JP3931618B2 - ディスクドライブ装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク状記録媒体とカード状記録媒体にそれぞれデータを記録及び/又は再生することができるディスクドライブ装置に属するものであって、特に、フロントパネルのカード挿入口を開閉する開閉扉の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在市販されているCD−ROM、DVD−ROM、CD−R/RW等の光ディスクや光磁気ディスク等のディスク状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するディスクドライブ装置には、メモリカード等のカード状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するためのカードドライブユニットは付設されていない。
【0003】
そこで、本発明の発明者(出願人)は、特開2001−22899号公報にて公開されているような、光ディスク等のディスク状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するディスクドライブユニットと、メモリカード等のカード状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するカードドライブユニットとの2種類のドライブユニットを搭載したトレー方式の高機能ディスクドライブ装置を既に出願している。
【0004】
この際、光ディスク等をトレーによって出し入れするようにフロントパネルに開口されているトレー出入口であるディスク挿入口は、ディスクローディング完了状態で、トレー自身のフロントパネル部で閉塞することができるので、このディスク挿入口には防塵用の開閉扉を設置する必要がない。
しかし、メモリカード等を抜き差しするようにフロントパネルに開口されたカード挿入口には、内開き方式の防塵用の開閉扉を設置することが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この際、この種ディスクドライブ装置のフロントパネルの内側に存在するスペースは既に非常に小さくなっていて、カード挿入口を内側から開閉する内開き方式の開閉扉を設置すること自体、決して容易ではない。
その上、例えば、上端側に配置された支点ピンを中心に開閉扉を前後方向に開閉するような単純な開閉構造を採用した場合には、その開閉扉の下端部分が支点ピンを中心として単純に円運動するので、その開閉扉の下端部分がフロントパネルの内側に配置されているプリント配線基板等の障害物と干渉し易い。そして、その干渉を避けるためには、その開閉扉の上下方向の長さを短くする等して、下端部分の回転半径を小さくしなければならず、その結果、開閉扉によるカード挿入口の密封性が損われてしまう等の矛盾が生じる問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、フロントパネルのカード挿入口を内側から開閉する開閉扉を狭いスペース内でスムースに開閉させることができ、しかも、その開閉扉によるカード挿入口の密封性も十分に確保することができるようにしたディスクドライブ装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明のディスクドライブ装置は、フロントパネルに形成されたディスク挿入口及びカード挿入口と、前記ディスク挿入口から挿入されたディスク状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するディスクドライブユニットと、前記カード挿入口から挿入されたカード状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するカードドライブユニットと、上端側に配置された回転支点によって前記フロントパネルの内側に回転自在に取り付けられて、前記カード挿入口を内側から回転方式で開閉する開閉扉とを備え、前記開閉扉が前記フロントパネルに対して前方下方に回転復帰して前記カード挿入口を内側から閉塞した時には、その開閉扉の回転半径が大きく設定され、前記開閉扉が前記カード挿入口から挿入される前記カード状記録媒体によって押されて前記フロントパネルに対して後方上方に回転されて前記カード挿入口を開放する時には、その開閉扉の回転半径が小さくなるように変更される回転半径を自動変更する回転半径自動変更機構を備えたものである。
【0008】
上記のように構成された本発明のディスクドライブ装置は、フロントパネルのカード挿入口を内側から開閉する開閉扉に回転半径自動変更機構が備えられていて、開閉扉がカード挿入口を閉塞した時には、その開閉扉の回転半径が大きく設定されていて、開閉扉がカード状記録媒体によって押されて後方上方に回転される時には、その開閉扉の回転半径が小さくなるように変更されるので、開閉扉が開放される時に、その開閉扉がプリント配線基板等の障害物と干渉され難い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したディスクドライブ装置の実施の形態を図面を参照して、以下の順序で説明する。
(1)・・・ ディスクドライブ装置の概要説明(図11、図12及び図16)
(2)・・・ メモリカードの説明(図15)
(3)・・・ カード挿入口の開閉扉に関する説明(図1〜図10)
(4)・・・ プリント配線基板の共通化に関する説明(図7、図11〜図20)
【0010】
(1)・・・ ディスクドライブ装置の概要説明
まず、図11、図12及び図16によって、ディスクドライブ装置の概要について説明すると、このディスクドライブ装置1Aは、CD−ROM、DVD−ROM、CD−R/RW等の光ディスクや光磁気ディスク等のディスク状記録媒体であるディスク2にデータを記録及び/又は再生するディスクドライブユニット3と、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association) 規格のPCカードや、スマートメディア(株式会社東芝の登録商標)、コンパクトフラッシュ(米国SanDisk Corporation の登録商標)、メモリスティック(ソニー株式会社の登録商標)等のカード状記録媒体であるメモリカード4にデータを記録及び/又は再生するカードドライブユニット5が搭載された両用タイプの高機能ディスクドライブ装置に構成されている。
【0011】
そして、ディスクドライブユニット3は、ドライブ装置本体7のフロントパネル8の上部位置に沿って形成された横長開口であるディスク挿入口(トレー出入口)9から矢印a、b方向に水平状に出し入れされるディスクトレー10を有していて、このディスクトレー10は合成樹脂等にて成形されたものであり、上面にディスク載置用凹所11が形成された水平板形状のトレー本体10aと、そのトレー本体10aの前端に結合された垂直板形状で横長形状のフロントパネル部10bとによって構成されている。
【0012】
そして、ディスクドライブユニット3は、ディスクトレー10の凹所11内にディスク2を水平状に載置してドライブ装置本体7に矢印a方向から水平状にローディングして、ディスクトレー10のフロントパネル部10bでディスク挿入口9を閉塞する。
すると、このディスクローディング後に、ドライブ装置本体7内のシャーシ12に搭載されているユニットベース13が斜め下方に下降された下降位置(図示せず)から図16に示す水平状態まで上昇された上昇位置まで矢印c方向に上昇されて、ユニットベース13に搭載されているスピンドルモータ14及び光ピックアップや光磁気ピックアップ等のピックアップ15が下降位置から上昇位置まで矢印c方向に上昇される。そして、スピンドルモータ14の上端のディスクテーブル14aがディスク2の中心孔aに下方から嵌合して、このディスク2をディスクトレー10の凹所11の上方に浮上させ、ドライブ装置本体7内の天井位置に保持されているディスククランパー16によってディスク2がディスクテーブル14a上にチャッキングされる。
【0013】
そして、ディスクテーブル14a上にチャッキングされたディスク2の下面にピックアップ15が近接されて、スピンドルモータ14によりディスク2が定速で回転駆動されると共に、ピックアップ15によってディスク2が中心からの法線方向に沿ってシークされて、ディスク2にデータの記録及び/又は再生が行われるように構成されている。
なお、ディスク2へのデータの記録及び/又は再生の終了後に後述するイジェクト釦23によってイジェクトスイッチ23aが押される(ON)と、、ユニットベース13によってスピンドルモータ14及びピックアップ15が上昇位置から下降位置へ矢印d方向に下降され、ディスク2がディスククランパー16の下方に離脱されて、ディスクトレー10の凹所11内に再び水平状に載置される。そして、ディスクトレー10によってディスク2がディスク挿入口9からディスクドライブ装置本体7の外部へ矢印b方向にイジェクトされる。
【0014】
次に、図11及び図12に示すように、このディスクドライブ装置1Aのフロントパネル8には、ディスク挿入口9の下部に沿って水平状の長孔であるカード挿入口19、ボリューム20、2つの発光ダイオードであるLED(LEDレンズ)孔21、22、イジェクト釦23及びヘッドホンジャック孔4等がほぼ横一列状に形成されている。そして、カード挿入口19がほぼ左寄りの位置に配置され、ボリューム孔20がほぼ中央位置に配置され、2つのLED(LEDレンズ)孔21、22がカード挿入口19とボリューム孔20との間に配置され、ヘッドホンジャック孔24とイジェクト釦23が左右両側位置に配置されている。そして、ボリューム孔20、2つのLED(LEDレンズ)孔21、22及びヘッドホンジャック孔24内にはそれぞれ後述するボリューム26、2つのLED(LEDレンズ)27、28及びヘッドホンジャック29が露出されている。また、イジェクト釦23の後方には後述するイジェクトスイッチ23aが組み込まれている。
【0015】
そして、ドライブ装置本体7内のシャーシ12の下部にプリント配線基板であるメイン基板31が水平状に搭載されている。
この際、図17に示すように、メイン基板31にはディスクドライブユニット3の駆動回路32、カードドライブユニット5の駆動回路33、これら2つの駆動回路32、33を相互に制御して、ディスク2とメモリカード4との間でデータの送受信を行うコントロール回路34等がマウント(実装)されている。そして、このメイン基板31のフロントパネル8側の端部である前端縁31a側の上部で、フロントパネル8のカード挿入口19の後方位置にカードドライブユニット5のメモリカード差込み用コネクタ37と、合成樹脂等によってほぼコ字状に成形された挿入ガイド38がマウント(実装)されている。なお、このメイン基板31の後端縁31bの上部にはホストコンピュータに接続されるインターフェース35がマウント(実装)されている。
【0016】
