JP2001063043A - インク噴射装置、及び、インク噴射装置のノズルプレートの製造方法 - Google Patents

インク噴射装置、及び、インク噴射装置のノズルプレートの製造方法

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JP2001063043A
JP2001063043A JP23837399A JP23837399A JP2001063043A JP 2001063043 A JP2001063043 A JP 2001063043A JP 23837399 A JP23837399 A JP 23837399A JP 23837399 A JP23837399 A JP 23837399A JP 2001063043 A JP2001063043 A JP 2001063043A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルから記録媒体にインクを噴射するイン
ク噴射装置において、1つの基材上に撥水膜,ノズル
孔,導電パターンを一体形成できるようにする。 【解決手段】 ノズルプレート60は一方の面に基板6
の接続端子20a,22aそれぞれに対応する導電パタ
ーン62,64を有し、一方の端部側には基板6のイン
ク溝2に対応するノズル孔66を有する。ノズルプレー
ト60の導電パターン62,64が配置された側とは反
対側の面には、原料ガスとしてトリメチルシラン,トリ
メチルメトキシシラン,フロロアルキルシランのいずれ
かの有機シリコン化合物を用いて高周波プラズマCVD
法にて形成された撥水膜Qが形成されている。ノズルプ
レート60は、導電パターン62,64側が基板6の接
続端子20a,22aが配置された側(下面6c)に接
着固定され、ノズル孔66側の面が折り曲げられて基板
6の前端面6aに接着固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズルから記録媒
体にインクを噴射して記録を行うインク噴射装置に関
し、詳しくは、インクを噴出する噴出口が設けられたノ
ズルプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット式プリンタ装
置のインク噴射装置としては、必要な時にだけインクに
対して瞬間的に高い圧力を加え、その圧力に応じてイン
クを記録媒体に向かって飛しょうさせることによりイン
クを付着させるオンデマンド方式の装置が知られてい
る。
【0003】図4は、この種のインク噴射装置の概略構
成の一例を表し、(a)は分解斜視図、(b)はアクチ
ュエータ基板6の下面6cを上にした状態の斜視図、
(c)はアクチュエータ基板6と導電層ケーブルとの関
係を示す斜視図である。また、図5はアクチュエータ基
板6の概略構成を表し、(a)は図4(a)に示した噴
射装置HのA−A線断面図、(b)はアクチュエータ基
板6を上面6d側から見た断面図である。
【0004】このインク噴射装置Hは、複数のインク溝
2及びその両側にダミー溝4を有し、インクに圧力を加
えて噴射するためのアクチュエータ基板6と、各溝2,
4の上面を覆うカバー板8と、インク溝2に対応したノ
ズル孔202を有するノズルプレート200と、インク
溝2にインクを分配するマニホールド10とからなる。
【0005】アクチュエータ基板6は、チタン酸ジルコ
ン酸鉛系(PZT)、チタン酸鉛系(PT)などの剛性
を有する圧電セラミックス材料製の一対の基材12,1
4からなり、両基材12,14は互いに接着されてい
る。両基材12,14は、板厚方向に分極され、しか
も、その分極方向が互いに反対方向となるように積層さ
れている。尚、基材12,14のいずれか一方のみを圧
電材料で構成する場合もある。両基材12,14には、
インク溝2よびダミー溝4となる平行な多数の溝(チャ
ネル)が、ダイヤモンドブレード等によって両基材1
2,14の厚さ方向にわたって切削加工されている。こ
れにより、インク溝2およびダミー溝4間を隔てる隔壁
16は、その高さ方向に分極方向が反対となるように圧
電材料を積層した構成となっている(図5(a)参
照)。
【0006】また、インク溝2はその長手方向(即ち、
インク噴射方向)の前後両端をアクチュエータ基板6の
前後両端に開放して形成され、ダミー溝4は、前端面6
aに開放するが、後端面6bにおいて閉塞するように、
立上部18を残して形成されている(図5(b)等参
照)。
【0007】インク溝2内の隔壁16側面には第1電極
20が形成され、ダミー溝4内の隔壁16側面には第2
電極22が第1電極20とは絶縁された状態で形成され
ている。全ての第1電極20は、アクチュエータ基板6
の後端面6bの導電層を経て下面6cの導電層、即ち第
