JP3940476B2 - 舗装用湿気硬化型結合剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は施工が容易であり且つ、耐候性等に優れた舗装用湿気硬化型結合剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、駐車場や歩道等において雨水を地中に戻すために透水アスファルトコンクリートや透水セメントコンクリートが用いられるようになってきている。また、路床上に透水アスファルトコンクリートや透水セメントコンクリートからなる下地層を形成した後、施工現場で天然石やセラミックス等の骨材をウレタン樹脂やエポキシ樹脂で調合し、レーキやコテ等で敷き詰め硬化させ仕上げる方法、コンクリートブロック表面に天然石やセラミックなどの骨材をエポキシ樹脂などで硬化させたインターロッキングブロックにより仕上げる方法、FRP や金属型に天然石やセラミックなどの骨材を硬化させた成形体を敷き詰めて仕上げる方法などが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エポキシ樹脂は屋外暴露によって変色、チョーキング等を生じ、耐久性や意匠性に劣る。
高強度とするためにトリレンジイソシアネートなどのイソシアネートを用いるウレタン樹脂結合剤は黄変し意匠性がない。このために特開平6−234963や特開平6−172484のように無黄変タイプのイソシアネートを用いることが提案されているが、特開平6−234963は低分子量のPPGを使用するために高粘度となって、作業性が悪く、特開平6−172484はアクリル樹脂にイソシアネートを共重合させるものであるが、使用するイソシアネートの反応が遅いために多量の触媒が必要であることや高コストとなるなどの問題がある。
また、最近では無黄変型のウレタン樹脂がトップコートとして使用されることもあるが、施工の工程が増えかつスプレーする必要があるなど問題点も多い。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため種々検討を重ねたところ、特定の脂肪族イソシアネートプレポリマーの混合物を用いることにより、可撓性や耐候性に優れ、低コストで作業性の極めて良好な舗装用湿気硬化型結合剤が得られることを知見し、さらに鋭意研究を行って本発明を完成した。すなわち、本発明は、
(1)脂環式ポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られる末端NCO基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部と、イソシアヌレート環を有するヘキサメチレンジイソシアネート系プレポリマー(B)を10〜100重量部含有してなる舗装用湿気硬化型結合剤、
(2)固形分が65重量%以上であり且つ粘度が20,000mpas/25℃以下である前記(1)記載の舗装用湿気硬化型結合剤、
(3)ポリオールが分子量500〜6000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシプロピレンポリオールから選ばれた少なくとも1種を50重量%以上含有するものである前記(1)記載の舗装用湿気硬化型結合剤、および
(4)前記(1)記載の舗装用湿気硬化型結合剤3〜40重量%と材を97〜60重量%含有してなる舗装材、
である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される脂環式イソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添メチレンビスフェニルイソシアネート等シクロヘキサン環に直接または炭素原子を介してイソシアネート基が2〜5個、好ましくは2〜3個結合した化合物が挙げられる。これらの中では、特にイソホロンジイソシアネートが反応性、耐候性、耐熱性で優れているので好ましい。
本発明に使用できるポリオールとしては、例えばポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシプロピレンエチレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、ポリエステルポリオールなど平均分子量50〜6,000で平均官能基数が 2〜4 の従来公知のポリオールが挙げられるが、分子量500〜6000のポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシエチレンプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを単独または混合物として50重量%以上含有していることが好ましい。
