JP3942143B2 - 電子写真用現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真用現像剤及び画像形成方法に関し、さらに詳しくは、特に、像担持体上に残存したトナーを現像に再使用する適した電子写真用現像剤及びこの現像剤を用いる画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の像担持体上に静電荷による潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナー粒子を付着させ可視像を形成している。
トナーにより形成された可視像は、最終的に紙等の転写媒体に転写後、熱、圧力、溶剤気体等によって転写媒体に定着され、出力画像となる。
【0003】
このような画像形成方法は、可視像化のためのトナー粒子を帯電させる方法により、トナー粒子とキャリア粒子の攪拌、混合による摩擦帯電を用いる二成分現像方式と、キャリア粒子を用いずにトナー粒子への電荷付与を行う一成分現像方式とに大別される。
また、一成分現像方式は、現像ローラーへのトナー粒子の保持に磁気力を使用するか否かにより、磁性一成分現像方式と非磁性一成分現像方式に分類される。
【0004】
これまで、高速性、画像再現性を要求される複写機や、これをベースとした複合機等では、トナー粒子帯電の安定性、立上がり性及び画像品質の長期的安定性等の要求から、二成分現像方式が多く採用され、省スペース性、低コスト化等の要求が大きい小型のプリンター、ファクシミリ等には、一成分現像方式が多く採用されてきていた。
【0005】
近年、自然環境保全に対する配慮から、主に一成分現像方式で採用されているユニットのリサイクル、リユースが実現されつつあり、同時に、二成分現像方式においても、一層の現像剤の高寿命化の要求が高まってきている。
また、近年の省エネルギー化の機運に伴い、画像形成におけるトナーの定着エネルギーは低くなり、このために、これまでよりも低い熱エネルギーで軟化する樹脂がトナー用の結着樹脂として採用される傾向がある。
これらの樹脂は、常温でも粘着性が大きくなりやすく、常温下でのトナー粒子同士の結着防止によるトナー流動性確保のためや、トナー母体粒子組成成分のキャリア粒子表面への固着(いわゆるトナースペント)を防止するために、流動性改良剤としての外添微粒子を多く含みがちとなっている。
このようなトナーでは、トナー母体粒子組成成分のキャリア粒子表面への固着を抑制する必要性から、トナー中に多く含まれる外添微粒子の一部を遊離状態としているため、これら微粒子自身が、キャリア粒子表面へ撹拌等の外力の作用により強く付着し、キャリア粒子の電荷付与能力変動をはじめとする現像剤特性の変動を引き起こすことがあった。
【0006】
一方、省資源の観点から、像担持体から紙等の画像転写媒体上へトナーを転写した後に像担持体上へ残った転写残存トナーを、機内で再使用するためのトナーリサイクル工程を含む画像形成方法が、一般的に採用されてきている。
このようなトナーリサイクル工程を含む画像形成方法においては、トナーリサイクル工程のトナー搬送経路において、トナー中の外添微粒子のトナー母体粒子への埋没が生じることがある。
そこで、これに伴うトナー流動性が変動を抑制するためには、トナー中の遊離した添加微粒子の量を適正な範囲に制御することがより重要となる。
これまでの電子写真用現像剤では、添加微粒子の遊離率を使用期間内において十分に適正範囲に保持できないことがあり、現像剤特性の経時変動を、十分には制御できていないものであった。
これらの現像剤特性の変動が生じると、経時変化として、画像濃度の低下、地肌カブリの発生、解像力の低下等といった画像品質の劣化が現れ、さらには、像担持体の物理的、電気的損傷の発生、帯電部材の汚染等の画像形成系の劣化をも引き起こすことがあり、画像形成装置自体の寿命を縮めることもなるのであった。
【0007】
よって、長期間にわたり、安定した良好な品質の画像を得るために、さらには画像形成装置の寿命を維持するためには、現像剤の特性が使用期間により変動することなく、安定していることが重要となり、これまでにも、経時変動の抑制に着眼した種々な提案がなされてきている。
これらの例としては、特開平6−43686号公報では、表面が凹凸構造であるキャリアと表面が凹凸構造でないキャリアを同時に使用することにより、トナースペントを防止しつつ帯電の立ち上がりをよくすることが提案されている。
特開平8−190224号公報では、表面に微小な凹凸を有する中心粒径60〜100μmの磁性キャリアと、中心粒径5〜8μmの球形トナーを用いることにより、キャリア表面積を広くし、微粉トナーがキャリア表面に付着してもトナー帯電を可能とすることが提案されている。
また、特開平9−244301号公報では、平均球形度が1.1以上、1.5以下であり、球形度が1.3未満のものを70個数%以上有することにより、球形度に現れる程度のキャリア表面凹凸を抑制し、トナー微粉のスペントを防止することが提案されている。
【0008】
しかしながら、これらの提案は、キャリア粒子表面へのトナー母体組成成分の固着に着目したものであるため、一層の現像剤の長寿命化が求められ、かつ省資源化が図られる状況下、このようなトナー中の添加微粒子のキャリア粒子表面への固定化を防止し、十分に安定した現像剤特性を有する電子写真用現像剤、画像形成方法は、全く検討の対象とされてはいないのであった。
【0009】
また、特開平6−273971号公報においては、トナー粒子への微粒子の添加量及びトナー粒子表面の添加微粒子による被覆率を、特定範囲とすることにより、添加微粒子がトナー母体粒子表面へ埋没され、脱離することがないために、繰り返し複写したときにも初期の品質が得られるとしている。
