JP2844581B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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JP2844581B2
JP2844581B2 JP1272460A JP27246089A JP2844581B2 JP 2844581 B2 JP2844581 B2 JP 2844581B2 JP 1272460 A JP1272460 A JP 1272460A JP 27246089 A JP27246089 A JP 27246089A JP 2844581 B2 JP2844581 B2 JP 2844581B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、トレッド輪郭形状を特定することにより操
縦安定性能を向上した空気入りラジアルタイヤに関す
る。
〔従来の技術〕
近年、車両の高速化、高性能化等に伴い、タイヤにお
いても高い操縦安定性能、特に高速走行時の直進安定性
及び旋回時の路面グリップ性、ブレークアウェイのコン
トロール性等の向上がドライ路面、ウェット路面双方に
対して強く望まれており、従来トレッド輪郭形状の観点
からダブルクラウンラジアスの適用が又パターン形状の
観点からパターン剛性の適正化あるいは排水性の向上を
計ったトレッドパターンの適用が夫々なされている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら従来のものにあっては直進時あるいは旋
回初期におけるハンドル応答性及び路面グリップ性を高
めるとはいえ、ブレークアウェイのコントロール性をと
もに向上するに至っておらず特に高速旋回走行の際の操
縦安定性を低下していた。
なおブレークアウェイとは、旋回走行時スリップ角度
に起因して接地面に発生するコーナリングフォースが、
遠心力に比して不十分となりタイヤ全体が横すべりを起
こし旋回軌跡から逸脱する現象であり、これは第9図に
示すようにスリップ角αが小さい範囲において該スリッ
プ角αと略比例して増加するコーナリングフォースCF
が、スリップ角αが大きい範囲においてはその増加率を
漸減させることによるためと考えられる。
従って本発明者らは従来操縦安定性の観点からは考慮
されていないスリップ角0度での接地外縁外側のトレッ
ドショルダ部分の輪郭形状に着目し、旋回走行の際この
部分を接地させ、接地面形状の適正化と接地巾の拡大を
計ることにより前記コーナリングフォースCFの増加率の
低下を抑制させることを見出し得た。
すなわち本発明は、トレッド輪郭形状を特定すること
を基本として、高速旋回時に発生しやすいブレークアウ
ェイのコントロール性を改良し、高速走行時の操縦安定
性を向上しうる空気入りラジアルタイヤの提供を目的と
している。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために第1の発明は、トレッド部
からサイドウォール部をへてビード部のビードコアの廻
りを折返されるラジアル構造のカーカスと、該カーカス
のタイヤ半径方向外側かつトレッド部内方に配される少
なくとも2以上のベルトプライからなるベルト層とを具
える一方、前記トレッド部外面のトレッド面は、タイヤ
赤道面に中心を有し曲率半径R1しかもタイヤ赤道点を通
る内円弧と、タイヤ赤道面に中心を有し曲率半径R2しか
もタイヤ巾SWの0.2〜0.25倍をタイヤ赤道面から隔てる
位置で前記内円弧に交わる中間円弧と、正規荷重を付加
したときの接地面のタイヤ軸方向外側の接地外縁点及び
少なくとも2枚のベルトプライが重複して存在する領域
の外縁であるベルト層外縁の中間高さ位置を通るタイヤ
軸方向線がトレッド面に交わるベルト中間点を通る曲率
半径R3の外円弧とを含みしかも前記曲率半径R1、R2の比
R1/R2を2.6以上かつ4.6以下、前記曲率半径R2、R3の比R
2/R3を4以上かつ12以下とした基準曲面を有するととも
に、前記ベルト層外縁間の距離であるベルト巾を前記接
地外縁点間の距離である接地巾より大とし、しかも前記
タイヤ巾SWに対するタイヤ断面高さHの比である偏平率
H/SWを0.55以下かつ0.30以上としている。
又第2の発明は、曲率半径の比R1/R2を1.6以上かつ2.
