JP2003213765A - 衛生洗浄装置 - Google Patents

衛生洗浄装置

Info

Publication number
JP2003213765A
JP2003213765A JP2002016175A JP2002016175A JP2003213765A JP 2003213765 A JP2003213765 A JP 2003213765A JP 2002016175 A JP2002016175 A JP 2002016175A JP 2002016175 A JP2002016175 A JP 2002016175A JP 2003213765 A JP2003213765 A JP 2003213765A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
temperature
sanitary washing
cylinder
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002016175A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Ono
英樹 大野
Tomohide Matsumoto
朋秀 松本
Shigeru Shirai
白井  滋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2002016175A priority Critical patent/JP2003213765A/ja
Publication of JP2003213765A publication Critical patent/JP2003213765A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bidet-Like Cleaning Device And Other Flush Toilet Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 省スペース化および低消費電力化を図ること
ができるとともに、瞬間的な温度変動を抑制することが
でき、かつ洗浄水の温度を洗浄水の使用量にかかわらず
一定に保つことができる衛生洗浄装置を提供することで
ある。 【解決手段】 洗浄水が熱交換器により流動されつつ加
熱され、おしりノズル1により供給される。おしりノズ
ル1のピストン部20の先端近傍に噴出孔25が形成さ
れ、後端面から噴出孔25に連通する流路27が設けら
れる。シリンダ部21の後端面には洗浄水入口24が設
けられシリンダ部21の内部空間が温度変動緩衝部28
となる。洗浄水入口24はシリンダ部21の中心軸とは
異なる位置に偏心して設けられる。スプリング23はピ
ストン部20をシリンダ部21の後端側に付勢する。洗
浄水入口24から供給された洗浄水の圧力によりピスト
ン部21が前進するとともにピストン部21の噴出孔2
5から洗浄水が噴出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は瞬間式加熱装置を備
えた衛生洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人体の局部を洗浄する衛生洗浄装置にお
いては、人体に不快感を与えないようにするため洗浄に
用いる洗浄水を適切な温度に調整する加熱装置が備えら
れている。このような加熱装置には、主に貯湯式加熱装
置または瞬間式加熱装置がある。
【0003】貯湯式加熱装置は、予め所定量の洗浄水を
貯えるとともに内蔵した加熱ヒータにより洗浄水を所定
の温度に加熱する温水タンクを備え、人体の局部を洗浄
する際に、予め温水タンク内で所定の温度に加熱した洗
浄水を水道圧を利用するかもしくはポンプ等により圧送
してノズルより噴出させる方法を採用している。
【0004】この貯湯式加熱装置においては、人体の局
部を洗浄する際まで、予め温水タンク内の洗浄水を所定
の温度に維持し続けなければならない。そのため、加熱
ヒータに常時電力を供給する必要があることから消費電
力が大きくなる。また、複数の人が連続して局部を洗浄
し、予め温水タンク内で所定の温度に加熱した洗浄水の
量以上を使用した際、温水タンク内の洗浄水の温度が所
定の温度以下に低下して人体に不快感を与えてしまう。
【0005】一方、瞬間式加熱装置は、人体の局部を洗
浄する際に、洗浄水を昇温速度に優れたセラミックヒー
タ等の加熱ヒータにより所定の温度に加熱し、水道圧を
利用するかもしくはポンプ等により圧送してノズルより
噴出させる方法を採用している。
【0006】そのため、瞬間式加熱装置においては、予
め洗浄水を所定の温度に維持し続ける必要がなく、使用
時のみ加熱ヒータに電力を供給すればよいので消費電力
を抑制することができる。また、長時間の洗浄や、トイ
レの連続使用等により多量の洗浄水を人体の局部の洗浄
に用いた際でも、洗浄水の温度が所定の温度以下に低下
して人体に不快感を与えることを防止することができ
る。
【0007】しかし、瞬間式加熱装置を用いた衛生洗浄
装置では、瞬間式加熱装置の温度異常の発生時または使
用開始時の温度上昇時に瞬間的に高温に加熱された洗浄
水が噴出され、人体に不快感を与えることがあった。
【0008】そこで、特開2000−1896号公報に
は、瞬間式加熱装置の問題点を解決するために、瞬間式
加熱装置にバッファタンクをさらに設けた温水洗浄装置
が開示されている。
【0009】この温水洗浄装置によれば、瞬間式加熱装
置により加熱された洗浄水を一時的にバッファタンクを
通してノズルから噴出することにより、瞬間的な洗浄水
の温度変動を抑制することができる。その結果、常に所
定の温度の洗浄水を噴出でき、人体に不快感を与えるこ
とが防止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常、
衛生洗浄装置は、トイレ内に既に設置されている便器に
追加して装着され、トイレ内のスペースに制限があるた
め、省スペース化が求められている。
【0011】上記の貯湯式加熱装置を用いた衛生洗浄装
置では、洗浄水を貯えるため通常1〜2L程度の温水タ
ンクが必要となるため、省スペース化が困難である。ま
た、特開2000−1896号公報に開示された温水洗
浄装置では、バッファタンクが必要となるため、省スペ
ース化が困難となる。
【0012】本発明の目的は、省スペース化および低消
費電力化を図ることができるとともに、瞬間的な温度変
動を抑制することができ、かつ洗浄水の温度を洗浄水の
使用量にかかわらず一定に保つことができる衛生洗浄装
置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る衛生洗
浄装置は、給水源から供給される洗浄水を加熱して人体
に噴出する衛生洗浄装置であって、給水源から供給され
た洗浄水を流動させつつ加熱する加熱装置と、加熱装置
により加熱された洗浄水を噴出するノズル装置とを備
え、ノズル装置は、加熱装置から供給される洗浄水の温
度変動を緩衝する温度変動緩衝部と、温度変動緩衝部を
通過した洗浄水を噴出する噴出孔を有する噴出部とを備
