JP4617720B2 - インクジェットプリンタ及び記録ヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットプリンタ及び記録ヘッドに係り、特には紫外線を照射することによって硬化するインクを使用したインクジェットプリンタ及び記録ヘッドに関する。
近年、インクジェット記録方式は、スクリーン印刷方式より簡便・安価・迅速に画像を作成することができるため、写真・各種印刷・マーキング・カラーフィルターといった特殊印刷等の様々な印刷分野に応用されてきている。特に、インクジェット記録方式では、微細なドットを吐出・制御するインクジェット記録方式のインクジェットプリンタと、色再現域・耐久性・吐出適性等を改善したインクと、インク吸収性・色材発色性・表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙とを組み合わせることで、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
従来のインクジェットプリンタには、印刷幅の長さに並んだ複数の吐出口が形成されたラインヘッドからインクを吐出することにより画像記録を行うライン方式、記録ヘッドを主走査方向に移動させて記録ヘッドの移動中に記録ヘッドの吐出口からインクを吐出することにより画像記録を行うシリアル方式がある。
また、インクジェットプリンタは、インクの種類で分類することができる。つまり、従来のインクジェットプリンタには、水系インクを吐出する水系インクジェット方式、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式、紫外線の被照射により硬化する紫外線硬化型インクを用いる紫外線硬化型インクジェット方式等がある。中でも、紫外線硬化型インクジェット方式は、吐出したインクに紫外線を照射すると瞬間的に硬化して、下地に密着するので、溶剤の放出がなく、記録媒体の種類を選ばない利点がある。
ところで、紫外線硬化型インクジェットプリンタでは、吐出口が配置された記録ヘッドのノズル天板の表面にインクが付着して、紫外線が照射されると、その瞬間に硬化して強固に固着するので、その後に記録ヘッドをワイピングして取り除くことができず、正常なインク吐出が行えなくなる。さらに吐出休止中のノズル内のインクに紫外線が照射されると、インクが硬化してノズルが詰まり吐出を再開できなくなる。このため、これに対する防止策として、従来、ノズル天板の表面に、インクを弾いて付着し難くする撥水性処理を施すようにしている(例えば、特許文献1参照)。また、頻繁に印刷を中断して空吐出を行っていた。
また、これら以外にも、ノズル天板を保護する保護天板に対しても、撥水性処理を施す技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、ノズル天板の表面と保護天板の表面とに段差をつけることで、ノズル天板に対する照射光を減少させる技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、撥水性処理に用いられる材料を、滑落速度を基準にして選定する方法が開示されてもいる(例えば、特許文献4参照)。
特許第3188816号公報 特許第3457458号公報 特開2002−79666号公報 特開2003−266702号公報
しかしながら、特に紫外線硬化型インクを用いるインクジェットプリンタでは、紫外線を照射するとインクが瞬間的に硬化して下地に強力に固着するので、下地に密着してしまう。また、吐出休止中のノズル内のインクに紫外線が当たると、贈年して吐出再開できなくなる。また、ノズル天板の表面に付着したインクに紫外線が当たると、当該インクが硬化してしまい、これによりインク吐出不良等を起こす可能性が他の方式のインクジェットプリンタに比べて高くなる。
そこで、本発明の課題は、記録ヘッドのノズル天板の表面に紫外線が当たる量を減らすことにより、ノズル天板の表面でインクが硬化し難くなり、その結果、ノズル天板の表面へのインク固着に基づくトラブルを避け、かつ休止ノズル内のインクメニスカスを微振動させてインクの増粘を避けて、インクの間欠吐出不良を防止することができるインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明におけるインクジェットプリンタは、
紫外線が照射されることによって硬化するインクを記録媒体に吐出する吐出口が配置されたノズル天板及び前記ノズル天板を保護する保護天板を有する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドから前記記録媒体上に吐出された前記インクに対して紫外線を照射する紫外線照射装置と、
を備え、
前記ノズル天板の基板及び前記保護天板の基板の少なくとも一方が、アルミニウム板又はアルミダイカスト板からなっていて、
前記ノズル天板の表面及び前記保護天板の表面の少なくとも一方は、前記基板の上に黒色着色処理層が備えられ、その上に無機紫外線吸収剤コーティング層と撥水性処理層とが備えられることによって形成されていることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記保護天板は、前記ノズル天板における前記記録媒体側で当該ノズル天板の周りを囲むように配置されていることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記紫外線照射装置の紫外線光源が、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管、LEDのうちのいずれか1つであることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
前記記録ヘッドは、前記吐出口までインクを案内するインク流路と、前記インク流路内の前記インクを吐出するための圧電素子を備え、
前記圧電素子は、前記インクの吐出休止時においては前記インクを吐出させない電圧波形で前記吐出口のインクメニスカスを微振動させて、前記インク流路内のインクを攪拌することを特徴としている。
請求項記載の発明における記録ヘッドは、
紫外線が照射されることによって硬化するインクを記録媒体に吐出する吐出口が配置されたノズル天板と、
前記ノズル天板を保護する保護天板とを備え、
前記ノズル天板の基板及び保護天板の基板の少なくとも一方が、アルミニウム板又はアルミダイカスト板からなっていて、
前記ノズル天板の表面及び前記保護天板の表面の少なくとも一方は、前記基板の上に黒色着色処理層が備えられ、その上に無機紫外線吸収剤コーティング層と撥水性処理層とが備えられていることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項記載の記録ヘッドにおいて、
前記保護天板は、前記ノズル天板における前記記録媒体側で当該ノズル天板の周りを囲むように配置されていることを特徴としている。
請求項記載の発明は、請求項5又は6に記載の記録ヘッドにおいて、
