JP3938848B2 - 遊技機における図柄表示制御方法及び装置 - Google Patents

遊技機における図柄表示制御方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、始動口に入賞することで抽選が実行され、抽選の結果を、所定時間の複数列の図柄の変動パターン及び前記所定時間後に変動パターンが停止した当該図柄配列の状態で遊技者に報知すると共に、前記複数列の変動パターンが予め定められた所定の図柄配列とすることで、遊技者に有利な状態であることを報知する図柄変動表示装置を備えた遊技機における図柄表示制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
現在、遊技機、特にパチンコ機において、始動入賞口にパチンコ球が入賞すると、この入賞を検出して抽選がなされ、抽選結果を遊技盤面の中央に配置された液晶表示部の表示演出により、報知している。
【0003】
表示演出の画面は、3つの図柄変動画面と背景画面とで構成されている。
【0004】
図柄変動画面は、帯状に規則性のある配列に図柄が並べられており、これが順次移動し、停止したときの3つの図柄の配列で抽選結果が判るようになっている。一般的に、3つの図柄が同一である当り、不揃いであると外れとなる。なお、3つの図柄の内、2つの図柄が揃うと所謂リーチとなり、リーチモードの図柄変動が開始される。
【0005】
ここで、従来、特定の列の図柄の集合体の中に、オールマイティ図柄を予め設け、このオールマイティ図柄が停止した場合には、他のもう1つの停止図柄になり得ることで、リーチ状態とすることが提案されている(一例として、特開平7−136325号公報参照)。この先行技術では、表示装置に3つの図柄表示部を設け、その内の1つにオールマイティ図柄を具備しておき、このオールマイティ図柄を所定の予告図柄を介して停止させることで、大当りへの期待感を刺激する変化に富んだ図柄変動パターンを生成している。
【0006】
しかしながら、上記先行技術では、オールマイティー図柄を予め図柄集合体の中に持っており、その順番が変化することなく表示されるため、変動中から停止までの間の期待感が低い。また、オールマイティ図柄が停止した時点でリーチが確定してしまい、特にこのオールマイティ図柄が最初に停止する列に設けられていると、その時点で無駄球をなくすために、遊技者はパチンコ球の発射を止めてしまうことになる(止め打ち)。この止め打ちのために発射及び停止の繰り返しが頻繁に行われると、発射及び停止を操作する操作部の操作量が多くなり、寿命を短縮させることになる。また、店側にとっては、上記止め打ちは稼動率の低下につながる。
【0007】
本発明は上記事実を考慮し、図柄の変動開始から停止まで、遊技者に期待感を持続させると共に、期待感の変化度合いの格差を利用して、同一の結果(例えば、リーチ成立)であっても、遊技者に与える期待感に変化を持たせることができ、また、変動途中で止め打ちを行うような予測可能な表示状態をなくすことで、遊技球の発射及び停止等の操作頻度を軽減し、かつ稼働率を向上させることができる遊技機の図柄表示制御方法及び装置を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、始動口に入賞することで抽選が実行され、抽選の結果を、所定時間の複数列の図柄の変動パターン及び前記所定時間後に変動パターンが停止した当該図柄配列の状態で遊技者に報知すると共に、前記複数列の変動パターンが予め定められた所定の図柄配列とすることで、遊技者に有利な状態であることを報知する図柄変動表示装置を備えた遊技機における図柄表示制御方法であって、前記複数列の変動パターンにおいて、最終停止列以外の図柄の仮停止中に当該仮停止の図柄配列が前記所定の図柄配列を構成していない場合、前記最終停止列以外の仮停止している列の内の1つの図柄を隠し、前記隠した図柄を、依然として変動中である最終停止列の図柄との組み合わせによって前記所定の図柄配列となり得る別の図柄に変更した状態、或いは隠す前の前記仮停止の図柄配列を維持した状態で表示し、所定時間経過後に、全ての図柄の変動を停止し、停止図柄を特定する、ことを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、最終停止列以外の図柄が停止して、所定の図柄を構成していると、この時点で所謂リーチ状態(最終停止図柄如何によって当り外れが決まる状態)となる。そこで、この最終停止列以外の図柄の仮停止中に当該仮停止の図柄配列が前記所定の図柄配列を構成していない場合、最終停止列以外の仮停止している列の内の1つの図柄を隠す。例えば、キャラクタ等を表示させ、仮停止図柄上に重ねて表示させる。
