JP3929307B2 - 水性アルカリ可溶性樹脂および感光性樹脂組成物 - Google Patents

水性アルカリ可溶性樹脂および感光性樹脂組成物 Download PDF

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    • G03F1/54Absorbers, e.g. of opaque materials
    • G03F1/56Organic absorbers, e.g. of photo-resists

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置、超電導装置、マイクロマシン、TFT(Thin Film Transistor)、配線基板などの電子デバイスの製造方法に関し、特に、半導体集積回路装置の製造工程におけるリソグラフィ技術に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路装置の製造工程では、半導体ウエハ上に微細パターンを転写する方法として、リソグラフィ技術が用いられている。このリソグラフィ技術においては、主に投影露光装置が用いられ、投影露光装置に装着したフォトマスクのパターンを半導体ウエハ上に転写することによって、デバイスパターンが形成される。
【0003】
通常、フォトマスクは、透明な石英ガラス基板上に形成されたクロム(Cr)などの遮光材を加工して作製される。すなわち、石英ガラス基板上にクロムなどからなる遮光膜が所望の形状で形成された構成になっている。
【0004】
遮光膜の加工は、例えば次の通りである。すなわち、遮光膜上に電子線感応レジストを塗布した後、その電子線感応レジストに電子線描画装置で所望のパターンを描画する。続いて、現像によって所望の形状のレジストパターンを形成した後、そのレジストパターンをマスクとしてドライエッチングやウェットエッチングで遮光膜を加工する。その後、レジストを除去し、洗浄などを行うことによって、所望の形状の遮光パターンが石英ガラス基板上に形成される。
【0005】
近年、上記のようなクロムなどからなる遮光膜が所望の形状で形成された通常のフォトマスク以外に、リソグラフィの解像度向上を目的とした種々のマスク構造が提案されている。例えば特開平4−136854号公報においては、フォトマスクの遮光部に半透明の膜を形成し、この半透明膜を通過するわずかな光の位相と透明パターンを通過する光の位相とを互いに反転させている。すなわち、パターンを転写するフォトレジストの感度以下の光を半透明膜から通過させ、この光の位相と透明パターンを通過した光の位相とを互いに反転させている。半透明膜を通過した光は、主パターンである透明パターンを通過した光に対して位相が反転しているため、透明パターンと半透明膜との境界部では光の強度が0に近づく。その結果、境界部を透過した光の強度に対する、透明パターンを通過した光の強度の比が相対的に大きくなるので、半透明膜を用いない通常のフォトマスクに比べてコントラストの高い光強度分布を得ることが可能となる。
【0006】
上記公報記載のフォトマスクは、ハーフトーン型位相シフトマスクと呼ばれている。このハーフトーン型位相シフトマスクは、クロムなどからなる遮光膜をハーフトーン位相シフト膜で置き換えたものであり、通常のフォトマスクの製造工程とほぼ同じ工程で製造される。
【0007】
また、露光光の波長よりもはるかに小さなパターン解像が可能になる超解像と呼ばれる露光法がある。この超解像の中で微細パターン形成に最も効果があるのが、レベンソン型位相シフト露光法と呼ばれるものである。このレベンソン型位相シフト露光法は、通常のフォトマスクの露光光透過部、すなわち石英ガラス基板が露出しているウインドウ部に遮光部を挟んで交互に露光光の位相を反転させる位相シフタと呼ばれる構造体を形成し、露光を行なう方法である。この露光方法によれば、通常の透過部を通過した光の位相と位相シフタを透過した光の位相とが互いに反転するため、両者の間の遮光部で光の振幅が0になるところが生じる。そして、振幅が0になれば光の強度も0となるので、分解能が飛躍的に向上し、交互に並んだ遮光部と位相シフタとの周期が露光波長の1/2付近まで解像することができる。このような遮光部と位相シフタとを有するフォトマスクは、レベンソン型位相シフトマスクと呼ばれている。
【0008】
半導体集積回路装置の高精度化、多様化に伴い、リソグラフィ技術で用いる通常のフォトマスクは、その加工精度がより厳しくなっている。また、上記のような特殊な構造を有する位相シフトマスクも必要となっている。そのため、一般に一品種の半導体集積回路装置を製造するために作製される、20〜40枚程度のフォトマスクの製造コストがきわめて大きくなり、かつこれらフォトマスクの製造に要する時間も長大となってきた。
【0009】
特開平5−289307号公報には、フォトマスクにおける遮光膜を、従来のCrなどの金属膜に代えて、フォトレジスト膜のような感光性樹脂組成物膜で形成する方法が開示されている。この方法は、通常の電子線レジスト膜や光感応レジスト膜の主要構成成分であるベンゼン環が、ArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザ光源の波長(約193nm)において極端に大きな光吸収帯を有する性質を利用したものである。従って、この方法によれば遮光膜のエッチング工程やフォトレジスト膜の除去工程が不要となるので、フォトマスクのコスト低減、寸法精度向上、欠陥低減が可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
KrF(フッ化クリプトン)エキシマレーザリソグラフィは、特定用途向け集積回路装置やシステムLSIなど、極めて多品種の半導体集積回路装置の微細加工に使われている露光方法であり、この露光方法に、短時間・短工程で製造可能で、高精度、低欠陥密度のフォトマスクを提供することができれば、その有用性は多大なものがある。
【0011】
現行のKrFエキシマレーザリソグラフィや電子線リソグラフィで用いられている多くの高性能レジストは、その塗膜性をもたらす高分子樹脂マトリックスにフェノール系高分子樹脂やその誘導体を用いている。こうしたフェノール系高分子樹脂中のベンゼン環構造は、前述したArFエキシマレーザ光の波長(約193nm)付近に極めて大きな吸収極大を持ち、わずか0.1μmの膜厚であっても波長193nmでの透過率は1%以下になる。従って、こうした樹脂をマトリックスとするレジスト材料であれば、通常よく用いる膜厚(0.3μm程度)であっても、そのArFエキシマレーザ光に対する透過率は0.01%以下となるので、ほぼ理想的な遮光膜となる。
【0012】
しかし、上記レジストは、KrFエキシマレーザ光の波長(約248nm)付近で透過率が大きくなり、微細パターンを形成する膜厚(通常0.3〜1.0μm程度)であっても透過率は30%以上となる。従って、上記レジストをそのままKrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクの遮光膜とすることはできない。
【0013】
現行の多くの高性能レジストにKrFエキシマレーザ光の波長(約248nm)を効率的に吸収する吸光剤を配合することは容易に考え得る方法である。例えば、アンスラロビン、1−メトキシ−9,10−ジブロモアントラセン、2−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ヒドロキシメチルアントラセン、9−ブロモアントラセン、9−クロロメチルアントラセン、メトキシメチルアントラセン、1−アミノアントラセン、アセトキシアントラセンなどのアントラセン誘導体は、KrFエキシマレーザ光波長に大きな吸光性を示すので、効率的な吸光剤となり得る。
【0014】
しかし、上記した吸光剤をレジストに配合した場合、充分な遮光性能を示す量を添加すると、レジスト性能の劣化が避けられないという問題がある。すなわち、レジストの性能劣化を抑制しつつ、配合できる吸光剤の量には限界があるので、充分な吸光性能とレジスト性能とのバランスを取ることは、一般的に困難な技術課題である。