6未満とするとともに偏平率H/SWを0.55より大かつ0.70
より小としている。
又第3の発明は曲率半径の比R1/R2を.2以上かつ1.6未
満とするとともに偏平率H/SWを0.70以上かつ1.0以下と
している。
〔作用〕
タイヤ偏平率に応じて半径比R1/R2、R2/R3を夫々規制
した内円弧と中間円弧と外円弧とを含む基準曲面に、ト
レッド面を近似させて形成する。この基準曲面は操縦安
定性を向上しうる理想曲面であって、スリップ角0度に
おける接地外縁点外方に所定の曲率半径R3を有する外円
弧を具えるため、スリップ角が大となる旋回走行におい
て該外円弧を路面に接地させることができ、接地面形状
の適正化と接地巾の拡大を計りコーナリングフォースを
増加しうる。又このことによりブレークアウェイのコン
トロール性を高める高速旋回時の操縦安定性を向上す
る。
なおコーナリングフォースCFは、第10図に示すように
進行方向aに対してスリップ角αで傾いて転動するタイ
ヤT接地面の粘着領域b1が路面と粘着して進行方向に沿
って移動することによりタイヤ巾方向に弾性変形し、こ
の変形に起因して発生する弾性復帰力すなわち横力Fの
進行方向と直角な方向成分力として示される。従ってコ
ーナリングフォーカスCFを効果的に高めるためには、旋
回時の接地面形状の適正化が必要であり、そのために、
内円弧、中間円弧の半径比R1/R2をタイヤ偏平率に応じ
て規制し、スリップ角0度における正規荷重状態の接地
面形状dを第11図に示すように接地前後縁e1、e2をタイ
ヤ軸と略平行にした横長略矩形状としている。この接地
面形状dは接地圧分布が均一であることを示し、接地性
能にすぐれるとともに、スリップ角を付与した際のコー
ナリングフォースが高く、従って直進時あるいは旋回初
期におけるハンドル応答性及び路面グリップ性をも向上
しうる。そしてこの基準曲面にトレッド面を近似させる
ことにより直進、旋回双方における高速操縦安定性を向
上できる。又内円弧と中間円弧とが交差し相対的に接地
圧が低くなる部分に円周方向にのびる主溝を設けた場合
には、コーナリングフォースの低下を抑制しつつ排水性
を高めることができ、さらに副溝の溝巾及び本数を規制
することによりドライ路面、ウェット路面双方における
前記安定性を両立して発揮することが可能となる。
〔実施例〕
以下本発明の一実施例を図面に基づき説明する。
第1図は標準リム8に装着されかつ標準内圧が充填さ
れた標準内圧状態における第1の発明の空気入りラジア
ルタイヤ1を示す。
図において空気入りラジアルタイヤ1は、ビードコア
2が通るビード部3と、該ビード部3に連なりかつタイ
ヤ半径方向外方にのびるサイドウォール部4と、その外
端間を継ぐトレッド部5とを具える偏平率が0.55以下の
偏平タイヤであって、前記ビード部3、3間には、トレ
ッド部5、サイドウォール部4を通る本体部7A両端が前
記ビードコア2の廻りを内側から外側に折返されるカー
カス7が架け渡されるとともに、該カーカス7の外側か
つトレッド部5内方にはベルト層9が巻装される。
なお偏平率はタイヤ最大巾であるタイヤ巾SWに対する
タイヤ断面高さHの対する比H/SWで示される。
カーカス7は、例えばナイロン、ポリエステル、芳香
族ポリアミド等の有機繊維コードをタイヤ赤道CO対して
75〜90゜の角度で配列した本例では2枚のカーカスプラ
イ7a、7bから形成され、内側のカーカスプライ7aの折返
し端7a1は外側のカーカスプライ7bの折返し端7b1を覆っ
て標準内圧状態でのタイヤ最大巾位置近傍で終端する。
又カーカス7の本体部7Aと折返し部7Bとの間には、前記
ビードコア2からタイヤ半径方向に先細状にのびる例え
ばJISA硬度が65゜〜90゜の硬質ゴムからなるビードエー
ペックス10が設けられ、前記カーカス7のハイターンア
ップ構造と協働してタイヤ横剛性を高めている。
なおビード部3には、例えばビードエーペックス10を
ビードコア2とともに補強するビードフィラ及びリムず
れ防止用のチェーファー等周知ないし公知の補強構造が
配される。
又ベルト層9は本例ではカーカス7外側に隣接する内
側のベルトプライ9aとその外側のベルトプライ9bとから
なる二層構造をなし、カーカス7のクラウン輪郭と略平