前記吐出口までインクを案内するインク流路と、
前記インク流路内の前記インクを吐出するための圧電素子を備え、
前記圧電素子は、前記インクの吐出休止時においては前記インクを吐出させない電圧波形で前記吐出口のインクメニスカスを微振動して、前記インク流路内のインクを攪拌することを特徴としている。
本発明によれば、インクがノズル天板及び保護天板の表面に接触したとしても、その表面張力差が大きいので、強力にはじかれることになる。したがって、ノズル天板及び保護天板の表面にインクが固着・残留しにくくなり、吐出不良を防止することができる。
また、紫外線照射装置から照射された紫外線が吐出口に進入する際、大抵の場合少なくとも一度はノズル天板及び保護天板の表面で反射されているために、吐出口に到達した紫外線の光量は、ノズル天板及び保護天板の表面に吸収されて、インクを硬化させない程度まで低下している。したがって、吐出口内のインクは増粘・硬化することなく、吐出不良を防止することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明に係るインクジェットプリンタの実施形態について、図を参照しながら詳細に説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
図1は、画像記録方式がシリアル方式であるインクジェットプリンタ1を示した斜視図である。
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、プリンタ本体2と、プリンタ本体2を下方から支持する支持台3とを備えている。プリンタ本体2の内部には、左右方向に長尺な平板状のプラテン4が設けられており、プラテン4はウェブ状の記録媒体99(図5に図示)を下から平坦状に支持するものである。
図1においては、画像が記録される記録媒体99を図示していないが、記録媒体99は、プリンタ本体2の背面に設けられた搬入口から送り込まれ、プリンタ本体2の内部に配設された搬送機構(図示省略)によってプラテン4に支持された状態でプリンタ本体2の内部を後から前へ通過し、プリンタ本体2の外部に搬出されるようになっている。つまり、記録媒体99は、搬送機構によってプリンタ本体2の内部を通過するように搬送方向Bに搬送される。
搬送機構は、例えば、図示しない搬送モータ及び搬送ローラ等を備えており、搬送モータの駆動により搬送ローラを回転させることで記録媒体99を搬送するものである。搬送機構は、画像記録時において、後述するキャリッジ5の動作に合わせて、記録媒体99の搬送と停止とを繰り返し記録媒体99を間欠的に搬送するようになっている。
プラテン4の上方には、プリンタ本体2の内部において左右方向に延在するガイド部材6が配設されている。ガイド部材6にはキャリッジ5が支持されており、このキャリッジ5はガイド部材6に案内されて左右に移動自在とされている。また、図示しない駆動機構がキャリッジ5をガイド部材6に沿って移動させるようになっている。なお、以下では、キャリッジ5が移動する方向を走査方向Aとして説明する。
プラテン4の走査方向Aの右側には、キャリッジ5に搭載された複数の記録ヘッド20をメンテナンスするためのメンテナンスユニット7が設けられている。メンテナンスユニット7は、キャリッジ5の移動範囲内であってキャリッジ5の下方に配置されている。
プラテン4の走査方向Aの左側には、インクを貯留する複数のインクタンク8が配設されている。インクジェットプリンタ1に用いられるインクの色としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を基本としており、その他にホワイト(W)、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、ライトブラック(LK)等がある。一つのインクタンク8には、これらの色のうちの何れかの色のインクが貯留されている。基本的にインクタンク8ごとに異なる色のインクが貯留されているが、同じ色のインクが二以上のインクタンク8に貯留されていてもよい。
次に、本実施形態に用いられる「インク」について説明する。
本実施形態に用いられるインクは、光としての紫外線の被照射により硬化する紫外線硬化型インクであり、主成分として、重合性化合物(公知の重合性化合物を含む。)、光開始剤及び色材を少なくとも含むものである。
前記紫外線硬化型インクは、重合性化合物として、ラジカル重合性化合物を含むラジカル重合系インクとカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系インクとに大別されるけれども、その両系のインクが本実施形態に用いられるインクとしてそれぞれ適用可能であり、ラジカル重合系インクとカチオン重合系インクとを複合させたハイブリッド型インクを本実施形態に用いられるインクとして適用してもよい。ここで、ラジカル重合系インクに比べてカチオン重合系インクは、紫外線に対する感度が高く且つ酸素による重合反応の阻害が少ないためインクの硬化に必要な照度を低減できる。このようなことから本実施形態ではインクとしてカチオン重合系の紫外線硬化型インクを用いている。
次に、インクジェットプリンタ1に用いられる記録媒体99について説明する。
本実施の形態に用いられる記録媒体99としては、通常のインクジェットプリンタに適用される普通紙、再生紙、光沢紙等の各種紙、各種布地、各種不織布、塩化ビニル、樹脂、金属、ガラス等の材質からなるものが適用可能である。また、記録媒体99の形態としては、ロール状、カットシート状、板状等が適用可能である。
更に、本実施の形態に用いられる記録媒体99として、樹脂により表面を被覆した各種紙、顔料を含むフィルム、発泡フィルム等の不透明な公知の記録媒体も適用可能である。
以下、キャリッジ5について詳細に説明する。図2は、キャリッジ5を図1と略同じ方向に向かって見て示した斜視図であり、図3は、キャリッジ5を図1において右下から斜め上向きに見て示した斜視図である。なお、図2及び図3においては、キャリッジ5を破線で示し、そのキャリッジ5を透視した状態を図示している。
図2及び図3に示すように、キャリッジ5の後部には、八つのサブタンク9が走査方向Aに一列に並んで搭載されている。サブタンク9には、インクタンク8からインクが色ごとに供給されて一時的に貯留される。
キャリッジ5の前部には、インクを吐出する八つの記録ヘッド20が搭載されており、これら記録ヘッド20は四つずつに二つの組10,11に分かれている。各組10,11においては四つの記録ヘッド20が走査方向Aに一列に並んでおり、一方の組10が他方の組11より左側且つ搬送方向Bの上流側に配置されている。それぞれの記録ヘッド20には、供給管12によって一つのサブタンク9に連通しており、インクが色ごとにサブタンク9から記録ヘッド20に供給されるようになっている。なお、本実施の形態においては、サブタンク9が記録ヘッド20に対して高い位置にあるため、ノズルに対する負圧が発生しない構成となっており、このため、記録ヘッド20のノズル面21からインクがたれてしまう。これを防止するため、本実施の形態では、図示しないポンプ等を備え、ノズルに一定の負圧が掛かるように減圧、制御している。
