JP3934836B2 - 非破壊検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非破壊検査装置に係り、特に、ポンプによる真空吸引によって消耗品であるフィラメント部の交換を可能にした開放型X線発生装置を利用した非破壊検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野に利用されるX線発生装置として、特表平10−503618号公報がある。この公報に記載されたX線発生装置では、カソードから放出される電子ビームが、コイルの電磁作用によってターゲットに焦点を結ぶように放出され、ターゲットからは検査対象物に向かってX線ビームが照射される。ここで、X線発生装置は、160KVという極めて高い電圧で動作することから大型の高圧電源装置を別途有し、この高圧電源装置は、高圧ケーブルによってX線発生装置に接続されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、X線発生装置を駆動させる高圧電源装置は、100kV〜300kVという極めて高い電圧を発生させる構造から、この電圧をX線発生装置まで送電する高圧ケーブルは、極めて太く(例えば40mm径)重いものとならざるを得ない。このような高圧ケーブルは、その取り扱いを極めて厳格に管理する必要がある。すなわち、この高圧ケーブルは、その高圧特性及びその構造ゆえに曲げ自由度が極めて少なく、しかもX線発生装置への接続にあたっては、漏電による災害を防止するため細心の注意が必要とされ、また、接続箇所からの漏電を防止するために定期的な保守を必要とし、作業者や利用者に過度の負担を強いるものであった。更に、高圧ケーブルの重さは、作業者の負担を更に増す要因にもなっていた。
【0004】
そして、このようなX線発生装置を非破壊検査装置に設置させる場合、高圧ケーブルの曲げ自由度が極めて少ない故に、高圧ケーブルがX線発生装置の下部から延びるようなものでは、X線発生装置は、非破壊検査装置に宙づり状態で設置され、その結果として、不安定な固定状態となる。このような制約は、高圧ケーブルの這い回しの悪さに起因するものである。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、特に、フィラメント部を交換可能にした開放型X線発生装置を安定して設置させるようにした非破壊検査装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明の非破壊検査装置は、交換可能なフィラメント部を有する電子銃から放出した電子をターゲットに照射して、ターゲットからX線を放出させる開放型X線発生装置から発生させるX線を検査対象物に照射させ、検査対象物の状態をX線カメラによって撮像させる非破壊検査装置において、
開放型X線発生装置は、
内部にコイル部を有すると共に、コイル部によって包囲された電子通路を有し、ポンプによって真空引きされる筒状部と、
筒状部の基端側に固定されると共に、高圧発生部を樹脂モールドしたモールド電源部とを備え、
筒状部の一端側に設けられたターゲットを上にし、筒状部の他端側に設けられたモールド電源部を下にした状態で、モールド電源部が据え付け固定され、
筒状部は、モールド電源部に基端側を固定させた固定部と、固定部の先端側に取り付けられた着脱部とを有し、固定部内にはフィラメント部が収容され、着脱部内にはコイル部及び電子通路が設けられていることを特徴とする。
【0007】
この非破壊検査装置は、ポンプによる真空吸引を利用し、消耗品であるフィラメント部の交換を可能にし、メンテナンスの向上を図ったものである。このような装置は、耐久性が要求されると同時に取り扱い易さも求められている。そこで、取り扱い性の向上を図るために高圧ケーブルを無くすべく、高圧(例えば160kV)化する高圧発生部を樹脂でモールドさせたモールド電源部を採用し、このモールド電源部を筒状部の基端側に固定させることで電源一体型の装置を実現させたものである。このように、高圧発生部を樹脂モールド内に閉じ込めることで、高圧発生部の構成の自由度が格段に向上することになる。更に、重量のあるモールド電源部を下にし、ターゲットを上にするように設置させることで、X線発生装置を安定した状態で非破壊検査装置に設置させることができる。しかも、従来のような高圧ケーブルの必要性をなくす結果として、重量のあるモールド電源部を非破壊検査装置に据え付け固定させることができ、X線発生装置の更なる安定化が図られることになる。
