JP3937904B2 - 衛生洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置においては、洗浄動作時以外は、局部を洗浄するノズルをノズルに汚物が付着しないように便座の内側に収納している。
【0003】
しかし、汚物が飛散した場合など、ノズルに汚物が付着する可能性があるため、ノズルの表面に洗浄水を流出し、付着した汚物を除去している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ノズル表面に流出される洗浄水は、水道水の圧力を用いるため、水圧が弱く、充分な洗浄力を得ることができない。そのため、ノズルに付着した汚物等を完全に除去することができず、不衛生であった。
【0005】
また、冬季など水温が低い場合においては、さらに、洗浄力が低下し、不衛生であった。
【0006】
本発明の目的は、ノズルを衛生的かつ効率よく洗浄することが可能な衛生洗浄装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る衛生洗浄装置は、給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、洗浄水を人体に噴出する人体洗浄用ノズル装置と、洗浄水を人体洗浄用ノズル装置に噴出するノズル洗浄用ノズル装置と、給水源から供給される洗浄水を加圧する加圧手段と、加圧手段により加圧された洗浄水を人体洗浄用ノズル装置またはノズル洗浄用ノズル装置に選択的に供給するように流路の切り替えを行う洗浄水供給手段と、ノズル洗浄時に、加圧手段により洗浄水を加圧して洗浄水供給手段を介してノズル洗浄用ノズル装置に供給するノズル洗浄動作を行い、人体洗浄時に、加圧手段により洗浄水を加圧して洗浄水供給手段を介して人体洗浄用ノズル装置に供給する人体洗浄動作を行う制御手段とを備え、前記加圧手段は、前記流路の切替時において、前記洗浄動作時および前記ノズル洗浄動作時よりも前記洗浄水供給手段への洗浄水の供給を低い圧力としたものである。
【0008】
本発明に係る衛生洗浄装置においては、ノズル洗浄時に、加圧手段により加圧された洗浄水が、洗浄水供給手段を介してノズル洗浄用ノズル装置に供給され、人体洗浄用ノズル装置に噴出される。また、人体洗浄時に加圧手段により加圧された洗浄水が洗浄水供給手段を介して人体洗浄用ノズル装置に供給され、噴出される。
【0009】
このように、人体洗浄用ノズル装置を加圧手段により加圧された洗浄水により洗浄することができ、人体洗浄用ノズル装置を衛生的かつ効率よく洗浄することが可能となる。
【0010】
そして、加圧手段は、流路の切替時において、洗浄動作時およびノズル洗浄動作時よりも低い圧力で洗浄水供給手段に洗浄水を供給するものであるので、流路の切替時に流路内が突発的に高圧になることが回避されるので、流路の連結部等の破損を防止することが可能となる。
【0011】
第2の発明に係る衛生洗浄装置は、第1の発明に係る衛生洗浄装置の構成において、人体洗浄の開始を指示する指示手段をさらに備え、制御手段は、指示手段の指示に応答して、ノズル洗浄動作を行った後、人体洗浄動作に移行させるものである。
【0012】
この場合、指示手段による人体洗浄の開始の指示に応答して、ノズル洗浄動作が行われた後、人体洗浄動作に移行する。その結果、使用者は、ノズル洗浄が行われた直後の衛生的な人体洗浄用ノズル装置により人体洗浄を行うことが可能となり、衛生面での安心感が向上する。
【0013】
第3の発明に係る衛生洗浄装置は、第1の発明に係る衛生洗浄装置の構成において、人体洗浄の開始を指示する指示手段をさらに備え、制御手段は、指示手段の指示に応答して、人体洗浄動作を行った後、ノズル洗浄動作に移行させるものである。
【0014】
この場合、指示手段による人体洗浄の開始の指示に応答して、人体洗浄動作が行われた後、ノズル洗浄動作に移行する。その結果、人体洗浄が行われた直後に人体洗浄用ノズル装置の洗浄を行うことができる。それにより、人体洗浄時に人体洗浄用ノズル装置に付着した汚物を乾燥前に除去することができ、人体洗浄用ノズル装置を衛生的かつ効率よく洗浄することが可能となる。
【0015】
第4の発明に係る衛生洗浄装置は、第1〜第3のいずれかの発明に係る衛生洗浄装置の構成において、洗浄水供給手段は、ノズル洗浄用ノズル装置に連通する第1の流路と、人体洗浄用ノズル装置に連通する第2の流路と、加圧手段から供給される洗浄水を第1の流路および第2の流路のいずれかに選択的に供給するように流路の切り替えを行う切替手段とを含み、切替手段は、流路の切替時において、第1の流路および第2の流路の両方に洗浄水が流れる状態を有するものである。
【0016】
この場合、流路の切替時において、洗浄水供給手段により、ノズル洗浄用ノズル装置に連通する第1の流路および人体洗浄用ノズル装置に連通する第2の流路に洗浄水が供給される。それにより、第1の流路の選択時、第1の流路から第2の流路への切替時および第2の流路の選択時に第1および第2の流路の少なくとも一方に洗浄水が流れるので、流路の切替時に加圧手段よる洗浄水の加圧を停止する必要がない。
【0017】
第5の発明に係る衛生洗浄装置は、第4の発明に係る衛生洗浄装置の構成において、切替手段は、第1の流路に連通する第1の洗浄水出口および第2の流路に連通する第2の洗浄水出口を有する第1の部材と、第1の部材に相対的に回動可能に設けられ、加圧手段からの洗浄水を受け入れる洗浄水入り口ならびに第1および第2の洗浄水出口のいずれかに対向可能な孔部を有する第2の部材とを含み、第2の部材の回動可能な範囲内で第2の部材の洗浄水入り口と第1の部材の第1および第2の洗浄水出口のいずれかとが連通するものである。
【0018】
この場合、第2の部材の回動可能な範囲内で第2の部材の孔部が第1の部材の第1の洗浄水出口および第2の洗浄水出口のいずれかに対向する。それにより、洗浄水の流路が閉止されることがない。したがって、何らかの故障により、人体洗浄動作時、ノズル洗浄動作時または流路切替時以外に、加圧された洗浄水が供給された場合でも、第2の部材の孔部を通して第1の洗浄水出口および第2の洗浄水出口のいずれかから洗浄水が流出する。その結果、圧力上昇による配管の破損や漏水を防止することができ、安全性および信頼性を向上させることが可能となる。
【0019】
の発明に係る衛生洗浄装置は、第1〜第のいずれかの発明に係る衛生洗浄装置の構成において給水源から供給される洗浄水を加熱して加圧手段に供給する加熱手段をさらに備えたものである。
【0020】
この場合、給水源から供給された洗浄水を加熱手段により加熱して加圧手段に供給することができ、人体洗浄用ノズル装置およびノズル洗浄用ノズル装置から適度に加熱された洗浄水を噴出することができる。
【0021】
これにより、適度に加熱された洗浄水により人体洗浄用ノズル装置を洗浄することができ、より衛生的にかつ効率よく洗浄することが可能となる。
【0022】
の発明に係る衛生洗浄装置は、第の発明に係る衛生洗浄装置の構成において、加熱手段は、給水源から供給される洗浄水を流動させつつ加熱する瞬間式加熱装置である。
【0023】
この場合、供給源から供給される洗浄水が流動しつつ加熱手段により加熱されることにより、瞬間的に洗浄水が加熱される。これにより、冬季など水温が低い場合においても瞬間式加熱装置により瞬間的に加熱された洗浄水を用いて衛生的かつ効率よく人体洗浄用ノズル装置を洗浄することが可能となる。
【0024】
また、衛生洗浄装置の使用時のみに洗浄水の加熱を行うので、消費電力を最小限に抑えることができるとともに、洗浄水を貯える貯水タンク等が不要となる。
【0025】
の発明に係る衛生洗浄装置は、第1〜第のいずれかの発明に係る衛生洗浄装置の構成において、加圧手段は、周期的に変動する圧力で洗浄水を加圧する往復動ポンプである。
【0026】
この場合、往復動ポンプにより洗浄水を周期的に変動する圧力で人体洗浄用ノズル装置およびノズル洗浄用ノズル装置から噴出させることができる。
【0027】
ノズル洗浄用ノズル装置から噴出する洗浄水の噴出速度が周期的に増加するので、少ない流量の洗浄水でも人体洗浄用ノズル装置を衛生的にかつ効率よく洗浄することが可能となる。
【0028】
また、人体洗浄時において、空気抵抗により広がりを持った粒状に変化した洗浄水が人体洗浄用ノズル装置から噴出されるので、少ない流量の洗浄水でも人体に高い洗浄感を与えることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る衛生洗浄装置について説明する。
【0030】
図1は本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図である。
【0031】
