JP3936227B2 - リクライニング機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用のリクライニング機構に関し、更に詳しくは、リクライニング機構によるロックが不要な傾動角の場合には、ロックがされないリクライニング機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10〜図12を用いて説明する。図10は従来のリクライニング機構の正面図で、図11は図10の切断線A−Aにおけ拡大断面図、図12は図11の切断線B−Bにおける断面拡大図である。
【0003】
図において、シートクッション側のベースプレート1に形成された穴3には、操作ハンドル2が取り付けられたヒンジピン4が回転可能に係合している。
シートバック側のラチェット7には、ヒンジピン4が挿通する穴9が形成されている。ラチェット7には、穴9を中心とする内歯11が形成されている。
【0004】
ベースプレート1の外縁部は、ラチェット7を回転可能に保持するための段差加工部1aが形成されている。
ベースプレート1とラチェット7との間には、ラチェット7の内歯11に噛合可能な外歯13が形成されたポール15が三つ設けられている。
【0005】
ベースプレート1には、ポール15を挟むように形成され、ポール15をヒンジピン4と直交する方向に案内する2つのガイド突起1aが形成されている。
ポール15のラチェット7との対向面には、ヒンジピン4と平行で、ラチェット7方向に伸びる2つの突起、即ち、ポール15の背部側の第1の突起15aとポール15の外歯13側の第2の突起15bとが形成されている。
【0006】
ヒンジピン4には、各ポール15の背部を押して各ポール15の外歯13をラチェット7の内歯11に噛合させるカム17が固着されている。そして、内端部がベースプレート1に係止され、外端部がカム17に係止されたスプリング19の付勢力により、カム17はポール15の背部を押している。この付勢力により、ポール15は、その外歯13がラチェット7の内歯11に噛合する方向に付勢されている。
【0007】
カム17には、レリーズプレート21が固着されている。このレリーズプレート21は、ポール15の背部側に形成された第1の突起15aが係合するカム穴21aが形成され、スプリング19の付勢力に抗して回転することにより、ポール15の外歯13がラチェット7の内歯11から離れる方向にポール15を移動させるようになっている。
【0008】
上記構成のリクライニング機構の動作を説明する。
通常は、スプリング19の付勢力により、カム17が各ポール15の背部を押し、各ポール15の外歯13がラチェット7の内歯11に噛合し(ロック状態)、ラチェット(シートバック)7の回転が禁止されている。
【0009】
スプリング19の付勢力に抗して、操作ハンドル2を用いて、ヒンジピン4を回転させると、カム17及びレリーズプレート21が回転する。
すると、カム17のポール15の背部への押圧が解除されると共に、ポール15がレリーズプレート21のカム穴21aに案内され、ポール15の外歯13とラチェット7の内歯11との噛合が解除され(アンロック状態)、ラチェット(シートバック)7は、傾動可能となる。
【0010】
又、カム17の動きは、ヒンジピン4に固着されたコネクティングパイプ23を介して、他方のリクライニング機構のカム17へ伝達される。
ところで、図13に示すように、シートバック37がウォークイン機構を有したシート33の場合、リクライニング機構35はI〜IIのリクライニング範囲だけでシートバック37のシートクッション39に対する傾動をロック/アンロックできればよい。そして、II〜IIIの間では、操作ハンドル2の操作力を解除しても、シートバック37の傾動が可能なことが望ましい。
【0011】
このため、図13に示すシート33のシートバック37がII〜IIIの間にあるときには、リクライニング機構のラチェット7に、内歯11と平行な円弧状で、ポール15と対向するトッピング(突部)31を形成している(図10及び図12参照)。このトッピング31は、ポール15の第2の突起15bが当接可能で、ポール15の第2の突起15bが当接することにより、ポール15の外歯13とラチェット7の内歯11との噛合が解除された位置にポール15を保持するものである。このため、図13に示すシート33のシートバック37がII〜IIIの間にあるときには、操作ハンドル2の操作力を解除してもシートバック37が傾動可能となっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成のリクライニング機構においては、図12に示すように、ポール15の外歯13とラチェット7の内歯11との噛合が解除された位置にポール15を保持するために形成されるトッピング31は周方向に長い形状となっている。
