JP3943971B2 - インクジェットプリンタヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば水性インク等の導電性を有するインクが使用可能なインクジェットプリンタヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクが供給される複数の圧力室と、各圧力室毎に設けられてその圧力室と外部とを連通させるノズルと、各圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設けられて電圧が印可されることにより圧力室内のインクの圧力を可変させる電圧印加部(例えば、圧電部材、発熱部材等)と、電圧印加部に電圧を印加するための電圧印加手段とを備え、電圧印加手段により電圧印加部に電圧を印加することにより圧力室内のインクの圧力を高め、そのインクの一部をインク滴としてノズルから吐出させるようにしたインクジェットプリンタヘッドが知られている。
【0003】
このようなインクジェットプリンタヘッドの一例として、特開平8−52872号公報には、インクの変質を防止するために、CVD(Chemical Vapor Deposition=化学蒸着)法等によって、パリレン膜等の絶縁性有機膜を圧力室内に成膜したインクジェットプリンタヘッドが開示されている。同公報に開示された発明によれば、圧力室内の電極を絶縁性有機膜によって保護することで、導電性を有するインクを用いる場合にも電極からインク内に電流が流れることを防止し、インク内に電流が流れることが原因となるインクの変質を防止することが可能になる。
【0004】
また、インクジェットプリンタヘッドのノズルを形成する方法の一例として、圧力室の端面にノズルプレートを接着し、接着したノズルプレートにエキシマレーザから出射されたレーザ光を照射することによりノズルを形成する方法が、特開平10−291318号公報に開示されている。この方法によれば、インク滴の吐出を良好に行うことができるノズルを形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、パリレン膜などの絶縁性有機膜は、エキシマレーザから出射される紫外領域のレーザ光により加工されるという特性がある。そのため、圧力室内に設けられている電極を被覆しているパリレン膜などの絶縁性有機膜にレーザ光が照射されると、その絶縁性有機膜が損傷を受けて絶縁性が損なわれ、露出した電極からインク内に電流が流れることによりインクが変質する。
【0006】
本発明の目的は、水性インク等の導電性を有するインクの使用に際して、インク内に電流が流れることが原因となるインクの変質を防止し、かつ、ノズルからのインク滴の吐出安定性を向上させることができインクジェットプリンタヘッド及びその製造方法を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットプリンタヘッドは、インクが供給される複数の圧力室と、前記圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設けられて電圧が印可されることにより前記圧力室内のインクの圧力を可変させる圧電部材により形成された電圧印加部と、前記圧力室に連通されて前記圧力室にインクを供給するインク流路と、前記圧力室毎に設けられて前記圧力室と外部とを連通させるノズルと、前記圧力室毎に設けられて前記電圧印加部に電圧を印可するための電極と、有機高分子材料により形成されて少なくとも前記電極と前記ノズルの内周面及び両端のエッジ部分とを被覆するように成膜された絶縁性を有する保護膜と、を備える。
【0008】
従って、インクとして水性インク等の導電性を有するインクを用いる場合でも、電極からインク内に電流が流れることが防止される。さらに、ノズルのエッジ部分等が平滑になり、ノズルからのインク滴の吐出安定性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。図1はインクジェットプリンタヘッドを示す斜視図、図2は溝の延出方向に直交する位置で切断したインクジェットプリンタヘッドの一部を示す断面図、図3はノズルプレートの接着工程、ノズル形成工程及び保護膜成形工程を示す工程図、図4は蒸着重合装置を示す概略図である。
【0010】
このインクジェットプリンタヘッド1は、PZT等の圧電材料により形成された電圧印加部である圧電部材(図2参照)2、3を、2層積層した積層圧電部材4を有している。積層圧電部材4における圧電部材2、3の分極方向は、板厚方向に沿って互いに反対方向である。
【0011】
積層圧電部材4には、上側および前面側が開放された複数の溝5が、平行に形成されている。これらの溝5は、ダイシングソーのダイヤモンドホイール等によって研削加工される。これにより、それぞれの溝5は、後述する圧力室13の壁部の一部となる支柱6によって仕切られる。本実施の形態の溝5は、深さ(図2中の上下方向)が0.2〜1mm、幅(図2中の左右方向)が20〜200μm、長さ(図2中の紙面直交方向)が0.5〜500mmの範囲内に収まるように形成されている。
【0012】
溝5の内面および積層圧電部材4の上面部分には、無電解ニッケルメッキ法により形成された複数の電極7が設けられている。
