JP3934579B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気弁や排気弁の開閉タイミングを運転状態に応じて制御するバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関のクランクシャフトと同期回転するタイミングプーリやチェーンスプロケット等の駆動力伝達部材と、外周に駆動カムを有するカムシャフトとの組付角を回動操作することにより、機関弁(吸気弁または排気弁)の開閉タイミングを可変制御するバルブタイミング制御装置が従来より案出されている(特許文献1参照)。
【0003】
この公報に記載のバルブタイミング制御装置は、駆動力伝達部材側のハウジングの内部に、カムシャフトの端部に一体に取り付けられたベーンロータを収容配置すると共に、前記ハウジングの内部に進角室と遅角室を設け、この各室に選択的に油圧を給排することによってベーンロータをハウジングに対して相対回動させ、それにより駆動力伝達部材とカムシャフトとの回転位相を変化させて機関弁の開閉タイミングを変更する基本構成となっている。
【0004】
また、機関の始動性を良好にするためには、吸気弁と排気弁の所謂オーバーラップを小さくする必要があるため、このバルブタイミング制御装置の場合、機関停止時に前記オーバーラップが最小になる側(吸気弁にあっては最遅角側、排気弁にあっては最進角側)においてベーンロータとハウジングを機械的にロックするロック機構が設けられている。
【0005】
即ち、この装置にあっては、図5に示すように、ベーンロータ1の羽根部にロックピン2が進退自在に設けられ、このロックピン2がスプリング3によって突出方向に付勢される一方で、初期位置(吸気弁と排気弁のオーバーラップが最小となる位置)において、このロックピン2が嵌合されるべくロック穴4がハウジング5側に設けられている。したがって、機関の停止時にベーンロータ1が初期位置に戻されると、ロックピン2がスプリング3の付勢力を受けて突出し、その先端部がロック穴4に嵌合される。
【0006】
また、この装置は、機関始動後にロック機構のロックを解除するために、進角室と遅角室の両油圧をロックピン2に作用させるロック解除機構を採用している。即ち、ベーンロータ1側でロックピン2を収容すべくピン孔6は、小径孔6aと大径孔6bを有する二段孔形状とされ、ロックピン2は、小径孔6内を入出する先端側の小径部2aと、この小径部2aに対してフランジ状に拡径し、大径孔6b内に収容される基端側の大径部2bとを有している。そして、ハウジング5側のロック穴4の底部には進角室と遅角室のうちの一方側の油圧が供給され、ピン孔6の大径孔6bと小径孔6aの間の段差面と、ロックピン2側の大径部2bとの間に形成された環状空間7には、進角室と遅角室のうちの他方側の油圧が供給されるようになっている。したがって、ロックピン2がロック穴4に嵌合された状態(ロック状態)において、進角室と遅角室の一方側の作動油の圧力が高まると、その圧力がスプリング3の力に抗してロックピン2を後退させるように作用する。
【0007】
【特許文献1】
特開平10-110603号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この従来のバルブタイミング制御装置においては、ベーンロータ1とハウジング5の相対回動位置が初期位置に達したときにロックピン2がロック穴4に確実に嵌合できるようにしなければならないが、初期位置でピン孔6とロック穴4の軸心位置が完全に合致するように製造することは実際上難しい。つまり、初期位置でピン孔6とロック穴4の軸心位置を合致させるためには、ハウジング5とベーンロータ1の製造精度や組付精度を高め、さらにピン孔6やロック穴4の加工精度等もすべて同様に高めなければならず、このようなことは現在の技術においては実際上不可能である。このため、従来においては、ロックピン2の小径部2aと大径部2bに対してピン孔6の小径孔6aと大径孔6bを大きめに形成しておき、ロックピン2とピン孔6の間に設けられたクリアランスdによってピン孔6とロック穴4の軸心の位置ずれを吸収できるようにしている。
【0009】
しかし、この従来のバルブタイミング制御装置の場合、ロックピン2とピン孔6について小径部2aと小径孔6a、大径部2bと大径孔6bの各間に同様のクリアランスdを設けるようにしているため、図5に一部拡大して示すように、ロックピン2がロック穴6に傾いた状態で嵌合しているときにロックピン2に解除油圧が作用すると、ロックピン2の大径部2bがコーナのエッジE部分でピン孔6(大径孔6b)の内面に引っ掛かり、ロックピン2のスムーズな抜けが阻害されてしまう。
【0010】