【0010】
この隠された図柄を、他の最終停止列以外の図柄との組み合わせでリーチ状態となり得る図柄を含む別の図柄に変更した状態、或いは隠す前の仮停止の図柄配列を維持した状態で表示する。また、この隠した図柄を最終停止列が停止する前に再度見えるようする。これにより、所定時間経過するまで、リーチ状態となるか否かの判断がつかないため、遊技者は期待感をもって見ることになる。この結果、所謂止め打ちをするために、遊技の進行を進めたり、停止したりする操作の頻度を軽減することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記複数列の図柄が3列で構成され、その内の最初に仮停止した図柄又は次に仮停止した図柄の一方を、前記最終停止列が変動中に、ランダムに出現するキャラクタによって隠すことを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、図柄が3列の場合、最終停止図柄を除くと2図柄となり、その内の一方が仮停止し、他方が仮停止した時点でリーチか否かが判明する。このとき、他方の図柄が、既に仮停止している一方の図柄に対してリーチとはならない図柄(同一図柄でリーチとなる場合は、互いに異なる図柄)で停止しそうな場合、その仮停止中に一方又は他方の図柄をキャラクタによって隠遮する。これにより、リーチか否かの結果を引き伸ばすことができ、その分、遊技者の期待感を持続させることができる。また、キャラクタの出現はランダムであるため、遊技者の期待感をより一層増すことができ、キャラクタ自体の出現を1つの演出として趣向性を増加させることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、始動口に入賞することで抽選が実行され、抽選の結果を、所定時間の複数列の図柄の変動パターン及び前記所定時間後に変動パターンが停止した当該図柄配列の状態で遊技者に報知すると共に、前記複数列の変動パターンが予め定められた所定の図柄配列とすることで、遊技者に有利な状態であることを報知する図柄変動表示装置を備えた遊技機における図柄表示制御装置であって、前記複数列の変動パターンにおいて、最終停止列以外の仮停止している列の内の1つの図柄に重ねて表示可能とされ、下層側となる図柄を隠遮する特殊図柄を出現、かつ消滅させる特殊図柄表示手段と、前記特殊図柄表示手段による前記特殊図柄の出現時期を、出現時は前記最終停止列以外の図柄の仮停止中で当該仮停止の図柄配列が前記所定の図柄配列を構成していないときとし、かつ消滅時は前記最終停止列の図柄の停止前とする同期制御手段と、前記特殊図柄によって隠遮した図柄を、前記最終停止列が変動中に、当該最終停止列の図柄との組み合わせによって前記所定の配列となり得る別の図柄に変更するか、或いは隠蔽する前の前記仮停止のときの図柄を維持する図柄変更手段と、を有している。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、同期制御手段により、特殊図柄表示手段を制御して、最終停止列以外の図柄の仮停止中で当該仮停止の図柄配列が所定の図柄配列を構成していないときに、最終停止列以外の仮停止している列の内の1つの図柄に、特殊図柄を重ねて表示させる。この特殊図柄としては、キャラクタやマーク等が適用可能であり、図柄の変動パターンとは無関係に出現させることができる。
【0015】
図柄変更手段では、上記特殊図柄による図柄の隠遮中に、当該隠遮された図柄を最終停止列の図柄によって所定の配列となり得る所謂リーチ状態を構成する図柄を含む別の図柄に変更するか、或いは隠蔽する前の仮停止のときの図柄を維持することにより、隠遮直前では、リーチ状態となり得ない図柄であった場合でも、遊技者は期待感を持って特殊図柄の消滅を待つことができる。
【0016】
