JP3944992B2 - 再生装置および再生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばCD(コンパクトディスク)を再生するCDプレーヤやMD(ミニディスク)を再生する機能を有するMDレコーダ等のディジタル音声再生装置および再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルオーディオ再生装置において、記録媒体から再生される再生信号に基づいて生成されるディジタルオーディオデータ内の各サンプリングデータを、実演奏の時間経過順序と逆順序に再生することによって逆再生が可能であることは周知である。
【0003】
例えばMDレコーダにおいても、ディジタルオーディオデータに配列変換処理を施して、実演奏の時間経過と逆順序に個々のサンプリングデータを配列すれば逆再生が可能である。但し、実際のMDレコーダにおいては、生成されたディジタルオーディオデータを、所定個数のサンプリングデータの集合体としてのデータブロックを単位として後段に出力するようになされている(図5参照)。
【0004】
このため、データブロックを単位とする逆順序出力のみが可能である。このような再生を以下、擬似逆再生と表記する。擬似逆再生においては、各データブロック内では、サンプリングデータ配列が実演奏時間の順序のままで配列されていることになる。従って、あるデータブロックMと後続のデータブロックM−1の境界で、サンプリングデータに不連続が生じる。
【0005】
このため、擬似逆再生の再生音声は、本来の逆再生、すなわち個々のサンプリングデータを実演奏の時間経過と逆順序に配列することによって生成される再生音声に比較して不自然となるという問題がある。この問題に対処するために、個々のデータブロック内のデータ配列を逆順序に変換する機能を有する構成回路を設けることが行われている。このような構成として、例えばメモリ制御可能な汎用DSP(Digital Singnal Processor) 等を使用することができる。
【0006】
しかし、このような構成においては、データブロックのブロック長に相当するサンプリングデータの数を計数するカウンター、各データブロックの先頭となるサンプリングデータが格納されているメモリ番地を記憶する記憶領域等を管理する必要がある。このため、メモリ管理のための処理が複雑化し、プログラム容量の増大、処理速度の低下等の要因となるという問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、この発明の目的は、プログラム容量の増大、処理速度の低下等を伴わずに、若しくはその程度を最小限に抑えて、高精度の逆再生を行うことが可能な再生装置および再生方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、圧縮されたオーディオデータがブロック単位で記録された記録媒体からオーディオデータを読み出して再生する再生装置において、
記録媒体から圧縮されたオーディオデータをブロック単位で読み出す再生手段と、 再生手段にて読み出されたブロック単位の圧縮されたオーディオデータの解凍処理を行う解凍手段と、
解凍手段からデータが出力されるタイミングのうち、ブロック単位の先頭のデータで有ることを示すブロック先頭データタイミング信号を生成して出力するブロック先頭データタイミング信号生成手段と、
解凍手段から出力されるデータが一時記憶されるリングバッファ手段と、
再生手段にて記録媒体からブロック単位で逆順に圧縮されたオーディオデータが再生された場合に、ブロック先頭データタイミング信号生成手段から出力されるブロック先頭データタイミング信号に基づいてリングバッファ手段に通常再生時とは逆順序に記憶されるようにデータの配列を変換するデータ配列変換手段と、
通常再生時とは逆順序にリングバッファ手段にデータを記憶する場合には、リングバッファからのデータの読み出し方向とは逆方向に書き込み位置を移動させる書き込み位置制御手段と
を備える再生装置である。
【0009】
請求項2の発明は、圧縮されたオーディオデータがブロック単位で記録された記録媒体からオーディオデータを読み出して再生する再生方法において、
記録媒体からブロック単位で通常再生時とは逆順序に圧縮されたオーディオデータを読み出すステップと、
