JP3947626B2 - ロータリー耕耘装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラクタ等に装着されるロータリー耕耘装置のロータリーカバーの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トラクタ等に装着されるロータリー耕耘装置においては、ロータリーカバーが前後回動可能に構成されており、該ロータリーカバーを前後回動操作するためのロータリーカバー操作スクリュウが設けられていた。そして、ロータリーカバー操作スクリュウには、該ロータリーカバー操作スクリュウをロータリー耕耘装置のアッパーアームに取り付けるためのリテーナが設けられ、該リテーナは全体的に一体形成されていた。また、ロータリーカバー操作スクリュウの外周部にはスクリュウカバーが設けられて、カバーストッパによりロータリーカバー操作スクリュウに取り付けられており、ロータリーカバー操作スクリュウの操作ハンドルが不用意に回転することを防止するために、該操作ハンドルの回転を抑制するハンドルストッパが設けられていた。そして、該カバーストッパとハンドルストッパとは別体に形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のように、ロータリーカバー操作スクリュウのリテーナは、全体的に一体形成されていたので、該リテーナを加工する際に加工工数が多くなり、加工コストが高くついていた。また、ロータリーカバー操作スクリュウのカバーストッパとハンドルストッパとが別体に形成されていたので、部品点数が多くなってコスト高になり、スクリュウカバーが経年変化により外れ易くなっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。
【0005】
請求項1においては、ロータリーカバー(1)を有するロータリー耕耘装置において、該ロータリーカバー(1)を前後回動操作するロータリーカバー操作スクリュウ(9)を設け、該ロータリーカバー操作スクリュウ(9)のリテーナ(50)に、パイプ状に形成したリテーナ延長パイプ(9e)を取り付けて、該リテーナ延長パイプ(9e)とリテーナ(50)とをロールピン(53)により固定し、アッパーアーム(7)に固設したリテーナブラケット(7a)に該リテーナ延長パイプ(9e)を挿入し、該ロータリーカバー操作スクリュウ(9)をアッパーアーム(7)に対して回動自在に支持し、該リテーナ延長パイプ(9e)の反リテーナ(50)側端部には、止め輪等の係止部材(54)を環装して、リテーナ延長パイプ(9e)がリテーナブラケット(7a)から抜け出ることを防止し、またリテーナ延長パイプ(9e)のリテーナ(50)側端部は、リテーナ(50)の端面に当接させ、ロータリーカバー操作スクリュウ(9)のアッパーアーム(7)に対する位置を決めるものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載のロータリー耕耘装置において、該ロータリーカバー操作スクリュウ(9)のリテーナ(50)に、パイプ状に形成され、操作スクリュウ(9)の外周部を覆うスクリュウカバー(51)を挿嵌して取り付け、該リテーナ(50)及びスクリュウカバー(51)の挿嵌部の略対向する位置にそれぞれ固定孔(50a・50a)(51a・51a)を形成して、互いに対向する位置に形成した固定孔(50a・51a)(50a・51a)を、それぞれ軸心から反対方向にオフセットさせ、該操作スクリュウ(9)を回転操作する操作ハンドル(9c)の回転を規制するハンドルストッパ(52)の両端部を、該固定孔(50a・51a)(50a・51a)に挿入することにより、スクリュウカバー(51)をリテーナ(50)に固定したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の解決すべき課題及び手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の一実施例を説明する。