【0013】
プレス加工でトッピング31を形成する場合、トッピング31が周方向に長いと、プレスの押圧力が分散し、図14に示すように、トッピング31にダレDが形成される。このため、トッピング31とポール15の第2の突起15bとのかかり代Lが小さくなる。
【0014】
従って、十分なかかり代を得るために、ポール15の第2の突起15bの高さを高くしたり、トッピング31の深さを深くしたりしなければならず、リクライニング機構が傾動中心軸方向に大きくなる問題点がある。
【0015】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は小型化できるリクライニング機構を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、ベースアームと、該ベースアームに対して傾動可能に設けられ、前記ベースアームとの対向面には傾動中心軸を中心とする内歯が形成されたラチェットと、前記ベースアームと前記ラチェットとの間に設けられ、前記ラチェットの内歯に噛合可能な外歯が形成され、前記ラチェットとの対向面には、前記ラチェット方向に突出する突起が形成されたポールと、前記ラチェットに設けられ、前記ポールの突起が当接可能で、前記突起が当接することにより前記ポールの外歯と前記ラチェットの内歯との噛合が解除された位置に前記ポールを保持するトッピングと、前記傾動中心軸と直交する方向に前記ポールを案内するガイド手段と、有したリクライニング機構において、前記突起は、前記ポールの外歯に沿って該外歯の歯先円と同心の円弧状曲面を形成するように該外歯に並設され、前記トッピングは、前記突起の円弧状曲面と当接し得るように、前記傾動中心軸を中心とする円周に沿って、間隙を介して複数形成されると共に、前記トッピングの前記円弧状曲面との当接面の前記円周方向の幅及び前記間隙の前記円周方向の幅は、前記円弧状曲面の前記円周方向の幅より狭く、前記円弧状曲面が前記トッピングの複数と同時に当接し得るように構成され、かつ、前記トッピングの前記円弧状曲面との当接面は、前記傾動中心軸と平行な平面になっていることを特徴とするリクライニング機構である。
【0017】
ポールの外歯がラチェットの内歯に噛合すると、ラチェットの傾動が禁止される。
ガイド手段に沿ってポールを移動させ、ポールの外歯とラチェットの内歯との噛合を解除すると、ラチェットは傾動可能となる。
【0018】
ポールの外歯がラチェットの内歯に噛合すると、ラチェットの傾動が禁止される。
ガイド手段に沿ってポールを移動させ、ポールの外歯とラチェットの内歯との噛合を解除すると、ラチェットは傾動可能となる。
【0019】
前記傾動中心軸を中心とする円周に沿って、複数のトッピングを間隙を介して形成したことにより、トッピングをプレス成形法で形成する際に、個々のトッピングへの押圧力を局部的に高くできる。よって、トッピングに形成されるダレが小さくなり、トッピングとポールの突起とかかり代が大きくなる。
【0020】
トッピングとポールの突起とのかかり代が大きくなることにより、ポールの突起の高さを低く、トッピングの深さを浅くできるので、傾動中心軸方向にコンパクトになり、小型化できる。
【0021】
さらに、前記突起の前記トッピング当接面の前記円周方向の幅を、前記トッピングの突起当接面の前記円周方向の幅及び前記間隙の前記円周方向の幅より大きくなるように設定したことにより、ポールの突起はトッピングに必ず当接する。
【0023】
前記トッピングの前記ポールの突起の当接面を平面とし、前記ポールの前記トッピングと当接する面を前記トッピング方向に凸の曲面としたことにより、トッピングとポールの突起とは線接触となり、トッピングとポールの突起が磨耗しにくく、耐久性が向上する。
【0024】
さらに、ポールの突起を幅方向に大きくしても、トッピングにポールの突起が当接した状態でのポールの位置が変化せず、ポールの突起の設計変更が容易となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態例を説明する。本実施の形態例のリクライニング機構は、両側リクライニング装置に設けられるリクライニング機構である。尚、アウタ側リクライニング機構と、インナ側リクライニング機構とは、略同一構成で、違いはヒンジピンの形状及びアウタ側リクライニング機構のヒンジピンに操作レバーが取り付けられている点であるので、以下インナ側のリクライニング機構90を用いて説明する。
