JP3947339B2 - 弁の電磁駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の吸・排気弁を電磁駆動により開閉する弁の電磁駆動装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の吸・排気弁は一般にはクランクシャフトから駆動されるカムシャフトによって機械的に開閉制御されていたが、近年、燃費向上や有害排ガス低減の目的で、弁の開閉タイミングを様々にコントロールすることが要求されるようになり、よりタイミングの調整が行いやすい電磁駆動によつて弁を開閉制御するものが種々提案されている。
【0003】
例えば、図7は特開平7−324609号公報に開示されたものと類似の構成の電磁駆動装置の断面を示し、9はこの内燃機関のシリンダヘッド、100はシリンダヘッド9に設けられた吸・排気ポート、5は吸・排気ポート100に設けられた開閉弁(以下単に弁という場合もある)で駆動軸(以下弁軸5aと言う)を備えている。10はシリンダヘッド9に設けられ開閉弁5の弁軸5aが貫通した摺動軸受け部材、6は開閉弁5の弁軸5aの他端に設けられた円板状の可動鉄心である。
1は開閉弁5の弁軸5aを取り巻くように巻回された第1のコイル、2は開閉弁5の弁軸5aが貫通するように、かつ、前記第1のコイル1を包み込むように設けられた二重円筒状の第1のコイル鉄心である。3は開閉弁5の弁軸5aを取り巻くように巻回された第2のコイル、4は開閉弁5の弁軸5aが貫通するように、かつ、第2のコイル3を包み込むように二重の円筒状に設けられた第2のコイル鉄心である。第1のコイル鉄心2は外筒2aと内筒2bとを有し、第2のコイル鉄心4は外筒4aと内筒4bとを有している。101は第1、第2のコイル鉄心2、4を収納するケース、102はケースの頭部である。
7は可動鉄心6と摺動軸受部材10との間に装荷された第1スプリング、8は可動鉄心6とケースの頭部102との間に装荷された第2スプリングである。
【0004】
次に動作について説明する。
弁軸5aに連結固定された円板状可動鉄心6は、例えば第1コイル1が巻回された第1コイル鉄心2と、第2コイル3が巻回された第2コイル鉄心4との間の軸方向ギャップのほぼ中間に位置するよう、可動鉄心6の下側の第1スプリング7と、上側の第2スプリング8との付勢力のつりあいによって所定位置に保持されている。
【0005】
これにより、この電磁駆動装置への非通電時、即ち、第1コイル1、第2コイル3の何れにも電流が供給されていない状態では、可動鉄心6は第1コイル鉄心2と第2コイル鉄心4のそれぞれの端部のほぼ中間位置に保持され、開閉弁5は半開の状態に保持される。
【0006】
駆動力を発生する磁束についての説明のため図8に磁束の発生状態を示す。図中φは第1コイル鉄心2と可動鉄心6との間の磁束、φ’は第2コイル鉄心4と可動鉄心6との間の磁束、φeは第1コイル鉄心2の内、外筒間の漏洩磁束、φ’eは第1コイル鉄心2の内・外筒間の漏洩磁束である。
【0007】
第1コイル1に通電した際、コイル電流により第1コイル鉄心2とこれに対面する可動鉄心6の間に発生する磁束φにより、両者間に磁気吸引力が作用し、可動鉄心6は第1コイル1の側に吸引され、第1スプリング7の付勢力に抗して図の下方に動作することで開閉弁5の開度を増し、所定時間後に開弁状態となる。
【0008】
第2コイル3に通電した際、コイル電流により第2コイル鉄心4とこれに対面する可動鉄心6間に発生する磁束φ’により、両者間に磁気吸引力が作用し、可動鉄心6は第2コイル3の側に吸引され、第2スプリング8の付勢力に抗して図の上方に動作することで開閉弁5の開度を減少させ、所定時間後に閉弁状態となる。
【0009】
このような電磁駆動装置は内燃機関の上部に設置されて弁を駆動するという目的から、より小型でありながらより強い駆動力を要求されるので、同じ電流でも出来る限り大きい駆動力を発生できるようにする必要がある。そのためには有効磁束を増加させる必要があるが、有効磁束φは鉄心端面から垂直方向に発生する性質があるため、電磁力による吸引力は第1コイル鉄心2と可動鉄心6との対抗面、または第2コイル鉄心4と可動鉄心6との対抗面の表面積に左右される。しかし、この表面積を増加させるには両者の対抗面が可動鉄心6の軸心に対して直角に配置された従来構造では、鉄心(可動鉄心6、第1、第2コイル鉄心2、4)の外径を増加させる以外に方法がなく、そのような方法では電磁駆動装置が大型化してしまうという問題があった。