【0015】
レジスト組成物中で量的主要成分となっているのは、その塗膜性をもたらす高分子樹脂マトリックスに用いられているフェノール系高分子樹脂やその誘導体である。この高分子樹脂マトリックスに、上記のような効率的な吸光剤を化学結合で付加すれば、KrFエキシマレーザ光の波長を効果的に吸収し、かつフェノール系高分子樹脂と同様の水性アルカリ可溶性を有する樹脂となる可能性もある。例えば、前述したアントラセン誘導体のうち、9−ヒドロキシメチルアントラセンや、9−ブロモアントラセン、9−クロロメチルアントラセンは、縮合反応やエーテル化反応によってフェノール系高分子樹脂と直接結合させることが可能である。しかし、充分な遮光性能を示す量の吸光剤を結合させると、フェノール系高分子樹脂自体の水性アルカリ溶解性が著しく損なわれるので、レジストの性能劣化が避けられないという問題がある。
【0016】
これに対し、樹脂自体がKrFエキシマレーザ光の波長を効果的に吸収し、かつフェノール系高分子樹脂と同様の水性アルカリ可溶性を有するものがあれば、現行の多くの高性能レジストと同様の水性アルカリ現像性を有し、かつKrFエキシマレーザ光の遮光膜となるレジストを実現することが可能となる。
【0017】
本発明の目的は、現行の高性能レジストの高分子樹脂マトリックスに用いられているフェノール系高分子樹脂やその誘導体に代えて、KrFエキシマレーザ光(波長:約248nm)を効率的に吸収する新規な高分子樹脂マトリックスを含んだ感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0018】
本発明の他の目的は、上記感光性樹脂組成物を遮光膜に用いたKrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクを提供することにある。
【0019】
本発明の他の目的は、上記KrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクを用いた電子デバイスの製造技術を提供することにある。
【0020】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0021】
【課題を解決するための手段】
現行の高性能レジストと同等のプロセス互換性や性能を有し、かつKrFエキシマレーザ光(波長:約248nm)を効率的に吸収するレジスト組成物を得るには、従来のフェノール系高分子樹脂やその誘導体に代わる高分子樹脂マトリックスとして、水性アルカリ可溶性基を有するKrFエキシマレーザ光の吸光剤構造を組み込んだ水性アルカリ可溶性樹脂またはその誘導体を用いればよい。
【0022】
本発明者は、水性アルカリ可溶性基を有するKrFエキシマレーザ光の吸光剤構造として、ナフタレン核に水酸基が1個または複数個結合したナフトール構造が有用であることを見出した。
【0023】
上記ナフトール構造を組み込んだ水性アルカリ可溶性樹脂やその誘導体としては、
(a)下記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体と、アルデヒド類との縮合重合体からなる水性アルカリ可溶性樹脂。
【0024】
【化13】
Figure 0003929307
【0025】
(式中、R1〜R8は水酸基、水素、炭素数1〜4の置換または無置換アルキル基、ハロゲン、フェニル基、メトキシ基、エトキシエチル基、シクロプロピル基、アセチル基、カルボキシル基の中から選ばれる原子または原子団を表わす。また、R1〜R8は、1個または2個の水酸基を必ず含み、少なくとも2個の水素原子を含む。)
(b)上記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体と下記一般式(2)、(3)または(4)で表されるメチロール基含有化合物との縮合重合体からなる水性アルカリ可溶性樹脂。
【0026】
【化14】
Figure 0003929307
【0027】
(式中、R1〜R6はメチロール基、水素、炭素数1〜4の置換または無置換アルキル基、ハロゲン、水酸基、フェニル基、メトキシ基、エトキシエチル基、シクロプロピル基、アセチル基の中から選ばれる原子または原子団を表わす。また、R1〜R6は、少なくとも2個のメチロール基を含む。)
【0028】
【化15】
Figure 0003929307
【0029】
(式中、R1〜R8はメチロール基、水素、炭素数1〜4の置換または無置換アルキル基、ハロゲン、水酸基、フェニル基、メトキシ基、エトキシエチル基、シクロプロピル基、アセチル基の中から選ばれる原子または原子団を表わす。また、R1〜R8は、少なくとも2個のメチロール基を含む。)
【0030】
【化16】
Figure 0003929307
【0031】
(式中、R1〜R10はメチロール基、水素、炭素数1〜4の置換または無置換アルキル基、ハロゲン、水酸基、フェニル基、メトキシ基、エトキシエチル基、シクロプロピル基、アセチル基の中から選ばれる原子または原子団を表わす。また、R1〜R10は、少なくとも2個のメチロール基を含む。)
(c)下記一般式(5)で表されるナフトエ酸誘導体と、フェノール系高分子または多価フェノール化合物とのエステル化物からなる水性アルカリ可溶性樹脂。
【0032】
【化17】
Figure 0003929307
【0033】
(式中、R1〜R8はカルボキシル基、水酸基、水素、炭素数1〜4の置換または無置換アルキル基、ハロゲン、フェニル基、メトキシ基、エトキシエチル基、シクロプロピル基、アセチル基の中から選ばれる原子または原子団を表わす。また、R1〜R8は、1個のカルボキシル基を必ず含み、少なくとも1個の水酸基を含む。)
(d)上記水性アルカリ可溶性樹脂(a)〜(c)の誘導体、が挙げられる。
【0034】
上記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体としては、1−ナフトール,1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンなどが挙げられる。
【0035】
また、上記一般式(2)、(3)、(4)で表されるメチロール基含有化合物としては、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール、3,6−ビス(ヒドロキシメチル)デュレン、2,3−ビス(ヒドロキシメチル)ナフタレン、1,8−ビス(ヒドロキシメチル)アントラセン、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテルなどのような、少なくとも2個のメチロール基を含む化合物が挙げられる。
【0036】
また、上記一般式(5)で表されるナフトエ酸誘導体としては、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,5−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3,7−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸などが挙げられる。
【0037】
また、上記一般式(5)で表されるナフトエ酸誘導体とエステル化物を形成するフェノール系高分子または多価フェノール化合物としては、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、m,p−クレゾールノボラック樹脂などのフェノール系高分子樹脂が挙げられるが、その他、溶剤からの回転塗布成膜性を有する限り、種々の多核フェノール類も使用できる。
【0038】
上記した各種水性アルカリ可溶性樹脂(a)〜(d)を高分子樹脂マトリックスとすることにより、KrFエキシマレーザ光を効率的に吸収する高性能レジスト組成物を得ることが可能となる。これにより、フォトマスク基板上に形成されたレジストパターン自体がKrFエキシマレーザ光の遮光膜パターンとなるようなKrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクを実現できる。