えたものである。
【0014】本発明に係る衛生洗浄装置においては、給
水源から供給された洗浄水が加熱装置により流動されつ
つ瞬間的に加熱され、加熱された洗浄水がノズル装置の
温度変動緩衝部に与えられる。洗浄水が温度変動緩衝部
を通過することにより洗浄水の温度変動が緩衝された
後、噴出部の噴出孔から噴出される。それにより、バッ
ファタンクを別途設けることなく、噴出される洗浄水の
瞬間的な温度変動が抑制される。したがって、省スペー
ス化を図りつつ均一な温度の洗浄水を噴出することがで
きる。
【0015】また、衛生洗浄装置の使用時にのみ給水源
から供給された洗浄水を流動させつつ加熱すればよいた
め、消費電力が抑制されるとともに、衛生洗浄装置の使
用時間にかかわらず洗浄水の温度を一定に保つことがで
きる。
【0016】さらに、洗浄水を貯留した状態で長時間保
温する必要がないので、常に新鮮な洗浄水を噴出するこ
とができる。したがって、衛生上好ましい。
【0017】第2の発明に係る衛生洗浄装置は、第1の
発明に係る衛生洗浄装置の構成において、温度変動緩衝
部は、加熱装置により加熱された洗浄水を収容する収容
部であり、噴出部は、収容部に移動可能に挿入されると
ともに、加熱装置からの洗浄水の供給時に加熱装置から
供給される洗浄水の圧力により収容部内に所定の容積の
空間が確保されるように収容部から突出可能に設けられ
たものである。
【0018】この場合、加熱装置からの洗浄水の供給時
に、加熱装置から供給される洗浄水の圧力により噴出部
が収容部から突出し、所定の容積の空間が確保される。
加熱装置により加熱された洗浄水が収容部に収容される
ことにより、洗浄水の温度変動が緩衝される。
【0019】このように、衛生洗浄装置の使用時にのみ
加熱装置から供給される洗浄水の圧力により収容部から
ノズル装置の噴出部が突出するため、ノズル装置の小型
化が可能となる。
【0020】また、衛生洗浄装置の使用時にのみ加熱装
置から供給される洗浄水の圧力により収容部に所定の容
積の空間が確保されるため、常時所定の容積を有するバ
ッファタンクを別途設ける必要がない。
【0021】したがって、衛生洗浄装置全体を小型化す
ることができ、省スペース化を図ることができる。
【0022】第3の発明に係る衛生洗浄装置は、第2の
発明に係る衛生洗浄装置の構成において、ノズル装置の
収容部はシリンダ部からなり、ノズル装置の噴出部はシ
リンダ部内に移動可能に挿入されたピストン部からな
り、シリンダ部は、加熱装置から供給される洗浄水を受
け入れる給水口を有し、ピストン部は、洗浄水を噴出す
る噴出孔と、シリンダ部内の洗浄水を噴出孔に導く流路
とを有し、加熱装置から給水口を通して供給される洗浄
水の圧力によりピストン部がシリンダ部から突出するこ
とによりシリンダ部内に洗浄水を収容する空間が確保さ
れるとともに、シリンダ部内の洗浄水がピストン部の流
路を通って噴出孔から噴出されるものである。
【0023】この場合、衛生洗浄装置の未使用時には、
ピストン部がシリンダ部内に収納される。また、衛生洗
浄装置の使用時には、洗浄水がシリンダ部の給水口より
供給されるとともに、シリンダ部よりピストン部が突出
する。そして、シリンダ部に供給された洗浄水が、ピス
トン部の流路を通して噴出孔より噴出される。このよう
に、未使用時に、ピストン部がシリンダ部内に収容され
るので、ノズル装置を小型化することができる。
【0024】第4の発明に係る衛生洗浄装置は、第3の
発明に係る衛生洗浄装置の構成において、ノズル装置
は、加熱装置からの洗浄水の未供給時にピストン部をシ
リンダ部内に収納するように付勢する付勢手段を含むも
のである。
【0025】この場合、加熱装置からノズル装置に洗浄
水が供給されないときには、付勢手段によりピストン部
がシリンダ部内に収容される。したがって、衛生洗浄装
置を使用しないときに、ノズル装置が自動的に小型化さ
れる。
【0026】第5の発明に係る衛生洗浄装置は、第3ま
たは第4の発明に係る衛生洗浄装置の構成において、ピ
ストン部の外周面とシリンダ部の内周面との間に所定の
隙間が設けられたものである。
【0027】この場合、洗浄開始時に、シリンダ部に供
給された洗浄水の一部をピストン部の外周面とシリンダ
部の内周面との間の隙間を通してノズル装置の外部に排
出することができる。それにより、洗浄開始直後に所定
の温度に達する前の洗浄水を廃棄することができ、所定
の温度になった洗浄水を噴出孔から噴出することができ
る。
【0028】第6の発明に係る衛生洗浄装置は、第3〜
第5のいずれかの発明に係る衛生洗浄装置の構成におい
て、ピストン部は、加熱装置からの洗浄水の供給時に、
シリンダ部に水密に接触するものである。
【0029】この場合、衛生洗浄装置を使用する際に
は、シリンダ部の給水口より洗浄水が供給されるととも
に、シリンダ部よりピストン部が突出する。そして、シ
リンダ部とピストン部とが水密に接触する。それによ
り、シリンダ部内の圧力が上昇して、ピストン部の噴出
孔より効率よく洗浄水を噴出することができる。
【0030】第7の発明に係る衛生洗浄装置は、第6の
発明に係る衛生洗浄装置の構成において、加熱装置から
の洗浄水の供給時に、ピストン部をシリンダ部に水密に
接触させる弾性体をさらに備えたものである。この場
合、ピストン部がシリンダ部に確実に水密に接触するこ
とができる。
【0031】第8の発明に係る衛生洗浄装置は、第3〜
第7のいずれかの発明に係る衛生洗浄装置の構成におい
て、ピストン部はフランジ状の当接部を有し、シリンダ
部は、当接部が当接する環状の移動停止部を有し、ピス
トン部は、シリンダ部に隙間をもって挿入され、加熱装
置からの洗浄水の供給時に、ピストン部の当接部がシリ
ンダ部の移動停止部に水密に当接するものである。
【0032】この場合、洗浄開始時に、シリンダ部に供
給された洗浄水の一部がピストン部とシリンダ部との間
の隙間を通してノズル装置の外部に排出される。それに
より、洗浄開始直後に所定の温度に達する前の洗浄水を
廃棄することができ、所定の温度になった洗浄水を噴出
孔から噴出することができる。
【0033】また、加熱装置から供給される洗浄水の圧
力によりピストン部の当接部がシリンダ部の移動停止部
に水密に接触すると、ピストン部がシリンダ部から抜け
出ることが防止されるとともに、シリンダ部内の圧力が
上昇して、ピストン部の噴出孔より効率よく洗浄水が噴
出される。
【0034】第9の発明に係る衛生洗浄装置は、第3〜
第8のいずれかの発明に係る衛生洗浄装置の構成におい
て、シリンダ部は端面を有する筒状体からなり、給水口
は、シリンダ部の端面においてシリンダ部の中心軸と異
なる位置に設けられたものである。
【0035】この場合、シリンダ部の給水口が、シリン
ダ部の中心軸と異なる位置に設けられるため、ノズル装
置に供給された洗浄水が、温度変動緩衝部内において渦
巻き状に還流する。したがって、洗浄水の温度変動の緩
衝効果が促進される。
【0036】第10の発明に係る衛生洗浄装置は、第1
〜第9のいずれかの発明に係る衛生洗浄装置の構成にお
いて、加熱装置により加熱された洗浄水をノズル装置に
供給する供給手段と、加熱装置により加熱された洗浄水