さらに、筒状部は、モールド電源部に基端側を固定させた固定部と、固定部の先端側に取り付けられた着脱部とを有する。例えば、フィラメント部の交換時に着脱部が横に倒れるような開閉形式の場合でも、重量のあるモールド電源部が下になった状態でベース板上に据え付けられている結果、コイル部及び電子通路を備えた着脱部を横倒しにしても、重量バランスが崩れ難く、X線発生装置の据え付け安定性が保たれ易くなっている。さらに、本発明では、フィラメント部を交換可能にするために、固定部内にフィラメント部を収容し、着脱部内にコイル部及び電子通路を設けた構成が採用されている。
【0008】
請求項2に係る非破壊検査装置において、モールド電源部は、振動吸収板を介して据え付け固定されていると好ましい。このような構成を採用した場合、X線発生装置を、外部からの振動の影響を受け易いマイクロフォーカスX線源として構成させることが可能となる。
【0009】
請求項3に係る非破壊検査装置において、筒状部は、モールド電源部に基端側を固定させた固定部と、固定部の先端側に取り付けられた着脱部とを有すると好ましい。例えば、フィラメント部の交換時に着脱部が横に倒れるような開閉形式の場合でも、重量のあるモールド電源部が下になった状態でベース板上に据え付けられている結果、着脱部を横倒しにしても、重量バランスが崩れ難く、X線発生装置の据え付け安定性が保たれ易くなっている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による非破壊検査装置の好適な一実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1に示すように、このX線発生装置1は、開放型であり、使い捨てに供される閉鎖型と異なり、真空状態を任意に作り出すことができ、消耗品であるフィラメント部Fやターゲット10の交換を可能にしている。このX線発生装置1は、動作時に真空状態になる円筒形状のステンレス製筒状部2を有している。この筒状部2は、下側に位置する固定部3と上側に位置する着脱部4とで二分割され、着脱部4はヒンジ部5を介して固定部3に取り付けられている。従って、着脱部4が、ヒンジ部5を介して横倒しになるように回動することで、固定部3の上部を開放させることができ、固定部3内に収容されているフィラメント部(カソード)Fへのアクセスを可能にする。
【0012】
この着脱部4内には、電磁偏向レンズとして機能する上下一対の筒状のコイル部6,7が設けられると共に、コイル部6,7の中心を通るよう、筒状部2の長手方向に電子通路8が延在し、この電子通路8はコイル部6,7で包囲される。また、着脱部4の下端にはディスク板9が蓋をするように固定され、このディスク板9の中心には、電子通路8の下端側に一致させる電子導入孔9aが形成されている。
【0013】
更に、着脱部4の上端は円錐台に形成され、この頂部には、電子通路8の上端側に位置して電子透過型のX線出射窓を形成するディスク状ターゲット10が装着されている。このターゲット10は、フィラメントFから発生して電子通路8を通過した電子をX線に変換する部材からなると共に、着脱自在な回転式キャップ部11内にアースさせた状態で収容されている。従って、キャップ部11の取り外しによって、消耗品であるターゲット10の交換も可能になる。
【0014】
これに対し、固定部3には真空ポンプ12が固定され、この真空ポンプ12は筒状部2内全体を高真空状態にするためのものである。すなわち、X線発生装置1が真空ポンプ12を装備することによって、消耗品であるフィラメント部Fやターゲット10の交換が可能になっている。
【0015】
ここで、筒状部2の基端側には、電子銃16との一体化が図られたモールド電源部14が固定されている。このモールド電源部14は、電気絶縁性の樹脂(例えば、エポキシ樹脂)でモールド成形させたものであると共に、金属製のケース40内に収容されている。そして、筒状部2の固定部3の下端(基端)は、ケース40の上板40bに対し、シールさせた状態でネジ止め等によりしっかりと固定されている。
【0016】
図2に示すように、このモールド電源部14内には、高電圧(例えば、ターゲット10をアースさせる場合には最大−160kV)を発生させるようなトランスを構成させた高圧発生部15が封入されている。具体的に、このモールド電源部14は、下側に位置して直方体形状をなすブロック状の電源本体部14aと、この電源本体部14aから上方に向けて固定部3内に突出する円柱状のネック部14bとからなる。この高圧発生部15は、重い部品であるから電源本体部14a内に封入され、装置1全体の重量バランスから、できるだけ下側に配置させることが好ましい。
【0017】
また、ネック部14bの先端部には、電子通路8を挟むように、ターゲット10に対峙させるよう配置させた電子銃16が装着されている。この電子銃16は、図3に示すように、ネック部14bに装着させるグリッドベース17を有し、このグリッドベース17は、ネック部14aの先端面に埋め込まれたグリッド用端子18に対してネジ部19を介して固定されている。