1接続端子20aに接続されている。第2電極22は、
ダミー溝14の前端部を経て下面6cの複数の第2接続
端子22aににそれぞれ接続されている。
【0008】一方、アクチュエータ基板6の上面6dに
は、インク溝2及びダミー溝4の長手方向に沿った開放
面を覆うカバー板8が接着されている。アクチュエータ
基板6の前端面6a及びカバー板8の前端面8aには、
インク溝2と対応するノズル孔202が設けられ、合成
樹脂(例えば、ポリイミド,ポリエーテルサルフォン等
の高分子樹脂)からなる板状のノズルプレート200が
接着固定される。また、アクチュエータ基板6の後端面
6b及びカバー板8の後端面8bには、マニホールド1
0が接着固定される。
【0009】また、ノズルプレート200のインク噴射
側の面には、インクをはじく性質を有する撥水膜Pが形
成され、インク噴射後においてノズル孔202にインク
が付着して噴射装置Hのインク噴射性能が低下するのを
防止している。一方、図4(c)に示すように、アクチ
ュエータ基板6の下面6cには、各第1,第2接続端子
20a,22aそれぞれに対応するように導電パターン
302,304が配置されたシート状のケーブル300
(通称、FPC(フレキシブル配電ケーブル))が接着
されている。
【0010】ケーブル300の基材は合成樹脂(例え
ば、ポリイミド,ポリエーテルサルフォン等の高分子樹
脂)からなる。一方、導電パターン302,304は、
例えば、銅、金等の導電材料からなり、このような導電
材料がメッキ、スクリーン印刷等により基材上にパター
ン形成される。
【0011】そして、導電パターン302,304にお
いてアクチュエータ基板6の各接続端子20a,22a
に対応する側と反対側の端部は、噴射装置Hを駆動する
制御部(図示略)に接続されている。このように構成さ
れた噴射装置Hでは、インク供給源からマニホールド1
0に導入されたインクは、インク溝2に供給されるが、
ダミー溝4は立ち上がり部18によってマニホールド1
0から遮蔽されているため、インクが供給されないよう
になっている。
【0012】そして、各インク溝2の第1電極20とイ
ンクを吐出しようとするインク溝2を挟む両隔壁16,
16のダミー溝4側の第2電極22,22との間に、各
導電パターン302,304を介して電圧を印加(例え
ば、第1電極20をアースに接続、第2電極22に正電
圧を印加)すると、第1,第2電極20,22間に圧電
材料の分極方向Fと直交する方向の電界Eが発生する
が、圧電材料からなる各基材12,14は、互いに反対
方向に分極するように積層されているため、図5(a)
に示すように、隔壁16の上下各部がそれぞれ反対方向
に剪断変形(詳しくは、圧電厚みすべり変形)して、イ
ンク溝2内の容積を拡大する。このとき、ノズル孔20
2付近を含むインク溝2の圧力が減少し、インク溝2の
容積が拡大した分に応じた量のインクがマニホールド1
0からインク溝2内に供給されるようになる。
【0013】次に、電圧の印加を停止し、第1電極20
及び第2電極22,22を共にアースに接続すると、変
形した隔壁16が元の形状に復帰するようになる。この
時、隔壁16がインク溝2内のインクに圧力を加えるの
で、インク溝2内のインクがノズル孔202から噴射さ
れるようになる。尚、ノズルプレート200のインク噴
射側の面には、撥水膜Pが形成されているため、インク
を噴射した際にノズル孔202にインクが付着すること
がない。
【0014】ところで、撥水膜及びノズル孔が形成され
たノズルプレートの形成方法については、特開平7−3
04177号公報,特開平10−114075号公報等
に詳細に記載されているが、その一例について以下に概
略の形成方法を説明する。ノズルプレート200は、図
6に示す各工程(撥水膜形成工程,ノズル形成工程,紫
外線吸収剤蒸発工程)を順に経ることにより形成され
る。図6はインク噴射装置Hのノズルプレート200の
形成工程を表し、(a)は撥水膜Pが形成された状態の
ノズルプレート200の断面図、(b)はノズル孔20
2が形成された状態のノズルプレート200の断面図を
示す。
【0015】即ち、撥水膜形成工程では、合成樹脂から
なる板状の基材200aの一方の面に、フッ素系ポリマ
ー(例えば、フッ化エチレンプロピレン)を塗布し、更
にこの基材200aを260〜300℃の温度にて約1
時間加熱して撥水成分を定着させて、フッ素系高分子樹
脂からなる撥水膜Pを形成する。尚、形成される撥水膜
Pの厚さは約1μmである(図6(a)参照)。
【0016】次に、ノズル形成工程では、撥水膜形成工
程にて撥水膜Pが形成された基材200aにおいて撥水
膜Pが形成された面とは反対側の面に対して、紫外線領
域の波長を有するレーザ光を照射することによりノズル
孔202を形成する(図6(b)参照)。
