JP4439299B2 - 内視鏡装置用光源装置 - Google Patents

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本発明は、内視鏡用光源装置に関し、特に光源装置からの輻射ノイズを画像処理装置に対して遮蔽する遮蔽板を有する内視鏡用光源装置に関する。
従来、キセノンランプをはじめとする放電ランプなどの光照射装置は、高輝度を必要とする光源装置などで使われている。
放電ランプは、発光管部内に、陽極と陰極が数mmから十数mmの距離を持ち、対向して配置される電極間距離が比較的短いタイプのランプである。この電極間に高電圧パルスを印加してアーク放電を起こすと、アーク柱と呼ばれる放電部分から強い発光を生じる。
このアーク放電によって放電ランプは、強い光を放つ一方で、輻射熱、及び輻射ノイズを生じさせる。輻射熱を、放熱させるためには公知のヒートシンクが用いられ、操作スイッチなどの各部に伝達させないためには、遮蔽板が用いられる。一例として、特許文献1は、ランプハウスなどに設けた遮蔽板によって、輻射熱を操作スイッチに伝達させない遮蔽板を開示している。
特開2000−102503号公報
しかし、公知のヒートシンクによって輻射熱の放熱効果が得られ、特許文献1の装置によって、操作スイッチなどの各部への輻射熱の伝達防止効果が得られるが、放電ランプの輻射ノイズの問題は考慮されていない。そのため、放電ランプの点灯時に必要とされる高電圧パルスの影響で、内視鏡装置の各部、特にスコープで撮像した電気信号をモニタで観察可能な画像信号に変換する画像処理装置のメインCPUなどが誤動作する可能性がある。
したがって本発明の目的は、放電ランプの点灯に必要な高電圧パルスによる輻射ノイズの影響を、画像処理装置に与えない遮蔽板を備えた内視鏡用光源装置を提供することである。
本発明に係る、内視鏡用光源装置は、放電ランプを保持し、かつ放電ランプの輻射熱を放熱するランプハウスと、ランプハウスを介して放電ランプに高電圧パルスを供給するイグナイタと、導電性の遮蔽板を備える。遮蔽板は、スコープで撮像した電気信号をモニタで観察可能な画像信号に変換する画像処理装置と、ランプハウス、イグナイタの間に配置される。これにより、イグナイタ、放電ランプを含むランプハウスが、画像処理装置と隔離されるので、放電ランプの点灯に必要な高電圧パルスによる輻射ノイズの影響が、画像処理装置に及ばない。
好ましくは、遮蔽板は、ランプハウス、及びイグナイタと、イグナイタに電力供給するランプ電源、及び画像処理装置に電力供給するシステム電源との間も遮蔽する。これにより、ランプハウス、イグナイタを、輻射ノイズの観点から完全に隔離することが可能になる。
また、好ましくは、遮蔽板は、接地されている。これにより、遮蔽板は、吸収した放電ランプを含む光源装置からの輻射ノイズを、アースを介して放出することができる。
また、好ましくは、遮蔽板は、ランプハウスの有する冷却ファンに吸気させる通気穴を備える。これにより、輻射ノイズの遮蔽とともに、ランプハウスの冷却ファンの吸気もスムーズに行える。
さらに好ましくは、通気穴は、ランプハウスに備えられ放電ランプを冷却する冷却ファンの周辺の上部から下部に向けて穴径が小さくなるように配置される。これにより、比較的温かい空気だけを効率よく冷却ファンに向けて吸気させることが可能になる。
また、好ましくは、遮蔽板は、イグナイタ、及びイグナイタとランプハウスの間に接続される高圧ケーブルと少なくとも10mm以上離れて配置される。これにより、容量結合による高電圧パルスの電圧低下を抑えることが可能になる。
以上のように本発明によれば、放電ランプの点灯に必要な高電圧パルスによる輻射ノイズの影響を、画像処理装置に与えない遮蔽板を備えた内視鏡用光源装置を提供することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。図1は、内視鏡装置の構成図である。図2は、図1におけるイグナイタ50、ランプハウス60、冷却ファン90、及び遮蔽板200の側面図である。
内視鏡装置は、スコープ10、プロセッサ30、モニタ100から構成される。スコープ10は、プロセッサ30の光源装置から供給された光を被写体に当て、これを撮像する。撮像された電気信号は、プロセッサ30の画像処理装置によってモニタ100で観察可能な画像信号に変換され、モニタ100が画像信号を表示する。使用者は、スコープ10の図示しない先端部を患者の体腔内に挿入し、モニタ100の表示画像を見て、内視鏡装置を操作する。スコープ10の先端部には、放電ランプ70からの光が、図示しない集光レンズ、及び光誘導装置を介して供給される。
プロセッサ30の画像処理装置は、後処理回路80a、信号処理回路80b、及びパネル制御基板80cから構成される。スコープ10で撮像された電気信号は、信号処理回路80bで画像信号に変換され、後処理回路80aで、Videoコンポジット信号、Y/C分離信号などに変換してモニタ100に出力される。
