JP3930332B2 - 集積回路、液晶表示装置、及び信号伝送システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルを駆動するドライバICに関し、詳しくは表示データに基づいて液晶パネルのデータバスラインを駆動するLCDデータドライバに関する。
【従来の技術】
液晶パネル(Liquid Crystal Display:LCD)では、トランジスタを含む画素が縦横に配置され、横方向に延びるゲートバスラインが各画素のトランジスタのゲートに接続され、縦方向に延びるデータバスラインがトランジスタを介して各画素のコンデンサに接続される。液晶パネルにデータ表示する際には、ゲートドライバによりゲートバスラインを1ラインずつ順次駆動して1ライン分のトランジスタを導通状態にし、導通されたトランジスタを介して、データドライバから各画素に横1ライン分のデータを一斉に書き込む。
【0002】
従来の一般的な構成では、LCDデータドライバは表示データ信号やクロック信号等を伝播するバスに共通に接続される。このような構成では、信号配線が互いに交差するために、実装時の基板の層数が多くなってしまうという問題がある。そこで基板の層数を少なくするために、LCDデータドライバをカスケード接続して、各LCDデータドライバからの出力を次段のLCDデータドライバに供給する方式が用いられる。
【0003】
カスケード接続構成は、LCDデータドライバを直列に接続する形態のため実装時の信号配線が交差することなく、基板の層数を減らすことができる。これにより基板を低コストで製造することが可能となる。
【発明が解決しようとする課題】
LCDデータドライバをカスケード接続した場合、あるドライバデバイスに信号が入力されると、出力バッファを介して次段のドライバデバイスにその信号が供給される。この際、バッファにおける信号立ち上がりの信号遅延と信号立下りの信号遅延とには製造プロセスに起因する差があり、入力される信号と出力される信号とではデューティ比が若干異なるものとなってしまう。
【0004】
同様の遅延特性を有するLCDデータドライバをカスケード接続した場合、信号が各LCDデータドライバを通過するたびにデューティ比の誤差が蓄積され、多段のドライバを通過した後には、無視できないほどのデューティ比の誤差が生じる場合がある。例えばSXGAのLCDパネルでは、10個のLCDデータドライバがカスケード接続されており、累積されるデューティ比の誤差によって、信号が正常な形として伝搬されない可能性がある。
【0005】
以上を鑑みて、本発明は、デューティ比の誤差が蓄積されないLCDデータドライバ及びそのようなLCDデータドライバを用いた液晶パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明による集積回路は、外部から供給される入力信号を第1の入力信号とし、切換信号が第1の状態のときに該第1の入力信号を反転して出力し該切換信号が第2の状態のときに該第1の入力信号をそのまま出力する第1の信号反転切換回路と、該第1の信号反転切換回路の出力に基づいて信号処理を行う信号処理回路と、該信号処理回路をそのまま通過する該第1の信号反転切換回路の出力を第2の入力信号として、該切換信号が該第2の状態のときに該第2の入力信号を反転して出力し該切換信号が該第1の状態のときに該第2の入力信号をそのまま出力する第2の信号反転切換回路を含むことを特徴とする。
【0006】
上記の回路構成を有する本発明のデータドライバにおいては、出力信号の論理を入力信号の論理と反転させることで、信号立ち上がりの遅延と信号立ち下がりの遅延との時間差により生じるデューティ比の誤差を相殺することが出来る。従って、データドライバICを多段カスケード接続した場合であっても、信号伝播によりデューティ比の誤差が蓄積されることを防ぐことが可能となる。またこの論理反転処理を、切換信号により内部信号処理の前段或いは後段で選択的に実行することで、内部信号処理に使用する信号が正規の論理であるように制御することが可能となる。
【0007】
また本発明による液晶表示装置は、液晶パネルと、該液晶パネルのゲートバスラインを駆動するゲートドライバと、該液晶パネルのデータバスラインを駆動するカスケード接続された複数のデータドライバを含み、該複数のデータドライバの各々は上記第1の信号反転切換回路と第2の信号反転切換回路とを含み前段からの信号を反転して次段に伝達する構成を有することを特徴とする。
【0008】
また本発明による信号伝送システムは、カスケード接続された複数の集積回路を含み、該複数の集積回路の各々は上記第1の信号反転切換回路と第2の信号反転切換回路とを含み前段からの信号を反転して次段に伝達する構成を有することを特徴とする。
