JP2003266691A - インクジェットプリンタヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットプリンタヘッドおよびその製造方法

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JP2003266691A JP2002075354A JP2002075354A JP2003266691A JP 2003266691 A JP2003266691 A JP 2003266691A JP 2002075354 A JP2002075354 A JP 2002075354A JP 2002075354 A JP2002075354 A JP 2002075354A JP 2003266691 A JP2003266691 A JP 2003266691A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性インク等の導電性を有するインクの使用
に際して、インク内に電流が流れることが原因となるイ
ンクの変質を防止し、かつ、ノズルからのインク滴の吐
出安定性を向上させる。 【解決手段】 各圧力室13毎に設けられている電極7
を被覆するように有機高分子材料により形成された絶縁
性を有する保護膜16を成膜し、導電性を有するインク
を用いる場合でも電極7からインク内に電流が流れるこ
とを防止する。さらに、インク滴が吐出するノズル9を
被覆するように有機高分子材料により形成された絶縁性
を有する保護膜16を成膜し、ノズル9のエッジ部分等
を平滑にすることによりノズル9からのインク滴の吐出
安定性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば水性インク
等の導電性を有するインクが使用可能なインクジェット
プリンタヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクが供給される複数の圧力室
と、各圧力室毎に設けられてその圧力室と外部とを連通
させるノズルと、各圧力室を形成する壁部の少なくとも
一部に設けられて電圧が印可されることにより圧力室内
のインクの圧力を可変させる電圧印加部(例えば、圧電
部材、発熱部材等)と、電圧印加部に電圧を印加するた
めの電圧印加手段とを備え、電圧印加手段により電圧印
加部に電圧を印加することにより圧力室内のインクの圧
力を高め、そのインクの一部をインク滴としてノズルか
ら吐出させるようにしたインクジェットプリンタヘッド
が知られている。
【0003】このようなインクジェットプリンタヘッド
の一例として、特開平8−52872号公報には、イン
クの変質を防止するために、CVD(Chemical Vapor D
eposition=化学蒸着)法等によって、パリレン膜等の
絶縁性有機膜を圧力室内に成膜したインクジェットプリ
ンタヘッドが開示されている。同公報に開示された発明
によれば、圧力室内の電極を絶縁性有機膜によって保護
することで、導電性を有するインクを用いる場合にも電
極からインク内に電流が流れることを防止し、インク内
に電流が流れることが原因となるインクの変質を防止す
ることが可能になる。
【0004】また、インクジェットプリンタヘッドのノ
ズルを形成する方法の一例として、圧力室の端面にノズ
ルプレートを接着し、接着したノズルプレートにエキシ
マレーザから出射されたレーザ光を照射することにより
ノズルを形成する方法が、特開平10−291318号
公報に開示されている。この方法によれば、インク滴の
吐出を良好に行うことができるノズルを形成することが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、パリレン膜な
どの絶縁性有機膜は、エキシマレーザから出射される紫
外領域のレーザ光により加工されるという特性がある。
そのため、圧力室内に設けられている電極を被覆してい
るパリレン膜などの絶縁性有機膜にレーザ光が照射され
ると、その絶縁性有機膜が損傷を受けて絶縁性が損なわ
れ、露出した電極からインク内に電流が流れることによ
りインクが変質する。
【0006】本発明の目的は、水性インク等の導電性を
有するインクの使用に際して、インク内に電流が流れる
ことが原因となるインクの変質を防止し、かつ、ノズル
からのインク滴の吐出安定性を向上させることができイ
ンクジェットプリンタヘッド及びその製造方法を得るこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
プリンタヘッドは、インクが供給される複数の圧力室
と、前記圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設け
られて電圧が印可されることにより前記圧力室内のイン
クの圧力を可変させる電圧印加部と、前記圧力室に連通
されて前記圧力室にインクを供給するインク流路と、前
記圧力室毎に設けられて前記圧力室と外部とを連通させ
るノズルと、前記圧力室毎に設けられて前記電圧印加部
に電圧を印可するための電極と、有機高分子材料により
形成されて少なくとも前記電極と前記ノズルとを被覆す
るように成膜された絶縁性を有する保護膜と、を備え
る。
【0008】従って、インクとして水性インク等の導電
性を有するインクを用いる場合でも、電極からインク内