そして、カードドライブユニット5は、メモリカード4がフロントパネル8のカード挿入口19からドライブ装置本体7内のコネクタ37に挿入ガイド38を通して矢印e方向に水平状に挿入された状態で、そのメモリカード4にデータの記録及び/又は再生を行うことになる。そして、このディスクドライブ装置1Aでは、このメモリカード4のデータの記録及び/又は再生と、前述したディスクドライブユニット3によるディスクのデータの記録及び/又は再生とを同時に行うことによって、メモリカード4とディスク2との間でデータの送受信を行うことができる。従って、デジタルカメラやデジタルビデオカメラで撮影してメモリカード4に記録した写真データや動画データ或いは個人のデータや音楽データ等をメモリカード4とディスク2との間でコピーしたり、編集して記録することを容易に行うことができる。なお、メモリカード4はデータの記録及び/又は再生後にカード挿入口19から矢印f方向に抜き取ることになる。
【0017】
(2)・・・ メモリカードの説明
次に、図15の(A)(B)によって、メモリカード4について説明すると、このメモリカード4は、ちょうど、嗜好品のガム形状に類似した扁平な長方体形状のほぼカード状に構成されている。そして、このメモリカード4の先端4aの下面4bに電子機器への挿入及び抜取り方向である矢印e、f方向に対して直交する方向に等間隔に配置されたほぼ短冊形状の複数の端子4cが設けられていて、その複数の端子4c間は薄い複数のリブ4dによって仕切られている。そして、複数の端子4cのうちの、左右両側の端子がアーム用端子に構成されて、他の複数の端子4cが信号用端子に構成されている。
【0018】
そして、挿入方向(矢印e方向)から見て、このメモリカード4の左側面であって、一方の側部である一方の側面4eの先端4aには誤挿入防止用のR面4fが形成され、このメモリカード4の下面4bの先端4aでR面4fの下部相当位置には誤挿入防止用の段差部4gが形成されている。そして、このメモリカード4の下面4bで、一方の側面4eの先端4a側寄りの位置には係止部であるほぼ半円形状のロック用凹部4hが形成されている。そして、このメモリカード4の下面4bで先端4a側寄りの位置にはライトプロテクタ4iが取り付けられていて、このメモリカード4の上下両面4j、4bにはその後端4kを迂回するような浅い凹みであるラベル貼付けエリア4mが形成されている。
【0019】
そして、前述したように、このメモリカード4をドライブ装置本体7内のコネクタ37に矢印e方向から差し込んだ時に、先端4aの下面4bに配置されている複数の端子4cがそのコネクタ37内の対応する複数の接続端子に接続されるように構成されている。
【0020】
(3)・・・カード挿入口の開閉扉に関する説明
次に、図1〜図10によって、フロントパネル8のカード挿入口19を内側から開閉する内開き方式の開閉扉について説明する。
【0021】
まず、図1〜図10によって、一般的な開閉扉41について説明すると、合成樹脂等で成形された一般的な開閉扉41の場合には、その開閉扉41の上端をフロントパネル8の内側に左右一対の支点ピン42を介して前後方向である矢印g、h方向に回転自在に取り付ける。そして、支点ピン42の外周に取り付けた捩りコイルばね43の可動端43aを開閉扉41の背面41aに当接し、その捩りコイルばね43の固定端43bをフロントパネル8の背面8aに当接する。そして、その捩りコイルばね43のばね力によって開閉扉41を前方側である矢印h方向に回転付勢して、その開閉扉41をフロントパネル8の背面8aに当接させることによって、その開閉扉41でカード挿入口19を内側から閉塞するように構成される。
【0022】
そして、メモリカード4をカード挿入口19から矢印e方向に挿入して、カードドライブユニット5の挿入ガイド38で案内しながらコネクタ37内に矢印e方向から挿入する際に、そのメモリカード4によって開閉扉41を捩りコイルばね43に抗して矢印g方向に押し開き、メモリカード4をカード挿入口19から矢印f方向に抜き取ることによって開閉扉41を捩りコイルばね43によって矢印h方向に回転復帰させるように構成される。
【0023】
しかし、この一般的な開閉扉41は、下端部分41bが支点ピン42を中心として一定の回転半径r10によって単純に円運動されるものであり、その下端部分41bの回転軌跡c10内から障害物を排除しなければならない。
つまり、前述したように、ドライブ装置本体7内のシャーシ12の下部位置に配置されているメイン基板31の前端縁31a上には、後述するように、ボリューム26、2つのLED27、28やヘッドホンジャック29等の電子部品がマウントされる関係で、このメイン基板31の前端縁31aは、本来ならば、図8に1点鎖線で示すようにフロントパネル8の背面8aに近接させることが好ましい。
しかし、それでは、単純に円運動する一般的な開閉扉41をフロントパネル8のカード挿入口19の内側に設置することができなくなると言う問題が発生する。
【0024】
一方、メイン基板31の前端縁31aが開閉扉41の下端部分41bと干渉しないように、その前端縁31aを図8に実線で示すように、フロントパネル8の下端側の背面8bから大きな距離L10だけ後退させるか、或いは図9及び図10に示すように、開閉扉41の下端部分41bに対する逃げ用の大きな切欠き44を開閉扉41の前幅に亘って形成すると、図10に1点鎖線で示すように、その大きな切欠き44内には、後述するように、ボリューム26等の電子部品は一切マウントすることができなくなると言う新たな問題を発生することになる。なお、図8〜図10において、符号31a′はフロントパネル8の下端側の背面8bに対するメイン基板31の前端縁31aの理想とする接近位置を示している。
【0025】
本発明のカード挿入口19を閉塞する開閉扉は、上記の問題を解決することができるものである。
即ち、まず、図1〜図7に示すように、本発明の開閉扉51は、上端部分51aに配置された後述する回転支点によってフロントパネル8の内側に回転自在に取り付けられて、その開閉扉51の下端部分51bが回転支点を中心に前後方向である矢印g、h方向に回転自在に構成されている。そして、回転付勢手段である捩りコイルばね52によって前方下方である矢印h方向に回転付勢されてカード挿入口19を内側から閉塞するように構成されている。
【0026】
そして、図1〜図3及び図4〜図6に示すように、メモリカード4がカード挿入口19から挿入ガイド38を通してコネクタ37に矢印e方向から挿入される時に、そのメモリカード4の先端4aによって開閉扉51が押されて、この開閉扉51が捩りコイルばね52に抗して後方上方である矢印g方向に押し開かれる。また、メモリカード4がコネクタ37から矢印f方向に引き抜かれて、カード挿入口19から矢印f方向に抜き取られると、開閉扉51が捩りコイルばね52によって前方下方である矢印h方向に回転復帰されて、カード挿入口19を再び内側から閉塞するように構成されている。
【0027】
この際、本発明の開閉扉51は、メモリカード4の矢印f方向への抜き取りによって、前方下方である矢印h方向に回転復帰してカード挿入口19を内側から閉塞した時には、その開閉扉51の下端部分51bの回転半径r1が大きく設定されていて、開閉扉51がカード挿入口19から矢印e方向に挿入されるメモリカード4によって押されて後方上方である矢印g方向に回転されてカード挿入口19を開放する時には、その開閉扉51の下端部分51bの回転半径r2が小さくなるように回転半径r1、r2を自動変更する回転半径自動変更機構54が備えられている。
【0028】
そして、この回転半径自動変更機構54は、図1〜図3に示すように、例えば、合成樹脂等にて成形された開閉扉51の上端部分51aに形成された長孔であるカム孔54であって、前方下方位置と後方上方位置との間で所定の角度θ、好ましくは40°〜80°であって、更に好ましくは45°〜60°に傾斜されたカム孔54と、合成樹脂等にい成形されたフロントパネル8の内側に一体成形等にて形成された左右一対の同一軸心状の支点ピン55を有し、これら左右一対の支点ピン55にカム孔54が相対的に移動自在に係合されて、開閉扉51がこれら左右一対の支点ピン55に対して図1に示す前方下方位置と図2に示す後方上方位置との間で斜め前後方向である矢印i、j方向にスライド自在に構成されている。
【0029】
そして、捩りコイルばね52のコイル部52aが支点ピン55の外周に挿入されていて、その捩りコイルばね52の可動端52bが開閉扉51の下端部分51bの背面51cで、カム孔54の近傍位置に矢印h方向から押圧され、固定端52cがフロントパネル8の背面8aで、支点ピン55より高い位置に押圧されている。
更に、開閉扉51の下端部分51b側の前面51dに一体成形等にて凸型に形成されて、前方下方である矢印i方向に向くように傾斜された分力発生用斜面56がカード挿入口19内に矢印h方向から突出されている。
【0030】
このように構成された回転半径自動変更機構53によれば、まず、図1及び図4に示すように、開閉扉51が捩りコイルばね52によって矢印h方向に回転復帰されて、カード挿入口19を閉塞している状態では、捩りコイルばね52の可動端52bが開閉扉51の背面51cで、支点ピン55の近傍位置を矢印h方向に押圧することによって、この開閉扉51全体が支点ピン55に対してカム孔54によって前方下方位置である矢印i方向に斜めに下降移動されている。
【0031】
従って、このカード挿入口19の閉塞状態では、支点ピン55が相対的にカム孔54の上端部分54a側へ移動されていて、開閉扉51の回転支点P1はカム孔54の上端部分54aへ偏位された状態になっている。これにより、開閉扉51の下端部分51bの回転支点P1を中心とする回転半径は大きな回転半径r1に拡大された状態となっている。
【0032】
一方、図1及び図4に示すように、カードドライブユニット5のコネクタ37及び挿入ガイド38が上部にマウントされているメイン基板31の前端縁31aがフロントパネル8の下端側の背面8bに小さな距離L1に接近されているため、開閉扉51の大きな回転半径r1に拡大されている下端部分51bの回転軌跡c1はメイン基板31の前端縁31aに干渉部分Xにて干渉される状態となっている。従って、仮に、開閉扉51がそのまま回転支点P1を中心に矢印g方向に回転されるのであれば、下端部分51bがメイン基板31の干渉部分Xに干渉されてしまい、その開閉扉51の矢印g方向への回転が不能状態となる。
【0033】
しかし、後述するように、開閉扉51が矢印g方向に押し開かれる際には、その下端部分51bが干渉部分Xに干渉されることなく回転することができるように構成されている。
【0034】
そして開閉扉51の前面51dがフロントパネル8の背面8aでカード挿入口19の全外周に平行状に密着されて、そのカード挿入口19が完全密封され、且つ、開閉扉51の前面51dに凸型に形成されている分力発生用斜面56がそのカード挿入口19内に突出されている。
【0035】
次に、開閉扉51の開放動作を説明すると、まず、図1及び図4に示すように、メモリカード4がカード挿入口19に矢印e方向から挿入されると、そのメモリカード4の前端4aの上端部分が開閉扉51の前面51dの凸型の分力発生用斜面56に矢印e方向から当接される。
すると、図2及び図5に示すように、分力発生用斜面56によって開閉扉51を斜め後方上方に押し上げる分力Fが発生して、開閉扉51がカム孔54によって支点ピン55に対して斜め上方である矢印i方向に捩りコイルばね52の可動端52bに抗して斜めに上昇移動される。従って、開閉扉51は下端部分51bをメイン基板31の干渉部分Xに何等干渉させることなく、矢印i方向に斜めに上昇移動され、開閉扉51の回転支点が図1に示したカム孔54の上端部分54aの回転支点P1から図2に示すカム孔54の下端部分54bの回転支点P2へ相対的に偏位される。
【0036】