の温度を検知する温度検知手段と、温度検知手段により
検知された温度に基いて供給手段を制御する制御手段と
をさらに備えたものである。
【0037】この場合、加熱装置により加熱された洗浄
水の温度が温度検知手段により検知され、その検知され
た温度に基いて制御手段により供給手段が制御される。
したがって、所定の温度に制御された洗浄水を安定して
ノズル装置に供給することができる。
【0038】第11の発明に係る衛生洗浄装置は、第1
0の発明に係る衛生洗浄装置の構成において、制御手段
は、温度検知手段により検知された温度が所定値以上の
場合に供給手段によるノズル装置への洗浄水の供給を停
止させるものである。
【0039】この場合、制御手段は、温度検知手段によ
り検知された温度が所定値以上の場合、供給手段による
ノズル装置への供給を停止させるため、温度異常が発生
した場合に、ノズル装置から高温の洗浄水が噴出するこ
とを防止できる。また、温度異常発生から温度検知手段
による温度の検知、および制御手段の制御による供給手
段の供給停止までに応答遅れがある場合でも、温度変動
緩衝部により洗浄水の温度変動が抑制されるので瞬間的
に高温の洗浄水が噴出することが防止される。
【0040】第12の発明に係る衛生洗浄装置は、第1
1の発明に係る衛生洗浄装置の構成において、制御手段
は、温度検知手段により検知された温度に基いて加熱装
置を制御し、温度変動緩衝部は、加熱装置により加熱さ
れた洗浄水の温度が所定値以上に上昇してから、温度検
知手段が所定値以上の温度を検知し、制御手段の制御に
より供給手段が洗浄水の供給を停止するまでに要する時
間と、加熱装置からノズル装置に供給される洗浄水の最
大流量との積以上の容積を有するものである。
【0041】この場合、温度変動緩衝部が、加熱装置に
より加熱された洗浄水の温度が所定値以上に上昇してか
ら、温度検知手段が所定値以上の温度を検知し、制御手
段の制御により供給手段が洗浄水の供給を停止するまで
に要する時間と、加熱装置からノズル装置に供給される
洗浄水の最大流量との積以上の容積を有するため、洗浄
水の突発的な温度上昇があっても確実に高温水の噴出を
防止することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
衛生洗浄装置について説明する。
【0043】図1は本発明の一実施の形態に係る衛生洗
浄装置を便器に装着した状態を示す斜視図である。
【0044】図1に示すように、便器600上に衛生洗
浄装置100が装着される。タンク700は、水道配管
に接続されており、便器600内に洗浄水を供給する。
【0045】衛生洗浄装置100は、本体部200、遠
隔操作装置300、便座部400および蓋部500によ
り構成される。
【0046】本体部200には、便座部400および蓋
部500が開閉自在に取り付けられる。さらに、本体部
200には、ノズル部30を含む洗浄水供給機構が設け
られるとともに、制御部が内蔵されている。本体部20
0の制御部は、後述するように遠隔操作装置300によ
り送信される信号に基いて、洗浄水供給機構を制御す
る。さらに、本体部200の制御部は、便座部400に
内蔵されたヒータ、本体部200に設けられた脱臭装置
(図示せず)および温風供給装置(図示せず)等の制御
も行う。
【0047】図2は図1の遠隔操作装置300の一例を
示す模式図である。図2に示すように、遠隔操作装置3
00は、複数のLED(発光ダイオード)301、複数
の調整スイッチ302、おしりスイッチ303、刺激ス
イッチ304、停止スイッチ305、ビデスイッチ30
6、乾燥スイッチ307および脱臭スイッチ308を備
える。
【0048】使用者により調整スイッチ302、おしり
スイッチ303、刺激スイッチ304、停止スイッチ3
05、ビデスイッチ306、乾燥スイッチ307および
脱臭スイッチ308が押下操作される。それにより、遠
隔操作装置300は、後述する衛生洗浄装置100の本
体部200に設けられた制御部に所定の信号を無線送信
する。本体部200の制御部は、遠隔操作装置300よ
り無線送信される所定の信号を受信し、洗浄水供給機構
等を制御する。
【0049】例えば、使用者が、おしりスイッチ303
またはビデスイッチ306を押下操作することにより図
1の本体部200のノズル部30が移動して洗浄水が噴
出する。刺激スイッチ304を押下操作することにより
図1の本体部200のノズル部30から人体の局部に刺
激を与える洗浄水が噴出される。停止スイッチ305を
押下操作することによりノズル部30からの洗浄水の噴
出が停止する。
【0050】また、乾燥スイッチ307を押下操作する
ことにより人体の局部に対して衛生洗浄装置100の温
風供給装置(図示せず)より温風が噴出される。脱臭ス
イッチ308を押下操作することにより衛生洗浄装置1
00の脱臭装置(図示せず)により周辺の脱臭が行われ
る。
【0051】使用者が、調整スイッチ302を押下操作
することにより、図1の衛生洗浄装置100の本体部2
00のノズル部30の位置が変化したり、ノズル部30
より噴出される洗浄水の温度が変化したり、ノズル部3
0より噴出される洗浄水の圧力が変化する。また、調整
スイッチ302の押下に伴って複数のLED(発光ダイ
オード)301が点灯する。
【0052】以下、本発明の一実施の形態に係る衛生洗
浄装置100の本体部200について説明を行う。図3
は本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置100の本
体部200の構成を示す模式図である。
【0053】図3に示す本体部200は、制御部4、分
岐水栓5、ストレーナ6、逆止弁7、定流量弁8、止水
電磁弁9、流量センサ10、熱交換器11、温度センサ
12a,12b、ポンプ13、切替弁14およびノズル
部30を含む。また、ノズル部30は、おしりノズル
1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3を含む。
【0054】図3に示すように、水道配管201に分岐
水栓5が介挿される。また、分岐水栓5と熱交換器11
との間に接続される配管202に、ストレーナ6、逆止
弁7、定流量弁8、止水電磁弁9、流量センサ10およ
び温度センサ12aが順に介挿されている。さらに、熱
交換器11と切替弁14との間に接続される配管203
に、温度センサ12bおよびポンプ13が介挿されてい
る。
【0055】まず、水道配管201を流れる浄水が、洗
浄水として分岐水栓5によりストレーナ6に供給され
る。ストレーナ6により洗浄水に含まれるごみや不純物
等が除去される。次に、逆止弁7により配管202内に
おける洗浄水の逆流が防止される。そして、定流量弁8
により配管202内を流れる洗浄水の流量が一定に維持
される。
【0056】また、ポンプ13と切替弁14との間には
リリーフ管204が接続され、止水電磁弁9と流量セン
サ10との間には、逃がし水配管205が接続されてい
る。リリーフ配管204には、リリーフ弁206が介挿
されている。リリーフ弁206は、配管203の特にポ
ンプ13の下流側の圧力が所定値を超えると開成し、異