【0013】
公知の技術であるため説明を省略するが、電極7の形成に際して無電解ニッケルメッキ法を用いることで、溝5の内面等の微細な領域にも、電極7を容易に形成することができる。
【0014】
なお、本実施の形態では、電極7をニッケルにより形成したがこれに限られるものではなく、例えば、金、銅等によって電極を形成してもよい。
【0015】
溝5において積層圧電部材4の前面側に向けて開口している前面開口部8は、複数のノズル9が形成されたノズルプレート10により閉塞されている。本実施の形態のノズルプレート10は、エキシマレーザからのレーザ光を照射することによりノズル9の微細加工が可能となる部材、例えば、ポリイミドフィルムにより形成され、その厚さ寸法は10〜100μm程度である。
【0016】
また、溝5において積層圧電部材4の上側に向けて開口している上側開口部11は、蓋部材12により閉塞されている。蓋部材12には、図示しないインクタンク等に連通されて後述する複数の圧力室13にインクを供給するインク供給管14が連通されるインク流路としてのインク供給路15が形成されている。
【0017】
上述した圧力室13は、溝5の前面開口部8をノズルプレート10で閉塞され、溝5の上側開口部11を蓋部材12で閉塞されることにより形成されている。複数の圧力室13は、インク供給路15を介してそれぞれ連通されている。
【0018】
インクジェットプリンタヘッド1には、図示しない制御部や電源に接続されたフレキシブルケーブル(図示せず)が接続されている。印字に際しては、フレキシブルケーブルを介して、パルス電圧や印字信号等がインクジェットプリンタヘッド1に入力される。
【0019】
さらに、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1では、インクと接触する電極7の表面、すなわち、圧力室13の内面と、ノズル9とに、有機高分子材料であるポリイミドによって形成された絶縁性を有する保護膜16が蒸着重合法によって成膜されている。
【0020】
ここで、ノズル9に保護膜16が成膜されているという意味は、図3(c)に示すように、少なくとも、ノズル9の内周面9a、ノズル9の両端のエッジ部分9b、9cを被覆するように保護膜16が成膜されていることを意味する。本実施の形態では、さらに、ノズルプレート10の表面9d及び裏面9eをも被覆するように保護膜16が成膜されている。
【0021】
つぎに、ノズルプレート10を溝5の圧力室13の端面(前面開口部8を閉塞する位置)へ接着する工程(接着工程)、ノズルプレート10へノズル9を形成する工程(ノズル形成工程)、電極7とノズル9とを保護膜16で被覆する工程(保護膜成膜工程)について、図3を参照して説明する。
【0022】
図3(a)には、溝5が形成され、さらに、その溝5の内面及び積層圧電部材4の上面部分に電極7が設けられた積層圧電部材4に対し、溝5の前面開口部8を閉塞するようにノズルプレート10(但し、ノズル9が形成される以前のもの)が接着され、さらに、図3では図示されていないが、溝5の上側開口部11を閉塞するように蓋部材12(図1、図2参照)が接着された状態が示されている。
【0023】
図3(b)には、ノズルプレート10にエキシマレーザ等から出射されたレーザ光が照射され、ノズルプレート10にノズル9が形成された状態が示されている。ノズル9の穴径は、インクの吐出側で小さく、溝5側(圧力室13側)で大きく形成されている。
【0024】
図3(c)では、図4に示す蒸着重合装置17を用いて電極7とノズル9とに保護膜16が成膜された状態が示されている。
【0025】
ここで、蒸着重合法とは、熱エネルギーによって蒸発させ、活性化させた複数種類のモノマーを、保護膜の成膜を目的とするサンプルの表面に付着させ、そのサンプル表面で重合反応を生じさせることにより、サンプル表面に有機高分子膜を形成する重合方法である。本実施の形態ではポリイミドによって形成される保護膜16を成膜したが、これに限られるものではなく、ポリイミド以外にも、例えばポリ尿素、ポリイミドアミド、ポリアミド、ポリアゾメチン等によって形成される有機高分子膜を成膜することができる。
【0026】
蒸着重合装置17の概略構造、及び、蒸着重合の作業手順について図4を参照して説明する。蒸着重合装置17は、蒸着重合法による成膜を目的とするサンプル(本実施の形態では、溝5および電極7が形成された積層圧電部材4にノズルプレート10と蓋部材12とが接着され、ノズルプレート10にノズル9が形成されたもの)Aを保持するステージ18が内部に設けられたチャンバー19を備えている。ステージ18には、サンプルAの温度調節を行うための温度調節機構(図示せず)が設けられている。
【0027】
チャンバー19内には、チャンバー19内の温度を制御する室内温度制御機構(図示せず)が設けられている。本実施の形態では、ポリイミドによる保護膜16を成膜するため、室内温度制御機構によって、チャンバー19内の温度は200℃程度に保持されている。
【0028】
また、特に図示しないが、チャンバー19には、チャンバー19内を減圧させるための減圧機構が設けられている。この減圧機構は、例えば、ファン等によってチャンバー19内の空気を強制的にチャンバー19外へ排気するような機構であってもよい。
