JP3941446B2 - 車体前部構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車の前部構造に関し、特にヘッドライト取付位置に特徴のある車体前部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車などの車両1では、図12に示すようなものが知られている(実開平2−139133号公報等参照)。
【0003】
この様な車両1では、車両左,右両側部下方位置に、車両前後方向に沿って一対のサイドメンバ2,2が延設されている。
【0004】
このサイドメンバ2,2の前端部は、車幅方向に沿って延設されるフロントクロスメンバ3の左,右両端に連結されると共に、左,右一対のシュラウドサイドパネル4,4を介して、ホイールエプロン5の前端部が接続されている。
【0005】
このホイールエプロン5は、主に、車両前端近傍に設けられる板状の縦パネル部5aと、この縦パネル部5aよりも車両後方に位置形成されて閉断面からなる高剛性部5bと、水平パネル部5eを有して構成されている。
【0006】
このうち、縦パネル部5aの前端5cには、車両前方に向けて傾斜する凹部5fが形成されると共に、車幅方向外側に折曲される水平フランジ部5dが一体に設けられている。
【0007】
この水平フランジ部5dは、所定の幅aを有すると共に、前記フロントクロスメンバ3の上方に位置するラジエタコアアッパ部材としてのシュラウドアッパメンバ6のうち、車幅方向両端部を下方に屈曲させた左,右屈曲部7,7の各端縁7a,7aが接続されて下方から支持するように構成されている。
【0008】
そして、この左,右屈曲部7,7には、ヘッドランプ本体8a,8aを設けたヘッドランプハウジング8,8が、位置合わせされて、ボルト等によって装着されるように構成されている。
【0009】
次に、この従来例の作用について説明する。
【0010】
このように構成された従来のものでは、前記シュラウドアッパメンバ6の左,右屈曲部7,7が、下方に屈曲されているので、上方或いは前方の何れの方向からも容易に前記ヘッドランプハウジング8,8を車両1に装着出来る。
【0011】
また、図13及び図14は、他の従来例を示すものである(TOYOTA CELICA修理書ZZT23#系1999年9月(平成11年)トヨタ自動車(株)発行等参照)。
このようなものでは、ヘッドランプ本体9aを有するヘッドランプハウジング9が、車体前部から側縁に沿って車両後方へ向けて延設されている。このため、車両前部側面近傍に設けられるフードリッジ部材10の車両前,後方向の長さL1が、比較的短く設定されている。
【0012】
このフードリッジ部材10は、側面視略三角形形状を呈して、車両前後方向に延設されると共に、略中央に高剛性部としてのエンボス部10bが凹設形成されている。
【0013】
そして、前記ヘッドランプハウジング9に一体に突設された取付フランジ9b,9c,及び9dが、各々フロントフェンダパネル11の前端縁11a,ラジエタコアアッパ部材12の車幅方向側端縁12a,及びこのフードリッジ部材10の前端縁10a近傍にネジ部材13…によって固定されて、前記ヘッドランプハウジング9が、このフードリッジ部材10とラジエタコアアッパ部材12との間に掛け渡されて装着される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図12に示す従来の車体前部構造では、ヘッドランプハウジング8,9を車両側面部に沿わせて、後方に向けて延設しようとすると、ホイールエプロン5の前端5cに形成された凹部5fを更に大きく設定しなければならない。
【0015】
このため、前記高剛性部5bの車両前後方向長さも、短くなり、車体剛性が低下する虞があった。
【0016】
特に、車両1の前輪から突き上げ力を受け止めるストラットタワー近傍に延在される前記ホイールエプロン5の高剛性部5bは、ホイールハウス5gを介して、ストラットタワーの内倒れを防止する剛性を担う為、この部分の車体剛性の低下は、車両の振動性能、耐久性能、操縦安定性に大きな影響を与えるといった問題があった。
【0017】
また、図13及び図14に示すように、前記ヘッドランプハウジング9に一体に突設された取付フランジ9b,9cが、各々フロントフェンダパネル11の前端縁11a,ラジエタコアアッパ部材12の車幅方向側端縁12aにネジ部材13,13によって固定されて、前記ヘッドランプハウジング9が、このフードリッジ部材10とラジエタコアアッパ部材12との間に掛け渡されて装着されるものでは、直接、フードリッジ部材10とラジエタコアアッパ部材12とが接続されていないので、車体前部の剛性を向上させることが困難であった。