つまり、開閉扉51がカム孔54によって支点ピン55に対して矢印j方向に斜めに上昇移動されることによって、その下端部分51bをメイン基板31の干渉部分Xに何等干渉させることなくメイン基板31の上方位置まで斜めに引き上げることができる。そして、開閉扉51の回転支点がカム孔54の上端部分54aの回転支点P1から下端部分54bの回転支点P2へ相対的に偏位されたことによって、メイン基板31の上方位置まで斜めに引き上げられた下端部分51bの回転半径が回転支点P1を中心とする大きな回転半径r1から回転支点P2を中心とする小さな回転半径r2に自動的に変更(縮小)されることになる。
【0037】
そして、開閉扉51のカム孔54の下端部分54bが支点ピン55に矢印j方向から当接された瞬間から、この開閉扉51には支点ピン55(回転支点P2)を中心とした矢印g方向への回転力が作用されることになる。
従って、図3及び図6に示すように、引き続き矢印e方向に挿入されるメモリカード4によって矢印e方向に押される開閉扉51は捩りコイルバネばね52の可動端52bに抗して支点ピン55(回転支点P2)の周りに矢印g方向に回転されて、その開閉扉51が下端部分51bをメイン基板31の干渉部分Xに何等干渉させることなく、矢印g方向に開放され、その開閉扉51がメモリカード4の上面4j上に乗り上げることになる。
そして、メモリカード4の先端4a部分が挿入ガイド28を通してコネクタ37内に矢印e方向からスムーズに差し込まれることになる。
【0038】
なお、メモリカード4をカード挿入口19から矢印f方向に抜き取る時には、上述した動作の逆動作となり、メモリカード4が図6及び図3に示す位置から図5及び図2に示す位置まで矢印f方向に抜き取られる間は、開閉扉51が捩りコイルばね52の可動端52bによって支点ピン(回転支点P2)を中心とする小さな回転半径c2によって矢印h方向に回転復帰されることになり、この間に、開閉扉51の下端部分51bがメイン基板31の干渉部分Xに何等干渉されることはない。
そして、この後、図1及び図4に示すように、メモリカード4がカード挿入口19外へ矢印f方向に抜き取られる際に、捩りコイルばね52の可動端52bによって開閉扉51のカム孔54が支点ピン55に対して矢印i方向に斜めに下降移動されて、カード挿入口19を内側から密封するが、この間にも、開閉扉51の下端部分51bがメイン基板31の干渉部分Xに干渉されることはない。
【0039】
なお、開閉扉51をカム孔54によって支点ピン55に対して矢印i、j方向に斜めにスムーズに下降、上昇移動させるためには、捩りコイルばね52の可動端52bが開閉扉51の背面51cで、カム孔54の近傍位置を矢印h方向に押圧することが好ましい。仮に、可動端52bが開閉扉51のカム孔54から下方に大きく離間された下端部分51bを矢印g方向に押圧する構造であると、可動端52bのばね力をカム孔54に効率良く伝達することができず、カム孔54を支点ピン55に対して矢印i、j方向にスムーズに移動させることができなくなる。
【0040】
また、この実施の形態では、カム孔54を開閉扉51側に形成し、支点ピン55をフロントパネル8側に形成したが、その逆に、支点ピン55を開閉扉51側に形成し、カム孔55をフロントパネル8側に形成しても良い。また、カム孔54を各種の形状に変更して、開閉扉51の開閉移動軌跡を各種形状に変更することも可能である。
【0041】
以上述べたように、本発明のディスクドライブ装置1Aは、フロントパネル8の内側の狭いスペース内で、開閉扉51を矢印g、h方向に開閉する際に、開閉扉51の下端部分51bがメイン基板31の干渉部分Xと干渉しないように、回転半径自動変更機構53によってその開閉扉51の下端部分51bの回転半径を大きい回転半径r1と小さい回転半径r2に自動的に変更させながら、開閉扉51をスムーズに開閉させることができるように構成したので、メモリカード4で開閉扉51をスムーズに押し開くようにして、そのメモリカード4をカード挿入口19からカードドライブユニット5のコネクタ37内にスムーズに挿入、排出することができる。
【0042】
しかも、開閉扉51がカード挿入口19を内側から閉塞する時には、その開閉扉51の下端部分51bの回転半径を大きな回転半径r1に設定した状態で、カード挿入口19を閉塞することができるので、そのカード挿入口19の全周を内側から確実に完全密封することができる。従って、ダスト(塵埃)がカード挿入口19からカードドライブユニット5のコネクタ37内に侵入して、内部の複数の接続端子に付着し、そのコネクタ37内に挿入されたメモリカード4の複数の端子の接続不良が発生することを未然に防止することができる。そして、コネクタ37の複数の接続端子に対するメモリカード4の複数の端子の接続状態を常に良好状態に保つことができて、メモリカード4に対するデータの記録及び/又は再生を常に正確に行え、メモリカード4とディスク2との間でのデータの送受信も常に正確に行える高品質のディスクドライブ装置1Aを実現することができる。
【0043】
(4)・・・ プリント配線基板の共通化に関する説明
次に、図7、図11〜図20によって、プリント配線基板であるメイン基板31を、前述したように、ディスクドライブユニット3とカーードドライブユニット5の2つのドライブユニットを搭載されていて、図11及び図12に示されている高機能ディスクドライブ装置1Aと、図13及び図14に示されているような、カードドライブユニット5が搭載されておらず、ディスクドライブユニット3のみが搭載されている低機能ディスクドライブ装置1Bとの2つのディスクドライブ装置1A、1Bに対して共通化させるための技術について説明する。なお、メイン基板31を以下に共通基板31と記載する。
【0044】
まず、前述したように、高機能ディスクドライブ装置1Aのフロントパネル8のディスク挿入口9の下部位置には、図11及び図12に示すように、左から右の順に、ヘッドホンジャック29、カード挿入口19、2つのLED(LEDレンズ)27、28、ボリューム26及びイジェクト釦23が一列状に配置されている。
一方、図13及び図14に示すように、低機能ディスクドライブ装置1Bのフロントパネル8のディスク挿入口9の下部位置には、当然カード挿入口19は形成されておらず、左から右に順にヘッドホンジャック29、ボリューム26、1つのLED27及びイジェクト釦23が一列状に配置されている。
【0045】
そして、図12に示されている高機能ディスクドライブ装置1Aのフロントパネル8におけるカード挿入口19のセンターP11、ボリューム孔20のセンターP12、2つのLED(LEDレンズ)孔21、22のセンターP13、P14、イジェクト釦23のセンターP15、ヘッドホンジャック孔24のセンターP16のうちのカード挿入口19のセンターP11に、図14に示されている低機能ディスクドライブ装置1Bのフロントパネル8に形成されているボリューム孔20のセンターP12′が一致されている。そして、これら両方のディスクドライブ装置1A、1Bのフロントパネル8に形成されている1つのLED(LEDレンズ)孔21のセンターP13、イジェクト釦23のセンターP15及びヘッドホンジャック孔24のセンターP16は相互に一致されている。
【0046】
そこで、共通基板31は、1枚で、高機能ディスクドライブ装置1Aと、低機能ディスクドライブ装置1Bのメイン基板を兼用することによる基板共通化を図っている。
【0047】
即ち、図17はその共通基板31全体を示し、図18はその共通基板31の前端縁31a側を拡大して示したものであって、この前端縁31a上で、図12及び図14に示されたセンターP11、P12′相当位置にコネクタマウント部61がプリント配線されている。このコネクタマウント部61は前述したカードドライブユニット5の駆動回路33内に配置されていて、前端縁31aから後方側(メモリカード挿入方向である矢印e方向)に一定距離L2だけ偏位された位置にプリント配線されている。
従って、この前端縁31aとコネクタマウント部61との間には一定距離L2相当分の空きスペース62が形成されている。
【0048】
そして、共通基板31の前端縁31a上で、空きスペース62内におけるセンターP11、P12′上の位置と、それより横側方に偏位された位置であって、前端縁31a上の図12に示されたセンターP12相当位置との2箇所にボリュームマウント部63、64がプリント配線されている。なお、前端縁31a上で、図12及び図14に示された各センターP13、P14、P15及びP16上にはそれぞれLEDマウント部65、66、イジェクトスイッチマウント部67、ヘッドホンジャックマウント部68がプリント配線されている。従って、共通基板31の前端縁31a上のセンターP11、P12′上に形成されている1つのボリュームマウント部63はコネクタ37に対するメモリカード4の差込み用スペース62を利用して形成されている。
【0049】
なお、スペース62内で、コネクタマウント部61とボリューム63との間に挿入ガイドマウント部69が形成されていて、この挿入ガイドマウント部69の両端には、一対の係止孔69aが形成されている。また、共通基板31の前端縁31aで、2つのLEDマウント部65、66の前側にはそれぞれLEDレンズ取付け用の切欠き70、71が形成されている。
【0050】
共通基板31は以上のように構成されていて、この共通基板31を高機能ディスクドライブ装置1Aの専用基板31Aに組み上げる場合は、図19に示すように、この共通基板31のコネクタマウント部61上にコネクタ37をマウントする。そして、挿入ガイドマウント部69の一対の係止孔69aに挿入ガイド38の一対の係止爪38aを上方から挿入して係止させるようにして、挿入ガイド38を挿入ガイドマウント部69上にマウントする。そして、センターP12上のボリュームマウント部64上にボリューム26をマウントする。この際、ボリューム26はボリューム本体26aの上部にボリュームつまみ26bが回転自在に取り付けられていて、ボリューム本体26aによってボリュームマウント部64上にマウントされる。
【0051】
そして、2つのLEDマウント部65、66上に2つのLED27、28をマウントして、これらの前側の2つの切欠き70、71に2つのLEDレンズ27a、28aを取り付ける。そして、図17及び図19に示すように、高機能ディスクドライブ装置1Aと低機能ディスクドライブ装置1Bに共通のイジェクトスイッチマウント部67上とヘッドホンジャックマウント部68上にそれぞれイジェクトスイッチ23aとヘッドホンジャック29をマウントすることにより、この共通基板31が図11及び図12に示された高機能ディスクドライブ装置1Aの専用基板31Aに組み上げられる。
【0052】
そこで、この高機能ディスクドライブ装置1Aの専用基板31Aを図16に示すようにドライブ装置本体7内のシャーシ12の下部に水平状に取り付けた後、フロントパネル8をそのドライブ装置本体7の前面に前方から嵌合させるようにして組み立てると、図11及び図12に示すように、コネクタ37及び挿入ガイド38のセンターP11上の前方位置にカード挿入口19が正確に位置決めされる。そして、ボリューム26のボリュームつまみ26bの外周の一部がセンターP12上でボリューム孔20内に挿入されて前方に突出される。そして、2つのLED27、28の前側の2つのLEDレンズ27a、28aの先端がそれぞれセンターP13、P14上で2つのLED(LEDレンズ)孔21、22内に嵌合される。そして、イジェクトスイッチ23aがセンターP15上でイジェクト釦23の背面に近接又は当接され、ヘッドホンジャック29がセンターP16上でヘッドホンジャック孔24内に嵌合されて、高機能ディスクドライブ装置1Aの組み立てが完了する。