そこで本発明は、初期位置でのロックピンとロック穴の確実な嵌合と、スムーズなロック解除を実現できるようにして、初期位置でのベーンロータのばたつき防止と、位相変更の円滑化を図ることのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供しようとするものである。
【0011】
上述した課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、クランクシャフトによって回転駆動する駆動力伝達部材と、機関弁を駆動する駆動カムを回転させるカムシャフトとの相対回転位相を制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、前記駆動力伝達部材と前記カムシャフトのいずれか一方と一体に回転するハウジングと、前記駆動力伝達部材とカムシャフトのいずれか他方と一体に回転するベーンロータと、前記ハウジング内に設けられ、油圧によって前記ベーンロータを回動させる進角室及び遅角室と、前記ベーンロータとハウジングの一方側に設けられたピン孔にロックピンが進退自在に収容され、このロックピンの円錐状の先端部が前記ベーンロータとハウジングの他方側に設けられたテーパ面を有するロック穴に嵌合することによって、ベーンロータとハウジングの相対回動位置をロックするロック機構と、前記ロックピンの受圧面に進角室または遅角室の油圧を作用させてロック穴に対するロックピンの嵌合を解除するロック解除機構と、を備え、前記ピン孔は、ロックピンが入出する先端側に対して基端側が拡径して形成され、一方、前記ロックピンは、前記ロック穴側に位置される先端側の小径部と、この小径部に対して段差状に拡径する基端側の大径部とを有し、かつ前記小径部の先端側の面と大径部の小径部寄りの段差面が夫々進角室と遅角室の各一方の油圧を受ける受圧面とされ前記ロックピンの大径部と該大径部が進退動する前記ピン孔の大径孔との間のクリアランスを、前記ロックピンの小径部と該小径部が進退動する前記ピン孔の小径孔との間のクリアランスよりも大きく設定したことを特徴としている。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、クランクシャフトによって回転駆動する駆動力伝達部材と、機関弁を駆動する駆動カムを回転させるカムシャフトとの相対回転位相を制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、前記駆動力伝達部材と前記カムシャフトのいずれか一方と一体に回転するハウジングと、前記駆動力伝達部材とカムシャフトの他方と一体に回転するベーンロータと、前記ベーンロータとハウジングの一方側に設けられたピン孔にロックピンが進退自在に収容され、このロックピンの円錐状の先端部が前記ベーンロータとハウジングの他方側に設けられたテーパ面を有するロック穴に嵌合することによって、ベーンロータとハウジングの相対回動位置をロックするロック機構と、前記ロックピンの受圧面に進角室または遅角室の油圧を作用させてロック穴に対するロックピンの嵌合を解除するロック解除機構と、を備え、前記ピン孔は、ロックピンが入出する先端側に対して基端側が拡径して形成され、一方、前記ロックピンは、前記ロック穴側に位置される先端側の小径部と、この小径部に対して段差状に拡径する基端側の大径部とを有し、前記小径部の先端側の面と大径部の小径部寄りの段差面が夫々進角室と遅角室の各一方の油圧を受ける受圧面とされ、前記ロックピンの大径部と該大径部が進退動する前記ピン孔の大径孔との間のクリアランスを、前記ロックピンの小径部と該小径部が進退動する前記ピン孔の小径孔との間のクリアランスよりも大きく設定し、前記ロックピンが傾いた際に、該ロックピンの小径部が前記ピン孔の小径孔の内面に接触し、ロックピンの大径部はピン孔の大径孔の内面と非接触になるようにしたことを特徴としている。
【0014】
この出願の発明の場合、ロックピンがロック穴に傾いた状態で嵌合し、その状態からロックピンに解除油圧が作用すると、ロックピンの小径部がピン孔の小径孔部分に接触し、ロックピンのスムーズな抜けが阻害されることがなくなる。したがって、この発明によれば、ロックピンとピン孔の間にクリアランスを持たせることによってロックピンとロック穴の確実な嵌合を実現しつつ、ロック解除時のロックピンの円滑、かつ確実な作動を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態を示すものであり、図1において、11は、内燃機関のカムシャフトである。このカムシャフト11はシリンダヘッド12に回転自在に支持されると共に、その基幹部外周に機関弁である吸気弁を開閉するための図外の駆動カムが設けられている。本発明にかかるバルブタイミング制御装置10はこのカムシャフト11の前端部側に設けられている。
【0017】
