JP3940193B2 - ストレッチフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は包装時にフィルムを引き延ばして、トレイに乗せた食品を包むストレッチフィルムに関するものである。
【0002】
更に詳しくは、発泡ポリスチレン製トレイ(以下、PSPトレイと略す。)と組み合わせて用い、フィルムとPSPトレイとの接触した箇所或いは全部をシールするのに適したストレッチフィルムに関するものである。
【0003】
【従来の技術】
従来、ストレッチフィルムとPSPトレイとは、そのままで密着しないので、シールするために特別の工夫をしている。例えば、PSPトレイに糊を予め付けておき、これと塩化ビニル樹脂製のストレッチフィルムをシールする方法が知られている。糊付け工程のためにコストがかかり、又、糊が付いたPSPトレイはリサイクルできないという欠点を有する。
【0004】
又、エチレン−ビニルアセテート共重合体でラミネートされたPSPトレイを用い、これをオレフィン系シュリンクフィルムで包装し、加熱炉に通してPSPトレイとシールする方法が知られている(特開昭55−7854号)。しかし、この方法においては、トレイをエチレン−ビニルアセテート共重合体でラミネートするために、工程が増えて作業が煩雑になり、トレイのコストが高くなり、又、加熱炉を通すために食品自体を暖めてしまうという欠点がある。
【0005】
三層構造からなる積層フィルムであって、両側の表面層が共にエチレン−アクリル酸エステル共重合体から成るストレッチフィルムが知られている(特開平4−357029号、特開平5−104624号)。これは、PSPトレイと直接ヒートシールすることを意図しているが、フィルム同士のブロッキングが極めて生じやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のストレッチフィルムの問題点を解決し、糊付きトレイにシールすることができる、或いは糊なしのPSPトレイと直接ヒートシールすることができるストレッチフィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)ビニル芳香族化合物から主として作られる少なくとも2つの重合体ブロックと、共役ジエン化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロックとからなり、ビニル芳香族化合物に由来する単位の量が50〜90重量%を占めるブロック共重合体及び/又はこれを水素添加して得られるブロック共重合体を50重量%以上の量で含有し、かつ液状ポリブテンをさらに含む少なくとも一層、及び(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂及び/又はエチレン−α−オレフィン共重合体から主として成る少なくとも一層を積層してなり、二つの最外層の一方が樹脂層(A)であり他方が樹脂層(B)であることを特徴とするストレッチフィルムである。
また、本発明は、(A)ビニル芳香族化合物から主として作られる少なくとも2つの重合体ブロックと、共役ジエン化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロックとからなり、ビニル芳香族化合物に由来する単位の量が50〜90重量%を占めるブロック共重合体及び/又はこれを水素添加して得られるブロック共重合体を50重量%以上の量で含有し、かつビニル芳香族化合物に由来する単位の量が50重量%未満であることを除いては上記ブロック共重合体と同じ構造を有する別のブロック共重合体をさらに含む少なくとも一層、
(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂及び/又はエチレン−α−オレフィン共重合体から主として成る少なくとも一層、および
(C)ポリオレフィン樹脂層
を積層してなり、二つの最外層の一方が樹脂層(A)であり他方が樹脂層(B)であり、樹脂層(A)と樹脂層(B)の間に樹脂層(C)が存在することを特徴とするストレッチフィルムである。
【0008】
【発明の実施の形態】
樹脂層(A)
樹脂層(A)におけるブロック共重合体において、ビニル芳香族化合物に由来する単位の量は50〜90重量%であり、好ましくは70〜90重量%である。この量が50重量%未満であると、糊付きトレイとの十分なシールができない。又、フィルム同士が著しく密着して、ロール状に巻かれたフィルムの剥離が極端に悪くなる。
【0009】
ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも2つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする少なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブロック共重合体或いはこれを水素添加して得られるものであり、例えばA−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有するビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、或いはこれを水素添加して得られるものである。ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックは、ビニル芳香族化合物及び任意的成分例えば共役ジエン化合物から作られたホモ重合体又は共重合体ブロックである。共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックは50重量%以上、好ましくは70重量%以上の共役ジエン化合物化合物及び任意的成分例えばビニル芳香族化合物から作られたホモ重合体又は共重合体ブロックである。又、これらのビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックにおいて、分子鎖中の共役ジエン化合物又はビニル芳香族化合物由来の単位の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の組合せでなっていてもよい。ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックAは共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックがそれぞれ2個以上ある場合には、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
【0010】
ブロック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうちから1種又は2種以上を選択でき、中でもスチレンが好ましい。又、共役ジエン化合物としては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種又は2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組合せが好ましい。
【0011】
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックにおいて、そのミクロ構造を任意に選ぶことができ、例えばポリブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が20〜50重量%、好ましくは25〜45%である。ポリイソプレンブロックにおいてはイソプレンの70〜100重量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつイソプレンに由来する脂肪族二重結合の少なくとも90%が水素添加されたものが好ましい。
【0012】
ブロック共重合体の数平均分子量は、好ましくは5,000〜1,500,000、より好ましくは10,000〜550,000、更に好ましくは100,000〜400,000の範囲であり、分子量分布は10以下である。
【0013】
ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状或いはこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
【0014】
これらのブロック共重合体の製造方法としては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法としては、例えば特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒又はチーグラー型触媒を用い、不活性媒体中でブロック重合させて得ることができる。水素添加する方法も公知である。
【0015】
ブロック共重合体のメルトフローレート(MFR)(JIS K7210、200℃、5000g)は1.0〜20g/10分であることが好ましい。更に好ましくはインフレーション成形では、MFRは2.0〜15g/10分、Tダイ成形の場合には3.0〜20.0g/10分である。MFRが1.0g/10分未満の場合、押出性が悪くなる。MFRが20g/10分を超えるとフィルム強度が悪くなる。
【0016】
樹脂層(A)は、さらに、50重量%未満、好ましくは40重量%以下の量の他のポリマーを含む。例えば、ビニル芳香族化合物に由来する単位が50重量%未満であることを除いては上記で定義した通りの別のブロック共重合体および液状ポリブテン挙げられる。好ましくは、該別のブロック共重合体は0.01〜30重量%、液状ポリブテンは0.01〜40重量%の割合で樹脂層(A)に含有される。
【0017】
樹脂層(B)