また、特殊図柄の出現によってリーチ状態とならない場合もあるため、所謂止め打ちができず、遊技を継続することになる。これにより、遊技の進行を進めたり、停止したりする操作の頻度を軽減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1には、本実施の形態に係るパチンコ機110が示されている。このパチンコ機110は、矩形の枠体113でその外形が構成されており、店側のベース面115に支持されている。また、枠体113には、装飾版113A、スピーカ162、キーシリンダ113B等が配設されている。
【0018】
枠体113の内側正面には、透明ガラス板110Aがガラス枠110Bに嵌め込まれた状態で配設されている。この透明ガラス板110Aで仕切られた内側領域には、遊技盤111が配設されている。また、この遊技盤111における円弧状のレール112で囲まれた領域が遊技領域であるゲージ部114とされている。
【0019】
図2に示される如く、ゲージ部114には、全面に渡って複数の釘116が打ち込まれ、レール112を通って打ち出されたパチンコ球がこの釘116に当たって跳ねたり、釘116によって形成される案内路に案内されながら、落下していくようになっている。また、この釘116の他、ゲージ部114に向かって左右対称の位置には、風車118が取り付けられており、パチンコ球を予期しない方向へ方向転換させるようになっている。
【0020】
さらに、ゲージ部114には複数の位置に入賞口120が設けられ、この入賞口120にパチンコ球が入ることにより、所定数のパチンコ球が遊技者に払い出されるようになっている。
【0021】
このようなゲージ部114は、ほぼ左右対称系とされており、この中央部には特別図柄変動装置としての電動役物ユニット122が配置され、その表示部124(LCDパネル)が露出されている。この表示部124の下方には電動役物ユニット122を始動するための特別図柄始動入賞口126が設けられている。
【0022】
特別図柄始動入賞口126のさらに下方には、大入賞口128が配置され、この大入賞口128を開閉する開閉部材129は、前記電動役物ユニット122での所謂当りの表示状態で所定時間開放され、大量のパチンコ球を入賞させることができる構成となっている。
【0023】
なお、この特別図柄始動入賞口126に入賞したパチンコ球は、最大4球分保留され、電動役物ユニット122による抽選結果の案内が終了した時点で、保留された分が消化されるようになっている。
【0024】
また、ゲージ部114には、普通図柄始動入賞口130が設けられおり、普通図柄始動入賞口130にパチンコ球が入賞すると、図示しない普通図柄表示部の表示が変動し、所定当り数字になると、前記特別図柄始動入賞口126に設けられた可動部としての電動チューリップ134が所定時間開放するようになっている。この電動チューリップ134の開放により、特別図柄始動入賞口126への入賞の確率が物理的に高まることになる。
【0025】
図1に示される如く、上記ゲージ部114の下部、すなわち、透明ガラス板110Aの下部は、パネル部140とされ、その上部パネル140Aには上皿141が設けられ、下部パネル140Bには、発射装置の操作部としてのハンドル136と、上皿141から落下するパチンコ球を受ける下皿138とが設けられている。なお、下部パネル140Bには、灰皿143も設けられている。
【0026】
ハンドル136は、前記パネル140の内部から突出された回転軸に取付けられており、この回転軸を中心に回転可能とされている。すなわち、遊技者がこのハンドル136を把持して回転することで、発射装置が稼動すると共に、前記回転角度に基づいて発射強度が設定されるようになっている。なお、この回転には、復帰付勢力が付与されており、遊技者が手を離すと自動的に元の回転位置に戻る構造となっている。また、このハンドル136の周囲にはストップスイッチ137が設けられている。このストップスイッチ136は、ハンドル136を回転した状態を維持しながら、発射装置を停止させる機能を有している。
【0027】
図3には、パチンコ機110を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御基板150を中心として、払出制御基板152、音声制御基板154、ランプ制御基板156、発射制御基板158、図柄表示制御基板160等、機能毎に分類されている(なお、以下これらを総称する場合、副制御基板151という)。
