JP3939420B2 - グラウンドアンカー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、地盤の弛みを防止するもので、法面の安定,擁壁の補強,トンネルの補強等に使用される永久グラウンドアンカーに係り、更に詳しくはストランドをアンボンドタイプで被覆した場合の地表面側の定着部における防食構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、永久グラウンドアンカーは、図3に示すように、例えば、法面の安定のため、地盤に削孔し該孔にPC鋼より線を束ねたストランド2にポリエチレン(PE)被覆材3で被覆して、先端部に耐荷体である筒状のマンション12と定着体10及び支圧リング13を備えてなるアンカー体を挿入して、前記孔の隙間にグラウト材aを注入して固め、地盤に反力を取るようにしてなるもので、当該永久グラウンドアンカーを法面全体に格子状に配設したものが知られている。
【0003】
前記ストランド2の外周面にはPE被覆材3が一体に被覆されているので、地表面側のアンカープレート5に反力をとって定着ナット6により定着側のマンション4を所定の緊張力で引っ張ると、ストランド2とともに前記PE被覆材3も一緒に延びることになる。そこで、該PE被覆材3に前記グラウト材aが直接接触しているとPE被覆材3の延びが邪魔されるので、PE被覆材3の外側に筒状のスライドパイプ8が嵌装されている。
【0004】
前記スライドパイプ8の地表面側には、止水チューブ9,端部シース7a,ストッパーシース11がスライドパイプ8に連続して連結され、ストランド2及びPE被覆3をカバーするように配設されている。
【0005】
かかるグラウンドアンカーでは、前記ストランド2にPE被覆材3をアンボンドタイプで被覆すれば、ストランド2の延びに対してPE被覆材3が追従しないので、前記スライドパイプ8が不要となり、製造コストの低減となる。このような、アンボンドタイプのストランドを使用するアンカー体を提案することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記アンボンドタイプのストランド2とした場合、図4に示すように、PE被覆3aは削孔された孔に充填されたグラウト材aと一体となり、ソケットシース7もその一端部がグラウト材aで固定され、ストランド2の定着時における延びに追従しなくなる。
【0007】
よって、定着部側でマンション4を緊張させて引っ張ると、マンション4の端部側のストランド2が延びて、符号14で示す範囲の部分がPE被覆材3の端面から露出することになる。
【0008】
前記露出部分14をそのまま放置することは防錆上好ましくないので、防錆対策が必要となる。このように、グラウンドアンカーのアンボンドタイプのストランドを使用する場合に、定着させる際の延びに対する防錆方法に解決すべき課題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るグラウンドアンカーの上記課題を解決するための要旨は、ストランドの地表面側の端部に圧着して固着される定着用のマンションと、前記ストランドの外周面のうち前記マンション部分以外をスライド可能にして被覆する被覆材と、前記マンションと前記被覆材とに亘ってこれらの外周面を所要長さの範囲でカバーする筒状のソケットシースと、前記マンションの後端部の内周面と前記ストランドの外周面との間に固着して配設されるとともに前記ソケットシースの後端部の内周面と前記被覆材の外周面との間にスライド自在に配設される筒状のラップシースとからなり、前記マンションの後端部の端面にシーリング材が設けられ、ラップシースの後端部の内周面と被覆材の外周面との間に潤滑材が塗布されていることである。
【0010】
また、前記ラップシースは、熱収縮性の軟質ポリオレフィン系の樹脂材であることである。
【0011】
本発明に係るグラウンドアンカーによれば、地盤に削孔した孔にグラウト材を充填して硬化させた後に、地表面側でジャッキ等で定着用のマンションを緊張させて引っ張ると、前記マンションの後端面と被覆材の先端面とが、当初は当接状態または近接状態であったものが、ストランドの延びによりその分だけ離隔する。よって、ストランドが外部に露出することになるが、ラップシースがマンション及びストランドとともに先端側へスライドし、前記ストランドの露出部分を囲繞してカバーしている。