行にかつタイヤ接地巾TWをこえるベルト巾BWを有して配
されることによりトレッド部5をそのほぼ全巾をタガ効
果を有して補強している。ここでタイヤ接地巾TWとは、
標準リム8に装着されかつ標準内圧を充填したタイヤに
正規加重を負荷した標準負荷状態におけるトレッド接地
面TSのタイヤ軸方向外縁上の点である接地外縁点E、E
間の直線長さであり、又ベルト巾BWは、少なくとも2枚
のベルトプライが重複して存在する領域の外縁であるベ
ルト層外縁U、U間の前記標準内圧状態における直線長
さである。
そして該ベルト巾BWは、タイヤ巾SWの0.7倍以上かつ
0.85倍以下であることが好ましい。これは0.7倍未満の
場合カーカスケースへの拘束力、特に偏平化に伴いビー
ド部3からタイヤ軸方向外側にせり出すカーカス7のオ
ーバーハング部への拘束力に欠け、高速回転に伴う遠心
力、タイヤ内圧等に起因してショルダ部がタイヤ半径方
向に外径成長しこの部分での接地圧を不均一に高める。
又0.85倍をこえるとタイヤ剛性が過度に高まり乗心地
性を低下する。従ってベルト巾BWはより好ましくはタイ
ヤ巾SWの0.75倍以上かつ0.85倍以下である。
なお前記ベルトプライ9a、9bは夫々タイヤ周方向に対
して10゜〜30゜の角度で傾斜するベルトコードにより形
成され,該ベルトコードとしては初期引張弾性率が2500
kg/cm2程度もしくはそれ以上の高モジュラスコード、例
えば芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維等の有機繊維
コード及び金属繊維、グラスファイバー等の無機繊維コ
ードなどが使用される。なお本例ではスチールコードが
用いられるが、要求に応じて各ベルトプライ9a、9bに夫
々異種の材質コードを用いてもよく、又ベルト層9の端
部にはカーカス7との間に軟質なプレーカクッション13
を介在させ応力の緩和が計られる。
又ベルト層9外側には、本例ではナイロンコード等高
強度かつ低質量の有機繊維コードからなる補強バンド15
が設けられ遠心力等によるベルト層9のリフティングを
抑制する。なお補強バンド15は前記ベルトプライ9bの外
端部を被覆し該外端部からのセパレーションを予防する
第1のバンドプライ15aとベルト層9全巾をバンドプラ
イ15aとともに覆い面内剛性を均一に高める第2のバン
ドプライ15bとからなる。
そして本例では、前記トレッド部5外面のトレッド面
Sに、該トレッド面Sをタイヤ赤道COを含むクラウン部
S1と、その外側のショルダ部S2とに区分する円周方向の
一対の主溝16を有するトレッド溝17が配されるととも
に、前記トレッド面Sは、基準曲面Pに沿って形成され
る。
該基準曲面Pは、第4図に示すように、タイヤ赤道面
に中心を有しかつタイヤ赤道点Aを通る曲率半径R1の内
円弧P1と、タイヤ赤道面に中心を有しかつ前記タイヤ巾
SWの0.2〜0.25倍をタイヤ赤道面から隔てる位置Hで前
記内円弧P1に交わる曲率半径R2の中間円弧P2と、その外
側の外円弧P3との3つの円弧面を有し、該外円弧P3は、
前記接地外縁点Eからトレッド面Sに立てた法線n上に
中心を有するとともに、前記ベルト層外縁Uかつベルト
厚さ中心を通ってダイヤ軸と平行にのびるタイヤ軸方向
線Lがトレッド面Sと交わるベルト中間点Fと、前記接
地外縁点Eとを通る曲率半径R3の円弧であって、前記中
間円弧P2とはその延長線P2aで連なる。なお本願におい
ては前記ベルト中間点F、F間のタイヤ外面をトレッド
面Sという。
又基準曲面Pには、前記曲率半径R1、R2、R3との間
に、半径比R1/R2を2.6以上かつ4.6以下しかも半径比R2/
R3を4以上かつ12以下とした関係を有する。
この基準曲面Pは接地面形状の観点から操縦安定性を
向上すべく本発明者が研究を重ねた結果得られた理想曲
面であって、このものは、スベリ角0度の正規荷重状態
における接地面形状d1、d2を第5図(a)〜(b)に示
すように、内円弧P1と中間円弧P2との半径比R1/R2を2.6
〜4.6に規制しているためその接地前後縁e1、e2をタイ
ヤ軸とほぼ平行とした略横長矩形状の接地面TSとするこ
とができる。このことにより均一な接地圧分布と高いコ