常時の機器の破損、ホースの外れ等の不具合を防止す
る。一方、定流量弁8によって流量が調節され供給され
る洗浄水のうちポンプ13で吸引されない洗浄水を逃が
し水配管205から放出する。これにより、水道供給圧
に左右されることなくポンプ13には所定の背圧が作用
することになる。
【0057】次いで、流量センサ10は、配管202内
を流れる洗浄水の流量を測定し、制御部4に測定流量値
を与える。また、温度センサ12aは、配管202内を
流れる洗浄水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を
与える。
【0058】続いて、熱交換器11は、制御部4により
与えられる制御信号に基いて、配管202を通して供給
された洗浄水を所定の温度に加熱する。温度センサ12
bは、熱交換器11により所定の温度に加熱された洗浄
水の温度を測定し、制御部4に温度測定値を与える。
【0059】ポンプ13は、熱交換器11により加熱さ
れた洗浄水を制御部4により与えられる制御信号に基い
て、切替弁14に圧送する。切替弁14は、制御部4に
より与えられる制御信号に基いて、ノズル部30のおし
りノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3
のいずれか1つに洗浄水を供給する。それにより、おし
りノズル1、ビデノズル2およびノズル洗浄用ノズル3
のいずれか1つより洗浄水が噴出される。
【0060】制御部4は、図1の遠隔操作装置300か
ら無線送信される信号、流量センサ10から与えられる
測定流量値および温度センサ12a,12bから与えら
れる温度測定値に基き止水電磁弁9、熱交換器11、ポ
ンプ13および切替弁14に対して制御信号を与える。
【0061】図4は熱交換器11の構造の一例を示す一
部切り欠き断面図である。図4に示すように、樹脂ケー
ス504内に曲折された蛇行配管510が埋設されてい
る。蛇行配管510に接触するように平板状のセラミッ
クヒータ505が設けられている。矢印Yで示すよう
に、洗浄水が、給水口511から蛇行配管510内に供
給され、蛇行配管510中を流れる間に、セラミックヒ
ータ505により効率よく加熱され、排出口512から
排出される。
【0062】図3の制御部4は、温度センサ12bより
与えられる温度測定値に基いて、熱交換器11のセラミ
ックヒータ505の温度をフィードバック制御する。な
お、制御部4が温度センサ12bから温度測定値を受け
てから実際にセラミックヒータ505の温度が所定の設
定温度に調整されるまでに応答遅れが生じる。
【0063】本実施の形態においては、制御部4がフィ
ードバック制御により熱交換器11のセラミックヒータ
505の温度を制御することとしたが、これに限定され
ず、フィードフォワード制御によりセラミックヒータ5
05の温度を制御してもよく、あるいは、温度上昇時に
は、フィードフォワード制御によりセラミックヒータ5
05を制御し、定常時には、フィードバック制御により
セラミックヒータ505を制御する複合的な制御を行っ
てもよい。
【0064】図5はポンプ13の構造の一例を示す断面
図である。図5のポンプは複動型レシプロポンプであ
る。
【0065】図5において、本体部138内には、円柱
状空間139が形成されている。円柱状空間139内に
は圧送ピストン136が設けられている。圧送ピストン
136の外周部には、X字パッキン136aが装着され
ている。圧送ピストン136により円柱状空間139が
ポンプ室139aとポンプ室139bとに分割される。
【0066】本体部138の一側部には洗浄水入口PI
が設けられ、他側部には洗浄水出口POが設けられてい
る。洗浄水入口PIには図3の配管203を介して熱交
換器11が接続され、洗浄水出口POには配管203を
介して切替弁14が接続される。
【0067】洗浄水入口PIは、内部流路P1、小室S
1および小室S3を介してポンプ室139aに連通する
とともに、内部流路P2、小室S2および小室S4を介
してポンプ室139bに連通している。
【0068】ポンプ室139aは、小室S5、小室S7
および内部流路P3を介して洗浄水出口POに連通して
いる。ポンプ室139bは、小室S6、小室S8および
内部流路P4を介して洗浄水出口POに連通している。
【0069】小室S3、小室S4、小室S7および小室
S8には、それぞれアンブレラパッキン137が設けら
れている。
【0070】モータ130の回転軸にギア131が取り
付けられ、ギア131にギア132が噛合っている。ま
た、ギア132には、クランクシャフト133の一端が
一点支持で回動可能に取り付けられ、クランクシャフト
133の他端には、ピストン保持部134およびピスト
ン保持棒135を介して圧送ピストン136が取り付け
られている。
【0071】図3の制御部4により与えられる制御信号
に基いて、モータ130の回転軸が回転すると、モータ
130の回転軸に取り付けられたギア131が矢印R1
の方向に回転し、ギア132が矢印R2の方向に回転す
る。これにより、圧送ピストン136が図中の矢印Zの
方向に上下運動する。
【0072】図6はアンブレラパッキン137の動作を
説明するための模式図である。例えば、図5の圧送ピス
トン136が、下方向に移動し、ポンプ室139aの容
積を増加させた場合、小室S1の圧力よりもポンプ室1
39a内の圧力が低くなるため、小室S3に設けられた
アンブレラパッキン137は、図6(b)に示すように
変形する。その結果、洗浄水入口PIから供給された洗
浄水が、内部流路P1、小室S1および小室S3を介し
てポンプ室139aに流入する。この場合、小室S7の
圧力よりもポンプ室139a内の圧力が低くなるため、
小室S7に設けられたアンブレラパッキン137は、図
6(a)に示す状態のまま変形しない。そのため、洗浄
水がポンプ室139a内へ流入したり、逆に洗浄水出口
POより吐出されることもない。
【0073】一方、図5の圧送ピストン136が、上方
向に移動し、ポンプ室139aの容積を減少させた場
合、小室S1の圧力よりもポンプ室139a内の圧力が
高くなるため、小室S3に設けられたアンブレラパッキ
ン137は、図6(a)に示す状態のまま変形しない。
その結果、小室S1内の洗浄水が、ポンプ室139aに
流入しない。この場合、小室S7に設けられたアンブレ
ラパッキン137は、図6(b)に示すように変形す
る。そのため、ポンプ室139a内の洗浄水が、小室S
5、小室S7および内部流路P3を介して洗浄水出口P
Oから吐出される。
【0074】なお、小室S4内に設けられたアンブレラ
パッキン137は、圧送ピストン136が上方向に移動
した場合に、図6(b)に示すように変形し、圧送ピス
トン136が下方向に移動した場合に、図6(a)に示
す状態のまま変形しない。一方、小室S8に設けられた
アンブレラパッキン137は、圧送ピストン136が上
方向に移動した場合に、図6(a)に示す状態のまま変
形せず、圧送ピストン136が下方向に移動した場合
に、図6(b)に示すように変形する。それにより、ポ
ンプ室139a内の洗浄水が洗浄水出口POから吐出さ
れるときに、ポンプ室139b内に洗浄水入口PIから
