JP3941945B2 - レゾルバの巻線保護用樹脂モールド方法 - Google Patents

レゾルバの巻線保護用樹脂モールド方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レゾルバのスタックの複数の磁極に巻回された巻線を保護するための巻線保護用樹脂モールド方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
偏位角度の検出等に使用されるレゾルバは、複数の磁極に励磁巻線と出力巻線を巻回して成るリング状のステータスタックの中にロータスタックを回転自在に組み込んで構成されるが、ステータスタックの巻線部には、巻線の固定及び絶縁特性向上のためにワニス等の樹脂材料を塗布していた。
【0003】
ところが、ステータスタックの巻線部にワニス等の樹脂材料を塗布する従来の保護方法では、樹脂材料の乾燥等の作業工程が複雑化するとともに、樹脂材料の塗布量管理や乾燥温度管理等と管理項目が多くなり、巻線部の保護構造に高い信頼性を確保することが困難であった。
【0004】
そこで、レゾルバの巻線部及び信号出力部を樹脂モールドして樹脂層を形成し、この樹脂層によって巻線部及び信号出力部を保護する方法(樹脂モールド方法)が提案されている(特開2001−324353、特開2002−171737参照)。
【0005】
上記樹脂モールド方法は、巻線が巻回されたレゾルバのリング状のスタックを、上下に2分割された上金型と下金型との間に挟み込んだ状態で、上金型と下金型との間に形成される空間に射出成形機から溶融樹脂モールド材を射出して少なくともスタックの巻線部を樹脂でモールドして保護する方法である。
【0006】
ところが、細い(例えば、直径φ0.08mm〜φ0.14mm)巻線にあっては、樹脂モールド材が環境条件の影響を受けるために巻線の断線やレアショート等の不具合が発生していた。
【0007】
そこで、巻線を太くしたり、部分的に樹脂モールドする方法が採用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の樹脂モールド方法には更に以下のような問題があった。
【0009】
即ち、レゾルバのステータスタックは、リング状にプレス抜きされた薄い珪素鋼板を複数枚積層して接着又はカシメ固定することによって構成されているが、各珪素鋼板には板厚にバラツキがあるため、このバラツキが珪素鋼板の枚数分だけ集積されてステータスタックの厚さにバラツキが発生する。このため、樹脂モールドに際してステータスタックと金型との間に隙間が発生し、その隙間に樹脂モールド材が流出する問題が生じ、品質の安定化を図ることが困難となる。
【0010】
因に、1枚の珪素鋼板の板厚には8〜10%のバラツキがあるため、積層枚数が多くなると、ステータスタックの厚さには(珪素鋼板の枚数×8〜10%)のバラツキが発生する。
【0011】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、スタック厚のバラツキによるスタックと金型間の隙間の発生を防いで品質の安定化を図ることができるレゾルバの巻線保護用樹脂モールド方法を提供することにある。
【0012】
又、本発明は、細い巻線が巻回されたレゾルバの巻線部であっても、これを樹脂モールドによって効果的に保護して巻線の断線やレアショート等の不具合の発生を防ぐことができるレゾルバの巻線保護用樹脂モールド方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、巻線が巻回されたレゾルバのリング状のスタックを、上下に2分割された上金型と下金型との間に挟み込んだ状態で、上金型と下金型との間に形成される空間に溶融樹脂モールド材を射出して少なくともスタックの巻線部を樹脂でモールドするレゾルバの巻線保護用樹脂モールド方法において、前記スタックの内径部を前記下金型の円柱状凸部に嵌め込んで位置決めし、前記スタックの片側外周部の側面部を前記下金型の溝によって受け、前記上金型をスプリングによって付勢された可動部を下にして前記下金型の上に被せ、前記上金型の可動部を前記スプリングの付勢力によって前記下金型の前記円柱状凸部の上面に密着させるとともに、前記上金型の溝を前記スタックの片側外周部の側端面に当接させることを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記下金型の前記円柱状凸部の中心部にエアー逃げ穴を形成したことを特徴とする。