よって、ストランドをアンボンドタイプで被覆材により被覆してある場合でも、定着用のマンションと被覆材との間で緊張定着作用で露出するストランドが、ラップシースによってカバーされることになり、該ストランドの防食性能が維持されることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るグラウンドアンカーについて図面を参照して説明する。グラウンドアンカー1は、PC鋼より線からなるストランド2に、ポリエチレン被覆材3aを被覆させる。
【0013】
前記ポリエチレン(以下、PE)被覆材3aは、前記ストランド2の外周面にスライド可能にアンボンドタイプにして被覆されている。
【0014】
そして、図1に示すように、ストランド2の地表面側の端部における、定着用のマンション4を固着する部分のPE被覆材3aを剥がしておく。
【0015】
更に、筒状で熱収縮性の軟質ポリオレフィン系の樹脂材でなるラップシース14を前記ストランド2の地表面側の端部から挿通させ、当該ラップシース14の後端部をPE被覆材3aの先端部の外周面に嵌装させる。その後、このラップシース14をドライヤー等で加熱して熱収縮させる。こうして、ラップシース14の後端部が、PE被覆材3aの先端部外周面に密着される。当該ラップシース14の樹脂材は、例えば、約く120℃で内径収縮率が30%〜40%で、長さ変化率が−20%以上である。
【0016】
なお、前記ラップシース14の後端部の内周面とPE被覆材3aの先端部の外周面との間に潤滑材15を塗布しておくもので、PE被覆材3aの外周面に予め所要範囲に亘って該潤滑材15を塗布し、その後前記ラップシース14を嵌装させるようにする。
【0017】
そして、定着用のマンション4を前記ストランド2の先端側から差し込み、該マンション4の後端部の内側に前記ラップシース14の先端部が所要範囲で内包された状態で、ダイス等で絞り込んで圧着させ、マンション4及びラップシース14の先端部をストランド2の地表面側の端部の外周面側に固着する。
【0018】
また、図2に示すように、マンション4の後端部の端面に、その周方向の全周に亘りシーリング材16を設ける。これによって、気密性を高度に維持するものである。更に、ビニルテープ17をマンション4の後端部の外周面とシーリング材16とに亘って複数回巻き付けておく。
【0019】
そして、筒状のソケットシース18を、前記マンション4と前記PE被覆材3aとに亘ってこれらの外周面を所要長さの範囲でカバーさせる。また、このソケットシース18の後端部の端面には、テープ等のシーリング材19が設けられる。
【0020】
このようにして、前記マンション4の後端部の内周面と前記ストランド2の外周面との間に固着して配設されるとともに前記ソケットシース18の後端部の内周面と前記PE被覆材3aの外周面との間にスライド自在に配設されたラップシース14を有してなる、本発明に係るグラウンドアンカー1が形成される。なお、このグラウンドアンカー1の地盤側(孔の奥側)である後端部には、図3で示した耐荷体としてのマンション12が設けられている。
【0021】
前記グラウンドアンカー1を使用するには、図1に示すように、地盤の弛みを補強しようとする箇所において、孔を削孔してその孔にグラウンドアンカー1を挿入する。そして、孔の隙間にグラウト材aを注入して硬化させる。
【0022】
そして、アンカープレート5(図3参照)に反力を取ってジャッキ等でストランド2を地表面側に引っ張る。ストランド2が延びた分だけ定着ナット6で締め込む。このストランド2が先端側に延びると、マンション4により先端部がストランド2に固着されているラップシース14が追従して先端側にスライドする。
【0023】
それにより、定着用のマンション4の後端部の端面と、PE被覆材3aの先端面との間に生じるストランド露出部分2aが、前記スライドしたラップシース14によってカバーされる。
【0024】
なお、ラップシース14の、PE被覆材3aの外周面に嵌装される後端部の長さは、設計上でのスライド長を見込んで十分な長さとしておくのは勿論である。
【0025】
こうして、所定の緊張力が付与されたストランド2において、アンボンドタイプで被覆されているPE被覆材3aとの間で生じる露出部分2aが、ラップシース14によってカバーされて防食され、アンカー体としての性能が維持されるようになり、アンボンドタイプのストランドをグラウンドアンカーに適用できるようになったものである。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るグラウンドアンカーは、ストランドの地表面側の端部に圧着して固着される定着用のマンションと、前記ストランドの外周面のうち前記マンション部分以外をスライド可能にして被覆する被覆材と、前記マンションと前記被覆材とに亘ってこれらの外周面を所要長さの範囲でカバーする筒状のソケットシースと、前記マンションの後端部の内周面と前記ストランドの外周面との間に固着して配設されるとともに前記ソケットシースの後端部の内周面と前記被覆材の外周面との間にスライド自在に配設される筒状のラップシースとからなり、前記マンションの後端部の端面にシーリング材が設けられ、ラップシースの後端部の内周面と被覆材の外周面との間に潤滑材が塗布されているので、前記ラップシースによりストランド緊張時のストランド露出部分がカバーされて防食性能が維持され、アンボンドタイプのストランドをグラウンドアンカーに適用できるようになるという優れた効果を奏するものである。