この分子量500〜6000のポリオールの含有量が少ないと粘度が高くなり、作業性が悪くなる場合がある。
【0006】
ウレタンプレポリマー(A)は脂環式ポリイソシアネートのイソシアネート基(NCO)がポリオールの活性水素基(OH)に対し例えば NCO/OH 等量比が1.2〜3.0、好ましくは1.5〜2.5の範囲で脂環式ポリイソシアネートとポリオールを反応させることにより得られる。反応温度は通常約60〜100℃で、反応時間は通常約 2■10時間である。
この反応では従来公知のウレタン化触媒を用いてもよく、更にベンゾイルクロライド、o−トルエンスルホン酸アミドなどの安定剤を添加してもよい。
さらに上記末端 NCO 基含有ウレタンプレポリマー(A)に例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル等の溶剤を使用することができる。これらの溶剤はポリイソシアネートとポリオールの反応前に予め添加するかあるいは反応後に添加してもよい。ただし、溶剤含有量が35重量%以上となると硬化物が収縮してクラックや反りが発生し、またバインダー含有量が少なくなるために硬化物の強度が低下するので溶剤の使用量は35重量%未満であることが好ましい。
【0007】
上記反応によって得られたウレタンプレポリマー(A)のみでは舗装用結合剤としてなお、施工の際の作業性や硬化性が劣るため更にイソシアヌレート環を含んだヘキサメチレンジイソシアネート系プレポリマー(B)を(A)100重量部に対し通常10〜100重量部、好ましくは20〜75重量部混合して使用する。イソシアヌレート環を含んだヘキサメチレンジイソシアネート系プレポリマー(B)は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDIと略称することがある。)を自体公知の方法、たとえば特開平2-42068号に記載されているようにカルボン酸のアルカリ塩を触媒として20〜80℃に加熱してイソシアヌレート環を形成させ、ケイ酸塩により反応を停止することにより得ることができる。
その、典型的なものとしては一般式(I)
【化1】
Figure 0003940476
で示される化合物があげられるが、純粋なものである必要はなく、(I)式の化合物が少なくとも50重量%含まれていればよい。すなわち、(I)式で示される化合物2分子とジオール化合物1分子が反応して生成する化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート以外のジイソシアネートがイソシアヌレート化された化合物やヘキサメチレンジイソシアネートモノマーなどが50重量%未満含まれていてもよい。また、プレポリマー(B)中のイソシアヌレート環の含量は 5〜40重量%、好ましくは15〜35重量%である。
【0008】
前記(A)および(B)の成分の他、必要に応じて従来公知の可塑剤、消泡剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、シランカップリング剤等各種カップリング剤などの添加剤を添加してもよい。
得られる舗装用湿気硬化型結合剤は、固形分が65重量%以上、好ましくは75重量%以上で、粘度が 20,000mpas/25℃以下、好ましくは10,000mpas/25℃以下のものが、特に作業性の視点から有利に使用することができる。
また、結合剤中のイソシアネート基含有量は 5〜25重量%、遊離 NCO モノマーは 2重量%以下とするのが、硬化物の物性面から好ましい。
本発明に使用される骨材は、例えば、天然の骨材としては玉砂利、砕石、まさ土、珪砂、木片、籾殻,マイカ、シラスバルーン、貝殻粉砕物等があげられ、人工の骨材としてはセラミックス、廃瓦、廃ガラス、廃プラスチック、廃ゴム等の粉砕物が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上を組み合わせて使用することができる。舗装用湿気硬化型結合剤と骨材との配合比は、重量比で 3■40:97〜60、好ましくは 4〜30:96〜70である。
結合剤と骨材を混練することにより得られた舗装用材料は、敷設して常温で硬化させることにより、透水性舗装層を得ることができる。あるいは舗装用材料を型枠に入れ、常温あるいは加熱により硬化させることにより透水性舗装用成形品を得ることが出来る。
また、湿気硬化型である為に気象条件により硬化性に左右されることがある。従って必要により公知のウレタン用触媒やポリオール等を硬化剤として用いてもよい。なお、この時、顔料、可塑剤、消泡剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、シランカップリング剤等各種カップリング剤などの添加剤を混合してもよい。
