば低い摩擦係数の軟質の合成樹脂系材を使用し、外側表面材は高い摩擦係数を有する弾性体、例えばゴムや合成樹脂材等を用いて構成されている。さらに、エンドレスベルト1の内側表面1aと上部圧力付与体120及び下部圧力付与体130の滑り面に潤滑剤を塗布する方法を用いて、エンドレスベルト1の内側表面1aの摩擦係数が外側表面1bの摩擦係数より小さくなるように構成してもよい。
【0082】
前記上部圧力付与体120は上部側に配置された多数のエンドレスベルト1の内側を挿通する状態で配設されている。このような状態で配設された上部圧力付与体120は、エンドレスベルト1の内側表面1aを直接押圧する側断面が直線状のベルト押圧部121と、ベルト押圧部121の上方に平行に設けられ側断面が直線状のベルトガイド部122と、上下のベルトガイド部122及びベルト押圧部121の両端側に各々形成され、側断面視において、エンドレスベルト1との接触面が丸みを帯びた複数のベルト反転ガイド子123aが所定間隔で、エンドレスベルト1との接触軌跡が弧状例えば半円弧状になるように配置されて構成されるベルト反転部123とから一体的に構成されている。
【0083】
上部圧力付与体120は、上下のベルトガイド部122及びベルト押圧部121、その両端側の例えば半円弧状に配置された複数のベルト反転ガイド子123aからなるベルト反転部123によって、例えば断面長円形状に形成されている。ベルト反転部123を構成する複数のベルト反転ガイド子123aは半円弧状の配置、部分楕円弧状或いは部分放物線状の配置も考えられ、この場合には上部圧力付与体120は断面略長円形状となる。上部圧力付与体120はその長手方向がスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に配設され、又エンドレスベルト1の内側を挿通している。
【0084】
ベルト反転部123を構成する各ベルト反転ガイド子123aには、エンドレスベルトの内側表面1aとの接触面が丸みを帯びた円筒管や円形棒が使用されている。又各ベルト反転ガイド子123aは固定して取り付けられているが、回転自在に取り付けられることもある。ベルト反転部123がベルト反転ガイド子123aで構成される場合には、ベルト反転部123の内部に各ベルト反転ガイド子123aの隙間から空気が流出入してその通気性が図られるために空冷効果が生じる。更に、ベルト反転ガイド子123aに内部が中空な円筒管が使用される場合には円筒管内部を空冷することによって更に冷却効果は高まる。同様に、各ベルト反転ガイド子123aに内部と一部開通する溝を有する断面円弧状管を使用する場合も同様に冷却効果を高めることができる。
【0085】
横方向に複数並設された各エンドレスベルト1は略長円形断面の上部圧力付与体120の外周を独立して循環動する。上部圧力付与体120の周周り表面は長円形状に仕上げられ、各エンドレスベルト1が上部圧力付与体120の回りをスムーズに長円形状態で循環動できるようになっている。
【0086】
ベルト押圧部121は、スリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する面圧でエンドレスベルト1を介してスリット帯板aを押圧して、スリット帯板aに巻き取り張力を付与する部分である。このため、ベルト押圧部121は、通過するスリット帯板aに平行になるようにスリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する直線状に形成されている。又横方向に複数並設された各エンドレスベルト1の内側表面1aを均一に押圧できるように形成されている。
【0087】
ベルト押圧部121によって内側表面1aが押圧されて外側表面1bがスリット帯板aと直に接触するエンドレスベルト1は、外側表面1bがスリット帯板aに密着して滑ることなくスリット帯板aと一体となって同一速度で循環動する。ベルト押圧部121は、エンドレスベルト1と接触する表面が平坦面に形成されていて、また、エンドレスベルト1の内側表面1aとの間の摩擦が小さくなるように仕上げられている。
【0088】
上部圧力付与体120の外周には、横方向に複数並設された各エンドレスベルト1を分割ガイドする複数のベルトガイド用突起124がその周方向に一定間隔を隔てて突設されている。ベルトガイド用突起124は各エンドレスベルト1が幅方向に蛇行や変動するのを防ぐものである。ベルトガイド用突起124は両ベルト反転部123に適当間隔で複数設けられるが、必要に応じてベルトガイド部122にも設けられる。このベルトガイド用突起124には通常ピンが使用されるが、ピン以外に例えば板状のベルトガイド板125が使用されることもある。図12に図示するように、ベルトガイド板125が使用される場合、ベルトガイド板125はベルト反転部123に円弧状に突設され、ピンからなるベルトガイド用突起124はベルトガイド板125の両端側のベルト反転部123に突設される。
【0089】
また、上部圧力付与体120の内部には冷却室126が各エンドレスベルト1を横断する方向に設けられている。冷却室126は上部圧力付与体120の外周を循環動しながら周回するエンドレスベルト1が摩擦熱により過熱するのを冷やすためのものである。冷却室126は内部仕切板120aによって、両端側のベルト反転部123の内部と中間のベルト押圧部121の内部の3つに仕切られる。また、ベルト押圧部121の内部は必要に応じて内部仕切板120bによって更に2つ又は複数の内部仕切板120bによってそれ以上に仕切られることもある。更にまた、ベルト押圧部121の内部を複数に仕切る内部仕切板120bの一部は部分的に開口されていて、一部の内部仕切板120bを挟んで両側が部分的に連通していることもある。