に電流が流れることが防止される。さらに、ノズルのエ
ッジ部分等が平滑になり、ノズルからのインク滴の吐出
安定性が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
ないし図4に基づいて説明する。図1はインクジェット
プリンタヘッドを示す斜視図、図2は溝の延出方向に直
交する位置で切断したインクジェットプリンタヘッドの
一部を示す断面図、図3はノズルプレートの接着工程、
ノズル形成工程及び保護膜成形工程を示す工程図、図4
は蒸着重合装置を示す概略図である。
【0010】このインクジェットプリンタヘッド1は、
PZT等の圧電材料により形成された電圧印加部である
圧電部材(図2参照)2、3を、2層積層した積層圧電
部材4を有している。積層圧電部材4における圧電部材
2、3の分極方向は、板厚方向に沿って互いに反対方向
である。
【0011】積層圧電部材4には、上側および前面側が
開放された複数の溝5が、平行に形成されている。これ
らの溝5は、ダイシングソーのダイヤモンドホイール等
によって研削加工される。これにより、それぞれの溝5
は、後述する圧力室13の壁部の一部となる支柱6によ
って仕切られる。本実施の形態の溝5は、深さ(図2中
の上下方向)が0.2〜1mm、幅(図2中の左右方
向)が20〜200μm、長さ(図2中の紙面直交方
向)が0.5〜500mmの範囲内に収まるように形成
されている。
【0012】溝5の内面および積層圧電部材4の上面部
分には、無電解ニッケルメッキ法により形成された複数
の電極7が設けられている。
【0013】公知の技術であるため説明を省略するが、
電極7の形成に際して無電解ニッケルメッキ法を用いる
ことで、溝5の内面等の微細な領域にも、電極7を容易
に形成することができる。
【0014】なお、本実施の形態では、電極7をニッケ
ルにより形成したがこれに限られるものではなく、例え
ば、金、銅等によって電極を形成してもよい。
【0015】溝5において積層圧電部材4の前面側に向
けて開口している前面開口部8は、複数のノズル9が形
成されたノズルプレート10により閉塞されている。本
実施の形態のノズルプレート10は、エキシマレーザか
らのレーザ光を照射することによりノズル9の微細加工
が可能となる部材、例えば、ポリイミドフィルムにより
形成され、その厚さ寸法は10〜100μm程度であ
る。
【0016】また、溝5において積層圧電部材4の上側
に向けて開口している上側開口部11は、蓋部材12に
より閉塞されている。蓋部材12には、図示しないイン
クタンク等に連通されて後述する複数の圧力室13にイ
ンクを供給するインク供給管14が連通されるインク流
路としてのインク供給路15が形成されている。
【0017】上述した圧力室13は、溝5の前面開口部
8をノズルプレート10で閉塞され、溝5の上側開口部
11を蓋部材12で閉塞されることにより形成されてい
る。複数の圧力室13は、インク供給路15を介してそ
れぞれ連通されている。
【0018】インクジェットプリンタヘッド1には、図
示しない制御部や電源に接続されたフレキシブルケーブ
ル(図示せず)が接続されている。印字に際しては、フ
レキシブルケーブルを介して、パルス電圧や印字信号等
がインクジェットプリンタヘッド1に入力される。
【0019】さらに、本実施の形態のインクジェットプ
リンタヘッド1では、インクと接触する電極7の表面、
すなわち、圧力室13の内面と、ノズル9とに、有機高
分子材料であるポリイミドによって形成された絶縁性を
有する保護膜16が蒸着重合法によって成膜されてい
る。
【0020】ここで、ノズル9に保護膜16が成膜され
ているという意味は、図3(c)に示すように、少なく
とも、ノズル9の内周面9a、ノズル9の両端のエッジ
部分9b、9cを被覆するように保護膜16が成膜され
ていることを意味する。本実施の形態では、さらに、ノ
ズルプレート10の表面9d及び裏面9eをも被覆する
ように保護膜16が成膜されている。
【0021】つぎに、ノズルプレート10を溝5の圧力
室13の端面(前面開口部8を閉塞する位置)へ接着す
る工程(接着工程)、ノズルプレート10へノズル9を
形成する工程(ノズル形成工程)、電極7とノズル9と
を保護膜16で被覆する工程(保護膜成膜工程)につい
て、図3を参照して説明する。
【0022】図3(a)には、溝5が形成され、さら
に、その溝5の内面及び積層圧電部材4の上面部分に電
極7が設けられた積層圧電部材4に対し、溝5の前面開
口部8を閉塞するようにノズルプレート10(但し、ノ
ズル9が形成される以前のもの)が接着され、さらに、
図3では図示されていないが、溝5の上側開口部11を
閉塞するように蓋部材12(図1、図2参照)が接着さ
れた状態が示されている。
【0023】図3(b)には、ノズルプレート10にエ
キシマレーザ等から出射されたレーザ光が照射され、ノ
ズルプレート10にノズル9が形成された状態が示され
ている。ノズル9の穴径は、インクの吐出側で小さく、
溝5側(圧力室13側)で大きく形成されている。
【0024】図3(c)では、図4に示す蒸着重合装置
17を用いて電極7とノズル9とに保護膜16が成膜さ
れた状態が示されている。
【0025】ここで、蒸着重合法とは、熱エネルギーに
よって蒸発させ、活性化させた複数種類のモノマーを、