【0039】
上記した各種水性アルカリ可溶性樹脂のうち、フェノール核構造を含まない樹脂は、特にKrFエキシマレーザ光に対する遮光性が高いレジスト組成物の樹脂マトリックスとなる。遮光性が特に高いレジスト組成物を使用すれば、必要な遮光性を保つレジスト膜厚をそれだけ薄くすることが可能である。一般にレジスト膜厚を薄くすれば解像性能を高くすることが可能であり、それだけ高性能なKrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクを実現できる。
【0040】
また、上記各種水性アルカリ可溶性樹脂のうち、フェノール核構造を含む樹脂は、KrFエキシマレーザ光に対する遮光性を充分に保ち、かつArFエキシマレーザ光に対する遮光性能および耐光性能も充分であることから、これを高分子樹脂マトリックスとするレジスト組成物を使用することにより、KrFエキシマレーザ光およびArFエキシマレーザ光の両光源に対応する遮光膜を有するフォトマスクを作製できる。すなわち、同一のフォトマスク製造工程で、必要に応じてKrF、ArFいずれのリソグラフィに対するフォトマスクも製造できる。
【0041】
また、上記各種水性アルカリ可溶性樹脂のうち、従来のレジスト組成物に広く適用されていた水性アルカリ可溶性樹脂と同様のフェノール樹脂または多価フェノール化合物に、ナフトエ酸のエステル化反応によってナフトール構造を組み込んだ樹脂は、残留するフェノール構造によって従来のレジスト反応機構を容易に維持することができ、しかも耐光性能も優れたレジスト遮光パターンを有するフォトマスクを作製できる。
【0042】
以上述べてきたように、ナフタレン核に水酸基が1個または複数個結合したナフトール構造を水性アルカリ可溶性基として組み込んだ樹脂またはその誘導体を高分子マトリックスとするレジスト組成物を用いることにより、フォトマスク基板上に形成されたレジストパターン自体がKrFエキシマレーザ光の遮光パターンとなるような高性能なKrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクが実現できる。
【0043】
本発明のKrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクは、必ずしも通常のバイナリフォトマスクに限定されるものではない。すなわち、レベンソン型位相シフトマスクのような位相シフトマスクにも適用することが可能であり、あらかじめ所定の位相シフタパターンが形成されたフォトマスク基板上に本発明のレジスト組成物を用いて遮光パターンを形成することができる。
【0044】
本発明のフォトマスクは、フォトマスク基板上に形成されたレジストパターン自体がKrFエキシマレーザ光の遮光膜パターンとなるため、従来のフォトマスクのように、レジストパターンをその下層のクロムなどの金属遮光膜に転写する工程が必要ない。従って、それだけフォトマスクの製造工程数が減り、短時間・短工程でフォトマスクを製造することが可能となるので、高精度、低欠陥密度のフォトマスクが実現できる。すなわち、本発明のフォトマスクは、特定用途向け集積回路装置やシステムLSIなど、極めて多品種の半導体集積回路装置の微細加工に使用されているKrFエキシマレーザリソグラフィ工程に適用して極めて有用なものである。
【0045】
一般に、半導体集積回路装置の製造に使用されるKrFエキシマレーザリソグラフィなどの投影露光工程では、フォトマスクは長時間にわたって露光環境下におかれるため、その露光波長の光吸収帯を有する有機樹脂からなる遮光膜パターンは、何らかの光化学反応的変化が避けられない。そこで、有機樹脂からなるレジスト組成物を遮光膜とする本発明のフォトマスクを半導体の製造に効果的に用いるためには、一般に一品種の半導体集積回路装置を製造するために作製される20〜40枚程度のフォトマスクのうち、選択された一部のフォトマスクに適用することが製造コスト上有効である。
【0046】
例えば、システムLSIと呼ばれる半導体集積回路装置の製造では、トランジスタ素子レベルのゲート加工工程は微細度も高く、多くの品種でパターンが共通であるから、Crなどの金属遮光膜パターンを有する通常のフォトマスクや高価な耐久性のある位相シフトマスクを用いる。これに対し、配線層の加工では、顧客ごとに仕様が異なり、しかも、加工に用いる露光回数も少数である場合が多い。従って、このような配線工程に本発明のKrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクを適用すれば、システムLSIの製造コストを効果的に下げることができる。当然ながら、加工層により使い分けるのはレベンソン型位相シフトマスクやハーフトーン型位相シフトマスクなどの各種KrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクだけでなく、通常のマスク製造方法で作られたArFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクとの間でも可能である。例えば、ゲート電極形成工程までの露光には遮光膜パターンが金属膜あるいは通常の電子線レジストからなるArFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクを用い、それより上層の加工では、適宜、本発明のKrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクを用いることにより、多品種にわたるシステムLSIを低コストで効果的に製造することができる。
【0047】
本発明において適用可能な水性アルカリ可溶性樹脂には種々のものがあるが、特に、前記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体と、前記一般式(2)で表されるメチロール基含有化合物との縮合重合体からなる樹脂は、充分なKrFエキシマレーザ光の遮光性能と共にArFエキシマレーザ光の遮光性能も有し、かつ耐光性にも優れている。
【0048】
また、前記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体と、前記一般式(3)または(4)で表されるメチロール基含有化合物との縮合重合体からなる樹脂、あるいは前記一般式(1)で表されるナフタレン誘導体と、ホルムアルデヒドまたはヒドロキシナフトアルデヒドとの縮合重合体からなり、ナフタレン誘導体成分中の少なくとも5%は2個の水酸基またはカルボキシル基を置換基として含む樹脂は、顕著なKrFエキシマレーザ光の吸光性能を有し、これを用いたレジスト組成物では、KrFレーザ光の遮光膜パターン形成に用いるレジスト膜厚を小さくすることができるので、実質的なレジストの解像性能を相対的に高めることが可能である。2個の水酸基またはカルボキシル基を置換基として含むナフタレン誘導体成分が5%より少ない場合には、汎用の水性アルカリ現像液に対する溶解性が低下するので、良好なレジスト組成を得るのが困難となる。
【0049】
さらに、前記一般式(5)で表されるナフトエ酸誘導体とフェノール系高分子または多価フェノール化合物とのエステル化物からなり、エステル化率が30%以上である樹脂は、KrFエキシマレーザ光の遮光性能と共にArFエキシマレーザ光の遮光性能も充分に有し、特にKrFエキシマレーザ光の耐光性にも優れている。一方、エステル化率が30%より少ない樹脂は、KrFエキシマレーザ光の吸光性が不足するので、充分な遮光性能を確保するためには厚い膜厚が必要となり、良好なレジスト解像性を得ることが難しくなる。
【0050】
現行のKrFエキシマレーザリソグラフィや、フォトマスク製造に広く適用されている電子線リソグラフィにおいて使用する高性能レジストは、その塗膜性をもたらす高分子樹脂マトリックスに、フェノール系高分子樹脂やその誘導体を用いている。本発明の水性アルカリ可溶性樹脂は、フェノール系高分子樹脂と同様の水性アルカリ可溶性を有するので、上記水性アルカリ可溶性樹脂あるいはその誘導体を高分子樹脂マトリックスとする高性能レジストを調製することができる。
【0051】
