JP3943158B2 - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
インクジェットヘッドおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3943158B2 JP3943158B2 JP2542896A JP2542896A JP3943158B2 JP 3943158 B2 JP3943158 B2 JP 3943158B2 JP 2542896 A JP2542896 A JP 2542896A JP 2542896 A JP2542896 A JP 2542896A JP 3943158 B2 JP3943158 B2 JP 3943158B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- diaphragm
- diffusion
- oxide film
- forming
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2/14314—Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録を必要とする時にのみインク液滴を吐出し、記録紙面に付着させるインクジェットヘッド記録装置の主要部であるインクジェットヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンター用印字ヘッドは高精細印字の要求により、精密微細加工と複雑な所望形状が要求されるようになり、特に特開平6−71882号公報に示されているような静電気力を駆動源とするインクジェットヘッドにおいては、振動板の機械的変形特性はインク吐出特性に大きく影響し、振動板の厚みを高精度に制御する必要がある。従来、振動板をSi基板をエッチングして形成する場合、エッチング時間を管理して振動板の厚みを管理する方法が取られてきた。しかし、インクジェットヘッドが小型高性能化するにしたがって、振動板は薄膜化し、更に厚み精度が要求されるようになると、エッチング時間管理だけでは困難となってきた。そこで、特開平6−71882号公報20頁15行にもあるようなエッチストップ技術を用い、p型不純物層のエッチング速度が遅いことを利用し、p型不純物層のみをエッチングにより残留せしめて、振動板となる薄膜を形成する方法が取られるようになってきた。
【0003】
p型不純物層の形成方法としては、液体・固体をソースとする気相拡散法、イオン注入法、拡散源を直接Si基板にコーティングする塗布法などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の従来のp型不純物層形成方法には以下に記するような課題があった。
【0005】
イオン注入法の場合、高価な注入装置を必要とする、あるいはドープできる濃度・深さに限界があると言った課題がある。また、気相拡散法では、基板に接するのが気体であるため、基板表面での拡散源濃度が低く、高濃度に深く拡散させることが難しい。一方、塗布法による不純物拡散ではSi基板上に固体である高濃度拡散源が接しているため、ガスが接する気相拡散方法と比較して、高濃度・短時間の拡散が可能である。しかし、イオン注入法、気相拡散法より高濃度の拡散方法として適している塗布法ではあるが、拡散源が拡散前に基板上にコーティングされた拡散剤であり、拡散剤の拡散能力は有限である。すなわち、コーティングできる拡散剤の厚みには、均一性確保の理由により限界がある。したがって、深い拡散領域を形成するため長時間拡散を行うと、有限な拡散剤中の拡散源が枯渇し、拡散剤の拡散能力が低下して、深い高濃度の拡散が難しいと言う課題があった。
【0006】
また、基板の片側のみに高濃度不純物層を形成すると、基板の厚みが薄い場合、高濃度不純物層の引っ張り応力により高濃度不純物層形成側に向かって凹型に反りが発生すると言う課題があった。
【0007】
本発明の目的は、p型不純物層を振動板とするインクジェットヘッドにおいて、所望の振動板の厚みを得るのに必要な深い高濃度不純物層を形成する方法を供給することにある。
【0008】
また、高濃度不純物層を形成することによって生じる基板の反りを低減させる方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットヘッドは、インク液滴を吐出するノズル孔と、該ノズル孔の各々に連結する吐出室と、該吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、該振動板に変形を生じさせる駆動手段とを備え、前記駆動手段が前記振動板を静電気力により変形させる電極からなり、前記振動板が形成される基板がSi基板であるインクジェットヘッドの製造方法において、
前記Si基板の両面にp型不純物層を形成する工程と、