の洗浄水が流入し、ポンプ室139a内に洗浄水入口P
Iからの洗浄水が流入するときに、ポンプ室139b内
の洗浄水が洗浄水出口POから吐出される。
【0075】図7は図5のポンプ13の各部の圧力変化
を示す図である。図7の縦軸は圧力を示し、横軸は時間
を示す。
【0076】図7に示すように、ポンプ13の洗浄水入
口PIに圧力Piの洗浄水が供給される。この場合、図
6の圧送ピストン136が上下方向に運動することによ
り、ポンプ室139a内の洗浄水の圧力Paは、点線の
ように変化する。一方、ポンプ室139b内の洗浄水の
圧力Pbは、破線のように変化する。ポンプ13の洗浄
水出口POより吐出される洗浄水の圧力Poutは、太
い実線で示すように、圧力Pcを中心として上下に周期
的に変化する。
【0077】このように、ポンプ13においては、圧送
ピストン136が上下運動を行うことにより、ポンプ室
139aまたはポンプ室139b内の洗浄水に対して交
互に圧力が加えられ、洗浄水入口PIの洗浄水が昇圧さ
れて洗浄水出口POから吐出される。
【0078】図8(a)は切替弁14の縦断面図であ
り、図8(b)は図8(a)の切替弁14のA−A線断
面図であり、図8(c)は図8(a)の切替弁14のB
−B線断面図である。
【0079】図8に示す切替弁14は、モータ141、
内筒142および外筒143により構成される。
【0080】外筒143内に内筒142が挿入され、モ
ータ141の回転軸が内筒142に取り付けられてい
る。モータ141は、制御部4により与えられる制御信
号に基いて回転動作を行う。モータ141が回転するこ
とにより内筒142が回転する。
【0081】図8(a),(b),(c)に示すよう
に、外筒143の一端には、洗浄水入口143aが設け
られ、側部の対向する位置に洗浄水出口143b,14
3cが設けられ、側部の洗浄水出口143b,143c
と異なる位置に洗浄水出口143dが設けられている。
内筒142の互いに異なる位置に孔142e,142f
が設けられている。孔142eの周辺には、図8(b)
に示すように、面取り部が形成されている。内筒142
の回転により、孔142eが外筒143の洗浄水出口1
43bまたは143cと対向可能になっており、孔14
2fが外筒143の洗浄水出口143dと対向可能にな
っている。
【0082】洗浄水入口143aには、図3の配管20
3が接続され、洗浄水出口143bには、おしりノズル
1が接続され、洗浄水出口143cには、ビデノズル2
が接続され、洗浄水出口143dには、ノズル洗浄用ノ
ズル3が接続されている。
【0083】図9は図8の切替弁14の動作を示す断面
図である。図9(a)に示すように、モータ141が回
転せず、内筒142の孔142eが外筒143の洗浄水
出口143dと同じ側にある場合、内筒142の孔14
2eが外筒143の洗浄水出口143b,143cのい
ずれにも対向せず、かつ内筒142の孔142fが外筒
143の洗浄水出口143dに対向しない。したがっ
て、洗浄水が洗浄水出口143b,143c,143d
のいずれからも流出しない。
【0084】次に、図9(b)に示すように、モータ1
41が内筒142を45度回転させた場合には、内筒1
42の孔142eの周囲の面取り部の一部が外筒143
の洗浄水出口143bに対向する。したがって、少量の
洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内部を通
過して、矢印W1で示すように洗浄水出口143bから
流出する。
【0085】また、図9(c)に示すように、モータ1
41が内筒142を90度回転させた場合には、内筒1
42の孔142eが外筒143の洗浄水出口143bに
対向する。したがって、多量の洗浄水が洗浄水入口14
3aより内筒142の内部を通過して、矢印W2で示す
ように洗浄水出口143bから流出する。
【0086】さらに、モータ141が内筒142を27
0度回転させた場合には、内筒142の孔142eが外
筒143の洗浄水出口143cに対向する。したがっ
て、多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142
の内部を通過して洗浄水出口143cから流出する。
【0087】また、モータ141が内筒142を180
度回転させた場合には、内筒142の孔142fが外筒
143の洗浄水出口143dに対向する。したがって、
多量の洗浄水が洗浄水入口143aより内筒142の内
部を通過して洗浄水出口143dから流出する。
【0088】以上のように、制御部4からの制御信号に
基いてモータ141が回転することにより内筒142の
孔142e,142fのいずれかが外筒143の洗浄水
出口143b〜143dのいずれかに対向した場合には
洗浄水が流出し、内筒142の孔142e,142fの
いずれもが外筒143の洗浄水出口143b〜143d
のいずれにも対向しない場合には洗浄水が流出しない。
【0089】次に、図3のノズル部30のおしりノズル
1について説明する。図10は図3のノズル部30のお
しりノズル1の断面図である。なお、図3のノズル部3
0のビデノズル2の構成および動作は図10のおしりノ
ズル1と同様である。
【0090】図10に示すように、おしりノズル1は、
円筒状のピストン部20、円筒状のシリンダ部21、シ
ールパッキン22およびスプリング23により構成され
る。
【0091】ピストン部20の先端近傍には、洗浄水を
噴出するための噴出孔25が形成されている。ピストン
部20の後端には、フランジ形状のストッパ部26が設
けられている。また、ストッパ部26には、シールパッ
キン22が装着されている。ピストン部20の内部に
は、後端面から噴出孔25に連通する流路27が形成さ
れている。
【0092】一方、シリンダ部21は、先端側の径小部
分と後端側の径大部分とからなる。それにより、径小部
分と径大部分との間に、ストッパ部26がシールパッキ
ン22を介して当接可能なストッパ面21bが形成され
ている。シリンダ部21の後端面には、洗浄水入口24
が設けられ、シリンダ部21の先端面には、開口部21
aが設けられている。シリンダ部21の内部空間が温度
変動緩衝部28となる。洗浄水入口24は、シリンダ部
21の中心軸とは異なる位置に偏心して設けられてい
る。洗浄水入口24は、図3の切替弁14の洗浄水出口
143bに接続されている。
【0093】ピストン部20は、ストッパ部26が温度
変動緩衝部28内に位置し、先端部が開口部21aから
突出するように、シリンダ部21内に移動可能に挿入さ
れている。
【0094】さらに、スプリング23は、ピストン部2
0のストッパ部26とシリンダ部21の開口部21aの
周縁との間に配設されており、ピストン部20をシリン
ダ部21の後端側に付勢する。
【0095】ピストン部20の長さL11は例えば12
0mmであり、外径L12は例えば12mmである。噴
出孔25の直径は例えば1mmであり、流路27の内径
L14は例えば3.5mmであり、ストッパ部26の外
径L15は例えば20.8mmであり、ストッパ部26
の厚みL16は例えば3.9mmであり、ストッパ部2
6上のパッキン装着部の厚みL17は例えば3.5mm