【0028】
なお、主制御基板150並びに副制御基板151は、管理制御基板206を介してパチンコ店側のホールコンピュータ208に接続することにより、パチンコ機の稼動状況を管理することも可能となっている。
【0029】
主制御基板150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御基板150からの命令信号に基づいて、その他の副制御基板151が独自に実行する。すなわち、主制御基板150は基本的に命令を出力するのみで、その結果等のフィードバックは受けない構成となっている。
【0030】
払出制御基板152は、パチンコ球の払出し数を制御するものであり、音声制御基板154は、パチンコ機110に設けられたスピーカ162からの効果音等の出力を制御する。また、ランプ制御基板156は、パチンコ機110に取り付けられた電飾部材(遊技盤状態表示灯)164の点灯・消灯を制御し、発射制御基板158は、遊技者によるパチンコ球の発射を制御する。
【0031】
図柄表示制御基板160は、前記表示部124が表示ドライバ166を介して接続されており、主制御基板150からの命令信号に基づいて、所定の演出効果をもたらす表示を実行する。なお、この図柄表示制御基板160は、普通図柄表示部も制御する。
【0032】
前記主制御基板150には、特別図柄始動入賞口126に設けられた特別図柄入賞センサ168及び普通図柄始動入賞口130に設けられた普通図柄入賞センサ170、各入賞口120に設けられた入賞センサ172、並びに大入賞口128に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ173が接続されている。なお、大入賞口128には、大入賞口の開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもVゾーンセンサ171が設けられている。
【0033】
また、この主制御基板150には、電動チューリップ134を開閉させるためのソレノイド174、大入賞口128の開閉部材129を開閉させるためのソレノイド175、特別図柄保留ランプ200が接続されている。
【0034】
また、主制御基板150では、特別図柄や普通図柄の抽選がなされ、この抽選結果に基づく表示部124での表示内容を選択し、図柄表示制御基板160へ命令信号を出力する。すなわち、図柄表示制御基板160には、複数種の命令信号に基づく異なる表示内容のデータが予め記憶されており、命令信号に基づいてデータが選択されて、起動するようになっている。
【0035】
上記主制御基板150では、前記特別図柄始動入賞口126に入賞したときに当り外れの抽選がなされ、当りとなった場合に、大入賞口128を所定時間、所定回数開放することで、パチンコ球の入賞確率を大幅に高める遊技者有利状態としている。
【0036】
ここで、図柄表示制御基板160では、主制御基板150からのコマンド信号に基づいて、変動パターンを選択し、表示部124に表示する制御を行うが、本実施の形態では、この変動パターンで選択された変動パターンにキャラクタ10(図5参照)を付加する制御を行う機能を有している。なお、このキャラクタ10が登場する変動パターンを予め記憶しておくのも可能であるが、ここでは、キャラクタ10の付加を別制御で行っている。以下、図4にこのキャラクタ10の付加に関する機能ブロック図を示す。
【0037】
図4に示される如く、主制御基板150からのコマンド信号は、コマンド信号認識部12によって受信して、変動パターンの指示であることを認識すると、これを変動パターン選択部14へ送信する。
【0038】
変動パターン選択部14では、変動パターンメモリ16から所定の変動パターンを選択し、表示制御部18へ送出するが、このとき、コマンド信号にキャラクタ出現の指示があった場合には、同期制御部20にキャラクタ10(図5参照)の出現を指示する信号を送出する。
【0039】
同期制御部20では、キャラクタ画像メモリ22から所定のキャラクタ10を読出し、所定のタイミングで表示制御部18へ送出する。表示制御部18では、変動パターンとキャラクタ10とを表示ドライバ166へ送出することで、表示部124での表示が実行される。
