JP3767370B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録を必要とする時にのみインク液滴を吐出し、記録紙面に付着させるインクジェットヘッド記録装置の主要部であるインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より知られている静電気力を駆動源とするインクジェットヘッドには、中間の基板の上面に接合された基板の面部に設けたノズル孔からインク液滴を吐出させるフェイスイジェクトタイプ、中間の基板の端部に設けたノズル孔からインク液滴を吐出させるエッジイジェクトタイプのものがあるが、何れのタイプも3枚の基板を重ねて接合した積層構造となっている。
【0003】
例えば、フェイスイジェクトタイプの場合、中間の基板は、Si基板からなり、各底壁を振動板とする凹部状の吐出室と、各吐出室にインクを供給する凹部状のリザーバーとが形成されており、この基板の表面には絶縁膜が施されている。絶縁膜は、インクジェット駆動時の絶縁破壊やショートを防止するための膜である。
【0004】
この中間の基板の下面に接合される基板は、ホウケイ酸ガラスが使用され、振動板に間隙を有して対向する電極が装着されている。この電極は、所定のパルス電位を出力するパルス発信回路と電気的に接続されている。また、上面に接合される基板は、Si基板が用いられ、その面部には吐出室と連通する複数のノズル孔と、吐出室とリザーバーを連通するインク流入口用のオリフィスと、リザーバーと連通するインク供給口とが設けられている。
【0005】
前述した振動板は、Si基板のドープ面にボロンを高温で熱拡散させて形成された高濃度のボロンドープ層であって、特開平9−234873号5頁1行記載のエッチングストップ技術を用い、ボロンドープ層のエッチング速度が遅いことを利用し、ボロンドープ層のみを異方性エッチングにより残留せしめて形成されたものである。
【0006】
ボロンドープ層は、縦型炉において、石英ボート上でB2O3を主成分とする固体の拡散源と、拡散源と面積が等しく材質がSiCである支持基板を重ね、拡散源より1.5mmから3mm離してSi基板を配置し、1000℃以上の高温で熱拡散させて形成されたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のボロンドープ層の形成方法において、1000℃以上の高温で熱拡散を行うため、材質がSiCである支持基板から、Siが拡散源の内部へ熱拡散していき、ボロンの熱拡散が不均一になり、Si基板にダメージが発生することによって、この基板の表面に施された絶縁膜の絶縁耐圧が低くなるという課題があった。
【0008】
また、拡散源の一方の面が支持基板と重なっている為、支持基板と重ならない面からしかSi基板に熱拡散をすることができないという課題があった。
【0009】
そこで、本発明は、上記した様な課題を解決するためのもので、ボロンの熱拡散を均一にし、Si基板にダメージが発生することなく、高絶縁耐圧の絶縁膜を形成することが可能なインクジェットヘッドの製造方法を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、拡散源の両面からSi基板に熱拡散させることで、従来より生産性を向上させたインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、インク液滴を吐出する単一または複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に連結する吐出室と、該吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、該振動板に変形を生じさせる駆動手段とを備え、該駆動手段が該振動板を静電気力により変形させる電極からなり、該振動板が高濃度ボロンドープ層からなるSi基板であるインクジェットヘッドの製造方法であって、B23を主成分とする固体の拡散源の上下に該Si基板を配置し、該Si基板に高濃度のボロンを熱拡散させる第1の工程と、該Si基板と対向させる拡散源を、第1の工程で熱拡散させたときと上下反対にすることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、拡散源に全面で接する支持基板を拡散源と重ねる従来の技術と比べ、支持基板からの不純物の熱拡散が抑えられるため、ボロンの熱拡散が均一になり、拡散源に対向して配置したSi基板へのダメージを軽減することができるという効果を有する。さらに、拡散源の両面に対向させたSi基板へ高濃度のボロンを熱拡散できるため、生産性が向上するという効果を有する。