である。
【0096】また、シリンダ部21の長さL21は例え
ば112mmであり、先端側の径小部分の長さL22は
例えば22mmであり、外径L24は例えば24mmで
あり、温度変動緩衝部28の内径L25は例えば21m
mであり、洗浄水入口24の内径L26は例えば2.5
〜3mmである。このように、おしりノズル1は小型化
されている。
【0097】ピストン部20のストッパ部26の外周面
とシリンダ部21の内周面との間に微小隙間が形成さ
れ、ピストン部20の外周面とシリンダ部21の開口部
21aの内周面との間に微小隙間が形成されている。
【0098】なお、おしりノズル1の寸法は、上記の例
に限定されるものではなく、他の寸法を用いてもよい。
【0099】次いで、図10のおしりノズル1の動作に
ついて説明する。図11は図10のおしりノズル1の動
作を説明するための断面図である。
【0100】まず、図11(a)に示すように、シリン
ダ部21の洗浄水入口24より洗浄水が供給されない場
合、ピストン部20が、スプリング23の弾性力により
矢印Xの方向と逆方向に後退し、シリンダ部21内に収
容されている。その結果、ピストン部20は、シリンダ
部21の開口部21aより最も突出していない状態とな
る。このとき、シリンダ部21内には、温度変動緩衝部
28が形成されない。
【0101】次いで、図11(b)に示すように、シリ
ンダ部21の洗浄水入口24より洗浄水の供給が開始さ
れた場合、洗浄水の圧力によりピストン部20がスプリ
ング23の弾性力に抗して矢印Xの方向に徐々に前進す
る。それにより、シリンダ部21内に温度変動緩衝部2
8が形成されるとともに温度変動緩衝部28に洗浄水が
流入する。
【0102】洗浄水入口24がシリンダ部21の中心軸
に対して偏心した位置に設けられているので、温度変動
緩衝部28に流入した洗浄水は、矢印Vで示すように渦
巻状に還流する。温度変動緩衝部28の洗浄水の一部
は、ピストン部20のストッパ部26の外周面とシリン
ダ部21の内周面との間の微小隙間を通して、ピストン
部20の外周面とシリンダ部21の開口部21aの内周
面との間の微小隙間から流れ出るとともに、ピストン部
20の流路27を通して噴出孔25から噴出される。
【0103】ピストン部20がさらに前進すると、図1
1(c)に示すように、ストッパ部26がシールパッキ
ン22を介してシリンダ部21のストッパ面21bに水
密に接触する。それにより、ピストン部20のストッパ
部26の外周面とシリンダ部21の内周面との間の微小
隙間からピストン部20の外周面とシリンダ部21の開
口部21aの内周面との間の微小隙間に至る流路が遮断
される。したがって、温度変動緩衝部28の洗浄水が、
ピストン部20内の流路27を通して噴出孔25のみか
ら噴出される。
【0104】上記のように、図3の熱交換器11から供
給される洗浄水がシリンダ部21内の温度変動緩衝部2
8内に貯えられた後に、ピストン部20の流路27を通
して噴出孔25から噴出されるので、温度変動緩衝部2
8内で洗浄水の温度変動が緩衝される。それにより、噴
出孔25から噴出される洗浄水の温度変動が平滑化され
て急激な温度変動が抑制される。
【0105】特に、洗浄水入口24がシリンダ部21の
中心軸に対して偏心した位置に設けられているので、温
度変動緩衝部28内で洗浄水が渦巻き状に還流する。そ
れにより、洗浄水の温度変動が効果的に緩衝される。し
たがって、温度変動緩衝部28の容積が小さい場合で
も、洗浄水の温度変動の高い緩衝効果が得られる。
【0106】図12は洗浄開始時において熱交換器11
から排出される洗浄水およびおしりノズル1から噴出さ
れる洗浄水の温度変化を示す図であり、図13は熱交換
器11において瞬間的な温度変動が発生した場合に熱交
換器11から排出される洗浄水およびおしりノズル1か
ら噴出される洗浄水の温度変化を示す図である。
【0107】図12および図13においては、縦軸が洗
浄水の温度を示し、横軸が時間を示す。また、図12お
よび図13においては、破線が熱交換器11の排出口5
12から排出される洗浄水の温度T1を示し、実線がお
しりノズル1の噴出孔25より噴出される洗浄水の温度
T2を示す。
【0108】洗浄開始時に、図12に示すように、熱交
換器11の排出口512から排出された洗浄水の温度T
1は、設定温度Tqを超過して、大きくオーバーシュー
トを起こす。そして、一定時間Tc2経過後、ほぼ設定
温度Tqで安定する。一方、温度変動緩衝部28により
温度変動が緩衝されることにより、おしりノズル1の噴
出孔25より噴出される洗浄水の温度T2は、時間Tc
2よりも短い時間Tc1においてほぼ設定温度Tqで安
定する。
【0109】熱交換器11の温度が瞬間的に大きく変動
すると、図13に示すように、熱交換器11の排出口5
12から排出された洗浄水の温度T1が瞬間的に大きく
変動する。この場合、熱交換器11の排出口512から
排出される洗浄水の温度は、制御部4の制御による応答
遅れ時間T経過後、ほぼ設定温度Tqで安定する。
【0110】一方、温度変動緩衝部28により温度変動
が緩衝されることにより、おしりノズル1の噴出孔25
より噴出される洗浄水の温度T2は、ほとんど変化せ
ず、ほぼ設定温度Tqで安定している。
【0111】なお、熱交換器11により加熱された洗浄
水に突発的な温度上昇が生じても、おしりノズル1の噴
出孔25から高温水が噴出することを確実に防止するた
めには、シリンダ部21内の温度変動緩衝部28の容積
を、制御部4の応答遅れ時間Tと、単位時間当りに配管
203内を流れる洗浄水の最大流量Qmaxとの積以上
に設定することが好ましい。ここで、応答遅れ時間T
は、熱交換器11により加熱された洗浄水の温度が所定
値以上に上昇してから、温度センサ12bが熱交換器1
1から排出される洗浄水の温度を検出し、制御部4の制
御により止水電磁弁9が洗浄水の供給を停止するまでの
時間である。
【0112】以上のことにより、本実施の形態に係る衛
生洗浄装置100においては、おしりノズル1に温度変
動緩衝部28が設けられているので、バッファタンクを
設けることなく、熱交換器11の温度変動による洗浄水
の瞬間的な温度変動を抑制することができる。また、不
使用時には、おしりノズル1のピストン部20がシリン
ダ部21内に収納されるので、おしりノズル1自体が小
型化される。同様に、ビデノズル2自体も小型化され
る。したがって、衛生洗浄装置100全体を小型化する
ことができ、省スペース化を図ることができる。
【0113】また、衛生洗浄装置100の不使用時に
は、熱交換器11に電力を供給する必要がないので消費
電力が低減される。さらに、熱交換器11の蛇行配管5
10に洗浄水を流しつつ加熱するので、洗浄水の使用量
が多い場合でも洗浄水の温度の低下が生じない。
【0114】また、洗浄水を貯留した状態で長時間保温
する必要がないので、衛生洗浄装置100の使用時に、
常に新鮮な洗浄水を噴出することができる。したがっ
て、衛生上好ましい。
【0115】本実施の形態においては、おしりノズル1
およびビデノズル2がノズル装置に相当し、熱交換器1
1が加熱装置に相当し、温度変動緩衝部28が温度変動