【0017】このようなノズル孔202を形成するに
は、図7に示すようなレーザ加工機40を用いる。レー
ザ加工機40は、レーザ光(例えば、KrF=248n
m或いはXeKr=308nmのエキシマレーザ光)発
振器42、ベンドミラー44a,44b,44c、被加
工物載置用のステージ46、レーザ光径を拡大するため
のビームエキスパンダ48、形成すべき各ノズル孔のノ
ズル面に対応した領域にレーザ光を照射するためのマス
ク50、基材にレーザ光を結像させるための結像系5
2、マスク50を通過した各レーザ光を互いに平行な状
態で結像系に導くためのフィールドレンズ54から構成
される。
【0018】尚、マスク50は、例えば、透明のガラス
板上にレーザ光非透過領域と透過領域とを形成したもの
で、レーザ光非透過領域には金属層(例えば、クロムを
主体とした金属層)が形成され、この金属層によりレー
ザ光の透過を阻止している。一方、レーザ光透過領域
は、複数の円形の透過領域からなり、このレーザ光透過
領域を縮小するとノズルプレート200上に形成すべき
ノズル孔202の形成領域に一致する。
【0019】レーザ加工機40においては、レーザ光発
振器42から出射されたレーザ光Lは、ベンドミラー4
4aにて屈曲してビームエキスパンダ48に入射する。
ビームエキスパンダ48にて光径が拡大されたレーザ光
Lは、ベンドミラー44bにて屈曲した後、マスク50
に入射して複数のレーザ光Lに分割された後、フィール
ドレンズ54を通過して複数のレーザ光Lの平行光線と
なる。複数のレーザ光Lはベンドミラー44cにて屈曲
して結像系52を通過し、ノズル孔202の形成領域に
対応するように基材200a上に結像する。
【0020】尚、基材200aは撥水膜Pが形成された
側を下にしてステージ46に載置されており、レーザ光
Lは撥水膜Pが形成された側と反対側の面に結像するよ
うになっている。基材200aにレーザ光Lが照射され
ると、基材200aや撥水膜Pを構成する高分子樹脂の
分子結合がレーザ光Lにより切断され、切断された分子
が更にレーザ光Lにより分解して飛散するようになる。
この結果、図6(b)に示すようにレーザ光Lが照射さ
れた部分には、例えば、ステージ46に載置された側ほ
ど径が小さくなるように縮径したノズル孔202が形成
される。尚、形成されたノズル孔202の最小径は約3
0μmである。
【0021】ところで、上記のような高分子樹脂からな
る基材はレーザ光を吸収しやすいため精度よくノズル孔
を加工することができる一方、単にフッ素系ポリマーか
ら形成される撥水膜はレーザ光(エキシマレーザ光)を
吸収しにくいことから、レーザ光にて精度よく孔を加工
することができない。
【0022】そこで、撥水膜Pを形成する際には、レー
ザ光を吸収する性質を有する紫外線吸収剤をフッ素系ポ
リマーに混合した後、この混合剤を基材に塗布するよう
にしている。このような紫外線吸収剤としては、例え
ば、乳濁状に生成したベンゾフェノン系(或いは、ベン
ゾトリアゾール系)高分子を用いることができる。
【0023】このような紫外線吸収剤が含有された撥水
膜Pはレーザ光Lを吸収しやすくなって撥水膜Pに精度
よく孔が加工されるようになるので、ノズルプレート2
00に精度よくノズル孔202を加工することが可能と
なる。ところが、上記のように紫外線吸収剤が含有され
た状態の撥水膜は、単にフッ素系ポリマーからなる撥水
膜に比べて撥水性能が低いため、次の紫外線吸収剤蒸発
工程では、ノズル形成工程にてノズル孔202が形成さ
れた基材200aを350〜380℃の温度に加熱して
撥水膜中の紫外線吸収剤を蒸発させることにより、撥水
膜の撥水性能を回復するようにしている。
【0024】以上の手順にて、ノズル孔202が形成さ
れたノズルプレート200を形成することができる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、高品
質を保持しつつ、安価でかつ製造し易いプリンタ装置の
開発を各プリンタ装置メーカーにて推し進めていること
はいうまでもない。そのようなプリンタ装置を実現する
には、プリンタ装置の各種構成部材個々を安価でかつ製
造し易くする必要がある。従って、インク噴射装置も例
外ではなく、安価でかつ製造し易くすることが望まれて
いた。
【0026】そこで、そのようなインク噴射装置の1つ
を実現するために、上記した従来のインク噴射装置Hで
は、撥水膜P及びノズル孔202が形成されたノズルプ
レート200と、導電パターン302,304を有する
ケーブル300とが互いに別体のものとして形成されて
いるものの、ノズルプレート200及びケーブル300
がそれぞれ合成樹脂からなるシート状の基材が用いられ
ている点に着目し、合成樹脂からなる1つのシート状の