【0053】
次に、この共通基板31を低機能ディスクドライブ装置1Bの専用基板31Bに組み上げる場合は、図20に示すように、共通基板31のセンターP12′(P11)上のボリュームマウント部63上に別の電子部品であるボリューム26をボリューム本体26aによってマウントし、センターP13上の1つのLEDマウント部65上に1つのLED27をマウントして、その前側の1つの切欠き70に1つのLEDレンズ27aを取り付ける。そして、図17及び図20に示すように、高機能ディスクドライブ装置1Aと低機能ディスクドライブ装置1Bに共通のイジェクトスイッチマウント部67上とヘッドホンジャックマウント部68上にそれぞれイジェクトスイッチ23aとヘッドホンジャック29をマウントすることにより、この共通基板31が図13及び図14に示された低機能ディスクドライブ装置1Bの専用基板31Bに組み上げられる。
【0054】
そこで、この低機能ディスクドライブ装置1Bの専用基板31Bを高機能ディスクドライブ装置1Aの専用基板31Aと同様に、ドライブ装置本体7内のシャーシ12の下部に水平状に取り付けた後、フロントパネル8をそのドライブ装置本体7の前面に前方から嵌合させるようにして組み立てると、図7、図13及び図14に示すように、ボリューム26のボリュームつまみ26bの外周の一部がセンターP12′(P11)上でボリューム孔20内に挿入されて前方に突出される。そして、1つのLED27の前側の2つのLEDレンズ27aの先端がセンターP13上でLED(LEDレンズ)孔21内に嵌合される。そして、イジェクトスイッチ23aがセンターP15上でイジェクト釦23の背面に近接又は当接され、ヘッドホンジャック29がセンターP16上でヘッドホンジャック孔24内に嵌合されて、低機能ディスクドライブ装置1Bの組み立てが完了する。
【0055】
この際、特に、図7に示されていて、前述したように、メイン基板31の前端縁31aをフロントパネル8の下端側の背面8bに対して小さい距離L1に接近させて配置させておくことができるので、センターP12′(P11)上のボリュームマウント部63上にマウントしたボリューム26のボリュームつまみ26bの外周の一部をフロントパネル8のボリューム孔20内に確実に挿入して、前方へ所定寸法に正確に突出させることができるものである。
【0056】
つまり、図10で説明したように、メイン基板31の前端縁31aで、センターP12′(P11)上に切欠き44が形成されていたり、前端縁31aがセンターP12′(P11)上でフロントパネル8の下端側の内面8bから後方に大きな距離L10に離間されていたならば、その前端縁31a上にマウントしたボリューム26のボリュームつまみ26bをフロントパネル8のボリューム孔20内に正しく挿入させることはできない。
【0057】
以上述べたように、本発明のディスクドライブ装置は、メイン基板31上のコネクタマウント部61の前方の空きスペース62を利用して、メイン基板31の有効エリアの拡大を図ることにより、メイン基板31の前端縁31a上で、その空きスペース62内と、それより横側方に偏位された位置との複数箇所にボリューム26等の別の電子部品のマウント部63、64を形成することができるように構成したものである。
この結果、高機能ディスクドライブ装置1Aと低機能ディスクドライブ装置1Bに対するメイン基板31の共通化を図ることに成功したものである。
【0058】
そして、そのメイン基板31上にボリューム26、LED27、28、ヘッドホンジャック29、コネクタ37及び挿入ガイド38等の複数種類の電子部品をマウントする際の電子部品の種類の選択及びマウント位置を選択することによって、高機能ディスクドライブ装置1Aの専用基板31Aと、低機能ディスクドライブ装置1Bの専用基板31Bとを製造(簡単に組み上げること)することができるように構成したものであり、メイン基板31の共通化による大幅なコストダウンを実現できるものである。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明のディスクドライブ装置は、次のような効果を奏することができる。
【0061】
請求項1は、フロントパネルのカード挿入口を内側から開閉する開閉扉に回転半径自動変更機構が備えられていて、開閉扉がカード挿入口を閉塞した時には、その開閉扉の回転半径が大きく設定され、開閉扉がカード状記録媒体によって押されて後方上方に回転される時には、その開閉扉の回転半径が小さくなるように変化させるようにして、開閉扉が開放される時に、その開閉扉がプリント配線基板等の障害物と干渉され難いように構成されているので、開閉扉をフロントパネルの内側の狭いスペース内でスムーズに開閉させることができて、カード状記録媒体をカード挿入口からカードドライブユニット内にスムーズに挿入、排出することができることと、開閉扉でカード挿入口を内側から完全密封させることができて、カード挿入口からカードドライブユニット内へのダストの侵入を確実に防止できることとを両立させることができる。そして、カードドライブユニット内へのダストの侵入を確実に防止することができることから、カードドライブユニットのコネクタに対するカード状記録媒体の端子の接続状態を常に良好状態に保つことができるので、カード状記録媒体に対するデータの記録及び/又は再生を常に正確に行える高品質のディスクドライブ装置を実現することができる。
【0062】
請求項2〜4は、回転半径自動変更機構が、傾斜されたカム孔と支点ピンとの斜め上下方向の相対的な移動によって開閉扉の回転半径を自動的に変化させるようにし、開閉扉の前面に形成した分力発生用斜面を利用して、カード状記録媒体の挿入時に開閉扉を斜め上方に仕上げるようにし、支点ピンの外周に挿入された捩りコイルばねの可動端を開閉扉のカム孔の近傍位置を押圧させてカム孔を支点ピンに対してスムーズに相対移動させるように構成したので、極く簡単な構造でありながら、開閉扉がカード状記録媒体に押し開かれる際に、その開閉扉を支点ピンに対して斜め上方にスムーズに押し上げるようにして、開閉扉の回転を大きい回転半径から小さい回転半径にスムーズに変更させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したディスクドライブ装置における開閉扉の回転半径自動変更機構を説明する要部の拡大断面図であって、回転半径が大きく設定された開閉扉によってカード挿入口を内側から密封している様子を示した図面である。
【図2】 図1と同様の要部の拡大断面図であって、メモリカードによって開閉扉が内側へ押された瞬間に、その開閉扉が斜め後方上方へ押し上げられて、その開閉扉の回転半径が小さく変化した様子を示した図面である。
【図3】 図1と同様の要部の拡大断面図であって、メモリカードによって内側へ押された開閉扉が回転半径が小さいままの状態で後方上方に回転された様子を示した図面である。
【図4】 フロントパネルとメイン基板上のコネクタと開閉扉の位置関係を示した一部切欠き側面図であって、図1と対応させた図面である。
【図5】 図4と同様の一部切欠き側面図であって、図2と対応させた図面である。
【図6】 図4と同様の一部切欠き側面図であって、図3と対応させた図面である。
【図7】 図4と同様の一部切欠き側面図であって、後述する共通基板上におけるコネクタの前方位置にマウントされたボリュームがフロントパネルのボリューム孔内に内側から挿入されている様子を示した図面である。
【図8】 フロントパネルのカード挿入口の内側に一般的な開閉扉を取り付けた時の問題点を説明する要部の拡大断面図である。
【図9】 フロントパネルのカード挿入口の内側に一般的な開閉扉を取り付けた時の問題点を説明する一部切欠き側面図であって、フロントパネルとメイン基板上のコネクタと開閉扉の位置関係を示した図面である。
【図10】 図10と同様の一部切欠き側面図であって、メイン基板上のコネクタの前方位置にはボリューム等の別の電子部品をマウントすることができない様子を説明する図面である。
【図11】 本発明が適用されたディスクドライブユニットとカードドライブユニットとが搭載されている高機能ディスクドライブ装置の外観斜視図である。
【図12】 図11の高機能ディスクドライブ装置のフロントパネルの正面図である。
【図13】 ディスクドライブユニットのみが搭載されていて、本発明の共通基板が適用される低機能ディスクドライブ装置の外観斜視図である。
【図14】 図13の低機能ディスクドライブ装置のフロントパネルの正面図である。
【図15】 本発明の高機能ディスクドライブ装置に適用されるメモリスティク等のメモリカードの上下両面を示した斜視図である。
【図16】 本発明の高機能ディスクドライブ装置を説明する縦断面側面図である。
【図17】 本発明の高機能ディスクドライブ装置と低機能ディスクドライブ装置に共通化される共通基板を説明する基板全体の平面図である。
【図18】 図17の共通基板の前端縁側を拡大して示した平面図である。
【図19】 本発明の共通基板によって組み上げられた高機能ディスクドライブ装置の専用基板を説明する平面図である。
【図20】 本発明の共通基板によって組み上げられた低機能ディスクドライブ装置の専用基板を説明する平面図である。
【符号の説明】
1Aはディスクドライブ装置、2はディスク状記録媒体であるディスク、3はディスクドライブユニット、4はカード状記録媒体であるメモリカード、5はカードドライブユニット、8はフロントパネル、8aはフロントパネルの背面、19はカード挿入口、31はプリント配線基板であるメイン基板、31aはメイン基板の前端縁、51は開閉扉、51aは開閉扉の上端部分、51bは開閉扉の下端部分、51cは開閉扉の背面、51dは開閉扉の前面、52は捩りコイルばね、52aは捩りコイルばねのコイル部、52bは捩りコイルばねの可動端、52cは捩りコイルばねの固定端、53回転半径自動変更機構、54はカム孔、55は支点ピン、56は分力発生用斜面である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク状記録媒体とカード状記録媒体にそれぞれデータを記録及び/又は再生することができるディスクドライブ装置に属するものであって、特に、フロントパネルのカード挿入口を開閉する開閉扉の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在市販されているCD−ROM、DVD−ROM、CD−R/RW等の光ディスクや光磁気ディスク等のディスク状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するディスクドライブ装置には、メモリカード等のカード状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するためのカードドライブユニットは付設されていない。
【0003】
そこで、本発明の発明者(出願人)は、特開2001−22899号公報にて公開されているような、光ディスク等のディスク状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するディスクドライブユニットと、メモリカード等のカード状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するカードドライブユニットとの2種類のドライブユニットを搭載したトレー方式の高機能ディスクドライブ装置を既に出願している。