前記p型不純物層を熱処理により拡散する工程と、
前記p型不純物層が拡散されたSi基板に熱酸化膜を形成する工程と、
前記熱酸化膜にマスクとなるパターンを形成し、該パターンの形状でエッチングすることにより、
前記インク液滴を吐出するノズル孔の各々に連結する前記吐出室と、前記吐出室の一方の壁を構成する前記振動板を形成し、
前記熱酸化膜を除去し、新たな熱酸化膜を再度形成したことを特徴とする。
【0010】
本発明のインクジェットプリンタは、前記インクジェットヘッドの製造方法によることを特徴とする。
【0011】
【作用】
インクジェットヘッドの製造方法における振動板形成方法として、高濃度にドープされたp型領域が、アルカリによるSiエッチングにおけるエッチングレートが非常に小さいことを利用し、高濃度不純物拡散層を振動板として残留させることによって形成する。したがって、高濃度不純物拡散層の厚みが振動板の厚みとなる。高濃度不純物層の形成方法において、不純物拡散を複数回行い、高濃度不純物拡散層厚みを厚くしていくことによって短時間で所望の厚みの振動板を形成できる。
【0012】
また、基板の両面に高濃度不純物拡散層を形成することによって、高濃度不純物拡散層の応力による基板を緩和できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な例に関わるインクジェットヘッドについて詳細に説明する。
【0014】
図1は第1の実施例におけるインクジェットヘッドの分解斜視図で、一部断面図で示してある。本実施例はインク液滴を基板の面部に設けたノズル孔から吐出させるフェイスインクジェットタイプの例を示すものである。図2は組み立てられた全体装置の断面側面図、図3は図2のA−A線矢視図である。
【0015】
本実施例のインクジェットヘッドは、下記に詳記する構造を持つ3枚の基板1・2・3を重ねて接合した積層構造となっている。
【0016】
中間の第1の基板1は、Si基板であり、底壁を振動板5とする吐出室6を構成することになる凹部7と、凹部7の後部に設けられたオリフィス8を構成することになるインク流入口のための細溝9と、各々の吐出室6にインクを供給するための共通のインクキャビティ10を構成することになる凹部11を有する。第1の基板1の全面に熱酸化により酸化膜12を0.1μm形成して絶縁膜とし、インクジェット駆動時の絶縁破壊、ショートを防止するための膜を形成している。
【0017】
第1の基板1の下面に接合される第2の基板2は、ホウケイ酸ガラスを使用し、この基板2に電極13を装着するための凹部14を0.3μmエッチングすることにより、振動板5とこれに対向して配置される電極13との対向間隔、すなわちギャップGを形成している。この凹部14はその内部に電極13、リード部15及び端子部16を装着できるように電極部形状に類似したやや大きめの形状にパターン形成している。電極13は凹部14内にITOを0.1μmスパッタし、ITOパターンを形成することで作製する。
【0018】
したがって、本実施例における第1の基板1と第2の基板2を陽極接合した後のギャップGは0.2μmとなっている。
【0019】
また、第1の基板1の上面に接合される第3の基板3には、厚さ100μmのSi基板を用い、基板3の面部に、吐出室6用の凹部7と連通するようにそれぞれノズル孔17を設け、またインクキャビティ10用の凹部11と連通するようにインク供給口18を設ける。
【0020】
上記のように構成されたインクジェットヘッドの動作を説明する。電極13に発信回路19により0Vから35Vのパルス電位を印加し、電極13の表面がプラスに帯電すると、対応する振動板5の下面はマイナス電位に帯電する。したがって、振動板5は静電気の吸引作用により下方へたわむ。次に、電極13をOFFにすると、振動板5は復元する。そのため、吐出室6内の圧力が急激に上昇し、ノズル孔17よりインク液滴20を記録紙21に向けて吐出する。次に、振動板5が再び下方へたわむことにより、インクがインクキャビティ10よりオリフィス8を通じて吐出室6内に補給される。なお、基板1と発信回路19との接続はドライエッチングにより基板1の一部に開けた酸化膜12の窓(図示せず)において行う。
【0021】
本実施例のインクジェットヘッドにおける振動板5は、高濃度のB(ホウ素)ドープ層であって、ドープ層は所望の振動板厚と同じだけの厚さを有している。アルカリによるSiエッチングにおけるエッチングレートは、ドーパントがBの場合、高濃度(約5×1019cm-3以上)の領域において、エッチングレートが非常に小さくなる(図5)。本実施例では、このことを利用し、振動板形成領域を高濃度Bドープ層とし、アリカリ異方性エッチングにより、吐出室、インクキャビティを形成する際に、Bドープ層が露出した時点でエッチングレートが極端に小さくなる、いわゆるエッチストップ技術により、振動板5を所望の板厚に作製するものである。
【0022】