【0040】
図5には、この1つの表示演出であるキャラクタ10を付加した図柄の変動パターンが示されている。図5(A)に示される如く、図柄変動開始後、最初に左図柄が停止するようになっている。この図5(A)では、数字の「3」が停止している。ここで、表示部124の画面上には、ランダムにキャラクタ10が出現するように制御される。このキャラクタ10は、各図柄の変動とは無関係にランダムに出現するようになっている。
【0041】
キャラクタ10の出現は、前記左図柄が停止し後、図5(B)に示される如く、2番目に中図柄が停止する直前とされている。なお、図5(B)では、数字の「7」が停止している。
【0042】
この時点で、従来ではリーチの可能性がないため、右図柄が停止する前に、当りの確率が0となり、遊技者の期待感が無くなることになる。
【0043】
しかし、本実施の形態では、この2番目に停止する中図柄が停止する直前において、キャラクタ10が表示部124の画面上に出現し(図5(C)参照)、所謂浮遊しながら左図柄に重なる。このとき、キャラクタ10は、図柄よりも小さいが、重なることによって拡大表示され、結果として重なった図柄を隠すことになる(図5(D)参照)。
【0044】
この場合、遊技者にとっては、1つの図柄のみが確定したにすぎず、隠された図柄が、停止直前のままか、変更するかの期待感を持って最終図柄(右図柄)の停止を待つことになる。すなわち、隠された左図柄は、図5(E)に示される如く、キャラクタ10が消滅した後、中図柄と同一の図柄(ここでは、数字の「7」)に変更される可能性があり、この場合はリーチとなる。その後、右図柄の停止することにより、図柄の配列が確定する。
【0045】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0046】
まず、パチンコ球が発射されると、レール112に案内されてゲージ部114の釘116や風車118等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら落下していく。ここで、入賞口120に入賞すると、予め定められた数のパチンコ球が払い出される(賞球)。また、普通図柄始動入賞口130に入賞するとこれを普通図柄入賞センサ170で検出する。
【0047】
この検出により、主制御基板150では、普通図柄の抽選が開始される。すなわち、乱数カウンタを用いて、所定の確率で0〜9までの数字を抽選する。抽選の結果、外れの場合には、特に遊技状態に変化はない。一方、抽選の結果、当り(例えば、当り数字の7が抽選される)の場合には、主制御基板150は、特別図柄始動入賞口126に設けられた電動チューリップ134を開放状態とするべく、ソレノイド174へ通電する。これにより、特別図柄始動入賞口にパチンコ球が入り易い、高確率状態とすることができる。
【0048】
前記特別図柄始動入賞口126にパチンコ球が入賞すると、主制御基板150では、乱数カウンタを用いて所定の確率で大当り抽選が開始される。この大当り抽選の結果、当り/外れが決定すると、それぞれにおいて、予め準備された図柄変動パターンを選択(乱数カウンタで選択してもよい)し、図柄表示制御基板160を含む演出に関連する制御基板へコマンド信号を送出する。
【0049】
図柄表示制御基板160では、受信したコマンド信号に基づいて、表示ドライバ166を介して表示部124に図柄変動パターンを表示する。この図柄変動パターンにおいては、リーチを経由した当り、外れリーチ、リーチを経由しない外れ等、様々な演出があり、遊技者は期待感をもって抽選結果を待つことができる。
【0050】
ここで、当りとなった場合には、大入賞口128の開閉部材129が所定時間、所定回数開放することで、パチンコ球の入賞の確率が極めて大きくなる、遊技者の有利な状態とすることができる。
【0051】
上記図柄変動表示中に、特別図柄始動入賞口126にパチンコ球が入賞すると、抽選はその時点でなされるが、現在進行中の図柄変動表示中が終了するまで図柄変動表示を待機する。これは、保留ランプ200が点灯することで、遊技者に報知される。
【0052】