【0026】
本形態例のリクライニング機構90では、シートクッション側のフレーム301に、ベースアーム100がロアアームとして取り付けられ、シートバック側のバックフレーム302に、ラチェット130が取り付けられる(図3〜図5参照)。
【0027】
特に図3〜図6及び図9に示すように、ベースアーム100には、ヒンジピン120を回転可能に支持する嵌合穴101が中央部に形成され、さらに、この嵌合穴101の周囲には、嵌合穴101と同軸的に、ラチェット130側に突き出た二つの同一形状の断面円弧状支持部102,103が対向するように形成されている。
【0028】
ラチェット130の中央部の嵌合穴131(図7、図9参照)には、断面円弧状支持部102,103が回転自在に嵌合しており、このため、ベースアーム100に対してラチェット130は傾動可能となっている。そして、ベースアーム100の外周部とラチェット130の外周部とは、取り付け金具205により、相対回転可能に接合されている。ラチェット130のベースアーム100との対向面には、図7に示すように、ラチェット130の傾動中心軸(ヒンジピン120)を中心とする略円形の凹部132が形成され、該凹部内周面には全周にわたって内歯133が刻設されている。
【0029】
ベースアーム100上の、ラチェット130の凹部132との対向面にも、凹部104(図6参照)が形成され、該凹部104の底面上部には、ラチェット130に向けてガイド手段であるガイド突起105,106が突設され、底面下部には、ラチェット130に向けてガイド手段であるガイド突起107,108が突設されている。
【0030】
ポール140は、特に図1,図6及び図9に示すように、ガイド突起105,106のガイド面105a,106aに挟まれて、上記傾動の中心軸と直交する方向に摺動案内され、前端部の外歯141がラチェット130の内歯133に噛合できるように構成されている。ポール150についても同様に、ガイド突起107,108のガイド面107a,108aに挟まれて、上記傾動の中心軸と直交する方向に摺動案内され、前端部の外歯151がラチェット130の内歯133に噛合できるように構成されている。
【0031】
ヒンジピン120の断面小判形部分123には、カム170の小判穴171が嵌合している。このため、ヒンジピン120は軸方向移動可能であると共に、ヒンジピン120には、カム170とが相対回転不可状態に嵌合していることになる。このカム170には、ベースアーム100の断面円弧状支持部102,103が遊嵌する円弧状長穴172,173が穿設されており、カム170はベースアーム100に対して一定範囲内で回転できるようになっている。
【0032】
すなわち、カム170は、ヒンジピン120とともに回転し、押圧部174,175でもって、ポール140,150の背面142,152の被押圧部142a,152aをその外歯141,151方向に押して、ポール140,150の外歯141,151をラチェット130の内歯133に噛合させるものである。
【0033】
又、カム170とポール140とには、カム170の押圧部174とポール140の背面142の被押圧部142aと以外に、ポール140が傾いた際に、カム170の押圧部174の一方のサイドに形成された当接部174aにポール140の当接部142bが、カム170の押圧部174の他方のサイドに形成された当接部174bにポール140の当接部142cが当接可能となっている。
【0034】
同様に、カム170とポール150とには、カム170の押圧部175とポール150の背面152の被押圧部152aと以外に、ポール150が傾いた際に、カム170の押圧部175の一方のサイドに形成された当接部175aにポール150の当接部152bが、カム170の押圧部175の他方のサイドに形成された当接部175bにポール150の当接部152cが当接可能となっている。
【0035】
このカム170には、ラチェット130側に突き出た突起176,177が形成されており、この突起176,177がレリーズプレート180の穴181,182に嵌合されている。このため、カム170とレリーズプレート180とは連動して回転することになる。
【0036】
このレリーズプレート180には、ポール140,150のラチェット130方向に延びる突起143,153が挿通する長穴状のカム穴183,184が形成されており、このカム穴183,184の形状は、操作レバーをロック解除方向に回転させたとき、カム穴183,184のカム面が突起143,153を押圧し、ポール140,150を背面側に後退させ、前端部の外歯141,151をラチェット130の内歯133から離脱させるように形成されている。