【0004】
この際、光ディスク等をトレーによって出し入れするようにフロントパネルに開口されているトレー出入口であるディスク挿入口は、ディスクローディング完了状態で、トレー自身のフロントパネル部で閉塞することができるので、このディスク挿入口には防塵用の開閉扉を設置する必要がない。
しかし、メモリカード等を抜き差しするようにフロントパネルに開口されたカード挿入口には、内開き方式の防塵用の開閉扉を設置することが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この際、この種ディスクドライブ装置のフロントパネルの内側に存在するスペースは既に非常に小さくなっていて、カード挿入口を内側から開閉する内開き方式の開閉扉を設置すること自体、決して容易ではない。
その上、例えば、上端側に配置された支点ピンを中心に開閉扉を前後方向に開閉するような単純な開閉構造を採用した場合には、その開閉扉の下端部分が支点ピンを中心として単純に円運動するので、その開閉扉の下端部分がフロントパネルの内側に配置されているプリント配線基板等の障害物と干渉し易い。そして、その干渉を避けるためには、その開閉扉の上下方向の長さを短くする等して、下端部分の回転半径を小さくしなければならず、その結果、開閉扉によるカード挿入口の密封性が損われてしまう等の矛盾が生じる問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、フロントパネルのカード挿入口を内側から開閉する開閉扉を狭いスペース内でスムースに開閉させることができ、しかも、その開閉扉によるカード挿入口の密封性も十分に確保することができるようにしたディスクドライブ装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明のディスクドライブ装置は、フロントパネルに形成されたディスク挿入口及びカード挿入口と、前記ディスク挿入口から挿入されたディスク状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するディスクドライブユニットと、前記カード挿入口から挿入されたカード状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するカードドライブユニットと、上端側に配置された回転支点によって前記フロントパネルの内側に回転自在に取り付けられて、前記カード挿入口を内側から回転方式で開閉する開閉扉とを備え、前記開閉扉が前記フロントパネルに対して前方下方に回転復帰して前記カード挿入口を内側から閉塞した時には、その開閉扉の回転半径が大きく設定され、前記開閉扉が前記カード挿入口から挿入される前記カード状記録媒体によって押されて前記フロントパネルに対して後方上方に回転されて前記カード挿入口を開放する時には、その開閉扉の回転半径が小さくなるように変更される回転半径を自動変更する回転半径自動変更機構を備えたものである。
【0008】
上記のように構成された本発明のディスクドライブ装置は、フロントパネルのカード挿入口を内側から開閉する開閉扉に回転半径自動変更機構が備えられていて、開閉扉がカード挿入口を閉塞した時には、その開閉扉の回転半径が大きく設定されていて、開閉扉がカード状記録媒体によって押されて後方上方に回転される時には、その開閉扉の回転半径が小さくなるように変更されるので、開閉扉が開放される時に、その開閉扉がプリント配線基板等の障害物と干渉され難い。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用したディスクドライブ装置の実施の形態を図面を参照して、以下の順序で説明する。
(1)・・・ ディスクドライブ装置の概要説明(図11、図12及び図16)
(2)・・・ メモリカードの説明(図15)
(3)・・・ カード挿入口の開閉扉に関する説明(図1〜図10)
(4)・・・ プリント配線基板の共通化に関する説明(図7、図11〜図20)
【0010】
(1)・・・ ディスクドライブ装置の概要説明
まず、図11、図12及び図16によって、ディスクドライブ装置の概要について説明すると、このディスクドライブ装置1Aは、CD−ROM、DVD−ROM、CD−R/RW等の光ディスクや光磁気ディスク等のディスク状記録媒体であるディスク2にデータを記録及び/又は再生するディスクドライブユニット3と、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association) 規格のPCカードや、スマートメディア(株式会社東芝の登録商標)、コンパクトフラッシュ(米国SanDisk Corporation の登録商標)、メモリスティック(ソニー株式会社の登録商標)等のカード状記録媒体であるメモリカード4にデータを記録及び/又は再生するカードドライブユニット5が搭載された両用タイプの高機能ディスクドライブ装置に構成されている。
【0011】
そして、ディスクドライブユニット3は、ドライブ装置本体7のフロントパネル8の上部位置に沿って形成された横長開口であるディスク挿入口(トレー出入口)9から矢印a、b方向に水平状に出し入れされるディスクトレー10を有していて、このディスクトレー10は合成樹脂等にて成形されたものであり、上面にディスク載置用凹所11が形成された水平板形状のトレー本体10aと、そのトレー本体10aの前端に結合された垂直板形状で横長形状のフロントパネル部10bとによって構成されている。
【0012】
そして、ディスクドライブユニット3は、ディスクトレー10の凹所11内にディスク2を水平状に載置してドライブ装置本体7に矢印a方向から水平状にローディングして、ディスクトレー10のフロントパネル部10bでディスク挿入口9を閉塞する。
すると、このディスクローディング後に、ドライブ装置本体7内のシャーシ12に搭載されているユニットベース13が斜め下方に下降された下降位置(図示せず)から図16に示す水平状態まで上昇された上昇位置まで矢印c方向に上昇されて、ユニットベース13に搭載されているスピンドルモータ14及び光ピックアップや光磁気ピックアップ等のピックアップ15が下降位置から上昇位置まで矢印c方向に上昇される。そして、スピンドルモータ14の上端のディスクテーブル14aがディスク2の中心孔aに下方から嵌合して、このディスク2をディスクトレー10の凹所11の上方に浮上させ、ドライブ装置本体7内の天井位置に保持されているディスククランパー16によってディスク2がディスクテーブル14a上にチャッキングされる。
【0013】
そして、ディスクテーブル14a上にチャッキングされたディスク2の下面にピックアップ15が近接されて、スピンドルモータ14によりディスク2が定速で回転駆動されると共に、ピックアップ15によってディスク2が中心からの法線方向に沿ってシークされて、ディスク2にデータの記録及び/又は再生が行われるように構成されている。
なお、ディスク2へのデータの記録及び/又は再生の終了後に後述するイジェクト釦23によってイジェクトスイッチ23aが押される(ON)と、、ユニットベース13によってスピンドルモータ14及びピックアップ15が上昇位置から下降位置へ矢印d方向に下降され、ディスク2がディスククランパー16の下方に離脱されて、ディスクトレー10の凹所11内に再び水平状に載置される。そして、ディスクトレー10によってディスク2がディスク挿入口9からディスクドライブ装置本体7の外部へ矢印b方向にイジェクトされる。
【0014】
次に、図11及び図12に示すように、このディスクドライブ装置1Aのフロントパネル8には、ディスク挿入口9の下部に沿って水平状の長孔であるカード挿入口19、ボリューム20、2つの発光ダイオードであるLED(LEDレンズ)孔21、22、イジェクト釦23及びヘッドホンジャック孔4等がほぼ横一列状に形成されている。そして、カード挿入口19がほぼ左寄りの位置に配置され、ボリューム孔20がほぼ中央位置に配置され、2つのLED(LEDレンズ)孔21、22がカード挿入口19とボリューム孔20との間に配置され、ヘッドホンジャック孔24とイジェクト釦23が左右両側位置に配置されている。そして、ボリューム孔20、2つのLED(LEDレンズ)孔21、22及びヘッドホンジャック孔24内にはそれぞれ後述するボリューム26、2つのLED(LEDレンズ)27、28及びヘッドホンジャック29が露出されている。また、イジェクト釦23の後方には後述するイジェクトスイッチ23aが組み込まれている。
【0015】
そして、ドライブ装置本体7内のシャーシ12の下部にプリント配線基板であるメイン基板31が水平状に搭載されている。
この際、図17に示すように、メイン基板31にはディスクドライブユニット3の駆動回路32、カードドライブユニット5の駆動回路33、これら2つの駆動回路32、33を相互に制御して、ディスク2とメモリカード4との間でデータの送受信を行うコントロール回路34等がマウント(実装)されている。そして、このメイン基板31のフロントパネル8側の端部である前端縁31a側の上部で、フロントパネル8のカード挿入口19の後方位置にカードドライブユニット5のメモリカード差込み用コネクタ37と、合成樹脂等によってほぼコ字状に成形された挿入ガイド38がマウント(実装)されている。なお、このメイン基板31の後端縁31bの上部にはホストコンピュータに接続されるインターフェース35がマウント(実装)されている。
【0016】
そして、カードドライブユニット5は、メモリカード4がフロントパネル8のカード挿入口19からドライブ装置本体7内のコネクタ37に挿入ガイド38を通して矢印e方向に水平状に挿入された状態で、そのメモリカード4にデータの記録及び/又は再生を行うことになる。そして、このディスクドライブ装置1Aでは、このメモリカード4のデータの記録及び/又は再生と、前述したディスクドライブユニット3によるディスクのデータの記録及び/又は再生とを同時に行うことによって、メモリカード4とディスク2との間でデータの送受信を行うことができる。従って、デジタルカメラやデジタルビデオカメラで撮影してメモリカード4に記録した写真データや動画データ或いは個人のデータや音楽データ等をメモリカード4とディスク2との間でコピーしたり、編集して記録することを容易に行うことができる。なお、メモリカード4はデータの記録及び/又は再生後にカード挿入口19から矢印f方向に抜き取ることになる。
【0017】
(2)・・・ メモリカードの説明
次に、図15の(A)(B)によって、メモリカード4について説明すると、このメモリカード4は、ちょうど、嗜好品のガム形状に類似した扁平な長方体形状のほぼカード状に構成されている。そして、このメモリカード4の先端4aの下面4bに電子機器への挿入及び抜取り方向である矢印e、f方向に対して直交する方向に等間隔に配置されたほぼ短冊形状の複数の端子4cが設けられていて、その複数の端子4c間は薄い複数のリブ4dによって仕切られている。そして、複数の端子4cのうちの、左右両側の端子がアーム用端子に構成されて、他の複数の端子4cが信号用端子に構成されている。
【0018】
