JP3936082B2 - 室温硬化性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用シーリング剤、水性塗料等に用いることのできる室温硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
建築用シーリング材は、建築物の外壁や内壁の目地等に用いられ、建築物の外壁や内壁との組み合わせにより意匠性を高めるような色であることが要求される。
従来から、シーリング材を着色するために、シーリング材の主剤や硬化剤とは別にカラーマスターが使用されている。このカラーマスターは、顔料が粉体であるとシーリング材の主剤や硬化剤と均一に混ざりにくいということを考慮して、予め顔料を可塑剤等に分散させて均一に混ざりやすくしたものである。
しかし、近年、建築物の色の多様化に伴い、建築用シーリング材にも種々の色が要求されており、カラーマスターを利用する方法では対応が困難になっている。即ち、カラーマスターは、特定の色の顔料を予め可塑剤等に分散させたものであるため、メーカー側で用意するカラーバリエーションの中から選択せざるを得ず、また、建築現場で建築物の外壁等の色を実際に見てその場で微妙な色の調整をすることもできないうえ、専用的なものであるので高価であるからである。
従って、多種多様な色に対応でき、安価な建築用シーリング材が強く求められている。
【0003】
また、建築用シーリング材の主剤には、加水分解性シリル基を有するポリマーが用いられる場合があり、その中でも加水分解性シリル基を有するポリイソブチレンが用いられる場合がある。この加水分解性シリル基を有するポリイソブチレンは水透過性が小さいため、建築用シーリング剤として用いる場合には主剤中に硬化のための水分を含有させることが多い。また、水分を含有させることによってチクソトロピー性を付与することにもなる。しかし、この場合には、低シア(低せん断応力)における粘度が高くなり過ぎ、初期混練性が悪くなるという問題があった。
【0004】
一方、水性塗料は、建築用塗料、工業用塗料、家庭用塗料等広い用途分野にわたって使用されているが、特に水溶液形の水性塗料は塗膜の耐水性が悪く、その改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多種多様な色にすることができるので、建築用シーリング材に好適に用いることができ、建築用シーリング材に用いる際には初期混練性がよい室温硬化性組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、塗膜の耐水性のよい水性塗料として用いることができる室温硬化性組成物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、
(A)珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体100重量部、
(B)水性塗料1〜500重量部
を含有することを特徴とする室温硬化性組成物を提供する。
ここで、飽和炭化水素系重合体(A)が下記式1
【0007】
【化2】
Figure 0003936082
で示される化合物1であるのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明は、
(A)珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体100重量部、
(B)水性塗料1〜500重量部
を含有することを特徴とする室温硬化性組成物である。
【0010】
本発明に用いられる飽和炭化水素系重合体(A)は、芳香族環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基(以下「反応性珪素基」という。)を少なくとも1個有するものである。
【0011】
本発明に用いられる反応性珪素基を有する飽和炭化水素重合体の骨格となる重合体は、以下の方法によって得られる。
【0012】
(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン等の炭素数が1〜6のオレフィン系化合物を主単量体として重合させる方法。
(2)ブタジエン、イソプレン等のジエン系化合物を単独重合させるか、上記オレフィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させた後、水素添加する方法。
【0013】
これらの重合体のうち、末端に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやすい、末端官能基の数を多くすることができる等の点から、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体であるのが好ましい。
【0014】