ーナリングフォースが得られ直進時あるいは旋回初期の
ハンドル応答性及びグリップ性を向上しうる。
なお半径比R1/R2が2.6未満の場合第5図(c)に示す
ようにクラウン部S1の接地長がショルダ部のS2の接地長
に比して長くかつ接地前後縁e1、e2が曲線となる異形な
略蝶形の接地面形状d3となり接地性の不均一さが発生す
る。又半径比R1/R2が4.6をこえる場合第5図(d)〜
(e)に示すようにクラウン部S1の接地長が大巾に長い
蝶形な略菱形の接地面形状d4、d5となり接地性の不均一
さを招くとともにコーナリングフォースを低下させる。
(なお第5図(a)〜(e)にはタイヤ偏平率が0.50か
つ半径比R1/R2が夫々3.1、4.0、1.7、5.2、8.5の場合が
示されている。) 又基準曲面Pは中間円弧P2と外円弧P3との半径比R2/R
3を4〜12に規制しているため、旋回時、接地外縁点E
外側の外円弧P3を新たに接地させることができ第6図に
示すように、従来の旋回時の接地面形状d6に比して接地
巾の減少と接地長さの増加とを抑制しコーナリングフォ
ースを大巾に高めうることができる。
なお第7図(a)〜(b)に半径比R2/R3と接地巾の
減少量及びブレークアウェイのコントロール性との関係
を示すごとく、半径比R2/R3が12以下の範囲、特に10以
下の範囲において、接地巾の減少を大巾に抑制できコー
ナリングフォースを高めうることによりブレークアウェ
イのコントロール性を向上している。しかしながら半径
比R2/R3が4未満の場合、ワンダリング性能が低下し、
従って前記半径比R2/R3は4以上かつ12以下の範囲、よ
り好ましくは6以上かつ10以下である。なお第7図
(a)、(b)にはスリップ角が5度の時の測定値が示
されており破線は従来レベルを示している。
そしてこの基準曲面Pが有する特性を効果的に発揮さ
せるためには、第3図に示すように少なくともタイヤ赤
道COを中心としてタイヤ巾SWの30%の長さの範囲Q1、タ
イヤ赤道COからタイヤ接地巾TWの37.5%以上かつ45%以
下を隔てる範囲Q2、及び前記接地外縁点Eとベルト層中
間点Fとの間の範囲Q3において前記トレッド面Sは基準
曲面Pを具えることが必要である。なお本例では、範囲
Q1と範囲Q2との間及び範囲Q2と範囲Q3との間をほぼ滑ら
かな曲面により連ならしている。このことにより前記基
準曲面Pとほぼ等しい高い操縦安定性能を具えたトレッ
ド面Sが得られる。なお前記範囲Q1、Q2、Q3以外の領域
を、さらに基準曲面Pに沿わせる他、トレッド面全面を
基準曲面Pに沿わせて形成してもよい。
又前記トレッド溝17は、第2図に示すように前記一対
の主溝16、16を有するとともに、該主溝16で区分される
前記ショルダ部S2には主溝16に交わることによりショル
ダ部S2を複数のブロックに区画する横溝19…が円周方向
に隔設され、又本例では、前記クラウン部S1及びショル
ダ部S2に前記主溝16と略平行な副溝20A、20Bが形成され
る。
前記主溝16、副溝20A、20Bは本例では直線溝であっ
て、主溝16は前記内円弧P1と中間円弧P2とが交わり相対
的に接地圧が小となる交点H近傍に溝中心を有しかつそ
の主溝巾16Wはタイヤ巾SWの0.06倍以上の広巾に形成さ
れる。このことによりコーナリングフォースの低下を減
じつつ排水効果を高めうる。
なお交点H近傍とは前記主溝巾16Wの1/2以下の長さ、
すなわち主溝16の開口が前記交点Hを通る範囲である。
又副溝20A、20Bは接地外縁点E、E間に配され、その
副溝巾20Wは夫々前記主溝巾は16Wの0.1倍以上かつ0.3倍
以下に形成される。なお0.1倍未満の場合、排水性が不
十分となり又0.3倍をこえると巾方向のパターン剛性を
減じ、ハンドル応答性、ブレークアウェイのコントロー
ル性を低下する。
なお副溝形成数は3本以上かつ4本以下であることが
好ましい。これは第8図に示すドライ路面、ウェット路
面双方における実車走行のテスト結果によって明らかな
ように、3〜4本の範囲においてドライ、ウェット双方
での操縦安定性能をバランスよく発揮しうる。なお第8
図において操縦安定性は、白丸曲線で示すドライ路では
副溝形成数2〜3本程度と比較的少なくゆえに接地面積