しかしながら、添加剤が全てトナー母体粒子表面に埋没された状態では、トナーの流動性を充分に維持することは困難となり、流動性を高めるためには、トナー母体粒子から遊離した添加微粒子が必要となる。
これらの微粒子は、キャリア粒子表面近傍にも存在し得るため、キャリア粒子表面へ移行できる状態となっている。
すなわち、この提案による場合でも、キャリア粒子の表面特性変化を抑制することはできないものであった。
【0010】
このように、二成分現像剤において、さらに長期間、現像剤特性変動を抑制するための提案、特にトナー中の添加微粒子のキャリア粒子表面への固定化抑制に関する提案は、いまだなされておらず、現像剤の交換をすることなく高品質の画像を安定して得ることは、きわめて困難な課題として残されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来及び現状の問題点に鑑み、現像剤の特性の経時的変動を実質上無視し得る程度に抑制し、きわめて長期に亘り高品質の画像を保持することができ、より低い定着エネルギーにより定着することのできるトナーであっても、高品質な画像を維持できる高機能の電子写真用現像剤を提供すると共に、廃棄トナーを極力少なくすることができ、自然環境保全に対して寄与するところの多大な画像形成方法を提供することをその課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
現像剤特性の変動を抑制するためには、摩擦電荷付与部材としてのキャリア粒子表面の特性の経時的変動を抑制することが重要であり、中でもキャリア粒子表面の電荷付与特性変動を抑制することが特に重要である。
キャリア粒子表面の電荷付与特性変動は、トナーとの撹拌、摩擦時の衝撃力により、トナー組成成分がキャリア粒子表面へ移行して固着し、キャリア粒子表面を汚染することが大きな要因となっている。
したがって、このような現象の発生を抑制することにより、キャリア粒子の電荷付与特性変動をきわめて小さくすることができる。
【0013】
また、この電荷付与特性の経時的変動には、上記のように、トナー母体粒子成分固着の影響もさることながら、その外添微粒子のキャリア粒子表面上への移行、固定化によるトナーとキャリア粒子表面の略均質化の影響がきわめて大きい。すなわち、十分なトナー流動性を保持させ、補給トナーの現像剤中への速やかな拡散を保ちつつ、トナーに含まれる添加微粒子のキャリア粒子表面への移行をできるだけ少なくすることが、現像剤特性の経時的変動の抑制には重要な因子となるのである。
【0014】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、キャリア粒子表面の微細凹凸状態と、トナーに含まれる添加微粒子の一次粒子径範囲及び該添加微粒子の遊離率範囲に、この添加微粒子のキャリア粒子表面への固着を大幅に抑制し得る特定の関係が存在し、これらの関係を特定することにより、トナー流動性を保ちつつ、初期現像剤特性がきわめて長期間にわたり保持できるということを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0015】
すなわち、本発明によれば、第1に、着色剤と結着樹脂とを含有するトナー母材粒子に微粒子を外添したトナー及びキャリア粒子を混合してなる電子写真用現像剤において、該キャリア粒子に、少なくとも磁性体からなるコア材の表面に樹脂層を含むコート層を設けたものであり、かつ該キャリア粒子表面の500nm×500nm領域内の表面粗さRz(nm)、トナー中の該外添微粒子の遊離率K(個数%)及び該外添微粒子の一次平均径D(nm)が、下記式(1)の関係にあることを特徴とする電子写真用現像剤が提供される。
1.5×sin〔(π/2)×(K/100)〕<D/Rz (1)
〔式(1)中、sinは〔 〕内の三角関数(正弦)を示す。関数の〔 〕内はラジアン単位である。〕
【0016】
この第1の発明には、該コート層が、主鎖及び/又は側鎖にシロキサン結合を有する化合物を含有するものである電子写真用現像剤、該外添微粒子の遊離率Kが、75個数%以下である電子写真用現像剤、該外添微粒子を、トナー母材粒子に対して重量基準で0.5〜5%添加したものである電子写真用現像剤及び該トナー中の粒径4.0μm以下のトナーの粒子が、50個数%以下である電子写真用現像剤が含まれる。
【0017】
また、本発明によれば、第2に、像担持体上に形成された静電潜像を、トナー及びキャリアからなる電子写真用現像剤によって現像する画像形成する画像形成方法において、電子写真用現像剤として、第1の発明の電子写真用現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法が提供される。
【0018】
この第2の発明には、該像担持体をクリーニングし、該クリーニングによって回収されたトナーを再使用して現像するものである画像形成方法が含まれる。
【0019】
【発明の実施の形態】
トナー中に遊離添加微粒子が存在する場合、キャリア粒子表面の微細表面粗さスケールより添加微粒子スケールの方が小さいと、遊離した添加微粒子がキャリア粒子表面に移行後、一定箇所に留まることが多くなり、これが起因して添加微粒子の固定化が発生し、キャリア粒子表面性状を変化させ易くなる。
また、その変化は、添加微粒子の遊離率により異なり、添加微粒子の遊離率が大きい方が、より早くキャリア粒子表面性状の変化が現れる。
【0020】
すなわち、添加微粒子の遊離率とキャリア粒子表面の微細表面粗さ及び添加微粒子粒径には、現像剤特性を安定に保つための特定な関係が存在する。