【0027】
前記マンションの後端部の端面にシーリング材が設けられ、ラップシースの後端部の内周面と被覆材の外周面との間に潤滑材が塗布されていることにより、止水性能が向上するとともに、ラップシースのスライドがスムーズになるという優れた効果を奏するものである。
【0028】
前記ラップシースは、熱収縮性の軟質ポリオレフィン系の樹脂材であるので、熱収縮後においてPE被覆材の外周面に密着されると共にある程度の硬度が発揮され、構造体用として使用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグラウンドアンカーの使用状態の説明図である。
【図2】同図1のA部分の拡大断面図である。
【図3】従来例に係るグラウンドアンカーの説明図である。
【図4】同従来例において、アンボンドタイプの被覆材で被覆したストランドを定着させるために引張った状態の説明図である。
【符号の説明】
1 グラウンドアンカー、2 ストランド、3,3a PE被覆材、
4 定着用のマンション、5 アンカープレート、6 定着ナット、
7 ソケットシース、7a 端部シース、
8 スライドパイプ、14 ラップシース、15 潤滑材、
16 シーリング材、17 ビニルテープ、18 ソケットシース。
Claims (2)
- ストランドの地表面側の端部に圧着して固着される定着用のマンションと、
前記ストランドの外周面のうち前記マンション部分以外をスライド可能にして被覆する被覆材と、
前記マンションと前記被覆材とに亘ってこれらの外周面を所要長さの範囲でカバーする筒状のソケットシースと、
前記マンションの後端部の内周面と前記ストランドの外周面との間に固着して配設されるとともに前記ソケットシースの後端部の内周面と前記被覆材の外周面との間にスライド自在に配設される筒状のラップシースとからなり、
前記マンションの後端部の端面にシーリング材が設けられ、ラップシースの後端部の内周面と被覆材の外周面との間に潤滑材が塗布されていること、
を特徴とするグラウンドアンカー。 - ラップシースは、熱収縮性の軟質ポリオレフィン系の樹脂材であること、
を特徴とする請求項1に記載のグラウンドアンカー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02700098A JP3939420B2 (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | グラウンドアンカー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02700098A JP3939420B2 (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | グラウンドアンカー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11222856A JPH11222856A (ja) | 1999-08-17 |
JP3939420B2 true JP3939420B2 (ja) | 2007-07-04 |
Family
ID=12208883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02700098A Expired - Lifetime JP3939420B2 (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | グラウンドアンカー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3939420B2 (ja) |
-
1998
- 1998-02-09 JP JP02700098A patent/JP3939420B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11222856A (ja) | 1999-08-17 |
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