バルブタイミング制御装置10は、図外のタイミングチェーン等を解して内燃機関のクランクシャフト(図示せず。)によって回転駆動される駆動力伝達部材としてのチェーンスプロケット13と、このチェーンスプロケット13が一体に形成されたハウジング14と、一端部にこのハウジング14が必要に応じて回転できるように組み付けられる前記カムシャフト11と、このカムシャフト11の一端にカムボルト15によって一体に結合され前記ハウジング14の内部に回動自在に収容されたベーンロータ16と、このベーンロータ16を内燃機関の運転状態に応じて油圧によって正逆回転させる油圧給排手段17と、機関の始動時等にハウジング14とベーンロータ16の相対回動を規制するロック機構18と、このロック機構18のロックを解除するロック解除機構23とを備えている。
【0018】
前記ハウジング14は、略円筒状のハウジング本体19と、このハウジング本体19の前後の端面にボルトによって結合されたフロントカバー20及びリアカバー21とを備えており、ハウジング本体19の内周面には、図2に示すように、90°間隔で断面台形状の仕切壁22が4つ突設されている。
【0019】
一方、前記ベーンロータ16は、カムシャフト11の前端部にカムボルト15によって結合される略円柱状の胴部24と、この胴部24の外周面に90°間隔で放射状に突設された4つの羽根部25を備えており、胴部24はハウジング14の軸心位置に配置され、各羽根部25はハウジング14の隣接する仕切壁22,22間に配置されている。そして、ベーンロータ16の各羽根部25の一方側の側面とそれに対峙する仕切壁22の間は進角室26とされ、各羽根部25の他方側の側面とそれに対峙する仕切壁22の間は遅角室27とされている。したがって、この装置においては進角室26と遅角室27の対が計4組設けられている。尚、各羽根部25と仕切壁22の先端部には、ばね付勢されたシール部材28が夫々装着され、隣接する室26,27間の液密が図られている。
【0020】
また、ベーンロータ16の胴部24の前端面の中央には接続穴29が形成され、この接続穴29の底部には、ベーンロータ16をカムシャフト11に結合するための前記カムボルト23の頭部が配置されている。さらに、接続穴29の内周面には前記各進角室26に連通する第1の径方向孔30の端部と、各遅角室27に連通する第2の径方向孔31の端部が夫々開口している。
【0021】
そして、前記ベーンロータ16の接続穴29には、シリンダヘッド12の前端側に取り付けられたVTCカバー32の円柱状の給排通路軸33が相対回転可能に嵌挿されており、この給排通路軸33を通して進角室26と遅角室27に対する作動油の給排が行われるようになっている。
【0022】
油圧給排手段17は、図1に示すように、給排通路軸33の内部通路と第1の径方向孔30を通して進角室26に油圧を給排する第1油圧通路34と、給排通路軸33の別の内部通路と第2の径方向孔31を通して遅角室27に油圧を給排する第2油圧通路35の2系統の油圧通路を有し、この両油圧通路34,35には、供給通路36とドレン通路37が夫々流路切換用の電磁切換弁38を介して接続されている。尚、図中39はオイルパンを示し、40はオイルポンプ、41はコントローラを示す。また、このコントローラ41には、カムシャフト11とクランクシャフトの回転信号の他、負荷や温度などの機関の運転状態を示す各種信号が入力されるようになっている。
【0023】
ロック機構18は、ベーンロータ16の一つの羽根部25に軸方向に沿って形成されたピン孔42に進退自在に収容されたロックピン43と、ピン孔42内に収容されてロックピン43をフロントカバー20方向に付勢するスプリング44と、ピン孔42内に収容されてスプリング44の逆側の端部を支持するリテーナ45と、フロントカバー20の内側面に設けられ、ベーンロータ16がハウジング14に対して遅角側に最大に変位した位置(初期位置)においてロックピン43の先端が嵌合されるロック穴46とを備えている。
【0024】
ピン孔42は、リアカバー21側の端部からフロントカバー20側の端部に向かって段差状に縮径して形成されており、フロントカバー20側の小径孔47とリアカバー21側の大径孔48を接続する段差面49は内周縁部のコーナが鈍角を成すようにテーパ状に傾斜している。一方、ロックピン43は、ピン孔42の小径孔47部分に嵌挿される先端側の小径部50と、この小径部50の基端側にフランジ状に拡径しピン孔42の大径孔48部分に嵌挿される大径部51を有し、さらに、小径部50の先端側には、ロック穴46に嵌合されるべく截頭円錐状の突起部52が設けられている。そして、ロックピン43は突起部52の先端面と、大径部51の小径部50側の段差側面が受圧面とされ、これらに適宜ロック解除油圧が作用するようになっている。
【0025】