ここで、本実施の形態では、通常の図柄の変動パターンの他に、キャラクタ10が出現する変動パターンを準備している。以下、図6のフローチャートに従い、このキャラクタ10が出現する変動パターンの演出手順を説明する。
【0053】
ステップ250では、図柄の変動が開始され、このとき3列の図柄の全てが高速変動する。次のステップ252では、左図柄の停止指示があったか否かが判断され、肯定判定されるとステップ254において左図柄が仮停止する(図5(A)参照)。なお、この仮停止は、完全停止ではなく、若干左右又は上下に小さい振幅で揺動している状態を言い、遊技者が図柄の確認が可能な状態であるが、確定はしていない状態である。
【0054】
次に、ステップ256では、中図柄の停止指示があったか否かが判断され、肯定判定されるとステップ258において中図柄が仮停止する(図5(B)参照)。
【0055】
次のステップ260では、キャラクタ10を出現させ(図5(C)参照)、ステップ262においてこのキャラクタ10を所定の軌道で仮停止中の左図柄に重なるように配置すると共に、徐々に拡大表示して完全に左図柄を隠す(図5(D)参照)。
【0056】
次のステップ264では、このキャラクタ10が重ねられた表示されている間に、キャラクタ10によって隠された左図柄を変更する。
【0057】
すなわち、キャラクタ10が左図柄を隠さないと、この時点で、従来ではリーチの可能性がない。
【0058】
しかし、キャラクタ10が左図柄に重なることで、遊技者にとっては、1つの図柄のみが確定したにすぎず、隠された図柄が、停止直前のままか、変更するかの期待感を持って最終図柄(右図柄)の停止を待つことになる。
【0059】
ステップ266では、所定時間が経過したか否かが判断され、肯定判定されるとステップ268へ移行して左図柄に重なっていたキャラクタ10を消滅させる(図5(E)参照)。これにより、左図柄が再度、表示状態となり、中図柄と同一の図柄(ここでは、数字の「7」)に変更される。なお、図5(E)では、中図柄と同一の図柄としているが、そうでない場合もあり得る。
【0060】
ステップ270では、左図柄と中図柄とを確定(完全停止)することで、リーチ状態とすることができる。
【0061】
その後、ステップ272において右図柄の停止指示があると、ステップ274において右図柄の停止制御が開始されるが、この場合はリーチ演出等を介在させてもよい。
【0062】
ステップ274における右図柄の停止制御(リーチ演出を含む)が終了し、3つの図柄が停止すると、ステップ276へ移行して当りか外れかが判断され、当りの場合には、ステップ278において当り処理が実行され、外れの場合にはこのルーチンは終了する。
【0063】
このように、本実施の形態では、ほぼ確定した2つの図柄の仮停止中にキャラクタ10を出現させ、何れか一方の図柄(ここでは、左図柄)を隠すことで、特に、仮停止においてリーチにならない図柄配列がリーチとなり得る図柄配列に変更する可能性を持たせることができ、遊技者にさらなる期待感を持たせることができる。
【0064】
また、逆に仮停止において、リーチとなった場合にキャラクタ10によって一方の図柄を隠すことで、リーチが消滅してほしくないという逆の期待感を持たせることができるため、リーチ後の止め打ちを防止することができる。止め打ちの防止により、ハンドル136やストップスイッチ137の操作の頻度を軽減することができるため、このような機械系の部品の寿命を延ばすことができる。また、店側にとっては、パチンコ機の稼動率の低下を防止することができる。
【0065】
なお、上記実施の形態では、図5に示される如く、左図柄にキャラクタ10が重なる例を示しているが、図7に示される如く、中図柄に重なるようにしてもよい(特に、図7(C)及び(D)参照)。また、左図柄に重なる場合と、中図柄に重なる場合の2つのバリエーションをランダムに設定してもよい。このようなことを可能とするのは、予め各列の図柄群の中にキャラクタ10を持たせておいた場合にはできないことであり、本実施の形態のように、キャラクタ10の出現を別制御とすることで、容易に実行可能となる。
【0066】