又、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記上金型を前記下金型に被せ、前記上金型の本体部に形成されたボルト孔にボルトを上から通し、該ボルトを前記可動部に形成されたネジ孔にネジ込むことによって前記可動部を固定することによって該可動部の前記下金型への密着状態を維持することを特徴とする。
【0015】
従って、請求項1〜3記載の発明によれば、スタック厚にバラツキがあっても、上金型に設けられた可動部を下金型に密着させた状態で、該可動部を除く上金型の本体部がスタック厚のバラツキ分だけ可動部に対して移動することによってスタック厚のバラツキが吸収され、該本体部と下金型との間でスタックを常に確実に挟み込むことができるため、スタックと金型との間に隙間が発生せず、樹脂モールド材の漏れを防いで品質の安定化を図ることができる。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記樹脂モールド材として、ガラス転移点温度が−70℃の共重合ポリエステル系ホットメルトを使用することを特徴とする。
【0017】
従って、請求項記載の発明によれば、樹脂モールド材として、ガラス転移点温度が−70℃の共重合ポリエステル系ホットメルトを使用するため、該樹脂モールド材が環境条件の影響を受けることがなく、細い巻線が巻回されたレゾルバの巻線部であっても、これを樹脂モールド材によって効果的に保護して巻線の断線やレアショート等の不具合の発生を防ぐことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0019】
先ず、レゾルバの概略構成を図1〜図4に基づいて説明する。尚、図1はレゾルバの斜視図、図2は同レゾルバのステータスタックの正面図、図3は図2のA−A線断面図、図4は同ステータスタックのステータコアの正面図である。
【0020】
図1に示すレゾルバ1は、偏位角度の検出等に使用されるものであって、リング状のステータスタック2の内部に同じくリング状のロータスタック3を回転可能に組み込んで構成されている。
【0021】
上記ステータスタック2は、薄い珪素鋼板を図4に示す形状にプレス抜きして得られた複数のヨーク部材4を積層し、これらをカシメによって固定して所定の厚さを有するステータコア5とし、このステータコア5の巻線部及び信号出力部(後述)を絶縁材料である樹脂モールド材6によってモールドして構成されている(図1〜図3参照)。
【0022】
ここで、各ヨーク部材4には、図4に示すように、リング状のヨーク部4aの内周部から中心に向かって放射状に一体に突出する複数(図示例では10個)の固定磁極部4bが形成されており、各固定磁極部4bの先端には円弧状の固定磁極歯4cがそれぞれ一体に形成されている。又、各ヨーク部材4には、ヨーク部4aの外周の一部から径方向外方に向かって信号出力部4dが一体に延設されている。そして、このヨーク部材4のヨーク部4aと固定磁極部4bには、カシメ用の複数のダボ4eが形成されている。
【0023】
ところで、前述のように複数のヨーク部材4を積層固定して得られる前記ステータコア5の各固定磁極部4bには、図3に示すように、巻線(励磁巻線と出力巻線)7がそれぞれ巻回され、信号出力部4dからは複数本のリード線8が導出している。
【0024】
而して、上記ステータコア5の巻線部(巻線7が巻回された部分)及び信号出力部4dを本発明に係る方法によって樹脂モールド材6にてモールドすることによって前述のようにステータスタック2が構成されるが、以下、このステータスタック(以下、単にスタックと称する)2に対する樹脂モールド方法を図5〜図10に基づいて説明する。
【0025】
図5は上金型の底面図、図6は図5のB−B線断面図、図7は図6のC部拡大詳細図、図8は下金型の上面図、図9は図8のD−D線断面図、図10は樹脂モールド成形状態を示す上下金型の断面図である。
【0026】