【0013】
上記構成によれば、拡散源の反りを抑制できるため、拡散源とSi基板との対向距離の変化を抑え、ボロンの拡散量を一定にするという効果を有する。
【0014】
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、ボロンドープを、拡散温度が1000℃〜1075℃の範囲内で行うことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、拡散源と石英ボートとの貼り付きを防止するという効果を有する。
【0016】
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、Si基板の高濃度ボロンドープ層を形成する面の反対面に、あらかじめSiO2膜が形成されていることを特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、ボロンの回り込みによりSi基板の高濃度ボロンドープ層を形成する面の反対面にボロンドープ層が形成されるのを防止することができるため、Si基板面内での振動板厚みばらつきを抑えることができるという効果を有する。
【0018】
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、SiO2膜がシリコンの熱酸化膜であることを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、シリコンの熱酸化膜とSi基板との密着性が強いため、吐出室及びリザーバーのパターニング精度が向上し、吐出性能を安定化させるという効果を有する。
【0020】
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、高濃度のボロンを熱拡散させた後、ボロンの回り込みによりSiO2膜の表面に形成されたボロンドープ層をエッチングすることを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、SiO2膜の膜質変化による耐ふっ酸性の低下を防ぎ、吐出室及びリザーバーのパターニング精度が向上するという効果を有する。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
図1は本発明に関わるインクジェットヘッドの分解斜視図で、一部断面図で示してある。本実施例はインク液滴を基板の面部に設けたノズル孔から吐出させるフェイスインクジェットヘッドの例を示すものである。図2は組み立てられた全体装置の側面の断面図、図3は図2のA−A‘線矢視図である。本実施例のインクジェットヘッドは、下記に詳記する構造を持つ3枚の基板1・基板2・基板3を重ねて接合した積層構造となっている。
【0023】
中間の第1の基板1は、Si基板であり、底壁を振動板4とする吐出室5を構成することになる凹部6と、各々の吐出室5にインクを供給するための共通のリザーバー9を構成することになる凹部10を有する。第1の基板の全面に、プラズマCVDにより、TEOS膜を0.1ミクロン形成し絶縁膜としている。これは、インクジェット駆動時の絶縁破壊、ショートを防止するためである。
【0024】
第1の基板1の下面に接合される第2の基板2は、ホウケイ酸ガラスを使用し、この第一の基板1に電極12を装着するための凹部13を0.3ミクロンエッチングすることにより、振動板4とこれに対向して配置させる電極12との対向間隔、すなわちギャップGを形成している。この凹部13はその内部に電極12、リード部14及び端子部15を装着できるように電極部形状に類似したやや大きめの形状にパターン形成している。電極12は凹部13内にITOを0.1ミクロンスパッタし、ITOパターンを形成することで作製する。
【0025】
したがって、本実施例における第1の基板1と第2の基板2を陽極接合した後のギャップGは、0.2ミクロンとなっている。
【0026】
また、第1の基板の上面に接合される第3の基板3には、厚さ100ミクロンのSi基板を用い、基板3の面部に、吐出室5用の凹部6と連通するようにそれぞれノズル孔16を設け、吐出室5用の凹部6とリザーバー9用の凹部10を連通するオリフィス7を構成することになるインク流入口のための細溝8を設け、リザーバー9用の凹部10と連通するようにインク供給口17を設ける。
【0027】