なお、上記図5及び図7において、キャラクタ10を星型で表現したが、この形状に限定されるものではなく、丸型、矩形、多角形、非線形形状、動物や植物の輪郭、マーク、コイン等図柄を隠すことができるものであればなんでもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明では、図柄の変動開始から停止まで、遊技者に期待感を持続させると共に、期待感の変化度合いの格差を利用して、同一の結果(例えば、リーチ成立)であっても、遊技者に与える期待感に変化を持たせることができ、また、変動途中で止め打ちを行うような予測可能な表示状態をなくすことで、遊技球の発射及び停止等の操作頻度を軽減し、かつ稼働率を向上させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るパチンコ機の正面図である。
【図2】本実施の形態に係るパチンコ機の遊技盤面の正面図である。
【図3】本実施の形態に係るパチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【図4】キャラクタ出現変動パターンのための機能ブロック図である。
【図5】キャラクタが出現する演出の流れを示す表示部の正面図である。
【図6】本実施の形態に係るキャラクタ出現変動パターンの制御フローチャートである。
【図7】変形例に係るキャラクタが出現する演出の流れを示す表示部の正面図である。
【符号の説明】
10 キャラクタ
12 コマンド認識部
14 変動パターン選択部
16 変動パターンメモリ
18 表示制御部
20 同期制御部
22 キャラクタ画像メモリ
110 パチンコ機(遊技機)
150 主制御基板
152 払出制御基板
154 音声制御基板
156 ランプ制御基板
158 発射制御基板
160 図柄表示制御基板

Claims (3)

  1. 始動口に入賞することで抽選が実行され、抽選の結果を、所定時間の複数列の図柄の変動パターン及び前記所定時間後に変動パターンが停止した当該図柄配列の状態で遊技者に報知すると共に、前記複数列の変動パターンが予め定められた所定の図柄配列とすることで、遊技者に有利な状態であることを報知する図柄変動表示装置を備えた遊技機における図柄表示制御方法であって、
    前記複数列の変動パターンにおいて、最終停止列以外の図柄の仮停止中に当該仮停止の図柄配列が前記所定の図柄配列を構成していない場合、前記最終停止列以外の仮停止している列の内の1つの図柄を隠し、
    前記隠した図柄を、依然として変動中である最終停止列の図柄との組み合わせによって前記所定の図柄配列となり得る別の図柄に変更した状態、或いは隠す前の前記仮停止の図柄配列を維持した状態で表示し、
    所定時間経過後に、全ての図柄の変動を停止し、停止図柄を特定する、
    ことを特徴とする遊技機の図柄表示制御方法。
  2. 前記複数列の図柄が3列で構成され、その内の最初に仮停止した図柄又は次に仮停止した図柄の一方を、前記最終停止列が変動中に、ランダムに出現するキャラクタによって隠すことを特徴とする請求項1記載の遊技機の図柄表示制御方法。
  3. 始動口に入賞することで抽選が実行され、抽選の結果を、所定時間の複数列の図柄の変動パターン及び前記所定時間後に変動パターンが停止した当該図柄配列の状態で遊技者に報知すると共に、前記複数列の変動パターンが予め定められた所定の図柄配列とすることで、遊技者に有利な状態であることを報知する図柄変動表示装置を備えた遊技機における図柄表示制御装置であって、
    前記複数列の変動パターンにおいて、最終停止列以外の仮停止している列の内の1つの図柄に重ねて表示可能とされ、下層側となる図柄を隠遮する特殊図柄を出現、かつ消滅させる特殊図柄表示手段と、
    前記特殊図柄表示手段による前記特殊図柄の出現時期を、出現時は前記最終停止列以外の図柄の仮停止中で当該仮停止の図柄配列が前記所定の図柄配列を構成していないときとし、かつ消滅時は前記最終停止列の図柄の停止前とする同期制御手段と、
    前記特殊図柄によって隠遮した図柄を、前記最終停止列が変動中に、当該最終停止列の図柄との組み合わせによって前記所定の配列となり得る別の図柄に変更するか、或いは隠蔽する前の前記仮停止のときの図柄を維持する図柄変更手段と、
    を有する遊技機の図柄表示制御装置。
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