【0018】
また、ネック部14bには、その先端面にフィラメント用端子20が埋め込まれている。この端子20には、ヒータソケット21がねじ込まれており、このヒータソケット21の先端にフィラメント部Fが着脱自在に取り付けられている。なおフィラメント部Fは、ヒータソケット21に差込まれるヒータピン22と、このヒータピン22を支持するヒータベース23とからなり、ヒータピン22がヒータソケット21に対して取り外し自在になっている。
【0019】
更に、フィラメント部Fは、グリッドキャップ24によって蓋がなされるように被せられ、グリッド固定リング25をグリッドベース17にねじ込むことで、グリッドキャップ24を上から押え込む。その結果、グリッドキャップ24内に収容させたフィラメント部Fのヒータベース23が押えリング26との協働により固定されることになる。このようにして、フィラメント部Fは、必要に応じて交換できる構成となる。
【0020】
このような構成の電子銃16は、グリッド用端子18に電気的に接続させたグリッドベース17とグリッド固定リング25とグリッドキャップ24とによってグリッド部30が構成される。これに対して、ヒータソケット21を介してフィラメント用端子20に電気的に接続させたフィラメント部Fがカソード電極を構成する。
【0021】
図2に示すように、モールド電源部14の電源本体部14a内には、高圧発生部15に電気的に接続させた電子放出制御部31が封入され、この制御部31によって、電子の放出のタイミングや管電流などを制御している。そして、この電子放出制御部31が、グリッド用端子18及びフィラメント用端子20に対し、グリッド接続配線32及びフィラメント接続配線33を介してそれぞれ接続され、各接続配線32,33は、供に高電圧に印加されるゆえにネック部14b内に封入される。
【0022】
すなわち、高圧発生部15はもとより、グリッド部30に給電するグリッド接続配線32及びフィラメント部Fに給電するフィラメント接続配線33は、高電圧化することになる。具体的には、ターゲット10がアースされる場合、最大−160kVを高圧発生部15で作り出すことができる。このとき、高圧(−160kV)にフローティングされた状態でグリッド接続配線32には、−数百Vが印加され、フィラメント接続配線33には、−2〜3Vが印加される。
【0023】
従って、高電圧化するこのような各給電部品を電気絶縁性の樹脂モールド内に閉じ込めることにより、高圧発生部15の構成の自由度や配線32,33の曲げ自由度を格段に向上させることができ、これによって、モールド電源部14の小型化を促進させることができ、結果的に装置自体の小型化が図られ、装置1の取り扱い性が格段に向上することになる。
【0024】
更に、図1〜図3に示すように、電源本体部14aには、ネック部14bの付け根部分を環状に包囲する溝部34が設けられている。この溝部34によって、グリッドベース17とケース40との沿面距離が増大され、モールド電源部14の表面で引き起こされる沿面放電を有効に回避させることができる。また、電源本体部14aから筒状部2内に向けて延びるネック部14bによって、モールド電源部14との沿面距離を増大させることができ、モールド電源部14が真空状態において、モールド電源部14の表面で引き起こされる沿面放電を適切に防止することができる。
【0025】
ここで、図2及び図4に示すように、電源本体部14aは、金属製のケース40内に収容され、電源本体部14aとケース40との間に隙間Sを設け、この隙間S内に高電圧制御部41を配置させる。このケース40には、外部電源に接続させるための電源用端子43が固定され、高電圧制御部41はこの電源用端子43に接続されると共に、モールド電源部14内の高圧発生部15及び電子放出制御部31に対してそれぞれ配線44,45を介して接続されている。また、外部からの制御信号に基づき、高電圧制御部41によって、トランスを構成する高圧発生部15で発生させ得る電圧を、高電圧(例えば160kV)から低電圧(0V)までコントロールしている。更に、電子放出制御部31により、電子の放出のタイミングや管電流などをコントロールする。このように、モールド電源部14の直近に高電圧制御部41を配置させ、ケース40内に高電圧制御部41を格納することで、装置1の取り扱い性が格段に向上する。
【0026】
このような高電圧制御部41には様々な電子部品が実装されている。従って、各部品の動作特性を安定させるにあたって冷却させることが肝要である。そこで、ケース40には冷却ファン46が取り付けられ、この冷却ファン46によって、隙間S内で空気が流動する結果、高電圧制御部41が強制的に冷却されることになる。
【0027】