基材を用いることにより、この基材上に撥水膜,ノズル
孔,導電パターンを一体形成することが望まれていた。
【0027】ところが、まず、基材上に撥水膜(また
は、ノズル孔)を形成した後に、導電パターンを形成す
ると、上記のようにメッキやスクリーン印刷にて導電パ
ターンを形成する際に、不用意に撥水膜(または、ノズ
ル孔)を傷つけてしまって、ノズルプレートとして使用
できなくなるおそれがあった。
【0028】一方、従来の形成方法にて撥水膜を形成す
るには、260〜300℃の温度に基材を加熱する必要
があるため、撥水膜を形成する前に導電パターンが形成
されていると、導電パターンの導電材料と基材との温度
膨張率の違いから、加熱時に導電パターンが基材から剥
がれてしまうおそれがあった。尚、本発明者らが調査し
たところ、基材を約200℃にまで加熱した時点で導電
パターンが基材から剥がれるのが確認された。
【0029】このように、従来では、1つの基材上に撥
水膜,ノズル孔,導電パターンを一体形成できなかった
のである。本発明は、このような問題を解決するために
なされたものであり、ノズルから記録媒体にインクを噴
射して記録を行うインク噴射装置において、1つの基材
上に撥水膜,ノズル孔,導電パターンを一体形成できる
ようにすることを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、駆動用の電圧を
外部から印加するための電極が設けられると共に、イン
クを収容するチャネルが形成され、該チャネル内のイン
クを該チャネルの出口端から噴出するように駆動するア
クチュエータと、前記電極と電気的に接続する導電パタ
ーンが形成された薄板状のケーブルと、前記チャネルの
出口端側に設けられ、前記出口端と対応する位置にイン
ク噴射用の噴射孔が形成された薄板状のノズルプレート
とを備え、前記導電パターンを介して前記電極に電圧を
印加することによって、前記アクチュエータを駆動し
て、前記噴射孔からインクを噴射するように構成された
インク噴射装置において、前記ノズルプレートに前記導
電パターンを形成することにより、前記ケーブルが該ノ
ズルプレートと一体化され、該ケーブルが一体化された
該ノズルプレートにおいて前記噴射孔からインクが吐出
される側の面の少なくとも該噴射孔の周囲には、有機シ
リコン化合物を原料とした高周波プラズマCVD法にて
撥水膜が形成されていることを特徴とする。
【0031】このように、本発明(請求項1)では、ノ
ズルプレートに導電パターンを形成することにより、ケ
ーブルをノズルプレートと一体化した上で、更に、有機
シリコン化合物を原料とした高周波プラズマCVD法に
てノズルプレートに撥水膜を形成するようにしている。
【0032】高周波プラズマCVD法では、大気圧以下
の圧力(例えば、圧力1〜105Pa)下にて保持され
た状態の空間に陰極,陽極の一対の電極を配置し、各電
極間にガス化した成膜用原料を送り込むと共に、各電極
間に高周波の電圧を印加する。すると、高周波電圧が各
電極間に印加されることによって生じる交番電界によ
り、空間内に存在する電子が各電極間に滞留するように
なるので、電子が原料ガスに衝突する確率が増加する。
そして、電子によって衝突された原料ガスは分子,原
子,イオン,電子に分解するが、原料ガスが分解するこ
とによって生じた電子も原料ガスに衝突するようになる
ので、結果的に次々に原料ガスが分解し、常に分子,原
子,電子,イオンが混在した状態(即ち、プラズマ放電
状態)になる。
【0033】また、原料ガス中に含まれる分子,原子は
通常ならば熱的に励起されにくいものであるが、上記の
ようにして原料ガスが分解して生じた分子,原子はある
程度活性化しているため、各電極間に膜形成対象物が配
置されていれば、これら分子,原子を反応生成物として
膜形成対象物上に付着させることができる。
【0034】そして、各電極間の原料ガスの温度が、例
えば、室温(25℃)〜200℃程度といった比較的低
温で保持された状態でも、分解して生じた分子,原子は
ある程度活性化しているため、これら分子,原子を反応
生成物として膜形成対象物上に付着させることができ
る。
【0035】つまり、本発明(請求項1)では、ノズル
プレートに導電パターンを形成することにより、ケーブ
ルがノズルプレートと一体化されていても、導電パター
ンがノズルプレートから剥がれない温度(例えば、室温
(25℃)〜200℃)にてガス化した有機シリコン化
合物(即ち、原料ガス)を保持することによって、原料
ガスを活性化した分子,原子に分解できるため、上記し
た従来の撥水膜の形成方法に比べて低温で撥水膜を形成
することが可能となり、導電パターン,噴出孔,撥水膜
を一体形成できるのである。
【0036】また、本発明(請求項1)のインク噴射装