このイソブチレン系重合体は、単量体単位の全てがイソブチレン単位で形成されていてもよいし、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチレン系重合体中の好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、特に好ましくは10重量%以下の範囲で含有していてもよい。イソブチレンと共重合性を有する単量体成分としては、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が例示される。
【0015】
このような共重合体成分としては、例えば、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0016】
さらに、水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化水素系重合体においても、イソブチレン系重合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単量体単位を含有してもよい。
【0017】
また、本発明に用いられる飽和炭化水素系重合体には、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、ブタジエン、イソプレン等のポリエン化合物のような重合後に二重結合の残る単量体単位を少量、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下の範囲で含有してもよい。
【0018】
本発明に用いられる飽和炭化水素系重合体の反応性珪素基は従来公知の官能基であり、その代表例としては、下記式2
【0019】
【化3】
Figure 0003936082
【0020】
(式中、R1 およびR2 は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R3 3 SiO−(R3 は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、3個のR3 は同一であっても異なってもよい。)で示されるトリオルガノシロキシ基を表し、R1 およびR2 が2個以上存在するとき、同一であっても異なっていてもよい。Xは水酸基または加水分解性基を表し、2個以上存在するとき、同一であっても異なっていてもよい。pは0、1、2または3であり、qは0、1、2であるが、p+rq≧1である。また、r個の
【0021】
【化4】
Figure 0003936082
におけるqは同一である必要はない。rは0または1〜19の整数である。)で示される基が挙げられる。
【0022】
式2における加水分解性基は、特に限定されるものではなく、従来公知の加水分解性基が使用可能であるが、具体的には、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が好適に例示される。なかでも、アルコキシ基が加水分解性が温和で、取扱いが容易な点から好ましく、特に好ましくはメトキシ基である。
【0023】
この加水分解性基や水酸基は1個の珪素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(p+rq)は1〜5の範囲であることが好ましい。加水分解性基や水酸基が反応性珪素基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであっても、異なっていてもよい。
【0024】
この反応性珪素基を形成する珪素原子は1個でもよく、2個以上であってもよく、特に、下記式
【0025】
【化5】
Figure 0003936082
(式中、R2 、Xおよびpは前記と同じである。)で示される反応性珪素基が入手容易であるので好ましい。
【0026】
反応性珪素基は、飽和炭化水素系重合体の1分子中に少なくとも1個、好ましくは1.1〜5個存在する。分子中に含まれる反応性珪素基の数が1個未満では、硬化性が不十分になり、良好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。
【0027】
反応性珪素基は、飽和炭化水素系重合体分子鎖の末端に存在していてもよく、内部に存在していてもよく、両方に存在していてもよい。特に反応性珪素基が分子末端に存在する場合には、最終的に形成される硬化物に含まれる飽和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるので好ましい。また、これらの反応性珪素基を有する飽和炭化水素系重合体は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0028】
この飽和炭化水素系重合体(A)、特にイソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は、500〜100000程度であるのが好ましく、さらに好ましくは1000〜30000程度の液状または流動性を有するものが取り扱いやすい等の点から好ましい。
【0029】
以上説明した飽和炭化水素系重合体(A)の具体的な製造方法は特開平8−41360号公報に詳細に記載されている。
また、以上説明した飽和炭化水素系重合体(A)としては、具体的には、下記式1
【化6】
Figure 0003936082