【0090】
上部圧力付与体120の内部の冷却室126を仕切るこれらの内部仕切板120a,120bは、内部が冷却室126によって空洞となる上部圧力付与体120の形状保持の機能を果たす。即ち、エンドレスベルト1を下向きに押圧する上部圧力付与体120には上下方向に圧縮力が作用するが、内部仕切板120a,120bがこれに抵抗して上部圧力付与体120がその長手方向に撓んだり湾曲したりするのを防ぐ機能を果たす。
【0091】
冷却室126は水冷冷却室126aとして使用されるが空冷冷却室として使用されることもある。水冷冷却室126aは内部に水を流し、空冷冷却室は内部に空気を流すことによって冷却する。水冷冷却室126aは通板するスリット帯板aの厚みが厚く、通板速度が速いと発生する摩擦熱も大となって、過熱しやすくなるときに使用される。空冷冷却室は通板するスリット帯板aの厚みが薄く通板速度も遅く過熱しにくいときに使用される。
【0092】
上部圧力付与体120の形状の変形例として、図14に示すように、ベルト押圧部121の裏側のベルトガイド部122が両端側の例えば半円弧状のベルト反転部123の上端より低い位置に設けられて、ベルト押圧部121の裏側に凹部122aが形成された上部溝型略長円形状もある。この場合には、上部側のエンドレスベルト1と凹部122aの内部との間には隙間が生じ、図14(A)に図示するように、この凹部122a内にエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧してエンドレスベルト1に緊張を付与するベルト緊張用ロール127が配置される。
【0093】
また、図14(B)に図示するように、この凹部122a内にベルト緊張用ロール127に代えて又は併用して、エンドレスベルト1の内側表面1aを潤滑する潤滑剤129が配置される。潤滑剤129は凹部122aの底に配置された凹状の潤滑剤ホルダー129aに収容されている。潤滑剤129は、常温では固形体で高温になると融点を超えて液状になるパラフィンを棒状に形成した不織布又は多孔性の発泡体に含浸させたものをエンドレスベルト1の内側表面1a側に接触配置し、エンドレスベルト1の回転による摩擦熱により内部の含浸したパラフィンが溶出してエンドレスベルト1の内側表面1aを潤滑して摩擦係数を低下させる。エンドレスベルト1はこの潤滑剤129によって回転中、その内側表面1aが潤滑されるため、頻繁にラインを止めて内側表面1aを潤滑する必要もなく、凹部122a内の潤滑剤129は生産性の向上に寄与する。
【0094】
下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103は、下部圧力付与体130と該圧力付与体130の外周表面を並設状態で循環動するエンドレスベルト1とから構成されている。下部圧力付与体130は下部側に配置された多数のエンドレスベルト1の内側を挿通する状態で配設されている。このような状態で配設された下部圧力付与体130は、エンドレスベルト1の内側表面1aを直接押圧する側断面が直線状のベルト押圧部131と、ベルト押圧部131の下方に平行に設けられ側断面が直線状のベルトガイド部132と、上下のベルト押圧部131及びベルトガイド部132の両端側に各々形成され、側断面視において、エンドレスベルト1との接触面が丸みを帯びた複数のベルト反転ガイド子133aが所定間隔で、エンドレスベルト1との接触軌跡が弧状例えば半円弧状になるように配置されて構成されるベルト反転部133とから一体的に構成されている。
【0095】
下部圧力付与体130は、上下のベルトガイド部132及びベルト押圧部131、その両端側の例えば半円弧状に配置された複数のベルト反転ガイド子133aからなるベルト反転部133によって、例えば断面長円形状に形成されている。ベルト反転部133を構成する複数のベルト反転ガイド子133aは半円弧状の配置、部分楕円弧状或いは部分放物線状の配置も考えられ、この場合には下部圧力付与体130は断面略長円形状となる。下部圧力付与体130はその長手方向がスリット帯板aの移動方向に対して直交方向に配設され、又エンドレスベルト1の内側を挿通している。
【0096】
ベルト反転部133を構成する各ベルト反転ガイド子133aには、エンドレスベルトの内側表面1aとの接触面が丸みを帯びた円筒管や円形棒が使用されている。又各ベルト反転ガイド子133aは固定して取り付けられているが、回転自在に取り付けられることもある。ベルト反転部133がベルト反転ガイド子133aで構成される場合には、ベルト反転部133の内部に各ベルト反転ガイド子133aの隙間から空気が流出入してその通気性が図られるために空冷効果が生じる。更に、ベルト反転ガイド子133aに内部が中空な円筒管が使用される場合には円筒管内部を空冷することによって更に冷却効果は高まる。同様に、各ベルト反転ガイド子133aに内部と一部開通する溝を有する断面円弧状管を使用する場合も同様に冷却効果を高めることができる。
【0097】
横方向に複数並設された各エンドレスベルト1は略長円形断面の下部圧力付与体130の外周を独立して循環動する。下部圧力付与体130の周周り表面は長円形状に仕上げられ、各エンドレスベルト1が下部圧力付与体130の回りをスムーズに長円形状態で循環動できるようになっている。