これらの関係を、本発明に規定の範囲とすることにより、トナー添加微粒子は、実質上、キャリア粒子表面の特定部位に留まることなく速やかに転動するのである。
これにより、トナー添加微粒子のキャリア粒子表面への固定化はきわめて少なくなり、制御されていない現像剤と比較して、長期に亘り、キャリア粒子表面の変化を抑制することができ、安定した現像剤特性を発現させることができる。
【0021】
逆に、各値の関係が、上記式(1)を逸脱するような場合には、遊離添加微粒子が、キャリア粒子表面の凹部に固定化され、キャリア粒子特性の経時変化を促進することとなる。
さらには、上記式(1)は、1.8×sin〔(π/2)×(K/100)〕<D/Rzであることがより好ましい。
一方、添加微粒子の粒径が比較的大きいと、良好なトナー流動性、現像剤流動性を保持し難くなるため、D/Rzは、10以下であることがより好ましい。
【0022】
ここで、キャリア粒子表面のRzを得るための微細凹凸構造は、概略以下のようにして、知ることができる。
まず、表面コート層を設けたキャリア粒子を、十分に剛性の高い支持体に固定する。
このとき、固定には、必要に応じて両面テープや接着剤等を用いてもよい。
次に、粒子を固定した試料を、室温、常圧の環境下で、走査型プローブ顕微鏡(SPM)の測定部位にセットする。
引き続き、測定部位を0.5〜10μm程度のスキャン範囲で、測定プローブを共鳴周波数で振動させつつ試料表面を走査する、いわゆるタッピングモード走査を行う。
このとき、プローブ先端の曲率半径は5〜20nm程度、タッピング周波数は150〜450kHz程度が好ましい。
上記条件でタッピングモード走査を行うことにより、微細な表面形状を観測することができる。
【0023】
本発明の現像剤中のキャリア粒子の構成は、上記範囲を取り得る限り、材料を限定するものではなく、従来公知のものが使用でき、例えば、キャリア粒子のコア材に使用できる磁性粒子の例としては、鉄、コバルト、ニッケル等の金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の合金や化合物等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
これら磁性粒子は、単結晶/アモルファスの粒子、単独/複合の焼結体、単独/複合の粒子を樹脂等の高分子物質中に分散させた粒子等、いずれのコア材形態で使用してもよい。
また、磁性粒子を高分子物質中に分散させた粒子で、キャリア粒子の磁気特性と磁性粒子の分散性を両立させるには、これらの磁性粒子は、0.5〜10μm程度の大きさの粒子を含むことが好ましい。
【0024】
次に、キャリア粒子のコア材粒子及び/又は表面コート層を形成する樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ポリアクリル(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変成品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);ペルヒドロポリシラザン又はその変性品(部分酸化品を含む);ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。
中でも本発明の構成要件を満たすために好ましいコート層材料としては、シリコーン樹脂又はその変成品、弗素樹脂、特にシリコーン樹脂又はその変成品を挙げることができる。
【0025】
シリコーン樹脂としては、従来から知られているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、下記一般式(I)で表されるオルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン及びアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタン等で変成したシリコーン樹脂が挙げられる。
【0026】
【化1】
Figure 0003942143
上記式(I)中、R1は水素原子、炭素原子1〜4のアルキル基又はフェニル基、R2及びR3は水素基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素原子数2〜4のアリケニル基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エチレンオキシド基、グリシジル基又は下記一般式(II)で表れる基である。
【0027】
【化2】
Figure 0003942143
上記式(II)中、R4、R5はヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜4のアルケニル基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、k、l、m、n、o、pは1以上の整数を示す。
上記各置換基は未置換のものの外、例えば、アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキル基、フェニル基、エチレンオキサイド基、グリシジル基、ハロゲン原子のような置換基を有してもよい。
【0028】
また、上記のように、キャリアコア材粒子及び/又はコート層の電気抵抗を低抵抗材料粒子の分散により制御する際に用いられる材料は、従来公知のものでよく、その例としては、鉄、金、銅等の金属;フェライト、マグネタイト等の酸化鉄;カーボンブラック等の顔料が挙げられる。
これらの中でも特に、カーボンブラックの一つであるファーネスブラックとアセチレンブラックの混合物は、少量の低抵抗微粉末の添加で効果的に導電性の調整が可能であり、好ましく用いられる。