本発明に係る樹脂モールド方法は、巻線7が巻回されたレゾルバ1のリング状のスタック2を、上下に2分割された上金型10と下金型20との間に挟み込んだ状態で、上金型10と下金型20との間に形成される空間に不図示の射出成形機から溶融樹脂モールド材を射出してスタック2の巻線部と信号出力部4dを樹脂でモールドする方法であって、本実施の形態では、特に上金型10の構造に特徴を有している。
【0027】
図5及び図6に示すように、上金型10の本体部11の底面中央部には、スタック2の内径寸法に略等しい内径を有する円形溝11aが形成されており、この円形溝11aには円板状の可動部12が本体部11に対して上下に移動可能に嵌合保持されており、この可動部12は複数(図示例では4つ)のスプリング13によって下方に付勢されている。
【0028】
即ち、可動部12は、複数本(図示例では4本)のピン14によって本体部11に対して上下動可能に保持されており、各ピン14の外周に巻装された前記スプリング13によって下方に付勢されている(本体部11が上方に付勢されている)。従って、図5及び図6に示すように上金型10が下金型20に組み付けられていない状態では、円形溝11a内の本体部11と可動部12との間には隙間が形成されるが、この隙間はスタック2の厚さのバラツキ量よりも大きな値に設定されている。尚、可動部12の中心部にはネジ孔12aが形成され、本体部11のネジ孔12aに対向する部分にはボルト孔11bが形成されている。
【0029】
そして、上金型10の本体部11の前記円形溝11aの周囲には、図10に示す成形状態においてスタック2の巻線部と信号出力部4dの片側側部を覆う溝11cが形成されており、この溝11cは、スタック2の巻線部の片側側部を覆うリング状部11c−1とスタック2の出力信号部4dの片側側部を覆う平行部11c−2とで構成されている。尚、溝11cの平行部11c−2には、上下に貫通する切欠部11dが形成されるとともに、本体部11に上下に貫設された注湯孔11eが開口している。
【0030】
更に、上記溝11cの周囲には、図10に示す成形状態においてスタック2(ステータコア5)の片側外周部の側端面に当接する切欠リング状の溝11fが形成されており、この溝11fの周囲には同じく切欠リング状の溝11gが形成されている。
【0031】
又、図5及び図6に示すように、上金型10の溝11gの周囲には複数(図示例では5つ)の段付きのボルト孔15が貫設されている。
【0032】
他方、図8及び図9に示すように、下金型20の上面中央部には、スタック2の外径寸法に略等しい外径を有する切欠リング状の溝20a(上金型10の前記溝11cと対を成す溝)が形成されており、この溝20aの内径部に沿って別の切欠リング状の溝20b(上金型10の前記溝11fと対を成す溝)が形成されている。この結果、下金型20の中央部には、スタック2の内径に略等しい外径を有する円柱状凸部20cが形成されることとなる。尚、下金型20に形成された前記溝20aは、図10に示す成形状態においてスタック2(ステータコア5)の片側外周部の側端面に当接し、溝20bは、スタック2の巻線部と信号出力部4dの片側側部を覆うものであって、これはスタック2の巻線部の片側側部を覆うリング状部20b−1とスタック2の出力信号部4dの片側側部を覆う平行部20b−2とで構成されている。
【0033】
そして、下金型20の前記円柱状凸部20cの中心部にはエアー逃げ穴21が形成され、その周囲には複数(図示例では4つ)のエアー逃げ穴22が形成されている。又、下金型20の前記溝20bの平行部20b−2には、スタック2の信号出力部4dの外端面を受けるためのコマ部材23が2本のボルト24によって取り付けられており、このコマ部材23は、ボルト25によって固定された別のコマ部材26によって位置決めされている。
【0034】
又、図8及び図9に示すように、下金型20の溝20aの周囲であって、上金型10の前記ボルト孔15に対応する部分には、ボルト孔15と同数(図示例では5つ)のネジ孔27が形成されている。
【0035】
而して、スタック2の巻線部と信号出力部4dは、以上の構成を有する上金型10と下金型20を用いて次の要領で樹脂モールドされる。
【0036】