各記録ヘッド20の外形は、略直方体状に形成されており、各記録ヘッド20はその長手方向が搬送方向Bに平行となるように配置されている。また、各記録ヘッド20は、その下面がノズル面21となっており、プラテン4上を搬送される記録媒体99に対向するように配置されている。各記録ヘッド20のノズル面21には、インクを吐出するための複数の吐出口が搬送方向Bに一列に配列されてノズル列26を形成している。各記録ヘッド20は、変形により内部のインクに圧力を付与するピエゾ素子、内部のインクを膜沸騰させることにより内部のインクに圧力を付与する加熱素子、その他内部のインクに圧力を付与する静電変形素子等を吐出口ごとに有し、これら素子の動作により各吐出口から個別にインクを液滴として吐出するように構成されている。
本実施の形態では、一つの記録ヘッド20からは、YMCKのうちの何れかの色のインクが吐出され、各組10,11において記録ヘッド20ごとに異なる色のインクが吐出される。
図4に示すように、本実施の形態では、記録ヘッド20のノズル面21は、ノズル天板22の基板上に、下層から順に黒色着色層23、無機紫外線吸収剤コーティング層24を備え、ノズル面21の表層となる最上層に撥水性処理層25を備えた構成となっている。
前記ノズル天板22は、前記ノズル列26を囲むように形成された部材であり、本実施の形態では、アルミニウム板又はアルミダイカスト板からなっている。
前記黒色着色層23は、前記ノズル天板21の上に紫外線を反射し難い黒色着色を施した層であり、本実施の形態では、黒色に着色した硬質アルマイト処理液によるセラミック層で構成されている。なお、黒色着色層23としては、これに限るものではなく、例えば黒色に着色したアルマイト処理液によるセラミック層等でもよい。
前記無機紫外線吸収剤コーティング層24は、無機の紫外線吸収剤を塗布した層である。前記無機紫外線吸収剤としては、特に、250nm、350nm、450nm付近の波長領域の紫外線を吸収する無機紫外線吸収剤が好ましい。具体的には、例えばニードラール(商品名、多木化学(株)社製)等の酸化セリウム系の無機紫外線吸収剤を塗布したものが挙げられる。
前記撥水性処理層25は、撥水性処理液を塗布した層であり、例えばアモルファスフッ素樹脂やFEP(パーフルオロエチレン−プロピレンコポリマー)、パーフルオロアルキルシラン等のフッ素系の撥水性処理液を塗布したものが挙げられる。
なお、前記撥水性処理層25を形成する撥水性処理液に前記無機紫外線吸収剤コーティング層24を形成する無機紫外線吸収剤を混合したコーティング剤を塗布することにより、無機紫外線吸収剤コーティング層24と撥水性処理層25が一の層で形成されているようにしてもよい。このような構成とすることにより、簡単で効率的な構成とすることができる。
さらに、前記撥水性処理層25を形成する撥水性処理液と、前記無機紫外線吸収剤コーティング層24を形成する無機紫外線吸収剤と、前記黒色着色層23を形成する硬質アルマイト処理液やアルマイト処理液等の処理液と、を混合したコーティング剤を塗布することにより、黒色着色層23、無機紫外線吸収剤コーティング層24及び撥水性処理層25が一の層で形成されているようにしてもよい。このような構成とすることにより、さらに簡単で効率的な構成とすることができる。
前記キャリッジ5の左右両端には、紫外線を照射するための紫外線照射装置30が搭載されている。一方の紫外線照射装置30は、左端に位置した記録ヘッド20の更に左側に配置され、他方の紫外線照射装置30は、右端に位置した記録ヘッド20の更に右側に配置されている。また、紫外線照射装置30の開口した凹部内には、一又は複数の紫外線光源31が設けられている。
前記紫外線光源31は、その長手方向に沿った中心線から紫外線を放射状に照射するものであり、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管、LEDのうちの少なくともいずれか1つが適用される。
紫外線照射装置30と、その紫外線照射装置30に隣り合う記録ヘッド20との間には、光トラップ40が配設されている。
図2及び図3に示すように、一方の光トラップ40は、左端に位置した記録ヘッド20の更に左側においてキャリッジ5に搭載されており、他方の光トラップ40は、右端に位置した記録ヘッド20の更に右側においてキャリッジ5に搭載されている。
これら光トラップ40は、搬送方向Bに沿って延在する長尺な部材とされており、その長さは少なくとも紫外線照射装置30の搬送方向Bに沿った長さと等しくなっている。また、これら光トラップ40は、記録媒体99に向かって開口するような凹型の部材であり、例えば開口した端縁が記録媒体99と略平行となるように配設されている。
なお、これら光トラップ40の形状は、光トラップ40の内部に紫外線が入射可能で、且つ入射してきた紫外線が光トラップ40の内面にて反射を繰り返すような形状であればよい。
次に、以上のように構成されたインクジェットプリンタ1の動作について説明する。
作業者が記録媒体99をインクジェットプリンタ1にセッティングし、インクジェットプリンタ1の電源をオンとすると、前記紫外線光源31が発光して、記録媒体99に向けて紫外線を照射する。
当該紫外線光源31が発光している状態で、搬送機構が記録媒体99を搬送方向Bに搬送する。ここで、搬送機構は搬送と搬送停止を順に繰り返し、記録媒体99を間欠的に搬送する。
間欠的搬送における停止中にキャリッジ5が走査方向Aに往動又は復動、或いは往復移動する。キャリッジ5の移動に伴って複数の記録ヘッド20もキャリッジ5と一体となって移動するが、これら記録ヘッド20は移動中にノズル面21の各吐出口から記録媒体99に向けてインクを液滴として吐出し、飛翔したインク液滴が、停止している記録媒体99に着弾する。ここで、組10の記録ヘッド20は、図1においてキャリッジ5が走査方向Aに沿って右手前に向かって往動する場合にインクを吐出し、組11の記録ヘッド20は、図1においてキャリッジ5が走査方向Aに沿って左奥に向かって復動する場合にインクを吐出する。これは記録ヘッド20の並び順に吐出するので記録ヘッド20の移動方向で吐出順序が変化することを防ぐためである。
キャリッジ5の移動に伴って二つの紫外線照射装置30もキャリッジ5と一体となって移動するが、記録媒体99に着弾したインクの上を紫外線照射装置30が通過している時に、紫外線光源31から発した紫外線が記録媒体99上のインクに入射する。これによって、インクが硬化する。
ここで、キャリッジ5が走査方向Aに沿って右手前に向かって往動する場合には、組10の記録ヘッド20によって吐出されたインク滴は、図1において左奥にある紫外線照射装置30の紫外線光源31から発した紫外線によって硬化する。この場合、画像が記録媒体99に記録されていく記録方向は、キャリッジ5が移動していく方向であり、図2の左奥にある紫外線照射装置30の紫外線光源31が、組10の記録ヘッド20より記録方向の下流側に配置されていることになる。一方、キャリッジ5が走査方向Aに沿って左奥に向かって復動する場合には、組11の記録ヘッド20によって吐出されたインク滴は、図1において右手前にある紫外線照射装置30の紫外線光源31から発した紫外線によって硬化する。この場合、記録方向は、キャリッジ5が移動していく方向であり、図1の右手前にある紫外線照射装置30の紫外線光源31が、組11の記録ヘッド20より記録方向の下流側に配置されていることになる。
以上のように、複数の紫外線光源31の発光中に搬送機構が記録媒体99を間欠的に搬送するとともにキャリッジ5の往復移動が繰り返され、キャリッジ5の移動中に記録ヘッド20が適宜インク滴を吐出することによって、記録媒体99上に画像が形成される。
このとき、紫外線照射装置30の紫外線光源31から発した紫外線が、図5に示す矢印U1、U2、U3のように、記録媒体99に当たって反射してしまうことがある。
このうち、矢印U1のような角度で発した紫外線は、前記光トラップ40で吸収される。また、矢印U2のような角度で発した紫外線は、記録ヘッド20のノズル面21の無機紫外線吸収剤コーティング層24で吸収される。なお、本発明においては、前記無機紫外線吸収剤コーティング層24及び黒色着色層23の存在により紫外線を吸収するため、矢印U3のようにノズル面21と記録媒体99の間を乱反射する紫外線をなくすことができ、その結果、ノズル面21に当たる紫外線量を低減することができる。
次に、図6の表を参照して、ノズル面21に対して種々のコーティング層を設けた際の光反射率の測定実験について説明する。
ここでは、ノズル天板22としてのアルミダイカスト板に黒色着色層23として黒色着色のアルマイト処理を施したもの(「アルマイト(黒)」と表記)、ノズル天板22としてのアルミダイカスト板に黒色着色層23として黒色着色のアルマイト処理を施した上に無機紫外線吸収剤コーティング層24としての無機紫外線吸収剤を塗布したもの(「アルマイト(黒)+UV」と表記)、ノズル天板22としてのアルミダイカスト板に黒色着色層23として黒色着色の硬質アルマイト処理を施したもの(「硬質アルマイト(黒)」と表記)、ノズル天板22としてのアルミダイカスト板に黒色着色層23として黒色着色の硬質アルマイト処理を施した上に無機紫外線吸収剤コーティング層24としての無機紫外線吸収剤を塗布したもの(「硬質アルマイト(黒)+UV」と表記)及びノズル天板22としてのアルミダイカスト板のみのもの(「ダイカスト」と表記)について、350〜360nmの紫外線光を照射し、そのときの反射率を測定した。また、反射率は、全反射測定と、正反射をカットしたものの測定の二種類の反射率の測定を行った。なお、測定器としては、株式会社日立製作所 U−3300 Spectrophotometer 150φ積分球の型式のものを使用した。
その結果、図6の表に示すように、全反射測定では、アルミダイカスト板のみのものを除いてそれほど差が生じなかったが、反射角度を調整して正反射をカットしたものの測定においては、無機紫外線吸収剤を塗布したものの反射率が0に近い値となり、無機紫外線吸収剤を塗布しないものと大きな差が生じた。これにより、本発明においてノズル面に無機紫外線吸収剤コーティング層を設けることにより、紫外線を吸収して紫外線の乱反射が防止できることがわかった。
以上のように、本実施の形態のインクジェットプリンタによれば、記録ヘッドのノズル面21が、ノズル天板22の上に無機紫外線吸収剤コーティング層と撥水性処理層とを備えているため、撥水性処理層によりノズル面にインクを付着し難くすると共に、ノズル面に紫外線が当たった際に無機紫外線吸収剤コーティング層で紫外線を吸収して、記録ヘッドと記録媒体の間で紫外線が乱反射することを防止することができる。これにより、記録ヘッドのノズル面に紫外線が当たる量を減らすことができ、ノズル面でインクが硬化し難くなる。その結果、ノズル面へのインク固着に基づくインク吐出不良を防止することができる。
特に、本実施の形態では、紫外線を吸収するために無機紫外線吸収剤を使用したコーティング層を備えているため、有機系紫外線吸収剤によるものと比べて、熱による揮発や劣化が少なく、長期間安定した効果を得ることができる。
さらに、インクがカチオン重合性化合物を含むカチオン重合系の紫外線硬化型インクである場合、当該カチオン重合系のインクは高感度であるために低い紫外線照度でインクが硬化するが、本実施の形態により、ノズル面21に当たる紫外線の量を減らすことと、撥水性処理層が設けられていることとによって、カチオン重合系のインクにおいてもノズル面へのインク固着を効果的に防止でき、間欠吐出を向上できる。
また、本実施の形態では、記録ヘッドのノズル面21が、ノズル天板22の上に黒色着色処理層を備え、その上に無機紫外線吸収剤コーティング層と撥水性処理層とを備えているため、黒色着色層によりさらに紫外線吸収効果を高めることができる。
さらに、無機紫外線吸収剤コーティング層と撥水性処理層が一の層で形成されていると、簡単で効率的な構成で前記した効果を得ることができる。
またさらに、本実施の形態では、ノズル天板が、アルミニウム板又はアルミダイカスト板からなっているため、製造時に加工し易く、製品の軽量化を図ることもできる。また、黒色着色層として適する黒色のアルマイト処理や黒色の硬質アルマイト処理を施す場合に、膜厚を均一に保ち、黒色を均一に着色することができ、黒色着色層の形成作業や管理をし易くすることができる。
また、本実施の形態では、紫外線照射装置の紫外線光源として、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管、LEDのうちのいずれか1つを用いることができるため、具体的に前記した効果を得る構成とすることができる。
[第2の実施の形態]
上記の第1の実施の形態では、アルミ板或いはアルミダイカスト板からなるノズル天板22の基板上に、黒色着色層23が備えられ、その上に無機紫外線吸収剤コーティング層24と撥水性処理層25とが備えられることによって形成されたノズル天板22の表面(ノズル面21)を例示して説明したが、第2の実施の形態では、ノズル面が、紫外線吸収率80%以上の材料からなるノズル天板の上に、撥水性処理層が備えられることによって形成されている場合について説明する。なお、以下の説明において第1の実施の形態と同一部分においては同一符号を付してその説明を省略する。
以下、図7〜図15を参照にして、第2の実施の形態のインクジェットプリンタに備わるキャリッジ5Aについて説明する。図7はキャリッジ5Aの表す斜視図である。
この図7に示すように、キャリッジ5Aには、当該キャリッジ5Aの両端に配置される一対の紫外線照射装置30と、一対の紫外線照射装置30の内側に配置される一対の光トラップ40と、一対の光トラップ40の間に配置される四つの記録ヘッド50と、各記録ヘッド50に対応する四つのサブタンク9とが搭載されている。