上記のように構成されたインクジェットヘッドの動作を説明する。電極12に発信回路18により0Vから35Vのパルス電極を印加し、電極12の表面がプラスに帯電すると、対応する振動板4の下面はマイナス電位に帯電する。したがって、振動板4は静電気の吸引作用により下方へたわむ。次に、電極12をOFFにすると、振動板4は復元する。そのため、吐出室5内の圧力が急激に上昇し、ノズル孔16よりインク液滴19を記録紙20に向けて吐出する。次に、振動板4が再び下方へたわむことにより、インクがリザーバー9よりオリフィス7を通じて吐出室5内に補給される。なお、基板1と発信回路18との接続は、ドライエッチングにより基板1の一部に開けた酸化膜の窓(図示せず)において行う。また、インクジェットヘッドへのインクの供給は、リザーバー9の端部のインク供給口17により行う。
【0028】
本実施例のインクジェットヘッドにおける振動板4は、高濃度のボロンドープ層であって、ボロンドープ層は所望の振動板厚と同じだけの厚さを有している。アルカリによるSiエッチングにおけるエッチングレートは、ドーパントがボロンの場合、高濃度(約5×1019cm-3以上)の領域において、エッチングレートが非常に小さくなる。本実施例では、このことを利用し、振動板形成領域を高濃度ボロンドープ層とし、アルカリ異方性エッチングにより、吐出室5、リザーバー9を形成する際に、ボロンドープ層が露出した時点でエッチングレートが極端に小さくなる、いわゆるエッチングストップ技術により、振動板4を所望の板厚に作製するものである。
【0029】
本実施例におけるインクジェットヘッドの第1の基板1の製造方法を、図4の第1の基板1の製造工程図、図5のボロン拡散方法図において、B23をボロン拡散源として、厚さ0.8ミクロンの振動板4を形成する場合について詳細に説明する。
【0030】
先ず、(110)を面方位とするSi基板41の両面を鏡面研磨し、140ミクロンの厚みの基板を作製する(図4(a))。Si基板41を、熱酸化炉にセットし、酸素および水蒸気雰囲気中で1075℃、4時間で熱酸化処理を施し、Si基板41表面に酸化膜42を1.2ミクロン成膜する(図4(b))。次いで、ボロンドープ層を形成する面43の酸化膜42を剥離するため、Si基板41のボロンドープ層を形成する面43の反対の面44にレジストをコートし、レジストを保護膜としてボロンドープ層を形成する面43の酸化膜42をふっ酸水溶液にてエッチング除去し、エッチング後、レジストを剥離する(図4(c))。
【0031】
23を主成分とする固体の拡散源51を石英ボート53にセットし、拡散源51と2.5mm隔てて、拡散源51の上下にSi基板41を、ボロンドープ層が形成される面43を拡散源51に対向させてセットする。Si基板41の間に、ボロンの回り込みを防止するためにダミーSi基板52をセットする(図5)。縦型炉に石英ボート53をセットし、炉内を窒素雰囲気にし、温度を1050℃に上昇させ、そのまま温度を6時間保持し、ボロンをSi基板41中に拡散させ、ボロンドープ層45を形成する(図4(d))。
【0032】
ボロンドープ層45が形成された面43の反対面44の表面には、わずかながらボロンが回り込み、酸化膜42中に薄いボロンドープ層46が形成される。前記ボロンドープ層を除去するため、ふっ酸水溶液に30秒浸し、エッチングする(図4(e))。
【0033】
ボロンドープ層45のSi基板41表面にはボロン化合物が形成されるが(図示なし)、酸素及び水蒸気雰囲気中、600℃の条件で1時間30分酸化することで、ふっ酸水溶液によるエッチングが可能なB23+SiO2に化学変化させることができる。B23+SiO2に化学変化させた状態で、Si基板41のボロンドープ層45が形成された面43の反対面44に吐出室5、リザーバー9を作り込むためのレジストパターニングを施し、ふっ酸水溶液でエッチングし酸化膜42をパターニングする。この時ボロンドープ層45のSi基板41表面上に形成されたB23+SiO2も同時にエッチングされる。そしてレジストを剥離する(図4(f))。
【0034】
酸化膜42のパターニング後、プラズマCVDによりTEOS膜をボロンドープ層45表面に、成膜時の処理温度は360℃、高周波出力は700W、圧力は250mTorr、ガス流量はTEOS流量100sccm、酸素流量1000sccmの条件で1.2ミクロン成膜する(図4(g))。
【0035】