【0009】
上記の液晶表示装置及び信号伝送システムにおいては、出力信号の論理を入力信号の論理と反転させることで、信号立ち上がりの遅延と信号立ち下がりの遅延との時間差により生じるデューティ比の誤差を相殺することが出来る。従って、多段カスケード接続した場合であっても、信号伝播によりデューティ比の誤差が蓄積されることを防ぐことが可能となる。
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明を適用した液晶表示装置の構成の一例を示す図である。
【0011】
図1の液晶表示装置は、LCDパネル10、制御回路11、ゲートドライバ12、及び複数のカスケード接続されるデータドライバIC13を含む。
【0012】
LCDパネル10には、図示されないトランジスタを含む画素が縦横に配置され、ゲートドライバ12から横方向に延びるゲートバスラインが各画素のトランジスタのゲートに接続され、データドライバIC13から縦方向に延びるデータバスラインがトランジスタを介して各画素のコンデンサに接続される。LCDパネル10にデータ表示する際には、ゲートドライバ12によりゲートバスラインを1ラインずつ順次駆動して1ライン分のトランジスタを導通状態にし、導通されたトランジスタを介して、データドライバIC13から各画素に横1ライン分のデータを一斉に書き込む。
【0013】
制御回路11は、ゲートドライバ12とデータドライバIC13とを制御して、LCDパネル10に対するデータ表示を行うための回路である。この制御回路11は、データドライバIC13に対してクロック信号、データ信号、及び各種制御信号を供給すると共に、ゲートドライバ12に対してクロック信号及び各種制御信号を供給する。
【0014】
本発明の液晶表示装置においては、データドライバIC13は図1に示されるようにカスケード接続される。先頭のデータドライバIC13に供給される信号は、このデータドライバIC13を介して次段のデータドライバIC13に供給され、以降順次、各段のデータドライバIC13から次段のデータドライバIC13に信号が供給される。
【0015】
本発明においては、各データドライバIC13において信号の論理を反転する構成となっている。図1において、信号の論理が反転される様子を、データドライバIC13間を接続する信号線15に対して模式的に示す。このように各データドライバIC13において信号の論理を反転することで、信号立ち上がりの遅延と信号立ち下がりの遅延との時間差により生じるデューティ比の誤差を相殺することが出来る。従って、データドライバIC13を多段カスケード接続した場合であっても、信号伝播によりデューティ比の誤差が蓄積されることを防ぐことが可能となる。
【0016】
図2は、データドライバIC13の構成の一例を示す図である。
【0017】
図2のデータドライバIC13は、入力バッファ21乃至23、信号反転切換回路24、クロック制御回路25、データ制御回路26、インバータ27、信号反転切換回路28、出力バッファ29及び30、及び内部回路31を含む。
【0018】
図2の例では、クロック信号CLKのみを論理反転する構成となっている。信号反転切換回路24及び信号反転切換回路28の何れか一方において、クロック信号CLKを反転する。信号反転切換回路24及び信号反転切換回路28の何れにおいて反転処理を実行するかは、偶奇切換信号により決定する。カスケード接続される複数のデータドライバIC13のうちで、奇数番目のデータドライバIC13には例えばLOWの偶奇切換信号が供給され、偶数番目のデータドライバIC13には例えばHIGHの偶奇切換信号が供給される。図1に例示されるように、この偶奇切換信号として、奇数番目のデータドライバIC13には基板からグランド電位GNDを供給し、偶数番目のデータドライバIC13には基板から電源電位VDDを供給してよい。
【0019】
入力されるクロック信号CLKinが正規の論理に対して反転されている論理の場合には、信号反転切換回路24で論理を反転させることで、クロック制御回路25において使用するクロック信号CLKが正規の論理になるようにする。この場合信号反転切換回路28においては論理反転することなく、次段に出力するクロック信号CLKoutを入力クロック信号CLKinと逆の論理とする。
【0020】
入力されるクロック信号CLKinが正規の論理である場合には、信号反転切換回路24では論理を反転せずにクロック制御回路25において使用するクロック信号CLKが正規の論理になるようにする。この場合信号反転切換回路28において論理を反転し、次段に出力するクロック信号CLKoutを入力クロック信号CLKinとは逆の論理とする。