即ち、図10に示すように、先ずスタック2(ステータコア5)が下金型20に位置決めセットされる。即ち、スタック2は、その内径部が下金型20の円柱状凸部20cに嵌め込まれ、片側外周部の側端面(図10に示す状態では下端面)は下金型20の溝20aによって受けられ、信号出力部4dの外端面はコマ部材23によって受けられる。
【0037】
次に、上金型10を可動部12側を下にして図示のように下金型20の上に被せる。すると、上金型10の可動部12がスプリング13の付勢力によって下金型20の円柱状凸部20cの上面に密着するとともに、溝11cがスタック2(ステータコア5)の片側外周部の側端面(図10に示す状態では上端面)に当接する。このとき、スタック2の厚さにバラツキがあっても、上金型10の可動部12を下金型20に密着させた状態を維持しつつ、上金型10の可動部12を除く本体部11がスタック2の厚さのバラツキ分だけ可動部12に対して上下動することができるため、この本体部11の上下動によってスタック2の厚さのバラツキが吸収され、スタック2(ステータコア5)は、その外周部の両側端面が上金型10の溝11cと下金型20の溝20aによって確実に挟持されることとなり、スタック2と上金型10及び下金型20との間に隙間が発生することがない。
【0038】
尚、上金型10と下金型20の各溝11c,20aの深さの合計値は、スタック2の厚さよりも若干小さく設定されている。
【0039】
而して、上述のように上金型10が下金型20に被せられると、上金型10の本体部11に形成されたボルト孔11bにボルト28を上から通し、これを可動部12に形成された前記ネジ孔12aにネジ込むことによって可動部12を固定し、該可動部12の下金型20への密着状態を維持する。
【0040】
又、上金型10に形成された複数のボルト孔15に上方から挿通するボルト29を下金型20に形成されたネジ孔27に螺着することによって上金型10と下金型20を締付一体化するが、この状態では、スタック2の巻線部と信号出力部4dが上金型10の溝11fと下金型20の溝20bによって形成される空間に臨むとともに、信号出力部4dから導出する複数本のリード線8が上金型10の切欠部11dを通って上方へと引き出されている。
【0041】
以上のようにして、スタック2を上金型10と下金型20との間に挟み込んだ状態で両金型10,20が組付一体化されると、上金型10と下金型20との間に形成される空間に不図示の射出成形機から溶融樹脂モールド材を射出する。即ち、上金型10に形成された注湯孔11eから溶融樹脂モールド材を射出すれば、上金型10と下金型20との間に形成される空間に溶融樹脂モールド材が充填される。
【0042】
その後、溶融樹脂モールド材が冷却されて固化すると、上金型10と下金型20を分解してスタック2を取り出す。すると、スタック2は、図1〜図3に示すように、その巻線部と信号出力部4bが樹脂モールド材6によってモールドされて保護される。
【0043】
尚、樹脂モールド材6としては、使用温度範囲内にガラス転移点が存在しない共重合ポリエステル系ホットメルトが使用される。因に、共重合ポリエステル系ホットメルトのガラス転移点温度は−70℃、PBT(ポリブチレンテレフタレート)のガラス転移点温度は数10℃である。
【0044】
而して、本発明方法によれば、スタック2の厚さにバラツキがあっても、上金型10に設けられた可動部12を下金型20に密着させた状態で、該可動部12を除く上金型10の本体部11がスタック2の厚さのバラツキ分だけ可動部12に対して上下動することによってスタック2の厚さのバラツキが吸収され、該本体部11と下金型20との間でスタック2を常に確実に挟み込むことができるため、スタック2と上金型10及び下金型20との間に隙間が発生せず、樹脂モールド材6が隙間に流出することがない。この結果、樹脂モールド材6の漏れが確実に防がれ、スタック2、延てはレゾルバ1の品質の安定化が図られる。
【0045】
又、本発明方法では、樹脂モールド材6として、使用温度範囲内にガラス転移点が存在しない共重合ポリエステル系ホットメルトを使用するため、該樹脂モールド材6が環境条件の影響を受けることがなく、細い巻線が巻回されたレゾルバ1の巻線部であっても、これを樹脂モールド材6によって効果的に保護して巻線7の断線やレアショート等の不具合の発生を防ぐことができる。