更に、図5に示すように、この隙間Sは、電源本体部14aの外周を包囲するように、ケース40の内周面40aと電源本体部14aの外壁面14aAとで形成されている。そして、ケース40の側面には左右一対の吸気口47が設けられている。従って、この吸気口47と冷却ファン46との協働により、高電圧制御部41が冷却されるのみならず、モールド電源部14の表面も冷却することが可能となる。これにより、モールド電源部14内にモールドされている様々な部品の動作特性を安定させることができ、モールド電源部14の延命化が図られている。なお、符号47を排気口とし、冷却ファン46で空気を導入させるようにしてもよい。
【0028】
このX線発生装置1において、図6に示すように、ケース40には、ターミナル部48が固定されている。このターミナル部48には、外部電源に接続させるコントローラ49を、着脱自在な配線60,62を介して連結させるための電源用端子43が設けられている。なお、一方の端子43は高電圧制御部41に接続され、他方の端子43はコイル用端子56に接続されている。このような端子43を利用することで、X線発生装置1への適切な給電が行われる。更に、ターミナル部48にはコイル用端子56が設けられ、この端子56には着脱自在な2本のコイル制御配線50,51がそれぞれ接続され、各コイル制御配線50,51は各コイル部6,7にそれぞれ接続される。これによって、各コイル部6,7への個別的な給電制御を行っている。
【0029】
従って、コントローラ49の制御に基づき、一方の端子43を介して、ケース40内の高電圧制御部41から、モールド電源部14の高圧発生部15及び電子放出制御部31に電力及び制御信号がそれぞれ供給される。それと同時に、他方の端子43に接続させた配線50,51を介してコイル部6,7にも給電される。その結果、フィラメント部Fから適切な加速度をもって電子が出射され、制御させたコイル部6,7で電子を適切に収束させ、ターゲット10に電子が衝突することで、X線が外部に照射されることになる。
【0030】
また、フィラメント部Fやターゲット10の交換時に利用されるポンプコントローラ52は、配線53,54を介してターボポンプ12及び排気ポンプ55をそれぞれ制御している。更に、ターボポンプ12と排気ポンプ55とを配管61を介して接続させる。このような2段ポンプの構成によって、筒状部2内で高い真空度を達成させることができる。
【0031】
また、ターミナル部48のポンプ用端子57には、着脱自在な配線58を介してターボポンプ12からの真空度測定信号が送り込まれる。これに対し、他方のポンプ用端子57は、着脱自在な配線59を介してコントローラ49に接続される。よって、筒状部2内の真空度が、配線58及び59を介してコントローラ49で適切に管理されることになる。
【0032】
次に、前述した開放型X線発生装置1が利用される一例として、非破壊検査装置70について説明する。
【0033】
図7に示すように、この非破壊検査装置70は、回路基板(検査対象物)71に実装させた電子部品のリード等の接合箇所の良否検査に利用されるものである。X線発生装置1は、ターゲット10を上にして、重量のあるモールド電源部14を下にした状態で、モールド電源部14が非破壊検査装置70の下部に据え付け固定される。このような据え付けは、X線発生装置1の重量バランスを考慮した配置であり、転倒しにくいX線発生装置1の安定した設置を可能にする。従って、X線発生装置1の重心位置が下方にある結果、フィラメント部Fを交換するにあたって、着脱部4を、ヒンジ部5を介して横に倒れるように回動させた場合でも、X線発生装置1を安定した状態に保つことが容易となる(図1参照)。
【0034】
また、このX線発生装置1は、前述した構成から分るように、太くて曲げ自由度の極めて少ない高圧ケーブルを必要としない。その結果、X線発生装置1を宙づり状態で非破壊検査装置70に設置させることを必要とせず、ベース板73に載せるような設置を可能にし、その設置の自由度が極めて高いといえる。
【0035】
更に、X線発生装置1は、ゴム材等からなる振動吸収板72を介して、非破壊検査装置70のベース板73に固定される。この振動吸収板72の採用により、X線発生装置1をマイクロフォーカスX線源として適切に利用することが可能となる。
【0036】
具体的には、図1に示すように、モールド電源部14における電源本体部14aの下面には雌ネジ74がモールド成形時に一体に埋め込まれる。そして、この雌ネジ74と雄ネジ75との協働により、ケース40の底面に振動吸収板72を固定させる。また、この振動吸収板72は、据え付けネジ76によって非破壊検査装置70のベース板73に固定される。このように、高圧ケーブルの無いX線発生装置1は、ネジのような簡単な締結手段のみで据え付けることができ、作業性の向上に大きく寄与するものである。