緩衝部に相当し、洗浄水入口24が給水口に相当し、温
度センサ12a,12bが温度検出手段に相当し、ポン
プ13が供給手段に相当し、制御部4が制御手段に相当
し、ストッパ面21bが移動停止部に相当し、ストッパ
部25がフランジ状の当接部に相当し、シールパッキン
25が弾性体に相当し、スプリング23が付勢手段に相
当する。
【0116】なお、本実施の形態においては、ポンプ1
3として、複動型レシプロポンプを用いる場合について
説明したが、これに限定されず、回転型ポンプまたは他
の往復型ポンプを用いてもよい。
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、給水源から供給された
洗浄水が加熱装置により流動されつつ瞬間的に加熱さ
れ、加熱された洗浄水がノズル装置の温度変動緩衝部に
与えられる。洗浄水が温度変動緩衝部を通過することに
より洗浄水の温度変動が緩衝された後、噴出部の噴出孔
から噴出される。それにより、バッファタンクを別途設
けることなく、噴出される洗浄水の瞬間的な温度変動が
抑制される。したがって、省スペース化を図りつつ均一
な温度の洗浄水を噴出することができる。
【0118】また、衛生洗浄装置の使用時にのみ給水源
から供給された洗浄水を流動させつつ加熱すればよいた
め、消費電力が抑制されるとともに、衛生洗浄装置の使
用時間にかかわらず洗浄水の温度を一定に保つことがで
きる。
【0119】さらに、洗浄水を貯留した状態で長時間保
温する必要がないので、常に新鮮な洗浄水を噴出するこ
とができる。したがって、衛生上好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置を便
器に装着した状態を示す斜視図
【図2】図1の遠隔操作装置の一例を示す模式図
【図3】本発明の一実施の形態に係る衛生洗浄装置の本
体部の構成を示す模式図
【図4】熱交換器の構造の一例を示す一部切り欠き断面
【図5】ポンプの構造の一例を示す断面図
【図6】アンブレラパッキンの動作を説明するための模
式図
【図7】図5のポンプの各部の圧力変化を示す図
【図8】(a)切替弁の縦断面図、(b)切替弁のA−
A線断面図、(c)切替弁のB−B線断面図
【図9】図8の切替弁の動作を示す断面図
【図10】図3のノズル部のおしりノズルの断面図
【図11】図10のおしりノズルの動作を説明するため
の断面図
【図12】洗浄開始時において熱交換器から排出される
洗浄水およびおしりノズルから噴出される洗浄水の温度
変化を示す図
【図13】熱交換器において瞬間的な温度変動が発生し
た場合に熱交換器から排出される洗浄水およびおしりノ
ズルから噴出される洗浄水の温度変化を示す図
【符号の説明】
1 おしりノズル 2 ビデノズル 3 ノズル洗浄用ノズル 4 制御部 5 分岐水栓 6 ストレーナ 7 逆止弁 8 定流量弁 9 止水電磁弁 10 流量センサ 11 熱交換器 12a,12b 温度センサ 13 ポンプ 14 切替弁 20 ピストン部 21 シリンダ部 21a 開口部 21b ストッパ面 22 シールパッキン 23 スプリング 24 洗浄水入口 25 噴出孔 26 ストッパ部 27 流路 28 温度変動緩衝部 30 ノズル部 100 衛生洗浄装置 200 本体部 300 遠隔操作装置 400 便座部 500 蓋部 600 便器 700 タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白井 滋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2D038 JA02 JA05 JB04 JF00 JF05 JH02 KA13

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水源から供給される洗浄水を加熱して
    人体に噴出する衛生洗浄装置であって、 前記給水源から供給された洗浄水を流動させつつ加熱す
    る加熱装置と、 前記加熱装置により加熱された洗浄水を噴出するノズル
    装置とを備え、 前記ノズル装置は、 前記加熱装置から供給される洗浄水の温度変動を緩衝す
    る温度変動緩衝部と、 前記温度変動緩衝部を通過した洗浄水を噴出する噴出孔
    を有する噴出部とを含むことを特徴とする衛生洗浄装
    置。
  2. 【請求項2】 前記温度変動緩衝部は、前記加熱装置に
    より加熱された洗浄水を収容する収容部であり、 前記噴出部は、前記収容部に移動可能に挿入されるとと
    もに、前記加熱装置からの洗浄水の供給時に前記加熱装
    置から供給される洗浄水の圧力により前記収容部内に所
    定の容積の空間が確保されるように前記収容部から突出
    可能に設けられたことを特徴とする請求項1記載の衛生
    洗浄装置。
  3. 【請求項3】 前記ノズル装置の前記収容部はシリンダ
    部からなり、前記ノズル装置の前記噴出部は前記シリン
    ダ部内に移動可能に挿入されたピストン部からなり、 前記シリンダ部は、前記加熱装置から供給される洗浄水
    を受け入れる給水口を有し、 前記ピストン部は、洗浄水を噴出する噴出孔と、前記シ
    リンダ部内の洗浄水を前記噴出孔に導く流路とを有し、 前記加熱装置から前記給水口を通して供給される洗浄水
    の圧力により前記ピストン部が前記シリンダ部から突出
    することにより前記シリンダ部内に洗浄水を収容する空
    間が確保されるとともに、前記シリンダ部内の洗浄水が
    前記ピストン部の前記流路を通って前記噴出孔から噴出
    されることを特徴とする請求項2記載の衛生洗浄装置。
  4. 【請求項4】 前記ノズル装置は、前記加熱装置からの
    洗浄水の未供給時に前記ピストン部を前記シリンダ部内
    に収納するように付勢する付勢手段を含むことを特徴と
    する請求項3記載の衛生洗浄装置。
  5. 【請求項5】 前記ピストン部の外周面と前記シリンダ
    部の内周面との間に所定の隙間が設けられたことを特徴
    とする請求項3または4記載の衛生洗浄装置。
  6. 【請求項6】 前記ピストン部は、前記加熱装置からの
    洗浄水の供給時に、前記シリンダ部に水密に接触するこ
    とを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の衛生洗
    浄装置。
  7. 【請求項7】 前記加熱装置からの洗浄水の供給時に、
    前記ピストン部を前記シリンダ部に水密に接触させる弾
    性体をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載の衛
    生洗浄装置。
  8. 【請求項8】 前記ピストン部はフランジ状の当接部を
    有し、前記シリンダ部は前記当接部が当接可能な環状の
    移動停止部を有し、前記ピストン部は、前記シリンダ部
    に隙間をもって挿入され、 前記加熱装置からの洗浄水の供給時に、前記ピストン部
    の前記当接部が前記シリンダ部の前記移動停止部に水密