Si基板41を35w%の濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、SiエッチングをSi板厚が10ミクロンになるまで行う(図4(h))。続けてSi基板41を3w%の濃度の水酸化カリウム水溶液に浸し、ボロンドープ層45でのエッチングレート低下によるエッチングストップが十分効くまでエッチングを続ける(図4(i))。ここでエッチングストップとは、エッチングにエッチング面から発生する気泡が停止した状態と定義し、実際のエッチングにおいて気泡の発生の停止をもってエッチングストップと判断する。
【0036】
前記の2種類の濃度の異なる水酸化カリウム水溶液を用いたエッチングを行うことによって、振動板4の面荒れを抑制し、厚み精度を0.8±0.03ミクロン以下にすることができ、インクジェットヘッドの吐出性能を安定化させることができる。
【0037】
Siエッチング工程を経た後、ふっ酸水溶液で酸化膜をエッチングし(図4(j))、プラズマCVDによりTEOS膜47をSi基板41全面に、成膜時の処理温度は360℃、高周波出力は250W、圧力は500mTorr、ガス流量はTEOS流量100sccm、酸素流量1000sccmの条件で0.1ミクロン成膜する(図4(k))。TEOS膜を形成する前には、圧力は0.5torr、O2流量は1000sccm、高周波出力は250W、処理温度は360℃、処理時間は1分間の条件でO2プラズマ処理を施す。これによりSi基板41の表面がクリーニングされ、TEOS膜の絶縁耐圧の均一性を向上させている。またTEOS膜を形成した後に当該TEOS膜上に、窒素雰囲気中、処理温度は1000℃、処理時間は1時間の条件でアニール処理を施す。このアニール処理を行うことで、TEOS膜の緻密性が向上し、絶縁耐圧をさらに向上させている。
【0038】
ガラス基板2に配置された電極12に対向するSi基板の表面状態は、ボロンドープ工程における拡散源51を支持する材質がSiCである支持基板の有無によって異なり、本実施例におけるSiC基板を用いない場合、Si基板表面43には曇りが観察されず、ダメージが発生していなかった。また、従来の技術と同様に、拡散源51と全面で接する円状のSiC基板を用いた場合、Si基板表面43に曇りが確認され、ダメージが発生していた。
【0039】
また、前記方法により形成された絶縁膜11の絶縁耐圧は、SiC基板を用いない場合は、Si基板面内の平均で10.0MV/cmの絶縁耐圧が得られ、また、拡散源51と全面で接する円状のSiC基板を用いた場合は、Si基板面内の平均で3.0MV/cmの絶縁耐圧が得られた。
【0040】
前記拡散源51を支持するSiC基板を用いない熱拡散方法によって、ボロンドープ工程で発生するSi基板へのダメージを軽減させ、ボロン拡散面上に成膜したTEOS膜の絶縁耐圧を高く保持することができた。
【0041】
(実施例2)
本発明第2の実施例である拡散温度の差違による拡散源と石英ボートとの貼り付きの有無及び拡散源の下方への反り量の差違については下記の表1に示す通りである。
【0042】
拡散温度が1000℃〜1075℃である場合、拡散源を支持する石英ボートとの貼り付きは起こらなかった。拡散温度が1100℃である場合、拡散源から拡散されるB23の石英ボートへの蒸着量が多くなるため、拡散源と石英ボートとの間に厚いB23層が形成され、その結果、拡散源と石英ボートとの貼り付きが起こった。
【0043】
拡散源の下方への反り量は、拡散温度によって異なり、下方に設置したSi基板との対向距離は拡散温度が高くなる程狭くなり、上方に設置したSi基板との対向距離は拡散温度が高くなる程広くなり、その結果、下方に設置したSi基板と上方に設置したSi基板とで、拡散量が異なる現象が見られた。
【0044】
拡散源の使用回数が2回目以降の熱拡散では、前回拡散したときと拡散源の上下の面を反対にすることで、拡散源が一方向に反るのを防ぐことができた。
【0045】
【表1】
Figure 0003767370
【0046】
(実施例3)
本発明第3の実施例である高濃度のボロンを熱拡散させた後、ボロンの回り込みにより拡散面と反対面のSiO2膜表面に形成されるボロンドープ層のエッチングの有無による吐出室及びリザーバーのパターニング精度の差違について、図6のパターニング工程図において説明する。
【0047】
ボロンドープ工程後、拡散面と反対面に吐出室及びリザーバーのレジストパターニング61を行う前に、ボロンの回り込みによりSiO2膜表面に形成された極薄のボロンドープ層を、ふっ酸水溶液によりエッチングしない場合、ボロンが熱拡散されたSiO2膜は、ふっ酸水溶液に対するエッチングレートが増加するため、レジストパターニング61のアンダーカットが進行しやすくなる(図6(a)〜(b))。このため、吐出室及びリザーバーのパターニング精度が悪化し、インクジェットヘッドの吐出性能が低下する。
