JP3930131B2 - アルデヒド類除去剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気清浄機器や脱臭機器などに使用される空気中のアセトアルデヒドやホルムアルデヒドなどのアルデヒド類ガスを除去するアルデヒド類除去剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のアルデヒド類除去剤は、特開昭56−53744号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
以下、そのアルデヒド類除去剤について説明する。活性炭にアニリンを3〜30重量%含浸することにより、アニリンとアルデヒド基が反応することで、活性炭によるアルデヒド類の吸着性能を向上させている。また、この種のアルデヒド類除去剤は、アニリンだけでなく、アミノ基を有した薬品を活性炭に含浸することで、活性炭のファンデルワールス力によって吸着されたアルデヒド類ガスを活性炭の表面のアミノ基に反応させることで、単なる物理吸着でなく、化学吸着させることで、吸着性能を向上させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のアルデヒド類除去剤では、活性炭に含浸したアミノ基を有した化合物は、主に有機物であり、また、活性炭は触媒作用を有しており、含浸した化合物が活性炭表面で重合や縮合反応などを起こし、長期保管時に除去剤の性能劣化が生じるという課題があり、劣化が生じないアルデヒド類除去剤を提供することが要求されている。
【0005】
また、活性炭に薬品を含浸した場合、活性炭の有効な表面積が一部薬品で覆われてしまい、有効な表面積が減少し、活性炭自体の性能が低下するという課題があり、活性炭自体の性能を低下させないアルデヒド類除去剤を提供することが要求されている。
【0006】
また、活性炭にアニリンを含浸した場合、活性炭自体は、無毒な物質であるが、アニリンは有害物質であるため、例えば、空気清浄機などのフィルタとして使用する場合は特に問題が生じないが、使用後廃棄する場合に問題が生じる可能性があるという課題があり、薬品などの含浸する化合物がないアルデヒド類除去剤を提供することが要求されている。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、活性炭表面を含酸素官能基にすることで、活性炭の表面を親水化することにより、アルデヒド基と反応し、アルデヒド類の吸着性能を向上させ、長期保管しても性能の劣化がないアルデヒド類除去剤を提供することができ、また、酸化剤で処理することにより、活性炭表面により多くの含酸素官能基を設けることで、アルデヒド類の除去性能が向上したアルデヒド類除去剤を提供することができ、また、オゾンで酸化することで、活性炭に薬品を含浸させることなく、活性炭表面に含酸素官能基を増加させることで、活性炭自体の性能を低下させないアルデヒド類除去剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルデヒド類除去剤は上記目的を達成するために、活性炭を100℃に加熱して0.01〜0.02%オゾン含有空気で処理したオゾン酸化された活性炭のみからなるものである。本発明によれば、薬品などを活性炭に含浸させることなく、アルデヒド類の吸着性能を向上させ、活性炭自体の性能を低下させないアルデヒド類除去剤が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、活性炭を100℃に加熱して0.01〜0.02%オゾン含有空気で処理したオゾン酸化された活性炭のみからなるものであり、薬品などを含浸せずに、活性炭の表面を酸化し、含酸素官能基を持たせることができ、活性炭自体の性能を低下させないという作用を有する。
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0011】
【実施例】
(参考例1)
アルデヒド類除去剤を広く検索し、活性炭の表面に含酸素官能基があることにより、アルデヒド類を効率的に除去することを発見した。活性炭は通常無極性であり、ベンゼンのような無極性化合物は非常に良く吸着する。しかし、水のような極性を持った物質については、吸着性能が低い。アルデヒド類は、脂肪族が大きい分子で構成されている場合は、吸着性能が高いが、例えば、ホルムアルデヒドあるいはアセトアルデヒドのように炭素の数が少ない低分子量の化合物に関しては、吸着性能が低い。これは、アルデヒド基が極性を持っているためである。
【0012】
