JP3944779B2 - 中和澱物の沈降性改善方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に中和工程において被中和溶液に鉄酸化物を添加して中和することにより、中和澱物の嵩を低減させ沈降性を向上させる中和澱物の沈降性改善方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属精錬プロセスにおいては、炭酸カルシウム(CaCO3)や消石灰(Ca(OH)2)を用いて、金属元素等を含有する酸性溶液の中和を行い、同時に鉄、クロム、アルミニウムなどの金属成分を水酸化物として除去することが一般的に行われている。この中和反応によって、生成される石膏(CaSO4・2H2O)を主成分とする中和澱物は、粒子が微細で嵩が高く、沈降特性並びに濾過性が著しく悪いことが知られている。
【0003】
このような沈降特性や濾過性を改善する方法として、たとえば、
(1)中和澱物粒子を種晶として繰返し、澱物粒子を造粒する方法。
【0004】
(2)中和反応を比較的高温で行い、安定な澱物を作る方法。
【0005】
等の方法を利用するといった対策が取られているが、それぞれが十分な解決法ではなかった。
【0006】
たとえば、(1)の方法では、澱物の50%程度をスラリーとして繰り返す必要があり、反応容器が大きなものとなることに加えて、スラリーの繰り返しを行うためのポンプ等の設備が必要となり、設備投資が大きなものになる。
【0007】
一方、(2)の方法では、中和反応時に昇温用のコストが必要であり、ランニングコストが増加するという問題点があった。さらに、この方法により生成するスラリーを沈降させた上澄み液には懸濁物質(以下、SS)分が多く存在し、これが濾過性を悪化させるという問題もあった。
【0008】
以上のようなことから、できるだけ設備への投資を小さく、かつ、ランニングコストが安価で、SSを低減できる中和澱物の沈降方法が望まれていた。
【0009】
たとえば、特開平11−90112号公報には、中和反応をともなわない通常の汚水浄化用凝集沈殿剤としてであるが、酸化ケイ素と酸化カルシウムと酸化アルミニウムと酸化鉄等とを特定の比率に混合して、工場等の廃水中に沈降剤として使用する方法が、報告されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平11−90112号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記課題を解決するため、本発明の目的は、中和澱物の沈降特性を改善することにあり、中和設備のコンパクト化と共に濾過性を向上させ上澄み液のSS分を減少させる方法を提供するものである。
【0012】
【課題を達成するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、中和工程において、被中和液にあらかじめ所定量のヘマタイトを加えた後、炭酸カルシウムや水酸化カルシウム等を加えて同時中和を行い、生成する中和澱物の沈降特性を改善し、中和澱物の嵩を低減させる中和澱物の沈降性改善方法である。そして、本発明の方法においては、添加するヘマタイトの量を中和により生成する澱物に対し重量比で50%以上とすることが効果的である。本発明の方法により、中和設備のコンパクト化と共に濾過性を向上させることが可能となり、非常に単純な金属精錬プロセスにおける一連の湿式工程を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明では、中和工程において、被中和液にあらかじめ所定量のヘマタイトを加えた後、炭酸カルシウムや水酸化カルシウム等を加えて同時中和を行うことを特徴とする。ここで、ヘマタイトをあらかじめ被中和液に混合してから中和することにより、嵩が低く微細なヘマタイトが中和澱物の核(種晶)として作用し、そのためCaCO3、Ca(OH)2の中和によって生成するCaSO4がその粒子表面上に密な結晶状態で析出し、嵩の低い中和澱物を生成させる反応を利用することによる。このことはヘマタイトの比重が5.24g/cm2であり、石膏の比重2.31g/cm2)と比較して重いことによると考えられる。
【0014】
また、種晶としての添加量は中和により生成する中和澱物に対して重量比で50%以上が望まれる。これ以下の場合は、中和澱物を沈降させた際の沈降部分の固体率が上がらず、設備を縮小できる効果は得られない。また、SSも多くなることから濾過性が悪化する。
【0015】