(m、nは0または1〜500の整数、1≦m+n≦500)に示されるEPION(鐘淵化学工業社製)が好適に例示される。
【0030】
本発明に用いられる水性塗料(B)は、特に限定されず一般に用いられている水性塗料が好適に使用できる。水性塗料とは、一般に、樹脂、硬化剤および溶剤からなるビヒクル、顔料ならびに添加剤からなる塗料において、ビヒクルの溶剤の大部分が水であるものをいう。水性塗料には、水溶液形、ディスパージョン形、エマルション形、スラリー形、これらの複合タイプ等があるが、本発明にはいずれの種類の水性塗料も用いることができる。炭化水素系重合体(A)と混合する際の分散性を考慮すると、エマルション塗料が好ましい。
【0031】
エマルション塗料は、ビヒクルが乳濁液状を呈する塗料であり、製造方法により2種類に分けられるが、本発明においては、いずれも使用できる。
一つは、合成樹脂エマルション塗料で、単量体を乳化重合して合成樹脂エマルションをつくり、これにペースト化顔料、可塑剤、増粘剤等を混合したものである。例えば、酢酸ビニルエマルション塗料、スチレン−ブタジエン系エマルション塗料、アクリル系エマルション塗料、塩化ビニル系エマルション塗料、塩化ビニル塩化ビニリデン系エマルション塗料、ブタジエンアクリロニトリル系エマルション塗料等が挙げられる。中でも、耐候性、耐磨耗性、保色性等に優れるアクリル系エマルション塗料が好ましい。
他のものは、乳化剤の作用でボイル油、油ワニス、合成樹脂等を水中に乳化したものをビヒクルとした塗料で、エマルションワニス、エマルションエナメル等が挙げられる。乳化剤は、せっけん、サポニン、トリエタノールアミン、ロート油、高級アルコールスルフォン酸塩等が挙げられる。
エマルション塗料は、カゼイン、にかわ、アラビアゴム、トラガントゴム、ポリビニルアルコール等の安定化剤、アルカリ性物質等のpH調節剤、可塑剤、溶剤等を含有するものも好適に使用できる。
【0032】
本発明に用いられる水性塗料(B)の顔料は、無機顔料、有機顔料等が挙げられる。
無機顔料は、亜鉛華、酸化チタン、弁柄、酸化クロム、鉄黒、複合酸化物(例えば、チタンエロー系、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック)等の酸化物;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸塩;紺青等のフェロシアン化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化亜鉛等の硫化物;硫酸バリウム等の硫酸塩;群青等の珪酸塩;炭酸カルシュム等の炭酸塩;マンガンバイオレット等の燐酸塩;黄色酸化鉄等の水酸化物;カーボンブラック等の炭素;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉;チタン被覆雲母等が挙げられる。
有機顔料は、モノアゾレーキ系(例えば、レーキレッドC、パーマネンレッド2B、ブリリアントカーミン6B)、モノアゾ系(例えば、トルイジンレッド、ナフトールレッド、ファストエローG、ベンズイミダロンボルドー、ベンズイミダゾロンブラウン)、ジスアゾ系(例えば、ジスアゾエローAAA、ジスアゾエローHR、ピラゾロンレッド)、縮合アゾ系(例えば、縮合アゾエロー、縮合アゾレッド、縮合アゾブラウン)、金属錯塩アゾ系(例えば、ニッケルアゾエロー)等のアゾ系顔料;銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、臭素化銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料;塩基性染料レーキ(例えば、ローダミン6レーキ)等の染付顔料;アンスラキノン系(例えば、フラバンスロンエロー、ジアンスラキノリルレッド、インダンスレンブルー)、チオインジゴ系(例えば、チオインジゴボルドー)、ペリノン系(例えば、ペリノンオレンジ)、ペリレン系(例えば、ペリレンスカーレット、ペリレンレッド、ペリレンマルーン)、キナクリドン系(例えば、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンスカーレット)、ジオキサジン系(例えば、ジオキサジンバイオレット)、イソインドリノン系(例えば、イソインドリノンエロー)、キノフタロン系(例えば、キノフタロンエロー)、イソインドリン系(例えば、イソインドリンエロー)、ピロール系(例えば、ピロールレッド)等の縮合多環顔料;銅アゾメチンエロー等の金属錯塩アゾメチン;アニリンブラック;昼光蛍光顔料等が挙げられる。
【0033】
本発明に用いられる水性塗料(B)の添加剤は、湿潤剤、増粘剤;沈降防止剤、皮ばり防止剤;レオロジー調整剤、表面調整剤、消泡剤;可塑剤、つや消剤、潤滑助剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、防腐・防かび剤、帯電防止剤、難燃剤、防錆剤等が挙げられる。
【0034】
本発明の室温硬化性組成物は、2種類以上の水性塗料(B)を含有することができる。
【0035】