【0098】
ベルト押圧部131は、スリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する面圧でエンドレスベルト1を介してスリット帯板aを押圧して、スリット帯板aに巻き取り張力を付与する部分である。このため、ベルト押圧部131は、通過するスリット帯板aに平行になるようにスリット帯板aの移動方向に対して一定の長さを有する直線状に形成されている。又横方向に複数並設された各エンドレスベルト1の内側表面1aを均一に押圧できるように形成されている。
【0099】
ベルト押圧部131によって内側表面1aが押圧されて外側表面1bがスリット帯板aと直に接触するエンドレスベルト1は、外側表面1bがスリット帯板aに密着して滑ることなくスリット帯板aと一体となって同一速度で循環動する。ベルト押圧部131は、エンドレスベルト1と接触する表面が平坦面に形成されていて、また、エンドレスベルト1の内側表面1aとの間の摩擦が小さくなるように仕上げられている。
【0100】
下部圧力付与体130の外周には、横方向に複数並設された各エンドレスベルト1を分割ガイドする複数のベルトガイド用突起134がその周方向に一定間隔を隔てて突設されている。ベルトガイド用突起134は各エンドレスベルト1が幅方向に蛇行や変動するのを防ぐものである。ベルトガイド用突起134は両ベルト反転部133に適当間隔で複数設けられるが、必要に応じてベルトガイド部132にも設けられる。このベルトガイド用突起134には通常ピンが使用されるが、ピン以外に例えば板状のベルトガイド板135が使用されることもある。図12に図示するように、ベルトガイド板135が使用される場合、ベルトガイド板135はベルト反転部133に円弧状に突設され、ピンからなるベルトガイド用突起134はベルトガイド板135の両端側のベルト反転部133に突設される。
【0101】
また、下部圧力付与体130の内部には冷却室136が各エンドレスベルト1を横断する方向に設けられている。冷却室136は下部圧力付与体130の外周を循環動しながら周回するエンドレスベルト1が摩擦熱により過熱するのを冷やすためのものである。冷却室136は内部仕切板130aによって、両端側のベルト反転部133の内部と中間のベルト押圧部131の内部の3つに仕切られる。また、ベルト押圧部131の内部は必要に応じて内部仕切板130bによって更に2つ又は複数の内部仕切板130bによってそれ以上に仕切られることもある。更にまた、ベルト押圧部131の内部を複数に仕切る内部仕切板130bの一部は部分的に開口されていて、一部の内部仕切板130bを挟んで両側が部分的に連通していることもある。
【0102】
下部圧力付与体130の内部の冷却室136を仕切るこれらの内部仕切板130a,130bは、内部が冷却室136によって空洞となる下部圧力付与体130の形状保持の機能を果たす。即ち、エンドレスベルト1を下向きに押圧する下部圧力付与体130には上下方向に圧縮力が作用するが、内部仕切板130a,130bがこれに抵抗して下部圧力付与体130がその長手方向に撓んだり湾曲したりするのを防ぐ機能を果たす。
【0103】
冷却室136は水冷冷却室136aとして使用されるが空冷冷却室として使用されることもある。水冷冷却室136aは内部に水を流し、空冷冷却室は内部に空気を流すことによって冷却する。水冷冷却室136aは通板するスリット帯板aの厚みが厚く、通板速度が速いと発生する摩擦熱も大となって、過熱しやすくなるときに使用される。空冷冷却室は通板するスリット帯板aの厚みが薄く通板速度も遅く過熱しにくいときに使用される。
【0104】
下部圧力付与体130の形状の変形例として、図14に示すように、ベルト押圧部131の裏側のベルトガイド部132が両端側の例えば半円弧状のベルト反転部133の下端より高い位置に設けられて、ベルト押圧部131の裏側に凹部132aが形成された下部溝型略長円形状もある。この場合には、下部側のエンドレスベルト1と凹部132aの内部との間には隙間が生じ、図14(A)に図示するように、この凹部132a内にエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧してエンドレスベルト1に緊張を付与するベルト緊張用ロール137が配置される。
【0105】
また、図14(B)に図示するように、この凹部132a内にベルト緊張用ロール137に代えて又は併用して、エンドレスベルト1の内側表面1aを潤滑する潤滑剤139が配置される。潤滑剤139は凹部132aの底に配置された凹状の潤滑剤ホルダー139aに収容されている。潤滑剤139は、常温では固形体で高温になると融点を超えて液状になるパラフィンを棒状に形成した不織布又は多孔性の発泡体に含浸させたものをエンドレスベルト1の内側表面1a側に接触配置し、エンドレスベルト1の回転による摩擦熱により内部の含浸したパラフィンが溶出してエンドレスベルト1の内側表面1aを潤滑して摩擦係数を低下させる。エンドレスベルト1はこの潤滑剤129によって回転中、その内側表面1aが潤滑されるため、頻繁にラインを止めて内側表面1aを潤滑する必要もなく、凹部132a内の潤滑剤139は生産性の向上に寄与する。
【0106】
下部圧力付与体130の両端側は、軸138を介してその両外方側に設置された門型のスタンド104に軸回りに回転自在に各々支持されている。下部圧力付与体130は軸138を中心に回転する構造になっている。この回転は手動でも簡単に行うことができる。下部圧力付与体130の両端には外側方に向けて軸138が各々張り出して設けられており、各軸138は門型のスタンド104の上部横桁141の中央に軸支されている。