【0010】
一方、小型化するために従来の構造のまま寸法比例的に小型化したと仮定すると、第1コイル鉄心2および第2コイル鉄心4の肉厚と径が小さくなるから、端面面積が減少し、有効磁束φ、φ’が減少して駆動力が低下する。
【0011】
また、寸法比例的に小型化したのでは第1コイル鉄心2の外筒2aの端部と内筒2bの端部との距離、あるいは第2コイル鉄心4の外筒4a端部と内筒4bの端部との距離が小さくなり、外筒・内筒間の漏洩磁束(φe、φ’eと言う)が増加し、その分、可動鉄心6を吸引するための有効磁束が減少することになり、結果的に吸引力の低下を招くという問題があった。
【0012】
また、図9は弁軸5aの傾きにより生じる問題について説明するための説明図である。図に示すように、弁軸5aは摺動軸受け10がいかに高精度に製作されていても、多少なりとも傾くことは避けられない。傾いた場合、可動鉄心6も傾いているから、例えば図のように可動鉄心6が第1のコイル鉄心2の側に吸引される場合を例に説明すると、外筒2aと可動鉄心6との間の距離Bが、内筒2bと可動鉄心6との間の距離Cよりも小さくなる結果、外筒2a側の吸引力がより強くなり、傾きが助長される方向に力が働く。このため弁軸5aと摺動軸受け10との間の摩擦が大きくなってスムースな動きが出来なくなるという問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の弁電磁駆動装置は、以上のように構成されているので、駆動力を高めようとすると大型化してしまうという問題があった。
また、小型化しようとすると駆動力が低下するため、ほとんど小型化出来ないという問題点があった。
【0014】
また、弁軸が傾いた場合、この傾きが助長されてスムースに動かなくなる力が働いてしまうという問題があった。
【0015】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、駆動力を低下させずにより小型化された電磁駆動装置を得ることを目的とする。
また、同じ大きさで、より駆動力を増大した電磁駆動装置を得ることを目的とする。また、弁軸の傾きがあっても助長されるような力が働かない電磁駆動装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明による弁の電磁駆動装置は、 内燃機関の吸気弁または排気弁の弁軸又はその延長線の周囲に配置され、前記弁軸方向の端部に前記弁軸に対して傾斜した第1傾斜面を有する鉄心と、この鉄心に巻回されたコイルとを含む第1の電磁石、
前記第1の電磁石の前記第1傾斜面から、前記弁軸の方向に所定の空隙を設けて対向配置され、前記空隙に面する端部に前記弁軸に対して傾斜した第2傾斜面を有する鉄心と、この鉄心に巻回されたコイルとを含む第2の電磁石、
前記弁軸に固定されて前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間の前記空隙内に配置されるとともに、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に対向してこの第1、第2傾斜面の傾斜角とは異なる角度の傾斜面が形成された突起を有する円板状の可動鉄心、
前記第1、第2の電磁石のいずれにも給電されないとき、前記可動鉄心を前記第1、第2の電磁石の間の前記空隙のほぼ中間に保持する保持手段を備えるとともに、
前記可動鉄心の前記突起の傾斜した面と前記第1の電磁石の前記第1傾斜面との隙間、及び前記可動鉄心の前記突起の傾斜した面と前記第2の電磁石の前記第2傾斜面との隙間とは、ともに、前記弁軸の径方向外側に向かうほど大きくなるように形成したものである。
【0017】
また、可動鉄心の厚みは径方向外側に向かうほど薄く構成されているものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
関連技術1.