が大きい場合に良好であり、黒丸曲線で示すウェット路
面では副溝本数が4〜5本と溝面積が比較的大きい場合
に良好となっていると考えられる。
又偏平率H/SWを0.55より大かつ0.7より小とした第2
の発明のタイヤ、及び偏平率H/SWを0.7以上かつ1.0以下
とした第3の発明のタイヤにおいては、前記内円弧の曲
率半径R1と中間円弧の曲率半径R2との比R1/R2を夫々1.6
以上かつ2.6未満及び1.2以上かつ1.6未満とし、このこ
とによりスリップ角0度における接地面形状を適正化し
第5図(a)〜(b)とほぼ等しい接地面を形成しう
る。なお第2、3の発明のタイヤにおいて夫々半径比R1
/R2が1.6より小及び1.2より小の場合第1の発明のタイ
ヤと同様接地面形状は第5図(c)のごとく蝶形に移行
し又半径比R1/R2が2.6以上及び1.6以上の場合菱形に移
行する。
これは偏平率H/SWが大なタイヤすなわちタイヤ断面高
さHが大なタイヤは接地時のトレッドたわみ量が大であ
り、従って曲率半径R2を曲率半径R1に近づけるすなわち
半径比R1/R2を減じることにより、接地前後縁をタイヤ
軸と略平行とした横長略矩形の接地面形状をうることが
できる。なおこれらの第2、第3の発明においても、前
記内円弧と中間円弧とが交わる交点にタイヤ周方向にの
びる主溝を配することによりコーナリングフォースの低
下を減じつつ排水性を向上しうる。
〔具体例〕
第1図に示すタイヤ構造をなしかつ第1表の仕 様に基づきタイヤサイズが225/50R16である第1の発明
のタイヤを試作するとともに該タイヤの操縦安定性能を
ドライ路面、ウェット路面双方において実車走行テスト
によってフィーリング評価した。なお評価結果を第1表
にも5点法で示しており評点が大な方が優れている。
〔発明の効果〕
叙上の如く本発明の空気入りラジアルタイヤはトレッ
ド面を各半径比を規制した3つの円弧からなる基準曲面
に近似し、その輪郭形状を特定しているため直進時ある
いは旋回初期におけるハンドル応答性及び路面グリップ
性を高めつつブレークアウェイのコントロール性を向上
でき、高速走行の際の操縦安定性を大巾に高めうる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す断面図、第2図はトレ
ッド溝を示す部分平面図、第3図はトレッド面の輪郭形
状を示す線図、第4図は基準曲面を示す線図、第5図
(a)〜(e)は接地面形状を示す略図、第6図は旋回
時の接地面形状を示す略図、第7図(a)は半径比R2/R
3と接地巾との関係を示す線図、第7図(b)は半径比R
2/R3とブレークアウェイのコントロール性との関係を示
す線図、第8図は副溝の形成数と操縦安定性能との関係
を示す線図、第9図はスリップ角とコーナリングフォー
スとの関係を示す線図、第10図はコーナリングフォース
を説明する線図、第11図は接地面形状の一例を示す線図
である。 2……ビードコア、3……ビード部、 4……サイドウォール部、5……トレッド部、 7……カーカス、9……ベルト層、 A……タイヤ赤道点、 CO……タイヤ赤道、E……接地外縁点、 F……ベルト中間点、H……交点、 L……タイヤ軸方向線、P……基準曲面、 P1……内円弧、P2……中間円弧、 P3……外円弧、S……トレッド面、 S1……クラウン部、S2……ショルダ部、

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアの廻りを折返されるラジアル構造の
    カーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側かつトレ
    ッド部内方に配される少なくとも2以上のベルトプライ
    からなるベルト層とを具える一方、前記トレッド部外面
    のトレッド面は、タイヤ赤道面に中心を有し曲率半径R1
    しかもタイヤ赤道点を通る内円弧と、タイヤ赤道面に中
    心を有し曲率半径R2しかもタイヤ巾SWの0.2〜0.25倍を
    タイヤ赤道面から隔てる位置で前記内円弧に交わる中間
    円弧と、正規荷重を付加したときの接地面のタイヤ軸方
    向の接地外縁点及び少なくとも2枚のベルトプライが重