【0046】
その他、本発明方法のようにスタック2の巻線部を樹脂モールド材6によって保護するようにすれば、巻線部の固定及び絶縁性向上のためのワニス等の樹脂材料の塗布が不要となり、樹脂材料の塗布量管理や乾燥温度管理等も不要となって、製造工数及び品質管理工数を削減してコストダウンを図ることができる。
【0047】
又、スタック2の巻線部の樹脂モールド材6による保護によって、レゾルバ1の粉塵や振動或は衝撃等に対する耐久性(耐環境性能)が高められる。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1〜3記載の発明によれば、スタック厚にバラツキがあっても、上金型に設けられた可動部を下金型に密着させた状態で、該可動部を除く上金型の本体部がスタック厚のバラツキ分だけ可動部に対して移動することによってスタック厚のバラツキが吸収され、該本体部と下金型との間でスタックを常に確実に挟み込むことができるため、スタックと金型との間に隙間が発生せず、樹脂モールド材の漏れを防いで品質の安定化を図ることができるという効果が得られる。
【0050】
又、請求項記載の発明によれば、樹脂モールド材として、ガラス転移点温度が−70℃の共重合ポリエステル系ホットメルトを使用するため、該樹脂モールド材が環境条件の影響を受けることがなく、細い巻線が巻回されたレゾルバの巻線部であっても、これを樹脂モールド材によって効果的に保護して巻線の断線やレアショート等の不具合の発生を防ぐことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レゾルバの斜視図である。
【図2】レゾルバのステータスタックの正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】ステータスタックのステータコアの正面図である。
【図5】上金型の底面図である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】図6のC部拡大詳細図である。
【図8】下金型の上面図である。
【図9】図8のD−D線断面図である。
【図10】樹脂モールド成形状態を示す上下金型の断面図である。
【符号の説明】
1 レゾルバ
2 ステータスタック(スタック)
5 ステータコア
6 樹脂モールド材
7 巻線
10 上金型
11 本体部
12 可動部
13 スプリング(付勢手段)
20 下金型
20c 円柱状凸部

Claims (4)

  1. 巻線が巻回されたレゾルバのリング状のスタックを、上下に2分割された上金型と下金型との間に挟み込んだ状態で、上金型と下金型との間に形成される空間に溶融樹脂モールド材を射出して少なくともスタックの巻線部を樹脂でモールドするレゾルバの巻線保護用樹脂モールド方法において、
    前記スタックの内径部を前記下金型の円柱状凸部に嵌め込んで位置決めし、
    前記スタックの片側外周部の側面部を前記下金型の溝によって受け、
    前記上金型をスプリングによって付勢された可動部を下にして前記下金型の上に被せ、
    前記上金型の可動部を前記スプリングの付勢力によって前記下金型の前記円柱状凸部の上面に密着させるとともに、前記上金型の溝を前記スタックの片側外周部の側端面に当接させることを特徴とするレゾルバの巻線保護用樹脂モールド方法。
  2. 前記下金型の前記円柱状凸部の中心部にエアー逃げ穴を形成したことを特徴とする請求項1記載のレゾルバの巻線保護用樹脂モールド方法。
  3. 前記上金型を前記下金型に被せ、
    前記上金型の本体部に形成されたボルト孔にボルトを上から通し、
    該ボルトを前記可動部に形成されたネジ孔にネジ込むことによって前記可動部を固定することによって該可動部の前記下金型への密着状態を維持することを特徴とする請求項1記載のレゾルバの巻線保護用樹脂モールド方法。
  4. 前記樹脂モールド材として、ガラス転移点温度が−70℃の共重合ポリエステル系ホットメルトを使用することを特徴とする請求項1記載のレゾルバの巻線保護用樹脂モールド方法。
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