JP4463241B2 - ロータリ耕耘機のカバー装置 - Google Patents
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Description
また、上述の如き機構や操作レバーの揺動に伴って上部カバーを回動させるべく揺動するリンク機構等がそれぞれ別部品で取り付けられる構造とされており、多数の部品が必要となってコスト高を招来する問題があった。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、
第1に、ロータリ耕耘部2の上方を覆う上部カバー21を機枠6に対してロータリ耕耘部2の周方向前後に回動可能に支持し、該機枠6と上部カバー21との間に、上部カバー21を回動した位置で保持する位置決め機構30を配備しており、
前記位置決め機構30は、前記機枠6に前部が揺動可能に枢支されたアーム部材31と、前記上部カバー21に固設された固定部材32とを備え、前記固定部材32に係合部33を配備し、前記アーム部材31に前記係合部33を挿通した係合溝35を配備しており、
前記係合溝35は、アーム部材31の上方向への揺動によって係合部33を係止すると共に下方向への揺動によって係合部33の係止状態を解除する前後方向複数の係止部34と、該複数の係止部34の上側と連接していて前記係合部33を相対前後移動可能にした連通部36とを備えており、
前記各係止部34の後部に連接部38を連接し、前側の係止部34の連接部38から後側の係止部34の前部に向けて下がり傾斜状の傾斜部39を形成し、この傾斜部39の前部を前側の連接部38から前方へ突出しかつ前側の係止部34の上方に突出しており、
前記アーム部材31と機枠6との間に、アーム部材31の姿勢を前記係止部34に係合部33を係止した状態に保つ姿勢保持手段41を配備していることを特徴とする。
第3に、前記上部カバー21の回動中心からアーム部材31の揺動中心までの距離と上部カバー21の回動中心から係合部33の中心までの距離とを略等しく設定していることを特徴とする。
ロータリ耕耘部2の上方を覆う上部カバー21を機枠6に対してロータリ耕耘部2の周方向前後に回動可能に支持し、該機枠6と上部カバー21との間に、上部カバー21を回動した位置で保持する位置決め機構30を配備しているロータリ耕耘機のカバー装置において、
前記位置決め機構30は、前記機枠6に揺動可能に枢支されたアーム部材31と、前記上部カバー21に固設された固定部材32とを備え、前記アーム部材31と固定部材32の何れか一方の部材に係合部33を配備し、他方の部材に、アーム部材31の一方向への揺動によって係合部33を係止すると共に、アーム部材31の他方向への揺動によって係合部33の係止状態を解除する前後方向複数の係止部34を配備していることを特徴としている。
また、前記アーム部材31と機枠6との間に、アーム部材31の姿勢を前記係止部34に係合部33を係止した状態に保つ姿勢保持手段41を配備していることが好ましい。
また、前記他方の部材に、前記複数の係止部34と、該複数の係止部34を連接してなる連通部36とを備えてなる係合溝35を形成しており、該係合溝35に係合部33を挿通していることが好ましい。
図1〜図5は、本発明に係るカバー装置19を備えたロータリ耕耘機1の第1実施形態を示している。
図5に示す如く、ロータリ耕耘機1は、サイドドライブ形のロータリ耕耘部2を備え、走行車であるトラクタTの後方に2点リンク4を介して装着され、油圧装置5のリフトアーム5aとリフトロッド5bにより昇降自在になっている。
図4に示す如く、機枠6の中央部には、動力受入軸7を前方に突出したベベルギヤ伝動体を有するギアケース8が設けられている。また、該ギアケース8から左右外方にサポートアーム9がそれぞれ突設されている。一方(本実施の形態においては左側)のサポートアーム9の突出端に側部伝動ケース10が下方延長状に固着されていると共に、他方(本実施の形態においては右側)のサポートアーム9の突出端にサイドフレーム11が下方延長状に固着されている。また、互いに対向する側部伝動ケース10とサイドフレーム11の下部には軸受部12がそれぞれ設けられている。