そして、挿入方向(矢印e方向)から見て、このメモリカード4の左側面であって、一方の側部である一方の側面4eの先端4aには誤挿入防止用のR面4fが形成され、このメモリカード4の下面4bの先端4aでR面4fの下部相当位置には誤挿入防止用の段差部4gが形成されている。そして、このメモリカード4の下面4bで、一方の側面4eの先端4a側寄りの位置には係止部であるほぼ半円形状のロック用凹部4hが形成されている。そして、このメモリカード4の下面4bで先端4a側寄りの位置にはライトプロテクタ4iが取り付けられていて、このメモリカード4の上下両面4j、4bにはその後端4kを迂回するような浅い凹みであるラベル貼付けエリア4mが形成されている。
【0019】
そして、前述したように、このメモリカード4をドライブ装置本体7内のコネクタ37に矢印e方向から差し込んだ時に、先端4aの下面4bに配置されている複数の端子4cがそのコネクタ37内の対応する複数の接続端子に接続されるように構成されている。
【0020】
(3)・・・カード挿入口の開閉扉に関する説明
次に、図1〜図10によって、フロントパネル8のカード挿入口19を内側から開閉する内開き方式の開閉扉について説明する。
【0021】
まず、図1〜図10によって、一般的な開閉扉41について説明すると、合成樹脂等で成形された一般的な開閉扉41の場合には、その開閉扉41の上端をフロントパネル8の内側に左右一対の支点ピン42を介して前後方向である矢印g、h方向に回転自在に取り付ける。そして、支点ピン42の外周に取り付けた捩りコイルばね43の可動端43aを開閉扉41の背面41aに当接し、その捩りコイルばね43の固定端43bをフロントパネル8の背面8aに当接する。そして、その捩りコイルばね43のばね力によって開閉扉41を前方側である矢印h方向に回転付勢して、その開閉扉41をフロントパネル8の背面8aに当接させることによって、その開閉扉41でカード挿入口19を内側から閉塞するように構成される。
【0022】
そして、メモリカード4をカード挿入口19から矢印e方向に挿入して、カードドライブユニット5の挿入ガイド38で案内しながらコネクタ37内に矢印e方向から挿入する際に、そのメモリカード4によって開閉扉41を捩りコイルばね43に抗して矢印g方向に押し開き、メモリカード4をカード挿入口19から矢印f方向に抜き取ることによって開閉扉41を捩りコイルばね43によって矢印h方向に回転復帰させるように構成される。
【0023】
しかし、この一般的な開閉扉41は、下端部分41bが支点ピン42を中心として一定の回転半径r10によって単純に円運動されるものであり、その下端部分41bの回転軌跡c10内から障害物を排除しなければならない。
つまり、前述したように、ドライブ装置本体7内のシャーシ12の下部位置に配置されているメイン基板31の前端縁31a上には、後述するように、ボリューム26、2つのLED27、28やヘッドホンジャック29等の電子部品がマウントされる関係で、このメイン基板31の前端縁31aは、本来ならば、図8に1点鎖線で示すようにフロントパネル8の背面8aに近接させることが好ましい。
しかし、それでは、単純に円運動する一般的な開閉扉41をフロントパネル8のカード挿入口19の内側に設置することができなくなると言う問題が発生する。
【0024】
一方、メイン基板31の前端縁31aが開閉扉41の下端部分41bと干渉しないように、その前端縁31aを図8に実線で示すように、フロントパネル8の下端側の背面8bから大きな距離L10だけ後退させるか、或いは図9及び図10に示すように、開閉扉41の下端部分41bに対する逃げ用の大きな切欠き44を開閉扉41の前幅に亘って形成すると、図10に1点鎖線で示すように、その大きな切欠き44内には、後述するように、ボリューム26等の電子部品は一切マウントすることができなくなると言う新たな問題を発生することになる。なお、図8〜図10において、符号31a′はフロントパネル8の下端側の背面8bに対するメイン基板31の前端縁31aの理想とする接近位置を示している。
【0025】
本発明のカード挿入口19を閉塞する開閉扉は、上記の問題を解決することができるものである。
即ち、まず、図1〜図7に示すように、本発明の開閉扉51は、上端部分51aに配置された後述する回転支点によってフロントパネル8の内側に回転自在に取り付けられて、その開閉扉51の下端部分51bが回転支点を中心に前後方向である矢印g、h方向に回転自在に構成されている。そして、回転付勢手段である捩りコイルばね52によって前方下方である矢印h方向に回転付勢されてカード挿入口19を内側から閉塞するように構成されている。
【0026】
そして、図1〜図3及び図4〜図6に示すように、メモリカード4がカード挿入口19から挿入ガイド38を通してコネクタ37に矢印e方向から挿入される時に、そのメモリカード4の先端4aによって開閉扉51が押されて、この開閉扉51が捩りコイルばね52に抗して後方上方である矢印g方向に押し開かれる。また、メモリカード4がコネクタ37から矢印f方向に引き抜かれて、カード挿入口19から矢印f方向に抜き取られると、開閉扉51が捩りコイルばね52によって前方下方である矢印h方向に回転復帰されて、カード挿入口19を再び内側から閉塞するように構成されている。
【0027】
この際、本発明の開閉扉51は、メモリカード4の矢印f方向への抜き取りによって、前方下方である矢印h方向に回転復帰してカード挿入口19を内側から閉塞した時には、その開閉扉51の下端部分51bの回転半径r1が大きく設定されていて、開閉扉51がカード挿入口19から矢印e方向に挿入されるメモリカード4によって押されて後方上方である矢印g方向に回転されてカード挿入口19を開放する時には、その開閉扉51の下端部分51bの回転半径r2が小さくなるように回転半径r1、r2を自動変更する回転半径自動変更機構54が備えられている。
【0028】
そして、この回転半径自動変更機構54は、図1〜図3に示すように、例えば、合成樹脂等にて成形された開閉扉51の上端部分51aに形成された長孔であるカム孔54であって、前方下方位置と後方上方位置との間で所定の角度θ、好ましくは40°〜80°であって、更に好ましくは45°〜60°に傾斜されたカム孔54と、合成樹脂等にい成形されたフロントパネル8の内側に一体成形等にて形成された左右一対の同一軸心状の支点ピン55を有し、これら左右一対の支点ピン55にカム孔54が相対的に移動自在に係合されて、開閉扉51がこれら左右一対の支点ピン55に対して図1に示す前方下方位置と図2に示す後方上方位置との間で斜め前後方向である矢印i、j方向にスライド自在に構成されている。
【0029】
そして、捩りコイルばね52のコイル部52aが支点ピン55の外周に挿入されていて、その捩りコイルばね52の可動端52bが開閉扉51の下端部分51bの背面51cで、カム孔54の近傍位置に矢印h方向から押圧され、固定端52cがフロントパネル8の背面8aで、支点ピン55より高い位置に押圧されている。
更に、開閉扉51の下端部分51b側の前面51dに一体成形等にて凸型に形成されて、前方下方である矢印i方向に向くように傾斜された分力発生用斜面56がカード挿入口19内に矢印h方向から突出されている。
【0030】
このように構成された回転半径自動変更機構53によれば、まず、図1及び図4に示すように、開閉扉51が捩りコイルばね52によって矢印h方向に回転復帰されて、カード挿入口19を閉塞している状態では、捩りコイルばね52の可動端52bが開閉扉51の背面51cで、支点ピン55の近傍位置を矢印h方向に押圧することによって、この開閉扉51全体が支点ピン55に対してカム孔54によって前方下方位置である矢印i方向に斜めに下降移動されている。
【0031】
従って、このカード挿入口19の閉塞状態では、支点ピン55が相対的にカム孔54の上端部分54a側へ移動されていて、開閉扉51の回転支点P1はカム孔54の上端部分54aへ偏位された状態になっている。これにより、開閉扉51の下端部分51bの回転支点P1を中心とする回転半径は大きな回転半径r1に拡大された状態となっている。
【0032】
一方、図1及び図4に示すように、カードドライブユニット5のコネクタ37及び挿入ガイド38が上部にマウントされているメイン基板31の前端縁31aがフロントパネル8の下端側の背面8bに小さな距離L1に接近されているため、開閉扉51の大きな回転半径r1に拡大されている下端部分51bの回転軌跡c1はメイン基板31の前端縁31aに干渉部分Xにて干渉される状態となっている。従って、仮に、開閉扉51がそのまま回転支点P1を中心に矢印g方向に回転されるのであれば、下端部分51bがメイン基板31の干渉部分Xに干渉されてしまい、その開閉扉51の矢印g方向への回転が不能状態となる。
【0033】
しかし、後述するように、開閉扉51が矢印g方向に押し開かれる際には、その下端部分51bが干渉部分Xに干渉されることなく回転することができるように構成されている。
【0034】
そして開閉扉51の前面51dがフロントパネル8の背面8aでカード挿入口19の全外周に平行状に密着されて、そのカード挿入口19が完全密封され、且つ、開閉扉51の前面51dに凸型に形成されている分力発生用斜面56がそのカード挿入口19内に突出されている。
【0035】
次に、開閉扉51の開放動作を説明すると、まず、図1及び図4に示すように、メモリカード4がカード挿入口19に矢印e方向から挿入されると、そのメモリカード4の前端4aの上端部分が開閉扉51の前面51dの凸型の分力発生用斜面56に矢印e方向から当接される。
すると、図2及び図5に示すように、分力発生用斜面56によって開閉扉51を斜め後方上方に押し上げる分力Fが発生して、開閉扉51がカム孔54によって支点ピン55に対して斜め上方である矢印i方向に捩りコイルばね52の可動端52bに抗して斜めに上昇移動される。従って、開閉扉51は下端部分51bをメイン基板31の干渉部分Xに何等干渉させることなく、矢印i方向に斜めに上昇移動され、開閉扉51の回転支点が図1に示したカム孔54の上端部分54aの回転支点P1から図2に示すカム孔54の下端部分54bの回転支点P2へ相対的に偏位される。
【0036】
つまり、開閉扉51がカム孔54によって支点ピン55に対して矢印j方向に斜めに上昇移動されることによって、その下端部分51bをメイン基板31の干渉部分Xに何等干渉させることなくメイン基板31の上方位置まで斜めに引き上げることができる。そして、開閉扉51の回転支点がカム孔54の上端部分54aの回転支点P1から下端部分54bの回転支点P2へ相対的に偏位されたことによって、メイン基板31の上方位置まで斜めに引き上げられた下端部分51bの回転半径が回転支点P1を中心とする大きな回転半径r1から回転支点P2を中心とする小さな回転半径r2に自動的に変更(縮小)されることになる。
【0037】
そして、開閉扉51のカム孔54の下端部分54bが支点ピン55に矢印j方向から当接された瞬間から、この開閉扉51には支点ピン55(回転支点P2)を中心とした矢印g方向への回転力が作用されることになる。
従って、図3及び図6に示すように、引き続き矢印e方向に挿入されるメモリカード4によって矢印e方向に押される開閉扉51は捩りコイルバネばね52の可動端52bに抗して支点ピン55(回転支点P2)の周りに矢印g方向に回転されて、その開閉扉51が下端部分51bをメイン基板31の干渉部分Xに何等干渉させることなく、矢印g方向に開放され、その開閉扉51がメモリカード4の上面4j上に乗り上げることになる。