【0009】
【実施例】
以下に合成例、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、合成例、実施例および比較例中の部は重量部を%は重量%を表す。
合成例1
樹脂1の合成
イソホロンジイソシアネート373.0部、分子量320のポリ(オキシプロピレン)トリオール(アクトコールG-530、武田薬品工業(株)社製)118.6部、分子量1,000のポリテトラメチレングリコール(PTG-1000、保土ケ谷化学工業(株)社製)239.8部およびキシレン149.9部を反応装置に仕込み、窒素気流下80〜100℃で約 8時間ウレタン化反応を行った。
反応終了後40℃に冷却し、イソシアヌレート環を含む HDI 系プレポリマー(タケネートD-170N、 武田薬品工業(株)社製)100部を添加し末端にイソシアネート基を有する透明で淡黄色のウレタンプレポリマーを得た。
このプレポリマーは、粘度 2,880 mpas/25℃、イソシアネート基含量9.1%、遊離 NCO モノマーは 1.3%であった。
【0010】
合成例2
樹脂2の合成
イソホロンジイソシアネート290.1部、分子量320のポリ(オキシプロピレン)トリオール(アクトコールG-530、武田薬品工業(株)社製)92.3部、分子量1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG-1000、保土ケ谷化学工業(株)社製)186.1部およびキシレン116.5部を反応装置に仕込み、窒素気流下80〜100℃で約 2時間ウレタン化反応を行った。さらにジブチルチンジラウレート0.07部を添加し、3時間反応を行った。反応終了後40℃に冷却し、イソシアヌレート環を含む HDI 系プレポリマー(タケネートD-170N、 武田薬品工業(株)社製)297.0部とシランカップリング剤(SH-6040、東レダウコーニング社製)9.9部を添加し、末端にイソシアネート基を有する透明で淡黄色のウレタンプレポリマーを得た。
このプレポリマーは粘度2,400 mpas/25℃、イソシアネート基含量11.7%、遊離 NCO 0.95%であった。
【0011】
合成例3
樹脂3の合成
イソホロンジイソシアネート290.1部、分子量320のポリ(オキシプロピレン)トリオール(アクトコールG-530、武田薬品工業(株)社製)92.3部、分子量1,000のポリ(オキシプロピレン)ジオール(タケラックP-22、武田薬品工業(株)社製)186.5部およびキシレン116.5部を反応装置に仕込み、窒素気流下80〜100℃で約 8時間ウレタン化反応を行った。
反応終了後40℃に冷却し、イソシアヌレート環を含む HDI 系プレポリマー(タケネートD-170N、武田薬品工業(株)社製)297.0部を添加し、末端にイソシアネート基を有する透明で淡黄色のウレタンプレポリマーを得た。
このプレポリマーは、粘度2,530 mpas/25℃、イソシアネート基含量11.6%、遊離NCO 0.96%であった。
【0012】
合成例4
樹脂4の合成
イソホロンジイソシアネート124.3部、分子量320のポリ(オキシプロピレン)トリオール(アクトコールG-530、武田薬品工業(株)社製)39.5部、分子量1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG-1000、保土ケ谷化学工業(株)社製)79.9部およびキシレン50部を反応装置に仕込み、窒素気流下80〜100℃で約 2時間ウレタン化反応を行った。さらにジブチルチンジラウレート0.03部を添加し、3時間反応を行った。反応終了後40℃に冷却し、イソシアヌレート環を含む HDI 系プレポリマー(タケネートD-170N、 武田薬品工業(株)社製)700部とシランカップリング剤(SH-6040、東レダウコーニング社製)3部を添加し、末端にイソシアネート基を有する透明で淡黄色のウレタンプレポリマーを得た。
このプレポリマーは粘度2,860 mpas/25℃、イソシアネート基含量16.8%であった。
【0013】
合成例5
樹脂5の合成
イソホロンジイソシアネート414.5部、分子量320のポリ(オキシプロピレン)トリオール(アクトコールG-530、武田薬品工業(株)社製)131.8部、分子量1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG-1000、保土ケ谷化学工業(株)社製)266.5部およびキシレン166.5部を反応装置に仕込み、窒素気流下80〜100℃で約 8時間ウレタン化反応を行った。