【0107】
下部圧力付与体130の両端側に設置されたスタンド104は、上部横桁141と上部横桁141の両端下部を支持する左右の縦桁142から構成される門型形状からなる。スタンド104は上部圧力付与体120及び下部圧力付与体130を支持するもので、上部横桁141の上方には上部圧力付与体120の両端側を支持する上部軸受け143が昇降自在に設けられている。この両側に設置されたスタンド104はその下端が板状のベース145上に固定されている。
【0108】
上部圧力付与体120の両端側は、軸128を介してその両外方側に設置された門型のスタンド104に軸回りに回転自在に各々支持されている。上部圧力付与体120は軸128を中心に回転する構造になっている。この回転は手動でも簡単に行うことができる。上部圧力付与体120の両端には外側方に向けて軸128が各々張り出して設けられており、各軸128は門型のスタンド104の上部横桁141の上方に昇降自在に設けられた上部軸受け143の中央に軸支されている。
【0109】
門型のスタンド104の内側つまり上部横桁141と左右の縦桁142との間には、液圧シリンダ105が設けられている。液圧シリンダ105は上部軸受け143を昇降させると共に昇降する上部軸受け143を介して上部圧力付与体120に、エンドレスベルト1に対する圧下力を付与する。液圧シリンダ105には例えば油圧シリンダが使用される。
【0110】
液圧シリンダ105は下向きに伸縮するように、その上端が上部横桁141の下端中央に吊持されている。液圧シリンダ105の下端から下方に突出するピストンロッド151の下端は横連結板152の中央に連結されている。この横連結板152の両端側には上部軸受け143を昇降自在に支持する昇降軸144の下端がそれぞれ連結されている。
【0111】
各昇降軸144は上下方向に延設され上部横桁141を昇降自在に貫通しており、貫通した上端は上部軸受け143の下端に連結されている。上部圧力付与体120を支持する上部軸受け143は、この昇降軸144が液圧シリンダ105によって昇降することによって、これと一体となって昇降する構造になっている。
【0112】
即ち、液圧シリンダ105のピストンロッド151が下方に伸長すると、昇降軸144は下降し、これに連動して上部軸受け143及び上部圧力付与体120も下降して、エンドレスベルト1に圧下力が作用して、上部圧力付与体120及び下部圧力付与体130の協動による上下から挟圧してスリット帯板aに巻き取り張力を付与する。
【0113】
また、液圧シリンダ105のピストンロッド151が収縮すると、昇降軸144は上昇し、これに連動して上部軸受け143及び上部圧力付与体120も上昇して、エンドレスベルト1に対する圧下力は消失し、エンドレスベルト1によるスリット帯板aに対する巻き取り張力は消失する。
【0114】
上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102に設けられた上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106は、該可動ベルト型圧力付与体102の外周表面の片側に、該可動ベルト型圧力付与体102の外周表面にスリット帯板aの移動方向に循環動自在に並設された複数のエンドレスベルト1を跨いで設けられている。上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106は、上部圧力付与体120のベルト押圧部121の反対側となるベルトガイド部122上に取り付けられている。
【0115】
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106は、押圧表面にフェルト161が取り付けられた押圧板162、押圧板162の両端を上部圧力付与体120のベルトガイド部122上の両端側の中央表面に支持連結する支持桁163、並設された複数のエンドレスベルト1同士の間の上部圧力付与体120のベルトガイド部122の表面に支持される複数の分割支持片164から構成されている。
【0116】
押圧板162のフェルト161表面が上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106は押圧板162のフェルト161が移動中のスリット帯板aの表面を押圧するが、このときフェルト161は固定されていて、移動中のスリット帯板a表面との間で滑りを生じる。
【0117】
分割支持片164は、押圧板162の両端以外の中間部を支持して、押圧板162でスリット帯板aの表面を押圧時に、押圧板162が撓むのを防止する機能を果たす。また、各分割支持片164は、押圧板162のフェルト161と反対側の面がエンドレスベルト1に接触するのを防ぐのに十分な高さを有している。
【0118】
また、下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103に設けられた下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107は、該可動ベルト型圧力付与体103の外周表面の片側に、該可動ベルト型圧力付与体103の外周表面にスリット帯板aの移動方向に循環動自在に並設された複数のエンドレスベルト1を跨いで設けられている。下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107は、下部圧力付与体130のベルト押圧部131の反対側となるベルトガイド部132上に取り付けられている。