パネル制御基板80cは、画像処理に関する画質調整などの設定スイッチを有し、使用者がこれを操作する。パネル制御基板80cは、後述する光源装置の操作に関するスイッチも有する。
プロセッサ30にあるシステム電源40bは、AC電源から供給された電圧を画像処理に関する各部に印加する。
プロセッサ30のケーシングは、アース線を介して接地されているが、信号処理回路80bは、感電防止のために、ケーシングに接続されておらず、電気的に絶縁された状態にある。他の部は、ケーシングに接続されている。
プロセッサ30の光源装置は、ランプ電源40a、イグナイタ50、ランプハウス60、放電ランプ70、パネル制御基板80c、冷却ファン90、及び遮蔽板200から構成される。使用者によるパネル制御基板80cの操作により、放電ランプ70の点灯が指示されると、ランプ電源40aは、AC電源から供給された電圧をイグナイタ50に印加する。イグナイタ50は、印加された電圧から高電圧パルスを発生させる。発生された高電圧パルスは、ランプハウス60内にある第1、第2ヒートシンク61、62を介して、放電ランプ70の第1口金部(陽極部)71、第2口金部(陰極部)72に印加される。所定の高電圧パルスが印加されると、第1口金部(陽極部)71、第2口金部(陰極部)72の間に絶縁破壊が生じ、アーク放電が開始される。
アーク放電により生じた光は、四方八方に発散する。発散した光は、放電ランプ70内の反射鏡(図示せず)により一定方向に反射させられる。反射した光は、射出窓73を通って、集光レンズや光誘導装置によってスコープ10の先端部に供給される。供給された光によって暗い体腔内の被写体を明るい光量下で観察することが可能になる。
イグナイタ50は、ランプ電源40aとランプハウス60にある第1、第2ヒートシンク61、62との間に接続される高電圧パルスの発生装置である。ランプ電源40a、ランプハウス60との接続は、高圧ケーブル55、56、63、64を介して行われる。
ランプハウス60は、放電ランプ70の放熱及び所定位置に保持する筐体であり、支持基板65、第1、第2ヒートシンク61、62から構成される。
支持基板65は、ベーク板などの絶縁材料からなり、第1、第2ヒートシンク61、62の周りを囲む。但し、放電ランプ70の光軸と平行する側面は、放電ランプ70の冷却ファン90による冷却のため支持基板65によって囲まれていない。また、第1、第2穴67、68が上面に設けられており、高圧ケーブル63、64が貫通される。また、放電ランプ70の射出窓73から延びる光束79と交差する部分は、光をスコープ10に誘導するための第3穴69が設けられている。
第1、第2ヒートシンク61、62は、放電ランプ70の第1口金部(陽極部)71、第2口金部(陰極部)72と接触することにより、放電ランプ70の点灯による熱を放射する金属部材である。放熱性を高めるため、第1、第2ヒートシンク61、62は、多数の放熱フィンを有する。
第1、第2ヒートシンク61、62は、支持基板65を貫通した高圧ケーブル63、64と固着され、イグナイタ50からの高電圧パルスの印加を受ける。また、支持基板65にも固着される。第1ヒートシンク61は放電ランプ70の第1口金部(陽極部)71と接触することにより電気的に導通され、第2ヒートシンク62は放電ランプ70の第2口金部(陰極部)72と接触することにより電気的に導通される。
また、放電ランプ70を所望の方向に水平に保持し、光束79を所望の方向に定めるため、第1ヒートシンク61は、くぼみ形状の第1保持部61aで、放電ランプ70の第1口金部(陽極部)71を、第2ヒートシンク62は、穴形状の第2保持部62aで、放電ランプ70の第2口金部(陰極部)72を保持する。第1、第2保持部61a、62aの大きさは、放電ランプ70と接触面積を多くして保持するために、第1口金部(陽極部)71、第2口金部(陰極部)72の径と同程度に設定される。第2保持部62aは、射出窓73から照射される光を通す。
従って、支持基板65は、第1、第2ヒートシンク61、62を、その間に、放電ランプ70を保持できるような間隔で、固着する。
放電ランプ70は、横置き型円筒形のキセノンランプ、またはハロゲンランプで、一端面を石英ガラスからなる射出窓73としてその外周部に第2口金部(陰極部)72が設けられ、他端部の外周部及び端面に第1口金部(陽極部)71が設けられている。放電ランプ70の内部には反射鏡(不図示)と射出窓73の間の空間に、キセノンガスなどが封入されている。本実施形態では、横置き型円筒形のキセノンランプの構造で説明するが、他の放電ランプであってもよい。ランプ点灯時にイグナイタ50による高電圧パルスを必要とする放電ランプであれば、同様の輻射ノイズの問題が生じるからである。
冷却ファン90は、ランプハウス60内にある第1、第2ヒートシンク61、62、及び放電ランプ70に空気を送り、空冷により放熱を進める役割を果たす。