図8は記録ヘッド50の概略構成を表す断面図であり、図9は記録ヘッド50の内部構成を表す分解斜視図である。この図8及び図9に示すように記録ヘッド50には、複数の吐出口51を有するノズル天板52と、各吐出口51からインクを吐出するために重ね合わされた一対の圧電素子53,54とが設けられている。一対の圧電素子53,54のうち、一方の圧電素子53には複数の壁部56が立設しており、他方の圧電素子54には一方の圧電素子53の各壁部56に重ね合わされる壁部57が設けられている。図中の矢印は圧電素子53,54の分極の方向である。この一対の圧電素子53,54が重ね合わされることによって、それぞれの壁部56,57が複数の圧力室58を形成することになる。また、重ね合わされた一対の圧電素子53,54の下面には、各吐出口51が各圧力室58に対応するようにノズル天板52が固定されている。これにより複数の圧力室58がそれぞれ各吐出口51にインクを案内するインク流路となる。この圧力室58を形成する壁部56,57の一面には、電極70が全面にわたって形成されている。
一方、一対の圧電素子53,54におけるノズル天板52の反対面には、サブタンク9からのインクを各圧力室58に供給させるための供給板59が固定されており、この供給板59には各圧力室58にインクを流入させる流入口60が形成されている。
また、他方の圧電素子54の上面には、各圧力室58を塞ぐカバー板61が壁部57に固定されている。
図10はノズル天板52の周りを表す斜視図である。図8及び図10に示すように、複数の吐出口51が形成されるノズル天板52には、当該ノズル天板52の周りを囲んで保護する保護天板64が取り付けられている。
このノズル天板52及び保護天板64の基板は、波長が220nm以上400nm以下である紫外線を80%以上吸収する材料から形成されている。ここで、紫外線吸収率80%以上を有する材料としては、アルミニウム、カーボンブラック、超微粒子酸化チタン、超微粒子酸化亜鉛、酸化鉄(α−Fe23,Fe34)酸化セリウム等の無機物や、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族化合物やポリイミド樹脂等の有機物が挙げられる。そして、このノズル天板52と保護天板64の基板上には、撥水性処理層が備えられている。
撥水性処理層は、紫外線インクに対する撥水性を高めるために、その表面における臨界表面張力が紫外線硬化型インクの表面張力よりも低くなるように形成されていなければならない。ノズル天板52の表面52a及び保護天板64の表面64aの臨界表面張力が紫外線硬化型インクの表面張力よりも同等以上である場合には、紫外線硬化型インクはノズル天板52の表面52a及び保護天板の表面64a上に接触すると、ノズル天板52の表面52a及び保護天板64の表面64aを覆うように濡れ広がることになり、これに紫外線が照射されると硬化・固着してしまう。
ここで、固体表面の表面張力は直接測定できないので、図11に示すように表面張力が既知の種々の液体をノズル天板52の表面52aや保護天板64の表面64a上に乗せて、接触角θを測り、接触角θと表面張力とをプロットして、外挿法により接触角θが0となる表面張力を求め、これをその固体表面の表面張力(臨界表面張力γc)とみなす。つまり、紫外線硬化型インクを弾かせるには、紫外線硬化型インクの表面張力よりも低い臨界表面張力γcを持つ材料によって撥水性処理層を形成する必要がある。一般的な紫外線硬化型インクは、表面張力が25〜35mN/m程度であるために、ノズル天板52の表面52a及び保護天板64の表面64aの臨界表面張力γcは25mN/m以下であることが好ましい。臨界表面張力γcが25mN/m以下の材料としては、例えば、FEP、サイトップ、テフロン(登録商標)AF、PTFE微粒子、ニッケル共析メッキ、パーフルオロアルキルシラン等が挙げられる。
なお、迅速かつ確実な撥水性を得るためにはノズル天板52の表面52a及び保護天板64の表面64aの臨界表面張力γcが15mN/m以下であることがさらに好ましい。臨界表面張力γcが15mN/m以下となる材料としては、パーフルオロアルキルシランが挙げられる。
そして、ノズル天板52の表面52a及び保護天板64の表面64aにおいては、その上に付着した紫外線硬化型インクを除去するために、図示しないワイピング部材によって頻繁にワイピングされることになる。ワイピングには表面52a,64a上のインク滴の移動性が関係するので、表面52a,64a上のインク滴の移動性を説明する。例えば図12に示すようにワイピングによってインク滴Iが移動を開始すると、インク滴Iの平衡接触角θが消滅して、前進接触角θaと後退接触角θrとが現れる。この前進接触角θaと後退接触角θrとの差を接触角ヒステリシスと呼ぶ。前進接触角θaはまだそのインクで濡れていない表面に対する接触角で、後退接触角θrはすでにそのインクで濡れた表面に対する接触角である。このインク滴Iは微少であるために重力は無視でき、このインク滴に働く力は表面張力だけになり、このインクの表面張力がインク滴Iを移動させる方向と、インクIの移動を妨げる方向に働く。前進接触角θaが高くとも、後退接触角θrが低いと接触角ヒステリシスが大きくなって、インク滴Iが移動しにくくなる。通常測定する平衡接触角は前進接触角θaに近いので、前進接触角θaが高くとも後退接触角θrが低いと、ワイピングしてもインク汚れが落ちにくい。このため、前進接触角θaと後退接触角θrとがともに高い系であれば接触角ヒステリシスを小さくでき、インク滴の移動性及びワイピング性を高めることができる。
図13は、固体表面の親水性/疎水性比率に対する前進接触角θa、後退接触角θrの関係を表した図である。この図13に示すように、前進接触角θaは表面52a,64aの親水性領域の存在に鈍感であり、後退接触角θrは表面52a,64aの親水性領域に敏感であることがわかる。言い換えると前進接触角θaは疎水性表面に親水性領域が大量に分布していても高い接触角を示す。一方、後退接触角θrは疎水性表面に親水性領域が少し含まれていても急速に低下する。これらのことから、接触角が高いだけで撥水性処理層の材料を選ぶと、インクはよく弾くけれどもワイピングしてもインクが取れにくい可能性がある。
また、撥水性処理層に対しては、ワイピングが繰り返して行われることになるが、ワイピングによって撥水性処理層が剥離してはならないために、撥水性処理層をノズル天板52及び保護天板64に強固に接着しておく必要がある。例えば、上記したパーフルオロアルキシランの一種である、CF3(CF37CH2CH2Si(OCH33であると、図14に示すように、3つのメトキシル基の1つがノズル天板52表面の水酸基と結合し、残る2つは空気中の水分と結合して水酸基に変わり、それらが熱処理により縮合して密に詰まったシロキサンネットワークを構築する。これによりCF3基が表面に配向するので、表面52a,64aの臨界表面張力が6mN/mとなる。このように親水性成分が表面52a,64aに現れなければ、後退接触角θrが高くワイピング性を高めることができる。なお、実際にはCF3基の他に酸素原子や炭素原子も表面52a,64aに現れるので、臨界表面張力は10〜15mN/mとなる。この撥水性処理層は、酸素原子を介してノズル天板52及び保護天板64に共有結合していることと、酸素原子を介して3次元架橋していることにより、耐久性が優れている。
次に、インクの吐出時及び吐出休止時における記録ヘッド50の動作について説明する。
記録ヘッド50の圧電素子53,54は、印加電圧によって膨張・収縮する。圧電素子53,54が変形して圧力室58が膨張すればノズル内のインクが圧力室に引き込まれ、収縮すればノズル内のインクが押し出される。
図15は圧電素子53,54にかける電圧波形、圧力室58の縦断面、圧力室の横断面を表す説明図であり、(a)はインクの吐出時、(b)は吐出休止時を表している。なお、この図15(a)、(b)では、(a1),(b1)が電圧波形、(a2),(b2)が圧力室の縦断面、(a3),(b3)が圧力室の横断面を表している。
図15(a)に示すインクの吐出時には、先ず、電圧が付与されていないとき(t1)は、圧電素子53,54が変形していないので、圧力室断面も変形していない。吐出口51内のインクはメニスカスが維持された状態になっている。
その後、圧電素子53,54に+10Vの電圧が印加される(t2)と、圧電素子53,54が変形して、圧力室断面が広がり、インクの圧力が負圧となって吐出口51内のインクは圧力室58の内部に吸引される。ここで、+10Vの電圧を印可する時間は、ノズルの端から端まで圧力波が伝播する時間(アコーステェイックレングスAL)に設定されている。
AL時間経過すると、圧電素子53,54に−10Vの電圧が印可されて、圧電素子53,54が変形して、圧力室58の内部が負圧から正圧に反転する。このタイミングで圧電素子53,54にかかる電圧を取り去り、引き続き、圧力室断面が狭まることになる。この狭まりに際し圧力室断面が初期状態になったとき(t3)には、インクが吐出口51から押し出され始め、圧力室断面が完全に狭まったとき(t4)にはインク滴を形成する。ここで、−10Vの電圧を印可する時間は、+10Vの電圧を印可した際の残留圧力をうち消すためにAL時間の二倍に設定されている。
2AL時間経過すると、圧電素子53,54には電圧が印加されなくなって、圧電素子53,54及びノズル断面は基の状態に戻る(t5)。これによって、インク滴は吐出口51から離間し吐出されることになる。その後、これらの動作が繰り返される。
一方、図15(b)に示す吐出休止時には、先ず、電圧が付与されていないとき(t11)は、圧電素子53,54が変形していないので、圧力室断面も変形していない。吐出口51内のインクはメニスカスが維持された状態になっている。
その後、圧電素子53,54に+10Vの電圧が印加される(t12)と、圧電素子53,54が変形して、圧力室断面が広がる。吐出口51内のインクは圧力室58の内部に吸引される。ここで、+10Vの電圧を印可する時間は、2ALに設定されている。
1AL時間経過すると(t13)インク圧力が反転して正圧になりメニスカスがノズルから押し出される。さらに1AL時間経過すると(t14)メニスカスが引き込まれる。このタイミングで圧力室58の変形を取り去ると、メニスカスが正常位置に戻る。そして、再度+10Vの電圧がインクされるまでの間には、押し出されたインクが吐出口51に戻ってメニスカスを維持することになる。その後、これらの動作が繰り返される。
このように、インクを吐出するための圧電素子53,54が、インクの吐出休止時においてはインクを吐出させない電圧波形で、吐出口51内のインクメニスカスを微振動させるために、吐出口51からインクが押し出されたり戻ったりを繰り返して、ノズル内のインクを攪拌することができる。したがって、吐出休止時にノズル内に紫外線が入射しても、ノズル内のインクが硬化することを防止できる。
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
例えば、上記実施形態では、インクジェットプリンタとしてシリアルプリンタを用いていたが、本発明はこれに限るものではなく、インクジェットプリンタとしてラインプリンタを用いてもよい。
また、上記実施形態では、アルミ板或いはアルミダイカスト板からなるノズル天板としてのノズル天板22の上に、黒色着色層23が備えられ、その上に無機紫外線吸収剤コーティング層24と撥水性処理層25とが備えられることによって形成されたノズル面21や、紫外線吸収率が80%以上の材料で形成されたノズル天板52及び保護天板64の上に、撥水性処理層が備えられることによって形成された表面52a,64aを例示しているが、表面の紫外線吸収率が80%以上で、臨界表面張力がインクの表面張力よりも低ければ、ノズル天板、保護天板の構成は如何なるものであってもよい。例えば、上記したもの以外にも、紫外線吸収率が80%以上であるとともに撥水性を有する材料で形成されたノズル天板及び保護天板等が挙げられる。
また、上記実施形態では、ノズル天板及び保護天板の表面と記録媒体99との間隔について言及していないが、この間隔として好ましいのは、1mm以上4mm以下である。ここで、ノズル天板の表面と記録媒体99との間隔が短いほど、記録ヘッド20,50から吐出されたインク滴の飛翔距離が短くなって、インクの飛行曲がりなどを防止でき、画像の鮮鋭性が向上する。しかしながら、この間隔が1mm未満であると記録ヘッド20,50の表面に異物が固着した場合にその異物によって記録媒体99の詰まりやノズル天板及び保護天板の表面の傷つきなどが誘発されてしまう。このため、ノズル天板及び保護天板の表面と記録媒体99との間隔は1mm以上であれば、異物による障害を防止することができる。
一方、ノズル天板の表面と記録媒体99との間隔が4mmよりも長くなってしまうと、上述した画像の鮮鋭性が低下するだけでなく、記録媒体99表面で反射した紫外線が吐出口51に進入しやすくなってしまう。ノズル天板及び保護天板の表面と記録媒体99との間隔が4mm以下であれば、記録媒体99とノズル天板及び保護天板との間で行われる紫外線の反射回数を増加させることができ、紫外線が吐出口51に到達する以前にノズル天板及び保護天板の表面で何度も吸収されるために、結果として吐出口51に到達する紫外線の光量を低減させることができる。
また、上記実施形態では、紫外線を反射する部分としてノズル天板の表面及び保護天板の表面を例示したが、これ以外にも紫外線を反射する部分もあるために、その他の紫外線を反射する部分についても紫外線吸収率を80%以上、好ましくは90%以上にすることが好ましい。紫外線を反射する部分には、紫外線照射装置30からの紫外線を直接反射する直接反射部材や、一旦反射された紫外線を再度反射する間接反射部材がある。
直接反射部材は、紫外線光源に対向する部材であり、例えば記録媒体、プラテン、メンテナンスユニット、搬送機構、各種カバー類、ケーシング類、シャーシ類などである。一方、間接反射部材は、紫外線光源に対向する部材であり、例えば記録ヘッド、キャリッジ、紫外線照射装置、ガイド部材、光トラップ、インクタンク、各種カバー類、ケーシング類、シャーシ類などである。これらの紫外線吸収率を高めれば、相乗効果によって吐出口に入射する紫外線を低減することができる。
[実施例]
以下、実施例について説明する。この実施例では第2の実施の形態で説明したインクジェットプリンタを用いる。