即ち、ロック穴46の底部は解除通路53を介して進角室26に連通し、ピン孔42の段差面49とロックピン43の大径部51の間に形成された環状空間54は解除通路55を介して遅角室27に連通している。したがって、ロックピン43がロック穴46に嵌合された状態で進角室26側の圧力が高まると、ロックピン43を後退させるように突起部52の先端面に進角室27の圧力が作用し、また、遅角室27側の圧力が高まると、同様にロックピン43を後退させるように大径部48の側面に遅角室27の圧力が作用する。
【0026】
尚、この実施形態においては、ロック穴46の底部に連通する解除通路53と、ピン孔42とロックピン43の間の環状空間54、環状空間54に連通する解除通路55等によってロック解除機構23が構成されている。また、ロックピン43の大径部48の背部側の空間は、ベーンロータ16に形成されたドレン溝56を介して大気に連通している。
【0027】
ここで、ピン孔42とロックピン43の間には、ベーンロータ16とハウジング14が初期位置(最遅角位置)にあるときにロックピン43がロック穴46に確実に嵌合し得るように従来のものと同様に所定クリアランスが設けられている。しかし、このクリアランスについては、小径部50と小径孔47、大径部51と大径孔48の各間で異なり、大径部51と大径孔48の間のクリアランスd1は小径部50と小径孔47の間のクリアランスd2よりも大きく設定されている。
【0028】
つづいて、このバルブタイミング制御装置10の作動について説明する。
【0029】
内燃機関の始動時には、ベーンロータ16がハウジング14に対して遅角側に回動した状態でロック機構18のロックピン43が両者を機械的にロックしており、クランクシャフトの回転力はその状態においてカムシャフト11に伝達される。したがって、駆動カムとバルブスプリングの力に起因するトルク反力によってベーンロータ16がハウジング14に対してばた付く不具合は回避され、カムシャフト11は遅角タイミングで吸気弁を開閉することとなる。
【0030】
そして、こうして機関が始動されると、遅角室27に導入される作動油の圧力が次第に増大し、ベーンロータ16の各羽根部25が遅角室27の圧力を受けて遅角側に押圧される一方、ロックピン43の大径部51が同じ遅角室の圧力を受けて後退方向に押圧される。このときロックピン43は設定によってはロック穴46から完全に抜けないが、少なくともロック穴46に対して抜け易い状態が作られる。
【0031】
ところで、ロックピン43を収容するピン孔42と、ロックピン43の間にはクリアランスが設けられているため、ロックピン43はロック穴46に対して傾いた状態で嵌合されることがある。しかし、このような場合であっても、ロックピン43の大径部51側のクリアランスd1は小径部50側のクリアランスd2よりも大きく設定されているため、ロックピン43にロック解除油圧が作用したときに大径部51のコーナのエッジE部分がピン孔42の内面に引っ掛かるようなことはない(図3参照)。つまり、ロックピン43が傾く場合には、前述のクリアランスの関係(d1>d2)で、図3に示すようにロックピン43の小径部50がピン孔42(小径孔47)に先に当接し、ロックピン43の大径部51はピン孔42に対して非接触となる。
【0032】
また、この後に機関回転数が高まり、電磁切換弁38の操作によって供給通路36が進角室27に、ドレン通路37が遅角室27に夫々連通すると、進角室26に導入される高圧の作動油が解除通路53を通してロックピン43の先端の突起部52に作用し、ロックピン43がこの作動油の圧力を受けてピン孔42内に後退する。これにより、ロック機構18によるハウジング14とベーンロータ16の機械的なロックが完全に解除され、ベーンロータ16は進角室26の圧力を受けて進角側に回動する。この結果、カムシャフト11は進角タイミングで吸気弁を開閉することとなる。
【0033】
また、この状態から機関が停止しようとすると、駆動カムとバルブスプリングの力に起因するトルク反力によってベーンロータ16がハウジング14に対して最遅角位置に戻され、その状態でロックピン43がスプリング44の付勢力によってロック穴46に嵌合される。この結果、次の機関始動に備えたロック状態に維持される。尚、ベーンロータ16が最遅角位置に変位した状態においては、ピン孔42とロック穴46の軸心が完全に合致しないことがほとんどであるが、この場合であっても、ロックピン43はロック穴46内のテーパ面にガイドされつつピン孔42とのクリアランスd2の範囲で適宜動くことにより、ロック穴46に対して確実に嵌合される。
【0034】
図4は、本発明の第2の実施形態を示すものであり、図1〜図3に示した第1の実施形態と同一部分には同一符号を付してある。この実施形態のバルブタイミング制御装置110はロックピン43の大径部51の外周に環状溝58を設け、この環状溝58にピン孔42の内周面に密接する樹脂またはゴムから成るシールリング59(シール部材)を取り付けた点が第1の実施形態のものと異なっている。
【0035】