これらの低抵抗微粉末は、粒径0.01〜10μm程度のものが好ましく、コア材粒子又はコート層樹脂100重量部に対して2〜30重量部添加されることが好ましく、さらには、5〜20重量部が好ましい。
これらの低抵抗微粉末は、キャリア粒子表面の局所的な低抵抗領域の形成を抑制するためにも、コート層表面部分にはできる限り露出していない状態であることが好ましい。
【0029】
また、キャリアコア材粒子及び/又はコート層中には、これらの密着性を向上させたり、抵抗制御材の分散性を向上させる目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤を助剤として添加してもよい。
これらカップリング剤の使用は、上記の低抵抗微粉末の表面露出抑制に対しても有効である。
本発明で用いられるシランカップリング剤の例としては、下記一般式(III)で示される化合物が挙げられる。
【0030】
【化3】
YRSiX3 (III)
上記式(III)中、Xはけい素原子に結合している加水分解基でクロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、アルキルアミノ基、プロペノキシ基である。
Yは有機マトリックスと反応する有機官能基であって、ビニル基、メタクリル基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基ある。
Rは炭素数1〜20のアルキル基又はアルキレン基である。
このシランカップリング剤の中でも、特に負帯電性を有する現像剤を得るには、Yにアミノ基を有するアミノシランカップリング剤が好ましく、正帯電性を有する現像剤を得るには、Yにエポキシ基を有するエポキシシランカップリング剤が好ましい。
コート層の形成法としては、従来と同様、コア材粒子の表面にコート層形成液を噴霧法、浸漬法等の手段で塗布すればよい。
被覆層の厚さは0.1〜20μmが好ましい。
【0031】
一方、本発明の現像剤に使用するトナー構成についても同様に、上記範囲を取り得る限り、材料を限定するものではなく、通常、電子写真用トナーとして使用される材料を、特に制限なく、使用することができる。
例えば、該電子写真用トナー母体粒子に使用される結着剤樹脂の例としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体やその共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テルペン系重合体、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、単独又は混合して使用できるが、これらに限定されるものではない。
中でも、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオール系樹脂より選ばれる少なくとも1種以上であることが、電気特性、コスト面等から、より好ましいものである。
さらには、良好な定着特性を有するものとして、ポリエステル系樹脂及び/又はポリオール系樹脂の使用が一層好ましい。
【0032】
また、電子写真用トナーに使用される着色剤としては、従来からトナー用着色剤として使用されてきた顔料及び染料が使用でき、具体的には、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6Cレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドンレッド、ベンジジンイエロー、ローズベンガル等を単独又は混合して用いることができる。
【0033】
さらに、必要により、トナー粒子自身に磁気特性を持たせるには、フェライト、マグネタイト、マグヘマタイト等の酸化鉄類、鉄、コバルト、ニッケル等の金属又はこれらと他の金属との合金等の磁性成分を単独又は混合して、トナー粒子へ含有させればよい。
また、これらの成分は、着色剤成分として使用することもできる。
【0034】
また、トナー定着時にオイル等の離型剤を用いない、いわゆるオイルレス定着方式を使用するには、トナー粒子中に、ポリエチレンワックス、プロピレンワックス、カルナウバワックス等のワックス類を含有させることにより実現できる。これらの使用量としては、用いる材料の種類や定着の方法にもよるが、およそ0.5〜10.0重量%程度の使用が好ましく、3.0〜8.0重量%程度の使用がより好ましい。
【0035】
この他、帯電の立ち上がりをよりよくするための電荷制御剤としては、一般に知られているものが使用でき、例えば、アミノ基含有ビニル系コポリマー、四級アンモニウム塩化合物、ニグロシン染料、ポリアミン樹脂、イミダゾール化合物、アジン系染料、トリフェニルメタン系染料、グアニジン化合物、レーキ顔料等の正帯電性電荷制御剤や、カルボン酸誘導体及びこの金属塩、アルコキシレート、有機金属錯体、キレート化合物等の負帯電性電荷制御剤を、単独又は混合して、トナー粒子中への混練物及び/又は添加物とすることができる。
これら電荷制御剤を分散状態で用いる場合、キャリア粒子表面との相互作用が略均等に生じるためには、その分散径は、2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以下であることがより好ましいものである。
【0036】
トナー母体粒子同士の合一化を抑制しつつ、トナー流動性を向上させ、また、環境依存性を安定化するための添加剤としても、一般に公知のものが使用でき、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化珪素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸ランタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、マイカ、ドロマイト等の無機粉末やこれらの疎水化物を単独又は混合して使用することができる。