紫外線光源には、313nmの波長に主ピークを持つ蛍光管を用いて、紫外線光源直下の記録媒体では、波長220nm〜400nmの波長範囲の紫外線の照度が8mW/cm2となるように設定した。照度の測定にはウシオ電気製USR40を用いた。
紫外線硬化型インクとしてカチオン重合系のマゼンタインクを使用した。このインクの作成には、先ず、15質量部のPR−184と、2質量部の分散剤と、83質量部のアロンオキセタンOXT−221とからなるマゼンタ顔料分散物を作成する。その後、このマゼンタ顔料分散物を17質量部、アロンオキセタンOXT−221を40質量部、アロンオキセタン221を30質量部、セロキサイドを30質量部、UVI6990(光酸発生剤)を5質量部配合して、0.8μmのメンブランフィルターにて濾過し、50℃に加熱しながら減圧、脱水してマゼンタインクを得た。このマゼンタインクは、25℃における粘度が32.5mPa/s、表面張力が35.2mN/mであった。
記録ヘッドには、圧電素子により液滴サイズ7plの紫外線硬化型インクをノズルピッチ360dpiで吐出するインクジェットヘッドを用いた。このインクジェットヘッドはノズルを加温できるヒータを備えている。
この記録ヘッドにおけるノズル天板は、正反射成分を含む反射率が15.4%、正反射成分を含まない反射率が0.9%となるポリイミド樹脂板((株)宇部興産製:ユーピレックス)を使用する。このポリイミド樹脂板の一方の面にはレジストを塗布して保護し、他方の面には臨界表面張力が11mN/mのパーフルオロアルキルシラン溶液((株)NIマテリアル製:INT444)を塗布した。パーフルオロアルキルシラン溶液を300℃に加熱しシロキサンネットワークを形成して撥水性処理層を形成した。この撥水性処理層の前進接触角は82゜、後退接触角は44゜であった。そして、このポリイミド樹脂板にエキシマレーザで直径26μmの吐出口を形成した。
ノズル天板の周囲を取り囲んで、ノズル天板を保護する保護天板は、黒色アルマイト加工したアルミニウムで製造して、その表面をノズル天板と同様に撥水性処理層を形成した。黒色アルマイト加工したアルミニウムの正反射成分を含む反射率は5%、正反射成分を含まない反射率は3.1%である。
そして、この実施例においては、記録ヘッドのノズル面と記録媒体との間隔が1.5mm、記録ヘッドのノズル面とプラテン上面との間隔が1.7mm、キャリッジ下面とプラテン上面との間隔が1.5mm、紫外線光源とプラテン上面との間隔が20mmに設定されている。
上記のインクジェットプリンタ及び紫外線硬化型インクを用いて記録媒体に対する種々の吐出試験を行った。以下、各吐出試験の条件及び結果について説明する。
「吐出試験1」
記録ヘッドと記録媒体との間隔を1mmに保ち、紫外線照射装置によって紫外線を記録媒体に照射しながら、記録ヘッドから5plのインク滴を飛行速度8m/sec、吐出周波数12kHzで30分間連続吐出させた。
結果、30分経過しても、吐出停止、飛行速度低下、吐出方向曲がりなどの吐出不良は発生しなかった。
「吐出試験2」
記録ヘッドと記録媒体との間隔を1mmに保ち、紫外線照射装置によって紫外線を記録媒体に照射させながら、30分間、記録ヘッドから5plのインク滴を飛行速度8m/sec、吐出周波数12kHzで、1分毎に吐出と休止を繰り返させた(間欠吐出)。吐出休止時には、インクを吐出しない電圧波形を圧電素子に印加し、吐出口内のインクメニスカスを微振動させた。
結果、30分経過しても、吐出停止、飛行速度低下、吐出方向曲がりなどの吐出不良は発生しなかった。
「吐出試験3」
記録ヘッドと記録媒体との間隔を1mmに保ち、紫外線照射装置によって紫外線を記録媒体に照射させながら、30分間、記録ヘッドから5plのインク滴を飛行速度8m/sec、吐出周波数12kHzで、1分毎に吐出と休止を繰り返させた(間欠吐出)。なお、吐出休止時には、吐出口内のインクメニスカスを微振動させなかった。
結果、吐出開始時には正常な吐出が行われていたものの、次第に画像濃度が低下していった。これは吐出休止時にインクを微振動させていないために、吐出口内に入射した紫外線によってインクが増粘してしまい、インク滴の重量が減少したことが原因だと思われる。
なお、記録ヘッドをメンテナンスユニットに移動させてインクを空吐出させれば、吐出状態は回復するものの、しばしば吐出動作を中断しなければならなかった。また、高価なインクが無駄になった。
「吐出試験4」
記録ヘッドと記録媒体との間隔を5mmに保ち、紫外線照射装置によって紫外線を記録媒体に照射させながら、30分間、記録ヘッドから5plのインク滴を飛行速度8m/sec、吐出周波数12kHzで、1分毎に吐出と休止を繰り返させた(間欠吐出)。吐出休止時には、インクを吐出しない電圧波形を圧電素子に印加し、吐出口内のインクメニスカスを微振動させた。
結果、吐出開始時には正常な吐出が行われていたものの、次第に画像濃度が低下していった。これは記録ヘッドと記録媒体との間隔が広すぎたために、紫外線の反射回数が低減してしまい、紫外線が十分に吸収されなかったことが原因だと思われる。
なお、記録ヘッドをメンテナンスユニットに移動させてインクを空吐出させれば、吐出状態は回復するものの、しばしば吐出動作を中断しなければならなかった。
「吐出試験5」
記録ヘッドと記録媒体との間隔を1mmに保ち、紫外線照射装置によって紫外線を記録媒体に照射させながら、記録ヘッドから5plのインク滴を飛行速度8m/sec、吐出周波数12kHzで30分間連続吐出させた。30分経過後、1時間吐出を停止させた。この間、インクを吐出しない電圧波形を圧電素子に印加し、吐出口内のインクメニスカスを微振動させた。1時間経過後、再度30分間同条件で連続吐出させた。
結果、吐出停止、飛行速度低下、吐出方向曲がりなどの吐出不良は発生せず、画像劣化は起こらなかった。
「吐出試験6」
記録ヘッドと記録媒体との間隔を1mmに保ち、紫外線照射装置によって紫外線を記録媒体に照射させながら、記録ヘッドから5plのインク滴を飛行速度8m/sec、吐出周波数12kHzで30分間連続吐出させた。30分経過後、1時間吐出を停止させた。この場合、1時間経過する直前から、インクを吐出しない電圧波形を圧電素子に印加し、吐出口内のインクメニスカスを微振動させ、その後インク吐出時の電圧波形を圧電素子に付与してインクを空吐出させている。1時間経過後、再度30分間同条件で連続吐出させた。
結果、印刷再開後には、吐出停止、飛行速度低下、吐出方向曲がりなどの吐出不良が発生せず、画像劣化は起こらなかった。
「吐出試験7」
記録ヘッドにおけるノズル天板の撥水性処理層としてFEPを使用して、記録ヘッドと記録媒体との間隔を1mmに保ち、紫外線照射装置によって紫外線を記録媒体に照射させながら、記録ヘッドから5plのインク滴を飛行速度8m/sec、吐出周波数12kHzで30分間連続吐出させた。
結果、FEPの撥水性が十分でないために、ノズル面に固形物が付着し、30分間連続吐出できなかった。このことから連続吐出の間にも、空吐出及びワイピングが必要であることがわかる。
「吐出試験8」