保護膜の成膜を目的とするサンプルの表面に付着させ、
そのサンプル表面で重合反応を生じさせることにより、
サンプル表面に有機高分子膜を形成する重合方法であ
る。本実施の形態ではポリイミドによって形成される保
護膜16を成膜したが、これに限られるものではなく、
ポリイミド以外にも、例えばポリ尿素、ポリイミドアミ
ド、ポリアミド、ポリアゾメチン等によって形成される
有機高分子膜を成膜することができる。
【0026】蒸着重合装置17の概略構造、及び、蒸着
重合の作業手順について図4を参照して説明する。蒸着
重合装置17は、蒸着重合法による成膜を目的とするサ
ンプル(本実施の形態では、溝5および電極7が形成さ
れた積層圧電部材4にノズルプレート10と蓋部材12
とが接着され、ノズルプレート10にノズル9が形成さ
れたもの)Aを保持するステージ18が内部に設けられ
たチャンバー19を備えている。ステージ18には、サ
ンプルAの温度調節を行うための温度調節機構(図示せ
ず)が設けられている。
【0027】チャンバー19内には、チャンバー19内
の温度を制御する室内温度制御機構(図示せず)が設け
られている。本実施の形態では、ポリイミドによる保護
膜16を成膜するため、室内温度制御機構によって、チ
ャンバー19内の温度は200℃程度に保持されてい
る。
【0028】また、特に図示しないが、チャンバー19
には、チャンバー19内を減圧させるための減圧機構が
設けられている。この減圧機構は、例えば、ファン等に
よってチャンバー19内の空気を強制的にチャンバー1
9外へ排気するような機構であってもよい。
【0029】チャンバー19の上側には混合漕20が設
けられている。チャンバー19と混合漕20とは、複数
の孔が形成されたシャワープレート21を介して連通さ
れている。
【0030】また、蒸着重合装置17は、サンプルAに
付着させる原料モノマーを保持する複数の蒸発漕22を
備えている。本実施の形態では、ポリイミドによる保護
膜16を成膜するための原料モノマーとして、4,4ジ
アミノフェニルメタン(MDA)と、4,4ジフェニル
メタンイソシアナートとが、それぞれの蒸発漕22に保
持されている。
【0031】特に図示しないが、各蒸発漕22には、原
料モノマーを加熱する加熱機構が設けられている。ま
た、各蒸発漕22には、各蒸発漕22と混合漕20とを
それぞれ連通させるモノマー導入管23が設けられてい
る。各モノマー導入管23には、それぞれのモノマー導
入管23を開放制御するバルブ24が設けられている。
モノマー導入管23は、蒸着重合を行う時以外は、バル
ブ24によって閉塞されている。
【0032】保護膜16の成膜に際しては、まず、蒸着
重合法による成膜を目的とするサンプル(本実施の形態
では、溝5および電極7が形成された積層圧電部材4に
ノズルプレート10と蓋部材12が接着され、そのノズ
ルプレート10にノズル9が形成されたもの)Aを、ス
テージ18に取り付ける。なお、このサンプルAにおけ
る保護膜16の成膜が不要な部分には、予めマスキング
をしておく。
【0033】つぎに、加熱機構によって蒸発漕22内を
加熱する。加熱された原料モノマーは、気体となって蒸
発する。原料モノマーが十分に気化したところで、バル
ブ24を開放してモノマー導入管23を開放する。これ
により、気化した原料モノマーは、モノマー導入管23
を通って混合漕20に導入される。混合漕20では、各
種モノマーが均一に混ざった混合モノマーが生成され
る。
【0034】加えて、減圧機構によってチャンバー19
内を減圧する。混合モノマーは、混合漕20とチャンバ
ー19内との圧力差によって、シャワープレート21を
介してチャンバー19内に導入される。
【0035】チャンバー19内に導入された混合モノマ
ーは、サンプルA上の保護膜16を成膜したい部分に付
着する。サンプルAとチャンバー19内の温度とを制御
することにより、サンプルAに付着した原料モノマーが
重合を開始する。これによって、サンプルA上の保護膜
16を成膜したい部分(ノズル9及び圧力室13内の電
極7)には、目的とするポリイミドの保護膜16が成膜
される。
【0036】蒸着重合法は、成膜したい物質をモノマー
単位でサンプルAに付着させてサンプルA上で重合させ
るため、複雑な形状をしたサンプルAに対してもモノマ
ー分子が良好に回り込むので、サンプルAの形状に左右
されずに細かな部分にも均一に成膜を施すことができ
る。
【0037】また、蒸着重合法は良好な密着性と優れた
付き回り性とを有するので、このような蒸着重合法を用
いて保護膜16を成膜することにより、サンプルAに対
する下地処理等を行うことを不要とすることができる。
【0038】このような構成において、このインクジェ
ットプリンタヘッド1を有するインクジェットプリンタ
での印字に際しては、圧力室13内にインクを供給した
状態で、インクを吐出させる圧力室13の両側に位置す
る電極7へ制御部からの制御により電圧が印可される。
これにより、電圧が印加された電極7に対応する一対の
支柱6は、分極方向が相反する圧電部材2、3のシェア
モード変形により圧力室13の容積を大きくする方向へ
湾曲する。ついで、この電極7に印加する電圧の極性が
逆転されることにより、支柱6が急激に初期位置に復帰
する。支柱6が初期位置に復帰した際に圧力室13内の
インクが加圧され、圧力室13内のインクの一部がイン