【0008】
図1は本発明のロータリー耕耘装置を示す全体側面図、図2は同じく平面図、図3はロータリーカバー操作スクリュウを示す側面断面図、図4は同じく平面断面図、図5はアジャストスクリュウのリテーナ部を示す側面断面図、図6はアジャストスクリュウのリテーナ部に装着されたカバーロック部材を示す側面図、図7はロータリーカバーとリアカバーとの枢支部を示す側面図、図8は同じく平面図である。
【0009】
まず、本発明のロータリー耕耘装置の構成について図1、図2により説明する。ロータリー耕耘装置のPTO入力ギアケース5の内部には、左右中央部にPTO入力部が形成されていて、トラクタのPTO軸にユニバーサルジョイントを介して連結される入力軸43が該PTO入力ギアケース5から前方に突出されている。PTO入力ギアケース5は、左右に管フレーム5a・5aを形成して、その一外端部に下方延出状にチェーンケース4を設けるとともに、他外端部に側板4aを設けている。該チェーンケース4と側板4aとの間に耕耘爪3aを放射状に取り付けた耕耘爪軸3を横設し、耕耘爪駆動部を形成している。チェーンケース4を取り付けた側の管フレーム5a内には、該チェーンケース4内のチェーン伝動装置に動力を伝達するための伝動軸44が内設され、トラクタのPTO軸の動力を入力軸43にて取り入れ、この伝動軸及びチェーン伝動装置を介して、耕耘爪軸3を駆動するものとなっている。
【0010】
更に、PTO入力ギアケース5の前端において、トラクタの左右ロアリンクに連結するための左右一対のロアリンクブラケット5c・5cを前方に突設し、また、該PTO入力ギアケース5の左右中央部の上部には支持台6を立設し、該支持台6の上に後部上方延出状のアッパーアーム7を立設し、該アッパーアーム7の前上部には、トラクタのトップリンクに連結するためのトップリンク取付部7cを形成している。そして、トラクタの作業機装着装置のトップリンクのヒッチをトップリンク取付部7cに係止するとともに、該作業機装着装置のロアリンクのヒッチをロアリンクブラケット5c・5cに係止されるものとしている。
【0011】
そして、PTO入力ギアケース5の後端には、左右一対のヒンジ5b・5bが後方に突設されており、各ヒンジ5b・5bに、尾輪支持用フレーム39・39の前端が上下回動自在に枢支されている。各尾輪支持用フレーム39は管材であり、後端が開口している。また、左右の尾輪支持用フレーム39・39は、前後中央付近にて左右方向の連結フレーム39aにて一体状に連結されており、従って、両ヒンジ5b・5bに対して一体状に上下回動する。該連結フレーム39aの左右中央部と、前記アッパーアーム7の後端部の枢支部7bとの間に、伸縮自在のアジャストスクリュウ41を枢結している。該アジャストスクリュウ41はネジ杆となっていて、アジャストハンドル42を持って回転操作すると、回転して伸縮する。その伸縮量に応じてヒンジ5bの枢支点に対しての尾輪支持用フレーム39の上下傾斜角が調節され、該尾輪支持用フレーム39・39及びその後部に支持した尾輪ビーム40を略水平に保持する。
【0012】
また、耕耘爪軸3及びそれより突設する耕耘爪を覆うようにロータリーカバー1を配設し、チェーンケース4とその反対側の側板4aにおける耕耘爪軸3の軸受け部分にロータリーカバー1を前後回動自在に枢支し、該ロータリーカバー1を耕耘爪駆動部に対して前後回動自在としており、ロータリーカバー1の後端にはリアカバー2の前端を上下回動自在に枢支している。
【0013】
リアカバー2には、左右一対のハンガーブラケット2a・2aが設けられている。一方、ロータリーカバー1に左右一対のロアアーム18・18が固設されており、各ロアアーム18先端の内側に、ホルダー軸19が、左右方向の軸芯回りに回動自在に横設されている。そして、リアカバー2のロータリーカバー1に対する上下揺動を作動させるための摺動杆であるハンガーロッド20を、該ハンガーロッド20の摺動部である前記ホルダー軸19に断面視直径方向に貫通状に穿設したスライド孔に摺動自在に貫通するとともに、該ハンガーロッド20の基端を、前記のリアカバー2のハンガーブラケット2aに枢支して、ロータリーカバー1とリアカバー2との間に左右一対のハンガーロッド20・20を介装するようにする。