逆順にブロック単位で読み出された圧縮されたオーディオデータを解凍するステップと、
解凍されたブロック単位のデータの先頭データであることを示すブロック先頭データタイミング信号を生成するステップと、
通常再生順序とは逆の再生順が指示されている場合には、解凍されたオーディオデータを一時的に記憶するリングバッファメモリに解凍されたオーディオデータの記憶位置が通常再生とは逆順になるように記憶位置情報を生成するステップと、
通常再生順序とは逆の再生順が指示されている場合には、ブロック先頭データタイミング信号を検出するごとにリングバッファメモリに通常再生時とは逆順にブロック単位で解凍されたオーディオデータを記憶位置情報に基づいて記憶するステップと
を備える再生方法である。
【0010】
以上のような発明によれば、逆再生時に、ブロック先頭データタイミング信号から把握されるデータブロックの先頭のサンプリングデータの出力タイミングのみに基づいて、データ配列変換処理を的確に行うことができる。そして、サンプリングデータ単位での不連続を有しない高精度の逆再生を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態の全体的な構成について図1を参照して説明する。オーディオデータ生成部21は、例えばMD等の記録媒体から再生される再生信号に基づいて復号、誤り訂正およびATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)解凍等の処理を行って、再生ディジタルオーディオデータとしてのATRAC解凍データを生成し、後段に出力する。このATRAC解凍データは、所定個数のサンプリングデータからなるデータブロックを単位とするものである。また、オーディオデータ生成部21は、各データブロックの先頭となるデータの出力タイミングを示すブロック先頭データ出力タイミング信号を後段に出力する。さらに、オーディオデータ生成部21は、ATRAC解凍データを擬似逆再生出力する機能を有している。
【0012】
なお、ATRACは、比較的最近MD等において用いられているディジタルオーディオデータの圧縮方法であり、変形DCT(Modified Discrete Cosine Transfer) 、および人間の聴覚特性を考慮した処理等を組合わせてなるものである。この発明の一実施形態においては、ATRACによる圧縮率は4倍程度とされる。すなわち、記録媒体から再生される再生信号に基づく復号データにATRAC解凍処理が施されると、復号データの約4倍のデータ量のATRAC解凍データが得られる。
【0013】
また、記録される圧縮前のディジタルオーディオデータは、ダイナミックレンジすなえわち1サンプルあたりの情報量が16ビット=2バイトである。そして、512サンプル(従って512×2=1024バイト)がATRACによって212バイトに圧縮される。この212バイトを1サウンドグループと称する。さらに、5.5サウンドグループが1セクタを構成し、32セクタが1クラスタとされる。
【0014】
そして、1セクタ(すなわち、ATRAC解凍後1024×5.5=5632バイト)がMDレコーダにおけるオーディオデータ生成部21からのデータ出力の最小単位とされる。また、従って、MDレコーダにおいては、1データブロックが1セクタに相当する。なお、CDプレーヤにおいては、は、1データブロックが1フレーム(588チャンネルビットのデータからなり、1/75秒の再生音声データに相当する)とされる。
【0015】
オーディオデータ生成部21の後段には、データ配列変換制御部22および例えばRAM等からなるリングバッファ24(これについては後述する)を備えた記憶回路23が設けられている。そして、逆再生モードが指令される場合には、オーディオデータ生成部21が擬似逆再生出力を行い、また、オーディオデータ生成部21ブロック先頭データ出力タイミング信号を参照して記憶回路23を制御することにより、各データブロック内のサンプリングデータを逆順序に配列し直して出力する。なお、この発明の一実施形態においては、記憶回路23内にショックプルーフメモリ機能のためのバッファメモリとして使用されるRAM等がリングバッファ24とは別個に設けられている。
【0016】