反応終了後40℃に冷却し、末端にイソシアネート基有する透明で淡黄色のウレタンプレポリマーを得た。
このプレポリマーは粘度2,730 mpas/25℃、イソシアネート基含量7.8%であった。
【0014】
合成例6
樹脂6の合成
イソホロンジイソシアネート485部、分子量320のポリ(オキシプロピレン)トリオール(アクトコールG-530、武田薬品工業(株)社製)265部およびキシレン250部を反応装置に仕込み、窒素気流下80〜100℃で約 8時間ウレタン化反応を行って、末端にイソシアネート基有する透明で淡黄色のウレタンプレポリマーを得た。このプレポリマーは、粘度2,500 mpas/25℃、イソシアネート基含量7.6%であった。
【0015】
合成例7
樹脂7の合成
イソシアヌレート環を含むHDI系プレポリマー(タケネートD-170N 武田薬品工業(株)社製)705.9部、分子量320のポリ(オキシプロピレン)トリオール(アクトコールG-530、武田薬品工業(株)社製)52.4部、分子量1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG-1000、保土ケ谷化学工業(株)社製)105.9部およびキシレン117.8部を反応装置に仕込み、窒素気流下80〜100℃で約 8時間ウレタン化反応を行った。
反応終了後40℃に冷却し、末端にイソシアネート基有する透明で淡黄色のウレタンプレポリマーを得た。
このプレポリマーは粘度20,900 mpas/25℃、イソシアネート基含量11.6%であった。
【0016】
合成例8
樹脂8の合成
イソホロンジイソシアネート213.5部、分子量320のポリ(オキシプロピレン)トリオール(アクトコールG-530、武田薬品工業(株)社製)67.9部、分子量1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG-1000、保土ケ谷化学工業(株)社製)137.2部およびキシレン350部を反応装置に仕込み、窒素気流下80〜100℃で約 2時間ウレタン化反応を行った。さらにジブチルチンジラウレート0.05部を添加し、約 3時間反応を行った。
反応終了後40℃に冷却し、シランカップリング剤(SH-6040 東レダウコーニング社製)7.3部を添加し、末端にイソシアネート基有する透明で淡黄色のウレタンプレポリマーを得た。
このプレポリマーは、粘度80 mpas/25℃、イソシアネート基含量8.6%であった。
【0017】
合成例9
樹脂9の合成
ヘキサメチレンジイソシアネート380部、分子量320のポリ(オキシプロピレン)トリオール(アクトコールG-530、武田薬品工業(株)社製)159.7部、分子量1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG-1000、保土ケ谷化学工業(株)社製)322.8部およびキシレン119.4部を反応装置に仕込み、窒素気流下80〜100℃で約 2時間ウレタン化反応を行った。さらにジブチルチンジラウレート0.09部を添加し、約3時間反応を行った。
反応終了後40℃に冷却し、シランカップリング剤(SH-6040 東レダウコーニング社製)8.6部を添加し、末端にイソシアネート基有する透明で淡黄色のウレタンプレポリマーを得た。
このプレポリマーは、粘度2,400 mpas/25℃、イソシアネート基含量9.6%であった。
【0018】
実施例1
天然石(粒径 5mm)1,000部、合成例1で得た樹脂1 70部および硬化促進剤(フォーメートS−9 武田薬品工業(株)社製)0.35部を混合し型に入れて硬化させ、縦40mm、横160mm、厚さ40mmの成形体を作成した。これを23℃、50%RHで7日間養生後に物性を評価した。その結果を〔表1〕に示す。
実施例2
天然石(粒径 5mm)1,000部、合成例2で得た樹脂2 70部および硬化促進剤(フォーメートS−9 武田薬品工業(株)社製)0.35部を混合し型に入れて硬化させ、縦40mm、横160mm、厚さ40mmの成形体を作成した。これを23℃、50%RHで7日間養生後に物性を評価した。その結果を〔表1〕に示す。
実施例3
天然石(粒径 5mm)1,000部、合成例3で得た樹脂3 70部を混合し型に入れて硬化させ、縦40mm、横160mm、厚さ40mmの成形体を作成した。
これを23℃、50%RHで7日間養生後に物性を評価した。その結果を〔表1〕に示す。
【0019】
比較例1及び2
天然石(粒径 5mm)1,000部、合成例4、5で得た樹脂4または5 70部および硬化促進剤(フォーメートS−9 武田薬品工業(株)社製)0.35部を混合し型に入れて硬化させ、縦40mm、横160mm、厚さ40mmの成形体を作成した。これを23℃、50%RHで7日間養生後に物性を評価した。その結果を〔表2〕に示す。