樹脂層(B)におけるエチレン−酢酸ビニル共重合体において、酢酸ビニルの含有量は3〜25wt%であることが好ましい。更に好ましくは10〜15wt%である。酢酸ビニルの量が3wt%未満の場合、フィルムの伸びが悪くなる。一方、25wt%を超えるとフィルムの粘着力が過度となり、フィルムの剥離が悪くなる。そして粘着性をコントロールするために、滑剤等の無機物を多量に添加しなければならない。共重合体のメルトフローレート(MFR)(JIS K7210、190℃、2160g)は、0.3〜5.0g/10分であることが好ましい。更に、好ましくはインフレーション成形ではMFRは0.3〜5.0g/10分、Tダイ成形の場合には1.5〜5.0g/10分である。MFRが0.3g/10分未満の場合フィルムの伸びが悪くなる。MFRが5.0g/10分を超えると、フィルムの強度が小さくなり、包装材としての十分な性能を発現できない。
【0018】
樹脂層(B)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体において、α−オレフィンは好ましくは、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1より選ばれる。α−オレフィンの含有量は6〜20wt%であることが好ましい。更に、好ましくは10〜15wt%である。α−オレフィンが6wt%未満ではフィルムが硬くなりすぎて、ストレッチフィルムとしての性能がでず、一方20wt%を超える場合には、フィルムが柔らかくなり、フィルムの剥がれが悪くなってしまう。又、メルトフローレート(MFR)(JIS K7210、190℃、2160g)は、0.1〜5.0g/10分であることが好ましい。更に、好ましくはインフレーション成形でフィルムをつくる場合におけるMFRは0.5〜3.0g/10分、Tダイ成形の場合には1.5〜5.0g/10分である。MFRが0.1g/10分未満の場合、フィルムの伸びが悪くなる。MFRが5g/10分を超えるとフィルムの強度が小さくなり、包装材としての十分な性能を発現できない。
【0019】
樹脂層(B)は、上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体とエチレン−α−オレフィン共重合体の任意の割合での混合物からなることもできる。
【0020】
樹脂層(B)には、任意成分として、例えばエチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体及び/又は低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンを添加することができる。特に、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体が挙げられる。これら任意成分の量は、樹脂層(B)の重量に対して、0〜50重量%、好ましくは0〜20重量%である。任意成分を含有する場合、上記のメルトフローレートについての記載は、任意成分を含む樹脂組成物に対してのものである。
【0021】
上記樹脂層(A)及び(B)にはフィルムの滑り性、粘着性を調整するために、例えば0.01wt%の界面活性剤、滑剤、粘着剤を必要に応じて1種類以上添加しても良い。界面活性剤としてはグリセリン脂肪酸エステル化合物、例えば(ジ)グリセリンモノ(ジ)(トリ)オレート、(ジ)グリセリンモノ(ジ)(トリ)ステアレート、(ジ)グリセリンモノ(ジ)パルミテート、(ジ)グリセリンモノ(ジ)ラウレート、或いはソルビタン脂肪酸エステル化合物、例えばソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタン(トリ)ステアレート、ソルビタン(トリ)オレート、或いはエチレンオキサイド付加物、例えばポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノオレート、或いはプロピレングリコール脂肪酸エステル、例えばプロピレングリコールモノラウレート、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノオレート、プロピレングリコールモノベヘネート等が挙げられ、これらの少なくとも1種類を0.5〜5.0wt%、好ましくは1.0〜3.0wt%配合することが好ましい。
滑剤としては、オレイン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、エルク酸アマイド、ラウリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド等が挙げられる。好ましくはオレイン酸アマイド、ステアリン酸アマイドである。更に粉末シリカ、珪藻土類、カオリン、タルク、ゼオライト等があり好ましくはゼオライトである。添加量は通常、0.01〜0.5wt%、好ましくは0.05〜0.2wt%である。
【0022】
粘着剤として、例えばポリブテン、脂環族飽和炭化水素樹脂、ロジン類、石油樹脂、テルペン樹脂類があり、これらを0.5〜10wt%、好ましくは1〜6wt%組み合わせて或いは単独に添加しても良い。
【0023】