なお、ショックプルーフメモリ機能は、装置に加わる振動等によって光ピックアップ等の信号読取り部が正しい読取り位置からずれることによって記録媒体からの再生信号が途切れるような場合に、再生音声に中断(いわゆる音飛び)が生じることを防止し、若しくはその可能性を低減する機能である。この機能を実現するために、RAM等のバッファメモリを設け、このバッファメモリにオーディオデータ生成部21から供給されるディジタルオーディオデータを一旦蓄えて、その後、D/A変換等を行う後段の処理回路に供給されるような構成が用いられる。
【0017】
このような構成により、記録媒体からの再生信号が途切れて新たなディジタルオーディオデータの生成が中断しても、バッファメモリに蓄えられたデータに基づいて再生音声が発生する。従って、バッファメモリ内のデータが無くなるまでは再生音声に中断が生じない。この間に光ピックアップ等の信号読取り手段が正しい読取り位置に戻されて再生信号が正常に読取られる状態に復帰すれば、音飛びの発生を防止できる。
【0018】
また、逆再生モードが指令される場合には、オーディオデータ生成部21が擬似逆再生出力を行い、また、オーディオデータ生成部21ブロック先頭データ出力タイミング信号を参照して以下に説明するように記憶回路23を制御することにより、各データブロック内のサンプリングデータを逆順序に配列し直して出力する。記憶回路23内のリングバッファメモリ24について図2を参照して説明する。リングバッファメモリ24は、データブロックのデータ量の2倍のデータ量を記憶できる容量を有している。データ配列変換制御部22がこのリングバッファメモリ24の制御、すなわち書込みポイントおよび読出しポイントの設定を行う。
【0019】
書込みポイントの制御は、次のようなものである。まず、データブロックの先頭のサンプリングデータの書込みポイントを設定する。その後、書込みポイントを一定の方向に更新していくことにより、後続のサンプリングデータを順に書込んでいく。一方、後述するように、読出しポイントは、通常の再生時と逆再生時とにおいて更新方向が異なるように制御される。
【0020】
通常再生時には、リングバッファメモリ24からの読出しポイント26を最新のサンプリングデータの書込みポイント27上に、あるいは最新データより数ポイント前に書込まれたサンプリングデータの書込みポイント上に設定する。すなわち、読出しポイントの更新方向が書込みポイントの更新方向と同一とされる。このようにして、サンプリングデータが書込みポイント順に読出され、後段に出力される。
【0021】
次に、逆再生時における処理について、図3を参照して具体的に説明する。ここで、図3Aは、リングバッファメモリ24に対する書込みポイントおよび読出しポイントの設定について図示している。また、図3Bは、逆再生モード時におけるオーディオデータ生成部21の出力を図示している。さらに、図3C,Dはそれぞれ後述するリングバッファメモリ24上の2個の領域P,Qに対するデータブロックの書込みについて図示している。一方、図3Eは、リングバッファメモリ24から読出される配列変換後のデータについて示している。
【0022】
上述したように、逆再生モードにおいてはオーディオデータ生成部21が擬似逆再生出力を行うので、ATRAC解凍データが図3Bに示すようにデータブロックM,M−1,M−2・・・の順に出力され、リングバッファ24に供給される。ここで、各データブロックの内部においては、サンプリングデータはサンプリングされた順に1,2・・・nと配列されている。
【0023】
各データブロックの内部の配列がサンプリングされた順のままだと、例えばデータブロックM内の最後の(すなわちn番目の)サンプリングデータが出力された時点の次の時点には、1個前のデータブロックM−1の先頭のサンプリングデータが出力されることになる。従って、データブロックの境界において、出力されるサンプリングデータ単位での不連続が生じる。このような出力に基づいて後段の処理が行われると、聴覚上不自然な音声データが発生する。
【0024】
そこで、この発明の一実施形態においては、図3Aに示すように、逆再生時に読出しポイントの更新方向が書込みポイントの更新方向とは反対とされる。例えば、データブロックMを起点とする逆再生モードが指令された場合には、データブロックM内の先頭(すなわち1番目)のサンプリングデータを書込む書込みポイント(図3A中では符号Sを付して示した)を出発点として、書込みポイントの更新方向(矢印50を付して示した)とは反対の方向に読出しポイントの更新方向(矢印51を付して示した)が設定される。