【0029】
チャンバー19の上側には混合漕20が設けられている。チャンバー19と混合漕20とは、複数の孔が形成されたシャワープレート21を介して連通されている。
【0030】
また、蒸着重合装置17は、サンプルAに付着させる原料モノマーを保持する複数の蒸発漕22を備えている。本実施の形態では、ポリイミドによる保護膜16を成膜するための原料モノマーとして、4,4ジアミノフェニルメタン(MDA)と、4,4ジフェニルメタンイソシアナートとが、それぞれの蒸発漕22に保持されている。
【0031】
特に図示しないが、各蒸発漕22には、原料モノマーを加熱する加熱機構が設けられている。また、各蒸発漕22には、各蒸発漕22と混合漕20とをそれぞれ連通させるモノマー導入管23が設けられている。各モノマー導入管23には、それぞれのモノマー導入管23を開放制御するバルブ24が設けられている。モノマー導入管23は、蒸着重合を行う時以外は、バルブ24によって閉塞されている。
【0032】
保護膜16の成膜に際しては、まず、蒸着重合法による成膜を目的とするサンプル(本実施の形態では、溝5および電極7が形成された積層圧電部材4にノズルプレート10と蓋部材12が接着され、そのノズルプレート10にノズル9が形成されたもの)Aを、ステージ18に取り付ける。なお、このサンプルAにおける保護膜16の成膜が不要な部分には、予めマスキングをしておく。
【0033】
つぎに、加熱機構によって蒸発漕22内を加熱する。加熱された原料モノマーは、気体となって蒸発する。原料モノマーが十分に気化したところで、バルブ24を開放してモノマー導入管23を開放する。これにより、気化した原料モノマーは、モノマー導入管23を通って混合漕20に導入される。混合漕20では、各種モノマーが均一に混ざった混合モノマーが生成される。
【0034】
加えて、減圧機構によってチャンバー19内を減圧する。混合モノマーは、混合漕20とチャンバー19内との圧力差によって、シャワープレート21を介してチャンバー19内に導入される。
【0035】
チャンバー19内に導入された混合モノマーは、サンプルA上の保護膜16を成膜したい部分に付着する。サンプルAとチャンバー19内の温度とを制御することにより、サンプルAに付着した原料モノマーが重合を開始する。これによって、サンプルA上の保護膜16を成膜したい部分(ノズル9及び圧力室13内の電極7)には、目的とするポリイミドの保護膜16が成膜される。
【0036】
蒸着重合法は、成膜したい物質をモノマー単位でサンプルAに付着させてサンプルA上で重合させるため、複雑な形状をしたサンプルAに対してもモノマー分子が良好に回り込むので、サンプルAの形状に左右されずに細かな部分にも均一に成膜を施すことができる。
【0037】
また、蒸着重合法は良好な密着性と優れた付き回り性とを有するので、このような蒸着重合法を用いて保護膜16を成膜することにより、サンプルAに対する下地処理等を行うことを不要とすることができる。
【0038】
このような構成において、このインクジェットプリンタヘッド1を有するインクジェットプリンタでの印字に際しては、圧力室13内にインクを供給した状態で、インクを吐出させる圧力室13の両側に位置する電極7へ制御部からの制御により電圧が印可される。これにより、電圧が印加された電極7に対応する一対の支柱6は、分極方向が相反する圧電部材2、3のシェアモード変形により圧力室13の容積を大きくする方向へ湾曲する。ついで、この電極7に印加する電圧の極性が逆転されることにより、支柱6が急激に初期位置に復帰する。支柱6が初期位置に復帰した際に圧力室13内のインクが加圧され、圧力室13内のインクの一部がインク滴となってノズル9から吐出し、吐出したインク滴が搬送ローラ等の記録媒体搬送手段により搬送される記録媒体上に付着して画像が形成される。
【0039】
本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1では、電極7に保護膜16が成膜されており、しかも、この保護膜16は、溝5の前面開口部8を閉塞する位置に接着されたノズルプレート10に対してレーザ光の照射によりノズル9を形成した後に成膜されるため、レーザ光が保護膜16に照射されることによりその保護膜16が損傷を受けて電極7が露出するということが発生しない。このため、インクとして水性インク等の高い導電性を有するインクを使用した場合でも、電極7からインク内に電流が流れるということを防止でき、インク内を電流が流れることが原因となるインクの変質を防止できる。
【0040】
さらに、ノズル9に保護膜16が成膜されているため、ノズル9の内周面9aやエッジ部分9b、9cを平滑に仕上げることができる。これにより、ノズル9から吐出されるインク滴の吐出安定性が向上し、記録媒体上に形成される画像の品質が高くなる。
【0041】
また、電極7の表面を含む圧力室13の内周面とノズル9とに同一材料の保護膜16が成膜されるため、圧力室13及びノズル9の各部においてインクに対する塗れ性の差が発生せず、インク滴の吐出状態が安定し、良好な画像形成を行える。
【0042】