この発明の関連技術1による弁の電磁駆動装置の構造断面図を図1に示す。図において従来と同じ又は相当部分には同符号を付してその詳細な説明を省略する。
12は弁軸5aまたはその延長線の周囲に配置され、軸方向端部に弁軸5aに対して傾斜した面を有する第1の鉄心で、第1の外筒12aと第1の内筒12b(これらは一端で磁気回路的に接続されている)で構成されている。1は開閉弁5の弁軸5aまたはその延長線の周囲に第1の鉄心12に巻回された第1のコイルであり、第1の鉄心12と第1のコイル1は第1の電磁石112を構成している。14は弁軸5aまたはその延長線の周囲に、第1の電磁石とのあいだに軸方向に所定の空隙を設けて対向配置され、空隙に面する軸方向端部に弁軸5aに対して傾斜した面を有する第2の鉄心で、第2の外筒14aと第2の内筒14b(これらは一端で磁気回路的に接続されている)で構成されている。3は開閉弁5の弁軸5aを取り巻くように第2の鉄心14に巻回された第2のコイルであり、第2の鉄心14と第2のコイル3は第2の電磁石114を構成している。
、101はケース、102はケースの頭部である。
【0019】
16は開閉弁5の弁軸5aの端に固定され、第1、第2の電磁石の傾斜した面に平行な傾斜面を持つ突起16Xを両面に有する円板状の可動鉄心である。7は可動鉄心16と摺動軸受部材10との間に装荷された第1スプリング、8は可動鉄心16とケースの頭部102との間に装荷された第2スプリングである。
可動鉄心16の傾斜面16aは第1、第2の鉄心12、14の傾斜した面に平行するようにしてある。弁軸5aに連結固定された円板状可動鉄心16は、第1コイル1が巻回された第1の鉄心12と、第2コイル3が巻回された第2の鉄心14との間の軸方向空隙のほぼ中間に位置するよう、可動鉄心16の下側の第1スプリング7と、上側の第2スプリング8とによって保持されている。
第1スプリング7と、第2スプリング8はこの発明に言う保持手段である。
【0020】
第1、第2の鉄心12、14と可動鉄心16の双方に対向して傾斜した面を設けることにより、実質的な電磁吸引面積を増加し得るため、総磁束φが増加し、駆動力が増加して弁の開閉速度が高くなるという効果が得られる。
第1、第2の鉄心12、14の端部の傾斜した面の傾斜角度は、何度であってもそれなりに効果はあるものの、対向する面の面積を大きくできるという点からはできるだけ大きい角度としたほうがよい。しかし、あまり大きくすると可動鉄心16の対向する面の部分の板厚を十分とることが難しくなるなどの問題があるので、開閉弁5の軸方向に対して45〜60度程度とするのが好ましい。
【0021】
図1のものでは、仮に駆動力がもとのままでよいなら駆動力が増加する分だけ、対向面積を減らすことが出来るので、可動鉄心16や第1、第2の鉄心の外径を小さくすることもできる。
図2に関連技術1の弁の電磁駆動装置の吸引力特性を従来のものと比較した結果を示す。図に於いて、横軸は可動鉄心6の表面と第1の鉄心12または第2の鉄心14の端面との距離で吸着位置とは両者が接触した位置、中立位置とは可動鉄心16が第1、第2の鉄心12、14の丁度中間にある場合を示す。縦軸は可動鉄心16に働く吸引力を示す。21は従来の(図7に示す)ものの特性、22は傾斜面16aの角度を45度にした場合、23は同じく60度の場合である。60度の場合で最大約20%の吸引力の増大が得られる。
【0022】
図1では第1、第2の鉄心12、14の外筒12a,14aと内筒12b,14bの全てに傾斜面を設けたが、それなりの効果の減少を容認するならば、第1または第2の鉄心のいずれか一方だけにするとか、外筒、内筒のいずれか一方だけにするとか、あるいは傾斜した面と傾斜しない面を同時に設けるとか、組み合わせは自由に選択することが出来る。
この組み合わせについて具体的に示すと次のようになる。
1)外筒12a,14a、内筒12b,14bの何れか一つの全面または一部と、可動鉄心16上のこれに対向する部位に傾斜面を設けたもの。
2)外筒12a、14aの端面の全て又は一部と、可動鉄心16上のこれに対向する部位に傾斜面を設けたもの。
3)内筒12b、14bの端面の全て又は一部と、可動鉄心16上のこれに対向する部位に傾斜面を設けたもの。
4)上記2),3)を同時に実施したもの。
4)上記2),3)のそれぞれにおいて、第1の鉄心12の側又は第2の鉄心14の側のいずれか一方のみに傾斜面を設ける場合。
【0023】
関連技術2.