【0037】
このように据え付けられたX線発生装置1を有する非破壊検査装置70では、図7に示すように、ターゲット10に対峙するような真上にX線カメラ80が設置され、回路基板71を透過したX線はX線カメラ80で撮像される。また、回路基板71は、駆動回路81で制御されたマニュプレータ82によって適切な角度をもって傾けられる。
【0038】
従って、回路基板71を適切にスイングさせることで、電子部品のリード部分の接合状態を立体的に観察することが可能となる。また、X線カメラ80で捕らえられた像は、画像処理装置83に送られてモニター84によって画面に写し出されることになる。なお、コントローラ49、駆動回路81、画像処理装置83及びモニター84は、入出力可能なパソコン85によって管理されている。
【0039】
【発明の効果】
本発明による非破壊検査装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得る。すなわち、交換可能なフィラメント部を有する電子銃から放出した電子をターゲットに照射して、ターゲットからX線を放出させる開放型X線発生装置から発生させるX線を検査対象物に照射させ、検査対象物の状態をX線カメラによって撮像させる非破壊検査装置において、
開放型X線発生装置は、
内部にコイル部を有すると共に、コイル部によって包囲された電子通路を有し、ポンプによって真空引きされる筒状部と、
筒状部の基端側に固定されると共に、高圧発生部を樹脂モールドしたモールド電源部とを備え、
筒状部の一端側に設けられたターゲットを上にし、筒状部の他端側に設けられたモールド電源部を下にした状態で、モールド電源部が据え付け固定され、
筒状部は、モールド電源部に基端側を固定させた固定部と、固定部の先端側に取り付けられた着脱部とを有し、固定部内にはフィラメント部が収容され、着脱部内にはコイル部及び電子通路が設けられていることにより、フィラメント部を交換可能にした開放型X線発生装置を安定して設置させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非破壊検査装置に適応させる開放型X線発生装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示したX線発生装置のモールド電源部を示す断面図である。
【図3】図1に示したX線発生装置の電子銃を示す断面図である。
【図4】図2に示したモールド電源部の外観を示す側面図である。
【図5】図4に示したモールド電源部のケースの断面図である。
【図6】X線発生装置の駆動制御部分を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る非破壊検査装置の一実施形態を示す概略図である。
【符号の説明】
F…フィラメント部、S…隙間、1…X線発生装置、2…筒状部、3…固定部、4…着脱部、6,7…コイル部、8…電子通路、10…ターゲット、12…ポンプ、14…モールド電源部、14a…電源本体部、14b…ネック部、15…高圧発生部、16…電子銃、30…グリッド部、32…グリッド接続配線、33…フィラメント接続配線、34…溝部、40…ケース、41…高電圧制御部、43…電源用端子、46…冷却ファン、48…ターミナル部、56…コイル用端子、57…ポンプ用端子、70…非破壊検査装置、71…回路基板(検査対象物)、72…振動吸収板、73…ベース板、80…X線カメラ。
Claims (2)
- 交換可能なフィラメント部を有する電子銃から放出した電子をターゲットに照射して、前記ターゲットからX線を放出させる開放型X線発生装置から発生させるX線を検査対象物に照射させ、前記検査対象物の状態をX線カメラによって撮像させる非破壊検査装置において、
前記開放型X線発生装置は、
内部にコイル部を有すると共に、前記コイル部によって包囲された電子通路を有し、ポンプによって真空引きされる筒状部と、
前記筒状部の基端側に固定されると共に、高圧発生部を樹脂モールドしたモールド電源部とを備え、
前記筒状部の一端側に設けられた前記ターゲットを上にし、前記筒状部の他端側に設けられた前記モールド電源部を下にした状態で、前記モールド電源部が据え付け固定され、
前記筒状部は、前記モールド電源部に基端側を固定させた固定部と、前記固定部の先端側に取り付けられた着脱部とを有し、前記固定部内には前記フィラメント部が収容され、前記着脱部内には前記コイル部及び前記電子通路が設けられていることを特徴とする非破壊検査装置。 - 前記モールド電源部は、振動吸収板を介して据え付け固定されていることを特徴とする請求項1記載の非破壊検査装置。
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