【0119】
下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107は、押圧表面にフェルト171が取り付けられた押圧板172、押圧板172の両端を下部圧力付与体130のベルトガイド部132上の両端側の中央表面に支持連結する支持桁173、並設された複数のエンドレスベルト1同士の間の下部圧力付与体130のベルトガイド部132の表面に支持される複数の分割支持片174から構成されている。
【0120】
押圧板172のフェルト171表面が上部帯板圧着面非可動型圧力付与体107は押圧板172のフェルト171が移動中のスリット帯板aの表面を押圧するが、このときフェルト171は固定されていて、移動中のスリット帯板a表面との間で滑りを生じる。
【0121】
分割支持片174は、押圧板172の両端以外の中間部を支持して、押圧板172でスリット帯板aの表面を押圧時に、押圧板172が撓むのを防止する機能を果たす。また、各分割支持片174は、押圧板172のフェルト171と反対側の面がエンドレスベルト1に接触するのを防ぐのに十分な高さを有している。
【0122】
なお、図では液圧シリンダ105は下向きに設置、つまり上部横桁141に吊持されて下向きにピストンロッド151が伸縮する構造になっているが、これと逆に液圧シリンダ105を上向きに設置、つまり液圧シリンダ105の下端をベース145上に設置しピストンロッド151が上端側になるようにして、上向きにピストンロッド151が伸縮する構造に設置してもよい。また、液圧シリンダ105には、スリット帯板aの板厚や板幅に合わせた張力を付与できるように、該液圧シリンダ105への流体圧を図示しない圧力調整装置で調整できる構造になっている。
【0123】
次に、上記発明の実施の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106と下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107とにより、スリット帯板aを挟圧して巻き取り張力を付与したい場合には、上部圧力付与体120及び下部圧力付与体130の両端側に設置された各スタンド104内に吊持された液圧シリンダ105のピストンロッド151を収縮して、各スタンド104の上方の上部軸受け143を上昇させる。各上部軸受け143を上昇させると両端が上部軸受け143に支持された上部圧力付与体120は上昇して、上部圧力付与体120と下部圧力付与体130との間は上下に開く。
【0124】
上部圧力付与体120を軸128を中心として180度回転させて、上部圧力付与体120の上部側に位置していた押圧板162のフェルト161を下向きにする。同様に下部圧力付与体130を軸138を中心として180度回転させて、下部圧力付与体130の下部側に位置していた押圧板172のフェルト171を上向きにする。この回転は手動で簡単に行うことができ、又手動に代えてモーターなどの駆動力を使って回転させることもできる。
【0125】
開いた上下に相対向するフェルト161、171同士の間に各スリット帯板aを通し、液圧シリンダ105のピストンロッド151を下向きに伸長して上部圧力付与体120を下降させて、上部圧力付与体120と下部圧力付与体130との間を閉じてスリット帯板aの通板作業を完了すると共に、上下の上部圧力付与体120及び下部圧力付与体130に装着したフェルト161、171により、スリット帯板aを上下から所定の押圧力で挟圧する。
【0126】
これに対して、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102と下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103とにより、スリット帯板aを挟圧して巻き取り張力を付与したい場合には、上部圧力付与体120を上に開いて、上部圧力付与体120を軸128を中心として180度回転させて、上部圧力付与体120の下部側に位置していた押圧板162のフェルト161を上向きにする。同様に下部圧力付与体130を軸138を中心として180度回転させて、下部圧力付与体130の上部側に位置していた押圧板172のフェルト171を下向きにする。この回転は手動で簡単に行うことができる。
【0127】
開いた上下に相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士の間に各スリット帯板aを通し、液圧シリンダ105のピストンロッド151を下向きに伸長して上部圧力付与体120を下降させて、上部圧力付与体120と下部圧力付与体130との間を閉じてスリット帯板aの通板作業を完了すると共に、上下の上部圧力付与体120及び下部圧力付与体130に装着したエンドレスベルト1により、スリット帯板aを上下から所定の押圧力で挟圧する。
【0128】
上部圧力付与体120のベルト押圧部121はエンドレスベルト1の内側表面1aを下向きに押圧して内側表面1aに完全に密着する。ベルト押圧部121に下向きに押圧されたエンドレスベルト1は外側表面1bがスリット帯板aの表面と完全に密着する。エンドレスベルト1の外側表面1bがスリット帯板aの表面と完全に密着した後は、スリット帯板aを下方に押圧する。