ク滴となってノズル9から吐出し、吐出したインク滴が
搬送ローラ等の記録媒体搬送手段により搬送される記録
媒体上に付着して画像が形成される。
【0039】本実施の形態のインクジェットプリンタヘ
ッド1では、電極7に保護膜16が成膜されており、し
かも、この保護膜16は、溝5の前面開口部8を閉塞す
る位置に接着されたノズルプレート10に対してレーザ
光の照射によりノズル9を形成した後に成膜されるた
め、レーザ光が保護膜16に照射されることによりその
保護膜16が損傷を受けて電極7が露出するということ
が発生しない。このため、インクとして水性インク等の
高い導電性を有するインクを使用した場合でも、電極7
からインク内に電流が流れるということを防止でき、イ
ンク内を電流が流れることが原因となるインクの変質を
防止できる。
【0040】さらに、ノズル9に保護膜16が成膜され
ているため、ノズル9の内周面9aやエッジ部分9b、
9cを平滑に仕上げることができる。これにより、ノズ
ル9から吐出されるインク滴の吐出安定性が向上し、記
録媒体上に形成される画像の品質が高くなる。
【0041】また、電極7の表面を含む圧力室13の内
周面とノズル9とに同一材料の保護膜16が成膜される
ため、圧力室13及びノズル9の各部においてインクに
対する塗れ性の差が発生せず、インク滴の吐出状態が安
定し、良好な画像形成を行える。
【0042】また、本実施の形態のインクジェットプリ
ンタヘッド1では、電極7から電圧が印可される電圧印
加部として圧電部材2、3を用いているため、圧電部材
2、3を用いるインクジェットプリンタヘッド1におい
て、インクとして水性インク等の導電性を有するインク
を用いる場合でも、電極7からインク内に電流が流れる
ことを防止でき、さらに、ノズル9のエッジ部分9b、
9c等が平滑になり、ノズル9からのインク滴の吐出安
定性が向上する。
【0043】また、本実施の形態のインクジェットプリ
ンタヘッド1では、保護膜16の成膜を蒸着重合法で行
っているため、この蒸着重合法によれば、成膜したい物
質をモノマー単位でサンプルAに付着させてサンプルA
上で重合させることができ、複雑な形状をしたサンプル
Aに対してもモノマー分子が良好に回り込むので、サン
プルAの形状に左右されずに細かな部分にも均一に成膜
を施すことができる。さらに、良好な密着性と優れた付
き回り性とを有する蒸着重合法を用いて保護膜16を成
膜することにより、サンプルAに対して下地処理等を行
うことを不要とすることができる。
【0044】また、本実施の形態のインクジェットプリ
ンタヘッド1では、保護膜16がポリイミドにより形成
されているため、このポリイミドは蒸着重合法として従
来より広く使用されている材料であって蒸着重合法で使
用する際の実績が有るために使いやすく、保護膜として
の十分な機能を発揮させることができる。しかも、安価
な材料であるのでインクジェットプリンタヘッド1のコ
スト低減を図ることができる。
【0045】また、本実施の形態のインクジェットプリ
ンタヘッド1の製造方法では、有機高分子材料により形
成されて絶縁性を有する保護膜16を少なくとも電極7
とノズル9とを被覆するように蒸着重合法により成膜す
る保護膜成膜工程を有するため、この保護膜成膜工程に
よれば成膜したい物質をモノマー単位でサンプルAに付
着させてサンプルA上で重合させるため、複雑な形状を
したサンプルAに対してもモノマー分子が良好に回り込
むので、サンプルAの形状に左右されずに細かな部分に
も均一に成膜を施すことができる。さらに、ノズル9に
保護膜16が成膜されているため、ノズル9の内周面9
aやエッジ部分9b、9c等を平滑に仕上げることがで
き、ノズル9から吐出されるインク滴の吐出安定性を向
上させ、記録媒体上に形成される画像の品質を高くする
ことができる。
【0046】また、本実施の形態のインクジェットプリ
ンタヘッド1の製造方法では、ノズル9が形成される以
前のノズルプレート10を圧力室13の端面に接着する
接着工程と、圧力室13の端面に接着されたノズルプレ
ート10にレーザ光を照射してノズル9を形成するノズ
ル形成工程と、有機高分子材料により形成されて絶縁性
を有する保護膜16を少なくとも電極7とノズル9とを
被覆するように蒸着重合法により成膜する保護膜成膜工
程と、を有するため、蒸着重合法は成膜したい物質をモ
ノマー単位でサンプルAに付着させてサンプルA上で重
合させることができるので、モノマー分子をノズル9か
ら圧力室13内にスムーズに入り込ませることができ、
積層圧電部材4にノズルプレート10と蓋部材12とを
接着して圧力室13を形成した後であっても、圧力室1
3内の電極7上への保護膜16の成膜を良好に行うこと
ができる。しかも、レーザ光を照射してノズル9を形成
した後に保護膜16を成膜するため、ノズル9を形成す
るレーザ光が保護膜16に照射されて保護膜16が損傷
を受けて電極7が露出するということを防止でき、その
電極7の露出部分からインク内に電流が流れるというこ
とを防止できる。
【0047】また、本実施の形態のインクジェットプリ
ンタヘッド1の製造方法では、電極7から電圧が印可さ
れる電圧印加部として圧電部材2、3を用いているた
め、圧電部材2、3を用いるインクジェットプリンタヘ
ッド1を製造した場合でも、電極7からインク内に電流
が流れることを防止でき、さらに、ノズル9からのイン
ク滴の吐出安定性を向上させることができる。