本発明の方法によるこのSS濃度の抑制効果については、中和初期段階に種晶が存在することにより、石膏の微細な核の発生が抑制されるためと推測できる。
【0016】
本発明の方法において、添加使用できるヘマタイトとしては、特に限定されるものではない。使用可能なヘマタイトとして、たとえば、リモナイト等のニッケル酸化鉱の高温加圧浸出法など非鉄金属精錬プロセスで、残渣として多量に生成するヘマタイトを使用することが可能である。
【0017】
【実施例】
(実施例1)
2リットルの反応容器に、ニッケル:2.5g/l、コバルト:0.2g/l、鉄:2.6g/l、マグネシウム8.4g/lと若干の重金属を含むpH=1.5程度の被中和溶液を1リットル入れて始液とし、ヘマタイトを添加後、スラリー濃度25wt%の炭酸カルシウムを中和剤として60℃にてpH=3.5まで中和反応を実施した。添加するヘマタイト(Fe2O3)としては、リモナイトのオートクレーブ浸出残渣を用い、生成澱物に対し、0〜65%の範囲で添加した。使用したヘマタイト(オートクレーブ浸出残渣)はFe品位50.0%、水分率30%のものを用いた。
【0018】
中和反応中、500rpmで反応槽を攪拌し、毎分0.3リットルの空気を吹き込み酸化させた。中和反応のpHは3.5に維持した。4時間中和反応を行った後、中和スラリーを100cc採取し、沈降試験を行った。
【0019】
得られた中和スラリーは良く攪拌を行い、中和残渣1g当り0.5mgの凝集剤を加え、その沈降体積を測定し、沈降特性を評価した。沈降測定は2時間沈降後の値を元に評価を行った。
【0020】
本実施例において沈降特性とした、沈降澱物の固体率は、
沈降澱物固体率=[(乾燥後の沈殿物重量)/(乾燥前の沈殿物重量)]×100(%) とした。
【0021】
試験結果を図1、図2に示す。
【0022】
図1は、ヘマタイト(オートクレーブ浸出残渣)を添加した場合の沈降特性を、中和澱物量に対する添加したヘマタイトの比と沈降澱物の固体率との関係で示したものである。なお、図中の中和澱物のプロットは中和残渣のみを種晶として繰り返した場合の沈降特性を示すものである。
【0023】
沈降特性の指標である沈降澱物の固体率は値が大きいほど、固液分離が容易となり、それにともなって設備をコンパクトにまとめることが可能となる。
【0024】
pH=3.5の中和において、ヘマタイトを添加した際の中和澱物の沈降特性は中和澱物をそのまま繰り返した場合(ヘマタイト添加無しの場合)と比較して良好である。
【0025】
また、生成澱物中の50%以上となるように浸出残渣を添加すれば、凝集沈降澱物の固体率は中和澱物のみを繰り返した場合の約2倍程度となり、優れた沈降特性を示していることが明らかとなった。
【0026】
(実施例2)
次に、ヘマタイト(オートクレーブ浸出残渣)を添加した際の中和澱物量に対するヘマタイトの比と凝集剤による沈降後の上澄みSuspended Solid (SS)分との関係を調査した。
【0027】
実施例1において、中和スラリーに凝集剤を加え、2時間の沈降試験を行った際の中和澱物量に対するヘマタイトの比と、沈降後の上澄みSS分との関係を図2に示す。
【0028】
図2に示すように、ヘマタイトの添加比を大きくすることにより、澱物沈降後の上澄み溶液中のSS分を低減できていることが明らかである。
【0029】
たとえば、生成澱物中の50%以上となるようにヘマタイトを添加することにより、400mg/l程度までSSを低減することが可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、主に石膏を生成させるカルシウム系の中和剤を用いた中和工程において、被中和溶液にあらかじめヘマタイトを添加し、中和することにより沈降特性の優れた中和澱物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】中和澱物量に対するヘマタイトの比と沈降澱物の固体率との関係を示すグラフである。
【図2】中和澱物量に対するヘマタイトの比と上澄みSS分との関係を示すグラフである。
Claims (2)
- 中和工程において被中和溶液にヘマタイトを加えた後、炭酸カルシウム又は水酸化カルシウムを添加して同時中和することにより、生成される中和澱物であるCaSO 4 の嵩を低減させる中和澱物の沈降性改善方法。
- 添加するヘマタイトの量を中和により生成する澱物に対し重量比で50%以上とすることを特徴とする請求項1記載の中和澱物の沈降性改善方法。
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