本実施例におけるインクジェットヘッドの第1の基板1の製造方法を、図4の第1の基板の製造工程図において、B(ボロン)を不純物拡散源して、4μmの振動板5を形成する場合について詳細に説明する。
【0023】
先ず、(110)を面方位とするSi基板の両面を鏡面研磨し、180μmの厚みの基板41を作製する(図4(a))。Si基板41を、熱酸化炉にセットし、酸素及び水蒸気雰囲気中で摂氏1100度、4時間で熱酸化処理を施し、基板41表面に酸化膜42を1μm成膜する(図4(b))。次いで、Bドープ層を形成する面43の酸化膜42を剥離するため、基板41のBドープ層を形成する面43の反対側の面44にレジストをコート、レジストを保護膜としてBドープ層を形成する面43の酸化膜42をフッ酸水溶液にてエッチング除去し、レジストを剥離する(図4(c))。拡散源となるB2 O3 を有機溶剤中に3.15w%を分散した拡散剤45を、酸化膜42を除去した面43に2000rpm,1分間の条件でスピンコーティングし、クリーンオーブン中で摂氏140度の温度で30分間ベークする(図4(d))。このとき拡散剤の厚みは1.2μmとなる。拡散剤45は厚くコーティングできることが望ましく、スピン回転数を下げて膜厚を厚くする、拡散剤中のB2 O3 の濃度を高くすると言った方法が考えられるが、前者は基板内での膜厚のばらつきが大きくなる、後者は分散の均一性が悪くなると言った課題があり、前記のコーティング条件が現在入手可能な拡散剤においては最良な条件である。
【0024】
拡散剤45をコーティングした基板41を熱酸化炉にセットし、酸素雰囲気中、摂氏600度の条件で加熱し、拡散剤45中の有機バインダーを酸化除去しB2 O3 を焼成する。引き続き炉内を窒素雰囲気にし、温度を摂氏1100度に上昇させ、そのまま温度を6時間保持し、BをSi基板中に拡散させ、Bドープ層46を形成する。B2 O3 と基板表面Bドープ層の界面にボロン化合物47が形成されている(図4(e))。炉温が低下したら基板41を取り出し、拡散剤コーティングを繰り返し、拡散剤45の上に拡散剤第2層48を形成する。さらに焼成・拡散を行い、Bドープ層46を厚くする(図4(f))。同様に、拡散剤コーティングを行い、拡散剤第3層49を形成し、焼成・拡散を行い、さらにBドープ層46を厚くする(図4(g))。
【0025】
Bドープ層46を形成した面の反対側44にレジストをコートし、拡散剤45をフッ酸水溶液によりエッチング除去する。基板表面に現れたボロン化合物47は耐エッチング性が高く、ウェトエッチングによる除去が不可能なため、次のような手段をとる。まず、基板41のレジストを剥離した後、基板41を酸化炉にセットし、酸素及び水蒸気雰囲気、摂氏600度の条件でボロン化合物47を1時間酸化し、フッ酸水溶液によるエッチングが可能なB2 O3 +SiO2 50に化学変化させる(図4(h))。なお、酸化の温度が低いため、拡散が進行することはなく、ボロン化合物47をドライエッチングで除去することも可能である。
【0026】
続けて、酸化膜側44に吐出室6、インクキャビティ9を作り込むためのレジストパターニングを施し、フッ酸水溶液でエッチングし酸化膜42をパターニングすると共に、B2 O3 +SiO2 50をエッチング除去する。そして前記基板41のレジストを剥離する(図4(i))。
【0027】
基板41を10w%の濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、Siエッチングを行う。酸化膜42をパターニングした側のSiが露出している部分51から基板41がエッチングされて行き、Bドープ層46に達した時、エッチングが停止してBドープ層46が残留せしめ、Bドープ層46が振動板5となる(図4(j))。前記エッチングの際、Bドープ層形成側43がエッチングされないように治具でBドープ層形成側43を保護し、エッチング液はBドープ層46でのエッチングレートの低下が著しい10w%の水酸化カリウム水溶液を用いる。
【0028】
最後に、基板41に残留する酸化膜42をフッ酸水溶液を用いエッチング除去した後、基板41の表面に熱酸化によって酸化膜12を0.1μm成膜し、第1の基板1が作製される。
【0029】
以上の方法により4±0.2μmの厚み精度の振動板が作製できる。
【0030】
なお、保護治具を使わずに、拡散が終了し、拡散面のボロン化合物47を酸化してB2 O3 +SiO2 50に化学変化させた(図4(h))の状態でさらに熱酸化してBドープ層側に1μmの酸化膜を形成し、酸化膜を耐エッチング膜としてSiエッチングを行う方法も可能であるが、前記の方法では酸化膜成長による基板表面の侵食、及び熱酸化時の加熱に伴うBドープ層からBの内部拡散による高濃度Bドープ層厚みの低下により、得られる振動板厚みが低下する。
【0031】
本実施例のインクジェットヘッドの製造方法における複数回の拡散を繰り返すことの効果について、図5・図6・図7により説明する。