置のノズルプレートを製造するには、請求項2に記載の
ように、まず、薄板状の樹脂基材に導電パターンを形成
し、次いで、導電パターンが形成された状態の樹脂基材
に紫外線領域の波長を有するレーザ光を照射して噴射孔
を形成し、更に、有機シリコン化合物を原料とした高周
波プラズマCVD法にて、噴射孔が形成された状態の樹
脂基材のインクが吐出される側の面の少なくとも噴射孔
の周囲に撥水膜を形成する。
【0037】つまり、噴出孔を先に形成し、次いで導電
パターンを形成すると、導電パターンを形成する際に噴
出孔を傷つけてしまうおそれがあるが、本発明(請求項
2)のように導電パターンを先に形成し、次いで噴出孔
を形成することによって、噴出孔を傷つけるといった問
題が生じるのを回避することができる。また、導電パタ
ーンを形成した状態でも、前述したように、従来に比べ
て低温(例えば、室温(25℃)〜200℃)で撥水膜
を形成することができる。
【0038】従って、本発明(請求項2)では、導電パ
ターン,噴出孔,撥水膜をそれぞれ一体形成した品質の
高いノズルプレートを製造することが可能となる。とこ
ろで、高周波プラズマCVDにて撥水膜を形成する際に
用いる有機シリコン化合物としては、請求項3に記載の
ように、トリメチルシラン,トリメチルメトキシシラ
ン,フロロアルキルシランのいずれかを用いるのが望ま
しい。
【0039】本発明者等が高周波プラズマCVDにて樹
脂基材上に撥水膜を形成する各種実験を行ったところ、
トリメチルシランやトリメチルメトキシシランを用いて
形成した撥水膜では、撥水膜上に水滴(純水)を載置し
て撥水膜面と水滴の表面とのなす角(即ち、接触角)が
フッ素系ポリマー(例えば、フッ化エチレンプロピレ
ン)を用いて形成した従来の撥水膜とほぼ同じであるこ
とが分かった。つまり、トリメチルシランやトリメチル
メトキシシランを用いて形成した撥水膜はフッ素系ポリ
マーからなる撥水膜と同等の撥水性を有するのである。
【0040】一方、フロロアルキルシランを用いて形成
した撥水膜では、フッ素系ポリマーからなる撥水膜より
も高い接触角を有していることが分かった。つまり、フ
ロロアルキルシランを用いて形成した撥水膜は、フッ素
系ポリマーからなる撥水膜よりも高い撥水性を有してい
るのである。
【0041】つまり、請求項1または請求項2に記載の
発明においては、従来の撥水膜の形成方法に比べて低温
で撥水膜を形成できるようしたものであるが、請求項3
に記載の発明においては、更に、従来の形成方法にて形
成された撥水膜と同等以上の撥水性を有する撥水膜を形
成することができるのである。
【0042】
【発明の実施の形態】
【0043】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施形態を図面
と共に説明する。尚、本実施例のインク噴射装置におい
ては、図4に示した従来のインク噴射装置とは、ノズル
孔を有するノズルプレート及びアクチュエータ基板を駆
動するための導電層ケーブルの構造が異なるだけであ
り、その他の構成部材(例えば、アクチュエータ基板,
カバー板,マニホールド等)の構造は同じである。その
ため、同じ構成部材については符号を等しくしてその詳
細な説明を省略する。
【0044】図1は、本実施例のノズルプレートの概略
構成を表し、(a)はノズルプレートの平面図、(b)
はノズルプレートとアクチュエータ基板との関係を示す
斜視図である。本実施例のノズルプレート60は、合成
樹脂(例えば、ポリイミド,ポリエーテルサルフォン等
の高分子樹脂)からなる帯状のシート基材60aにて形
成されると共に、一方の面にはアクチュエータ基板6の
下面6cに配置された第1,第2接続端子20a,22
aそれぞれに対応する導電パターン62,64が配置さ
れ、一方の端部側にはアクチュエータ基板6のインク溝
2に対応するノズル孔66が設けられている。各導電パ
ターン62,64は噴射装置Hを駆動する制御部(図示
略)に接続されている。また更に、ノズルプレート60
において導電パターン62,64が配置された側とは反
対側の面には、後述する撥水膜Qが形成されている。
【0045】そして、本実施例のノズルプレート60
は、図1(b)に示すように、導電パターン62,64
が配置された側の面をアクチュエータ基板6の第1,第
2接続端子20a,22aが配置された側の面(即ち、
下面6c)に接着固定されると共に、ノズル孔66が設
けられた側の端部側を折り曲げるようにしてアクチュエ
ータ基板6の前端面6a及びカバー板8の前端面8aに
接着固定されるものである。
【0046】つまり、ノズルプレート60をアクチュエ
ータ基板6に配置した場合には、ノズルプレート60の
導電パターン62,64がアクチュエータ基板6の第
1,第2接続端子20a,22aにそれぞれ当接するこ