ロータリ耕耘部2の回転駆動機構は、トラクタTのPTO軸にジョイント軸を介して動力受入軸(PIC軸)7を連結し、該動力受入軸7とギアケース8内のベベルギヤ伝動体を介してサポートアーム9に内挿した伝動軸9aを連動連結し、側部伝動ケース10内で伝動軸と爪軸13に亘って巻掛伝動体を巻き掛けることにより構成される。該回転駆動機構により、爪軸13は、図5の矢示Aの如くダウンカット方向に回転する。
また、該ロータリ耕耘部2の上方にカバー装置19が取り付けられている。該カバー装置19は、耕耘爪14で耕耘される土の飛散を防止すると共に、耕耘爪14から放擲された土が衝突することによって砕土作用を行うものであって、ロータリ耕耘部2の周方向前後に回動可能に支持された可動カバー20と、ロータリ耕耘部2の前上部に配備された前部カバー24とを備えると共に、可動カバー20を回動した位置で保持する位置決め機構30を配備して構成されている。
また、後部カバー23は、サポートアーム9から突設されたロッドと該ロッドに巻回したコイルバネとからなる弾持手段28によって均平部(接地尾端)が対地方向に付勢されている。
図1及び図2に示す如く、位置決め機構30は、機枠6と上部カバー21との間に設けられており、機枠6に揺動可能に枢支されたアーム部材31と、上部カバー21に固設された固定部材32と備え、該固定部材32に係合ピン(係合部)33を設け、アーム部材31に、該アーム部材31の一方向への揺動によって係合ピン33を係止すると共に、アーム部材31の他方向への揺動によって係合ピン33の係止状態を解除する前後方向複数の係止部34を設けている。
アーム部材31は、機枠6から後方突出状に延設されており、前端部が左右方向の軸心Xを有するボルト部材31aに枢支され、これによって上下方向に揺動することが可能となっている。ここで、上部カバー21の回動中心からアーム部材31の揺動中心となる軸心Xまでの距離は、該回動中心から係合ピン33までの距離までの距離よりも僅かに短く設定されているが、これら2つの距離が略同じ長さであっても構わない。
図1に示す如く、係合溝35は、アーム部材31の後部に孔状に穿設されており、アーム部材31の中途部から後端部に向けて互いの間隔を略同一として列べられた複数の係止部34と、該複数の係止部34を連接している連通部36とを有している。該連通部36は該複数の係止部34よりも上側に形成され、複数の係止部34は上部開放状に形成されて連通部36に連接されている。
また、隣合う係止部34の間には、前側の係止部34の連接部38から後側の係止部34の半円弧部37の前部に向けて下り傾斜状に形成された傾斜部39が形成されている。これにより、係止部34の入り口34aは連通部36に向かうにつれて徐々に拡開された形状となっている。
アーム部材31の中途部には、棒材を屈曲形成してなる把持部40が上方突出状に取り付けられており、作業者は、該把持部40を把持してアーム部材31の揺動操作を行う。
また、アーム部材31と機枠6の間には、アーム部材31の姿勢を前記係止部34に係合部33を係止した状態に保つ姿勢保持手段41が配備されている。本実施の形態の姿勢保持手段41は、前記ボルト部材31aよりも上方となる位置で機枠6に突設されたブラケット42と、該ブラケット42とアーム部材31の中途部との間に設けられたバネ(付勢手段)43とから構成されている。該バネ43は、収縮方向に付勢力を有し、これによってアーム部材31の自重による下方向への揺動が制限される。
図1に示す如く、上部カバー21は、固定部材32の係合ピン33がアーム部材31に形成された係合溝35の係止部34の何れかに収容されて係止状態となることにより、位置決め機構30を介して機枠6に保持されている。
この様にして可動カバー20を乾田、湿田に対応或いは所要の耕深に対応可能な姿勢に設定することができるのである。
また、係合ピン33と係止部34との上述の如き係合により、機枠6に上部カバー21が保持されている状態でアーム部材31や上部カバー21ががたつくことは殆どなく、これによって上部カバー21は安定した状態で機枠6に保持される。
図6は、第1比較例であって、アーム部材31に形成された係合溝35は、各係止部34の半円弧部37の半径中心を結ぶ直線L2上にアーム部材31の揺動中心となる軸心Xが位置している。本例においても、これら係合ピン33に作用する回転モーメントを係止部34が受け止めることによりアーム部材31は軸心Xの径外方向に引張られ又は押圧されることとなる。このため、アーム部材31に回転力が作用することは殆どなく、上部カバー21が機枠6に安定した状態で保持される。