【0018】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、車両前部の剛性を良好な状態に保持しつつ、ヘッドランプの造形の自由度を向上させることができる車体前部構造を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、車両前部両側の上縁部に各々閉断面を有して車両前,後方向に延設されるフードリッジメンバを有し、該フードリッジメンバの前部を後部から車両前部に装着されるヘッドランプの下縁に沿う位置まで下げて延設し、しかも、該前部と、該フードリッジメンバの下方で且つ車両内側に車両前後方向に沿って延設されるサイドメンバとを連結する連結部材を有すると共に、前記フードリッジメンバの閉断面は、車両前部に車幅方向に沿って延設されるラジエタコアアッパ部材の閉断面と連続するように接続されていて、更に、前記フードリッジメンバの前部と、前記ラジエタコアアッパ部材とが連結する部分の上側に前記ヘッドランプが配置される車体前部構造を特徴としている。
【0020】
このように構成された請求項1記載のものでは、前記フードリッジメンバの前部が、後部から車両前部に装着されるヘッドランプの下縁に沿う位置まで下げられて延設されているので、閉断面を前記ヘッドランプの下方に位置させることが出来る。
【0021】
該前部は、該フードリッジメンバの下方で前記サイドメンバに対して、連結部材を介して連結されるので、例えば、前輪の突き上げ力を受け止める充分な車両前部の剛性を確保できる。
【0022】
また、前記フードリッジメンバの閉断面は、車両前部に車幅方向に沿って延設されるラジエタコアアッパ部材の閉断面と連続するように接続されている。
【0023】
更に、前記フードリッジメンバの閉断面が、車両前部に車幅方向に沿って延設されるラジエタコアアッパ部材の閉断面と連続するように接続される。
従って、更に、車両の前部の剛性を向上させることができる。
そして、前記フードリッジメンバの前部と、前記ラジエタコアアッパ部材とが連結する部分の上側に前記ヘッドランプが配置される。
このため、車両前後方向長さを短くできる。
【0024】
更に、請求項に記載されたものでは、前記連結部材は、前記フードリッジメンバの延設方向に対して、略直角に接続される請求項1記載の車体前部構造を特徴としている。
【0025】
このように構成された請求項記載のものでは、前記連結部材が、前記フードリッジメンバの延設方向に対して、略直角に接続されるので、前記フードリッジメンバの延設方向である車両前後方向と略直交する上,下、左,右方向への該フードリッジメンバの挙動を効果的に抑制できる。
【0026】
また、請求項に記載されたものでは、前記連結部材は、前記フードリッジメンバを、前記サイドメンバの上端及び、前記サイドメンバの下端の少なくとも上,下二点で接続する請求項1又は2記載の車体前部構造を特徴としている。
【0027】
このように構成された請求項記載のものでは、前記連結部材によって、前記フードリッジメンバが、前記サイドメンバの上端及び、前記サイドメンバの下端の少なくとも上,下二点で接続されているので、前記フードリッジメンバに作用する上,下方向の力を、上,下に離されて設定される二点で受け止められる。
【0028】
このため、前記フードリッジメンバが、前記サイドメンバから車幅方向に離間された位置に設けられていても、上下方向の挙動が有効に抑制される。
また、請求項4に記載されたものは、前記連結部材のうち、前記フードリッジメンバを、前記サイドメンバの上端及び、前記サイドメンバの下端の少なくとも上,下二点で接続する連結部では、前記サイドメンバのフランジ部と稜線の基部との両方に接続するように構成されている請求項3記載の車体前部構造を特徴としている。
このように構成された請求項4に記載されたものは、前記フードリッジメンバが、前記サイドメンバから車幅方向に離間された位置に設けられていても、更に、上下方向の挙動が有効に抑制される。
【0029】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の具体的な実施の形態1について、図示例と共に説明する。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0030】
図1乃至図10は、この発明の実施の形態1の車体前部構造を示すものである。なお、前記従来例と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0031】
まず、構成を説明すると、この実施の形態1の車両14では、車両左,右両側部下方位置に、車両前後方向に沿って一対のサイドメンバ2,2が延設されている。
【0032】
このサイドメンバ2,2の前端部は、延設ステイ部材3a,3aを介して車幅方向に沿って延設されるフロントクロスメンバ3の左,右両端に連結されると共に、このフロントクロスメンバ3の上方には、バンパフェイシャ15を支持するバンパステイ部材16の左,右両端が固着されている。
【0033】
更に、このバンパステイ部材16の上方位置には、接続ステイ部材18,18を介して、ラジエタコアアッパ部材19が設けられている。
【0034】
このラジエタコアアッパ部材19は、断面略ハット状を呈して上方を凸として車両前部に車幅方向に沿って延設されていて、上面部19cの前,後縁に折曲形成される前,後壁部19d,19eの下端から、略水平に前側フランジ部19a及び後側フランジ部19bが各々一体となるように車両前,後方向へ向けて延設されている。
【0035】
そして、図4に示されるように、このラジエタコアアッパ部材19の車幅方向左,右両端部には、前記前壁部19dの上端に水平接合フランジ部19fが、車両前方に向けて略水平に延設されている。
【0036】
更に、このラジエタコアアッパ部材19の車幅方向左,右両端部には、前記後壁部19eの端縁から車両後方に向けて延設される接合フランジ部19gが、一体に設けられている。
【0037】
また、前記サイドメンバ2,2の左,右両側には、ストラットタワー部材17,17が設けられていて、車両14の前輪のサスペンション装置が装着されるように構成されている。
【0038】
更に、このストラットタワー部材17の車幅方向外側で、車両前部の左,右両側の上縁部のフロントフェンダパネル21の内側には、車両前後方向に向けて延設されるフードリッジメンバ20が設けられている。
【0039】
このフードリッジメンバ20は、主にフードリッジアウタ22及びフードリッジインナ23から構成されて、図2及び図4に示すように、車幅方向に接合されることにより、内部に、車両前,後方向に沿う断面略ロ字状の閉断面が、車両前後方向略全域に形成されている。
【0040】
このうち、前記フードリッジアウタ22は、図2又は図5に示されるように、主に水平面部22a及び外側面部22bを有していて、外側面部22bの車両前端下側には、車幅方向に前記フードリッジインナ23と接合される接合フランジ部22cが一体に凸設形成されている。
【0041】
また、前記フードリッジインナ23には、前記フードリッジアウタ22の水平面部22aに接合される水平接合フランジ部23aと、前記ラジエタコアアッパ部材19の上面部19cに接合される前側水平接合フランジ部23bと、前壁部19bに内側から当接して接合される鉛直接合フランジ部23cとが一体に設けられている。
【0042】
更に、このフードリッジインナ23の前端部には、垂直壁部23に一体となるように前記接合フランジ部22c及び後述する連結部材25間に挟持されて車幅方向で接合される縦フランジ部23eが設けられている。
【0043】
そして、この実施の形態1の車体前部構造のフードリッジインナ23には、前記接合フランジ部19gを車幅方向で当接させて接合させる接合受け面部23fが設けられている。
【0044】
また、このフードリッジメンバ20の前部20aは、図6に示されるように、車両14前部に装着されるヘッドランプ24の下縁24cに沿う位置に、後部20bよりも低い位置となるように下げられて車体前方に延設されて側面視で凹設されている。
【0045】
そして、このフードリッジメンバ20の前部20には、このフードリッジメンバ20の下方で且つ車両内側に車両前後方向に沿って延設される前記サイドメンバ2と連結する連結部材25が設けられている。
【0046】
この連結部材25は、図5に示すように正面視略三角形のパネル本体25aを有して、周縁に周縁フランジ25bが一体に設けられていると共に、このパネル本体25aには、肉抜き開口部25c,25dが形成されている。
【0047】
また、この周縁フランジ部25bのうち、前記ラジエタコアアッパ部材19の前側フランジ部19aに当接する部分には、接合フランジ面部25eが設けられている。
【0048】
更に、この接合フランジ面部25cと連接されて略鉛直に垂下される外側縁には、前記縦フランジ部23eを、前記接合フランジ部22cと共に挟持して車幅方向に接合するフードリッジ接合縦フランジ部25fが設けられている。
【0049】
また、前記周縁フランジ部25のうち、車幅方向内側面に位置して、前記サイドメンバ2の外側面2aと対向する部分には、この外側面2aの上端2bと車幅方向で接合される上接合フランジ部25gが設けられている。
【0050】
更に、前記周縁フランジ部25bのうち、車幅方向内側面に位置して、前記サイドメンバ2の外側面2aと対向する部分には、この外側面2aの下端2cと車幅方向で接合される下接合フランジ部25hが設けられている。
【0051】
そして、この周縁フランジ部25bの各接合により前記フードリッジメンバ20が、前記ラジエタコアアッパ部材19の下側で、前記サイドメンバ2の上端2b及び下端2cに上下方向に所定間隔をおいて、このサイドメンバ2に接続されて下方から支持させることにより、このフードリッジメンバ20の延設方向である車両前後方向に対して、略直角に前記連結部材25が接続されるように構成されている。
【0052】
また、図3に示すように前記ヘッドランプ24,24は、前記左,右のフロントフェンダパネル21,21とエンジンフード26との間で、しかも、車両14の前部上側に位置合わせされて、ボルト等によって装着されるように構成されている。
【0053】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0054】
このように構成された実施の形態1の車体前部構造では、車両前後方向に沿って延設される前記フードリッジメンバ20の閉断面が、フードリッジアウタ22及びフードリッジインナ23を車幅方向に接合することによって構成されている。
【0055】
このため、フードリッジメンバ20の前部20aが、後部20bから車両前部に装着されるヘッドランプ24のランプハウジング24b下縁24cに沿う位置まで下げられて延設出来、前記閉断面をこのヘッドランプ24の下方に至るまで車両前方方向に延設させて位置させることが出来る。
【0056】
このように、この実施の形態1では、閉断面が、フードリッジアウタ22及びフードリッジインナ23を車幅方向に接合することによって構成されているので、例えばロ字状の閉断面を押し出し成型等によって構成する場合に比較して容易に前部20aを、図6に示すように、車両14前部に装着されるヘッドランプ24の下縁24cに沿う位置に、後部20bよりも低い位置となるように下げて、車体前方に延設された部分を側面視で凹設することが出来る。
【0057】
この前部20aは、フードリッジメンバ20の下方で前記サイドメンバ2に対して、連結部材25を介して連結されるので、例えば、前輪の突き上げ力を受け止める充分な車両前部の剛性を確保できる。
【0058】
また、図4に示すように、フードリッジインナ23に設けられた接合受け面部23fには、前記接合フランジ部19gが車幅方向に当接させられて接合されている。
【0059】
このフードリッジインナ23の鉛直接合フランジ部23cは、前壁部19bに内側から当接して接合されると共に、前記前側水平接合フランジ部23bは、ラジエタコアアッパ部材19の上面部19cに接合される。
【0060】
このため、図9及び図10に示されるように前記フードリッジメンバ20の閉断面が、車両14前部に車幅方向に沿って延設されるラジエタコアアッパ部材19の閉断面と連続するように接続される。
【0061】
従って更に、車両14前部の剛性を向上させることが出来る。
【0062】
更に、前記連結部材25が、前記フードリッジメンバ20の延設方向に対して、略直角に接続されるので、前記フードリッジメンバ20の延設方向である車両前後方向と略直交する上,下、左,右方向へのこのフードリッジメンバ20の挙動を効果的に抑制できる。
【0063】
また、図5に示すように、前記連結部材25によって、前記フードリッジメンバ20が、前記サイドメンバ2の上端2b及び、前記サイドメンバ2の下端2cの離間した少なくとも上,下二点で接続されているので、前記フードリッジメンバ20に作用する上,下方向の力が、上,下に離されて設定される二点で受け止められる。
【0064】
このため、前記フードリッジメンバ20が、前記サイドメンバ2から車幅方向外側に離間された位置に設けられていても、上下方向の挙動が有効に抑制される。
【0065】
従って、車両前部の剛性を良好な状態に保持して車両の振動性能、耐久性能、操縦安定性を向上させつつ、この実施の形態1のように、前記ヘッドランプ24,24を、前記左,右のフロントフェンダパネル21,21とエンジンフード26との間で、しかも、車両14の前部上側に装着出来、ヘッドランプ24の取付位置,大きさ及び造形の自由度を向上させることが出来る。
【0066】
更に、この実施の形態1では、図1に示すように、前記フードリッジメンバ20が、その前部20aを、ラジエタコアアッパ部材19の車幅方向左,右側縁部及び前記連結部材25に接続されて支持されているので、前記フロントフェンダパネル21装着前の状態でも、安定して自立して、例えば工場内で移動する際にも、脱落或いは屈曲されることがない。
【0067】
また、フードリッジメンバ20が、前記フロントフェンダパネル21と共に取り付けられる欧州で一般的に行われている組付け順序でも、前記ラジエタコアアッパ部材19の車幅方向両端部が、前側フランジ部19aで前記連結部材25によって下方から接続されて支持されているので、フードリッジメンバ20及びフロントフェンダパネル21が組み付けられる前の状態で、安定して自立させることが出来る。
【0068】
【変形例】
図11は、本発明の実施の形態1の変形例を示したものである。なお、前記実施の形態1と同一乃至均等な部分については同一符号を付して説明する。
【0069】
この変形例の車体前部構造では、前記実施の形態1のラジエタコアアッパ部材19に設けられた水平接合フランジ部19fに代えて、このラジエタコアアッパ部材19の前壁部19の車幅方向左,右両側端から、縦接合フランジ部19hが車両前方方向に向けて一体に延設されている。
【0070】
そして、この縦接合フランジ部19hは、前記フードリッジアウタ22の外側面部22b内側に車幅方向に重ね合わせられるように当接されて接続されている。
【0071】
次に、この変形例の作用について説明する。
【0072】
この変形例では、前記実施の形態1の作用効果に加えて更に、前記縦接合フランジ部19hが、前記フードリッジアウタ22の外側面部22b内側に車幅方向に重ね合わせられるように当接されて接続されているので、前記接合フランジ部19gの接合方向である車幅方向と同じ方向で接続出来る。
【0073】
このため、組み合わせ及び溶接による接合方向が一致して組付け性が良好である。
【0074】
他の構成及び作用、効果については、前記実施の形態1と略同様であるので説明を省略する。
【0075】
以上、本発明の実施の形態1及び変形例を図面に基づいて説明してきたが、本発明は、前記実施の形態1に限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれる。
【0076】
例えば、実施の形態1では、フードリッジインナ23に設けられた接合受け面部23fには、前記接合フランジ部19gが、前壁部19bには、鉛直接合フランジ部23cが、更に、上面部19cには、前記前側水平接合フランジ部23bが、接合されて、図9及び図10に示されるように前記フードリッジメンバ20の閉断面が、前記ラジエタコアアッパ部材19の閉断面と連続するように接続されているが、特にこれに限らず、例えば、ラジエタコアアッパ部材19の車幅方向左,右側端面を、前記フードリッジインナ23の内側面部に突き当てて接続したり、或いは、フードリッジメンバ20の前部20a前端面を前記ラジエタコアアッパ部材19の後壁部19eに突き当てて接続する等、どのように、フードリッジメンバ20を前記ラジエタコアアッパ部材19に接続してもよい。
【0077】
【発明の効果】
以上、上述してきたように、請求項1記載のものでは、前記フードリッジメンバの前部が、後部から車両前部に装着されるヘッドランプの下縁に沿う位置まで下げられて延設されているので、閉断面を前記ヘッドランプの下方に位置させることが出来る。
【0078】
該前部は、該フードリッジメンバの下方で前記サイドメンバに対して、連結部材を介して連結されるので、例えば、前輪の突き上げ力を受け止める充分な車両前部の剛性を確保できる。
【0079】
また、前記フードリッジメンバの閉断面は、車両前部に車幅方向に沿って延設されるラジエタコアアッパ部材の閉断面と連続するように接続される。従って、更に、車両の前部の剛性を向上させることができる。
【0080】