本発明の感光性樹脂組成物には、公知の化学増幅系レジストの組成が利用できる。化学増幅系レジストは、高感度化が容易なため、特に高感度が要求される電子線レジストとして用いる場合に有利であり、電子線リソグラフィによるフォトマスク製造では、主に化学増幅系レジスト組成で本発明の感光性樹脂組成物を用いる。
【0052】
代表的な化学増幅系ネガ型レジスト組成は、必須成分として水性アルカリ可溶性樹脂マトリックス、酸触媒架橋剤または酸触媒で溶解抑止剤となる前駆体、酸発生剤からなる。本発明のネガ型感光性樹脂組成物は、水性アルカリ可溶性樹脂マトリックスとして、これまで述べてきたナフトール構造を組み込んだ水性アルカリ可溶性樹脂を適用したことを特徴とする。
【0053】
上記酸触媒架橋剤としては、公知のヘキサメトキシメチルメラミンなどがある。その他、酸触媒架橋剤または酸触媒で溶解抑止剤となる前駆体としては、芳香環に直接結合した炭素上に水酸基を有する一級〜三級アルコール類、例えば、m−キシレングリコール、p−キシレングリコール、1,3,5−ベンゼントリメタノール、2−ヒドロキシ−5−メチル−1,3−ベンゼンジメタノール、3,5,3,5−ヘキサヒドロキシメチル−4,4−ジヒドロキシジフェニル,ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチレン,2,2−ビス(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−(3,5−ジヒドロキシメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(3−ヒドロキシ−3−ペンチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−5−メトキシベンゼン、5−クロロ−1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、5−ブロモ−1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシ−3−ペンチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2−クロロ−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、2−ブロモ−1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3−ヒドロキシ−3−ペンチル)ベンゼン、1,5−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ナフタレン、1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ナフタレン、9,10−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)アントラセンなどが挙げられる。
【0054】
代表的な化学増幅系ポジ型レジスト組成は、必須成分として酸分解性保護基によって保護された水酸基を有し、水性アルカリ可溶性を抑制された樹脂マトリックス、酸発生剤からなる所謂2成分系、または水性アルカリ可溶性樹脂、酸分解性保護基を有する水性アルカリ溶解阻害剤、酸発生剤からなる所謂3成分系からなる。本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、樹脂マトリックスとして、これまで述べてきたナフトール構造を組み込んだ水性アルカリ可溶性樹脂またはその誘導体を適用したことを特徴とする。
【0055】
本発明において水性アルカリ可溶性樹脂の誘導体とは、本発明のナフトール構造を組み込んだ水性アルカリ可溶性樹脂を化学修飾した構造の樹脂であって、酸分解性保護基によって保護された水酸基を化学的に付加し、水性アルカリ可溶性を抑制した樹脂である。酸分解性保護基としては、公知のt−ブトキシカルボニル基、t−ブチル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、1−エトキシエチル基などが挙げられる。
【0056】
上記化学増幅系レジスト組成に適用する酸発生剤としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩、ジt−ブチルフェニルヨードニウムメタンスルホン酸塩などのオニウム塩、p−トルエンスルホン酸−o−ジニトロベンジル,トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、トリス(エタンスルホニルオキシ)ベンゼンなどのスルホン酸エステル、トリフルオロメタンスルホン酸ナフチルイミドなどのスルホン酸イミド、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレ−トなどのハロゲン化有機化合物などが挙げられる。
【0057】
本発明の感光性樹脂組成物は、電子線リソグラフィを用いたフォトマスク製造に適した化学増幅系レジスト組成に限定されるものではない。本発明の感光性樹脂組成物に用いる樹脂マトリックスは、KrFレーザ光波長の極めて大きな遮光性を有することが特徴であるが、公知のレーザ描画によるフォトマスク製造で用いられているArレーザの波長(363.8nm)では、充分な透明性を有する。このレーザ描画によるフォトマスク製造では、既存のノボラック樹脂とジアゾナフトキノン系感光性溶解阻害剤を用いたi線用ポジ型フォトレジストが用いられている。ノボラック樹脂に代えて、本発明のナフトール構造を組み込んだ水性アルカリ可溶性樹脂を用いることにより、レーザ描画によるフォトマスク製造に使用できる感光性樹脂組成物を調製できる。また、これによりレジストパターンを遮光膜とするKrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクを既存のレーザ描画装置によって製造することもできる。また、化学増幅系レジスト組成であっても、酸発生剤としてArレーザの波長(363.8nm)で感度を有するものを用いれば、あるいは上記波長の増感剤を併用すれば使用できる。
【0058】
本発明の水性アルカリ可溶性樹脂は、KrFレーザ光波長の遮光性が極めて大きいことが特徴である。このため、KrFレーザ光波長透過性の大きな通常のフェノール樹脂と混合することにより、ほとんど任意の透過率の感光性樹脂組成物を調整することができる。従って、ハーフトーン型位相シフトマスクの製造も容易となる。通常のフェノール樹脂と本発明の水性アルカリ可溶性樹脂の混合比を調整した感光性樹脂組成物によって形成した遮光膜パターンのKrFエキシマレーザ光に対する透過率を2%から16%の範囲、より好ましくは4%から9%の範囲とし、かつその膜を透過する露光光の透過部に対する位相差がπ、あるいは3π付近に調整することにより、KrFエキシマレーザリソグラフィ用ハーフトーン型位相シフトマスクとして使用することができる。
【0059】
図4は、レジスト用樹脂の紫外線吸収スペクトルを測定した結果を示したものである。図中の実線は、本発明の水性アルカリ可溶性樹脂の一例である1−ナフトール,1,6−ジヒドロキシナフタレンと2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾールとの縮合樹脂の紫外線吸収スペクトルを示し、破線は、KrFエキシマレーザリソグラフィ用レジストやEB用レジストのベース樹脂として用いられている既存のポリ−p−ビニルフェノールの紫外線吸収スペクトルを示している。図示のように、本発明の水性アルカリ可溶性樹脂は、KrFエキシマレーザ光(波長:約248nm)を吸収する性質を有していることがわかる。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0061】
(合成例1)