【0021】
以下に、図2のデータドライバIC13の動作を詳細に説明する。
【0022】
入力バッファ21には、前段のデータドライバIC13からクロック信号CLKinが入力される。但し当該データドライバIC13が先頭の位置にあれば、クロック信号CLKinは、図1の制御回路11から供給されることになる。入力バッファ21は、クロック信号CLKを信号反転切換回路24に供給する。信号反転切換回路24には更に、入力バッファ23を介して偶奇切換信号が供給される。
【0023】
信号反転切換回路24は、インバータ41及びスイッチ42を含み、偶奇切換信号に応じてスイッチ42の接続先を切り替えることで、クロック信号CLK或いはインバータ41の出力であるクロック信号CLKの反転信号を選択し、選択された信号をクロック制御回路25に供給する。クロック制御回路25は、供給されるクロック信号CLKに基づいて、タイミング制御信号を生成してデータ制御回路26及び内部回路31に供給する。
【0024】
入力バッファ22は、図1の制御回路11或いは前段のデータドライバIC13からデータ信号DATAinを受け取り、データ信号DATAをデータ制御回路26に供給する。データ制御回路26は、クロック制御回路25からのタイミング制御信号に応じて、入力バッファ22から順次供給される各画素のデータ信号DATAを内部のレジスタ回路に格納する。このようにして、1水平周期分の表示データのうちで当該データドライバIC13が表示する分の表示データが内部レジスタに格納される。
【0025】
データ制御回路26に格納された表示データは、内部回路31に供給される。内部回路31は、ラッチ回路、階調電圧作成回路、出力バッファ回路等を含む。この内部回路31は、クロック制御回路25から供給されるタイミング制御信号に基づいて、データ制御回路26から供給される表示データをラッチ回路にラッチする。ラッチ回路に格納されている表示データは、階調電圧作成回路に供給される。階調電圧作成回路には、各データラインに対応してDA変換回路が設けられており、このDA変換回路で入力表示データをDA変換し、アナログ階調信号として出力する。出力バッファ回路は、階調電圧作成回路から各データライン毎にアナログ階調信号を受け取り、受け取ったアナログ階調信号を、データラインを駆動するデータライン駆動信号としてLCDパネル10(図1)に出力する。
【0026】
クロック制御回路25は、信号反転切換回路24から受け取ったクロック信号CLK或いはその反転信号を、そのまま信号反転切換回路28に供給する。信号反転切換回路28には更に、入力バッファ23及びインバータ27を介して偶奇切換信号の反転信号が供給される。信号反転切換回路28は、インバータ43及びスイッチ44を含み、偶奇切換信号の反転信号に応じてスイッチ44の接続先を切り替えることで、クロック制御回路25の出力或いはクロック制御回路25の出力の反転信号を選択し、選択された信号を出力バッファ29に供給する。出力バッファ29は、供給された信号をクロック信号CLKoutとして次段のデータドライバIC13に出力する。
【0027】
データ制御回路26を通過するデータ信号DATAは、出力バッファ30を介して、データ信号DATAoutとして次段のデータドライバIC13に出力される。
【0028】
図3は、偶数番位置及び奇数番位置における信号反転処理の違いを示す図である。
【0029】
図3(a)には、奇数段に配置されるデータドライバIC13における信号伝播経路を示す。また図3(b)には、偶数段に配置されるデータドライバIC13における信号伝播経路を示す。なお図3においては、クロック信号の信号伝播経路のみを示し、データ信号関連の回路は図示を省略してある。
【0030】
奇数段に配置されるデータドライバIC13においては、入力信号の論理は正規のものであるので、図3(a)に示されるように、信号反転切換回路24では論理反転せずに、信号反転切換回路28で論理反転を行う。これにより、クロック制御回路25における信号制御は正規の論理の信号を用いて実行すると共に、入力バッファ21への入力信号と出力バッファ29からの出力信号との論理を反転することが出来る。
【0031】
また偶数段に配置されるデータドライバIC13においては、入力信号の論理は正規の論理とは反転したものであるので、図3(b)に示すように、信号反転切換回路24で論理を反転させ、信号反転切換回路28では論理を反転させない。これにより、クロック制御回路25における信号制御は、正規の論理の信号を用いて実行すると共に、入力バッファ21への入力信号と出力バッファ29からの出力信号との論理を反転することが出来る。