そして、メモリカード4の先端4a部分が挿入ガイド28を通してコネクタ37内に矢印e方向からスムーズに差し込まれることになる。
【0038】
なお、メモリカード4をカード挿入口19から矢印f方向に抜き取る時には、上述した動作の逆動作となり、メモリカード4が図6及び図3に示す位置から図5及び図2に示す位置まで矢印f方向に抜き取られる間は、開閉扉51が捩りコイルばね52の可動端52bによって支点ピン(回転支点P2)を中心とする小さな回転半径c2によって矢印h方向に回転復帰されることになり、この間に、開閉扉51の下端部分51bがメイン基板31の干渉部分Xに何等干渉されることはない。
そして、この後、図1及び図4に示すように、メモリカード4がカード挿入口19外へ矢印f方向に抜き取られる際に、捩りコイルばね52の可動端52bによって開閉扉51のカム孔54が支点ピン55に対して矢印i方向に斜めに下降移動されて、カード挿入口19を内側から密封するが、この間にも、開閉扉51の下端部分51bがメイン基板31の干渉部分Xに干渉されることはない。
【0039】
なお、開閉扉51をカム孔54によって支点ピン55に対して矢印i、j方向に斜めにスムーズに下降、上昇移動させるためには、捩りコイルばね52の可動端52bが開閉扉51の背面51cで、カム孔54の近傍位置を矢印h方向に押圧することが好ましい。仮に、可動端52bが開閉扉51のカム孔54から下方に大きく離間された下端部分51bを矢印g方向に押圧する構造であると、可動端52bのばね力をカム孔54に効率良く伝達することができず、カム孔54を支点ピン55に対して矢印i、j方向にスムーズに移動させることができなくなる。
【0040】
また、この実施の形態では、カム孔54を開閉扉51側に形成し、支点ピン55をフロントパネル8側に形成したが、その逆に、支点ピン55を開閉扉51側に形成し、カム孔55をフロントパネル8側に形成しても良い。また、カム孔54を各種の形状に変更して、開閉扉51の開閉移動軌跡を各種形状に変更することも可能である。
【0041】
以上述べたように、本発明のディスクドライブ装置1Aは、フロントパネル8の内側の狭いスペース内で、開閉扉51を矢印g、h方向に開閉する際に、開閉扉51の下端部分51bがメイン基板31の干渉部分Xと干渉しないように、回転半径自動変更機構53によってその開閉扉51の下端部分51bの回転半径を大きい回転半径r1と小さい回転半径r2に自動的に変更させながら、開閉扉51をスムーズに開閉させることができるように構成したので、メモリカード4で開閉扉51をスムーズに押し開くようにして、そのメモリカード4をカード挿入口19からカードドライブユニット5のコネクタ37内にスムーズに挿入、排出することができる。
【0042】
しかも、開閉扉51がカード挿入口19を内側から閉塞する時には、その開閉扉51の下端部分51bの回転半径を大きな回転半径r1に設定した状態で、カード挿入口19を閉塞することができるので、そのカード挿入口19の全周を内側から確実に完全密封することができる。従って、ダスト(塵埃)がカード挿入口19からカードドライブユニット5のコネクタ37内に侵入して、内部の複数の接続端子に付着し、そのコネクタ37内に挿入されたメモリカード4の複数の端子の接続不良が発生することを未然に防止することができる。そして、コネクタ37の複数の接続端子に対するメモリカード4の複数の端子の接続状態を常に良好状態に保つことができて、メモリカード4に対するデータの記録及び/又は再生を常に正確に行え、メモリカード4とディスク2との間でのデータの送受信も常に正確に行える高品質のディスクドライブ装置1Aを実現することができる。
【0043】
(4)・・・ プリント配線基板の共通化に関する説明
次に、図7、図11〜図20によって、プリント配線基板であるメイン基板31を、前述したように、ディスクドライブユニット3とカーードドライブユニット5の2つのドライブユニットを搭載されていて、図11及び図12に示されている高機能ディスクドライブ装置1Aと、図13及び図14に示されているような、カードドライブユニット5が搭載されておらず、ディスクドライブユニット3のみが搭載されている低機能ディスクドライブ装置1Bとの2つのディスクドライブ装置1A、1Bに対して共通化させるための技術について説明する。なお、メイン基板31を以下に共通基板31と記載する。
【0044】
まず、前述したように、高機能ディスクドライブ装置1Aのフロントパネル8のディスク挿入口9の下部位置には、図11及び図12に示すように、左から右の順に、ヘッドホンジャック29、カード挿入口19、2つのLED(LEDレンズ)27、28、ボリューム26及びイジェクト釦23が一列状に配置されている。
一方、図13及び図14に示すように、低機能ディスクドライブ装置1Bのフロントパネル8のディスク挿入口9の下部位置には、当然カード挿入口19は形成されておらず、左から右に順にヘッドホンジャック29、ボリューム26、1つのLED27及びイジェクト釦23が一列状に配置されている。
【0045】
そして、図12に示されている高機能ディスクドライブ装置1Aのフロントパネル8におけるカード挿入口19のセンターP11、ボリューム孔20のセンターP12、2つのLED(LEDレンズ)孔21、22のセンターP13、P14、イジェクト釦23のセンターP15、ヘッドホンジャック孔24のセンターP16のうちのカード挿入口19のセンターP11に、図14に示されている低機能ディスクドライブ装置1Bのフロントパネル8に形成されているボリューム孔20のセンターP12′が一致されている。そして、これら両方のディスクドライブ装置1A、1Bのフロントパネル8に形成されている1つのLED(LEDレンズ)孔21のセンターP13、イジェクト釦23のセンターP15及びヘッドホンジャック孔24のセンターP16は相互に一致されている。
【0046】
そこで、共通基板31は、1枚で、高機能ディスクドライブ装置1Aと、低機能ディスクドライブ装置1Bのメイン基板を兼用することによる基板共通化を図っている。
【0047】
即ち、図17はその共通基板31全体を示し、図18はその共通基板31の前端縁31a側を拡大して示したものであって、この前端縁31a上で、図12及び図14に示されたセンターP11、P12′相当位置にコネクタマウント部61がプリント配線されている。このコネクタマウント部61は前述したカードドライブユニット5の駆動回路33内に配置されていて、前端縁31aから後方側(メモリカード挿入方向である矢印e方向)に一定距離L2だけ偏位された位置にプリント配線されている。
従って、この前端縁31aとコネクタマウント部61との間には一定距離L2相当分の空きスペース62が形成されている。
【0048】
そして、共通基板31の前端縁31a上で、空きスペース62内におけるセンターP11、P12′上の位置と、それより横側方に偏位された位置であって、前端縁31a上の図12に示されたセンターP12相当位置との2箇所にボリュームマウント部63、64がプリント配線されている。なお、前端縁31a上で、図12及び図14に示された各センターP13、P14、P15及びP16上にはそれぞれLEDマウント部65、66、イジェクトスイッチマウント部67、ヘッドホンジャックマウント部68がプリント配線されている。従って、共通基板31の前端縁31a上のセンターP11、P12′上に形成されている1つのボリュームマウント部63はコネクタ37に対するメモリカード4の差込み用スペース62を利用して形成されている。
【0049】
なお、スペース62内で、コネクタマウント部61とボリューム63との間に挿入ガイドマウント部69が形成されていて、この挿入ガイドマウント部69の両端には、一対の係止孔69aが形成されている。また、共通基板31の前端縁31aで、2つのLEDマウント部65、66の前側にはそれぞれLEDレンズ取付け用の切欠き70、71が形成されている。
【0050】
共通基板31は以上のように構成されていて、この共通基板31を高機能ディスクドライブ装置1Aの専用基板31Aに組み上げる場合は、図19に示すように、この共通基板31のコネクタマウント部61上にコネクタ37をマウントする。そして、挿入ガイドマウント部69の一対の係止孔69aに挿入ガイド38の一対の係止爪38aを上方から挿入して係止させるようにして、挿入ガイド38を挿入ガイドマウント部69上にマウントする。そして、センターP12上のボリュームマウント部64上にボリューム26をマウントする。この際、ボリューム26はボリューム本体26aの上部にボリュームつまみ26bが回転自在に取り付けられていて、ボリューム本体26aによってボリュームマウント部64上にマウントされる。
【0051】
そして、2つのLEDマウント部65、66上に2つのLED27、28をマウントして、これらの前側の2つの切欠き70、71に2つのLEDレンズ27a、28aを取り付ける。そして、図17及び図19に示すように、高機能ディスクドライブ装置1Aと低機能ディスクドライブ装置1Bに共通のイジェクトスイッチマウント部67上とヘッドホンジャックマウント部68上にそれぞれイジェクトスイッチ23aとヘッドホンジャック29をマウントすることにより、この共通基板31が図11及び図12に示された高機能ディスクドライブ装置1Aの専用基板31Aに組み上げられる。
【0052】
そこで、この高機能ディスクドライブ装置1Aの専用基板31Aを図16に示すようにドライブ装置本体7内のシャーシ12の下部に水平状に取り付けた後、フロントパネル8をそのドライブ装置本体7の前面に前方から嵌合させるようにして組み立てると、図11及び図12に示すように、コネクタ37及び挿入ガイド38のセンターP11上の前方位置にカード挿入口19が正確に位置決めされる。そして、ボリューム26のボリュームつまみ26bの外周の一部がセンターP12上でボリューム孔20内に挿入されて前方に突出される。そして、2つのLED27、28の前側の2つのLEDレンズ27a、28aの先端がそれぞれセンターP13、P14上で2つのLED(LEDレンズ)孔21、22内に嵌合される。そして、イジェクトスイッチ23aがセンターP15上でイジェクト釦23の背面に近接又は当接され、ヘッドホンジャック29がセンターP16上でヘッドホンジャック孔24内に嵌合されて、高機能ディスクドライブ装置1Aの組み立てが完了する。
【0053】
次に、この共通基板31を低機能ディスクドライブ装置1Bの専用基板31Bに組み上げる場合は、図20に示すように、共通基板31のセンターP12′(P11)上のボリュームマウント部63上に別の電子部品であるボリューム26をボリューム本体26aによってマウントし、センターP13上の1つのLEDマウント部65上に1つのLED27をマウントして、その前側の1つの切欠き70に1つのLEDレンズ27aを取り付ける。そして、図17及び図20に示すように、高機能ディスクドライブ装置1Aと低機能ディスクドライブ装置1Bに共通のイジェクトスイッチマウント部67上とヘッドホンジャックマウント部68上にそれぞれイジェクトスイッチ23aとヘッドホンジャック29をマウントすることにより、この共通基板31が図13及び図14に示された低機能ディスクドライブ装置1Bの専用基板31Bに組み上げられる。
【0054】