三口フラスコ容量200ミリリットル中に1−ナフトール11.53g(0.08mol)、1,5−ジヒドロキシナフタレン3.20g(0.02mol)、ホルムアルデヒド36%水溶液8.34g(0.1mol)を入れた後、テトラヒドロフラン100ミリリットルを注入して攪拌し、内容物を溶解させた。p−トルエンスルホン酸1水和物2gを秤量、10ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解させ、これも上記フラスコ中に注ぎ入れ、還流器、温度計、窒素導入管を装備して、予め70℃に設定したオイルバスにセットして攪拌・窒素導入(約10cc/分)しながら6時間リフラックスした。このとき反応容器内の温度は、64〜68℃であった。6時間リフラックスした後、反応容器をオイルバスから取り出し、窒素雰囲気のまま室温まで空冷した。内溶液を容量200ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ1/2体積まで濃縮する。このときエバポレータの加熱温度は45〜50℃で行った。濃縮した反応溶液に酢酸エチル100ミリリットルを加え、よく溶かした後、分液ロートに移した。約20%の食塩水で(200ml/回)で6回洗浄した後、イオン純水(200ml/回)で1回水洗した。洗浄液がほぼ中性となったところで、容量300ミリリットルビーカに硫酸ナトリウム(無水)約50gを入れ、ここに分液ロート中の酢酸エチル溶液を移して2〜3時間放置、乾燥した。乾燥に用いた硫酸ナトリウムを濾別し、さらに酢酸エチルで濾別した硫酸ナトリウムをすすぎ、すべての酢酸エチル溶液を合わせて(200ml程度とした)、容量300ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ70ミリリットルまで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は40〜45℃で行った。容量300ミリリットルのビーカ中にヘキサン200ミリリットルを入れ、ここに濃縮した酢酸エチル溶液をよく攪拌しながら注ぎいれ、沈殿を生成した。デカンテーションで液部をほぼ除去した後、真空乾燥機で3時間乾燥し、残りの溶媒を除去した。このとき加熱はしなかった。収量は約12gであった。得られた樹脂の重量平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約3800であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり16.1であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、およそ110nm/秒であった。
【0062】
(合成例2)
合成例1のホルムアルデヒド水溶液に代えて、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド17.2gを用い、他は同様の手法で樹脂を得た。収量は約18gであった。得られた樹脂の重量平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約1800であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり17.4であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、およそ130nm/秒であった。
【0063】
(合成例3)
三口フラスコ容量200ミリリットル中に1−ナフトール11.53g(0.08mol)、1,6−ジヒドロキシナフタレン3.20g(0.02mol)、ホルムアルデヒド36%水溶液8.34g(0.1mol)を入れた後、テトラヒドロフラン100ミリリットルを注入して攪拌し、内容物を溶解させた。p−トルエンスルホン酸1水和物2gを秤量、10ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解させ、これも上記フラスコ中に注ぎ入れ、還流器、温度計、窒素導入管を装備し、予め70℃に設定したオイルバスにセットして攪拌・窒素導入(約10cc/分)しながら8時間リフラックスした。このとき反応容器内の温度は、64〜68℃であった。8時間リフラックスした後、反応容器をオイルバスから取り出し、窒素雰囲気のまま室温まで空冷した。内溶液を容量200ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ1/2体積まで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は45〜50℃で行った。濃縮した反応溶液に酢酸エチル100ミリリットルを加え、よく溶かした後、分液ロートに移した。約20%の食塩水で(200ml/回)で6回洗浄した後、イオン純水(200ml/回)で1回水洗した。洗浄液がほぼ中性となったところで、容量300ミリリットルビーカに硫酸ナトリウム(無水)約50gを入れ、ここに分液ロート中の酢酸エチル溶液を移し、2〜3時間放置、乾燥した。乾燥に用いた硫酸ナトリウムを濾別し、さらに酢酸エチルで濾別した硫酸ナトリウムをすすぎ、すべての酢酸エチル溶液を合わせて(200ml程度とした)、容量300ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ70ミリリットルまで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は40〜45℃で行った。容量300ミリリットルのビーカ中にヘキサン200ミリリットルを入れ、ここに濃縮した酢酸エチル溶液をよく攪拌しながら注ぎいれ、沈殿を生成した。デカンテーションで液部をほぼ除去した後、真空乾燥機で3時間乾燥し、残りの溶媒を除去した。このとき加熱はしなかった。収量は13gであった。得られた樹脂の重量平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約3200であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり20.4であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、およそ150nm/秒であった。
【0064】
(合成例4)
三口フラスコ容量300ミリリットル中に1−ナフトール13.0g(0.09mol)、1,6−ジヒドロキシナフタレン1.6g(0.01mol)、ホルムアルデヒド36%水溶液8.34g(0.1mol)を入れた後、テトラヒドロフラン100ミリリットルを注入して攪拌し、内容物を溶解させた。p−トルエンスルホン酸1水和物2.0gを秤量、10ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解させ、これも上記フラスコ中に注ぎ入れ、還流器、温度計、窒素導入管を装備して、予め70℃に設定したオイルバスにセットし、攪拌・窒素導入(約10cc/分)しながら6時間リフラックスした。6時間リフラックスしたところで、反応容器をオイルバスから取り出し、窒素雰囲気のまま室温まで空冷した。内溶液を容量300ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ1/2体積まで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は45〜50℃で行った。濃縮した反応溶液に酢酸エチル200ミリリットルを加え、よく溶かした後、分液ロートに移し、イオン純水(200ml/回)で4回水洗した。この4回の水洗で洗浄液はほぼ中性となった。容量500ミリリットルビーカに硫酸ナトリウム(無水)約100gを入れ、ここに分液ロート中の酢酸エチル溶液を移し、2〜3時間放置、乾燥した。乾燥に用いた硫酸ナトリウムを濾別し、さらに酢酸エチルで濾別した硫酸ナトリウムをすすぎ、すべての酢酸エチル溶液を合わせて(150〜200ミリリットル程度とした)、容量500ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ100ミリリットルまで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は40〜45℃で行った。容量500ミリリットルのビーカ中にヘキサン300ミリリットルを入れ、ここに濃縮した酢酸エチル溶液をよく攪拌しながら注ぎいれ、沈殿を生成した。デカンテーションで液部をほぼ除去した後、真空乾燥機で3時間乾燥し、残りの溶媒を除去した。収量は13gほどであった。得られた樹脂の重量平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約2000であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり約18.0であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、約100nm/秒であった。