本発明の室温硬化性組成物における水性塗料(B)の含有量は、反応性珪素基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体100重量部に対して、1〜500重量部、好ましくは3〜400重量部である。1重量部未満であると、十分な着色効果が得られない。500重量部を超えると、接着力が不足する。3〜400重量部であると、着色効果および接着力のバランスが好適となる。
【0036】
本発明の室温硬化性組成物は、上記成分以外にも、必要に応じて、硬化触媒、充填剤、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含有してもよい。
【0037】
硬化触媒は、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の有機錫化合物;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物またはこれらとカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤等の公知のシラノール複合触媒等が挙げられる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0038】
可塑剤としては、プロセスオイルまたは他の炭化水素類で飽和炭化水素系重合体(A)と相溶するものであれば特に限定されるものではなく、公知各種の可塑剤が使用可能である。例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族2塩基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;塩化パラフィン類;アルキルジフェニル;部分水添ターフェニル等の炭化水素油;プロセスオイル類;アルキルベンゼン類等が挙げられる。なかでも、プロセスオイルを使用するのが飽和炭化水素系重合体(A)との相溶性が良好な点から好ましい。
【0039】
充填剤には、例えば、通常の炭酸カルシウム、カーボンブラック、クレー、タルク、酸化チタン、生石灰、カオリン、ゼオライト、珪藻土、塩化ビニルペーストレジン、ガラスバルーン、塩化ビニリデン樹脂バルーン、アクリロニトリル・メタクリロニトリル樹脂バルーン等が挙げられ、単独で又は混合して使用できる。
【0040】
本発明の室温硬化性組成物の製造方法は、特に限定されない。上述の各成分を混合ミキサー等の攪拌装置を用いて十分混練し、均一に分散させて組成物とするのがよい。
混練の際の各成分の添加順序は、特に限定されない。例えば、飽和炭化水素系重合体(A)を含有する主剤に水性塗料(B)を添加した後、硬化触媒を含有する硬化剤を添加してもよいし、前記主剤に前記硬化剤を添加した後、水性塗料(B)を添加してもよい。また、水性塗料(B)を一度に所定量添加してもよいし、所定量を2度以上に分けて添加してもよい。更に、水性塗料(B)を2種類以上使用するときは、種類毎に分けて添加することもできる。
本発明の室温硬化性組成物は、組成物等を施工の現場で製造し、色合わせをすることができるので好適である。また、飽和炭化水素系重合体(A)と水性塗料(B)とを一組のセットとした室温硬化性組成物用キットとしてもよい。
【0041】
本発明の室温硬化性組成物は、水性塗料(B)中の水分の存在により、反応性珪素基が加水分解し、これにより飽和炭化水素系重合体(A)が縮合反応を起こして架橋硬化する。本発明には、このような飽和炭化水素系重合体(A)と水性塗料(B)とを含有する室温硬化性組成物の硬化物も含まれる。
【0042】
本発明の室温硬化性組成物を建築用シーリング材に使用する場合には、水性塗料(B)の添加量を変化させることにより、または、2種類以上の水性塗料(B)を併用することにより、多種多様な色にすることができる。また、水性塗料(B)を再添加したり他の種類の水性塗料(B)を添加したりすることにより、一度調整した後に色を再調整することができる。従って、建築現場等で建築物の外壁等の色を実際に見て、最適な色にすることができる。更に、本発明の室温硬化性組成物の色の調整に寄与する水性塗料(B)は、専用のカラーマスターと比較して安価である。
また、従来は、加水分解性シリル基を有するポリイソブチレンを建築用シーリング剤として用いる際には、低シアにおける粘度の増大が過大となり、初期混練性が悪くなるという問題があったが、本発明の室温硬化性組成物は、飽和炭化水素系重合体としてイソブチレン系重合体を用いる場合においても、初期混練性がよい。即ち、混練時においては、水性塗料(B)がチクソトロピー性付与剤として働き、低シアにおける粘度を適度に増大させる。
硬化時においては、水性塗料(B)が架橋に必要な水分を供給し、強度を付与する。
これらの点で、本発明の室温硬化性組成物は、建築用シーリング材に使用する場合に極めて有用である。
【0043】
また、本発明の室温硬化性組成物は、水性塗料として使用することができる。水性塗料とするときは、飽和炭化水素系重合体(A)と水性塗料(B)を10:1〜1:10の比率とするのが好ましい。従来、水性塗料、特に水溶性形塗料は、塗膜の耐水性が悪いという問題があったが、本発明の室温硬化性組成物は、飽和炭化水素系重合体(A)として透湿性の低いイソブチレン系重合体を用いることができるので、塗膜の耐水性のよい水性塗料として有用である。