【0048】
ボロンドープ工程後、ふっ酸水溶液にSi基板を30秒程度浸し、ボロンの回り込みによりSiO2膜表面に形成された極薄のボロンドープ層をエッチングする場合、レジストパターニング61のほぼ垂直方向に、吐出室及びリザーバーのパターニングを行うことができる(図6(d)〜(f))。これにより、吐出性能を安定化させたインクジェットヘッドを製造することができた。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のインクジェットヘッドの製造方法によれば、拡散源を支持する材質がSiCである支持基板を用いないことによって、支持基板からの不純物の熱拡散が抑えられるため、ボロンの熱拡散が均一になり、拡散源に対向して配置したSi基板へのダメージを軽減することができ、Si基板の拡散面上に成膜したTEOS絶縁膜の絶縁耐圧を高く保持することができる。また、拡散源の両面に対向させたSi基板へ高濃度のボロンを熱拡散できるため、生産性を向上することができる。
【0050】
加えて、Si基板と対向させる拡散源の面を、前回熱拡散させたときと上下反対にすることによって、拡散源の反り量が一方向に増加することを防ぎ、ボロン拡散量のSi基板の面内均一性が悪化するのを防止することができる。
【0051】
さらに、ボロンドープ工程後、Si基板をふっ酸水溶液に浸し、ボロンの回り込みによって拡散面と反対面に形成されたボロンドープ層をエッチングすることで、吐出室及びリザーバーのパターニング精度が向上し、安定した吐出性能を誇るインクジェットヘッドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるインクジェットヘッドの構造を分解して示す斜視図。
【図2】本発明の実施例におけるインクジェットヘッドの断面側面図。
【図3】図2のA−A‘線矢視図。
【図4】本発明の第1の実施例におけるインクジェットヘッドの第1の基板の製造工程図。
【図5】本発明の第1の実施例におけるボロン拡散方法図。
【図6】本発明の第3の実施例におけるパターニング工程図。
【符号の説明】
1 第1の基板
2 第2の基板
3 第3の基板
4 振動板
5 吐出室
6 凹部
7 オリフィス
8 細溝
9 リザーバー
10 凹部
11 絶縁膜
12 電極
13 凹部
14 リード部
15 端子部
16 ノズル孔
17 インク供給口
18 発信回路
19 インク液滴
20 記録紙
41 Si基板
42 酸化膜
43 ボロンドープ層を形成する面
44 反対の面
45 ボロンドープ層
46 反対の面に形成されたボロンドープ層
47 TEOS膜
51 拡散源
52 ダミーSi基板
53 石英ボート
61 フォトレジスト

Claims (5)

  1. インク液滴を吐出する単一または複数のノズル孔と、該ノズル孔の各々に連結する吐出室と、該吐出室の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、該振動板に変形を生じさせる駆動手段とを備え、該駆動手段が該振動板を静電気力により変形させる電極からなり、該振動板が高濃度ボロンドープ層からなるSi基板であるインクジェットヘッドの製造方法であって、
    23を主成分とする固体の拡散源の上下に該Si基板を配置し、該Si基板に高濃度のボロンを熱拡散させる第1の工程と、該Si基板と対向させる拡散源を、第1の工程で熱拡散させたときと上下反対にすることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. ボロンドープを拡散温度が1000℃〜1075℃の範囲内で行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記Si基板の高濃度ボロンドープ層を形成する面の反対面に、あらかじめSiO2膜が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 前記SiO2膜がシリコンの熱酸化膜であることを特徴とする請求項3記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 高濃度のボロンを熱拡散させた後、ボロンの回り込みにより前記SiO2膜の表面に形成されたボロンドープ層をエッチングすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
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