この吐出試験8におけるノズル天板は、正反射成分を含む反射率が92%、正反射成分を含まない反射率が74.7%となるポリエーテルサルホン樹脂板を使用する。このポリエーテルサルホン樹脂板の一方の面にはレジストを塗布して保護し、他方の面には表面張力が11mN/mのパーフルオロアルキルシラン溶液((株)NIマテリアル製:INT444)を塗布した。パーフルオロアルキルシラン溶液を300℃に加熱しシクロサンネットワークを形成して撥水性処理層を形成した。この撥水性処理層の前進接触角は80゜、後退接触角は42゜であった。そして、このポリエーテルサルホン樹脂板にエキシマレーザで直径26μmの吐出口を形成した。
そして、記録ヘッドと記録媒体との間隔を1mmに保ち、紫外線照射装置によって紫外線を記録媒体に照射させながら、30分間、記録ヘッドから5plのインク滴を飛行速度8m/sec、吐出周波数12kHzで、1分毎に吐出と休止を繰り返させた(間欠吐出)。吐出休止時には、インクを吐出しない電圧波形を圧電素子に印加し、吐出口内のインクメニスカスを微振動させた。
結果、吐出開始時には正常な吐出が行われていたものの、次第に画像濃度が低下していった。これはノズル面の紫外線吸収率が80%未満であるために、紫外線を十分に吸収できず、インクを微振動させたとしても吐出口内に入射した紫外線によってインクが増粘してしまい、インク滴の重量が減少したことが原因だと思われる。
なお、記録ヘッドをメンテナンスユニットに移動させてインクを空吐出させれば、吐出状態は回復するものの、しばしば吐出動作を中断しなければならなかった。
以上の吐出試験1〜8の結果を表1にまとめておく。
Figure 0004617720
本発明の第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタを示す斜視図である。 図1のインクジェットプリンタに備わるキャリッジを示した斜視図である。 図1のインクジェットプリンタに備わるキャリッジを図2の斜視方向と反対となる方向に向かって見て示した斜視図である。 記録ヘッドのノズル面付近の様子を模式的に示した図である。 紫外線照射装置からの紫外線が記録ヘッドに当たる様子を示す図である。 ノズル面に対して種々のコーティング層を設けた際の光反射率の測定実験の測定結果を示す表である。 第2の実施の形態のインクジェットプリンタに備わるキャリッジ5Aの表す斜視図である。 図7のインクジェットプリンタに備わる記録ヘッドの概略構成を表す断面図である。 図8の記録ヘッドの内部構成を表す分解斜視図である。 図8の記録ヘッドに備わるノズル天板を表す斜視図である。 インク滴の接触角を表す説明図である。 インク滴の前進接触角及び更新接触角を表す説明図である。 親水性、疎水性に対する前進接触角、後退接触角の関係を表した図である。 図10のノズル天板に備えられる撥水性処理層の一例を表す説明図である。 圧電素子にかける電圧波形、圧力室の縦断面、圧力室の横断面を表す説明図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
2 プリンタ本体
3 支持台
4 プラテン
5,5A キャリッジ
6 ガイド部材
7 メンテナンスユニット
8 インクタンク
9 サブタンク
20,50 記録ヘッド
21 ノズル面
22,52 ノズル天板
23 黒色着色処理層
24 無機紫外線吸収剤コーティング層
25 撥水性処理層
30 紫外線照射装置
31 紫外線光源
40 光トラップ
51 吐出口
53,54 圧電素子
58 圧力室(インク流路)
99 記録媒体
A 走査方向
B 搬送方向

Claims (7)

  1. 紫外線が照射されることによって硬化するインクを記録媒体に吐出する吐出口が配置されたノズル天板及び前記ノズル天板を保護する保護天板を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドから前記記録媒体上に吐出された前記インクに対して紫外線を照射する紫外線照射装置と、
    を備え、
    前記ノズル天板の基板及び前記保護天板の基板の少なくとも一方が、アルミニウム板又はアルミダイカスト板からなっていて、
    前記ノズル天板の表面及び前記保護天板の表面の少なくとも一方は、前記基板の上に黒色着色処理層が備えられ、その上に無機紫外線吸収剤コーティング層と撥水性処理層とが備えられることによって形成されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 請求項1記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記保護天板は、前記ノズル天板における前記記録媒体側で当該ノズル天板の周りを囲むように配置されていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  3. 請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記紫外線照射装置の紫外線光源が、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、熱陰極管、冷陰極管、LEDのうちのいずれか1つであることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタにおいて、
    前記記録ヘッドは、前記吐出口までインクを案内するインク流路と、前記インク流路内の前記インクを吐出するための圧電素子を備え、
    前記圧電素子は、前記インクの吐出休止時においては前記インクを吐出させない電圧波形で前記吐出口のインクメニスカスを微振動して、前記インク流路内のインクを攪拌することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  5. 紫外線が照射されることによって硬化するインクを記録媒体に吐出する吐出口が配置されたノズル天板と、
    前記ノズル天板を保護する保護天板とを備え、
    前記ノズル天板の基板及び保護天板の基板の少なくとも一方が、アルミニウム板又はアルミダイカスト板からなっていて、
    前記ノズル天板の表面及び前記保護天板の表面の少なくとも一方は、前記基板の上に黒色着色処理層が備えられ、その上に無機紫外線吸収剤コーティング層と撥水性処理層とが備えられていることを特徴とする記録ヘッド。
  6. 請求項5記載の記録ヘッドにおいて、
    前記保護天板は、前記ノズル天板における前記記録媒体側で当該ノズル天板の周りを囲むように配置されていることを特徴とする記録ヘッド。
  7. 請求項5又は6に記載の記録ヘッドにおいて、
    前記吐出口までインクを案内するインク流路と、
    前記インク流路内の前記インクを吐出するための圧電素子を備え、
    前記圧電素子は、前記インクの吐出休止時においては前記インクを吐出させない電圧波形で前記吐出口のインクメニスカスを微振動して、前記インク流路内のインクを攪拌することを特徴とする記録ヘッド。
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