【0032】
図6は拡散時間を一定にして、拡散回数を変え、得られた振動板の厚みの変化を測定した結果である。1回の拡散で得られる振動板の厚みより、2回あるいは3回の拡散で得られる振動板の厚みが厚くなる。18時間拡散の場合、18時間、1回の拡散で3.4μmの厚さの振動板が得られるのに対し、6時間の拡散3回で4.0μmの厚さの振動板が得られている。したがって、拡散回数を増やした方が所望の厚みの振動板を全拡散時間を短くして製造することができる。一方、1回の拡散で3.5μmを越える厚さの振動板を得ようする場合は、拡散源のB供給能力が著しく低下するため作製できない。
【0033】
図7は、拡散回数を変えて作製された振動板の厚み精度を測定した結果である。拡散回数を複数回行い振動板を形成すると、振動板のエッチング表面の面荒れを低下させることができることを示している。前記のことは、拡散の繰り返しによってBの拡散状態が変化し、図5のH部に示すエッチングレート低下のしきい値5×1019cm-3付近でのB濃度変化が急峻になるためである。
【0034】
以上に記してきたように、拡散を塗布法において複数回行うことの効果をまとめると以下のようになる。
【0035】
(1)ドープ層形成における拡散時間を短縮できる。
【0036】
(2)1回の拡散では形成できない厚いドープ層の形成ができる。
【0037】
(3)板厚精度の高い振動板を形成できる。
【0038】
次に、本発明の第2の実施例におけるインクジェットヘッドの、第1の基板1の製造方法を図8に示す製造工程図により詳細に説明する。なお、実施例1における製造工程と同一である拡散工程は一部省略してある。
【0039】
先ず、(110)を面方位とするSi基板の両面を鏡面研磨し、180μmの厚みの基板81を作製する(図8(a))。拡散剤82を、基板81の両面に2000rpm,1分間の条件でスピンコーティングし、クリーンオーブン中で摂氏140度の温度で30分間ベークする(図8(b))。拡散剤82をコーティングした基板81を熱酸化炉にセットし、焼成、6時間の拡散を行い、Bドープ層83を形成する。同様に拡散剤コーティング、焼成、拡散を2回繰り返して、さらにBドープ層83を厚く形成する。そして、拡散剤82をフッ酸水溶液にてエッチング除去し、実施例1に記した方法と同様の方法で表面に形成されたボロン化合物を酸化した後、ボロン化合物が酸化され生成したB2 O3 +SiO2 をフッ酸水溶液によって除去する(図8(c))。基板81を熱酸化炉にセットし、酸素及び水蒸気雰囲気中で摂氏1100度、4時間で熱酸化し、基板81表面に酸化膜84を1μm成膜する(図8(d))。
【0040】
なお、実施例1で記した酸化膜成長による基板表面の侵食、及び熱酸化時の加熱に伴うBドープ層からBの内部拡散による高濃度Bドープ層厚みの低下を考慮し、拡散時間を延長しておくことは言うまでもない。
【0041】
次いで、基板81の片側に吐出室6、インクキャビティ9を作り込むためのレジストパターニングを施し、フッ酸水溶液を用いて酸化膜84をエッチングしてパターニングした後、前記のレジストを剥離する(図8(e))。続いて、10w%の水酸化カリウム水溶液を使用してSi基板81をエッチングし、実施例1と同様に振動板5を形成する(図8(f))。エッチングはSiが露出した部分85より始まるが、Bドープ層83が存在するためエッチングがあまり進まず、Bドープ層83をエッチングするのに要する時間だけエッチング時間が長くなる。
【0042】
最後に、基板81に残留する酸化膜84の除去、および熱酸化処理による基板81への0.1μmの厚さの酸化膜84の成膜によって、第1の基板1が完成する。
【0043】
以上に記してきた製造方法では、Si基板の両面に高濃度Bドープ層が形成されているため、高濃度Bドープ層の応力が基板表裏で打ち消し合い、第1の基板1の反りをなくすことができた。第1の基板1の反りをなくしたことにより、第1の基板1と、第1の基板1に接合する第2の基板2および第3の基板3との接合強度が増した。
【0044】
【発明の効果】
本発明により、エッチストップ技術によって作製される振動板形成において、所望の振動板の厚さを得るために必要とされ、かつ1回の拡散では不可能な厚みのp型不純分物拡散層の形成ができる。また、複数回拡散を行うことによって、B濃度変化を急峻することができ、板厚精度の高い振動板の形成が可能になる。
【0045】
さらに、基板の両面に高濃度不純物層を形成することによって、特に基板の厚みが薄い場合に、高濃度不純物層の引っ張り応力により高濃度不純物層形成側に向かって発生する凹型反りを防止することができる。基板の反りの防止したことにより、印字ヘッド組立時におけるホウケイ酸ガラスとの接合強度を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるインクジェットヘッドの構造を分解して示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施例におけるインクジェットヘッド製造方法の断面側面図である。