    に当接することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに
    記載の衛生洗浄装置。
  9. 【請求項9】 前記シリンダ部は端面を有する筒状体か
    らなり、前記給水口は前記端面において前記シリンダ部
    の中心軸と異なる位置に設けられたことを特徴とする請
    求項3〜8のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  10. 【請求項10】 前記加熱装置により加熱された洗浄水
    を前記ノズル装置に供給する供給手段と、 前記加熱装置により加熱された洗浄水の温度を検知する
    温度検知手段と、 前記温度検知手段により検知された温度に基いて前記供
    給手段を制御する制御手段とをさらに備えたことを特徴
    とする請求項1〜9のいずれかに記載の衛生洗浄装置。
  11. 【請求項11】 前記制御手段は、 前記温度検知手段により検知された温度が所定値以上の
    場合に前記供給手段による前記ノズル装置への洗浄水の
    供給を停止させることを特徴とする請求項10記載の衛
    生洗浄装置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は、前記温度検知手段に
    より検知された温度に基いて前記加熱装置を制御し、前
    記温度変動緩衝部は、前記加熱装置により加熱された洗
    浄水の温度が前記所定値以上に上昇してから、前記温度
    検知手段が前記所定値以上の温度を検知し、前記制御手
    段の制御により前記供給手段が洗浄水の供給を停止する
    までに要する時間と、前記加熱装置から前記ノズル装置
    に供給される洗浄水の最大流量との積以上の容積を有す
    ることを特徴とする請求項11記載の衛生洗浄装置。
JP2002016175A 2002-01-24 2002-01-24 衛生洗浄装置 Pending JP2003213765A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002016175A JP2003213765A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 衛生洗浄装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002016175A JP2003213765A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 衛生洗浄装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003213765A true JP2003213765A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27652325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002016175A Pending JP2003213765A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 衛生洗浄装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003213765A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005054456A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 人体局部洗浄装置とそれを備えたトイレ装置
JP2015224852A (ja) * 2014-05-29 2015-12-14 アイシン精機株式会社 流体加熱装置
JP2017115332A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 アイシン精機株式会社 人体局部洗浄装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005054456A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 人体局部洗浄装置とそれを備えたトイレ装置
JP2015224852A (ja) * 2014-05-29 2015-12-14 アイシン精機株式会社 流体加熱装置
JP2017115332A (ja) * 2015-12-22 2017-06-29 アイシン精機株式会社 人体局部洗浄装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1627966B1 (en) Sanitary washing apparatus
JP5919466B2 (ja) 衛生洗浄装置
US7834294B2 (en) Heating device and sanitary washing device using the same
JP2004346486A (ja) ノズル装置およびそれを備えた衛生洗浄装置
JP2003213765A (ja) 衛生洗浄装置
JP2003328420A (ja) 衛生洗浄装置
JP4848579B2 (ja) 人体洗浄装置
JPS59102032A (ja) 衛生洗浄装置
JP4298954B2 (ja) 衛生洗浄装置
JP5505344B2 (ja) 衛生洗浄装置
JP3937904B2 (ja) 衛生洗浄装置
JP4084102B2 (ja) 衛生洗浄装置
JP2004100253A (ja) 衛生洗浄装置
JP4354679B2 (ja) 衛生洗浄装置
JP4236889B2 (ja) 衛生洗浄装置
JP4682523B2 (ja) 流体噴出装置
JP4451078B2 (ja) ノズル装置およびそれを備えた衛生洗浄装置
JP4091309B2 (ja) 衛生洗浄装置
JP4130564B2 (ja) 衛生洗浄装置
JP4626015B2 (ja) 人体洗浄装置
JP4674391B2 (ja) 人体洗浄装置
JP2003268845A (ja) 衛生洗浄装置
JP4084114B2 (ja) 衛生洗浄装置
JP2005042429A (ja) 衛生洗浄装置
JP4714962B2 (ja) 人体洗浄装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040513

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051214

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060110

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060309

A02 Decision of refusal

Effective date: 20060822

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02