また、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1では、電極7から電圧が印可される電圧印加部として圧電部材2、3を用いているため、圧電部材2、3を用いるインクジェットプリンタヘッド1において、インクとして水性インク等の導電性を有するインクを用いる場合でも、電極7からインク内に電流が流れることを防止でき、さらに、ノズル9のエッジ部分9b、9c等が平滑になり、ノズル9からのインク滴の吐出安定性が向上する。
【0043】
また、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1では、保護膜16の成膜を蒸着重合法で行っているため、この蒸着重合法によれば、成膜したい物質をモノマー単位でサンプルAに付着させてサンプルA上で重合させることができ、複雑な形状をしたサンプルAに対してもモノマー分子が良好に回り込むので、サンプルAの形状に左右されずに細かな部分にも均一に成膜を施すことができる。さらに、良好な密着性と優れた付き回り性とを有する蒸着重合法を用いて保護膜16を成膜することにより、サンプルAに対して下地処理等を行うことを不要とすることができる。
【0044】
また、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1では、保護膜16がポリイミドにより形成されているため、このポリイミドは蒸着重合法として従来より広く使用されている材料であって蒸着重合法で使用する際の実績が有るために使いやすく、保護膜としての十分な機能を発揮させることができる。しかも、安価な材料であるのでインクジェットプリンタヘッド1のコスト低減を図ることができる。
【0045】
また、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1の製造方法では、有機高分子材料により形成されて絶縁性を有する保護膜16を少なくとも電極7とノズル9とを被覆するように蒸着重合法により成膜する保護膜成膜工程を有するため、この保護膜成膜工程によれば成膜したい物質をモノマー単位でサンプルAに付着させてサンプルA上で重合させるため、複雑な形状をしたサンプルAに対してもモノマー分子が良好に回り込むので、サンプルAの形状に左右されずに細かな部分にも均一に成膜を施すことができる。さらに、ノズル9に保護膜16が成膜されているため、ノズル9の内周面9aやエッジ部分9b、9c等を平滑に仕上げることができ、ノズル9から吐出されるインク滴の吐出安定性を向上させ、記録媒体上に形成される画像の品質を高くすることができる。
【0046】
また、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1の製造方法では、ノズル9が形成される以前のノズルプレート10を圧力室13の端面に接着する接着工程と、圧力室13の端面に接着されたノズルプレート10にレーザ光を照射してノズル9を形成するノズル形成工程と、有機高分子材料により形成されて絶縁性を有する保護膜16を少なくとも電極7とノズル9とを被覆するように蒸着重合法により成膜する保護膜成膜工程と、を有するため、蒸着重合法は成膜したい物質をモノマー単位でサンプルAに付着させてサンプルA上で重合させることができるので、モノマー分子をノズル9から圧力室13内にスムーズに入り込ませることができ、積層圧電部材4にノズルプレート10と蓋部材12とを接着して圧力室13を形成した後であっても、圧力室13内の電極7上への保護膜16の成膜を良好に行うことができる。しかも、レーザ光を照射してノズル9を形成した後に保護膜16を成膜するため、ノズル9を形成するレーザ光が保護膜16に照射されて保護膜16が損傷を受けて電極7が露出するということを防止でき、その電極7の露出部分からインク内に電流が流れるということを防止できる。
【0047】
また、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1の製造方法では、電極7から電圧が印可される電圧印加部として圧電部材2、3を用いているため、圧電部材2、3を用いるインクジェットプリンタヘッド1を製造した場合でも、電極7からインク内に電流が流れることを防止でき、さらに、ノズル9からのインク滴の吐出安定性を向上させることができる。
【0048】
また、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1の製造方法では、保護膜16がポリイミドにより形成されているので、このポリイミドは蒸着重合法として従来より広く使用されている材料であって蒸着重合法で使用する際の実績が有るために使いやすく、保護膜としての十分な機能を発揮させることができる。しかも、安価な材料であるのでインクジェットプリンタヘッド1のコスト低減を図ることができる。
【0049】
つぎに、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態の外観上の構成及び基本的な構成は第1の実施の形態と同じであり、図1ないし図4を援用して説明する。
【0050】
本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1及びその製造方法が、第1の実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1及びその製造方法と異なる点は、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1及びその製造方法では、電極7とノズル9とを被覆するように成膜された保護膜16がポリ尿素により形成されている点である。他の部分は第1の実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1及びその製造方法と同じである。
【0051】
このような構成において、保護膜16がポリ尿素により形成されており、このポリ尿素は100℃以下の低音で蒸着重合させることができる。
【0052】
ここで、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1では、圧電部材2、3の分極方向と、圧電部材2、3に電圧を印加することにより発生する電界の方向とが直交している。このように、圧電部材2、3のシェアモード変形を利用するインクジェットプリンタヘッド1では、圧電部材2、3の分極が劣化すると再度分極することが困難である。
【0053】
圧電部材2、3の分極性能は、例えば、圧電部材2、3が過剰に加熱されることにより劣化するが、本実施の形態では、低温で重合を開始するポリ尿素を保護膜16の材料として使用することにより、圧電部材2、3の分極性能の劣化が発生しない程度の十分な低温で、電極7上に保護膜16を成膜することができる。これによって、シェアモード変形を利用したインクジェットプリンタヘッド1に対して、圧電部材2、3を劣化させずに、インクジェットプリンタヘッド1を長期に亘り安定して使用することができる。
【0054】
つぎに、本発明の第3の実施の形態を説明する。なお、本実施の形態の外観上の構成及び基本的な構成は第1又は第2の実施の形態と同じであり、図1ないし図4を援用して説明する。
【0055】
本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1の製造方法が、第1の実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1の製造方法と異なる点は、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1及びその製造方法では、ノズルプレート10に対して予めノズル9を形成し、既にノズル9が形成されているノズルプレート10を溝5の前面開口部8を閉塞する位置に接着工程で接着するようにしたものである。
【0056】
このような構成において、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1の製造方法によれば、溝5の前面開口部8を閉塞する位置に接着されるノズルプレート10には予めノズル9が形成されているため、ノズル9の形成の自由度を高めることができる。さらに、保護膜16の成膜を蒸着重合法で行っているため、第1の実施の形態と同じように、積層圧電部材4にノズルプレート10と蓋部材12とを接着して圧力室13を形成した後であっても、圧力室13内の電極7上への保護膜16の成膜を良好に行うことができる。さらに、ノズル9に保護膜16が成膜されているため、ノズル9の内周面9aやエッジ部分9b、9c等を平滑に仕上げることができ、ノズル9から吐出されるインク滴の吐出安定性を向上させ、記録媒体上に形成される画像の品質を高くすることができる。
【0057】
つぎに、本発明の第4の実施の形態について図5に基づいて説明する。なお、図1ないし図4において説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する(以下の各実施の形態でも同じ)。
【0058】
本実施の形態では、圧電部材の分極方向が第1の実施の形態と異なり、図5中の左右方向に分極されている。
【0059】
図5は、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッドを、溝の延出方向に直交する位置で切断した一部を示す断面図である。インクジェットプリンタヘッド25は、基板26の上に積層された電圧印加部である圧電部材27を備えている。基板26と圧電部材27との間には電極28が形成されており、基板26と圧電部材27とは電極28を介して、図示しない導電性接着剤によって接着されている。
【0060】
また、このインクジェットプリンタヘッド25は、基板26および圧電部材27によって後述する圧力室32の壁部の一部となる支柱29が形成され、一対の支柱29の間にそれぞれ溝30が形成されている。溝30の上側および前面側は、開放されている。
【0061】
また、このインクジェットプリンタヘッド25には、溝30の上側開口部11を閉塞する蓋部材31と、溝30の前面開口部8(図1、図4参照)を閉塞するノズルプレート10(図1、図4参照)とが設けられ、溝30の上側開口部11を蓋部材31で閉塞し、溝30の前面開口部8をノズルプレート10で閉塞することにより、一対の支柱29の間に位置する複数の圧力室32が形成されている。蓋部材31の溝30に対向する側の面には共通電極33が形成され、蓋部材31は、共通電極33を介して図示しない導電性接着剤により支柱29の上面に接着されている。ノズルプレート10には複数のノズル9(図1、図4参照)が形成されている。
【0062】
さらに、このインクジェットプリンタヘッド25では、溝30の上側開口部11を蓋部材31で閉塞し、溝30の前面開口部8をノズルプレート10で閉塞することにより圧力室32を形成した後、図4に示した蒸着重合装置17を用いて蒸着重合を行うことにより、電極28、33の表面を含む圧力室32の内面とノズル9とを被覆するように、有機高分子材料であるポリイミドにより形成された絶縁性を有する保護膜34が成膜されている。
【0063】
この保護膜34の成膜に関しては、第1の実施の形態で説明したように、接着したノズルプレート10にレーザ光を照射してノズル9を形成した後に蒸着重合法により成膜してもよく、又は、第3の実施の形態で説明したように、ノズル9が形成されたノズルプレート10を接着した後に蒸着重合法により成膜してもよい。
【0064】
このような構成において、このインクジェットプリンタヘッド25を有するインクジェットプリンタでの印字に際しては、圧力室32内にインクを供給した状態で、インクを吐出させる圧力室32の両側に位置する電極28へ電圧を印加する。これによって、電圧が印加された電極28に対応する一対の圧電部材27が圧力室32内の容積を大きくするように変形した後、再び圧力室32内の容積を収縮させることで圧力室32内のインクが加圧され、圧力室32内のインクの一部がインク滴となってノズル9から吐出し、吐出したインク滴が搬送ローラ等の記録媒体搬送手段により搬送される記録媒体上に付着して画像が形成される。
【0065】
本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド25では、電極28、33に保護膜34が成膜されているため、インクとして水性インク等の高い導電性を有するインクを使用した場合でも、電極28、33からインク内に電流が流れるということが防止され、インク内を電流が流れることが原因となるインクの変質を防止できる。
【0066】
さらに、ノズル9に保護膜34が成膜されているため、ノズル9の内周面9aやエッジ部分9b、9c(図4参照)を平滑に仕上げることができる。これにより、ノズル9から吐出されるインク滴の吐出安定性が向上し、記録媒体上に形成される画像の品質が高くなる。
【0067】
また、電極28、33の表面を含む圧力室32の内周面とノズル9とに同一材料の保護膜34が成膜されるため、圧力室32及びノズル9の各部においてインクに対する塗れ性の差が発生せず、インク滴の吐出状態が安定し、良好な画像形成を行える。
【0068】
つぎに、本発明の第5の実施の形態を図6に基づいて説明する。本実施の形態は、圧電部材の分極方向が一方向である点が、上述した各実施の形態と異なる点である。このような方式のインクジェットプリンタヘッドを、ノーマルモードのインクジェットプリンタヘッドという。
【0069】
図6は、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッドを、溝の延出方向に沿って水平に切断した一部を示す断面図である。インクジェットプリンタヘッド35は、圧電部材が多層積層された電圧印加部である多層積層圧電部材36が、所定の間隔毎に基板37上に配列されている。これによって、多層積層圧電部材36間に溝38が形成されており、本実施の形態ではこの多層積層圧電部材36が後述する圧力室42の壁部の一部とされている。
【0070】
ところで、一般的に、多層積層圧電部材36に対して溝38を形成することは困難である。本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド35では、予め短冊形状に形成された多層積層圧電部材36を所定の間隔毎に基板37上に配設することによって、溝38を形成している。これによって、多層積層圧電部材36を用いる場合にも、溝38を容易に形成することができる。
【0071】
多層積層圧電部材36の両側面(図6中の多層積層圧電部材36の左右の面)には、電極39が形成されている。この電極39には、各多層積層圧電部材36毎に電圧を印加するための図示しない制御部や電源に接続されたフレキシブルケーブルが接続されている。
【0072】
また、このインクジェットプリンタヘッド35には、溝38の後端側(図6中の紙面上側)を閉塞する閉塞部材40と、溝38の前面開口部41を閉塞するノズルプレート10と、溝38の上側開口部を閉塞する蓋部材12(図1参照)とが設けられている。そして、溝38の後端側を閉塞部材40で閉塞し、溝38の前面開口部41をノズルプレート10で閉塞し、溝38の上側開口部を蓋部材12で閉塞することにより、多層積層圧電部材36の間に位置する複数の圧力室42が形成されている。
【0073】
さらに、このインクジェットプリンタヘッド35では、溝38の後端側を閉塞部材40で閉塞し、溝38の前面開口部41をノズルプレート10で閉塞し、溝38の上側開口部を蓋部材12で閉塞することにより圧力室42を形成した後、図4に示した蒸着重合装置17を用いて蒸着重合を行うことにより、電極39の表面を含む圧力室42の内面とノズル9とに、有機高分子材料であるポリイミドによって形成された絶縁性を有する保護膜43が成膜されている。
【0074】
この保護膜43の成膜に関しては、第1の実施の形態で説明したように、接着したノズルプレート10にレーザ光を照射してノズル9を形成した後に蒸着重合法により成膜してもよく、又は、第3の実施の形態で説明したように、ノズル9が形成されたノズルプレート10を接着した後に蒸着重合法により成膜してもよい。
【0075】
このような構成において、このインクジェットプリンタヘッド35を有するインクジェットプリンタでの印字に際しては、圧力室42内にインクを供給した状態で、インクを吐出させる圧力室42の両側に位置する電極39へ電圧を印加する。これによって、電圧が印加された電極39に対応する一対の多層積層圧電部材36が圧力室42内の容積を大きくするように変形した後、再び圧力室42内の容積を収縮させることで圧力室42内のインクが加圧され、圧力室42内のインクの一部がインク滴となってノズル9から吐出し、吐出したインク滴が搬送ローラ等の記録媒体搬送手段により搬送される記録媒体上に付着して画像が形成される。
【0076】
本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド35では、電極39に保護膜43が成膜されているため、インクとして水性インク等の高い導電性を有するインクを使用した場合でも、電極39からインク内に電流が流れるということが防止され、インク内を電流が流れることが原因となるインクの変質を防止できる。
【0077】
さらに、ノズル9に保護膜43が成膜されているため、ノズル9の内周面9aやエッジ部分9b、9c(図4参照)を平滑に仕上げることができる。これにより、ノズル9から吐出されるインク滴の吐出安定性が向上し、記録媒体上に形成される画像の品質が高くなる。
【0078】
また、電極39の表面を含む圧力室42の内周面とノズル9とに同一材料の保護膜43が成膜されるため、圧力室42及びノズル9の各部においてインクに対する塗れ性の差が発生せず、インク滴の吐出状態が安定し、良好な画像形成を行える。
【0079】
なお、上述の各実施の形態では、電圧の印加により変形する圧電部材2、3、27、36を電圧印加部として使用したインクジェットプリンタヘッド1、25、35において、電圧を印可するための電極7、28、33、39とノズル9とを被覆するように有機高分子材料により形成された絶縁性を有する保護膜16、34、43を成膜した場合を例に挙げて説明したが、本発明が適用されるインクジェットプリンタヘッド及びその製造方法としては、電圧印加部として圧電部材を使用したものに限定されない。例えば、電圧の印加により発熱する発熱部材を電圧印加部として使用し、発熱部材へ電圧を印可することにより発熱部材の表面から気泡(バブル)を発生させ、その気泡により圧力室内のインクの圧力を高めてインク滴を吐出させるようにした方式のインクジェットプリンタヘッド及びその製造方法においても本発明を適用することができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、各圧力室毎に設けられている電極を被覆するように有機高分子材料により形成された絶縁性を有する保護膜が成膜されているので、インクとして水性インク等の導電性を有するインクを用いる場合でも電極からインク内に電流が流れることを防止でき、それにより、インク内に電流が流れることが原因となるインクの変質を防止でき、さらに、ノズルを被覆するように有機高分子材料により形成された絶縁性を有する保護膜が成膜されているので、ノズルのエッジ部分等を平滑にすることができ、それにより、ノズルからのインク滴の吐出安定性を向上させることができるとともにそのインク滴が付着することにより記録媒体上に形成される画像の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のインクジェットプリンタヘッドを示す斜視図である。
【図2】溝の延出方向に直交する位置で切断したインクジェットプリンタヘッドの一部を示す断面図である。
【図3】ノズルプレートの接着工程、ノズル形成工程及び保護膜成形工程を示す工程図である。
【図4】蒸着重合装置を示す概略図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態のインクジェットプリンタヘッドを溝の延出方向に直交する位置で切断した一部を示す断面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態のインクジェットプリンタヘッドを溝の延出方向に沿って水平に切断した一部を示す断面図である。
【符号の説明】
2、3 電圧印加部、圧電部材
6 壁部
7 電極
9 ノズル
10 ノズルプレート
13 圧力室
15 インク流路
16 保護膜
27 電圧印加部、圧電部材
28、33 電極
29 壁部
32 圧力室
34 保護膜
36 電圧印加部、圧電部材、壁部
39 電極
42 圧力室
43 保護膜

Claims (11)

  1. インクが供給される複数の圧力室と、
    前記圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設けられて電圧が印可されることにより前記圧力室内のインクの圧力を可変させる圧電部材により形成された電圧印加部と、