【0037】
スパイラルスプリング191,195は、内端がベースアーム100のフック111,112に掛止され、外端がカム170の段部178,179に掛止され、カム170がポール140,150の背面を押すようにカム170を回動付勢するものである。
【0038】
ヒンジピン120には、断面小判形部分123に連設して、小径部124が形成されている。この小径部124には、インナ側のリクライニング機構のヒンジピンに接続されるコネクティングパイプが接続される。
【0039】
そして、本実施の形態例では、ラチェット130には、レリーズプレート180のカム穴183,184を挿通したポール140,150の突起143,153が当接可能で、突起143,153が当接することによりポール140,150の外歯141,151とラチェット130の内歯133との噛合が解除された位置にポール140,150を保持するトッピング(突部)501,503,505,507が形成されている。
【0040】
本実施の形態例では、ポール140用のトッピングと、ポール150用のトッピングとが設けられている。ポール140用のトッピングは、傾動中心軸(ヒンジピン120)を中心とする円周に沿って間隙T1を介して設けられたトッピング501と、トッピング503とからなっている。ポール150用のトッピングは、傾動中心軸(ヒンジピン120)を中心とする円周に沿って間隙T2を介して設けられたトッピング505と、トッピング507とからなっているまた、ポール140にはラチェット130方向に突出し、トッピング501、トッピング503に当接可能な突起611が形成されている、ポール140にはラチェット130方向に突出し、トッピング505、トッピング507に当接可能な突起613が形成されている、そして、トッピング501、トッピング503のポール140の突起611との当接面は、平面となっている。同様に、トッピング505、トッピング507のポール150の突起613の当接面は、平面となっている。
【0041】
また、ポール140の突起611上のトッピング501、トッピング503と当接する面は、図1や図9に示すように、トッピング501,503方向に凸の曲面(外歯141の歯先円と同心の円弧状曲面)になっている。同様に、ポール150の突起613上のトッピング505、トッピング507と当接する面は、トッピング505,507方向に凸の曲面(外歯151の歯先円と同心の円弧状曲面)になっている。
【0042】
さらに、ポール140の突起611のトッピング501、トッピング503が当接する当接面の円周方向の幅を、トッピング501、トッピング503の突起611が当接する当接面の円周方向の幅及び間隙T1の円周方向の幅より大きくなるように設定した。同様に、ポール150の突起613のトッピング505、トッピング507が当接する当接面の円周方向の幅を、トッピング505、トッピング507の突起613が当接する当接面の円周方向の幅及び間隙T2の円周方向の幅より大きくなるように設定した。
【0043】
上記構成のリクライニング機構90の作動を説明する。通常は、スパイラルスプリング191,195の付勢力により、カム170がポール140,150の背面を押し、ポール140,150の外歯141,151がラチェット130の内歯133に噛合し、ラチェット(シートバック)130の回転が禁止されている(ロック状態)。
【0044】
図1,図2において、スパイラルスプリング191,195の付勢力に抗して、ヒンジピン120を時計方向(矢印方向)に回転させると、カム170,レリーズプレート180が時計方向に回転する。
【0045】
すると、カム170のポール140,150の背面への押圧が解除されるとともに、レリーズプレート180のカム穴183,184のカム面がポール140,150の突起143,153を押圧し、ポール140,150を背面側に後退させる。このため、ポール140,150はガイド突起105〜108のガイド面105a〜108aに案内されて、背面側に移動し、ポール140,150の外歯141,151とラチェット130の内歯133との噛合が解除され、ラチェット(シートバック)130は、傾動可能となる(アンロック状態)。
【0046】
シートバックを所望の角度まで傾動させ、操作レバーへの操作力を解除すると、スパイラルスプリング191,195の付勢力により、カム170がポール140,150の背面を押し、ポール140,150の外歯141,151がラチェット130の内歯133に再び噛合し、ラチェット(シートバック)130の回転が禁止された状態に復帰する。
【0047】
そして、ラチェット(シートバック)130が傾動し、トッピング501、トッピング503がポール140と、また、トッピング505、トッピング507がポール150と対向する状態となった場合、スパイラルスプリング191,195の付勢力に抗してヒンジピン120(カム170)を回転させる操作力を解除する。すると、スパイラルスプリング191,195の付勢力により、ポール140,150はその外歯141,151がラチェット130の内歯133に噛合する方向に移動しようするが、噛合する前にポール140の突起611がトッピング501またはトッピング503に当接し、ポール150の突起613がトッピング505またはトッピング507に当接し、ポール140,150はその外歯141,151とラチェット130の内歯133との噛合が解除された位置に保持される。従って、スパイラルスプリング191,195の付勢力に抗して、ヒンジピン120(カム170)を回転させなくても、ラチェット(シートバック)130の傾動が可能となる。
【0048】
上記構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ヒンジピン(傾動中心軸)120を中心とする円周に沿って、複数のトッピング501,トッピング503、また、トッピング505、トッピング507を間隙を介して形成した。
【0049】
小さなトッピングを複数形成したことにより、トッピングをプレス成形法で形成する際に、個々のトッピングへの押圧力を局部的に高くできる。よって、トッピングに形成されるダレが小さくなり、トッピング501トッピング503とポール140の突起611とのかかり代が大きくなる。同様に、トッピング505、トッピング507とポール150の突起613とかかり代が大きくなる。
【0050】
トッピングとポールの突起とのかかり代が大きくなることにより、ポール140の突起611、ポール150の突起613の高さを低く、トッピング501、トッピング503、トッピング505、トッピング507の深さを浅くできるので、ヒンジピン(傾動中心軸)120方向にコンパクトになり、小型化できる。(2)ポール140の突起611のトッピング501、トッピング503が当接する当接面の円周方向の幅を、トッピング501、トッピング503の突起611が当接する当接面の円周方向の幅及び間隙T1の円周方向の幅より大きくなるように設定した。同様に、ポール150の突起613のトッピング505、トッピング507が当接する当接面の円周方向の幅を、トッピング505、トッピング507の突起613が当接する当接面の円周方向の幅及び間隙T2の円周方向の幅より大きくなるように設定した。
【0051】
従って、必ずポール140の突起611がトッピング501またはトッピング503に当接し、必ずポール150の突起613がトッピング505またはトッピング507に当接する。
(3)トッピング501、トッピング503のポール140の突起611との当接面は、平面となっている。同様に、トッピング505、トッピング507のポール150の突起613との当接面は、平面となっている。
【0052】
また、ポール140の突起611のトッピング501、トッピング503と当接する面は、トッピング501,503方向に凸の曲面になっている。同様に、ポール150の突起613のトッピング505、トッピング507と当接する面は、トッピング505,507方向に凸の曲面にとなっている。
【0053】
よって、トッピング501、トッピング503と、ポール140の突起611との接触、また、トッピング505、トッピング507と、ポール150の突起613との接触は、線接触となる。従って、トッピング501、トッピング503、トッピング505、トッピング507と、ポール140の突起611,ポール150の突起613が磨耗しにくく、耐久性が向上する。
(4)、ポール140の突起611,ポール150の突起613を幅方向に大きくしても、トッピング501、トッピング503にポール140の突起611が当接した状態、また、トッピング505、トッピング507にポール150の突起613が当接した状態でのポール140、ポール150の位置が変化せず、ポール140の突起611,ポール150の突起613の設計変更が容易となる。
【0054】
尚、本発明は上記実施の形態例に限定するものではない。シートクッション側のフレーム301に、ラチェット130をロアアームとして取り付け、シートバック側のバックフレーム302に、ベースアーム100を取り付けるようにしてもよい。又、ポール(140,150)の数は、1個でも3個以上でもよく、カム170の付勢も上記スパイラルスプリング191,195による方法に限らない。
【0055】
更に、トッピングを形成する箇所に、間隙T1を介して2つのトッピング501、トッピング503、また、間隙T2を介して2つのトッピング505、トッピング507を形成したが、2つに限定するものではない。間隙を介して3つ以上のトッピングを形成してもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、 前記傾動中心軸を中心とする円周に沿って、複数のトッピングを間隙を介して形成したことにより、トッピングをプレス成形法で形成する際に、個々のトッピングへの押圧力を局部的に高くできる。よって、トッピングに形成されるダレが小さくなり、トッピングとポールの突起とかかり代が大きくなる。
【0058】
トッピングとポールの突起とのかかり代が大きくなることにより、ポールの突起の高さを低く、トッピングの深さを浅くできるので、傾動中心軸方向にコンパクトになり、小型化できる。
【0059】
さらに、前記突起の前記トッピング当接面の前記円周方向の幅を、前記トッピングの突起当接面の前記円周方向の幅及び前記間隙の前記円周方向の幅より大きくなるように設定したことにより、ポールの突起はトッピングに必ず当接する。
【0060】
又、前記トッピングの前記ポールの突起の当接面を平面とし、前記ポールの前記トッピングと当接する面を前記トッピング方向に凸の曲面としたことにより、トッピングとポールの突起とは線接触となり、トッピングとポールの突起が磨耗しにくく、耐久性が向上する。
【0061】
さらに、ポールの突起を幅方向に大きくしても、トッピングにポールの突起が当接した状態でのポールの位置が変化せず、ポールの突起の設計変更が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例のインナ側リクライニング機構を示す図2からベースアームを取り除いた正面図である。
【図2】本発明の実施の形態例の両側リクライニング装置のインナ側リクライニング機構の外観を示す正面図である。
【図3】図1及び図2の切断線C−Cにおける断面図である。
【図4】図1及び図2の切断線D−Dにおける断面図である。
【図5】図1及び図2の切断線E−Eにおける断面図である。
【図6】図2のベースアームある。
【図7】図1のラチェットである。
【図8】図1のカムである。
【図9】本発明の実施の形態例のインナ側リクライニング機構の主要部の概略分解斜視図である。
【図10】従来のリクライニング機構の正面図である。
【図11】図10の切断線A−Aにおけ拡大断面図である。
【図12】図11の切断線B−Bにおける断面拡大図である。
【図13】トッピングを設ける理由を説明する図である。
【図14】トッピングとポールの突起とのかかり代を説明する図である。
【符号の説明】
100 ベースアーム
130 ラチェット
133 内歯
140,150 ポール
141,151 外歯
170 カム
180 レリーズプレート
183,184 カム穴
191,195 スパイラルスプリング(付勢手段)
501,503,505,507 トッピング
611,613 突起
Claims (1)
- ベースアームと、
該ベースアームに対して傾動可能に設けられ、前記ベースアームとの対向面には傾動中心軸を中心とする内歯が形成されたラチェットと、
前記ベースアームと前記ラチェットとの間に設けられ、前記ラチェットの内歯に噛合可能な外歯が形成され、前記ラチェットとの対向面には、前記ラチェット方向に突出する突起が形成されたポールと、
前記ラチェットに設けられ、前記ポールの突起が当接可能で、前記突起が当接することにより前記ポールの外歯と前記ラチェットの内歯との噛合が解除された位置に前記ポールを保持するトッピングと、
前記傾動中心軸と直交する方向に前記ポールを案内するガイド手段と、
を有したリクライニング機構において、
前記突起は、前記ポールの外歯に沿って該外歯の歯先円と同心の円弧状曲面を形成するように該外歯に並設され、
前記トッピングは、前記突起の円弧状曲面と当接し得るように、前記傾動中心軸を中心とする円周に沿って、間隙を介して複数形成されると共に、
前記トッピングの前記円弧状曲面との当接面の前記円周方向の幅及び前記間隙の前記円周方向の幅は、前記円弧状曲面の前記円周方向の幅より狭く、前記円弧状曲面が前記トッピングの複数と同時に当接し得るように構成され、
かつ、前記トッピングの前記円弧状曲面との当接面は、前記傾動中心軸と平行な平面になっていることを特徴とするリクライニング機構。
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