とによって、導電パターン62,64を介して第1,第
2電極20,22に対し、駆動用の電圧を印加できるよ
うになると共に、アクチュエータ基板6のインク溝2と
対応する位置にノズル孔66が設けられることによっ
て、このノズル孔66からインクを噴射できるようにな
る。しかも、ノズルプレート60のインク噴射側の面に
は、撥水膜Qが形成されているため、インク噴射後にお
いてノズル孔66にインクが付着して噴射装置のインク
噴射性能が低下することがない。
【0047】このように構成されたノズルプレート60
は、図2に示す各工程(導電パターン形成工程,ノズル
形成工程,撥水膜形成工程)を順に経ることにより形成
される。図2はノズルプレート60の形成工程を表し、
(a)は導電パターン62,64が形成された状態のノ
ズルプレート60の断面図、(b)はノズル孔66が形
成された状態のノズルプレート60の断面図、(c)は
撥水膜Qが形成された状態のノズルプレート60の断面
図を示す。
【0048】即ち、導電パターン形成工程では、シート
基材60aの一方の端部側に導電パターン62,64を
形成しない領域(即ち、後述するノズル孔66を形成す
る領域)を設けた上で、一方の面に対し、例えば、銅、
金等の導電材料からなる導電パターン62,64それぞ
れをメッキ、スクリーン印刷等により形成する(図2
(a)参照)。
【0049】次に、ノズル形成工程では、導電パターン
形成工程にて導電パターン62,64が形成されたシー
ト基材200aにおいて、導電パターン62,64が形
成された側の面で、かつ、導電パターンを形成しない領
域が設けられた端部側に対し、紫外線領域の波長を有す
るレーザ光を照射してノズル孔66を形成する(図2
(b)参照)。ノズル孔66を形成するには、先に説明
したレーザ加工機40(図7参照)を用いる。
【0050】ところで、図6(b)に示すように、従来
のインク噴射装置Hでは、ノズルプレート200の一方
の面に撥水膜Pが形成された状態でノズル孔202が形
成されるものであるが、その際単にフッ素系ポリマーか
ら形成される撥水膜はレーザ光を吸収しにくいため、フ
ッ素系ポリマーに紫外線吸収剤を混合して撥水膜を形成
していた。
【0051】本実施例においては、シート基材60aに
ノズル孔66を形成する際には導電パターン62,64
が形成されているものの、ノズル孔66は導電パターン
62,64が形成されていない領域(即ち、シート基材
60aの一方の端部側)に形成されるものである。つま
り、ノズル孔66はシート基材60aに直接形成される
が、シート基材60aの構成材料である合成樹脂(例え
ば、ポリイミド、ポリエーテルサルフォン等の高分子樹
脂)はレーザ光を吸収しやすいものであるため、精度よ
くノズル孔66を形成することができるのである。
【0052】また、シート基材60aにレーザ光Lが照
射されると、基材60aを構成する合成樹脂(高分子樹
脂)の分子結合がレーザ光Lにより切断され、切断され
た分子が更にレーザ光Lにより分解して飛散するように
なる結果、図2(b)に示すようにレーザ光Lが照射さ
れた部分には、例えば、レーザ加工機40のステージ4
6に載置された側ほど径が小さくなるように縮径したノ
ズル孔66が形成される。尚、形成されるノズル孔66
の最小径は約30μmである。
【0053】次に、撥水膜形成工程では、ノズル形成工
程にてノズル孔66が形成されたシート基材60aにお
いて、導電パターンが形成された側とは反対側の面(即
ち、インク噴出面)に撥水膜Qを形成する。撥水膜Qを
形成するには、図3に示すような高周波プラズマCVD
装置(以下、単にCVD装置ともいう)70を用いる。
CVD装置70は、成膜室(成膜チャンバー)72、高
周波電源発生装置74、上部電極76、下部電極78、
原料ガス導入パイプ80、排気パイプ82から構成さ
れ、各電極76,78が平板状をなし、電極面が互いに
平行となるように対向して配置された容量結合型(平行
平板型)の装置である。
【0054】成膜室72は形成材料として例えば、石英
ガラス(SiO2)、ステンレス鋼が用いられ、箱状に
形成されたものであり、側壁には原料ガスを成膜室72
内に導入するための原料ガス導入パイプ80が接続さ
れ、下面には成膜室72内を真空にするための排気パイ
プ82が接続されている。尚、原料ガス導入パイプ80
には後述する原料ガスが充填されたガスボンベ(図示
略)が接続され、排気パイプ82には吸気して成膜室内
を真空にするための真空ポンプ(図示略)が接続されて
いる。
【0055】成膜室72内において、中央上部,下部側
には上部電極76,下部電極78がそれぞれ配置され、
更に各電極76,78は高周波電源発生装置74に接続
されることにより、各電極76,78間に高周波電源発