【0032】
図4は、多段接続したデータドライバICにクロック信号を伝播させた際のデューティ比の誤差を示す図である。
【0033】
図4(a)には、従来のデータドライバICを多段接続した場合の第1段への入力クロック信号及び各段データドライバICの出力クロック信号を示す。また図4(b)には、本発明のデータドライバIC13を多段接続した場合の第1段への入力クロック信号及び各段データドライバIC13の出力クロック信号を示す。図4(a)及び(b)共に、信号立ち上がりの遅延時間に対して信号立ち下りの遅延時間が大きい出力バッファを使用した場合を示す。即ち各段のデータドライバICにおいて、入力クロック信号のパルス幅に対して、出力クロック信号のパルス幅は若干広がることになる。
【0034】
図4(a)に示されるように、従来のデータドライバICを多段接続した場合には、各段においてデューティ比の誤差が蓄積されていく。このために、最終段のデータドライバICの出力は、デューティ比が50%の初段への入力クロック信号とは全く異なる波形となっている。
【0035】
これに対して本発明のデータドライバIC13を多段接続した場合には、図4(b)に示されるように、各段においてデューティ比の誤差が相殺されるので、誤差が蓄積されることはない。従って、最終段のデータドライバICの出力であっても、デューティ比が50%の初段への入力クロック信号に近い波形を保つことが出来る。
【0036】
このように、本発明のデータドライバIC13においては、出力信号の論理を入力信号の論理と反転させることで、信号立ち上がりの遅延と信号立ち下がりの遅延との時間差により生じるデューティ比の誤差を相殺することが出来る。従って、データドライバIC13を多段カスケード接続した場合であっても、信号伝播によりデューティ比の誤差が蓄積されることを防ぐことが可能となる。またこの論理反転処理を、偶奇切換信号により内部信号処理の前段或いは後段で選択的に実行することで、内部信号処理に使用する信号が正規の論理であるように制御することが可能となる。
【0037】
図5は、データドライバICの構成の別の一例を示す図である。
【0038】
図5のデータドライバIC13Aは、図2のデータドライバIC13に対して、信号反転切換回路32及び信号反転切換回路33がデータ信号DATAの反転処理のために新たに設けられている点が異なる。その他の構成は、図2のデータドライバIC13と同様である。
【0039】
図5の例では、クロック信号CLKだけでなくデータ信号DATAも論理反転する構成となっている。信号反転切換回路32及び信号反転切換回路33の何れか一方において、データ信号DATAを反転する。信号反転切換回路32及び信号反転切換回路33の何れにおいて反転処理を実行するかは、偶奇切換信号により決定する。カスケード接続される複数のデータドライバIC13Aのうちで、偶数番目のデータドライバIC13Aには例えばHIGHの偶奇切換信号が供給され、奇数番目のデータドライバIC13Aには例えばLOWの偶奇切換信号が供給される。
【0040】
入力されるデータ信号DATAinが正規の論理に対して反転されている論理の場合には、信号反転切換回路32で論理を反転させることで、データ制御回路26において使用するデータ信号DATAが正規の論理になるようにする。この場合信号反転切換回路33においては論理反転することなく、次段に出力するデータ信号DATAoutを入力データ信号DATAinと逆の論理とする。
【0041】
入力されるデータ信号DATAinが正規の論理である場合には、信号反転切換回路32では論理を反転せずにデータ制御回路26において使用するデータ信号DATAが正規の論理になるようにする。この場合信号反転切換回路33において論理を反転し、次段に出力するデータ信号DATAoutを入力データ信号DATAinとは逆の論理とする。
【0042】
データ信号DATAの論理反転処理を行う以外、図5のデータドライバIC13Aの動作は図2のデータドライバIC13の動作と同様であるので、詳細な動作説明は省略する。
【0043】
このようにして図5のデータドライバIC13Aにおいては、クロック信号CLK及びデータ信号DATAの双方に対して、出力信号の論理を入力信号の論理と反転させることで、信号立ち上がりの遅延と信号立ち下がりの遅延との時間差により生じるデューティ比の誤差を相殺することが出来る。従って、データドライバIC13Aを多段カスケード接続した場合であっても、信号伝播によりデューティ比の誤差が蓄積されることを防ぐことが可能となる。またこの論理反転処理を、偶奇切換信号により内部信号処理の前段或いは後段で実行することで、内部信号処理に使用する信号が正規の論理であるように制御することが可能となる。