【0014】
各ハンガーロッド20において、ホルダー軸19よりも上方(前方)の部分には引っ張りバネである緩衝バネ22を巻装し、ホルダー軸19よりも下方(後方)の部分には引っ張りバネである加圧バネ24を巻装している。そして、該緩衝バネ22及び加圧バネ24により、リアカバー2へ負荷がかかった場合に衝撃を吸収するように構成している。
【0015】
そして、アッパーアーム7の基端寄り部分にリテーナブラケット7aを左右方向に横設して、左右一側を外側に突出させ、該リテーナブラケット7aにロータリーカバー操作スクリュウ9のリテーナ延長パイプ9eを挿入して、該リテーナブラケット7aによりロータリーカバー操作スクリュウ9を回動自在に支持している。該ロータリーカバー操作スクリュウ9は、ネジ杆(回動スクリュー)であって、上部が回動軸部9a、下部が伸縮部9bとなっており、該回動軸部9aを前上方に突出して、その先端に操作ハンドル9cを付設しており、該操作ハンドル9cの回動操作によって回動軸部9aを回動し、ネジ杆となっている伸縮部9bが伸縮する。ロータリーカバー操作スクリュウ9の基端は、ロータリーカバー1上に設けたブラケット10に枢結され、ロータリーカバー操作スクリュウ9の伸縮量に応じてロータリーカバー1が前後回動する構成としている。耕深設定時には、このロータリーカバー操作スクリュウ9の伸縮操作にてロータリーカバー1を前後回動し、その後部に配設したリアカバー2の後端を圃場面に接する高さに合わせるのである。
【0016】
次に、ロータリーカバー操作スクリュウ9の構成について説明する。図3、図4に示すように、ロータリーカバー操作スクリュウ9は、回動軸部9aに伸縮部9bを螺嵌し、該回動軸部9aの先端部に操作ハンドル9cを一体的に回動可能に取り付けている。該操作ハンドル9cと回動軸部9aの螺子形成部9fとの間には、リテーナ50を設けており、該リテーナ50により回動軸部9aを回転自在に支持している。
【0017】
回動軸部9a及び伸縮部9bの外周部には、パイプ状に形成され該回動軸部9a及び伸縮部9bを覆うスクリュウカバー51を配置しており、該スクリュウカバー51はリテーナ50に挿嵌して取り付けられている。また、リテーナ50には、パイプ状部材であるリテーナ延長パイプ9eが挿嵌されて取り付けられており、該リテーナ延長パイプ9eは回動軸部9aと直交する方向に突出している。該リテーナ延長パイプ9e及びリテーナ50の挿嵌部にはロールピン53を貫通させて、該ロールピン53により、リテーナ延長パイプ9eをリテーナ50に対して固定している。
【0018】
そして、リテーナ延長パイプ9eは、前記アッパーアーム7に固設されたリテーナブラケット7aに回動自在に挿入され、これにより、ロータリーカバー操作スクリュウ9がアッパーアーム7に回動自在に支持されている。リテーナ延長パイプ9eの反リテーナ50側端部には止め輪等の係止部材54を環装して、リテーナ延長パイプ9eがリテーナブラケット7aから抜け出ることを防止している。また、リテーナ延長パイプ9eのリテーナ50側端は、リテーナ50の側面に当接して、ロータリーカバー操作スクリュウ9のアッパーアーム7に対する取付位置を位置決めしている。
【0019】
このように、ロータリーカバー操作スクリュウ9のリテーナ50に、パイプ状に形成したリテーナ延長パイプ9eを取り付けて、該リテーナ延長パイプ9eとリテーナ50とをロールピン53により固定し、アッパーアーム7に固設したリテーナブラケット7aに該リテーナ延長パイプ9eを挿入することにより、該アッパーアーム7にロータリーカバー操作スクリュウ9を取り付け、ロータリーカバー操作スクリュウ9の取付位置を、リテーナ50側面にて位置決めすることにより、該ロータリーカバー操作スクリュウ9のリテーナ部を構成する場合に、各構成部材を溶接等により連結する必要がなくなるとともに、構成部材の機械加工部分を減少することができるため、組み付け作業が容易になり、コスト低減を図ることが可能となる。また、リテーナの共用が可能となり、リテーナ延長パイプ9eがリテーナ50から抜け出すことを防止することができる。また、リテーナ部にリテーナ延長パイプ9eの如くパイプ部材を用いることで、ロータリーカバー操作スクリュウ9の軽量化を図ることができる。