本発明のフィルムにおいて最外層の一方は樹脂層(A)からなり、他方は樹脂層(B)からなる。もしくは(A)層と(B)層の間に(C)層がある。仮にフィルムが樹脂層(A)のみの単層からなると、PSPトレイ及び糊付きトレイとのシール性は良いが、包装材としては硬く、又フィルム同士が密着してしまいロール状に巻かれたフィルムから引き出すことが困難になる。又、フィルムが樹脂層(B)のみ単層から成ると、PSPトレイ及び糊付きトレイとシールすることができない。フィルムが樹脂層(C)のみからなると、PSPトレイ及び糊付きトレイとシールできず、又透明性もだせない。
【0024】
(A)と(B)又は(B)+(C)との層厚比率は、1:10〜3:1、特に3:10〜1:1が好ましい。下限未満では十分なシール性が得られず、一方、上限を超えると包装適性が悪くなる。
【0025】
樹脂層(C)
樹脂層(C)は、例えばポリオレフィンから成ることができる。樹脂層(A)と(B)の間に(C)層を設けて積層すると、PSPトレイもしくは糊付きトレイとのシール性、フィルム同士の密着性等のバランスが良いものが得られる。又、中間層(C)を設けることで柔らかさ、伸びを制御することができる。ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリエチレン−酢酸ビニルが挙げられる。樹脂層(C)が10重量%以上、特に10〜50重量%のポリプロピレンを含む場合、ポリプロピレン10〜20重量%に対して6〜15重量%のポリブテン−1を併用することによって、透明性が良好となる。ポリプロピレンの割合が10重量%未満の場合には、ポリブテン−1を加えることにより、格別の改善はない。
【0026】
本発明のストレッチフィルムは、好ましくは全体で5〜30μm、特に10〜20μmの厚さを有する。
【0027】
本発明のストレッチフィルムは、共押出インフレーション法、共押出Tダイ法、共押出ラミネート法等の公知の方法で製造することが可能であり、共押出インフレーション法が強度のバランスがとり易い点で好ましい。
【0028】
本発明のストレッチフィルムの使用において、まず糊付きトレイに食品等を乗せ、その上からストレッチフィルムを引伸ばしながら被せると、トレイとのシールが起こる。糊が付いていないPSPトレイをヒートシールする場合には、ストレッチフィルムを引き伸ばしながら、トレイの底まで又は側面まで被せ、次に90〜130℃の金属板上に置くことにより又は該金属板で側面を押圧することにより、フィルムとPSPトレイとのヒートシールが起こる。
【0029】
【実施例】
実施例及び比較例でテストのために用いたPSPトレイ(糊が付いていない)は、(株)エフピコより入手した10×20×2cmのトレイである。糊付き(PSP)トレイは(株)コバヤシより入手した10×20×5cmのトレイである。フィルムと糊付きトレイとのシールはオギワラ精機(株)製NHS−Rでパックした。
【0030】
糊付きトレイとフィルムとのシール性は、手で引っ張ったとき、密着して簡単には剥がれない場合○、簡単に剥がれた場合を△と判定し、元々シールできなかった場合を「シールせず」とし、表1に示した。
【0031】
ヒートシール強度は次のように測定した。東洋精機製の熱傾斜試験機を用いて、予め2cm×5cmに切断したPSPトレイ試験片とフィルムを1kg/cm2 の圧力で所定の温度で1秒間ヒートシールした。トレイ試験片とフィルムとの密着面が垂直位置になるようにトレイの上端を、オートグラフのロードセルに直結したチャックにはさんだ。しかる後、引張試験を行いフィルムを剥離させる力を測定した。
【0032】
引張抗張力は、上記のヒートシール強度測定と同様に得た試料について、200m/分の速度でJIS K6734に従って測定した。
【0033】
フィルム同士の剥離抵抗値はヒートシール強度と同様にして測定した。
【0034】
参考例1〕
スチレン−ブタジエンブロック共重合樹脂(スチレン含有量70wt%、旭化成工業株式会社製、商標:アサフレックス810)84重量部、スチレン−ブタジエンブロック共重合エラストマー(スチレン含有量40wt%、旭化成工業株式会社製、商標:ソルプレンT−414)15重量部及びグリセリンモノオレートを主成分とする界面活性剤(理研ビタミン株式会社製、商標:OL−100)1重量部を口径45mmの押出機にて樹脂温度180℃で混練した。
【0035】
一方、エチレン−酢酸ビニル共重合体(MFR2.5g/10分、酢酸ビニル含量15wt%、日本ユニカー社製:NUC3758)を口径45mmの押出機にて樹脂温度150℃で溶融した。
【0036】
このように混練した両者を1台の環状ダイスに供給し、積層比率1:2、ダイス温度200℃、ブロー比4倍でフィルム厚13μmでインフレーション成形した。
【0037】
シール結果を表1に示す。
【0038】
〔実施例
参考例1のスチレン−ブタジエンブロック共重合エラストマーの代わりに液状ポリブテン−1(出光石油化学株式会社製商標:ポリブテン100R)10重量部を用い、スチレン−ブタジエン共重合樹脂の量を89重量部に変えた以外は参考例1と同様に行った。
【0039】
シール結果を表1に示す。
【0040】
参考例2