比較例3及び4
天然石(粒径 5mm)1,000部、合成例6、7で得た樹脂6または7 70部を混合し型に入れて硬化させ、縦40mm、横160mm、厚さ40mmの成形体を作成した。これを23℃、50%RHで7日間養生後に物性を評価した。その結果を〔表2〕に示す。
【0020】
比較例5及び6
天然石(粒径 5mm)1,000部、合成例8、9で得た樹脂8または9 70部および硬化促進剤(フォーメートS−9 武田薬品工業(株)社製)0.35部を混合し型に入れて硬化させ、縦40mm、横160mm、厚さ40mmの成形体を作成した。これを23℃、50%RHで7日間養生後に物性を評価した。その結果を〔表2〕に示す。
比較例7
天然石(粒径 5mm)1,000部、2液反応型のエポキシ樹脂(テークエポFL-150R、武田薬品工業(株)社製)52.5部ともう1種のエポキシ樹脂(テークエポFL-150R、武田薬品工業(株)社製)17.5部を混合し、型に入れて硬化させ、縦40mm、横160mm、厚さ40mmの成形体を作成した。これを23℃、50%RHで7日間養生後に物性を評価した。その結果を〔表2〕に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003940476
【0022】
【表2】
Figure 0003940476
【0023】
物性強度測定条件
曲げ強度:クロスヘッドスピード2mm/分 スパン100mm
圧縮強度:クロスヘッドスピード2mm/分 圧縮面積40×40mm
タイヤ切り返し試験(耐久性)
圧縮加重 :30kg/cm2
ねじり速度:4rpm
タイヤ :注型ウレタン樹脂 硬度JISA98度品
サイクル数:100サイクル
〔表1〕、〔表2〕における評価基準
施工作業性(コテ作業性)
○:異常なし
△:骨材がコテにやや付着
×:骨材がコテに付着
耐候性
○:表面異常なし
△:光沢低下
×:光沢劣化、変色、チョーキング
耐久性
○:表面異常なし
△:表面剥離
×:下地より剥離
【0024】
結果
実施例1、2および3は天然石等の骨材を舗装材として成型されたものであるが、成形体は曲げ強度、圧縮強度に優れ、且つ施工作業性、耐候性、耐久性も良好であった。
一方、比較例1はイソシアネート基含量が高いため、発泡が生じた。
比較例2および3は、耐候性においては優れるものの、耐久性、施工作業性が劣る。
比較例4はイソシアヌレート環を有するヘキサメチレンジイソシアネート系プレポリマーをポリ(オキシプロピレン)トリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールで高分子化したプレポリマーであるが、物性強度が低く、耐久性も劣り、樹脂粘度が高く作業性も悪い。
比較例5は固形分が低いため樹脂落ちが著しく、それに伴い成形体の表面強度低下が認められる。
比較例6はヘキサメチレンジイソシアネート系の単独プレポリマーを用いたものであるが、物性強度が低く、耐候性、耐久性も劣る。
比較例7は、従来から使用されているエポキシ樹脂であるが物性強度は高いが、耐候性に劣り変色、光沢劣化が著しく意匠性に劣る。
【0025】
【発明の効果】
本発明の湿気硬化型結合剤は粘度や可使時間が適当であるので、施工が容易であり、その硬化物は優れた耐候性、耐久性を有していることから長期に渡り骨材の持つ色彩を生かすことがでる。さらに本発明の結合剤と骨材を含む舗装材は耐衝撃性、透水性にも優れているので遊歩道、駐車場、プールサイド等の透水性舗装用バインダーとして好適に用いられる。

Claims (4)

  1. 脂環式ポリイソシアネートとポリオールを反応させて得られる末端 NCO 基含有ウレタンプレポリマー(A)100重量部と、イソシアヌレート環を有するヘキサメチレンジイソシアネート系プレポリマー(B)を10〜100重量部含有してなる舗装用湿気硬化型結合剤。
  2. 固形分が65重量%以上であり且つ粘度が 20,000 mpas/25℃以下である請求項1記載の舗装用湿気硬化型結合剤。
  3. ポリオールが分子量 500〜6000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリオキシプロピレンポリオールから選ばれた少なくとも1種を 50重量%以上含有するものである請求項1記載の舗装用湿気硬化型結合剤。
  4. 請求項1記載の舗装用湿気硬化型結合剤3〜40重量%と材を97〜60重量%含有してなる舗装材。
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