しかし、活性炭表面にキノン基、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基などの含酸素官能基を多く持たせることで、この官能基の極性を持っており、アルデヒド類の吸着性能を向上させることができる。また、活性炭表面の含酸素官能基は、非常に安定であり、長期保管時でも性能の低下がない。
【0013】
含酸素官能基を有した活性炭の製造方法としては、活性炭の賦活工程において、水蒸気賦活および酸化雰囲気で活性炭賦活をおこなうことで、活性炭表面に含酸素官能基を持たせることができる。また、賦活化工程後の活性炭を300〜500℃の高温で空気酸化することにより、同様の効果があるアルデヒド類除去剤を得ることができる。
【0014】
なお、ヤシガラ活性炭、石炭系活性炭、ピッチ系活性炭あるいは活性炭繊維などいずれも同様の効果が得られる。
【0015】
(参考例2)
活性炭を酸化剤で処理することで、さらに多くの含酸素官能基を持たせることができる。アルデヒド類の吸着性を高めるためには、含酸素官能基が多いほど良い。酸化剤としては、過酸化水素、硝酸、硫酸、過マンガン酸カリウム、二酸化塩素などがあり、これらの酸化剤に活性炭を含浸させることにより、活性炭表面に含酸素官能基が増加し、アルデヒド類の吸着性能が高まる。
【0016】
製造方法としては、ヤシガラ活性炭10gを5%の過酸化水素水50ccに入れ、24時間浸漬する。この活性炭をろ過後、70℃で乾燥する。このような工程で活性炭表面の酸化処理をおこなうことができ、含酸素官能基を非常に多く含んだ高い吸着性能を有したアルデヒド類除去剤を得ることができる。
【0017】
なお、酸化剤は過酸化水素水の他に上記した酸化剤でも同様の効果が得られる。
【0018】
(実施例1)
活性炭をオゾンで処理することにより、活性炭表面に含酸素官能基を増加させることができ、しかも、薬品を用いずに気相中でおこなうことができる。そのため、活性炭自体のアルデヒド以外の臭気成分である硫化水素、カプタン類、アミン類、炭化水素、有機酸などのガス成分の吸着性能を低下させずに、アルデヒド類の吸着性能を高めることができる。
【0019】
製造方法は、ピッチ系の活性炭繊維(大阪ガス)を100℃に加熱し、0.01〜0.02%オゾン含有空気を0.1リットル/minで、活性炭に5時間流す。このことにより、活性炭表面のキノン基などの含酸素官能基の総量は、オゾンで処理する前は0.08mmol/gであるのに対して、3mmol/gにまで増加する。
【0020】
上記オゾンで処理した活性炭繊維のアセトアルデヒドの吸着性能を図1に示す。本発明品は、オゾンで処理していない従来品と比較し、4倍以上の吸着性能を示し、特にアセトアルデヒドの分圧が低い点(臭気としての濃度に近い点)については5倍の吸着性能を示す。
【0021】
また、本実施例では、アセトアルデヒドに対する吸着性能を用いたが、ホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどアルデヒド類の成分に対して同様に吸着性能を高めることができる。
【0022】
なお、実施例では、ピッチ系の活性炭繊維を用いたが、アクリル系、フェノール系、PAN系の活性炭繊維およびヤシガラ活性炭、石炭系活性炭やピッチ系活性炭を用いても同様の効果が得られる。
【0023】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、活性炭を100℃に加熱して0.01〜0.02%オゾン含有空気で処理することで、薬品を用いずに、活性炭表面に含酸素官能基を持たせることができ、活性炭自体のアルデヒド以外の臭気成分に対する吸着効果も損なわずにアルデヒド類の吸着性能を高めたオゾン酸化された活性炭のみからなるアルデヒド類除去剤を提供できる。図1に示すように、本発明品は、オゾンで処理していない従来品と比較し、4倍以上のアセトアルデヒドの吸着性能を示し、特にアセトアルデヒドの分圧が低い点(臭気としての濃度に近い点)については5倍の吸着性能を示す。活性炭の表面に含酸素官能基を持たせることで、アルデヒド類の吸着性能を高め、長期保管時にも性能低下が生じないという効果があるアルデヒド類除去剤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1におけるアセトアルデヒドの吸着性能の図
Claims (1)
- 活性炭を100℃に加熱して0.01〜0.02%オゾン含有空気で処理したオゾン酸化された活性炭のみからなるアルデヒド類除去剤。
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