【図3】図2のA−A線矢視図である。
【図4】本発明の第1の実施例におけるインクジェットヘッドの第1の基板の製造工程図である。
【図5】アルカリ異方性エッチングにおけるB濃度とエッチングレートの関係を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例におけるインクジェットヘッド製造方法の拡散回数と振動板の厚さの関係を示す図である。
【図7】 本発明の第1実施例におけるインクジェットヘッド製造方法の拡散回数と振動板の厚み精度の関係を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例における第1の基板の製造工程図である。
【符号の説明】
1 第1の基板
2 第2の基板
3 第3の基板
5 振動板
6 吐出室
8 オリフィス
10 インクキャビティ
12 酸化膜
13 電極
17 インク孔
18 インク供給口
41 基板
42 酸化膜
45 拡散剤
46 Bドープ層
47 ボロン化合物
81 基板
82 拡散剤
83 Bドープ層
Claims (2)
- インク液滴を吐出するノズル孔と、該ノズル孔の各々に連結する吐出室と、該吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、該振動板に変形を生じさせる駆動手段とを備え、前記駆動手段が前記振動板を静電気力により変形させる電極からなり、前記振動板が形成される基板がSi基板であるインクジェットヘッドの製造方法において、
前記Si基板の両面にp型不純物層を形成する工程と、
前記p型不純物層を熱処理により拡散する工程と、
前記p型不純物層が拡散されたSi基板に熱酸化膜を形成する工程と、
前記熱酸化膜にマスクとなるパターンを形成し、該パターンの形状でエッチングすることにより、前記インク液滴を吐出するノズル孔の各々に連結する前記吐出室と、前記吐出室の一方の壁を構成する前記振動板を形成する工程と、
前記熱酸化膜を除去し、新たな熱酸化膜を再度形成する工程と、を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。 - 請求項1によりヘッドが製造されている事を特徴とするインクジェットプリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2542896A JP3943158B2 (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | インクジェットヘッドおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2542896A JP3943158B2 (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | インクジェットヘッドおよびその製造方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004168869A Division JP2004249743A (ja) | 2004-06-07 | 2004-06-07 | インクジェットヘッドの製造方法および、インクジェットプリンター |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09216357A JPH09216357A (ja) | 1997-08-19 |
JP3943158B2 true JP3943158B2 (ja) | 2007-07-11 |
Family
ID=12165705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2542896A Expired - Lifetime JP3943158B2 (ja) | 1996-02-13 | 1996-02-13 | インクジェットヘッドおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3943158B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100368929B1 (ko) * | 2000-02-01 | 2003-01-24 | 한국과학기술원 | 발열장치 제조방법 및 열분사방식 잉크젯 프린트헤드제조방법 |
-
1996
- 1996-02-13 JP JP2542896A patent/JP3943158B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09216357A (ja) | 1997-08-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3351427B2 (ja) | インクジェットヘッド | |