【0048】また、本実施の形態のインクジェットプリ
ンタヘッド1の製造方法では、保護膜16がポリイミド
により形成されているので、このポリイミドは蒸着重合
法として従来より広く使用されている材料であって蒸着
重合法で使用する際の実績が有るために使いやすく、保
護膜としての十分な機能を発揮させることができる。し
かも、安価な材料であるのでインクジェットプリンタヘ
ッド1のコスト低減を図ることができる。
【0049】つぎに、本発明の第2の実施の形態を説明
する。なお、本実施の形態の外観上の構成及び基本的な
構成は第1の実施の形態と同じであり、図1ないし図4
を援用して説明する。
【0050】本実施の形態のインクジェットプリンタヘ
ッド1及びその製造方法が、第1の実施の形態のインク
ジェットプリンタヘッド1及びその製造方法と異なる点
は、本実施の形態のインクジェットプリンタヘッド1及
びその製造方法では、電極7とノズル9とを被覆するよ
うに成膜された保護膜16がポリ尿素により形成されて
いる点である。他の部分は第1の実施の形態のインクジ
ェットプリンタヘッド1及びその製造方法と同じであ
る。
【0051】このような構成において、保護膜16がポ
リ尿素により形成されており、このポリ尿素は100℃
以下の低音で蒸着重合させることができる。
【0052】ここで、本実施の形態のインクジェットプ
リンタヘッド1では、圧電部材2、3の分極方向と、圧
電部材2、3に電圧を印加することにより発生する電界
の方向とが直交している。このように、圧電部材2、3
のシェアモード変形を利用するインクジェットプリンタ
ヘッド1では、圧電部材2、3の分極が劣化すると再度
分極することが困難である。
【0053】圧電部材2、3の分極性能は、例えば、圧
電部材2、3が過剰に加熱されることにより劣化する
が、本実施の形態では、低温で重合を開始するポリ尿素
を保護膜16の材料として使用することにより、圧電部
材2、3の分極性能の劣化が発生しない程度の十分な低
温で、電極7上に保護膜16を成膜することができる。
これによって、シェアモード変形を利用したインクジェ
ットプリンタヘッド1に対して、圧電部材2、3を劣化
させずに、インクジェットプリンタヘッド1を長期に亘
り安定して使用することができる。
【0054】つぎに、本発明の第3の実施の形態を説明
する。なお、本実施の形態の外観上の構成及び基本的な
構成は第1又は第2の実施の形態と同じであり、図1な
いし図4を援用して説明する。
【0055】本実施の形態のインクジェットプリンタヘ
ッド1の製造方法が、第1の実施の形態のインクジェッ
トプリンタヘッド1の製造方法と異なる点は、本実施の
形態のインクジェットプリンタヘッド1及びその製造方
法では、ノズルプレート10に対して予めノズル9を形
成し、既にノズル9が形成されているノズルプレート1
0を溝5の前面開口部8を閉塞する位置に接着工程で接
着するようにしたものである。
【0056】このような構成において、本実施の形態の
インクジェットプリンタヘッド1の製造方法によれば、
溝5の前面開口部8を閉塞する位置に接着されるノズル
プレート10には予めノズル9が形成されているため、
ノズル9の形成の自由度を高めることができる。さら
に、保護膜16の成膜を蒸着重合法で行っているため、
第1の実施の形態と同じように、積層圧電部材4にノズ
ルプレート10と蓋部材12とを接着して圧力室13を
形成した後であっても、圧力室13内の電極7上への保
護膜16の成膜を良好に行うことができる。さらに、ノ
ズル9に保護膜16が成膜されているため、ノズル9の
内周面9aやエッジ部分9b、9c等を平滑に仕上げる
ことができ、ノズル9から吐出されるインク滴の吐出安
定性を向上させ、記録媒体上に形成される画像の品質を
高くすることができる。
【0057】つぎに、本発明の第4の実施の形態につい
て図5に基づいて説明する。なお、図1ないし図4にお
いて説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も
省略する(以下の各実施の形態でも同じ)。
【0058】本実施の形態では、圧電部材の分極方向が
第1の実施の形態と異なり、図5中の左右方向に分極さ
れている。
【0059】図5は、本実施の形態のインクジェットプ
リンタヘッドを、溝の延出方向に直交する位置で切断し
た一部を示す断面図である。インクジェットプリンタヘ
ッド25は、基板26の上に積層された電圧印加部であ
る圧電部材27を備えている。基板26と圧電部材27
との間には電極28が形成されており、基板26と圧電
部材27とは電極28を介して、図示しない導電性接着
剤によって接着されている。
【0060】また、このインクジェットプリンタヘッド
25は、基板26および圧電部材27によって後述する
圧力室32の壁部の一部となる支柱29が形成され、一
対の支柱29の間にそれぞれ溝30が形成されている。
溝30の上側および前面側は、開放されている。
【0061】また、このインクジェットプリンタヘッド
25には、溝30の上側開口部11を閉塞する蓋部材3
1と、溝30の前面開口部8(図1、図4参照)を閉塞
するノズルプレート10(図1、図4参照)とが設けら
れ、溝30の上側開口部11を蓋部材31で閉塞し、溝
30の前面開口部8をノズルプレート10で閉塞するこ
とにより、一対の支柱29の間に位置する複数の圧力室