関連技術2による電磁駆動装置の断面構造を図3に示す。
36は可動鉄心である。32は可動鉄心36に対向する端面の角度が開閉弁5の弁軸の方向に対して傾斜した面を有する第1の鉄心で32aはその第1の外筒、32bはその第1の内筒である。そして第1の外筒32aと第1の内筒32bの端面の傾斜面の傾斜の方向は、関連技術1の図1のものと異なり、同じ方向(図3の場合外側が図の上方になる様な傾斜)に傾斜させてある。
【0024】
34は可動鉄心36に対向する端面の角度が開閉弁5の弁軸の方向に対して傾斜した面を有する第2の鉄心で34aはその第2の外筒、34bはその第2の内筒である。そして第2の外筒34aと第2の内筒34bの端面の傾斜面(第2の傾斜端面)の傾斜の方向は、関連技術1の図1のものと異なり、同じ方向(図3の場合外側が図の上方になる様な傾斜)に傾斜させてある。
36は第1、第2の鉄心32、34の端の傾斜した面に平行に対向する傾斜面36aを持つ突起36Xを有する円板状の可動鉄心である。
【0025】
第1、第2鉄心32、34と可動鉄心36との双方に対向して傾斜面を設けることにより、実質的な電磁吸引面積を増加し得るため、総磁束φが増加し、駆動力が増加して弁の開閉速度が高くなるという効果が得られる点は関連技術1の図1のものと同じであるが、図3の可動鉄心36はその形がより単純である、即ち、その板厚が関連技術1の図1の可動鉄心16と比べて全体に均一であるため、プレス整形によって容易に製作できるという利点がある。
【0026】
第1、第2の鉄心32、34の端部の傾斜面の傾斜角度については、関連技術1の場合と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0027】
以上の説明に於いて、内燃機関の吸・排気弁を駆動するとして説明したが、この発明の電磁駆動装置は、内燃機関用途に限定されるものではなく、気体圧縮ポンプなど弁を有する各種の機器の弁の駆動に利用でき、更に、配管の途中に用いるいわゆる電磁弁にも利用出来ることは言うまでもない。
【0028】
関連技術3.
この発明による、関連技術3の電磁駆動装置の断面を図4に示す。46は可動鉄心である。42は可動鉄心46に対向する端面の角度が開閉弁5の軸心の方向に対して直交する面と所定の角度で交差する傾斜面を有する第1の鉄心で42aはその第1の外筒、42bはその第1の内筒である。そして外筒42aの端面は開閉弁5の軸心の方向に対して鉛直、内筒42bの端面の一部のみが傾斜した傾斜端面としてある。
44は可動鉄心46に対向する端面の角度が開閉弁5の軸心の方向に対して直交する面と所定の角度で交差する傾斜端面を有する第2の鉄心で44aはその第2の外筒、44bはその第2の内筒である。そして外筒44aの端面は軸方向に鉛直の面、内筒44bの端面の一部のみが傾斜端面としてある。
46は第1、第2のコイル鉄心42、44の端面(傾斜面と鉛直面)に平行に対向する面を持つ突起46Xを有する円板状の可動鉄心である。
【0029】
図4では傾斜端面を内筒42b,44bの端部に設けたが、勿論、内筒の側でなくて、外筒42a,44aの側に設けてもよい。
あるいは、端面の一部を傾斜端面とした面を外筒と内筒の両方に設けてもよい。このように端面の一部のみを傾斜端面としたので、傾斜端面の広さを適当に選定することにより、吸引力を必要な程度に設定することが可能となる。
【0030】
実施の形態1.