【0020】
前記スクリュウカバー51のリテーナ50への挿嵌部には、略対向する位置に固定孔50a・50aが穿設され、リテーナ50の挿嵌部においても、固定孔50a・50aに対応する位置に固定孔51a・51aが穿設されている。略対向する位置に設けられた固定孔50a・51aと固定孔50a・51aとには、操作ハンドル9cの回転動作を規制するハンドルストッパ52の挿入部52aが、それぞれ挿入されている。即ち、対応する位置に設けられた固定孔50aと固定孔51aとの両方に同一の挿入部52aが挿入され、ハンドルストッパ52がリテーナ50を挟み込むように、略対向する位置に設けられた固定孔50a・51aと固定孔50a・51aとに、それぞれ挿入部52aが挿入されているのである。該ハンドルストッパ52は、固定孔50a・51aに挿入部52aを挿入することで、挿入部52aを中心に回動可能にリテーナ50に取り付けられ、ハンドルストッパ52を回動することで、ハンドルストッパ52による操作ハンドル9cの回転動作の規制状態を切り換えるように構成している。
【0021】
そして、ハンドルストッパ52の挿入部52aを、リテーナ50の固定孔50aとともに、スクリュウカバー51の固定孔51aに挿入することで、リテーナ50に挿嵌したスクリュウカバー51を、該挿入部52aにより位置固定している。即ち、ハンドルストッパ52は、スクリュウカバー51の固定部材としての機能をも兼ねているのである。このように、ハンドルストッパ52によりスクリュウカバー51を固定することで、該スクリュウカバー51をリテーナ50に固定するための固定部材を別に設ける必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
【0022】
また、略対向する位置に設けられた固定孔50a・51aと固定孔50a・51aとは、それぞれ軸心Oから反対方向に寸法Dだけオフセットして配置されている。このように、略対向する位置に設けられた固定孔50a・51aと固定孔50a・51aとを、軸心Oから互いに反対方向にオフセットして配置することにより、ハンドルストッパ52の保持力を向上することができ、スクリュウカバー51を確実に固定することが可能となって、該スクリュウカバー51がリテーナ50から経時的に外れることを防止することができる。
【0023】
次に、前記尾輪支持用フレーム39の上下傾斜角を調節する前記アジャストスクリュウ41におけるアジャストスクリュウカバー61の固定構造について説明する。図5、図6に示すように、アジャストスクリュウ41は、回動軸部41aに伸縮部41bを螺嵌し、該回動軸部41aの先端部にアジャストハンドル42を一体的に回動可能に取り付けている。そして、アジャストハンドル42を回動操作することにより、回動軸部41aが一体的に回動され、伸縮部41bがアジャストハンドル42の回動方向に応じて伸縮するように構成している。また、アジャストハンドル42と回動軸部41aの螺子形成部41cとの間には、リテーナ60を設けており、該リテーナ60により回動軸部41aを回転自在に支持している。該リテーナ60は前記アッパーアーム7の枢支部7bに枢支されており、これにより、アジャストスクリュウ41がアッパーアーム7に枢支されている。
【0024】
アジャストスクリュウ41の回動軸部41a及び伸縮部41bの外周部には、パイプ状に形成され該回動軸部41a及び伸縮部41bを覆うスクリュウカバー61を配置しており、該スクリュウカバー61はリテーナ60に挿嵌して取り付けられている。また、スクリュウカバー61の反リテーナ60側端部は、前記連結フレーム39aの左右中央部に取り付けられている。前記リテーナ60には、バネ鋼材等のバネ状部材を板状に形成して構成されたカバーロック部材62がニップル63等の取付部材により装着され、該カバーロック部材62は、リテーナ60からスクリュウカバー61方向へ延出している。