【0044】
図6は、本発明による信号反転切換回路の実施例を示す図である。図6に示される信号反転切換回路を、図2の信号反転切換回路24及び信号反転切換回路28、また図5の信号反転切換回路32及び信号反転切換回路33として使用してよい。
【0045】
図6の信号反転切換回路は、インバータ51及び52と、トランスファーゲート53及び54を含む。偶奇切換信号(又はその反転信号)がHIGHのときにトランスファーゲート54が導通し、偶奇切換信号(又はその反転信号)がLOWのときにトランスファーゲート53が導通する。トランスファーゲート54が導通する場合には、入力信号INがそのままトランスファーゲート54を通過して出力信号OUTとして出力される。トランスファーゲート53が導通する場合には、入力信号INがインバータ51を介して反転され、トランスファーゲート53を通過して出力信号OUTとして出力される。
【0046】
図7は、本発明による信号反転切換回路の別の実施例を示す図である。図7に示される信号反転切換回路を、図2の信号反転切換回路24及び信号反転切換回路28、また図5の信号反転切換回路32及び信号反転切換回路33として使用してよい。
【0047】
図7の信号反転切換回路は、インバータ61及び62と、NAND回路63乃至65を含む。偶奇切換信号(又はその反転信号)がHIGHのときには、入力信号INがNAND回路64により反転されて、その後NAND回路65により更に反転される。従って、この場合には入力信号INと同論理の出力信号OUTが出力される。また偶奇切換信号(又はその反転信号)がLOWのときには、インバータ61の出力である入力信号INの反転信号がNAND回路63により反転されて、その後NAND回路65により更に反転される。従って、この場合には入力信号INと反転論理の出力信号OUTが出力される。
【0048】
このように本発明で使用する信号反転切換回路は、トランスファーゲートによる選択回路や組み合せ論理回路を用いて容易に実現することが出来る。
【0049】
なお本発明によるカスケード接続間の信号伝送における信号論理反転は、液晶表示装置のデータドライバにのみ適用が限られるものではない。本発明による信号論理反転処理は、複数のデバイスをカスケード接続して信号を順次次段に伝送していくシステム一般に適用可能であり、このようなシステムにおいてデューティ比の誤差が各段で蓄積されていくことを防ぐことが出来る。またそのようなシステムにおいて使用するデバイスとして、図3に示されるように入力側と出力側とに2つの信号反転切換回路を備え、これにより信号反転処理を行う構成のデバイスを使用することが出来る。
【0050】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。
【発明の効果】
本発明によるデータドライバICにおいては、出力信号の論理を入力信号の論理と反転させることで、信号立ち上がりの遅延と信号立ち下がりの遅延との時間差により生じるデューティ比の誤差を相殺することが出来る。従って、データドライバICを多段カスケード接続した場合であっても、信号伝播によりデューティ比の誤差が蓄積されることを防ぐことが可能となる。
【0051】
またこの論理反転処理を、切換信号により内部信号処理の前段或いは後段で選択的に実行することで、内部信号処理に使用する信号が正規の論理であるように制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した液晶表示装置の構成の一例を示す図である。
【図2】データドライバIC13の構成の一例を示す図である。
【図3】偶数番位置及び奇数番位置における信号反転処理の違いを示す図である。
【図4】多段接続したデータドライバICにクロック信号を伝播させた際のデューティ比の誤差を示す図である。
【図5】データドライバICの構成の別の一例を示す図である。
【図6】本発明による信号反転切換回路の実施例を示す図である。
【図7】本発明による信号反転切換回路の別の実施例を示す図である。
【符号の説明】
10 LCDパネル
11 制御回路
12 ゲートドライバ
13 データドライバIC
21、22、23 入力バッファ
24 信号反転切換回路
25 クロック制御回路
26 データ制御回路
27 インバータ
28 信号反転切換回路
29、30 出力バッファ
31 内部回路
Claims (9)