図1に示すように、便器600上に衛生洗浄装置100が装着される。タンク700は、水道配管に接続されており、便器600内に洗浄水を供給する。
【0032】
衛生洗浄装置100は、本体部200、遠隔操作装置300、便座部400および蓋部500により構成される。
【0033】
本体部200には、便座部400および蓋部500がヒンジ部501を介して開閉自在に取り付けられ、便座部400の下面には、着座スイッチ401が取り付けられる。さらに、本体部200には、ノズル部30を含む洗浄水供給機構が設けられるとともに、制御部が内蔵されている。本体部200の制御部は、後述するように遠隔操作装置300により送信される信号に基いて、洗浄水供給機構を制御する。さらに、本体部200の制御部は、便座部400の下面に取り付けられた便座スイッチ401からの信号を受け、便座部400に内蔵されたヒータ、本体部200に設けられた脱臭装置(図示せず)および温風供給装置(図示せず)等の制御を行う。
【0034】
図2は図1の遠隔操作装置300の一例を示す模式図である。
【0035】
図2に示すように、遠隔操作装置300は、複数のLED(発光ダイオード)301、複数の調整スイッチ302、おしりスイッチ303、刺激スイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308を備える。
【0036】
使用者により調整スイッチ302、おしりスイッチ303、刺激スイッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308が押下操作される。それにより、遠隔操作装置300は、後述する衛生洗浄装置100の本体部200に設けられた制御部に所定の信号を無線送信する。本体部200の制御部は、遠隔操作装置300より無線送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構等を制御する。
【0037】
例えば、使用者が、おしりスイッチ303またはビデスイッチ306を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30が移動して洗浄水が噴出する。刺激スイッチ304を押下操作することにより図1の本体部200のノズル部30から人体の局部に刺激を与える洗浄水が噴出される。停止スイッチ305を押下操作することによりノズル部30からの洗浄水の噴出が停止する。
【0038】
また、乾燥スイッチ307を押下操作することにより人体の局部に対して衛生洗浄装置100の温風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。脱臭スイッチ308を押下操作することにより衛生洗浄装置100の脱臭装置(図示せず)により周辺の脱臭が行われる。
【0039】
調整スイッチ302は、水勢調整スイッチ302a,302b、温度調整スイッチ302c,302dおよびノズル位置調整スイッチ302e,302fを含む。
【0040】
使用者が、ノズル位置調整スイッチ302e,302fを押下操作することにより図1の衛生洗浄装置100の本体部200のノズル部30の位置が変化し、温度調整スイッチ302c,302dを押下操作することにより、ノズル部30より噴出される洗浄水の温度が変化する。また、水勢調整スイッチ302a,302bを押下操作することにより、ノズル部30より噴出される洗浄水の水量、圧力および噴出形態等が変化する。本実施の形態では、温度調整スイッチ302c,302dを押下操作することにより、洗浄水の温度が32度〜40度の間で調整される。例えば、温度調整スイッチ302c,302dが押下操作され、洗浄水の温度調整が32度に設定された場合、LED301が1個点灯し、洗浄水の温度調整が34度に設定された場合、LED301が2個点灯し、洗浄水の温度調整が36度に設定された場合、LED301が3個点灯し、洗浄水の温度調整が38度に設定された場合、LED301が4個点灯し、洗浄水の温度調整が40度に設定された場合、LED301が5個点灯する。
【0041】
以下、本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置100の本体部200について説明を行う。図3は本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置100の本体部200の構成を示す模式図である。
【0042】
図3に示す本体部200は、制御部4、分岐水栓5、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10、熱交換器11、温度センサ12a,12b、室温センサ12c、通水センサ12d、ポンプ13、切替弁14およびノズル部30を含む。また、ノズル部30は、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3を含む。
【0043】
図3に示すように、水道配管201に分岐水栓5が介挿される。また、分岐水栓5と熱交換器11との間に接続される配管202に、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10および温度センサ12aが順に介挿されている。さらに、熱交換器11と切替弁14との間に接続される配管203に、温度センサ12b、通水センサ12dおよびポンプ13が介挿されている。また、室温センサ12cは、衛生洗浄装置100の本体部200の周囲の温度が測定可能な位置に設けられる。
【0044】
まず、水道配管201を流れる浄水が、洗浄水として分岐水栓5によりストレーナ6に供給される。ストレーナ6により洗浄水に含まれるごみや不純物等が除去される。次に、逆止弁7により配管202内における洗浄水の逆流が防止される。そして、定流量弁8により配管202内を流れる洗浄水の流量が一定に維持される。
【0045】
また、ポンプ13と切替弁14との間にはリリーフ配管204が接続され、止水電磁弁9と流量センサ10との間には、分岐点Aにおいて逃がし水配管205が接続されている。リリーフ配管204には、リリーフ弁206が介挿されている。リリーフ弁206は、配管203の特にポンプ13の下流側の圧力が所定値を超えると開成し、水圧異常時の機器の破損、ホースの外れ等の不具合を防止する。一方、定流量弁8によって流量が調節され供給される洗浄水のうちポンプ13で吸引されない洗浄水を逃がし水配管205から放出する。これにより、水道供給圧に左右されることなくポンプ13には所定の背圧が作用することになる。
【0046】
なお、定流量弁8は、通常、一般家庭のコンセント容量(15A)により0℃近い洗浄水の水温を人体の洗浄に適した水温(40℃)まで昇温させることができる単位時間当たりの流量(0.5L/分)に配管内を流れる洗浄水の流量を調整している。
【0047】
次いで、流量センサ10は、配管202内を流れる洗浄水の流量を測定し、制御部4に流量測定値を与える。また、温度センサ12aは、配管202内を流れる洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
【0048】
続いて、熱交換器11は、制御部4により与えられる制御信号に基いて、配管202を通して供給された洗浄水を所定の温度に加熱する。温度センサ12bは、熱交換器11により所定の温度に加熱された洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。通水センサ12dは、配管203内に洗浄水が通水していることを示す通水信号を制御部4に与える。
【0049】
ポンプ13は、熱交換器11により加熱された洗浄水を制御部4により与えられる制御信号に基いて、切替弁14に圧送する。切替弁14は、制御部4により与えられる制御信号に基いて、ノズル部30のおしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つに洗浄水を供給する。それにより、おしりノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3のいずれか1つより洗浄水が噴出される。
【0050】
室温センサ12cは、衛生洗浄装置100の本体部200の周囲の温度を測定し、温度測定値を制御部4に与える。
【0051】
制御部4は、図1の遠隔操作装置300から無線送信される信号、着座スイッチ401からの信号、流量センサ10から与えられる流量測定値、温度センサ12a,12bおよび室温センサ12cから与えられる温度測定値、通水センサ12dから与えられる通水信号に基づいて止水電磁弁9、熱交換器11、ポンプ13および切替弁14に対して制御信号を与える。
【0052】