この発明による、実施の形態1の電磁駆動装置の断面を図5に示す。56は可動鉄心である。52は可動鉄心56に対向する端面の角度が開閉弁5の軸心の方向に直交する面と所定の角度で交差する傾斜面(第1傾斜面)を有する第1の鉄心で、52aはその第1の外筒、52bはその第1の内筒である。そして外筒52aの端面は開閉弁5の軸心の方向に対して鉛直、内筒52bの端面の一部のみが傾斜した面としてある。
【0031】
54は可動鉄心56に対向する端面の角度が開閉弁5の軸心の方向に対して鉛直でない傾斜面(第2傾斜面)を有する第2の鉄心で、54aはその第2の外筒、54bはその第2の内筒である。そして外筒54aの端面は軸方向に鉛直の面、内筒54bの端面の一部のみが傾斜面としてある。
56は第1、第2の鉄心52、54の端面(第1、第2傾斜面と鉛直面)の角度とは異なる角度の傾斜面を有する円板状の可動鉄心である。図の円形内は、説明のため拡大して示すもので、可動鉄心56と第1、第2の鉄心52、54の端面とが接するときに出来るギャップは弁軸から外径外側方向に行くに従い広くなるようにお互いの傾斜角が構成されている。即ち、可動鉄心56の厚みTは、図に示すように、弁軸5aに近い位置の厚みT1に対して、外側の厚みT2は、
T1>T2 となるようにテーパ状に構成してある。
このように厚みが外に向かって薄くなるテーパを持たせた可動鉄心56を持つ場合、弁軸5aが傾いても(その厚みの変化幅内であれば)従来の図9で説明したような外側の力が内側より強くなるということがなく、弁軸5aの動きはスムースである。また、可動鉄心を外周に向かって断面テーパ状にしたことから、可動鉄心56と、第1、第2の鉄心52、54の端面とで構成される内側のギャップが、外側のギャップよりも狭くなることから、弁軸に遠い方の電磁吸引力が近い方の電磁吸引力より小さくなるため、弁軸を傾けようとする転覆モーメントを低減することが出来る。
【0032】
関連技術4.
この発明による、関連技術5の電磁駆動装置の断面を図6に示す。66は可動鉄心で弁軸5aの周囲に円筒型の突出部66Yを有している。
62は内筒部軸方向長さが外筒部軸方向長さよりも短く設定され、可動鉄心66の円筒型のガイド部に対向する内筒端面と、端面の角度が開閉弁5の軸心の方向に対して鉛直でない傾斜面を外筒端面に有する第1の鉄心で、62aはその外筒、62bはその内筒である。
【0033】
64は内筒部軸方向長さが外筒部軸方向長さよりも短く設定され、可動鉄心66の円筒型のガイド部に対向する内筒端面と、端面の角度が開閉弁5の軸心の方向に対して鉛直でない傾斜面を外筒端面に有する第2の鉄心で、64aはその外筒、64bはその内筒である。
第1の鉄心62の内筒端面と第2の鉄心64の内筒端面との間の空隙の距離は内筒の直径より大きい寸法としてある。即ち、第1の鉄心62の外筒側端面と内筒側端面の両者が互いに、あるいはまた、第2の鉄心64の外筒側端面と内筒側端面の両者が互いに、その位置が軸方向にずれており、かつ、内筒側端面がコイル巻回部分(コイルの中央付近)に位置している。
可動鉄心66の内筒側の円筒状部分66Yも、これに応じてコイル巻回部分に挿入されている。
このように内筒に対向する円筒状部分66Yを有する可動鉄心66を持つ場合、弁軸5aが傾いても内側の力が外側に比べて強いので、弁軸5aの動きはスムースである。また、弁軸5aの傾きそのものも可動鉄心66の円筒状部分66Yによってある程度規制され、傾きが減るという効果が得られる。
【0034】
以上の説明に於いて、実施の形態/関連技術説明ともに、可動鉄心の上、下両側に電磁石を備えるものを例として説明した。しかし、スプリングの強度をあまり高くする必要がない低圧力のポンプ用として用いる場合、例えば電磁石を上側のみとし、コイルに電流を給電していないときには保持手段(スプリング)によって可動鉄心を上側の鉄心の端部から所定距離の位置にとどまるようにすることでもよい。