生装置74から高周波電圧が印加されるようになってい
る。一方、高周波電源発生装置74は、発信周波数が1
3.56MHzの高周波を有する100W〜10kWの
電力を供給することができる。尚、下部電極78の電極
面上には、導電パターン62,64が形成された側の面
を当接するようにして被成膜物であるシート基材60a
全体を載置できるようになっている。
【0056】CVD装置70においては、下部電極76
上にシート基材60aを載置すると共に、排気パイプ8
2から成膜室72内の雰囲気を吸引して真空状態(例え
ば、0.1〜0.5torr)に保持した上で原料ガス
導入パイプ80から所定量の原料ガスを成膜室72内に
導入し、この状態で高周波電源発生装置74から各電極
76,78に高周波電力を出力すると、各電極76,7
8間に存在する電子が原料ガスに衝突して原料ガスが分
解され、分子,原子,電子,イオンが生じるようにな
る。更に、原料ガスが分解されて生じた電子も原料ガス
に衝突するので、次々に電子が原料ガスに衝突し、常に
分子,原子,電子,イオンが混在した状態であるプラズ
マ放電状態になる。
【0057】また、このようにして原料ガスが分解して
生じた分子,原子は、ある程度活性化しているため、下
部電極78上に載置されたシート基材60aにおいて上
部電極76に面した側の面には、これら分子,原子が反
応生成物(即ち、撥水膜Q)として付着するようにな
る。
【0058】ここで、原料ガスとしては、以下の一般式
(1),(2),(3)としてそれぞれ示すトリメチル
シラン,トリメチルメトキシシラン,フロロアルキルシ
ランのいずれかの有機シリコン化合物を用いることがで
きる。
【0059】
【化1】
【0060】
【化2】
【0061】
【化3】
【0062】例えば、成膜室72内の圧力を0.2to
rrとし、トリメチルシランを30cc/分、アルゴン
ガスを10cc/分の各流量で供給すると共に、高周波
出力を100W、成膜時間を45分では、0.6μmの
膜厚を有する反応生成物が形成された。そして、各原料
ガス(トリメチルシラン,トリメチルメトキシシラン,
フロロアルキルシラン)それぞれを用いてシート基材6
0a上に反応生成物を付着させ、この反応生成物上に水
滴を載置して接触角を測定したところ、それぞれ95
°,95°,105°であった。一方、比較のために単
に導電パターン62,64及びノズル孔66を形成して
いない状態のシート基材60a上に、従来の形成方法に
てフッ素系ポリマーからなる撥水膜を形成して接触角を
測定したところ、95°であった。
【0063】つまり、撥水膜形成工程では、図2(c)
に示すように、原料ガスとしてトリメチルシラン,トリ
メチルメトキシシラン,フロロアルキルシランを用いる
ことにより撥水膜Qである反応生成物が生じるが、形成
される撥水膜Qは従来の形成方法にて形成されたフッ素
系ポリマーからなる撥水膜Pと同等以上の撥水性を示す
のである。
【0064】尚、CVD装置70の下部電極78に温度
測定用の熱電対を取り付けて、各原料ガスを用いて成膜
した際の温度変化を測定したことろ、下部電極78の最
高温度は80℃であった。また、成膜後の導電パターン
62,64の状態を調査したところ、導電パターン6
2,64がシート基材60aから剥がれている箇所は全
くなかった。
【0065】また特に、原料ガスとしてフロロアルキル
シランを用いて成膜された反応生成物(即ち、撥水膜)
について、FT−IR(フーリエ変換赤外分光法)及び
XPS(X線光電子分光法)を用いて化学結合状態を調
査したところ、FTIRスペクトルにはSi−O−Si
及びSi−OHに起因するピークが確認されると共に、
CF3−や−CF2−中のC−F結合に起因するピークも
確認された。一方、XPSでは、撥水膜の表面がC
3,CF2,CFといった化学成分で覆われていること
が分かった。
【0066】つまり、原料ガスとしてフロロアルキルシ
ランを用いて形成された撥水膜は、有機−無機の複合膜
であり、CF3,CF2,CFといった化学成分がフッ素
系ポリマーからなる従来の撥水膜よりも高い撥水性の実
現に寄与していることが分かった。
【0067】このように、本実施例では、シート基材6
0aに導電パターン62,64を形成しても高周波プラ
ズマCVD装置70では、成膜中の最高温度が80℃に
までにしか上昇しないため、導電パターン62,64が
シート基材60aから剥がれることがなく、しかも、ト
リメチルシラン,トリメチルメトキシシラン,フロロア
ルキルシランのいずれかの有機シリコン化合物を原料ガ
スとして用いて形成された撥水膜は、従来の撥水膜と同
等以上の撥水性を有しているのである。
【0068】尚、CVD装置70にて撥水膜Qを形成す
る際には、撥水膜Qの膜厚が0.6μmとなるようにし
た。また、撥水膜Qを形成する際に生じる反応生成物が