【0025】
スクリュウカバー61方向へ延出した部分のカバーロック部材62は、スクリュウカバー61の半径方向内側へ略半円形状に切り起こした爪部62aを形成しており、該スクリュウカバー61をリテーナ60へ挿嵌した状態において、該爪部62aがスクリュウカバー61に形成した嵌合孔61aへ嵌合するように構成している。このように、リテーナ60に装着したカバーロック部材62の爪部62aを、スクリュウカバー61の嵌合孔61aへ嵌合することで、リテーナ60に挿嵌したスクリュウカバー61を位置固定している。
【0026】
また、カバーロック部材62のスクリュウカバー61側の先端部は、スクリュウカバー61の半径方向外側へ屈曲した把手部62bを形成しており、該把手部62bを摘んでカバーロック部材62を外側方向へ持ち上げると、嵌合孔61aに嵌合していた爪部62aが外れて、スクリュウカバー61をリテーナ60から取り外すことができる。そして、カバーロック部材62はバネ状部材により構成されているので、外側方向へ持ち上げた把手部62bを離すと、爪部62aはその弾性力により嵌合孔61aに嵌合する位置まで戻る。さらに、スクリュウカバー61をリテーナ60から取り外した状態から該リテーナ60へ挿嵌すると、カバーロック部材62の爪部62aがスクリュウカバー61の端部に当接して外側方向へ持ち上げられ、該スクリュウカバー61のリテーナ60への挿嵌が終了すると、爪部62aと嵌合孔61aの位置が合い、カバーロック部材62の弾性力によって持ち上げられる以前の位置に自動的に戻り、該爪部62aが嵌合孔61aと嵌合する。
【0027】
このように、リテーナ60に装着したバネ状部材により構成されるカバーロック部材62に内側方向へ切り起こされた爪部62aを形成し、該爪部62aをスクリュウカバー61に形成した嵌合孔61aに嵌合させることでスクリュウカバー61をリテーナ60に固定し、該カバーロック部材62のスクリュウカバー61側端部を外側方向に屈曲して把手部62bを形成することにより、スクリュウカバー61をリテーナ60に取り付ける際には、該スクリュウカバー61をリテーナ60に挿嵌するだけで、自動的に嵌合孔61aに爪部62aが嵌合してスクリュウカバー61を取付位置に確実に固定することができ、スクリュウカバー61をリテーナ60から取り外す際には、カバーロック部材62の把手部62bを外側へ持ち上げるだけでスクリュウカバー61の固定状態を解除することができて、簡単に該スクリュウカバー61を取り外すことができる。
【0028】
従って、スクリュウカバー61のリテーナ60への取り付け及び取り外しが、工具を用いることなく簡単な作業で容易に行うことが可能となる。さらに、反リテーナ60側端部が連結フレーム39aの左右中央部に取り付けられているスクリュウカバー61の他端部を固定するカバーロック部材62は、アジャストスクリュウ41の回り止めをしても作用することができる。
【0029】
次に、ロータリーカバー1の後端部に上下回動自在に枢支されるリアカバー2のロータリーカバー1への取付構造について説明する。図7、図8に示すように、ロータリーカバー1後端部の中央は切り欠かれて凹部1aを形成し、リアカバー2前端部の中央は同じく切り欠かれて凹部2bを形成している。ロータリーカバー1の凹部1aが形成された部分には、該ロータリーカバー1の上面からリアカバーヒンジ70がボルト等により取り付けられ、該リアカバーヒンジ70のヒンジ部70aは前方に開放しており、該リアカバーヒンジ70はバネ鋼材等のバネ状部材により構成されている。
【0030】