【0044】
【実施例】
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
<主剤、硬化剤およびカラーマスターの調製>
以下に示される原料をそれぞれ第1表に示される量比で、5Lプラネタリー(万能攪拌機)を用いて攪拌混合して主剤、硬化剤およびカラーマスターとした。
(1)主剤
化合物1:EPION EP505S、鐘淵化学工業社製
プロセスオイル:PAO5004、出光石油化学社製
膠質炭酸カルシウム:ビスコライト−R、白石カルシウム社製
エポキシ樹脂:エピコート828、油化シェルエポキシ社製
アクリル系光硬化性樹脂:アロニックスM309、東亜合成化学工業社製
老化防止剤:イルガノックス1010、チバガイギー社製
紫外線吸収剤:チヌビン327、チバガイギー社製
光安定剤:サンノールLS−770、三共化成社製
ヒュームドシリカ:QS−102S、トクヤマ社製
カーボンブラック:MA−600、三菱化学社製
(2)硬化剤
オクチル酸錫
ラウリルアミン
プロセスオイル:PS−32、出光興産社製
重質炭酸カルシウム:ソフトン3200、備北粉化社製
酸化チタン:タイペークR−820、石原産業社製
(3)カラーマスター
カーボンブラック:MA−600、三菱化学社製
酸化チタン:タイペークR−820、石原産業社製
プロセスオイル:PS−32、出光興産社製
【0045】
<室温硬化性組成物の調製>
(実施例1)
第1表に示される量比で、上記主剤に下記水性塗料を添加して混練し、その後上記硬化剤を添加、混練して、本発明の室温硬化性組成物を得た。
(実施例2)
第1表に示される量比で、上記主剤に上記硬化剤および下記水性塗料を同時に添加、混練して、本発明の室温硬化性組成物を得た。
(比較例1)
第1表に示される量比で、上記主剤に水を添加して混練し、その後上記硬化剤を添加、混練して、室温硬化性組成物を得た。
(比較例2)
第1表に示される量比で、上記主剤に水を添加して混練し、その後上記硬化剤およびカラーマスターを添加、混練して、室温硬化性組成物を得た。
水性塗料:サンデーペイント水性多用途V、大日本塗料社製(エマルション形、顔料:グレー、樹脂:アクリル樹脂)
【0046】
<粘度の測定>
上記のように、主剤に水性塗料または水および硬化剤を添加して室温硬化性組成物を得る過程の各段階において、20℃で、B型粘度計によりNo.7ローターを用いて、1rpm、2rpmおよび10rpmでの粘度を測定した。室温硬化性組成物の粘度を調製した直後、1時間後、2時間後の3回測定したのは、建築現場等にて実際に使用する場合には、2時間程度は硬化しないことが望ましいことを考慮したためである。
10rpmでの粘度の値に対する1rpmまたは2rpmでの粘度の値の比をチクソインデックスとした。チクソインデックスが大きいほど、チクソトロピー性が高いことを示す。結果を第1表に示す。本発明の室温硬化性組成物は、チクソトロピー性を示し、水性塗料の代わりに水を添加した場合と比較して、低シアにおける粘度の大きさが適度であることが分かる。
【0047】
<H型物性の測定>
得られた室温硬化性組成物について、JIS A 5758の規定に準拠して、プライマー(No.3−R、横浜ゴム社製)を使用し、アルミニウム板を被着体としたH型試験片を作成し、JIS規定の養生(20℃×7日+50℃×7日間)を行った後に、H型物性(50%モジュラス(M50)、150%モジュラス(M150 )、破断時強度(Tb )、破断時伸び(Eb )および破壊状態)を測定した。結果を第1表に示す。なお、表中、CFは凝集破壊、TCFは薄層はく離、AFは界面はく離を表す。
本発明の室温硬化性組成物は、水性塗料の代わりに水やカラーマスターを添加した場合と同程度のH型物性を示し、建築用シーリング材に好適に用いることができることが分かる。
【0048】
【表1】
Figure 0003936082
【0049】
【表2】
Figure 0003936082
【0050】
【発明の効果】
本発明の室温硬化性組成物は、カラーマスターを使用することなく、多種多様な色にすることができるので、建築用シーリング材等に好適に用いることができ、また、建築用シーリング材に用いる際には初期混練性がよいので極めて有用である。
また、本発明の室温硬化性組成物は、塗膜の耐水性のよい水性塗料として用いることができ、有用である。

Claims (2)

  1. (A)珪素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得る珪素含有基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体100重量部、
    (B)水性塗料1〜500重量部
    を含有することを特徴とする室温硬化性組成物。
  2. 前記飽和炭化水素系重合体(A)が下記式1で示される化合物1である請求項1記載の室温硬化性組成物。
    Figure 0003936082
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