- 外部から供給される入力信号を第1の入力信号とし、切換信号が第1の状態のときに該第1の入力信号を反転して出力し該切換信号が第2の状態のときに該第1の入力信号をそのまま出力する第1の信号反転切換回路と、
該第1の信号反転切換回路の出力に基づいて信号処理を行う信号処理回路と、
該信号処理回路をそのまま通過する該第1の信号反転切換回路の出力を第2の入力信号として、該切換信号が該第2の状態のときに該第2の入力信号を反転して出力し該切換信号が該第1の状態のときに該第2の入力信号をそのまま出力する第2の信号反転切換回路を含むことを特徴とする集積回路。 - 該第1の入力信号はクロック信号であり、該信号処理回路は、
該第1の信号反転切換回路の出力に基づいてタイミング制御信号を生成するクロック制御回路と、
外部から供給されるデータ信号を該タイミング制御信号に応じて取り込むデータ制御回路
を含むことを特徴とする請求項1記載の集積回路。 - 該信号処理回路は該データ制御回路が取り込んだ該データ信号に基づいて液晶パネルを駆動するための駆動信号を生成して出力する回路を更に含むことを特徴とする請求項2記載の集積回路。
- 外部から供給される該データ信号を第1の入力データ信号とし、該切換信号が該第1の状態のときに該第1の入力データ信号を反転して該データ制御回路に供給し該切換信号が該第2の状態のときに該第1の入力データ信号をそのまま該データ制御回路に供給する第3の信号反転切換回路と、
該データ制御回路をそのまま通過する該第3の信号反転切換回路の出力を第2の入力データ信号として、該切換信号が該第2の状態のときに該第2の入力データ信号を反転して出力し該切換信号が該第1の状態のときに該第2の入力データ信号をそのまま出力する第4の信号反転切換回路
を更に含むことを特徴とする請求項2記載の集積回路。 - 該第1の信号反転切換回路と第2の信号反転切換回路の各々は、
入力信号を同論理で通過させる第1の経路と、
入力信号を反転論理で通過させる第2の経路と、
該第1の経路と該第2の経路との各々に設けられ該切換信号に応じて一方の経路を有効にするゲート
を含むことを特徴とする請求項1記載の集積回路。 - 液晶パネルと、
該液晶パネルのゲートバスラインを駆動するゲートドライバと、
該液晶パネルのデータバスラインを駆動するカスケード接続された複数のデータドライバ
を含み、該複数のデータドライバの各々は前段からの信号を反転して次段に伝達する構成を有し、該複数のデータドライバの各々は、
前段からの入力信号を第1の入力信号とし、切換信号が第1の状態のときに該第1の入力信号を反転して出力し該切換信号が第2の状態のときに該第1の入力信号をそのまま出力する第1の信号反転切換回路と、
該第1の信号反転切換回路の出力に基づいて信号処理を行うことにより該データバスラインを駆動する信号を生成する信号処理回路と、
該信号処理回路をそのまま通過する該第1の信号反転切換回路の出力を第2の入力信号として、該切換信号が該第2の状態のときに該第2の入力信号を反転して次段に出力し該切換信号が該第1の状態のときに該第2の入力信号をそのまま次段に出力する第2の信号反転切換回路
を含むことを特徴とする液晶表示装置。 - 該複数のデータドライバのうち奇数番目に配置されるデータドライバには該第2の状態の該切換信号を供給し、該複数のデータドライバのうち偶数番目に配置されるデータドライバには該第1の状態の該切換信号を供給することを特徴とする請求項6記載の液晶表示装置。
- カスケード接続された複数の集積回路を含み、該複数の集積回路の各々は前段からの信号を反転して次段に伝達する構成を有し、該複数の集積回路の各々は、
前段からの入力信号を第1の入力信号とし、切換信号が第1の状態のときに該第1の入力信号を反転して出力し該切換信号が第2の状態のときに該第1の入力信号をそのまま出力する第1の信号反転切換回路と、
該第1の信号反転切換回路の出力に基づいて信号処理を行う信号処理回路と、
該信号処理回路をそのまま通過する該第1の信号反転切換回路の出力を第2の入力信号として、該切換信号が該第2の状態のときに該第2の入力信号を反転して次段に出力し該切換信号が該第1の状態のときに該第2の入力信号をそのまま次段に出力する第2の信号反転切換回路
を含むことを特徴とする信号伝送システム。 - 該複数の集積回路のうち奇数番目に配置される集積回路には該第2の状態の該切換信号を供給し、該複数の集積回路のうち偶数番目に配置される集積回路には該第1の状態の該切換信号を供給することを特徴とする請求項8記載の信号伝送システム。
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