【0129】
スリット帯板aの裏面と接触する下部側のエンドレスベルト1は、反力によって下部圧力付与体130のベルト押圧部131によって下部側のエンドレスベルト1の内側表面1aを上向きに押圧して、エンドレスベルト1の外側表面1bとスリット帯板aの裏面を密着させて、上下の相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士で上下からスリット帯板aの表裏面を同一の圧力で押圧する。このとき、上下の相対向するエンドレスベルト1の外側表面1b同士と密着したスリット帯板aの表裏面の全範囲には均等な圧力が付与される。
【0130】
そして、スリット帯板aの巻取りを開始すると、移動するスリット帯板aの表裏面と上下のエンドレスベルト1の外側表面1bとの密着摩擦により、上下の各エンドレスベルト1は略長円形の上部圧力付与体120及び下部圧力付与体130の外周を略長円形状態で循環動して周回する。このとき、上下のエンドレスベルト1は移動する各スリット帯板aと滑りを生じることなく一体となって同速度で各々独立して循環動する。
【0131】
その一方で、上記上部圧力付与体120のベルト押圧部121及び下部圧力付与体130のベルト押圧部131の表面と上下のエンドレスベルト1の内側表面1aとの間の滑りによる摩擦力により、つまり、移動するスリット帯板aとの摩擦係合で略長円形状態で循環動するエンドレスベルト1の内側表面1aを押圧するベルト押圧部121及びベルト押圧部131が所謂ブレーキ的な機能を果たして、スリット帯板巻取装置と帯板巻取り張力付与装置との間に位置する各スリット帯板aに必要な巻き取り張力を発生させるのである。
【0132】
また、帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102,103と帯板圧着面非可動型圧力付与体106,107との組み合わせとしては、図16(A)(C)のように同じもの同士の組み合わせ以外に、図16(B)のように、上部帯板圧着面非可動型圧力付与体106と下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体103、図16(D)のように、上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体102と下部帯板圧着面非可動型圧力付与体107もある。
【0133】
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。前記実施の形態−1,2では、液圧シリンダ5,105は、下部帯板圧着可動ベルト型圧力付与体3,103が軸支されるスタンド4,104の上部横桁41,141の下方側に設けられている場合で説明したが、これに限定されるものではなく、例えば図17,図18に図示するように、スタンド4,104の上部側を上部帯板圧着可動ベルト型圧力付与体2,102より上方まで延設し、延設された上端に横設された最上部横桁41a,141aの中央上面に液圧シリンダ5,105を下向きに設置し、ピストンロッド51,151を最上部横桁41a,141aを貫通させて下方に向けて伸縮するように配置し、ピストンロッド51,151の下端を上部軸受け43,143に連結させる構造にしてもよい。
また、前記実施の形態−1,2では、スリット後の多条の各スリット帯板を巻き取る際の巻き取り張力の付与について説明したが、この発明は、1条の幅広な金属性帯板を巻取る際の巻き取り張力を付与する場合にも使用可能である。
【0134】
【発明の効果】
以上の記載より明らかなように、請求項1、請求項2の発明に係る帯板巻取り張力付与装置によれば、次のような新規的有益なる効果を奏するものである。
すべての板厚範囲に適応可能なベルト式又はベルト式とフェルト式を組み合わせたの帯板巻取り張力付与装置を低価格で産業界に提供することが実現する。
従来のプーリーを使用したベルトブライドルの場合にベルト側とテンションパッド側とを切り替えるときは、上下の連結金具を脱着してエレメントの相互切替作業を行うが、重量のある上下の昇降動作は危険性のあるものである。しかし、本願の場合は、同じエレメントを180度回転するだけで簡単に作業が完了するし、従来の複数段のフレームの場合の落下の危険性もなく、使い易く迅速且つ確実な操作法が実現する。
従来のコンビネーション型のベルトブライドルではフェルト側とベルト側がそれぞれ上下に配置されているので、帯板を通板した状態では相互に切り替えはできないが、本願では帯板を装置内に通板したままの状態で相互切り替え可能となるので、長い帯板(コイル)の途中から帯板(コイル)の表面状態の変化に対応して、ベルト側とフェルト側を自由に切り替えることが可能となる。又、帯板(コイル)の表面と裏面によって表面仕上げや処理状態が異なる場合には、その状態に応じて「ベルト同士」「フェルト同士」或いは「上部にベルトと下部にフェルト」或いはその逆などの上下の組み合わせを選択変更して通板操業が可能となり、品質管理、生産性の向上、ベルト及びフェルトなどの維持費用の低減にも大いに寄与することができる。
圧力付与体を配置して、その外周にエンドレスベルトを装着した圧力付与体を帯板の上下に対面して配置することで、途方もない数量のプーリー及びその付属部品を省略してコスト低減が可能となる。