    前記圧力室に連通されて前記圧力室にインクを供給するインク流路と、
    前記圧力室毎に設けられて前記圧力室と外部とを連通させるノズルと、
    前記圧力室毎に設けられて前記電圧印加部に電圧を印可するための電極と、
    有機高分子材料により形成されて少なくとも前記電極と前記ノズルの内周面及び両端のエッジ部分とを被覆するように成膜された絶縁性を有する保護膜と、
    を備えるインクジェットプリンタヘッド。
  2. 前記ノズルは前記圧力室の端面に接着されたノズルプレートに形成され、このノズルプレートの表面及び裏面を有機高分子材料による保護膜で被覆した請求項1記載のインクジェットプリンタヘッド。
  3. 前記保護膜は、蒸着重合法により形成されている請求項1又は2記載のインクジェットプリンタヘッド。
  4. 前記保護膜は、ポリ尿素により形成されている請求項1ないし3のいずれか一記載のインクジェットプリンタヘッド。
  5. 前記保護膜は、ポリイミドにより形成されている請求項1ないし3のいずれか一記載のインクジェットプリンタヘッド。
  6. インクが供給される複数の圧力室と、前記圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設けられて電圧が印可されることにより前記圧力室内のインクの圧力を可変させる圧電部材により形成された電圧印加部と、前記圧力室に連通されて前記圧力室にインクを供給するインク流路と、前記圧力室毎に設けられて前記圧力室と外部とを連通させるノズルと、前記圧力室毎に設けられて前記電圧印加部に電圧を印可するための電極と、を備えるインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、
    有機高分子材料により形成されて絶縁性を有する保護膜を少なくとも前記電極と前記ノズルの内周面及び両端のエッジ部分とを被覆するように蒸着重合法により成膜する保護膜成膜工程を有することを特徴とするインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  7. インクが供給される複数の圧力室と、前記圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設けられて電圧が印可されることにより前記圧力室内のインクの圧力を可変させる圧電部材により形成された電圧印加部と、前記圧力室に連通されて前記圧力室にインクを供給するインク流路と、前記圧力室毎に設けられて前記圧力室と外部とを連通させるノズルと、前記圧力室毎に設けられて前記電圧印加部に電圧を印可するための電極と、を備えるインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、
    前記ノズルが形成されたノズルプレートを前記圧力室の端面に接着する接着工程と、
    有機高分子材料により形成されて絶縁性を有する保護膜を少なくとも前記電極と前記ノズルの内周面及び両端のエッジ部分とを被覆するように蒸着重合法により成膜する保護膜成膜工程と、を有することを特徴とするインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  8. インクが供給される複数の圧力室と、前記圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設けられて電圧が印可されることにより前記圧力室内のインクの圧力を可変させる圧電部材により形成された電圧印加部と、前記圧力室に連通されて前記圧力室にインクを供給するインク流路と、前記圧力室毎に設けられて前記圧力室と外部とを連通させるノズルと、前記圧力室毎に設けられて前記電圧印加部に電圧を印可するための電極と、を備えるインクジェットプリンタヘッドの製造方法において、
    前記ノズルが形成される以前のノズルプレートを前記圧力室の端面に接着する接着工程と、
    前記圧力室の端面に接着された前記ノズルプレートにレーザ光を照射してノズルを形成するノズル形成工程と、
    有機高分子材料により形成されて絶縁性を有する保護膜を少なくとも前記電極と前記ノズルの内周面及び両端のエッジ部分とを被覆するように蒸着重合法により成膜する保護膜成膜工程と、を有することを特徴とするインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  9. 保護膜成膜工程はノズルプレートの表面及び裏面をも有機高分子材料により被覆して保護膜を形成するようにした請求項6ないし8のいずれか一記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  10. 前記保護膜は、ポリ尿素により形成されている請求項6ないし9のいずれか一記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
  11. 前記保護膜は、ポリイミドにより形成されている請求項6ないし9のいずれか一記載のインクジェットプリンタヘッドの製造方法。
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