32が形成されている。蓋部材31の溝30に対向する
側の面には共通電極33が形成され、蓋部材31は、共
通電極33を介して図示しない導電性接着剤により支柱
29の上面に接着されている。ノズルプレート10には
複数のノズル9(図1、図4参照)が形成されている。
【0062】さらに、このインクジェットプリンタヘッ
ド25では、溝30の上側開口部11を蓋部材31で閉
塞し、溝30の前面開口部8をノズルプレート10で閉
塞することにより圧力室32を形成した後、図4に示し
た蒸着重合装置17を用いて蒸着重合を行うことによ
り、電極28、33の表面を含む圧力室32の内面とノ
ズル9とを被覆するように、有機高分子材料であるポリ
イミドにより形成された絶縁性を有する保護膜34が成
膜されている。
【0063】この保護膜34の成膜に関しては、第1の
実施の形態で説明したように、接着したノズルプレート
10にレーザ光を照射してノズル9を形成した後に蒸着
重合法により成膜してもよく、又は、第3の実施の形態
で説明したように、ノズル9が形成されたノズルプレー
ト10を接着した後に蒸着重合法により成膜してもよ
い。
【0064】このような構成において、このインクジェ
ットプリンタヘッド25を有するインクジェットプリン
タでの印字に際しては、圧力室32内にインクを供給し
た状態で、インクを吐出させる圧力室32の両側に位置
する電極28へ電圧を印加する。これによって、電圧が
印加された電極28に対応する一対の圧電部材27が圧
力室32内の容積を大きくするように変形した後、再び
圧力室32内の容積を収縮させることで圧力室32内の
インクが加圧され、圧力室32内のインクの一部がイン
ク滴となってノズル9から吐出し、吐出したインク滴が
搬送ローラ等の記録媒体搬送手段により搬送される記録
媒体上に付着して画像が形成される。
【0065】本実施の形態のインクジェットプリンタヘ
ッド25では、電極28、33に保護膜34が成膜され
ているため、インクとして水性インク等の高い導電性を
有するインクを使用した場合でも、電極28、33から
インク内に電流が流れるということが防止され、インク
内を電流が流れることが原因となるインクの変質を防止
できる。
【0066】さらに、ノズル9に保護膜34が成膜され
ているため、ノズル9の内周面9aやエッジ部分9b、
9c(図4参照)を平滑に仕上げることができる。これ
により、ノズル9から吐出されるインク滴の吐出安定性
が向上し、記録媒体上に形成される画像の品質が高くな
る。
【0067】また、電極28、33の表面を含む圧力室
32の内周面とノズル9とに同一材料の保護膜34が成
膜されるため、圧力室32及びノズル9の各部において
インクに対する塗れ性の差が発生せず、インク滴の吐出
状態が安定し、良好な画像形成を行える。
【0068】つぎに、本発明の第5の実施の形態を図6
に基づいて説明する。本実施の形態は、圧電部材の分極
方向が一方向である点が、上述した各実施の形態と異な
る点である。このような方式のインクジェットプリンタ
ヘッドを、ノーマルモードのインクジェットプリンタヘ
ッドという。
【0069】図6は、本実施の形態のインクジェットプ
リンタヘッドを、溝の延出方向に沿って水平に切断した
一部を示す断面図である。インクジェットプリンタヘッ
ド35は、圧電部材が多層積層された電圧印加部である
多層積層圧電部材36が、所定の間隔毎に基板37上に
配列されている。これによって、多層積層圧電部材36
間に溝38が形成されており、本実施の形態ではこの多
層積層圧電部材36が後述する圧力室42の壁部の一部
とされている。
【0070】ところで、一般的に、多層積層圧電部材3
6に対して溝38を形成することは困難である。本実施
の形態のインクジェットプリンタヘッド35では、予め
短冊形状に形成された多層積層圧電部材36を所定の間
隔毎に基板37上に配設することによって、溝38を形
成している。これによって、多層積層圧電部材36を用
いる場合にも、溝38を容易に形成することができる。
【0071】多層積層圧電部材36の両側面(図6中の
多層積層圧電部材36の左右の面)には、電極39が形
成されている。この電極39には、各多層積層圧電部材
36毎に電圧を印加するための図示しない制御部や電源
に接続されたフレキシブルケーブルが接続されている。
【0072】また、このインクジェットプリンタヘッド
35には、溝38の後端側(図6中の紙面上側)を閉塞
する閉塞部材40と、溝38の前面開口部41を閉塞す
るノズルプレート10と、溝38の上側開口部を閉塞す
る蓋部材12(図1参照)とが設けられている。そし
て、溝38の後端側を閉塞部材40で閉塞し、溝38の
前面開口部41をノズルプレート10で閉塞し、溝38
の上側開口部を蓋部材12で閉塞することにより、多層
積層圧電部材36の間に位置する複数の圧力室42が形
成されている。
【0073】さらに、このインクジェットプリンタヘッ
ド35では、溝38の後端側を閉塞部材40で閉塞し、
溝38の前面開口部41をノズルプレート10で閉塞
し、溝38の上側開口部を蓋部材12で閉塞することに
より圧力室42を形成した後、図4に示した蒸着重合装
置17を用いて蒸着重合を行うことにより、電極39の
表面を含む圧力室42の内面とノズル9とに、有機高分
子材料であるポリイミドによって形成された絶縁性を有