参考例1のエチレン−酢酸ビニル共重合体の代わりにエチレン−α−オレフィン共重合体(ブテン−1:13wt%、MFR1.0g/10分、日本ユニカー社製、商標:DFDA−1137)を用い、その混練温度を180℃とした以外は参考例1と同様に行った。
【0041】
シール性の結果を表1に示す。
【0042】
〔実施例
参考例1のフィルムのA層とB層の間にポリプロピレン樹脂(MFR10g/10分、チッソ株式会社製、商標:FM101)40重量部、ポリブテン−1樹脂(MFR0.1g/10分、三井石油化学工業株式会社製、商標:M3080)60重量部からなる中間層(C)を設けた。
【0043】
A層、C層及びB層の積層比をそれぞれ1:1:1とし、C層の混練温度を220℃とした以外は参考例1と同様に行った。
【0044】
シール性の結果を表1に示す。
【0045】
参考例3
参考例1で用いた系でA層とB層の比を1:12及び1:1に積層し、C層がない13μmのフィルムを作成した。
【0046】
シール結果を表1にそれぞれ3a及び3bとして示す。
【0047】
〔比較例1〕
参考例1で用いたスチレン−ブタジエンブロック共重合体から、フィルム厚13μmの単層フィルムを作成した。
【0048】
シール結果を表1に示す。
【0049】
〔比較例2〕
参考例1で用いたエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるフィルム厚13μmの単層フィルムを作成した。
【0050】
シール結果を表1に示す。
【0051】
〔比較例3〕
参考例2で用いたエチレン−α−オレフィン共重合体からフィルム厚13μmの単層フィルムを作成した。
【0052】
シール結果を表1に示す。
【0053】
〔比較例4〕
塩化ビニル樹脂(TK−1000、信越化学工業株式会社)100重量部、可塑剤(DINA、エポキシ化大豆油)40重量部、安定剤(Ca/Zn系)5重量部から16μmのフィルムを作成した。
【0054】
シール結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
Figure 0003940193
【0056】
【発明の効果】
本発明に従い、糊付きトレイとシールでき、又PSPトレイと直接ヒートシールすることができ、且つ十分な強度を持つストレッチフィルムが得られる。

Claims (6)

  1. (A)ビニル芳香族化合物から主として作られる少なくとも2つの重合体ブロックと、共役ジエン化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロックとからなり、ビニル芳香族化合物に由来する単位の量が50〜90重量%を占めるブロック共重合体及び/又はこれを水素添加して得られるブロック共重合体を50重量%以上の量で含有し、かつ液状ポリブテンをさらに含む少なくとも一層、及び
    (B)エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂及び/又はエチレン−α−オレフィン共重合体から主として成る少なくとも一層
    を積層してなり、二つの最外層の一方が樹脂層(A)であり他方が樹脂層(B)であることを特徴とするストレッチフィルム。
  2. (A)ビニル芳香族化合物から主として作られる少なくとも2つの重合体ブロックと、共役ジエン化合物から主として作られる少なくとも1つの重合体ブロックとからなり、ビニル芳香族化合物に由来する単位の量が50〜90重量%を占めるブロック共重合体及び/又はこれを水素添加して得られるブロック共重合体を50重量%以上の量で含有し、かつビニル芳香族化合物に由来する単位の量が50重量%未満であることを除いては上記ブロック共重合体と同じ構造を有する別のブロック共重合体をさらに含む少なくとも一層、
    (B)エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする樹脂及び/又はエチレン−α−オレフィン共重合体から主として成る少なくとも一層、および
    (C)ポリオレフィン樹脂層
    を積層してなり、二つの最外層の一方が樹脂層(A)であり他方が樹脂層(B)であり、樹脂層(A)と樹脂層(B)の間に樹脂層(C)が存在することを特徴とするストレッチフィルム。
  3. 樹脂層(A)と樹脂層(B)の間にポリオレフィン樹脂層(C)が存在する請求項に記載のストレッチフィルム。
  4. ブロック共重合体においてビニル芳香族化合物に由来する単位の量が70〜90重量%を占める、請求項1〜3のいずれか1つに記載のストレッチフィルム。
  5. 樹脂層(C)が、10〜50重量%のポリプロピレン樹脂を含み、かつポリプロピレン10〜20重量部に対して6〜15重量部のポリブテン−1を含有する請求項2〜4のいずれか1つに記載のストレッチフィルム。
  6. 樹脂層(A)対樹脂層(B)の厚さの比が、3:10〜1:1である請求項1〜5のいずれか1つに記載のストレッチフィルム。
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