【0065】
(合成例5)
三口フラスコ容量300ミリリットル中に1−ナフトール14.42g(0.1mol)、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール16.82g(0.1mol)を入れた後、テトラヒドロフラン170ミリリットルを注入して攪拌し、内容物を溶解させた。p−トルエンスルホン酸1水和物1.75gを秤量、10ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解させ、これも上記フラスコ中に注ぎ入れ、還流器、温度計、窒素導入管を装備して、予め70℃に設定したオイルバスにセットし、攪拌・窒素導入(約10cc/分)しながら8時間リフラックスした。このとき反応容器内の温度は、64〜68℃であった。8時間リフラックスしたところで反応容器をオイルバスから取り出し、窒素雰囲気のまま室温まで空冷した。内溶液を容量500ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ1/2体積まで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は45〜50℃で行った。濃縮した反応溶液に酢酸エチル200ミリリットルを加え、よく溶かした後、分液ロートに移し、約20%の食塩水で(200ml/回)で6回洗浄した後、イオン純水(200ml/回)で1回水洗した。洗浄液がほぼ中性になった後、容量500ミリリットルビーカに硫酸ナトリウム(無水)約100gを入れ、ここに分液ロート中の酢酸エチル溶液を移し、2〜3時間放置、乾燥した。乾燥に用いた硫酸ナトリウムを濾別し、さらに酢酸エチルで濾別した硫酸ナトリウムをすすぎ、すべての酢酸エチル溶液を合わせて(200〜300ml程度とした)、容量500ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ100ミリリットルまで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は40〜45℃で行った。容量500ミリリットルのビーカ中にヘキサン300ミリリットルを入れ、ここに濃縮した酢酸エチル溶液をよく攪拌しながら注ぎいれ、沈殿を生成した。デカンテーションで液部をほぼ除去した後、真空乾燥機で3時間乾燥し、残りの溶媒を除去した。このとき加熱はしなかった。収量は18gほどであった。得られた樹脂の重量平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約1800であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり10.6であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、およそ4.2nm/秒であった。
【0066】
(合成例6)
三口フラスコ容量300ミリリットル中に1,5−ジヒドロキシナフタレン16.02g(0.1mol)、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール15.98g(0.095mol)を入れた後、テトラヒドロフラン170ミリリットルを注入して攪拌し、内容物を溶解させた。p−トルエンスルホン酸1水和物1.2gを秤量、10ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解させ、これも上記フラスコ中に注ぎ入れ、還流器、温度計、窒素導入管を装備して、予め70℃に設定したオイルバスにセットし、攪拌・窒素導入(約10cc/分)しながら6時間リフラックスした。このとき反応容器内の温度は、64〜68℃であった。8時間リフラックスしたところで反応容器をオイルバスから取り出し、窒素雰囲気のまま室温まで空冷した。内溶液を容量500ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ1/2体積まで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は45〜50℃で行った。濃縮した反応溶液に酢酸エチル200ミリリットルを加え、よく溶かした後、分液ロートに移し、イオン純水(200ml/回)で4回水洗した。この4回の水洗で洗浄液はほぼ中性となった。容量500ミリリットルビーカに硫酸ナトリウム(無水)約100gを入れ、ここに分液ロート中の酢酸エチル溶液を移し、2〜3時間放置、乾燥した。乾燥に用いた硫酸ナトリウムを濾別し、さらに酢酸エチルで濾別した硫酸ナトリウムをすすぎ、すべての酢酸エチル溶液を合わせて(200〜300ml程度とした)、容量500ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ100ミリリットルまで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は40〜45℃で行った。容量500ミリリットルのビーカ中にヘキサン300ミリリットルを入れ、ここに濃縮した酢酸エチル溶液をよく攪拌しながら注ぎいれ、沈殿を生成した。デカンテーションで液部をほぼ除去した後、真空乾燥機で3時間乾燥し、残りの溶媒を除去した。このとき加熱はしなかった。収量は16gほどであった。得られた樹脂の重量平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約4200であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり6.5であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対する、この樹脂塗膜の溶解速度は、およそ140nm/秒であった。
【0067】
(合成例7)
合成例6の1,5−ジヒドロキシナフタレンに代えて、2,3−ジヒドロキシナフタレンを用い、同様の操作で樹脂を得た。得られた樹脂の重量平均分子量を、ゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約1200であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり9.7であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、およそ15nm/秒であった。
【0068】
(合成例8)
合成例6の1,5−ジヒドロキシナフタレンに代えて、1,6−ジヒドロキシナフタレンを用い、同様の操作で樹脂を得た。得られた樹脂の重量平均分子量を、ゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約1400であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり15.1であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、およそ160nm/秒であった。
【0069】
(合成例9)
合成例6の1,5−ジヒドロキシナフタレンに代えて、1,4−ジヒドロキシナフタレンを用い、同様の操作で樹脂を得た。得られた樹脂の重量平均分子量を、ゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約1000であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり11.4であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、およそ100nm/秒であった。