従来のプーリーを使用したベルトブライドルに比べて構造が非常に簡単になるので、製造コストの低減は勿論だが、設置後の保守点検も容易であり、従って維持費用も軽減できる。
摩擦熱の除去が効率よくできるので、エンドレスベルトの寿命が延びるので保守費用も軽減され、又ベルトの交換作業も短く且つ回数も少なくなれば、生産性の向上となる。又、ベルトの長さも短くなりベルトの価格も低減される。
エンドレスベルトのガイド間隔がプーリーの場合より短縮されるので、ベルトの直進性が向上し、従って通板される帯板の蛇行現象もなくなり、巻取りコイルのエッジ不揃いの不具合も解消される。
プーリーが不用となり装置の幅が短縮されるので、設置スペースが少なくて済む。ついては、既存のラインのテンション装置部分の改造設置が容易となる。
また、請求項2の場合には、ベルト反転部は側断面視において、エンドレスベルトとの接触面が丸みを帯びた複数のベルト反転ガイド子を所定間隔で、エンドレスベルトとの接触軌跡が弧状になるように配置されて構成されるので、ベルト反転部は通気性がよく、このためエンドレスベルトを空冷する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態−1を示す装置の全体側面図である。
【図2】この発明の実施の形態−1を示す装置の全体正面図である。
【図3】この発明の実施の形態−1を示す帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の基本構成断面図である。
【図4】この発明の実施の形態−1を示すベルトガイド用突起がピンと板の場合の構成断面図である。
【図5】(A)はこの発明の実施の形態−1を示す帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の水冷冷却室を備えた構成断面図である。(B)はこの発明の実施の形態−1を示す帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の水冷冷却室と空冷冷却室を備えた構成断面図である。
【図6】この発明の実施の形態−1を示す帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の変形構成断面図である。
【図7】この発明の実施の形態−1を示す使用説明図である。
【図8】この発明の実施の形態−1を示す組み合わせの説明図である。
【図9】この発明の実施の形態−2を示す装置の全体側面図である。
【図10】この発明の実施の形態−2を示す装置の全体正面図である。
【図11】この発明の実施の形態−2を示す帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の基本構成断面図である。
【図12】この発明の実施の形態−2を示すベルトガイド用突起がピンと板の場合の構成断面図である。
【図13】この発明の実施の形態−2を示す帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の水冷冷却室を備えた構成断面図である。
【図14】この発明の実施の形態−2を示す帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の変形構成断面図である。
【図15】この発明の実施の形態−2を示す使用説明図である。
【図16】この発明の実施の形態−2を示す組み合わせの説明図である。
【図17】この発明の実施の形態−1,2の他例を示す装置の全体側面図である。
【図18】この発明の実施の形態−1,2の他例を示す装置の全体正面図である。
【図19】従来の装置の全体側面図である。
【符号の説明】
1 エンドレスベルト
1a 内側表面
1b 外側表面
2 上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体
20 上部圧力付与体
20a 内部仕切板
20b 内部仕切板
21 ベルト押圧部
22 ベルトガイド部
22a 凹部
23 ベルト反転部
24 ベルトガイドピン
25 ベルトガイド板
26 冷却室
26a 水冷冷却室
26b 空冷冷却室
27 ベルト緊張用ロール
28 軸
29 潤滑剤
29a 潤滑剤ホルダー
3 下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体
30 下部圧力付与体
30a 内部仕切板
30b 内部仕切板
31 ベルト押圧部
32 ベルトガイド部
32a 凹部
33 ベルト反転部
34 ベルトガイドピン
35 ベルトガイド板
36 冷却室
36a 水冷冷却室
36b 空冷冷却室
37 ベルト緊張用ロール
38 軸
39 潤滑剤
39a 潤滑剤ホルダー
4 スタンド
41 上部横桁
41a 最上部横桁
42 縦桁
43 上部軸受け
44 昇降軸
45 ベース
5 液圧シリンダ
51 ピストンロッド
52 横連結板
6 上部帯板圧着面非可動型圧力付与体
61 フェルト
62 押圧板
63 支持桁
64 分割支持片
7 下部帯板圧着面非可動型圧力付与体
71 フェルト
72 押圧板
73 支持桁
74 分割支持片
102 上部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体
120 上部圧力付与体
120a 内部仕切板
120b 内部仕切板
121 ベルト押圧部
122 ベルトガイド部
122a 凹部
123 ベルト反転部
123a ベルト反転ガイド子
124 ベルトガイドピン
125 ベルトガイド板
126 冷却室