【0025】
リングバッファ24に対するこのような制御により、データブロックMが書込まれる期間aにおいて、斜線を付して示した領域PにデータブロックM内のサンプリングデータが1,2・・・nの順に書込まれていく。ここで、領域Pはリングバッファ24の半分を占めている。そして、上述したように、リングバッファ24の容量がデータブロックのデータ容量の2倍とされているので、領域P上には、データブロックMを過不足なく書込むことができる。
【0026】
また、期間aにおいて、領域P以外のリングバッファ24上の領域Q(従って領域Qもデータブロック1個分のデータ容量を有している)から読出しが行われる。但し、期間aに読出されるデータは、例えば逆再生モードが指令された時点以前に通常の再生を行った際に書込まれたもの等であり、ここで必要とされる逆再生出力には無関係なものである。そこで、期間aに読出されるデータは後段には出力されない(図3E参照)。
【0027】
期間aの終了時点、すなわちデータブロックMの書込みが完了した時点においては、書込みポイントがポイントSの反対側のポイントTに位置している。また、この時点で読出しポイントはポイントTに位置している。従って、引き続き、オーディオデータ生成部21による擬似逆再生出力によって供給されるデータブロックM−1が領域Qに1,2・・・nの順に書込まれていく(図3D参照)。
【0028】
このようにしてデータブロックM−1が書込まれる期間(図3中の期間b)においては、期間aにおいて書込まれたデータブロックMが領域Pから読出される。この際に、データブロックM内のサンプリングデータは、書込みの順序とは反対にn,n−1・・・2,1の順に読出される(図3E参照)。このようにして、データブロックM内でのサンプリングデータの出力順序を、サンプリングされる順序と逆にすることができる。
【0029】
さらに、期間bの終了時点、すなわちデータブロックM−1の書込みが完了した時点では、書込みポイントがポイントSに位置している。また、この時点で読出しポイントはポイントTに位置している。すなわち、データブロックMの書込みが開始された時点と同じ状態となっている。そして、引き続き、オーディオデータ生成部21による擬似逆再生出力によって供給されるデータブロックM−2が領域Pに1,2・・・nの順に書込まれていく(図3C参照)。
【0030】
このようにしてデータブロックM−2が書込まれる期間(図3中の期間c)においては、期間bにおいて書込まれたデータブロックM−1が領域Qから読出される。この際に、データブロックM−1内のサンプリングデータは、書込みの順序とは反対にn,n−1・・・2,1の順に読出される(図3E参照)。このようにして、データブロックM−1内でのサンプリングデータの出力順序を、サンプリングされる順序と逆にすることができる。
【0031】
以下、同様にしてオーディオデータ生成部21による擬似逆再生出力によって供給されるデータブロックがリングバッファ24に順次書込まれ、かつ読出されていくことにより、全てのサンプリングデータをサンプリングされる順序(従って実演奏の時間経過順序)と逆に出力することが可能となる。
【0032】
以下、より具体的な構成例として、この発明を適用したMDレコーダについて図4を参照して説明する。ここで、データリードブロック11およびATRAC解凍ブロック12が図1中のオーディオデータ生成部21に含まれる。但し、ブロック先頭データタイミング信号Bfは、後述するように制御マイコン14によって生成される。また、データ配列変換ブロック13は、図1中のデータ配列変換制御部22とリングバッファ24を有する記憶回路23を含むものである。
【0033】
データリードブロック11によってMD10から再生されるデータがATRAC解凍ブロック12に供給される。ATRAC解凍ブロック12は、供給されるデータにATRAC解凍処理を施し、ATRAC解凍データを生成してデータ配列変換ブロック13に供給する。データリードブロック11およびATRAC解凍ブロック12は、1倍速再生、2倍速再生の何れをも行うことができるものとされている。
【0034】