【0070】
(合成例10)
合成例6の1,5−ジヒドロキシナフタレンに代えて、1,7−ジヒドロキシナフタレンを用い、同様の操作で樹脂を得た。得られた樹脂の重量平均分子量を、ゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約3200であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり10.2であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対する、この樹脂塗膜の溶解速度は、およそ120nm/秒であった。
【0071】
(合成例11)
三口フラスコ容量300ミリリットル中に1−ナフトール7.21g(0.05mol)、1,6−ジヒドロキシナフタレン8.01g(0.05mol)、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール15.98g(0.095mol)を入れた後、テトラヒドロフラン170ミリリットルを注入して攪拌し、内容物を溶解させた。p−トルエンスルホン酸1水和物1.2gを秤量、10ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解させ、これも上記フラスコ中に注ぎ入れ、還流器、温度計、窒素導入管を装備して、予め70℃に設定したオイルバスにセットし、攪拌・窒素導入(約10cc/分)しながら8時間リフラックスした。このとき反応容器内の温度は、64〜68℃であった。8時間リフラックスところで反応容器をオイルバスから取り出し、窒素雰囲気のまま室温まで空冷した。内溶液を容量500ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ1/2体積まで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は45〜50℃で行った。濃縮した反応溶液に酢酸エチル200ミリリットルを加え、よく溶かした後、分液ロートに移し、イオン純水(200ml/回)で4回水洗した。この4回の水洗で洗浄液はほぼ中性となった。容量500ミリリットルビーカに硫酸ナトリウム(無水)約100gを入れ、ここに分液ロート中の酢酸エチル溶液を移し、2〜3時間放置、乾燥した。乾燥に用いた硫酸ナトリウムを濾別し、さらに酢酸エチルで濾別した硫酸ナトリウムをすすぎ、すべての酢酸エチル溶液を合わせて(200〜300ml程度とした)、容量500ミリリットルのナス型フラスコに移し、エバポレータでほぼ100ミリリットルまで濃縮した。このときエバポレータの加熱温度は40〜45℃で行った。容量500ミリリットルのビーカ中にヘキサン300ミリリットルを入れ、ここに濃縮した酢酸エチル溶液をよく攪拌しながら注ぎ入れて沈殿を生成した。デカンテーションで液部をほぼ除去した後、真空乾燥機で3時間乾燥し、残りの溶媒を除去した。このとき加熱はしなかった。収量は28〜29gほどであった。得られた樹脂の重量平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約3000であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり9.4であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、およそ130nm/秒であった。
【0072】
(合成例12)
300ミリリットル三角フラスコにフェノール化合物TPPA−1000P(本州化学製)5.3g(0.0050mol)、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸4.7g(0.025mol)を入れてテトラヒドロフラン100ミリリットルで溶解し、そこにジシクロヘキシルカルボジイミド5.65g(0.0275mol)、4−ピロリジノピリジン0.37g(0.0025mol)を加えた後、密栓をして室温で18時間攪拌した。反応と共に副生成物であるジシクロヘキシル尿素が白色の沈殿として析出した。反応後、酢酸エチル200ミリリットルを加えて攪拌し、沈殿を濾別した。濾液を100ミリリットルの水で4回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥を行った。数時間後、乾燥に用いた硫酸ナトリウムを濾別し、濾液から溶媒を減圧留去して固体を得た。得られた固体を酢酸エチル150ミリリットルに再溶解し、不溶分として残ったジシクロヘキシル尿素を濾別した。次いで、濾液から溶媒を減圧留去し、析出した固形分を酢酸エチルに再溶解した後、溶け残ったジシクロヘキシル尿素を濾別する操作をさらに2回繰り返した。次に、副生成物であるジシクロヘキシル尿素を完全に除去するために、目的とする樹脂が含まれた酢酸エチル溶液を約10cmのシリカゲル(ワコーゲルC−300)のカラムにかけた。カラムから流出した液を濃縮後、n−ヘキサン300ミリリットルにより再沈殿させ、沈殿分を濾別、乾燥することにより、黄色粉末状の2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸エステル化フェノール樹脂6.0gを得た。得られた樹脂1.0gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート6.0gに溶解して樹脂溶液を調製した。調製した樹脂溶液を石英板上に回転塗布し、ホットプレート上で100℃、2分間ベークして樹脂膜を得た。この樹脂膜の紫外吸収スペクトルを測定したところ、248nmにおける吸光度は、1.0μmで7.6であった。さらにこの樹脂膜に250nmの光を透過する干渉フィルターを介してXe−Hgランプの光を1J/cm2照射し、紫外吸収スペクトルを測定した。その結果、吸光度は、7.6のままで変化せず、耐光性に優れていることがわかった。また、上記の樹脂溶液を用いて、シリコン基板上に膜厚550nmの塗膜を形成し、NMD−3(2.38%)中の溶解時間を測定したところ、3.2秒で溶解して残膜は0になった。塗膜の溶解速度は、170nm/秒であることがわかった。
【0073】
(合成例13)
容量500ミリリットルの三口フラスコに還流器、窒素導入管、滴下ロートを装備し、合成例4で得られた樹脂10gとテトラヒドロフラン100ミリリットルを入れて攪拌、溶解しておいた。反応容器のフラスコに還流器、窒素導入管をとり付け、攪拌を続けながら、予め6.7gのカリウムt−ブトキシドを80ミリリットルのテトラヒドロフランに溶解した溶解液を注入した。次に、ジt−ブチルジカーボネート13.1gを予め80ミリリットルのテトラヒドロフラン80ミリリットルに溶解した溶液を滴下ロートを用い、約1時間で反応容器内へ滴下した。この間、攪拌と窒素導入は続けた。さらに1時間攪拌を続けた後、密栓して1夜放置した。容量500ミリリットルのビーカに約300ミリリットルの氷水を入れておき、ここに反応溶液を注ぎ入れた。すべての溶液を容量1000ミリリットルの分液ロートに移し、酢酸エチル200ミリリットルを加えて抽出した。得られた酢酸エチル溶液を水洗し、硫酸ナトリウムで乾燥、濾別した後、大量のヘキサン中に注ぎ入れて沈殿を析出させた。沈殿分を濾別、乾燥することにより、黒色粉末状の部分的にt−ブトキシカルボニル化した樹脂約6.0gを得た。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり約16であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、約0.02nm/秒であった。
【0074】
(合成例14)