する保護膜43が成膜されている。
【0074】この保護膜43の成膜に関しては、第1の
実施の形態で説明したように、接着したノズルプレート
10にレーザ光を照射してノズル9を形成した後に蒸着
重合法により成膜してもよく、又は、第3の実施の形態
で説明したように、ノズル9が形成されたノズルプレー
ト10を接着した後に蒸着重合法により成膜してもよ
い。
【0075】このような構成において、このインクジェ
ットプリンタヘッド35を有するインクジェットプリン
タでの印字に際しては、圧力室42内にインクを供給し
た状態で、インクを吐出させる圧力室42の両側に位置
する電極39へ電圧を印加する。これによって、電圧が
印加された電極39に対応する一対の多層積層圧電部材
36が圧力室42内の容積を大きくするように変形した
後、再び圧力室42内の容積を収縮させることで圧力室
42内のインクが加圧され、圧力室42内のインクの一
部がインク滴となってノズル9から吐出し、吐出したイ
ンク滴が搬送ローラ等の記録媒体搬送手段により搬送さ
れる記録媒体上に付着して画像が形成される。
【0076】本実施の形態のインクジェットプリンタヘ
ッド35では、電極39に保護膜43が成膜されている
ため、インクとして水性インク等の高い導電性を有する
インクを使用した場合でも、電極39からインク内に電
流が流れるということが防止され、インク内を電流が流
れることが原因となるインクの変質を防止できる。
【0077】さらに、ノズル9に保護膜43が成膜され
ているため、ノズル9の内周面9aやエッジ部分9b、
9c(図4参照)を平滑に仕上げることができる。これ
により、ノズル9から吐出されるインク滴の吐出安定性
が向上し、記録媒体上に形成される画像の品質が高くな
る。
【0078】また、電極39の表面を含む圧力室42の
内周面とノズル9とに同一材料の保護膜43が成膜され
るため、圧力室42及びノズル9の各部においてインク
に対する塗れ性の差が発生せず、インク滴の吐出状態が
安定し、良好な画像形成を行える。
【0079】なお、上述の各実施の形態では、電圧の印
加により変形する圧電部材2、3、27、36を電圧印
加部として使用したインクジェットプリンタヘッド1、
25、35において、電圧を印可するための電極7、2
8、33、39とノズル9とを被覆するように有機高分
子材料により形成された絶縁性を有する保護膜16、3
4、43を成膜した場合を例に挙げて説明したが、本発
明が適用されるインクジェットプリンタヘッド及びその
製造方法としては、電圧印加部として圧電部材を使用し
たものに限定されない。例えば、電圧の印加により発熱
する発熱部材を電圧印加部として使用し、発熱部材へ電
圧を印可することにより発熱部材の表面から気泡(バブ
ル)を発生させ、その気泡により圧力室内のインクの圧
力を高めてインク滴を吐出させるようにした方式のイン
クジェットプリンタヘッド及びその製造方法においても
本発明を適用することができる。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、各圧力室毎に設けられ
ている電極を被覆するように有機高分子材料により形成
された絶縁性を有する保護膜が成膜されているので、イ
ンクとして水性インク等の導電性を有するインクを用い
る場合でも電極からインク内に電流が流れることを防止
でき、それにより、インク内に電流が流れることが原因
となるインクの変質を防止でき、さらに、ノズルを被覆
するように有機高分子材料により形成された絶縁性を有
する保護膜が成膜されているので、ノズルのエッジ部分
等を平滑にすることができ、それにより、ノズルからの
インク滴の吐出安定性を向上させることができるととも
にそのインク滴が付着することにより記録媒体上に形成
される画像の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のインクジェットプ
リンタヘッドを示す斜視図である。
【図2】溝の延出方向に直交する位置で切断したインク
ジェットプリンタヘッドの一部を示す断面図である。
【図3】ノズルプレートの接着工程、ノズル形成工程及
び保護膜成形工程を示す工程図である。
【図4】蒸着重合装置を示す概略図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態のインクジェットプ
リンタヘッドを溝の延出方向に直交する位置で切断した
一部を示す断面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態のインクジェットプ
リンタヘッドを溝の延出方向に沿って水平に切断した一
部を示す断面図である。
【符号の説明】
2、3 電圧印加部、圧電部材 6 壁部 7 電極 9 ノズル 10 ノズルプレート 13 圧力室 15 インク流路 16 保護膜 27 電圧印加部、圧電部材 28、33 電極 29 壁部 32 圧力室 34 保護膜 36 電圧印加部、圧電部材、壁部 39 電極 42 圧力室 43 保護膜

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクが供給される複数の圧力室と、 前記圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設けられ
    て電圧が印可されることにより前記圧力室内のインクの