また、装置全体の動作制御を行う制御マイコン14は、データリードブロック11およびATRAC解凍ブロック12におけるデータ処理の状況に応じてブロック先頭データタイミング信号Bfを生成し、このブロック先頭データタイミング信号Bfをデータ配列変換ブロック13に供給する。ATRAC解凍データのデータ転送レートは、図示しないPLL回路等によって生成されるデータ転送用クロックに従い、例えば44.1kHzの2倍の88.2kHzに対応するレートに固定されている。
【0035】
データ配列変換ブロック13は、ショックプルーフ機能のための処理を行うと共に、逆再生時においては、ブロック先頭データタイミング信号Bfを参照して供給されるATRAC解凍データの各データブロック内のサンプルの順序を変換する。これにより、逆再生時にデータブロックの境界でもサンプル順序が連続するようになされる。
【0036】
データ配列変換ブロック13の出力がD/A変換ブロック14に供給される。D/A変換ブロック14は、供給されるディジタルオーディオデータをD/A変換してアナログ信号に変換する。このアナログ信号によってヘッドフォンスピーカ等の音声発生部が駆動され、音声が出力される。
【0037】
上述したこの発明の一実施形態においては、データ配列変換を行うために使用されるリングバッファ24と、ショックプルーフメモリ機能を行うためのバッファメモリとして使用されるRAM等が別個に設けられている。記憶回路23内に書換え可能な1個のメモリを設け、通常再生時にはかかるメモリを専らショックプルーフメモリ機能を行うためのバッファメモリとして使用し、逆再生時にはかかるメモリの一部をリングバッファ24として動作させるようにしても良い。このような構成においては、記憶回路23内のメモリに対する制御が複雑化するが、記憶回路23内のメモリの総量を削減することができる。
【0038】
上述したこの発明の一実施形態、MDレコーダに対してこの発明を適用したものであるが、この発明は、データブロック等所定の量のデータを単位としてサンプリング順序と逆順に再生したデータを出力する機能を有する再生処理系を有する再生装置であれば、記録媒体、通信回線等、再生系に再生すべきデータを供給するための構成としてMD以外のものを使用する場合にも適用できる。
【0039】
すなわち、MD以外にも、例えば光磁気ディスク(MO)、相変化型ディスクPD、CD−E(CD-Erasable )等の書換え可能ディスク、CD−R等の追記型ディスク、CD、CD−ROM、DVD等の読出し専用ディスク等、および磁気ディスクを用いるディジタル音声再生装置に適用することが可能である。さらに、磁気テープ、光テープ等のテープ状記録媒体や、半導体メモリを記録媒体として用いる場合にもこの発明を適用することができる。また、例えば電話回線等を利用したネットワークを介して、コンテンツサーバー等から再生すべきデータが再生系に供給される場合にもこの発明を適用することができる。
【0040】
特に、ディジタル機器を使用してアナログ機器と同等あるいは類似の機能を実現する装置、ジョグダイアル等を用いて編集ポイントをサーチする機能を有する装置等、低コストで高品質の逆再生を行う機能を要求される装置に対して、この発明を適用することが有効となる。また、例えばビデオデータの再生等をも含む信号処理全般において、特定範囲のデータ列を逆に配列し直して出力する機能を実現するためにも、この発明を適用することが有効となる。
【0041】
また、この発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の応用および変形が考えられる。
【0042】
【発明の効果】
上述したように、この発明は、記録媒体からディジタルオーディオ情報を再生するようにした再生装置において、データブロック等の所定の量のデータを出力の単位とする擬似逆再生出力を行うと共に、この擬似逆再生出力に対してデータブロックの先頭の出力タイミングを示すブロック先頭データタイミング信号を参照してデータブロックの2倍のメモリ容量を有するリングバッファを使用した処理を行うことにより、各データブロック内のサンプリングデータの順序を変換するデータ配列変換処理を行うようにしたものである。
【0043】
このような構成により、逆再生時に、あるデータブロックMについてサンプリングデータをリングバッファの半分の領域から逆順に読出すことが終了した時点において、後続のデータブロックM−1がリングバッファの他の半分の領域に書込まれているようになされる。従って、データブロックMについての逆順での読出しが終了した後、直ちにデータブロックM−1についての逆順での読出しを開始することができる。このため、読出しポイント/書込みポイントのジャンプ処理等の特別な処理を行うこと無く、サンプリングデータ単位での不連続を有しない高精度の逆再生を実現することができる。