【0035】
【発明の効果】
以上のようにこの発明の弁の電磁駆動装置は、円板状の可動鉄心に設けた突起の傾斜面に所定の距離をあけて対向するとともに、この傾斜面の傾斜角と異なる傾斜角の傾斜面を有する一対の電磁石を設けたので、弁軸に傾きがあっても、この傾きを助長する力が弁軸に働かず、動きがスムースであるという効果が得られる。
【0036】
また、可動鉄心の傾斜面の角度と、コイル鉄心の傾斜面の傾斜角とを異なる値となるように調整し、外側に開く空隙を備えるようにしたので、弁軸に傾きがあっても、傾きを助長する力が弁軸に働かず、動きがスムースであるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の関連技術1の弁の電磁駆動装置の断面図である。
【図2】 図1のものの特性図である。
【図3】 この発明の関連技術2の弁の電磁駆動装置の断面図である。
【図4】 関連技術3による弁の電磁駆動装置の断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1の弁の電磁駆動装置の部分断面図である。
【図6】 関連技術4の弁の電磁駆動装置の部分断面図である。
【図7】 従来の弁の電磁駆動装置の部分断面図である。
【図8】 図7のものの動作を説明するための図である。
【図9】 従来の構造の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 第1のコイル、 2 第1の鉄心、 3 第2のコイル、
4 第2の鉄心、 5 開閉弁、 6 円板状の可動鉄心、
7 第1スプリング、 8 第2スプリング、 9 シリンダヘッド
12、32、42、52、62 第1の鉄心、
12a、32a、42a、52a 62a 第1の外筒、
12b、32b、42b、52b 62b 第1の内筒、
14、34、44、54、64 第2の鉄心、
14a、34a、44a、54a、64a 第2の外筒、
14b、34b、44b、54b、64b 第2の内筒、
16、36、46、56、66 円板状の可動鉄心、
16a、36a、46a、56a、66a 傾斜した面、
16X、36X、46X、56X、66X 突起、
66Y 可動鉄心の円筒状部分、
112 第1の電磁石、 114 第2の電磁石。
Claims (2)
- 内燃機関の吸気弁または排気弁の弁軸又はその延長線の周囲に配置され、前記弁軸方向の端部に前記弁軸に対して傾斜した第1傾斜面を有する鉄心と、この鉄心に巻回されたコイルとを含む第1の電磁石、
前記第1の電磁石の前記第1傾斜面から、前記弁軸の方向に所定の空隙を設けて対向配置され、前記空隙に面する端部に前記弁軸に対して傾斜した第2傾斜面を有する鉄心と、この鉄心に巻回されたコイルとを含む第2の電磁石、
前記弁軸に固定されて前記第1傾斜面と前記第2傾斜面との間の前記空隙内に配置されるとともに、前記第1傾斜面および前記第2傾斜面に対向してこの第1、第2傾斜面の傾斜角とは異なる角度の傾斜面が形成された突起を有する円板状の可動鉄心、
前記第1、第2の電磁石のいずれにも給電されないとき、前記可動鉄心を前記第1、第2の電磁石の間の前記空隙のほぼ中間に保持する保持手段を備えるとともに、
前記可動鉄心の前記突起の傾斜した面と前記第1の電磁石の前記第1傾斜面との隙間、及び前記可動鉄心の前記突起の傾斜した面と前記第2の電磁石の前記第2傾斜面との隙間とは、ともに、前記弁軸の径方向外側に向かうほど大きくなるように形成したことを特徴とする弁の電磁駆動装置。 - 前記可動鉄心の厚みは径方向外側に向かうほど薄く構成されていることを特徴とする請求項1に記載の弁の電磁駆動装置。
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