この他の添加剤として、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂微粒子をトナー表面改質剤として使用してもよい。
【0037】
本発明の現像剤中のトナー製造方法としては、上記のような原材料を、二本ロール、二軸押出し混練機、一軸押出し混練機等の公知の方法で混練し、これを機械式や気流式等の公知の粉砕、分級を行い、トナー母体粒子を作製することができる。
また、混練時に、着色剤や磁性体の分散状態を制御するための分散剤等を併用してもよい。
さらに、このトナー母体粒子は、上記の微粒子を添加し、混合機等により混合、表面改質が行われる。添加微粒子の遊離率は、微粒子の添加量及び混合条件により調節できる。
また、これらトナーの帯電電荷量は、実使用プロセスにより異なるため一律に決定できるものではないが、おおよそ、本発明の構成によるキャリア粒子との組み合わせにおいて、絶対値で3〜80μC/g程度の飽和電荷量であることが好ましく、さらには、5〜50μC/g程度の飽和電荷量であることがより好ましく、10〜40μC/g程度の飽和電荷量であることがより好ましい。
【0038】
次に、本発明においては、キャリア粒子表面コート層に、主鎖及び/又は側鎖に、シロキサン結合骨格を持つ化合物を含有させることにより、その表面エネルギーの小ささと相まって、キャリア粒子表面への添加微粒子固定化の抑制は、より確実なものとすることができる。
【0039】
一方、該トナー中の添加微粒子の遊離率を80個数%以下とすることが、キャリア粒子表面特性の経時的変化を、より一層抑制するためには好ましく、60個数%以下とすることがさらに好ましい。
【0040】
トナー母体粒子に対する外添微粒子の割合については、添加する材料の種類にもよるが、およそ0.5〜5重量%であることが好ましい。
また、これらの添加微粒子は、適当な混合機により混合してトナー粒子表面に付着、凝着又は少量のトナー粒子間隙での遊離状態になるよう調整して用いることができる。
添加微粒子の添加量が、0.5重量%未満の場合には、トナー母体粒子表面の添加微粒子による被覆が不十分となり、トナー母体粒子同士の合一化が発生することがあり、また、添加微粒子の添加量が、5重量%を越える場合には、トナー母体粒子から遊離した添加微粒子が多く発生しやすく、添加微粒子の遊離率を安定して制御するためには好ましくない。
特に、5重量%を越える場合、トナーリサイクル機構を備えた画像形成方法を使用するに当たって、添加微粒子遊離率の経時的変化が大きくなることがあり、これにより生じるトナー自体の特性変動を、現像剤として十分に吸収できない場合がある。
添加微粒子の割合としては、トナー母体粒子に対して0.7〜3重量%程度であれば、さらに好ましいものとなる。
【0041】
また、本発明の現像剤に用いるトナー中に、あまりにも多くの微細なトナー粒子が含まれるような場合には、この微細トナー粒子自体が、キャリア粒子表面上へ付着し、キャリア粒子表面を変質させることがあるため、好ましくない。
このような影響は、粒子径が小さな粒子に特有であり、特に、4.0μm程度の大きさを持つ微粒子の量を制限することにより、さらに現像剤を安定して長寿命化することができる。
したがって、本発明の電子写真用現像剤では、このような微小粒径のトナー粒子数はできるだけ少ない方が好ましく、具体的には、4.0μm以下の微小なトナー粒子が50個数%以下であることが好ましく、35個数%以下であることがより好ましい。
【0042】
さらに、像担持体上に形成された静電潜像をトナー及びキャリア粒子よりなる電子写真用現像剤によって現像する画像形成方法において、電子写真用現像剤を上記本発明の電子写真用現像剤とすることにより、長期間にわたって安定した高品質の画像が得られる画像形成方法を提供でき、像担持体をクリーニング工程にてクリーニングし、クリーニング工程により回収したトナーを現像工程にて再使用することにより、高品質画像を省資源で得るための画像形成方法を提供することができる。
【0043】
以下に図面を用いて、本発明の画像形成方法について説明をする。
図1は画像形成装置の一例の断面図である。
ドラム状の像担持体1の周囲に、帯電部材2、像露光系3、現像機構4、転写機構5、クリーニング機構6、除電ランプ7が配置されていて、以下の動作で画像形成を行う。
画像形成の一連のプロセスを、ネガ−ポジプロセスで説明を行うものとする。有機光導電層を有する感光体(OPC)に代表される像担持体1は、除電ランプ7で除電され、帯電チャージャーや帯電ローラーといった帯電部材2で均一にマイナスに帯電され、像露光系3としてレーザー光学系より照射されるレーザー光で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行われる。
レーザー光は半導体レーザーから発せられて、高速で回転する多角柱の多面鏡(ポリゴン)等により像担持体1の表面を像担持体1の回転軸方向に走査する。
【0044】
このようにして形成された潜像が、現像機構4にある現像剤担持体である現像スリーブ41上に供給されたトナー粒子及びキャリア粒子の混合物からなる二成分現像剤により現像され、トナー可視像が形成される。
潜像の現像時には、電圧印加機構(図示せず)から現像スリーブ41に、像担持体1の露光部と非露光部の間にある適当な大きさの電圧又はこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
【0045】
一方、転写媒体(例えば、紙)9が、給紙機構(図示せず)から給送され、上下一対のレジストローラー(図示せず)で画像先端と同期をとって像担持体1と転写部材51との間に給送され、トナー像が転写される。
このとき、転写部材51には、転写バイアスとして、トナー帯電の極性と逆極性の電位が印加されることが好ましい。
その後、転写媒体9は像担持体1より分離された後、定着装置8を経て出力画像として排出される。
また、像担持体1上に残存するトナー粒子は、クリーニング部材61にて、クリーニング機構6内のトナー回収室62へ回収される。
回収されたトナー粒子は、トナーリサイクル手段(図示せず)により現像部及び/又はトナー補給部に搬送され、再使用してもよい。
【0046】
図2は、画像形成装置の現像装置主要部の概略構成図である。
潜像担持体である感光体ドラム1の側方に配設された現像機構4は、現像剤担持体としての現像スリーブ41、現像剤収容部材42、規制部材としてのドクターブレード43、支持ケース44等から主に構成されている。
感光体ドラム1側に開口を有する支持ケース44には、内部にトナー10を収容するトナー収容部としてのトナーホッパー45が接合されている。
トナーホッパー45に隣接した、トナー10とキャリア粒子とからなる現像剤11を収容する現像剤収容部46には、トナー粒子10とキャリア粒子11を撹拌し、トナー粒子に摩擦/剥離電荷を付与するための、現像剤撹拌機構47が設けられている。
トナーホッパー45の内部には、図示しない駆動手段によって回動されるトナー供給手段としてのトナーアジテータ48及びトナー補給機構49が配設されている。
トナーアジテータ48及びトナー補給機構49は、トナーホッパー45内のトナー10を現像剤収容部46に向けて撹拌しながら送り出す。
感光体ドラム1とトナーホッパー45との間の空間には、現像スリーブ41が配設されている。
図示しない駆動手段で、図の矢印方向に回転駆動される現像スリーブ41は、キャリア粒子による磁気ブラシを形成するために、その内部に現像機構4に対して相対位置不変に配設された磁界発生手段としての図示しない磁石を有する。
現像剤収容部材42の、支持ケース44に取り付けられた側と対向する側には、規制部材(ドクターブレード)43が一体的に取り付けられている。
規制部材(ドクターブレード)43は、その先端と現像スリーブ41の外周面との間に一定の隙間を保った状態で配設されている。
【0047】
上記構成により、トナーホッパー45の内部からトナーアジテータ48、トナー補給機構49によって送り出されたトナー10は、現像剤収容部46へ運ばれ、現像剤撹拌機構47で撹拌されることによって、所望の摩擦/剥離電荷が付与され、キャリア粒子と共に現像剤11として、現像スリーブ41に担持されて感光体ドラム1の外周面と対向する位置まで搬送され、トナー10のみが感光体ドラム1上に形成された静電潜像と静電的に結合することにより、感光体ドラム1上にトナー像が形成される。
【0048】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によってなんら限定されるものではない。
なお、「部」とあるのは全て重量部である。
【0049】
実施例1
(キャリア粒子製造例1)
シリコーン樹脂/アクリル樹脂(=80/20)ブロック重合体溶液
(固形分=20%相当) 250部
トルエン 250部
上記処方を撹拌機で撹拌して、コート層形成用の塗工液を調製した。
これを、重量平均粒径50μmの球形フェライト粒子5000部の表面へ流動床型スプレーコート装置によりコート後、150℃、2時間加熱して各樹脂相組成を反応させ、表面にコート層を有するキャリア粒子(C1)を得た。
【0050】
ここで、キャリア粒子表面コート層の形状観測は、デジタル・インスツルメンツ社製走査型プローブ顕微鏡NanoscopeIIIa、Dimension3100を用いて行った。
測定サンプルであるキャリア粒子は、アルミニウム平板上へ、薄く塗った接着剤によって固定した。
走査範囲は500nm四方とし、各サンプルについて独立した3箇所を観測して、これらの表面形状観測データを元にキャリア粒子(C1)の表面粗さを算出したところ、Rz=30nmであった。
Rzは、測定領域の主走査方向を10分割し、各領域(500nm×50nm)内の最大高低差をサンプリングの1データとして、10分割分のサンプリングデータを平均して、10点平均粗さ(Rz)とした。
【0051】
(トナー製造例1)
ポリエステル樹脂 79部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加アルコール、
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加アルコール、
テレフタル酸、トリメリット酸の縮合重合物)
Mw=12000、ガラス転移点=61℃)
カーボンブラック;三菱カーボン社製 #44 15部
電荷制御剤:クロム含金属染料;保土谷化学工業社製
AIZON SPILON BLACK TRH 1部
カルナウバワックス;野田ワックス社製 5部
【0052】
上記組成の混合物を、二本ロール混練機にて30分間混練後、機械式粉砕機・気流式分級機により粉砕、分級条件を調整し、トナー母体粒子を得た。
次いで、このトナー母体粒子に対して、1重量%の割合で表面をジメチルシラン処理した疎水性シリカ微粒子(平均一次粒子径=40nm)を加えて、ヘンシェルミキサーにより、計3分間混合しトナー(T1)を得た。
トナー(T1)の粒度分布をコールターカウンターTA2にて測定したところ、重量平均径D4=6.0μmであり、4.0μm以下のトナー粒子は45個数%であった。
また、このトナー(T1)の添加微粒子遊離率を、パーティクルアナラーザーPT100(横河電機社製)用いて測定したところ、28個数%であった。
【0053】
続いて、このキャリア粒子(C1)1000部及びトナー(T1)50部を混合して、電子写真用現像剤を調整し、リコー製複写機imagio MF−6550の改造機を用い、トナーリサイクルを行いつつ、A4版、画像面積率6%原稿60万枚の連続画像出図試験を行い、初期及び連続出図後の文字画像及びベタ画像を出力し、画質評価を行った。
画質評価としては、文字部分での地肌カブリ、ベタ画像での画像濃度の安定性及び各画像でのその他の不具合の有無を評価した。
画像濃度については、マクベス濃度計(RD−914)を用いて計測し、その他の項目については、目視により評価した。
【0054】
画像出力時の像担持体上静電荷像は、地肌部=−700V、画像部=−200Vとした。
また、現像スリーブには、直流の現像バイアス電位を印加した。
60万枚の連続画像出図試験終了後の現像剤を採取し、エアーブローにより表面に付着しているトナー粒子を除去後、残ったキャリア粒子の電荷付与能力を、初期の現像剤における電荷付与能力と比較評価した。
電荷量の測定は、通常のブローオフ法により行い、トナーには、連続画像出図試験で用いたトナーと同じものを使用した。
初期及び60万枚後の各評価結果を表1及び表2に示す。
【0055】
実施例2
(キャリア粒子製造例2)
シリコーン樹脂/アクリル樹脂(=85/15)ブロック重合体溶液
(固形分=20%相当) 250部
トルエン 250部
コート層形成用の塗工液として上記処方を用いた以外は、キャリア粒子製造例1と同様にしてキャリア粒子(C2)を得た。
このキャリア粒子(C2)について、実施例1と同様にして表面粗さを測定、算出したところ、Rz=51nmであった。
キャリア粒子(C2)、トナー(T1)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0056】
実施例3
(トナー製造例2)
添加微粒子の混合条件として、混合時間を1.5分間とした以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー(T2)を得た。
また、トナー(T2)の添加微粒子遊離率を測定したところ、60個数%であった。
キャリア粒子(C1)、トナー(T2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0057】
比較例1
キャリア粒子(C2)、トナー(T2)を用いた以外は、実施例2と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0058】
比較例2
(トナー製造例3)
添加微粒子の混合条件として、混合時間を1分間とした以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー(T3)を得た。
また、トナー(T3)の添加微粒子遊離率を測定したところ、81個数%であった。
キャリア粒子(C1)、トナー(T3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を、表1及び表2に示す。
【0059】
実施例4
(キャリア粒子製造例3)
シリコーン樹脂/アクリル樹脂(=90/10)ブロック重合体溶液
(固形分=20%相当) 250部
トルエン 250部
コート層形成用の塗工液として上記処方を用いた以外は、キャリア粒子製造例1と同様にしてキャリア粒子(C3)を得た。
このキャリア粒子(C3)について、実施例1と同様にして表面粗さを測定、算出したところ、Rz=98nmであった。
【0060】
(トナー製造例4)
トナー製造例1のトナー母体粒子に対して、1重量%の割合で表面をジメチルシラン処理した疎水性シリカ微粒子(平均一次粒子径=80nm)を加えて、ヘンシェルミキサーにより、計3分間混合しトナー(T4)を得た。
また、トナー(T4)の添加微粒子遊離率を測定したところ、32個数%であった。
キャリア粒子(C3)、トナー(T4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0061】
実施例5
(トナー製造例5)
添加微粒子の混合条件として、混合時間を1.5分間とした以外は、トナー製造例4と同様にしてトナー(T5)を得た。
また、トナー(T5)の添加微粒子遊離率を測定したところ、59個数%であった。
キャリア粒子(C2)、トナー(T5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0062】
比較例3
キャリア粒子(C3)、トナー(T5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0063】
実施例6
添加微粒子の混合条件として、混合時間を1分間とした以外は、トナー製造例4と同様にして、トナー(T6)を得た。
また、トナー(T6)の添加微粒子遊離率を測定したところ、83個数%であった。
キャリア粒子(C2)、トナー(T6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0064】
実施例7
(トナー製造例7)
トナー製造例1のトナー母体粒子に対して、1重量%の割合で表面をジメチルシラン処理した疎水性シリカ微粒子(平均一次粒子径=60nm)を加えて、ヘンシェルミキサーにより、計3分間混合しトナー(T7)を得た。
また、トナー(T7)の添加微粒子遊離率を測定したところ、30個数%であった。
キャリア粒子(C2)、トナー(T7)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0065】
比較例4
(トナー製造例8)
添加微粒子の混合条件として、混合時間を1.5分間とした以外は、トナー製造例7と同様にしてトナー(T8)を得た。
また、トナー(T8)の添加微粒子遊離率を測定したところ、61個数%であった。
キャリア粒子(C2)、トナー(T8)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0066】
実施例8
(トナー製造例9)
トナー母体粒子に対して、6重量%の割合で表面をジメチルシラン処理した疎水性シリカ微粒子(平均一次粒子径=40nm)を加えた以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー(T9)を得た。
また、トナー(T9)の添加微粒子遊離率を測定したところ、69個数%であった。
キャリア粒子(C1)、トナー(T9)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0067】
実施例9
(トナー製造例10)
トナー製造例1のトナー処方を用い、粉砕、分級条件を調整して、4.0μ以下のトナー粒子を多く含むトナー母体粒子を得た。
次いで、このトナー母体粒子に対して、0.4重量%の割合で表面をジメチルシラン処理した疎水性シリカ微粒子(平均一次粒子径=40nm)を加えて、ヘンシェルミキサーにより、トータル2分間混合しトナー(T10)を得た。
トナー(T10)の粒度分布を測定したところ、重量平均径D4=5.7μmであり、4.0μm以下のトナー粒子は60個数%であった。
また、トナー(T10)の添加微粒子遊離率を測定したところ、40個数%であった。
キャリア粒子(C1)、トナー(T10)を用いた以外は、実施例1と同様にして、各評価結果を得た。
評価結果を表1及び表2に示す。
【0068】
【表1】
Figure 0003942143
Figure 0003942143
【表2】
Figure 0003942143
Figure 0003942143
最後に、実施例1の現像剤について、引き続き、100万枚連続画像出図試験を行ったところ、初期画像と比較して全く遜色のない高精細・高解像度の画像が得られた。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、現像剤の特性の経時的変動を実質上無視し得る程度に抑制し、きわめて長期に亘り高品質の画像を保持することができ、より低い定着エネルギーにより定着することのできるトナーであっても、高品質な画像を維持できる高機能の電子写真用現像剤が提供されると共に、廃集トナーを極力少なくすることができ、自然環境保全に対して寄与するところの多大な画像形成方法を提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す断面図である。
【図2】画像形成装置の現像装置の主要部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 像担持体
2 帯電部材
3 像露光系
4 現像機構
41 現像スリーブ
42 現像剤収容部材
43 規制部材(ドクターブレード)
44 支持ケース
45 トナーホッパー
46 現像剤収容部
47 現像剤撹拌機構
48 トナーアジテーター
49 トナー補給機構
5 転写機構
51 転写部材
52 除電ブラシ
6 クリーニング機構
61 クリーニング部材
62 トナー回収室
7 除電ランプ
8 定着装置
9 転写媒体
10 トナー
11 現像剤

Claims (7)

  1. 着色剤と結着樹脂とを含有するトナー母材粒子に微粒子を外添したトナー及びキャリア粒子を混合してなる電子写真用現像剤において、該キャリア粒子に、少なくとも磁性体からなるコア材の表面に樹脂層を含むコート層を設けたものであり、かつ該キャリア粒子表面の500nm×500nm領域内の表面粗さRz(nm)、トナー中の該外添微粒子の遊離率K(個数%)及び該外添微粒子の一次平均径D(nm)が、下記式(1)の関係にあることを特徴とする電子写真用現像剤。
    1.5×sin〔(π/2)×(K/100)〕<D/Rz (1)
    〔式(1)中、sinは〔 〕内の三角関数(正弦)を示す。関数の〔 〕内はラジアン単位である。〕
  2. 該コート層が、主鎖及び/又は側鎖にシロキサン結合を有する化合物を含有するものである請求項1に記載の電子写真用現像剤。
  3. 該外添微粒子の遊離率Kが、75個数%以下である請求項1又は2に記載の電子写真用現像剤。
  4. 該外添微粒子を、トナー母材粒子に対して重量基準で0.5〜5%添加したものである請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  5. 該トナー中の粒径4.0μm以下のトナーの粒子が、50個数%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  6. 像担持体上に形成された静電潜像を、トナー及びキャリアからなる電子写真用現像剤によって現像する画像形成する画像形成方法において、電子写真用現像剤として、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
  7. 該像担持体をクリーニングし、該クリーニングによって回収されたトナーを再使用して現像するものである請求項6に記載の画像形成方法。
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