    複して存在する領域の外縁であるベルト層外縁の中間高
    さ位置を通るタイヤ軸方向線がトレッド面に交わるベル
    ト中間点を通る曲率半径R3の外円弧とを含みしかも前記
    曲率半径R1、R2の比R1/R2を2.6以上かつ4.6以下、前記
    曲率半径R2、R3の比R2/R3を4以上かつ12以下とした基
    準曲面を有するとともに、前記ベルト層外縁間の距離で
    あるベルト巾を前記接地外縁点間の距離である接地巾よ
    り大とし、しかも前記タイヤ巾SWに対するタイヤ断面高
    さHの比である偏平率H/SWを0.55以下かつ0.3以上とし
    た空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアの廻りを折返されるラジアル構造の
    カーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側かつトレ
    ッド部内方に配される少なくとも2以上のベルトプライ
    からなるベルト層とを具える一方、前記トレッド部外面
    のトレッド面は、タイヤ赤道面に中心を有し曲率半径R1
    しかもタイヤ赤道点を通る内円弧と、タイヤ赤道面に中
    心を有し曲率半径R2しかもタイヤ巾SWの0.2〜0.25倍を
    タイヤ赤道面から隔てる位置で前記内円弧に交わる中間
    円弧と、正規荷重を付加したときの接地面のタイヤ軸方
    向の接地外縁点及び少なくとも2枚のベルトプライが重
    複して存在する領域の外縁であるベルト層外縁の中間高
    さ位置を通るタイヤ軸方向線がトレッド面に交わるベル
    ト中間点を通る曲率半径R3の外円弧とを含みしかも前記
    曲率半径R1、R2の比R1/R2を1.6以上かつ2.6未満、前記
    曲率半径R2、R3の比R2/R3を4以上かつ12以下とした基
    準曲面を有するとともに、前記ベルト層外縁間の距離で
    あるベルト巾を前記接地外縁点間の距離である接地巾よ
    り大とし、しかも前記タイヤ巾SWに対するタイヤ断面高
    さHの比である偏平率H/SWを0.55より大かつ0.70より小
    とした空気入りラジアルタイヤ
  3. 【請求項3】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアの廻りを折返されるラジアル構造の
    カーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側かつトレ
    ッド部内方に配される少なくとも2以上のベルトプライ
    からなるベルト層とを具える一方、前記トレッド部外面
    のトレッド面は、タイヤ赤道面に中心を有し曲率半径R1
    しかもタイヤ赤道点を通る内円弧と、タイヤ赤道面に中
    心を有し曲率半径R2しかもタイヤ巾SWの0.2〜0.25倍を
    タイヤ赤道面から隔てる位置で前記内円弧に交わる中間
    円弧と、正規荷重を付加したときの接地面のタイヤ軸方
    向の接地外縁点及び少なくとも2枚のベルトプライが重
    複して存在する領域の外縁であるベルト層外縁の中間高
    さ位置を通るタイヤ軸方向線がトレッド面に交わるベル
    ト中間点を通る曲率半径R3の外円弧とを含みしかも前記
    曲率半径R1、R2の比R1/R2を1.2以上かつ1.6未満、前記
    曲率半径R2、R3の比R2/R3を4以上かつ12以下とした基
    準曲面を有するとともに、前記ベルト層外縁間の距離で
    あるベルト巾を前記接地外縁点間の距離である接地巾よ
    り大とし、しかも前記タイヤ巾SWに対するタイヤ断面高
    さHの比である偏平率H/SWを0.70以上かつ1.0以下とし
    た空気入りラジアルタイヤ。
  4. 【請求項4】前記トレッド面は、前記内円弧と中間円弧
    とが交差する交点に、タイヤ周方向にのびる主溝を有し
    てなる請求項1乃至3記載の空気入りラジアルタイヤ。
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