また、リアカバー2の凹部2bの左右端部からは、該リアカバー2に固着されたヒンジピン71・71の先端部71a・71aが内側方向へ向かって突出しており、該ヒンジピン71の先端部71aは他部よりも小径に形成されている。即ち、ヒンジピン71は、先端部71aが小径に形成された段付きピンに構成されている。そして、ヒンジピン71の先端部71aは、前記リアカバーヒンジ70のヒンジ部70aと回動自在に係合しており、ヒンジ部70aと係合する先端部71aの前方には、ロータリーカバー1に装着されたストッパー72を配置して、該ヒンジピン71の先端部71aがヒンジ部70aから外れないように規制している。
【0031】
このようにロータリーカバー1に枢支されるリアカバー2を、該ロータリーカバー1に取り付ける際には、まず、リアカバーヒンジ70をロータリーカバー1の上面に装着し、該ロータリーカバー1に装着したリアカバーヒンジ70のヒンジ部70aへ、リアカバー2に固着したヒンジピン71・71の先端部71a・71aを係合させ、その後、前記ストッパー72をロータリーカバー1に取り付けるのである。
【0032】
以上如く、リアカバーヒンジ70をロータリーカバーの上面に装着する構造とすることにより、リアカバー2のロータリーカバー1への取り付けが容易になって、作業を簡便にすることができる。また、リアカバー2に固着したヒンジピン71を段付きピンに構成することにより、リアカバーヒンジ70のヒンジ部70aを小さく構成することができ、リアカバー2の凹部2bの切欠面積を小さくして、該凹部2bにより形成される間隙を小さくすることができる。さらに、ヒンジピン71を段付きピンに構成することによって、該ヒンジピン71のリアカバー2への固着面積を大きくすることが可能となり、ヒンジピン71のリアカバー2に対する固着強度を向上することができる。また、リアカバーヒンジ70をバネ状部材に構成することにより、該リアカバーヒンジ70により負荷を吸収することができるので、リアカバー2に過負荷が作用した場合であっても、該リアカバーヒンジ70に過度の強度を持たせることなく、該リアカバーヒンジ70の破損を防止することが可能となる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したことにより、次のような効果が得られる。
請求項1記載の如く、ロータリーカバー(1)を有するロータリー耕耘装置において、該ロータリーカバー(1)を前後回動操作するロータリーカバー操作スクリュウ(9)を設け、該ロータリーカバー操作スクリュウ(9)のリテーナ(50)に、パイプ状に形成したリテーナ延長パイプ(9e)を取り付けて、該リテーナ延長パイプ(9e)とリテーナ(50)とをロールピン(53)により固定し、アッパーアーム(7)に固設したリテーナブラケット(7a)に該リテーナ延長パイプ(9e)を挿入し、該ロータリーカバー操作スクリュウ(9)をアッパーアーム(7)に対して回動自在に支持し、該リテーナ延長パイプ(9e)の反リテーナ(50)側端部には、止め輪等の係止部材(54)を環装して、リテーナ延長パイプ(9e)がリテーナブラケット(7a)から抜け出ることを防止し、またリテーナ延長パイプ(9e)のリテーナ(50)側端部は、リテーナ(50)の端面に当接させ、ロータリーカバー操作スクリュウ(9)のアッパーアーム(7)に対する位置を決めるので、該ロータリーカバー操作スクリュウのリテーナ部を構成する場合に、各構成部材を溶接等により連結する必要がなくなるとともに、構成部材の機械加工部分を減少することができるため、組み付け作業が容易になり、コスト低減を図ることが可能となる。
また、リテーナの共用が可能となり、リテーナ延長パイプがリテーナから抜け出すことを防止することができる。
また、リテーナ部にリテーナ延長パイプの如くパイプ部材を用いることで、ロータリーカバー操作スクリュウの軽量化を図ることができる。
【0034】