また、制御部4は、流量センサ10から与えられる流量測定値、温度センサ12a,12bおよび室温センサ12cから与えられる温度測定値、通水センサ12dから与えられる通水信号に基いて衛生洗浄装置の故障または異常を判定した場合、止水電磁弁9、熱交換器11、ポンプ13および切替弁14に対して緊急停止信号を与える。例えば、制御部4は、通水センサ12dより通水信号が与えられ、かつ温度センサ12aより洗浄水の温度測定値が与えられていて、流量センサ10の流量測定値が0である場合、流量センサ10が故障しているとして、止水電磁弁9、熱交換器11およびポンプ13に緊急停止信号を送信する。
【0053】
図4は熱交換器11の構造の一例を示す一部切り欠き断面図である。
【0054】
図4に示すように、樹脂ケース504内に曲折された蛇行配管510が埋設されている。蛇行配管510に接触するように平板状のセラミックヒータ505が設けられている。矢印Yで示すように、洗浄水が、給水口511から蛇行配管510内に供給され、蛇行配管510中を流れる間に、セラミックヒータ505により効率よく加熱され、排出口512から排出される。
【0055】
図3の制御部4は、温度センサ12a,12bおよび室温センサ12cより与えられる温度測定値に基いて、熱交換器11のセラミックヒータ505の温度をフィードバック制御する。
【0056】
本実施の形態においては、制御部4がフィードバック制御により熱交換器11のセラミックヒータ505の温度を制御することとしたが、これに限定されず、フィードフォワード制御によりセラミックヒータ505の温度を制御してもよく、あるいは、温度上昇時には、フィードフォワード制御によりセラミックヒータ505を制御し、定常時には、フィードバック制御によりセラミックヒータ505を制御する複合的な制御を行ってもよい。
【0057】
図5はポンプ13の構造の一例を示す断面図である。図5のポンプは複動型レシプロポンプである。
【0058】
図5において、本体部138内には、円柱状空間139が形成されている。円柱状空間139内には圧送ピストン136が設けられている。圧送ピストン136の外周部には、X字パッキン136aが装着されている。圧送ピストン136により円柱状空間139がポンプ室139aとポンプ室139bとに分割される。
【0059】
本体部138の一側部には洗浄水入口PIが設けられ、他側部には洗浄水出口POが設けられている。洗浄水入口PIには図3の配管203を介して熱交換器11が接続され、洗浄水出口POには配管203を介して切替弁14が接続される。
【0060】
洗浄水入口PIは、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに連通するとともに、内部流路P2、小室S2および小室S4を介してポンプ室139bに連通している。
【0061】
ポンプ室139aは、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POに連通している。円柱状空間139bは、小室S6、小室S8および内部流路P4を介して洗浄水出口POに連通している。
【0062】
小室S3、小室S4、小室S7および小室S8には、それぞれアンブレラパッキン137が設けられている。
【0063】
モータ130の回転軸にギア131が取り付けられ、ギア131にギア132が噛合っている。また、ギア132には、クランクシャフト133の一端が一点支持で回動可能に取り付けられ、クランクシャフト133の他端には、ピストン保持部134およびピストン保持棒135を介して圧送ピストン136が取り付けられている。
【0064】
図3の制御部4により与えられる制御信号に基いて、モータ130の回転軸が回転すると、モータ130の回転軸に取り付けられたギア131が矢印R1の方向に回転し、ギア132が矢印R2の方向に回転する。これにより、圧送ピストン136が図中の矢印Zの方向に上下運動する。
【0065】
図6はアンブレラパッキン137の動作を説明するための模式図である。例えば、図5の圧送ピストン136が、下方向に移動し、ポンプ室139aの容積を増加させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図6(b)に示すように変形する。その結果、洗浄水入口PIから供給された洗浄水が、内部流路P1、小室S1および小室S3を介してポンプ室139aに流入する。この場合、小室S7の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図6(a)に示す状態のまま変形しない。そのため、洗浄水がポンプ室139a内へ流入したり、逆に洗浄水出口POより吐出されることもない。
【0066】
一方、図5の圧送ピストン136が、上方向に移動し、ポンプ室139aの容積を減少させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が高くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキン137は、図6(a)に示す状態のまま変形しない。その結果、小室S1内の洗浄水が、ポンプ室139aに流入しない。この場合、小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図6(b)に示すように変形する。そのため、ポンプ室139a内の洗浄水が、小室S5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口POから吐出される。
【0067】
なお、小室S4内に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図6(b)に示すように変形し、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図6(a)に示す状態のまま変形しない。一方、小室S8に設けられたアンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動した場合に、図6(a)に示す状態のまま変形せず、圧送ピストン136が下方向に移動した場合に、図6(b)に示すように変形する。それにより、ポンプ室139a内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出されるときに、ポンプ室139b内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入し、ポンプ室139a内に洗浄水入口PIからの洗浄水が流入するときに、ポンプ室139b内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出される。
【0068】
図7は図5のポンプ13の圧力変化を示す図である。図7の縦軸は圧力を示し、横軸は時間を示す。
【0069】
図7に示すように、ポンプ13の洗浄水入口PIに圧力Piの洗浄水が供給される。この場合、図6の圧送ピストン136が上下方向に運動することにより、ポンプ室139a内の洗浄水の圧力Paは、点線のように変化する。一方、ポンプ室139b内の洗浄水の圧力Pbは、破線のように変化する。ポンプ13の洗浄水出口POより吐出される洗浄水の圧力Poutは、太い実線で示すように、圧力Pcを中心として上下に周期的に変化する。
【0070】
このように、ポンプ13においては、圧送ピストン136が上下運動を行うことにより、ポンプ室139aまたはポンプ室139b内の洗浄水に対して交互に圧力が加えられ、洗浄水入口PIの洗浄水が昇圧されて洗浄水出口POから吐出される。
【0071】
図8は、設定された水勢の違いによるポンプ13の圧力変化を示す図である。図8の縦軸はポンプ13の吐出圧力を示し、横軸は時間を示す。
【0072】
図8(a)は、使用者が図2の調整スイッチ302eを押下し、水勢を「強」に設定した場合のポンプ13の吐出圧力を示す図である。この場合、制御部4はポンプ13のモータ130の回転数を大きくする。これにより、図6の圧送ピストン136の上下方向の運動周期が短くなる。その結果、ポンプ13の吐出圧力の変動周波数が高くなる。また、吐出圧力の変動中心Poが高くなり、かつ、吐出圧力の変動幅が大きくなる。
【0073】
また、図8(b)は、使用者が図2の調整スイッチ302eまたは302fをを押下し、水勢を「中」に設定した場合のポンプ13の吐出圧力を示す図である。この場合、制御部4はモータ130の回転数を中程度にする。これにより、図6の圧送ピストン136の上下方向の運動周期が中程度となる。その結果、ポンプ13の吐出圧力の変動周波数が中程度となる。また、吐出圧力の変動中心Poが中程度となり、かつ、吐出圧力の変動幅が中程度となる。
【0074】