そこで、この低機能ディスクドライブ装置1Bの専用基板31Bを高機能ディスクドライブ装置1Aの専用基板31Aと同様に、ドライブ装置本体7内のシャーシ12の下部に水平状に取り付けた後、フロントパネル8をそのドライブ装置本体7の前面に前方から嵌合させるようにして組み立てると、図7、図13及び図14に示すように、ボリューム26のボリュームつまみ26bの外周の一部がセンターP12′(P11)上でボリューム孔20内に挿入されて前方に突出される。そして、1つのLED27の前側の2つのLEDレンズ27aの先端がセンターP13上でLED(LEDレンズ)孔21内に嵌合される。そして、イジェクトスイッチ23aがセンターP15上でイジェクト釦23の背面に近接又は当接され、ヘッドホンジャック29がセンターP16上でヘッドホンジャック孔24内に嵌合されて、低機能ディスクドライブ装置1Bの組み立てが完了する。
【0055】
この際、特に、図7に示されていて、前述したように、メイン基板31の前端縁31aをフロントパネル8の下端側の背面8bに対して小さい距離L1に接近させて配置させておくことができるので、センターP12′(P11)上のボリュームマウント部63上にマウントしたボリューム26のボリュームつまみ26bの外周の一部をフロントパネル8のボリューム孔20内に確実に挿入して、前方へ所定寸法に正確に突出させることができるものである。
【0056】
つまり、図10で説明したように、メイン基板31の前端縁31aで、センターP12′(P11)上に切欠き44が形成されていたり、前端縁31aがセンターP12′(P11)上でフロントパネル8の下端側の内面8bから後方に大きな距離L10に離間されていたならば、その前端縁31a上にマウントしたボリューム26のボリュームつまみ26bをフロントパネル8のボリューム孔20内に正しく挿入させることはできない。
【0057】
以上述べたように、本発明のディスクドライブ装置は、メイン基板31上のコネクタマウント部61の前方の空きスペース62を利用して、メイン基板31の有効エリアの拡大を図ることにより、メイン基板31の前端縁31a上で、その空きスペース62内と、それより横側方に偏位された位置との複数箇所にボリューム26等の別の電子部品のマウント部63、64を形成することができるように構成したものである。
この結果、高機能ディスクドライブ装置1Aと低機能ディスクドライブ装置1Bに対するメイン基板31の共通化を図ることに成功したものである。
【0058】
そして、そのメイン基板31上にボリューム26、LED27、28、ヘッドホンジャック29、コネクタ37及び挿入ガイド38等の複数種類の電子部品をマウントする際の電子部品の種類の選択及びマウント位置を選択することによって、高機能ディスクドライブ装置1Aの専用基板31Aと、低機能ディスクドライブ装置1Bの専用基板31Bとを製造(簡単に組み上げること)することができるように構成したものであり、メイン基板31の共通化による大幅なコストダウンを実現できるものである。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
【0060】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明のディスクドライブ装置は、次のような効果を奏することができる。
【0061】
請求項1は、フロントパネルのカード挿入口を内側から開閉する開閉扉に回転半径自動変更機構が備えられていて、開閉扉がカード挿入口を閉塞した時には、その開閉扉の回転半径が大きく設定され、開閉扉がカード状記録媒体によって押されて後方上方に回転される時には、その開閉扉の回転半径が小さくなるように変化させるようにして、開閉扉が開放される時に、その開閉扉がプリント配線基板等の障害物と干渉され難いように構成されているので、開閉扉をフロントパネルの内側の狭いスペース内でスムーズに開閉させることができて、カード状記録媒体をカード挿入口からカードドライブユニット内にスムーズに挿入、排出することができることと、開閉扉でカード挿入口を内側から完全密封させることができて、カード挿入口からカードドライブユニット内へのダストの侵入を確実に防止できることとを両立させることができる。そして、カードドライブユニット内へのダストの侵入を確実に防止することができることから、カードドライブユニットのコネクタに対するカード状記録媒体の端子の接続状態を常に良好状態に保つことができるので、カード状記録媒体に対するデータの記録及び/又は再生を常に正確に行える高品質のディスクドライブ装置を実現することができる。
【0062】
請求項2〜4は、回転半径自動変更機構が、傾斜されたカム孔と支点ピンとの斜め上下方向の相対的な移動によって開閉扉の回転半径を自動的に変化させるようにし、開閉扉の前面に形成した分力発生用斜面を利用して、カード状記録媒体の挿入時に開閉扉を斜め上方に仕上げるようにし、支点ピンの外周に挿入された捩りコイルばねの可動端を開閉扉のカム孔の近傍位置を押圧させてカム孔を支点ピンに対してスムーズに相対移動させるように構成したので、極く簡単な構造でありながら、開閉扉がカード状記録媒体に押し開かれる際に、その開閉扉を支点ピンに対して斜め上方にスムーズに押し上げるようにして、開閉扉の回転を大きい回転半径から小さい回転半径にスムーズに変更させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したディスクドライブ装置における開閉扉の回転半径自動変更機構を説明する要部の拡大断面図であって、回転半径が大きく設定された開閉扉によってカード挿入口を内側から密封している様子を示した図面である。
【図2】 図1と同様の要部の拡大断面図であって、メモリカードによって開閉扉が内側へ押された瞬間に、その開閉扉が斜め後方上方へ押し上げられて、その開閉扉の回転半径が小さく変化した様子を示した図面である。
【図3】 図1と同様の要部の拡大断面図であって、メモリカードによって内側へ押された開閉扉が回転半径が小さいままの状態で後方上方に回転された様子を示した図面である。
【図4】 フロントパネルとメイン基板上のコネクタと開閉扉の位置関係を示した一部切欠き側面図であって、図1と対応させた図面である。
【図5】 図4と同様の一部切欠き側面図であって、図2と対応させた図面である。
【図6】 図4と同様の一部切欠き側面図であって、図3と対応させた図面である。
【図7】 図4と同様の一部切欠き側面図であって、後述する共通基板上におけるコネクタの前方位置にマウントされたボリュームがフロントパネルのボリューム孔内に内側から挿入されている様子を示した図面である。
【図8】 フロントパネルのカード挿入口の内側に一般的な開閉扉を取り付けた時の問題点を説明する要部の拡大断面図である。
【図9】 フロントパネルのカード挿入口の内側に一般的な開閉扉を取り付けた時の問題点を説明する一部切欠き側面図であって、フロントパネルとメイン基板上のコネクタと開閉扉の位置関係を示した図面である。
【図10】 図10と同様の一部切欠き側面図であって、メイン基板上のコネクタの前方位置にはボリューム等の別の電子部品をマウントすることができない様子を説明する図面である。
【図11】 本発明が適用されたディスクドライブユニットとカードドライブユニットとが搭載されている高機能ディスクドライブ装置の外観斜視図である。
【図12】 図11の高機能ディスクドライブ装置のフロントパネルの正面図である。
【図13】 ディスクドライブユニットのみが搭載されていて、本発明の共通基板が適用される低機能ディスクドライブ装置の外観斜視図である。
【図14】 図13の低機能ディスクドライブ装置のフロントパネルの正面図である。
【図15】 本発明の高機能ディスクドライブ装置に適用されるメモリスティク等のメモリカードの上下両面を示した斜視図である。
【図16】 本発明の高機能ディスクドライブ装置を説明する縦断面側面図である。
【図17】 本発明の高機能ディスクドライブ装置と低機能ディスクドライブ装置に共通化される共通基板を説明する基板全体の平面図である。
【図18】 図17の共通基板の前端縁側を拡大して示した平面図である。
【図19】 本発明の共通基板によって組み上げられた高機能ディスクドライブ装置の専用基板を説明する平面図である。
【図20】 本発明の共通基板によって組み上げられた低機能ディスクドライブ装置の専用基板を説明する平面図である。
【符号の説明】
1Aはディスクドライブ装置、2はディスク状記録媒体であるディスク、3はディスクドライブユニット、4はカード状記録媒体であるメモリカード、5はカードドライブユニット、8はフロントパネル、8aはフロントパネルの背面、19はカード挿入口、31はプリント配線基板であるメイン基板、31aはメイン基板の前端縁、51は開閉扉、51aは開閉扉の上端部分、51bは開閉扉の下端部分、51cは開閉扉の背面、51dは開閉扉の前面、52は捩りコイルばね、52aは捩りコイルばねのコイル部、52bは捩りコイルばねの可動端、52cは捩りコイルばねの固定端、53回転半径自動変更機構、54はカム孔、55は支点ピン、56は分力発生用斜面である。
Claims (4)
- フロントパネルに形成されたディスク挿入口及びカード挿入口と、
前記ディスク挿入口から挿入されたディスク状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するディスクドライブユニットと、
前記カード挿入口から挿入されたカード状記録媒体にデータを記録及び/又は再生するカードドライブユニットと、
上端側に配置された回転支点によって前記フロントパネルの内側に回転自在に取り付けられて、前記カード挿入口を内側から回転方式で開閉する開閉扉とを備え、
前記開閉扉が前記フロントパネルに対して前方下方に回転復帰して前記カード挿入口を内側から閉塞した時には、その開閉扉の回転半径が大きく設定され、前記開閉扉が前記カード挿入口から挿入される前記カード状記録媒体によって押されて前記フロントパネルに対して後方上方に回転されて前記カード挿入口を開放する時には、その開閉扉の回転半径が小さくなるように変更される回転半径を自動変更する回転半径自動変更機構を備えた
ことを特徴とするディスクドライブ装置。 - 前記回転半径自動変更機構が、前記フロントパネルと前記開閉扉との間に形成されて、前方下方位置と後方上方位置との間で傾斜されたカム孔と、そのカム孔内で相対的に移動される支点ピンとによって構成された
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクドライブ装置。 - 前記回転半径自動変更機構が、前記開閉扉の前面に形成された前方下方に向く分力発生用斜面であって、前記カード挿入口から挿入される前記カード状記録媒体で押されることによって、その開閉扉に後方上方への押上げ分力を発生させる分力発生用斜面を備えた
ことを特徴とする請求項2に記載のディスクドライブ装置。 - 前記回転半径自動変更機構が、コイル部が前記支点ピンの外周に挿入され、固定端が前記フロントパネルの背面部に押圧され、可動端が前記開閉扉の背面部で、かつ、前記カム孔の近傍位置に押圧された捩りコイルばねを備えた
ことを特徴とする請求項2に記載のディスクドライブ装置。
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- 2001-10-19 JP JP2001321507A patent/JP3931618B2/ja not_active Expired - Fee Related
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