更に、請求項記載のものでは、前記連結部材が、前記フードリッジメンバの延設方向に対して、略直角に接続されるので、前記フードリッジメンバの延設方向である車両前後方向と略直交する上,下、左,右方向への該フードリッジメンバの挙動を効果的に抑制できる。
【0081】
請求項に記載されたものでは、前記連結部材によって、前記フードリッジメンバが、前記サイドメンバの上端及び、前記サイドメンバの下端の少なくとも上,下二点で接続されているので、前記フードリッジメンバに作用する上,下方向の力を、上,下に離されて設定される二点で受け止められる。
【0082】
このため、前記フードリッジメンバが、前記サイドメンバから車幅方向に離間された位置に設けられていても、上下方向の挙動が有効に抑制される
また、請求項4に記載されたものは、前記フードリッジメンバが、前記サイドメンバから車幅方向に離間された位置に設けられていても、更に、上下方向の挙動が有効に抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の車体前部構造で、要部の構成を説明する分解斜視図である。
【図2】実施の形態1の車体前部構造で、主にフードリッジメンバの分解斜視図である。
【図3】実施の形態1の車体前部構造で、車両の斜視図である。
【図4】実施の形態1の車体前部構造を示し、フードリッジメンバ、ラジエタコアアッパ部材、及び連結部材の接続を説明する分解斜視図である。
【図5】実施の形態1の車体前部構造を示し、図3中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図6】実施の形態1の車体前部構造を示し、車両前部の側面図である。
【図7】実施の形態1の車体前部構造を示し、車両前部のフロントフェンダパネルを取り外した状態での側面図である。
【図8】実施の形態1の車体前部構造を示し、車両前部の上面図である。
【図9】実施の形態1の車体前部構造を示し、車両前部のフロントフェンダパネル等を取り外した状態での上面図である。
【図10】実施の形態1の車体前部構造を示し、フードリッジメンバ、ラジエタコアアッパ部材、及び連結部材の接続を説明する上面図である。
【図11】実施の形態1の変形例で、図10に対応する位置での要部の上面図である。
【図12】一従来例の車体前部構造を示す分解斜視図である。
【図13】他の従来例の車体前部構造を示し、ヘッドランプの装着を示す斜視図である。
【図14】他の従来例の車体前部構造を示し、フードリッジメンバが装着されている箇所を説明する斜視図である。
【符号の説明】
2 サイドメンバ
2b 上端
2c 下端
14 車両
19 ラジエタコアアッパ部材
20 フードリッジメンバ
20a 前部
20b 後部
24 ヘッドランプ
24c 下縁
25 連結部材
25g 上接合フランジ部
25h 下接合フランジ部

Claims (4)

  1. 車両前部両側の上縁部に各々閉断面を有して車両前,後方向に延設されるフードリッジメンバを有し、該フードリッジメンバの前部を後部から車両前部に装着されるヘッドランプの下縁に沿う位置まで下げて延設し、しかも、該前部と、該フードリッジメンバの下方で且つ車両内側に車両前後方向に沿って延設されるサイドメンバとを連結する連結部材を有すると共に、前記フードリッジメンバの閉断面は、車両前部に車幅方向に沿って延設されるラジエタコアアッパ部材の閉断面と連続するように接続されていて、更に、前記フードリッジメンバの前部と、前記ラジエタコアアッパ部材とが連結する部分の上側に前記ヘッドランプが配置されることを特徴とする車体前部構造。
  2. 前記連結部材は、前記フードリッジメンバの延設方向に対して、略直角に接続されることを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。
  3. 前記連結部材は、前記フードリッジメンバを、前記サイドメンバの上端及び、前記サイドメンバの下端の少なくとも上,下二点で接続することを特徴とする請求項1又は2記載の車体前部構造。
  4. 前記連結部材のうち、前記フードリッジメンバを、前記サイドメンバの上端及び、前記サイドメンバの下端の少なくとも上,下二点で接続する連結部では、前記サイドメンバのフランジ部と稜線の基部との両方に接続するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の車体前部構造。
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