遮蔽板200は、放電ランプ70などの光源装置から発生する輻射ノイズ、すなわち電磁波を吸収し、その影響を、後処理回路80a、信号処理回路80bなどの画像処理装置に及ぼさないようにする導電金属製の遮蔽板である。遮蔽板200は、イグナイタ50やランプハウス60と、後処理回路80aや信号処理回路80bとを遮断するように配置される。また、図1のように、遮蔽板200は、さらにイグナイタ50、及びランプハウス60と、ランプ電源40a、及びシステム電源40bとも遮蔽するように配置され、イグナイタ50とランプハウス60を、輻射ノイズの観点から完全に隔離する構成とするのが望ましい。形状は、図1のようにカギ状であっても、他の形状であってもよい。また、図2に示すように、イグナイタ50やランプハウス60の高さよりも高く設定するのが望ましい。遮蔽板200は、プロセッサ30のケーシングに接続される。
遮蔽板200は、イグナイタ50、高圧ケーブル63、64との間は、少なくとも10mm以上離して配置する。近接して配置すると容量結合により高電圧パルスの電圧が低下するからである。
放電ランプ70を点灯させる際には、イグナイタ50が高電圧パルスを発生させ、放電ランプ70の第1口金部(陽極部)71、第2口金部(陰極部)72に印加する。この高電圧パルスが、イグナイタ50、高圧ケーブル63、64、放電ランプ70から輻射ノイズ(電磁波)を発生させる。輻射ノイズ(電磁波)は、画像処理装置の後処理回路80aや信号処理回路80bなどにあって、特に制御を司るCPUなどに誤動作を発生させる原因となり得る。しかし、輻射ノイズ(電磁波)が、後処理回路80aや信号処理回路80bに到達する手前にある遮蔽板200が、輻射ノイズ(電磁波)を吸収する。吸収された輻射ノイズ(電磁波)は、ケーシング及びアース線を介して放出される。そのため、CPUなどを誤動作させることはない。
なお、本実施形態では、遮蔽板200を、板形状として説明したが、他の実施形態として、板状であって更に、冷却ファン90の周辺に複数の通気穴を備える形状が考えられる(不図示)。冷却ファン90は、ランプハウス60に空気を流して、第1、第2ヒートシンク61、62、及び放電ランプ70を空冷するが、冷却ファン90の近くに設置される遮蔽板200によって、吸気が遮られると、充分な空冷が行えない。そこで、冷却ファン90の吸気が行われる領域について、1又は複数の穴を遮蔽板200に設けることにより、吸気がスムーズに行えるようにするものである。
通気穴の大きさは、輻射ノイズの観点からは、出来る限り小さい方が望ましく、冷却ファン90への吸気効率の観点からは大きい方が望ましいので、これらのバランスを考慮する。また、冷却ファン90の周辺の上部から下部にかけて穴径が小さくなるように配置されると、比較的温かい空気だけを効率良く吸気することができる(不図示)。
なお、いずれの実施形態も、内視鏡における光源装置を説明したが、使用用途はこれに限られない。イグナイタと放電ランプを使って光を照射する必要性のある光源装置、例えばプロジェクター装置などでも同様の効果を得られる。
本実施形態の内視鏡装置の構成を示す図である。 イグナイタ、ランプハウス、冷却ファン、及び遮蔽板の側面図である。
符号の説明
10 スコープ
30 プロセッサ
50 イグナイタ
60 ランプハウス
61、62 第1、第2ヒートシンク
70 放電ランプ
71 第1口金部(陽極部)
72 第2口金部(陰極部)
80a 後処理回路
80b 信号処理回路
90 冷却ファン
100 モニタ
200 遮蔽板

Claims (4)

  1. 放電ランプを保持し、前記放電ランプの輻射熱を放熱するランプハウスと、
    前記ランプハウスを介して、前記放電ランプに高電圧パルスを供給するイグナイタと、
    導電性の遮蔽板とを備え、
    前記遮蔽板は、スコープで撮像した電気信号をモニタで観察可能な画像信号に変換する画像処理装置と、前記ランプハウスとの間、及び前記画像処理装置と前記イグナイタとの間に設けられ、
    前記遮蔽板は、前記ランプハウスの有する冷却ファンに吸気させる複数の通気穴を備え、
    前記複数の通気穴の穴径は、前記ランプハウスに備えられ前記放電ランプを冷却する冷却ファンの周辺の上部に位置するものほど大きく、前記冷却ファンの周辺の下部に位置するものほど小さくなるように形成されることを特徴とする内視鏡用光源装置。
  2. 前記遮蔽板は、前記ランプハウス、及び前記イグナイタと、前記イグナイタに電力供給するランプ電源、及び前記画像処理装置に電力供給するシステム電源との間も遮蔽することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
  3. 前記遮蔽板は、接地されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
  4. 前記遮蔽板は、前記イグナイタ、及び前記イグナイタと前記ランプハウスの間に接続される高圧ケーブルと少なくとも10mm以上離れて配置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
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