【0044】
従って、ブロック先頭データタイミング信号から把握されるデータブロックの先頭のサンプリングデータの出力タイミングのみに基づいて、データ配列変換処理を適正に行うことができる。このため、例えばDSP等を用いた従来のデータ配列変換処理において行われていた、サンプリングデータの数を計数する処理、ブロックの先頭のサンプリングデータの格納番地を記憶しておく処理等を行う必要を無くすことができる。
【0045】
このため、データ配列変換処理を簡略化することができ、データ配列変換処理を行うためのプログラム容量、および処理時間を削減することが可能となる。従って、装置の全体構成の小型化や低コスト化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態の全体的構成について説明するためのブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態中のリングバッファについて説明するための略線図である。
【図3】データ配列の変換処理について説明するための略線図である。
【図4】この発明の一実施形態のより具体的な構成の一例について説明するためのブロック図である。
【図5】ディジタルオーディオデータの出力における、データブロックとサンプリングブロックについて説明するための略線図である。
【符号の説明】
21・・・オーディオデータ生成部、23・・・データ配列変換制御部、23・・・記憶回路、24・・・リングバッファ

Claims (2)

  1. 圧縮されたオーディオデータがブロック単位で記録された記録媒体からオーディオデータを読み出して再生する再生装置において、
    上記記録媒体から圧縮されたオーディオデータをブロック単位で読み出す再生手段と、 上記再生手段にて読み出されたブロック単位の圧縮されたオーディオデータの解凍処理を行う解凍手段と、
    上記解凍手段からデータが出力されるタイミングのうち、上記ブロック単位の先頭のデータで有ることを示すブロック先頭データタイミング信号を生成して出力するブロック先頭データタイミング信号生成手段と、
    上記解凍手段から出力されるデータが一時記憶されるリングバッファ手段と、
    上記再生手段にて上記記録媒体からブロック単位で逆順に圧縮されたオーディオデータが再生された場合に、上記ブロック先頭データタイミング信号生成手段から出力されるブロック先頭データタイミング信号に基づいて上記リングバッファ手段に通常再生時とは逆順序に記憶されるようにデータの配列を変換するデータ配列変換手段と、
    上記通常再生時とは逆順序に上記リングバッファ手段にデータを記憶する場合には、上記リングバッファからのデータの読み出し方向とは逆方向に書き込み位置を移動させる書き込み位置制御手段と
    を備える再生装置。
  2. 圧縮されたオーディオデータがブロック単位で記録された記録媒体からオーディオデータを読み出して再生する再生方法において、
    上記記録媒体からブロック単位で通常再生時とは逆順序に圧縮されたオーディオデータを読み出すステップと、
    上記逆順にブロック単位で読み出された圧縮されたオーディオデータを解凍するステップと、
    上記解凍されたブロック単位のデータの先頭データであることを示すブロック先頭データタイミング信号を生成するステップと、
    通常再生順序とは逆の再生順が指示されている場合には、上記解凍されたオーディオデータを一時的に記憶するリングバッファメモリに上記解凍されたオーディオデータの記憶位置が通常再生とは逆順になるように記憶位置情報を生成するステップと、
    通常再生順序とは逆の再生順が指示されている場合には、上記ブロック先頭データタイミング信号を検出するごとに上記リングバッファメモリに通常再生時とは逆順に上記ブロック単位で解凍されたオーディオデータを上記記憶位置情報に基づいて記憶するステップと
    を備える再生方法。
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