この装置の場合、基本的に第1の実施形態とほぼ同様の作用効果を得ることができるが、さらに、ロックピン43の大径部48の周域からの作動油の漏れをシールリング59によって確実に阻止することができるため、ロックピン43の解除作動をより迅速、確実なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図2のA−A線に沿う断面図。
【図2】同実施形態を示す図1のB−B線に沿う断面図。
【図3】同実施形態を示す図2のC−C線に沿う断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す図3に対応の断面図。
【図5】従来の技術を示す断面図。
【符号の説明】
10,110…バルブタイミング制御装置
11…カムシャフト
13…チェーンスプロケット(駆動力伝達部材)
14…ハウジング
16…ベーンロータ
17…油圧給排手段
18…ロック機構
23…ロック解除機構
26…進角室
27…遅角室
38…電磁切換弁
42…ピン孔
43…ロックピン
46…ロック穴
50…小径部
51…大径部

Claims (2)

  1. クランクシャフトによって回転駆動する駆動力伝達部材と、機関弁を駆動する駆動カムを回転させるカムシャフトとの相対回転位相を制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
    前記駆動力伝達部材と前記カムシャフトのいずれか一方と一体に回転するハウジングと、
    前記駆動力伝達部材とカムシャフトのいずれか他方と一体に回転するベーンロータと、
    前記ハウジング内に設けられ、油圧によって前記ベーンロータを回動させる進角室及び遅角室と、
    前記ベーンロータとハウジングの一方側に設けられたピン孔にロックピンが進退自在に収容され、このロックピンの円錐状の先端部が前記ベーンロータとハウジングの他方側に設けられたテーパ面を有するロック穴に嵌合することによって、ベーンロータとハウジングの相対回動位置をロックするロック機構と、
    前記ロックピンの受圧面に進角室または遅角室の油圧を作用させてロック穴に対するロックピンの嵌合を解除するロック解除機構と、を備え、
    前記ピン孔は、ロックピンが入出する先端側に対して基端側が拡径して形成され、
    一方、前記ロックピンは、前記ロック穴側に位置される先端側の小径部と、この小径部に対して段差状に拡径する基端側の大径部とを有し、かつ前記小径部の先端側の面と大径部の小径部寄りの段差面が夫々進角室と遅角室の各一方の油圧を受ける受圧面とされ
    前記ロックピンの大径部と該大径部が進退動する前記ピン孔の大径孔との間のクリアランスを、前記ロックピンの小径部と該小径部が進退動する前記ピン孔の小径孔との間のクリアランスよりも大きく設定したことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. クランクシャフトによって回転駆動する駆動力伝達部材と、機関弁を駆動する駆動カムを回転させるカムシャフトとの相対回転位相を制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
    前記駆動力伝達部材と前記カムシャフトのいずれか一方と一体に回転するハウジングと、
    前記駆動力伝達部材とカムシャフトの他方と一体に回転するベーンロータと、
    前記ベーンロータとハウジングの一方側に設けられたピン孔にロックピンが進退自在に収容され、このロックピンの円錐状の先端部が前記ベーンロータとハウジングの他方側に設けられたテーパ面を有するロック穴に嵌合することによって、ベーンロータとハウジングの相対回動位置をロックするロック機構と、
    前記ロックピンの受圧面に進角室または遅角室の油圧を作用させてロック穴に対するロックピンの嵌合を解除するロック解除機構と、を備え、
    前記ピン孔は、ロックピンが入出する先端側に対して基端側が拡径して形成され、
    一方、前記ロックピンは、前記ロック穴側に位置される先端側の小径部と、この小径部に対して段差状に拡径する基端側の大径部とを有し、前記小径部の先端側の面と大径部の小径部寄りの段差面が夫々進角室と遅角室の各一方の油圧を受ける受圧面とされ
    前記ロックピンの大径部と該大径部が進退動する前記ピン孔の大径孔との間のクリアランスを、前記ロックピンの小径部と該小径部が進退動する前記ピン孔の小径孔との間のクリアランスよりも大きく設定し、
    前記ロックピンが傾いた際に、該ロックピンの小径部が前記ピン孔の小径孔の内面に接触し、ロックピンの大径部はピン孔の大径孔の内面と非接触になるようにしたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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