ノズル孔66に入り込んでその内壁に付着するようにな
るが、その膜厚は0.6μmよりも遥かに小さく、後述
するようにインク噴射装置の記録品質に何らの影響を与
えるものではなかった。
【0069】従って、以上説明したように各工程(導電
パターン形成工程,ノズル形成工程,撥水膜形成工程)
を順に経ることにより導電パターン62,64、ノズル
孔66、撥水膜Qが一体形成されたノズルプレート60
を形成することができる。そして、形成されたノズルプ
レート60を用いてインク噴射装置を形成し、アクチュ
エータ基板を駆動してインクをノズル孔66から噴出さ
せて記録媒体上にインクを付着させたところ、従来の形
成方法にて形成されたノズルプレート200を用いた場
合と同等の記録品質を有していることが分かった。
【0070】以上説明したように各工程(導電パターン
形成工程,ノズル形成工程,撥水膜形成工程)を順に経
ることにより導電パターン62,64、ノズル孔66、
撥水膜Qが一体形成されたノズルプレート60を形成す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインク噴射装置の概略構成を示す説
明図である。
【図2】 実施例のノズルプレートの形成過程を示す説
明図である。
【図3】 実施例の撥水膜を形成するのに用いる高周波
プラズマCVD装置の概略構成を示す説明図である。
【図4】 従来のインク噴射装置の概略構成を示す説明
図である。
【図5】 インク噴射装置のアクチュエータ基板の概略
構成を示す説明図である。
【図6】 従来のノズルプレートの形成過程を示す説明
図である。
【図7】 ノズルプレートにノズル孔を形成するのに用
いるレーザ加工機の概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
2…インク溝(チャネル)、20,22…電極、20
a,22a…接続端子、6…アクチュエータ基板、60
…ノズルプレート、60a…シート基材、62,64…
導電パターン、66…ノズル孔、70…高周波プラズマ
CVD装置、Q…撥水膜。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動用の電圧を外部から印加するための
    電極が設けられると共に、インクを収容するチャネルが
    形成され、該チャネル内のインクを該チャネルの出口端
    から噴出するように駆動するアクチュエータと、 前記電極と電気的に接続する導電パターンが形成された
    薄板状のケーブルと、 前記チャネルの出口端側に設けられ、前記出口端と対応
    する位置にインク噴射用の噴射孔が形成された薄板状の
    ノズルプレートとを備え、 前記導電パターンを介して前記電極に電圧を印加するこ
    とによって、前記アクチュエータを駆動して、前記噴射
    孔からインクを噴射するように構成されたインク噴射装
    置において、 前記ノズルプレートに前記導電パターンを形成すること
    により、前記ケーブルが該ノズルプレートと一体化さ
    れ、 該ケーブルが一体化された該ノズルプレートにおいて前
    記噴射孔からインクが吐出される側の面の少なくとも該
    噴射孔の周囲には、有機シリコン化合物を原料とした高
    周波プラズマCVD法にて撥水膜が形成されていること
    を特徴とするインク噴射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインク噴射装置にて使
    用される前記ケーブルが一体化された前記ノズルプレー
    トの製造方法であって、 前記アクチュエータの前記電極に電圧を印加するための
    前記導電パターンを薄板状の樹脂基材に形成する導電パ
    ターン形成工程と、 紫外線領域の波長を有するレーザ光を前記樹脂基材に照
    射してインク噴射用の前記噴射孔を形成するノズル形成
    工程と、 前記樹脂基材の前記噴射孔からインクが吐出される側の
    面の少なくとも該噴射孔の周囲に有機シリコン化合物を
    原料とした高周波プラズマCVD法にて撥水膜を形成す
    る撥水膜形成工程とを有することを特徴とするインク噴
    射装置のノズルプレートの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記撥水膜形成工程では、前記有機シリ
    コン化合物として、トリメチルシラン,トリメチルメト
    キシシラン,フロロアルキルシランのいずれかを用いる
    ことを特徴とする請求項2に記載のインク噴射装置のノ
    ズルプレートの製造方法。
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