図7及び図8は第2比較例を示している。
第2比較例のアーム部材31は、機枠6に突設されたブラケット47に枢支されており、複数の係止部34の下側に連通部36を設けた係合溝35を備えている。また、アーム部材31の後端部には把持部46が後方突出状に形成されている。
図8中に実線で示す如くロックピン58を案内孔57の先端部に当接させるまでロック部材53を押し込むことにより、該ロック部材53の先端部はアーム側貫通孔51内に位置する。これによってアーム部材31はブラケット47に対して揺動不能となる。
そして、上部カバー21を所定の位置に設定した後、アーム部材31を押し下げることにより、係合ピン33はその位置での係止部34に収容されて係止状態となり、上部カバー21の位置が調整されることとなる。このとき、アーム部材31の揺動に伴って係合ピン33が係止部34間の傾斜部39に当接する場合にも、アーム部材31を押し下げることにより係合ピン33は傾斜部39を滑り、該傾斜部39の前側に位置する係止部34に収容される。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
また、3点リンク機構によって支持されるロータリ耕耘機に採用する場合にも、第1実施形態と同様の効果を奏する。
2 ロータリ耕耘部
6 機枠
9 サポートアーム
13 爪軸
19 カバー装置
20 ロータリカバー
21 上部カバー
30 位置決め機構
31 アーム部材
32 固定部材
33 係合ピン(係合部)
34 係止部
35 係合溝
36 連通部
37 半円弧部
38 連接部
39 傾斜部
41 姿勢保持手段
Claims (3)
- ロータリ耕耘部(2)の上方を覆う上部カバー(21)を機枠(6)に対してロータリ耕耘部(2)の周方向前後に回動可能に支持し、該機枠(6)と上部カバー(21)との間に、上部カバー(21)を回動した位置で保持する位置決め機構(30)を配備しており、
前記位置決め機構(30)は、前記機枠(6)に前部が揺動可能に枢支されたアーム部材(31)と、前記上部カバー(21)に固設された固定部材(32)とを備え、前記固定部材(32)に係合部(33)を配備し、前記アーム部材(31)に前記係合部(33)を挿通した係合溝(35)を配備しており、
前記係合溝(35)は、アーム部材(31)の上方向への揺動によって係合部(33)を係止すると共に下方向への揺動によって係合部(33)の係止状態を解除する前後方向複数の係止部(34)と、該複数の係止部(34)の上側と連接していて前記係合部(33)を相対前後移動可能にした連通部(36)とを備えており、
前記各係止部(34)の後部に連接部(38)を連接し、前側の係止部(34)の連接部(38)から後側の係止部(34)の前部に向けて下がり傾斜状の傾斜部(39)を形成し、この傾斜部(39)の前部を前側の連接部(38)から前方へ突出しかつ前側の係止部(34)の上方に突出しており、
前記アーム部材(31)と機枠(6)との間に、アーム部材(31)の姿勢を前記係止部(34)に係合部(33)を係止した状態に保つ姿勢保持手段(41)を配備していることを特徴とするロータリ耕耘機のカバー装置。 - 前記係止部(34)は丸棒状の係合部(33)を収容可能な半円弧部(37)を備え、前記連接部(38)を半円弧部(37)の後部(37a)に連接し、かつ前記連接部(38)を係止部(34)に収容された係合部(33)の中心と上部カバー(21)の回転中心とを結ぶ中心直線(L1)と平行に配置していることを特徴とする請求項1に記載のロータリ耕耘機のカバー装置。
- 前記上部カバー(21)の回動中心からアーム部材(31)の揺動中心までの距離と上部カバー(21)の回動中心から係合部(33)の中心までの距離とを略等しく設定していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のロータリ耕耘機のカバー装置。
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2006
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