請求項2記載の如く、請求項1記載のロータリー耕耘装置において、該ロータリーカバー操作スクリュウ(9)のリテーナ(50)に、パイプ状に形成され、操作スクリュウ(9)の外周部を覆うスクリュウカバー(51)を挿嵌して取り付け、該リテーナ(50)及びスクリュウカバー(51)の挿嵌部の略対向する位置にそれぞれ固定孔(50a・50a)(51a・51a)を形成して、互いに対向する位置に形成した固定孔(50a・51a)(50a・51a)を、それぞれ軸心から反対方向にオフセットさせ、該操作スクリュウ(9)を回転操作する操作ハンドル(9c)の回転を規制するハンドルストッパ(52)の両端部を、該固定孔(50a・51a)(50a・51a)に挿入することにより、スクリュウカバー(51)をリテーナ(50)に固定したので、スクリュウカバーをリテーナに固定するための固定部材を別に設ける必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。
また、ハンドルストッパの保持力を向上することができ、スクリュウカバーを確実に固定することが可能となって、該スクリュウカバーがリテーナから経年変化によって外れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のロータリー耕耘装置を示す全体側面図である。
【図2】 同じく平面図である。
【図3】 ロータリーカバー操作スクリュウを示す側面断面図である。
【図4】 同じく平面断面図である。
【図5】 アジャストスクリュウのリテーナ部を示す側面断面図である。
【図6】 アジャストスクリュウのリテーナ部に装着されたカバーロック部材を示す側面図である。
【図7】 ロータリーカバーとリアカバーとの枢支部を示す側面図である。
【図8】 同じく平面図である。
【符号の説明】
1 ロータリーカバー
2 リアカバー
7 アッパーアーム
9 ロータリーカバー操作スクリュウ
9a 回動軸部
9b 伸縮部
9c 操作ハンドル
9e リテーナ延長パイプ
39 尾輪支持用フレーム
41 アジャストスクリュウ
41a 回動軸部
41b 伸縮部
42 アジャストハンドル
50 (ロータリーカバー操作スクリュウの)リテーナ
51 スクリュウカバー
52 ハンドルストッパ
53 ロールピン
60 (アジャストスクリュウの)リテーナ
61 アジャストスクリュウカバー
61a 嵌合孔
62 カバーロック部材
62a 爪部
62b 把手部
70 リアカバーヒンジ
71 ヒンジピン
Claims (2)
- ロータリーカバー(1)を有するロータリー耕耘装置において、該ロータリーカバー(1)を前後回動操作するロータリーカバー操作スクリュウ(9)を設け、該ロータリーカバー操作スクリュウ(9)のリテーナ(50)に、パイプ状に形成したリテーナ延長パイプ(9e)を取り付けて、該リテーナ延長パイプ(9e)とリテーナ(50)とをロールピン(53)により固定し、アッパーアーム(7)に固設したリテーナブラケット(7a)に該リテーナ延長パイプ(9e)を挿入し、該ロータリーカバー操作スクリュウ(9)をアッパーアーム(7)に対して回動自在に支持し、該リテーナ延長パイプ(9e)の反リテーナ(50)側端部には、止め輪等の係止部材(54)を環装して、リテーナ延長パイプ(9e)がリテーナブラケット(7a)から抜け出ることを防止し、またリテーナ延長パイプ(9e)のリテーナ(50)側端部は、リテーナ(50)の側面に当接して、ロータリーカバー操作スクリュウ(9)のアッパーアーム(7)に対する取付位置を位置決めしたことを特徴とするロータリー耕耘装置。
- 請求項1記載のロータリー耕耘装置において、該ロータリーカバー操作スクリュウ(9)のリテーナ(50)に、パイプ状に形成され、操作スクリュウ(9)の外周部を覆うスクリュウカバー(51)を挿嵌して取り付け、該リテーナ(50)及びスクリュウカバー(51)の挿嵌部の略対向する位置にそれぞれ固定孔(50a・50a)(51a・51a)を形成して、互いに対向する位置に形成した固定孔(50a・51a)(50a・51a)を、それぞれ軸心から反対方向にオフセットさせ、該操作スクリュウ(9)を回転操作する操作ハンドル(9c)の回転を規制するハンドルストッパ(52)の両端部を、該固定孔(50a・51a)(50a・51a)に挿入することにより、スクリュウカバー(51)をリテーナ(50)に固定したことを特徴とするロータリー耕耘装置。
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