126a 水冷冷却室
127 ベルト緊張用ロール
128 軸
129 潤滑剤
129a 潤滑剤ホルダー
103 下部帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体
130 下部圧力付与体
130a 内部仕切板
130b 内部仕切板
131 ベルト押圧部
132 ベルトガイド部
132a 凹部
133 ベルト反転部
133a ベルト反転ガイド子
134 ベルトガイドピン
135 ベルトガイド板
136 冷却室
136a 水冷冷却室
137 ベルト緊張用ロール
138 軸
139 潤滑剤
139a 潤滑剤ホルダー
104 スタンド
141 上部横桁
141a 最上部横桁
142 縦桁
143 上部軸受け
144 昇降軸
145 ベース
105 液圧シリンダ
151 ピストンロッド
152 横連結板
106 上部帯板圧着面非可動型圧力付与体
161 フェルト
162 押圧板
163 支持桁
164 分割支持片
107 下部帯板圧着面非可動型圧力付与体
171 フェルト
172 押圧板
173 支持桁
174 分割支持片
a スリット帯板
b 連結装置

Claims (5)

  1. 帯板を挟んでその上下側に帯板の幅方向に配置され、圧力付与体と該圧力付与体の外周を並設状態で循環動する複数のエンドレスベルトとから構成される上下一対の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の片側に、上記エンドレスベルトを跨いで帯板圧着面非可動型圧力付与体を設け、上記帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を構成する上記圧力付与体を、エンドレスベルトの内側表面を直接押圧する側断面が直線状のベルト押圧部と、ベルト押圧部の両端側に各々形成され側断面が弧状のベルト反転部とから少なくとも構成し、該ベルト反転部に並設された各エンドレスベルトを分割ガイドするベルトガイド用突起を設け、各エンドレスベルトの外側表面の摩擦係数を内側表面の摩擦係数より大にし、上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体による圧着時には上下の各エンドレスベルトを帯板の上下両面に押し付け圧着し、各エンドレスベルトを移動する各帯板との摩擦係合で駆動し、移動する各帯板と一体となって各エンドレスベルトを独立して上記圧力付与体の外周を循環動する構成にすると共に、帯板圧着面非可動型圧力付与体が設けられた上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を各々水平軸回りに回転自在に支持し、帯板上下両面への圧着を帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体と帯板圧着面非可動型圧力付与体とに回転切り替え自在としたことを特徴とする帯板巻取り張力付与装置。
  2. 帯板を挟んでその上下側に帯板の幅方向に配置され、圧力付与体と該圧力付与体の外周を並設状態で循環動する複数のエンドレスベルトとから構成される上下一対の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体の片側に、上記エンドレスベルトを跨いで帯板圧着面非可動型圧力付与体を設け、上記帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を構成する上記圧力付与体を、エンドレスベルトの内側表面を直接押圧する側断面が直線状のベルト押圧部と、ベルト押圧部の両端側に各々形成され、側断面視において、エンドレスベルトとの接触面が丸みを帯びた複数のベルト反転ガイド子を所定間隔で、エンドレスベルトとの接触軌跡が弧状になるように配置されて構成されるベルト反転部とから少なくとも構成し、該ベルト反転部に並設された各エンドレスベルトを分割ガイドするベルトガイド用突起を設け、各エンドレスベルトの外側表面の摩擦係数を内側表面の摩擦係数より大にし、上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体による圧着時には上下の各エンドレスベルトを帯板の上下両面に押し付け圧着し、各エンドレスベルトを移動する各帯板との摩擦係合で駆動し、移動する各帯板と一体となって各エンドレスベルトを独立して上記圧力付与体の外周を循環動する構成にすると共に、帯板圧着面非可動型圧力付与体が設けられた上下の帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体を各々水平軸回りに回転自在に支持し、帯板上下両面への圧着を帯板圧着面可動ベルト型圧力付与体と帯板圧着面非可動型圧力付与体とに回転切り替え自在としたことを特徴とする帯板巻取り張力付与装置。
  3. 圧力付与体のベルト押圧部の内部には冷却室が形成されている請求項1又は請求項2記載の帯板巻取り張力付与装置。
  4. 圧力付与体のベルト反転部の内部には冷却室が形成されている請求項1又は請求項2記載の帯板巻取り張力付与装置。
  5. ベルト押圧部の裏側には凹部が形成され、この凹部内にはエンドレスベルトの内側表面を押圧してエンドレスベルトに緊張を付与するベルト緊張用ロールが配置されている請求項1又は請求項2記載の帯板巻取り張力付与装置。
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