さらに、図8(c)は、使用者が図2の調整スイッチ302fを押下し、水勢を「弱」に設定した場合のポンプ13の吐出圧力を示す図である。この場合、制御部4はモータ130の回転数を小さくする。これにより、図6の圧送ピストン136の上下方向の運動周期が長くなる。その結果、ポンプ13の吐出圧力の変動中心Poが低くなり、かつ、吐出圧力の変動幅が小さくなる。
【0075】
このように、本実施の形態の衛生洗浄装置では、洗浄水に周期的な圧力変動を与えることにより、洗浄力および洗浄感を高めることができる。
【0076】
図9(a)は切替弁14の縦断面図であり、図9(b)は図9(a)の切替弁14のA−A線断面図であり、図9(c)は図9(a)の切替弁14のB−B線断面図である。
【0077】
図9に示す切替弁14は、ステッピングモータ141、ステッピングモータ出力軸141a、内筒142および外筒143により構成される。
【0078】
外筒143内に内筒142が挿入され、ステッピングモータ141の回転軸が内筒142に取り付けられている。ステッピングモータ141は、制御部4により与えられる制御信号に基いて回転動作を行う。ステッピングモータ141が回転することにより内筒142が回転する。
【0079】
図9(a),(b),(c)に示すように、外筒143の一端には、洗浄水入口143aが設けられ、側部の対向する位置に洗浄水出口143b,143cが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143cと異なる位置に洗浄水出口143dが設けられている。内筒142の互いに異なる位置に孔142e,142fが設けられている。孔142eの周辺には、図9(b)に示すように、面取り部が形成されている。内筒142の回転により、孔142eが外筒143の洗浄水出口143bまたは143cと対向可能になっており、孔142fが外筒143の洗浄水出口143dと対向可能になっている。
【0080】
なお、内筒142の側面には、洗浄水入り口143aから流入した洗浄水が外部に漏水することを防止するためにシール部材S1が取り付けられている。また、内筒142の孔142eと142fとの間および洗浄入り口143aと孔142fとの間には、洗浄水の漏水を防止するとともに流路の切替を確実に行うために、シール部材S2がそれぞれ取り付けられている。
【0081】
洗浄水入口143aには、図3の配管203が接続され、洗浄水出口143bには、おしりノズル1が接続され、洗浄水出口143cには、ビデノズル2が接続され、洗浄水出口143dには、ノズル洗浄用ノズル3が接続されている。
【0082】
図10は、図9の切替弁を矢印Cの方向から見た場合の切替弁の構成を示す図である。なお、図10においては、ステッピングモータ141は一点鎖線で示されている。
【0083】
図10に示すように、内筒142の外周面には凸部Xが設けられている。また、外筒143の内周面には回動規制部A,Bが対向するように設けられている。
【0084】
洗浄待機時においては、凸部Xは、回動規制部A,Bの中間に位置する。このときの内筒142の回転角度を0度とする。また、矢印Pの方向へ内筒142が回転した場合の回転角度を正で表し、矢印Qの方向へ内筒142が回転した場合
の回転角度を負で表す。
【0085】
ステッピングモータ141の駆動により内筒142が矢印Pの方向に回転した場合、凸部Xが回動規制部Aに当接することにより内筒142の回転が停止する。また、内筒142が矢印Qの方向に回転した場合、凸部Xが回動規制部Bに当接することにより内筒142の回転が停止する。
【0086】
したがって、内筒142は、洗浄待機位置(回転角度=0°)を中心として−90度から+90度の範囲で180度回転可能である。
【0087】
ステッピングモータ141は、与えられるパルスの数に応じた角度回転する。この場合、1パルスに相当する回転角度は正確に制御される。
【0088】
本実施の形態においては、内筒142の最大の回転可能範囲である180度内筒142が矢印Pの方向に回転するようにパルスをステッピングモータ141に与える。この場合、内筒142がいずれの位置にある場合においても凸部Xが回動規制部Aに当接する。
【0089】
例えば、内筒142の回転角度が0度の状態で、内筒142が矢印Pの方向に180度回転するパルスをステッピングモータ141に与えると、内筒142は90度回転した後、凸部Xが回動規制部Aに当接することにより回転を停止する。このとき、ステッピングモータ141は残りの90度+β(誤差分)に相当するパルス数分脱調する。脱調したステッピングモータ141に、矢印Qの方向に90度(回転角度=−90°)回転する数のパルスを与えることにより、内筒142は、洗浄待機位置(回転角度=0°)に復帰することができる。
【0090】
これにより、制御部4は、内筒142の回転角度を検出することなく内筒142を洗浄待機位置(回転角度=0°)に移動させることができる。以下、この動作を原点リセットと称する。
【0091】
したがって、制御部4は、洗浄待機位置(回転角度=0°)を基準としてステッピングモータ141にパルスを与えることにより、内筒142を所定の回転角度回転させることができる。これにより、オープン制御により内筒142の回転角度を制御することが可能となる。
【0092】
なお、原点リセットの動作は、通常、衛生洗浄装置への通電の開始時、停電の復帰時および局部洗浄動作の終了時等に行うものとする。
【0093】
図11は、図9の切替弁14の動作を示す断面図である。
【0094】
ステッピングモータ141が駆動せず内筒142の回転角度が0度(洗浄待機位置)の場合には、図11(a)に示すように内筒142の孔142fが、外筒143の洗浄水出口143dに対向している。したがって、洗浄水が供給されている場合、洗浄水が洗浄水入り口143dより内筒142の内部を通過して、矢印W1で示すように洗浄水出口143dから最大流量で流出することが可能である。
【0095】
また、内筒142の孔142eは、図11(a)に示すように、洗浄水出口143b,143cのいずれにも対向しない。したがって、洗浄水が洗浄水出口143b,143cのいずれからも流出しない。
【0096】
ステッピングモータ141により、内筒142が図10の矢印Pの方向に45回転(回転角度=45°)した場合、図11(b)に示すように、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143cに対向する。また、内筒142の孔142fの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入り口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W2で示すように洗浄水出口143cおよび洗浄水出口143dから流出する。
【0097】
さらに、ステッピングモータ141により、内筒142が図10の矢印Pの方向に90度回転(回転角度=90°)した場合、凸部Xが回動規制部Aに当接する。このとき、内筒142の孔142eは、図11(c)に示すように、洗浄水出口143cに完全に対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入り口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W3で示すように洗浄水出口143cから最大流量で流出する。なお、このとき孔142fは、外筒143の洗浄水出口143dに対向しない。したがって、洗浄水が洗浄水出口143dから流出しない。
【0098】
また、ステッピングモータ141により、内筒142が図10の矢印Qの方向に45度回転(回転角度=−45°)した場合、図11(d)に示すように、内筒142の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143bに対向する。また、内筒142の孔142fの周囲の面取り部の一部が外筒143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、少量の洗浄水が洗浄水入り口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W4で示すように洗浄水出口143bおよび洗浄水出口143dから流出する。
【0099】
さらに、ステッピングモータ141が駆動し、内筒142が図10の矢印Qの方向に90度回転(回転角度=−90°)した場合、凸部Xが回動規制部Bに当接する。このとき、内筒142の孔142eは、図11(e)に示すように、洗浄水出口143bに完全に対向する。したがって、洗浄水が洗浄水入り口143aより内筒142の内部を通過して、矢印W5で示すように洗浄水出口143bから最大流量で流出する。なお、このとき内筒142の孔142fは、外筒143の洗浄水出口143dに対向しない。したがって、洗浄水が洗浄水出口143dから流出しない。
【0100】
図12は、図9の切替弁の洗浄水出口143b,143c,143dから流出する洗浄水の流量を示す図である。図12の横軸は切替弁14の内筒142の回転角度を示し、縦軸は洗浄水143b,143c,143dを流れる洗浄水の流量を示す。また、破線Q1が、洗浄水出口143bから流出する洗浄水の流量の変化を示し、実線Q2が、洗浄水出口143cから流出する洗浄水の流量の変化を示し、一点鎖線Q3が、洗浄水出口143dから流出する洗浄水の流量の変化を示す。
【0101】
図12に示すように、切替弁14の内筒142の回転角度が−90°のとき、洗浄水出口143bから流出する洗浄水の流量が最大となる。また、内筒142の回転角度が+90°のとき、洗浄水出口143cか流出する洗浄水の流量が最大となる。さらに、内筒142の回転角度が0°のとき、洗浄水出口143dから流出する洗浄水の流量が最大となる。
【0102】
また、内筒142の回転角度が−90°から+90°のいずれの値であっても洗浄水出口143b、洗浄水出口143cおよび洗浄水出口143dのいずれから洗浄水が洗浄水が流出する。
【0103】
したがって、内筒142が回転できない等の不具合が生じた場合に、配管内の圧力が上昇し配管の連結部等が外れることにより漏水が生じることを防止することができる。
【0104】
また、前述した原点リセットの動作において、内筒142の回転角度が0度の位置を洗浄待機位置と設定することにより、洗浄待機状態において、内筒142の孔部142fが洗浄水出口143dに対向している。これにより、何らかの原因で内筒142が回転しない場合においてもポンプ13から供給される洗浄水を洗浄水出口143dに接続されているノズル洗浄用ノズル3から流出することができる。その結果、おしりノズル1またはビデノズル2から洗浄水が流出することが防止され、室内を水浸しにしてしまう等の事故を防止することが可能となる。
【0105】
次に、図3のノズル部30のおしりノズル1について説明する。図13は図3のノズル部30のおしりノズル1の断面図である。なお、図3のノズル部30のビデノズル2の構成および動作は図13のおしりノズル1と同様である。
【0106】
図13に示すように、おしりノズル1は、円筒状のピストン部20、円筒状のシリンダ部21、シールパッキン22およびスプリング23により構成される。
【0107】
ピストン部20の先端近傍には、洗浄水を噴出するための噴出孔25が形成されている。ピストン部20の後端には、フランジ形状のストッパ部26が設けられている。また、ストッパ部26には、シールパッキン22が装着されている。ピストン部20の内部には、後端面から噴出孔25に連通する流路27が形成されている。
【0108】
一方、シリンダ部21は、先端側の径小部分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部分と径大部分との間に、ストッパ部26がシールパッキン22を介して当接可能なストッパ面21bが形成されている。シリンダ部21の後端面には、洗浄水入口24が設けられ、シリンダ部21の先端面には、開口部21aが設けられている。シリンダ部21の内部空間が温度変動緩衝部28となる。洗浄水入口24は、シリンダ部21の中心軸とは異なる位置に偏心して設けられている。洗浄水入口24は、図3の切替弁14の洗浄水出口143bに接続されている。
【0109】
ピストン部20は、ストッパ部26が温度変動緩衝部28内に位置し、先端部が開口部21aから突出するように、シリンダ部21内に移動可能に挿入されている。
【0110】
さらに、スプリング23は、ピストン部20のストッパ部26とシリンダ部21の開口部21aの周縁との間に配設されており、ピストン部20をシリンダ部21の後端側に付勢する。
【0111】
ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間に微小隙間が形成され、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間に微小隙間が形成されている。
【0112】
次いで、図13のおしりノズル1の動作について説明する。図14は図13のおしりノズル1の動作を説明するための断面図である。
【0113】
まず、図14(a)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24より洗浄水が供給されない場合、ピストン部20が、スプリング23の弾性力により矢印Xの方向と逆方向に後退し、シリンダ部21内に収容されている。その結果、ピストン部20は、シリンダ部21の開口部21aより最も突出していない状態となる。このとき、シリンダ部21内には、温度変動緩衝部28が形成されない。
【0114】
次いで、図14(b)に示すように、シリンダ部21の洗浄水入口24より洗浄水の供給が開始された場合、洗浄水の圧力によりピストン部20がスプリング23の弾性力に抗して矢印Xの方向に徐々に前進する。それにより、シリンダ部21内に温度変動緩衝部28が形成されるとともに温度変動緩衝部28に洗浄水が流入する。
【0115】
洗浄水入口24がシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28に流入した洗浄水は、矢印Vで示すように渦巻状に還流する。温度変動緩衝部28の洗浄水の一部は、ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間を通して、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間から流れ出るとともに、ピストン部20の流路27を通して噴出孔25から噴出される。
【0116】
ピストン部20がさらに前進すると、図14(c)に示すように、ストッパ部
26がシールパッキン22を介してシリンダ部21のストッパ面21bに水密に接触する。それにより、ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小隙間からピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周面との間の微小隙間に至る流路が遮断される。したがって、温度変動緩衝部28の洗浄水が、ピストン部20内の流路27を通して噴出孔25のみから噴出される。
【0117】
上記のように、図3の熱交換器11から供給される洗浄水がシリンダ部21内の温度変動緩衝部28内に貯えられた後に、ピストン部20の流路27を通して噴出孔25から噴出されるので、温度変動緩衝部28内で洗浄水の温度変動が緩衝される。それにより、噴出孔25から噴出される洗浄水の温度変動が平滑化されて急激な温度変動が抑制される。
【0118】
特に、洗浄水入口24がシリンダ部21の中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動緩衝部28内で洗浄水が渦巻き状に還流する。それにより、洗浄水の温度変動が効果的に緩衝される。したがって、温度変動緩衝部28の容積が小さい場合でも、洗浄水の温度変動の高い緩衝効果が得られる。
【0119】
図15は、本発明の実施の形態における衛生洗浄装置の動作を示すフローチャートである。図1、図2、図3および図15を用いて衛生洗浄装置の動作を説明する。
【0120】
衛生洗浄装置100の本体部200の制御部4は、衛生洗浄装置100に通電が開始されると切替弁14の原点リセットを行う(ステップS1)。なお、本実施の形態においては、切替弁14の原点リセットを行うことにより、切替弁14は、ノズル洗浄ノズル側に切り替えられる。
【0121】
制御部4は、遠隔操作装置300の操作スイッチ800が押下されたか否かを判別する(ステップS2)。操作スイッチ800が押下された場合、制御部4は押下された操作スイッチ800がおしりスイッチ303であるか否かを判別する(ステップS3)。おしりスイッチ303が押下された場合、ノズル洗浄処理を行う(ステップS4)。ノズル洗浄処理における衛生洗浄装置100の詳細な動作については後述する。
【0122】
ノズル洗浄処理後、制御部4は、おしり洗浄処理を行う(ステップS5)。おしり洗浄処理における衛生洗浄装置100の詳細な動作については後述する。
【0123】
おしり洗浄処理開始後、制御部4は、停止スイッチ305が押下されたか否かを判別する(ステップS6)。停止スイッチ305が押下された場合、制御部4は、おしり洗浄処理を停止する(ステップS7)。
【0124】
また、ステップS3において、おしりスイッチ303が押下されていない場合、制御部4は、ビデスイッチ306が押下されたか否かを判別する(ステップS8)。ビデスイッチ306が押下された場合、ノズル洗浄処理を行う(ステップS9)。ノズル洗浄処理後、制御部4はビデ洗浄処理を行う(ステップS10)。ビデ洗浄処理における衛生洗浄装置100の詳細な動作については後述する。
【0125】
ビデ洗浄処理開始後、制御部4は、停止スイッチ305が押下されたか否かを判別する(ステップS6)。停止スイッチ305が押下された場合、制御部4は、ビデ洗浄処理を停止する(ステップS7)。
【0126】
なお、ステップS8において、ビデスイッチ306が押下されていない場合、他の処理を行う(ステップS11)。
【0127】
また、ステップS1の切替弁14の原点リセットの動作の後に、図1に示す着座センサ401から着座信号を受信したか否かを判別するステップを設けてもよい。この場合、使用者が図1の便座部400に腰掛けた際に着座センサ401より制御部4に着座信号が送信される。制御部4は、着座センサ401より着座信号を受信したと判定した場合、ノズル洗浄処理を行う。
【0128】
なお、本実施の形態においては、ステップS4のノズル洗浄処理の後にステップS5のおしり洗浄処理を行っているが、おしり洗浄処理の後にノズル洗浄処理を行ってもよい。
【0129】
また、本実施の形態においては、ステップS9のノズル洗浄処理の後にステップS10のビデ洗浄処理を行っているが、ビデ洗浄処理の後におしり洗浄処理を行ってもよい。
【0130】
図16は、図15のノズル洗浄処理における衛生洗浄装置の詳細な動作を示すフローチャートである。
【0131】
衛生洗浄装置100の本体部200の制御部4は、おしりスイッチ303またはビデスイッチ309のいずれかが押下されたと判別した場合、止水電磁弁9を開き、熱交換機11に洗浄水を供給する(ステップS4−1)。
【0132】
次に、制御部4は、熱交換器11の出口側(下流側)に設けられた通水センサ12dより通水信号を受信したか否かを判別する(ステップS4−2)。この通水センサ12dは、配管203内が洗浄水で満たされている場合にのみ通水信号を制御部4に送信する。それにより、制御部4は通水センサ12dから通水信号を受信すると、配管203に接続された熱交換器11の蛇行配管510内が洗浄水で満たされていると判定する。
【0133】
さらに、制御部4は、熱交換器11をオンし、洗浄水の加熱を開始する(ステップS4−3)。
【0134】
次に、制御部4は、ポンプ13を中速度で運転させる(ステップS4−4)。それにより、止水電磁弁9から供給された洗浄水が「中」の水勢で熱交換機11からポンプ13を経由してノズル洗浄ノズル3に流れる。その結果、ノズル洗浄ノズル3からおしりノズル11およびビデノズル12に洗浄水が噴出し、おしりノズル1およびビデノズル2に付着した汚物が除去される。さらに、制御部4は、所定時間経過したか否かを判別する(ステップS4−5)。
【0135】
所定時間経過したことを判別すると、制御部4は、熱交換器11をオフする(ステップS4−6)。これにより、熱交換器11に供給される洗浄水の加熱が停止される。さらに、制御部4は、ポンプ13を低速度で運転する(ステップS4−7)。
【0136】
なお、ステップS4−2において、通水センサ12bより通水信号を受信しなかったと判別した場合、止水電磁弁9が何らかの理由で開成しないと考えられる。そこで、制御部4は、ノズル洗浄処理を停止する(ステップS4−8)。
【0137】
また、ステップS3−5における所定時間は、ノズル洗浄ノズル3から噴出する洗浄水によりおしりノズル1およびビデノズル2が充分に洗浄されるように設定することが好ましい。例えば、本実施の形態においては2秒とする。
【0138】
図17は、図15のノズル洗浄処理における衛生洗浄装置の詳細な動作の他の例を示すフローチャートである。
【0139】
衛生洗浄装置100の本体部200の制御部4は、着座センサ401より着座信号を受信したと判定した場合、止水電磁弁9を開き、熱交換機11に洗浄水を供給する(ステップS4−11)。
【0140】
次に、制御部4は、熱交換器11の出口側(下流側)に設けられた通水センサ12dにより通水信号を受信したか否かを判別する(ステップS4−12)。この通水センサ12dは、配管203内が洗浄水で満たされている場合にのみ通水信号を制御部4に送信する。それにより、制御部4は通水センサ12dから通水信号を受信すると、配管203に接続された熱交換器11の蛇行配管510内が洗浄水で満たされていると判定する。
【0141】
さらに、制御部4は、熱交換器11をオンし、洗浄水の加熱を開始する(ステップS4−13)。
【0142】
次に、制御部4は、ポンプ13を中速度で運転する(ステップS4−14)。それにより、止水電磁弁9から供給された洗浄水が「中」の水勢で熱交換機11からポンプ13を経由してノズル洗浄ノズル3に流れる。その結果、ノズル洗浄ノズル3からおしりノズル1およびビデノズル2に洗浄水が噴出し、おしりノズル1およびビデノズル2に付着した汚物が除去される。さらに、制御部4は、温度センサ12bより与えられる温度測定値に基づいて洗浄水の温度が所定温度に達したか否かを判別する(ステップS4−15)。
【0143】
洗浄水の温度が所定温度に達したことを判別すると、制御部4は、熱交換器11をオフする(ステップS4−16)。これにより、熱交換器11に供給される洗浄水の加熱が停止される。さらに、制御部4は、ポンプ13を低速度で運転する(ステップS4−17)。
【0144】
なお、ステップS4−12において、通水センサ12bより通水信号を受信しなかったと判別した場合、止水電磁弁9が何らかの理由で開成しないと考えられる。そこで、制御部4は、ノズル洗浄処理を停止する(ステップS4−18)。
【0145】
また、ステップS3−15における所定温度は、おしりノズル1またはビデノズル2から噴出される洗浄水の温度が使用者に不快感を与えない温度となるように設定することが好ましい。例えば、本実施の形態においては36℃とする。
【0146】
上記のように、ノズル洗浄ノズル3から加熱された洗浄水が噴出するので、おしりノズル1およびビデノズル2を温水で効率よく洗浄することが可能となる。
また、ノズル洗浄処理において、洗浄水の予備加熱を行うことができ、おしりスイッチ303またはビデスイッチ306が押下されてから洗浄水を所定温度にまで加熱する時間を短縮することが可能となる。その結果、使用者がおしりスイッチ303またはビデスイッチ306を押下してからおしり洗浄またはビデ洗浄が行われるまでの待ち時間を短縮することが可能となる。
【0147】
図18は、図15のおしり洗浄処理における衛生洗浄装置の詳細な動作の例を示すフローチャートである。
【0148】
衛生洗浄装置100の本体部200の制御部4は、おしりスイッチ303が押下されると、熱交換器11をオンし、洗浄水の加熱を開始する(ステップS5−1)。
【0149】
このとき、制御部4は、図15のノズル洗浄処理においてポンプ13を低速運転しており、止水電磁弁9から供給される洗浄水が低い水勢で熱交換器11からポンプ13を経由してノズル洗浄ノズル3より噴出している。
【0150】
制御部4は、温度センサ12bより与えられる温度の測定値に基づいて、洗浄水の温度が所定温度に達したか否かを判別する(ステップS5−2)。
【0151】
洗浄水の温度が所定温度に達したことを判別すると、制御部4は、切替弁14をおしりノズル1側に切り替える(ステップS5−3)。それにより、洗浄水がおしりノズル1に供給され、洗浄水の圧力によりおしりノズル1のピストン部20がシリンダ部21より突出する。その後、制御部4は、ポンプ13を通常速度で運転する(ステップS5−4)。この場合、制御部4は、使用者が調整スイッチ302a,302b2より設定した水勢に応じた回転数でポンプ13を運転する。それにより、おしりノズル1の噴出孔25から洗浄水が噴出し、おしり洗浄が行われる。
【0152】
なお、ステップS5−2における所定温度は、おしりノズル1の噴出孔25から噴出される洗浄水の温度が使用者に不快感を与えない温度となるように設定することが好ましい。
【0153】
ステップS5−2において所定時間経過したか否かを判別する動作を同時に行ってもよい。これにより、ノズル洗浄処理をさらに確実に行うことが可能となる。この場合、所定時間経過の判別よりも所定温度に達したか否かの判別を優先する。たとえば、所定時間経過したと判別された時点で、温度センサ12bにより与えられる温度測定値が所定温度に達していない場合は、切替弁14をおしりノズル1側に切り替えず、洗浄水の加熱を続ける。
【0154】
なお、ステップS5−2で洗浄水の温度が所定温度に達したか否かを判断する代わりに、洗浄水の温度の変化率が所定値以下(例えばほぼ一定)になったか否かを判別してもよい。
【0155】
図19は、図15のビデ洗浄処理における衛生洗浄装置の詳細な動作の例を示すフローチャートである。
【0156】
衛生洗浄装置100の本体部200の制御部4は、ビデスイッチ306が押下されると、熱交換器11をオンし、洗浄水の加熱を開始する(ステップS10−1)。
【0157】
このとき、制御部4は、図15のノズル洗浄処理においてポンプ13を低速運転しており、止水電磁弁9から供給される洗浄水が低い水勢で熱交換器11からポンプ13を経由してノズル洗浄ノズル3より噴出している。
【0158】
制御部4は、温度センサ12bより与えられる温度測定値に基づいて洗浄水の温度が所定温度に達したか否かを判別する(ステップS10−2)。
【0159】
洗浄水の温度が所定温度に達したことを判別すると、制御部4は、切替弁14をビデノズル2側に切り替える(ステップS10−3)。それにより、洗浄水がビデノズル2に供給され、洗浄水の圧力によりビデノズル2のピストン部20がシリンダ部21より突出する。その後、制御部4は、ポンプ13を通常速度で運転する(ステップS10−4)。この場合、制御部4は、使用者が調整スイッチ302a,302bにより設定した水勢に応じた回転数でポンプ13を運転する。それにより、ビデノズル1の噴出孔から洗浄水が噴出し、ビデ洗浄が行われる。
【0160】
なお、ステップS10−2における所定温度は、ビデノズル1の噴出孔から噴出される洗浄水の温度が使用者に不快感を与えない温度となるように設定することが好ましい。
【0161】
ステップS10−2において所定時間経過したか否かを判別する動作を同時に行ってもよい。これにより、ノズル洗浄処理をさらに確実に行うことが可能となる。この場合、所定時間経過の判別よりも所定温度に達したか否かの判別を優先する。たとえば、所定時間経過したと判別された時点で、温度センサ12bより与えられた温度測定値が所定温度に達していない場合は、切替弁14をビデノズル2側に切り替えず、洗浄水の加熱を続ける。
【0162】
なお、ステップS10−2で洗浄水の温度が所定温度に達したか否かを判断する代わりに、洗浄水の温度の変化率が所定値以下(例えばほぼ一定)になったか否かを判別してもよい。
【0163】
以上のように、ノズル洗浄処理において、ポンプ13を中速度で運転し、加圧した洗浄水をノズル洗浄用ノズル3から噴出させることにより、おしりノズル1およびビデノズル2を衛生的かつ効率よく洗浄することができる。
【0164】
図20は、ポンプおよび切替弁の動作の例を時系列に示した図である。
【0165】
図20において、(a)の縦軸はポンプ13の吐出圧力を示し、(b)の縦軸は切替弁14の内筒142の回転角度を示す。また、(a)および(b)の横軸は共に時間を示す。
【0166】
ノズル洗浄処理において、切替弁14の内筒142の回転角度は0度(原点リセット位置)となり、ノズル洗浄ノズル3に洗浄水が最大流量で流入する。このとき、ポンプ13は、中程度の回転数で駆動されており、ポンプ13の吐出圧力の変動周波数は中程度となる。また、吐出圧力の変動中心Poは中程度となり、かつ、吐出圧力の変動幅が中程度となる。ただし、図20では、図示を簡略化するために、吐出圧力の変動中心Poを一定としている。
【0167】
ノズル洗浄処理の後、水路切替動作を行う。例えば、使用者がおしりスイッチ303を押下した場合、制御部4は、切替弁14の内筒142を図10に示す内筒142の凸部Xが回動規制部Bに当接するまで回転させ、内筒142の回転角度を0度から−90度とする。これにより、内筒142の孔142eが洗浄水出口143bに対向し、おしり洗浄ノズル1に洗浄水が最大流量で流入することが可能となる。このとき、ポンプ13は、低い回転数で駆動されており、ポンプ13の吐出圧力の変動周波数が低くなる。また、吐出圧力の変動中心Poは低くなり、かつ、吐出圧力の変動幅が小さくなる。
【0168】
さらに、おしり洗浄処理において、例えば、使用者が水勢「強」でのおしり洗浄を設定している場合、ポンプ13は、高い回転数で駆動されており、ポンプ13の吐出圧力の変動周波数が高くなる。また、吐出圧力の変動中心Poは高くなり、かつ、吐出圧力の変動幅が大きくなる。
【0169】
このように、水路切替動作時においてポンプ13を低速度で回転させることにより、配管の接合部が外れたりポンプ13が負圧になることを防止することが可能となる。また、人体洗浄処理を行う直前にノズル洗浄処理を行うことができ、使用者の衛生面での安心感が向上する。
【0170】
図21は、ポンプおよび切替弁の動作の他の例を時系列に示した図である。
【0171】
図21において、(a)の縦軸はポンプ13の吐出圧力を示し、(b)の縦軸は切替弁14の内筒142の回転角度を示す。また、(a)および(b)の横軸は共に時間を示す。
【0172】
ビデ洗浄処理において、切替弁14の内筒142の回転角度は90度であり、内筒142の孔142eが洗浄水出口143cに対向する。これにより、ビデ洗浄ノズル2に洗浄水が最大流量で流入する。
【0173】
このとき、例えば、使用者が水勢「強」でのビデ洗浄を設定している場合、ポンプ13は、高い回転数で駆動されており、ポンプ13の吐出圧力の変動周波数が高くなる。また、吐出圧力の変動中心Poは高くなり、かつ、吐出圧力の変動幅が大きくなる。ただし、図21では、図示を簡略化するために、吐出圧力の変動中心Poを一定としている。
【0174】
ビデ洗浄処理の停止後、制御部4は、ポンプ13の回転を停止させるとともに切替弁14を回転させ、回転角度を90度から0度とする。
【0175】
その後、ノズル洗浄処理において、ポンプ13は、中程度の回転数で駆動されており、ポンプ13の吐出圧力の変動周波数は中程度となる。また、吐出圧力の変動中心Poは中程度となり、かつ、吐出圧力の変動幅が中程度となる。
【0176】
このように、人体洗浄処理の直後にノズル洗浄処理を行うことにより、人体洗浄時におしりノズル1またはビデノズル2に付着した汚物が乾燥する前に除去することができる。
【0177】
図22は、本発明の衛生洗浄装置に用いるポンプの他の例を示す断面図である。
【0178】
図22に示すポンプ13bは単動型レシプロポンプである。図22において、本体部には、円柱状空間235が形成されている。円柱状空間235内には圧送ピストン236が設けられている。圧送ピストン236により円柱状空間235がポンプ室235aとポンプ室235bとに分割される。
【0179】
本体部の一側部には洗浄水入口Pαが設けられ、他側部には洗浄水出口Pβが設けられている。洗浄水入口Pαには図3の配管203を介して熱交換器11が接続され、洗浄水出口Pβには配管203を介して切替弁14が接続される。
【0180】
洗浄水入口Pαは、小室S10および小室S11を介してポンプ室235aに連通している。
【0181】
ポンプ室235aは、小室S12および小室S13を介して洗浄水出口Pβに連通している。
【0182】
モータ200の回転軸にギア231が取り付けられ、ギア231にギア232が噛合っている。また、ギア232には、クランクシャフト233の一端が一点支持で回動可能に取り付けられ、クランクシャフト233の他端には、ピストン保持部234およびピストン保持棒239を介して圧送ピストン240が取り付けられている。
【0183】
図3の制御部4により与えられる制御信号に基いて、モータ200の回転軸が回転すると、モータ200の回転軸に取り付けられたギア231が矢印R3の方向に回転し、ギア232が矢印R4の方向に回転する。これにより、圧送ピストン240が図中の矢印Qの方向に上下運動する。
【0184】
また、小室S11および小室S13には、それぞれアンブレラパッキン237が設けられている。アンブレラパッキン237の構成および動作は、前述した図6に示すアンブレラパッキン137の構成および動作と同様である。
【0185】
例えば、図22の圧送ピストン240が、下方向に移動し、ポンプ室235aの容積を増加させた場合、小室S10の圧力よりもポンプ室235a内の圧力が低くなるため、小室S11に設けられたアンブレラパッキン237は、図6(b)に示すように変形する。その結果、洗浄水入口Pαから供給された洗浄水が、小室S10および小室S11を介してポンプ室235aに流入する。この場合、小室S11に設けられたアンブレラパッキン237は、図6(a)に示す状態のまま変形しない。そのため、ポンプ室235a内の洗浄水が、洗浄水出口Pβより吐出されない。
【0186】
一方、図22の圧送ピストン240が、上方向に移動し、ポンプ室235aの容積を減少させた場合、小室S10の圧力よりもポンプ室235a内の圧力が高くなるため、小室S12に設けられたアンブレラパッキン237は、図6(a)に示す状態のまま変形しない。その結果、小室S10内の洗浄水が、ポンプ室235aに流入しない。この場合、小室S13に設けられたアンブレラパッキン237、図6(b)に示すように変形する。そのため、ポンプ室235a内の洗浄水が、小室S12および小室S13を介して洗浄水出口Pβから吐出される。
【0187】
図23は、図22のポンプの各部の圧力変化を示す図である。図23の縦軸は圧力を示し、横軸は時間を示す。
【0188】
図23に示すように、ポンプ13bの洗浄水入口Pαに圧力Pxの洗浄水が供給される。この場合、図22の圧送ピストン240が上下方向に運動することにより、ポンプ室235a内の洗浄水の圧力Pxが変化する。それにより、ポンプ13bの洗浄水出口Pβより吐出される洗浄水の圧力Poutは、太い実線で示すように、圧力Pkを中心として上下に周期的に変化する。
【0189】
このように、ポンプ13bにおいては、圧送ピストン240が上下運動を行うことにより、ポンプ室235a内の洗浄水に対して圧力が加えられ、洗浄水入口Pαの洗浄水が昇圧されて洗浄水出口Pβから吐出される。
【0190】
本実施の形態においては、おしりノズル1およびビデノズル2が人体洗浄用ノズル装置に相当し、ノズル洗浄ノズル3がノズル洗浄用ノズル装置に相当し、熱交換器11が加熱手段および瞬間式加熱装置に相当し、ポンプ13が加圧手段に相当し、制御部4が制御手段に相当し、切替弁14が洗浄水供給手段および切替手段に相当し、おしりスイッチ303およびビデスイッチ306が指示手段に相当する。また、内筒142が第2の部材に相当し、外筒143が第1の部材に相当し、洗浄水出口143bおよび洗浄水出口243cが第2の流路に相当し、洗浄水出口143dが第1の流路に相当する。
【0191】
なお、本実施の形態においては、ポンプ13として、複動型レシプロポンプおよび単動型レシプロポンプを用いる場合について説明したが、これに限定されず、回転型ポンプまたは他の往復型ポンプを用いてもよい。
【0192】
さらに、本実施の形態においては、使用開始を検出するために着座スイッチ401を用いているが、これに限定されず、例えば、図1のヒンジ部501に感圧スイッチを設けてもよく、便座部400の静電容量を検出するセンサを用いてもよく、赤外線センサまたは超音波センサにより使用者の入出を検出してもよい。
【0193】
【発明の効果】
本発明によれば、人体洗浄用ノズル装置を加圧手段により加圧された洗浄水により洗浄することができ、人体洗浄用ノズル装置を衛生的かつ効率よく洗浄することが可能となる。また、流路の切替時に流路内が突発的に高圧になることが回避されるので、流路の連結部等の破損を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図
【図2】 図1の遠隔操作装置の一例を示す模式図
【図3】 本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置の本体部の構成を示す模式図
【図4】 熱交換器の構造の一例を示す一部切り欠き断面図
【図5】 ポンプの構造の一例を示す断面図
【図6】 アンブレラパッキンの動作を説明するための模式図
【図7】 図5のポンプの各部の圧力変化を示す図
【図8】 ノズルから噴出される洗浄水の水勢の違いによるポンプ13の圧力変化を示す図
【図9】 (a)切替弁の縦断面図
(b)切替弁のA−A線断面図
(c)切替弁のB−B線断面図
【図10】 図9の切替弁を矢印Cの方向から見た場合の切替弁の構成を示す図
【図11】 図9の切替弁の動作を示す断面図
【図12】 図9の切替弁の洗浄水出口143b,143c,143dから流出する洗浄水の流量を示す図
【図13】 図3のノズル部のおしりノズルの断面図
【図14】 図13のおしりノズルの動作を説明するための断面図
【図15】 本発明の実施の形態における衛生洗浄装置の動作を示すフローチャート
【図16】 図15のノズル洗浄処理における衛生洗浄装置の詳細な動作の例を示すフローチャート
【図17】 図15のノズル洗浄処理における衛生洗浄装置の詳細な動作の他の例を示すフローチャート
【図18】 図15のおしり洗浄処理における衛生洗浄装置の詳細な動作の例を示すフローチャート
【図19】 図15のビデ洗浄処理における衛生洗浄装置の詳細な動作の例を示すフローチャート
【図20】 ポンプおよび切替弁の動作の例を時系列で示した図
【図21】 ポンプおよび切替弁の動作の他の例を時系列で示した図
【図22】 本発明の衛生洗浄装置に用いるポンプの他の例を示す断面図
【図23】 図22のポンプの各部の圧力変化を示す図
【符号の説明】
1 おしりノズル
2 ビデノズル
3 ノズル洗浄用ノズル
4 制御部
5 分岐水栓
6 ストレーナ
7 逆止弁
8 定流量弁
9 止水電磁弁
10 流量センサ
11 熱交換器
12a、2b 温度センサ
13 ポンプ
14 切替弁
20 ピストン部
21 シリンダ部
21a 開口部
21b ストッパ面
22 シールパッキン
23 スプリング
24 洗浄水入口
25 噴出孔
26 ストッパ部
27 流路
28 温度変動緩衝部
30 ノズル部
100 衛生洗浄装置
200 本体部
300 遠隔操作装置
400 便座部
500 蓋部
600 便器
700 タンク

Claims (8)

  1. 給水源から供給される洗浄水を人体に噴出する衛生洗浄装置であって、洗浄水を人体に噴出する人体洗浄用ノズル装置と、洗浄水を前記人体洗浄用ノズル装置に噴出するノズル洗浄用ノズル装置と前記給水源から供給される洗浄水を加圧する加圧手段と、前記加圧手段により加圧された洗浄水を前記人体洗浄用ノズル装置または前記ノズル洗浄用ノズル装置に選択的に供給するように流路の切り替えを行う洗浄水供給手段と、ノズル洗浄時に、前記加圧手段により洗浄水を加圧して前記洗浄水供給手段を介して前記ノズル洗浄用ノズル装置に供給するノズル洗浄動作を行い、人体洗浄時に、前記加圧手段により洗浄水を加圧して前記洗浄水供給手段を介して前記人体洗浄用ノズル装置に供給する人体洗浄動作を行う制御手段とを備え、前記加圧手段は、前記流路の切替時において、前記洗浄動作時および前記ノズル洗浄動作時よりも前記洗浄水供給手段への洗浄水の供給を低い圧力としたことを特徴とする衛生洗浄装置。
  2. 前記人体洗浄の開始を指示する指示手段をさらに備え、前記制御手段は、前記指示手段の指示に応答して、前記ノズル洗浄動作を行った後、前記人体洗浄動作に移行させることを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
  3. 前記人体洗浄の開始を指示する指示手段をさらに備え、前記制御手段は、前記指示手段の指示に応答して、前記人体洗浄動作を行った後、前記ノズル洗浄動作に移行させることを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
  4. 前記洗浄水供給手段は、前記ノズル洗浄用ノズル装置に連通する第1の流路と、前記人体洗浄用ノズル装置に連通する第2の流路と、前記加圧手段から供給される洗浄水を前記第1の流路および前記第2の流路のいずれかに選択的に供給するように流路の切り替えを行う切替手段とを含み、前記切替手段は、流路の切替時において、前記第1の流路および前記第2の流路の両方に洗浄水が流れる状態を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  5. 前記切替手段は、前記第1の流路に連通する第1の洗浄水出口および前記第2の流路に連通する第2の洗浄水出口を有する第1の部材と、前記第1の部材に相対的に回動可能に設けられ、前記加圧手段からの洗浄水を受け入れる洗浄水入り口ならびに前記第1および第2の洗浄水出口のいずれかに対向可能な孔部を有する第2の部材とを含み、前記第2の部材の回動可能な範囲内で前記第2の部材の洗浄水入り口と前記第1の部材の第1および第2の洗浄水出口のいずれかとが連通することを特徴とする請求項4記載の衛生洗浄装置。
  6. 前記給水源から供給される洗浄水を加熱して前記加圧手段に供給する加熱手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  7. 前記加熱手段は、前記給水源から供給される洗浄水を流動させつつ加熱する瞬間式加熱装置であることを特徴とする請求項記載の衛生洗浄装置。
  8. 前記加圧手段は、周期的に変動する圧力で洗浄水を加圧する往復動ポンプであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
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