    圧力を可変させる電圧印加部と、 前記圧力室に連通されて前記圧力室にインクを供給する
    インク流路と、 前記圧力室毎に設けられて前記圧力室と外部とを連通さ
    せるノズルと、 前記圧力室毎に設けられて前記電圧印加部に電圧を印可
    するための電極と、 有機高分子材料により形成されて少なくとも前記電極と
    前記ノズルとを被覆するように成膜された絶縁性を有す
    る保護膜と、を備えるインクジェットプリンタヘッド。
  2. 【請求項2】 前記電圧印加部は、圧電部材である請求
    項1記載のインクジェットプリンタヘッド。
  3. 【請求項3】 前記保護膜は、蒸着重合法により形成さ
    れている請求項1又は2記載のインクジェットプリンタ
    ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記保護膜は、ポリ尿素により形成され
    ている請求項1ないし3のいずれか一記載のインクジェ
    ットプリンタヘッド。
  5. 【請求項5】 前記保護膜は、ポリイミドにより形成さ
    れている請求項1ないし3のいずれか一記載のインクジ
    ェットプリンタヘッド。
  6. 【請求項6】 インクが供給される複数の圧力室と、前
    記圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設けられて
    電圧が印可されることにより前記圧力室内のインクの圧
    力を可変させる電圧印加部と、前記圧力室に連通されて
    前記圧力室にインクを供給するインク流路と、前記圧力
    室毎に設けられて前記圧力室と外部とを連通させるノズ
    ルと、前記圧力室毎に設けられて前記電圧印加部に電圧
    を印可するための電極と、を備えるインクジェットプリ
    ンタヘッドの製造方法において、 有機高分子材料により形成されて絶縁性を有する保護膜
    を少なくとも前記電極と前記ノズルとを被覆するように
    蒸着重合法により成膜する保護膜成膜工程を有すること
    を特徴とするインクジェットプリンタヘッドの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 インクが供給される複数の圧力室と、前
    記圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設けられて
    電圧が印可されることにより前記圧力室内のインクの圧
    力を可変させる電圧印加部と、前記圧力室に連通されて
    前記圧力室にインクを供給するインク流路と、前記圧力
    室毎に設けられて前記圧力室と外部とを連通させるノズ
    ルと、前記圧力室毎に設けられて前記電圧印加部に電圧
    を印可するための電極と、を備えるインクジェットプリ
    ンタヘッドの製造方法において、 前記ノズルが形成されたノズルプレートを前記圧力室の
    端面に接着する接着工程と、 有機高分子材料により形成されて絶縁性を有する保護膜
    を少なくとも前記電極と前記ノズルとを被覆するように
    蒸着重合法により成膜する保護膜成膜工程と、を有する
    ことを特徴とするインクジェットプリンタヘッドの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 インクが供給される複数の圧力室と、前
    記圧力室を形成する壁部の少なくとも一部に設けられて
    電圧が印可されることにより前記圧力室内のインクの圧
    力を可変させる電圧印加部と、前記圧力室に連通されて
    前記圧力室にインクを供給するインク流路と、前記圧力
    室毎に設けられて前記圧力室と外部とを連通させるノズ
    ルと、前記圧力室毎に設けられて前記電圧印加部に電圧
    を印可するための電極と、を備えるインクジェットプリ
    ンタヘッドの製造方法において、 前記ノズルが形成される以前のノズルプレートを前記圧
    力室の端面に接着する接着工程と、 前記圧力室の端面に接着された前記ノズルプレートにレ
    ーザ光を照射してノズルを形成するノズル形成工程と、 有機高分子材料により形成されて絶縁性を有する保護膜
    を少なくとも前記電極と前記ノズルとを被覆するように
    蒸着重合法により成膜する保護膜成膜工程と、を有する
    ことを特徴とするインクジェットプリンタヘッドの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記電圧印加部は、圧電部材であること
    を特徴とする請求項6ないし8のいずれか一記載のイン
    クジェットプリンタヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記保護膜は、ポリ尿素により形成さ
    れている請求項6ないし9のいずれか一記載のインクジ
    ェットプリンタヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記保護膜は、ポリイミドにより形成
    されている請求項6ないし9のいずれか一記載のインク
    ジェットプリンタヘッドの製造方法。
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