JP3387486B2 (ja) | インクジェット記録装置およびその製造方法 | |
KR100397604B1 (ko) | 버블 젯 방식의 잉크 젯 프린트 헤드 및 그 제조방법 | |
JP3943158B2 (ja) | インクジェットヘッドおよびその製造方法 | |
JP3740807B2 (ja) | インクジェットヘッドおよびその製造方法 | |
JP4082424B2 (ja) | インクジェットヘッド | |
US6315394B1 (en) | Method of manufacturing a silicon substrate with a recess, an ink jet head manufacturing method, a silicon substrate with a recess, and an ink jet head | |
JP2005354846A (ja) | 電極基板の製造方法、ならびに、電極基板、静電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、および液滴吐出装置 | |
JP3539126B2 (ja) | インクジェットヘッドの製造方法 | |
JP2004249743A (ja) | インクジェットヘッドの製造方法および、インクジェットプリンター | |
JP3587078B2 (ja) | インクジェットヘッドの製造方法 | |
JP3642271B2 (ja) | インクジェットヘッドの製造方法 | |
JP3767370B2 (ja) | インクジェットヘッドの製造方法 | |
JP3633431B2 (ja) | インクジェットヘッドの製造方法 | |
JP4306364B2 (ja) | 液滴吐出ヘッドの製造方法、液滴吐出ヘッド並びにその吐出ヘッドを備えたプリンタ | |
JPH11277755A (ja) | 凹部を有するシリコン基板とインクジェットヘッドの製造方法およびそのシリコン基板とインクジェットヘッド | |
JPH09234873A (ja) | インクジェットヘッドの製造方法及びそのヘッドを用いたインクジェットプリンタ | |
JP4120317B2 (ja) | インクジェットヘッドの製造方法 | |
JP3942810B2 (ja) | 静電型インクジェットヘッドおよびその製造方法 | |
JP2003311972A (ja) | シリコン基板を利用したノズル形成方法及びインクジェットヘッドの製造方法 | |
JP2004136694A (ja) | インクジェットヘッドの製造方法及びそのヘッドを用いたインクジェットプリンタ | |
JP4100447B2 (ja) | 凹部を有するシリコン基板およびインクジェットヘッド | |
JP2002240299A (ja) | インクジェットヘッドの製造方法 | |
JPH11129463A (ja) | インクジェットヘッド | |
JP2002019129A (ja) | インクジェットヘッドの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040216 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040413 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040607 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20040705 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20040730 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070226 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070405 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110413 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120413 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130413 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140413 Year of fee payment: 7 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |