JP3941973B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気入りタイヤに関し、とくに該タイヤの転がり抵抗を低減し燃費の改善を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
タイヤの転がり抵抗は車両の燃費に影響を与えるだけでなく、燃料の多量消費に伴う地球環境の悪化を招くことにもなるから、より一層低いことが望まれ、このような要求を満たしたタイヤの需要が今後益々高まる傾向にある。
【0003】
タイヤの転がり抵抗は、タイヤの転動に伴う応力・歪みサイルによって消費されるエネルギーであって、かかるエネルギーにつき、タイヤを構成するトレッド部やサイドウォール部等の各部についてその消費量を比較するとトレッド部が最も大きいことが判明していて、この点に関しての改良を図った先行技術としては、例えば特開昭58-161603 号公報や特開平4-27604 号公報が参照される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、これまでに提案されているタイヤの転がり抵抗低減技術は、主としてトレッド部を中心にしてその形状や構造に工夫を加えたものであって、これによってある程度の改善は見られたものの、その他の性能、例えば、耐摩耗性 (偏摩耗) 、耐久性、操縦安定性等の若干の低下等が懸念され、しかも、かかる領域における改良のみによって転がり抵抗の低減を図るにも限界があるのが現状であった。
【0005】
転がり抵抗に起因するエネルギーロスの割合は現状における調査の結果では、ビード部においては約20〜30%程度になっている。この発明の目的は、とくにタイヤのビード部に工夫を加えこの領域でのエネルギーロスを小さくしタイヤ全体として転がり抵抗を他の性能に悪影響を及ぼすことなにしに低減した空気入りタイヤを提案するところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、一対のビード部とこれらビード部につながる環状サイドウオール部と両サイドウオール部の相互間に跨がるトレッド部とを有し、ビード部に各々埋設したビードワイヤのまわりにつきその端部を外側へ向かって巻き上げ、ビード部、サイドウオール部およびトレッド部の各部分を補強する少なくとも1プライのカーカスを備えた空気入りタイヤにおいて、各ビード部に、1種類のゴムからなり、タイヤのリム組状態でリムフランジの一方の先端ともう一方の先端を結ぶ線分を基準にしてこれよりも上下に±10mmの範囲においてゲージを外側に向けて増加させて最大ゲージとし、トレッドに向かって薄くなるゲージ分布を有するビードフィラーをそれぞれ配設してなる、ことを特徴とする空気入りタイヤである。
【0007】
上記の構成になる空気入りタイヤにおいて、カーカスの外側へ向かって巻き上げた領域はビードフィラーのゲージ分布に沿った形状とするか、あるいは、ビード部、サイドウオール部におけるタイヤ断面を、ビードフィラーのゲージ分布に沿う形状とするのがよい。
【0008】
また、前記ビードフィラーは、タイヤのリム組状態でリムフランジの一方の先端ともう一方の先端を結ぶ線分を基準にしてこれよりも上下に±10mmの範囲が外側に向かって凸状であり、この領域に対応するタイヤ断面はビードフィラーのゲージ分布に沿う形状で、しかも、リムフランジに沿って外側にせり出した形状とするのがとりわけ有利に適合する。
【0009】
ビードフィラーにおいて、ゲージを厚くする領域は図1に示すようにタイヤをリム組みした状態でリムフランジfの一方の先端ともう一方の先端(リムフランジの先端はいずれの場合も同等の位置とする)を結ぶ線分Pを基準にしてこれよりも上下に±10 mmとするのがよい。
【0010】
ビードフィラーの最大ゲージ、最小ゲージについては、図2に示すように最大ゲージをtmax , 最小ゲージをtmin とし、ビードフィラーの長さをL、ビードフィラーのゲージをt(x)(ただしxは0≦x≦L) 、ビードフィラーの長さ方向における距離をxとした場合に、tmax ≧1.1t(x) 、tmin ≦0.9t(x) とするのが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
トレッド部等に起因する転がり抵抗についてはある程度まで低減されてきているが、ビード部の基本変形につき詳細な検討を重ねた結果、ビード部の主たる変形としては、リムフランジを中心にした図3に示すような倒れ込み変形と図4に示すようなリムフランジからの突き上げ変形(局所的曲げ変形)が存在し、これがビード部における転がり抵抗の原因になっており、それに対する寄与率が現状の空気入りタイヤでは約20〜30%程度と以外に大きいことが判明した。
【0012】
この発明においては、ビード部に、リムフランジの先端部近傍、すなわち、タイヤのリム組状態でリムフランジの一方の先端ともう一方の先端を結ぶ線分を基準にしてこれよりも上下に±10mmの範囲においてゲージを外側へ向けて増加させて最大ゲージとし、トレッドに向かって薄くなるケージ分布を有するビードを配設するようにしたので、図5(a)〜(d)に示す如く上記の主たる変形は抑制され、転がり抵抗が低減されることになる。
【0013】
とくに、ビードフィラーのトレッドに向かって薄くなる部分においてはビード部の倒れ込みにかかわる変形の大部分が集中することになり、ボリーュムの比較的大きいビードコア側の変形(フランジに近いところの変形)は小さくなる。
【0014】
この発明に従う空気入りタイヤにおいては、上述のようにビード部のみの構造の変更で転がり抵抗の低減を図るものであるから、トレッド部への影響はほとんどなく、耐摩耗性、耐久性、操縦安定性等、他の性能を劣化させるようなことはない。また、ビード部の倒れ込みが少なくなるためタイヤの横剛性が向上し操縦性も改善される傾向にある。
【0015】
【実施例】
185/65R14 のサイズになる下記のA〜Dような構造の空気入りタイヤ (カーカスはポリエステルコード(構造:1000d/2 ポリエチレンテレフタレート))をタイヤ赤道に対して90°に配列した1プライでその端部はタイヤの最大幅にまで至るHigh turn up構造になるもの, ベルトはスチールコード(構造:1×5スチール)をタイヤの赤道に対して20°の角度で互いに交差させた2層の積層交差配置になるもの) を試作した。
【0016】
ビードフィラーは全てのタイヤにおいてJIS A硬度90°のゴムを使用した。
【0017】
そして、上記の各タイヤA〜Dをリム組してそれぞれのタイヤについて内圧が2.0 kg/cm2になるように空気を充てんし、400 kgの荷重を負荷した状態で直径1707mmのドラムに押しつけて200 km/hの速度からタイヤを惰力走行させ回転中の速度の度合いから転がり抵抗を算出した。その結果を表1に示す。なお、表1において転がり抵抗は値が小さいほど転がり抵抗が低いことを意味し、タイヤAを100 とした場合の指数を表示してあり、摩耗特性については一般道を10000km 走行した条件の下で試験を行った結果を示したものである。
【0018】
【表1】
【0019】
表1より明らかなように、この発明に従う空気入りタイヤにおいては、他の性能を低化させることなしに転がり抵抗の低減を図ることが可能であることが確認できた。
【0020】
なお、この実施例では、ビードフィラーのゲージ分布の変更に当たって極端なケースラインの変更を行わないため、リムフランジの先端部近傍域においてタイヤの外側に向けて凸状になるようにゲージを厚くするようにしたが、製造上外側に凸状にを設けることが困難であることからタイヤの内側に向けて凸状になるようにゲージを厚くするようにしてもかまわないし、また、その両方について凸状にしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
この発明によれば、ビード部の構造の改良のみによって他の性能の劣化をきたすことなしに転がり抵抗の低減が可能であり、従ってトレッド部等における改良と併せれば転がり抵抗のより一層の低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】空気入りタイヤのビード部近傍域の要部の断面を示した図である。
【図2】ビードフィラーを簡素化して示した図である。
【図3】ビードフィラーの倒れ込み変形の状況を示した図である。
【図4】ビードフィラーの突き上げ変形の状況を示した図である。
【図5】aはビードフィラーの倒れ込みが抑制された状況を示した図であり、bはビードフィラーの曲げ歪みの傾きが軽減された状況を示した図であり、cはビードフィラーの変形の際の支点の移行状況を示した図であり、dはビードフィラーの突き上げ変形が軽減された状況を示した図である。
【図6】従来の空気入りタイヤの要部断面図である。
【図7】この発明に従う空気入りタイヤの要部断面図である。
【図8】この発明に従う空気入りタイヤの要部断面図である。
【図9】この発明に従う空気入りタイヤの要部断面図である。
【符号の説明】
e ビードフィラー
c ビードコア
h フランジ高さ
r リム径
f リムフランジ
Claims (4)
- 一対のビード部とこれらビード部につながる環状サイドウオール部と両サイドウオール部の相互間に跨がるトレッド部とを有し、ビード部に各々埋設したビードワイヤのまわりにつきその端部を外側へ向かって巻き上げ、ビード部、サイドウオール部およびトレッド部の各部分を補強する少なくとも1プライのカーカスを備えた空気入りタイヤにおいて、
各ビード部に、1種類のゴムからなり、タイヤのリム組状態でリムフランジの一方の先端ともう一方の先端を結ぶ線分を基準にしてこれよりも上下に±10mmの範囲においてゲージを外側へ向けて増加させて最大ゲージとし、トレッドに向かって薄くなるゲージ分布を有するビードフィラーをそれぞれ配設してなる、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - カーカスの外側へ向かって巻き上げた領域はビードフィラーのゲージ分布に沿う形状になる、請求項1記載の空気入りタイヤ。
- ビード部、サイドウオール部におけるタイヤ断面は、ビードフィラーのゲージ分布に沿う形状になる、請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
- 前記ビードフィラーは、タイヤのリム組状態でリムフランジの一方の先端ともう一方の先端を結ぶ線分を基準にしてこれよりも上下に±10mmの範囲が外側に向かって凸状であり、この領域に対応するタイヤ断面はリムフランジに沿って外側にせり出した形状になる請求項3記載の空気入りタイヤ。
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1996
- 1996-01-22 JP JP00806896A patent/JP3941973B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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