容量500ミリリットルのフラスコに合成例4で得られた樹脂10gとテトラヒドロフラン200ミリリットルとを入れてよく攪拌、溶解しておいた。水素化ナトリウム60%オイル分散液0.8gを少量のテトラヒドロフランで洗い、フラスコ内へ少量のテトラヒドロフランと共にゆっくりと加えた後、密栓をせずに室温で1時間攪拌を続けた。ブロモ酢酸t−ブチルエステル3.9gをフラスコに注ぎ、さらに少量のテトラヒドロフランに溶かしたアンモニウムブロマイド0.1gを加えてから還流器を取り付け、予め70℃に設定したオイルバスにセットして攪拌しながら7時間リフラックスした。1リットルの水中に反応溶液を注ぎ入れ、分液ロートに移して酢酸エチル200ミリリットルで抽出した。イオン純水でほぼ洗液中性になるまで水洗を繰り返した後、硫酸ナトリウムで乾燥、濾別した後、エバポレータで濃縮し、300ミリリットルのヘキサン中に注いで沈殿を得た。デカンテーションで液部をほぼ除去した後、真空乾燥機で3時間乾燥し、残りの溶媒を除去した。収量は8gほどであった。得られた樹脂の重量平均分子量をゲルパーミェーションクロマトグラフィで測定したところ、ポリスチレン換算で約2500であった。また、この樹脂塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり約16であった。また、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対するこの樹脂塗膜の溶解速度は、約0.01nm/秒であった。
【0075】
(合成例15)
合成例14で原料に用いた合成例4の樹脂に代えて合成例5の樹脂を用いたところ、波長248nmにおける吸光度が膜厚1μmあたり約8であり、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対する溶解速度が0.01nm/秒以下である樹脂を得た。
【0076】
(合成例16)
合成例14で原料に用いた合成例4の樹脂に代えて、合成例7の樹脂を用いたところ、波長248nmにおける吸光度が膜厚1μmあたり約7.5であり、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対する溶解速度が0.01nm/秒以下である樹脂を得た。
【0077】
(合成例17)
合成例14で原料に用いた合成例4の樹脂に代えて、合成例12の樹脂を用いたところ、波長248nmにおける吸光度が膜厚1μmあたり約5.7であり、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(2.38%)に対する溶解速度が0.01nm/秒以下である樹脂を得た。
【0078】
(感光性樹脂組成物例1)
合成例1の樹脂:100重量部、溶解阻害前駆体として1,3,5−トリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン:20重量部、酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩:10重量部を1−メトキシ−2−プロパノール:900重量部に溶解し、さらにストリエーション防止のため、少量の界面活性剤を添加した後、これを孔径0.2μmのフッ素樹脂メンブレンフィルタで濾過し、ネガ型感光性樹脂組成物の溶液を調合した。石英ウエハ上にこの溶液を滴下、回転塗布した後、100℃、2分間熱処理して厚さ0.35μmの塗膜を得た。さらに帯電防止膜として市販の水溶性帯電防止剤エスペーサ100(昭和電工(株)製品)を塗布し、電子線描画装置(電子線の加速電圧は50kV)でテストパターンを描画した。その後、80℃、2分間熱処理して水酸化テトラメチルアンモニウム(2.38%)水溶液を現像液に用いて60秒間現像したところ、電子線照射量、8.0μC/cm2で0.25μmライン/スペースの良好なネガ型パターンを得た。また、このネガ型感光性樹脂組成物塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり11であった。
【0079】
(感光性樹脂組成物例2〜4)
感光性樹脂組成物例1で用いた合成例1の樹脂に代えて、合成例2〜4の樹脂を用いたところ、それぞれほぼ同等の性能を有するネガ型感光性樹脂組成物を得た。
【0080】
(感光性樹脂組成物例5)
合成例11の樹脂:100重量部、溶解阻害前駆体として1,3,5−トリス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン:20重量部、酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩:10重量部を1−メトキシ−2−プロパノール:900重量部に溶解し、さらにストリエーション防止のため、少量の界面活性剤を添加した後、これを孔径0.2μmのフッ素樹脂メンブレンフィルタで濾過し、ネガ型感光性樹脂組成物の溶液を調合した。石英ウエハ上にこの溶液を滴下、回転塗布した後100℃、2分間熱処理し、厚さ0.65μmの塗膜を得た。さらに帯電防止膜として市販の水溶性帯電防止剤エスペーサ100(昭和電工(株)製品)を塗布し、電子線描画装置(電子線の加速電圧は50kV)でテストパターンを描画した。その後、80℃、2分間熱処理し、水酸化テトラメチルアンモニウム(2.38%)水溶液を現像液に用いて60秒間現像したところ、電子線照射量、20.0μC/cm2で0.35μmライン/スペースの良好なネガ型パターンを得た。また、このネガ型感光性樹脂組成物塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり6.2であった。
【0081】
(感光性樹脂組成物例6)
合成例12の樹脂:100重量部、酸触媒架橋剤としてヘキサメトキシメチルメラミン:10重量部、酸発生剤としてトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレ−ト:10重量部を1−メトキシ−2−プロパノール:900重量部に溶解し、さらにストリエーション防止のため、少量の界面活性剤を添加した後、これを孔径0.2μmのフッ素樹脂メンブレンフィルタで濾過し、ネガ型感光性樹脂組成物の溶液を調合した。石英ウエハ上にこの溶液を滴下、回転塗布した後100℃、2分間熱処理し、厚さ0.55μmの塗膜を得た。さらに帯電防止膜として市販の水溶性帯電防止剤エスペーサ100(昭和電工(株)製品)を塗布し、電子線描画装置(電子線の加速電圧は50kV)でテストパターンを描画した。その後、100℃、2分間熱処理して水酸化テトラメチルアンモニウム(2.38%)水溶液を現像液に用いて60秒間現像したところ、電子線照射量、22.0μC/cm2で0.35μmライン/スペースの良好なネガ型パターンを得た。また、このネガ型感光性樹脂組成物塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり5.4であった。
【0082】
(感光性樹脂組成物例7)
合成例13で得られた樹脂100重量部、酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩:5重量部をプロピレングリコール1−モノメチルエーテルアセテート:900重量部に溶解し、さらにストリエーション防止のため、少量の界面活性剤を添加した後、これを孔径0.2μmのフッ素樹脂メンブレンフィルタで濾過し、ポジ型感光性樹脂組成物の溶液を調合した。石英ウエハ上にこの溶液を滴下、回転塗布した後100℃、2分間熱処理し、厚さ0.35μmの塗膜を得た。さらに帯電防止膜として市販の水溶性帯電防止剤エスペーサ100(昭和電工(株)製品)を塗布し、電子線描画装置(電子線の加速電圧は50kV)でテストパターンを描画した。その後、100℃、2分間熱処理し、水酸化テトラメチルアンモニウム(2.38%)水溶液を現像液に用いて60秒間現像したところ、電子線照射量、10.0μC/cm2で0.35μmホールの良好なポジ型パターンを得た。また、このポジ型感光性樹脂組成物塗膜の波長248nmにおける吸光度を測定したところ、膜厚1μmあたり9.5であった。
【0083】
(感光性樹脂組成物例8〜11)
感光性樹脂組成物例7において、合成例13の樹脂に代えて、合成例14〜17の樹脂を用いたところ、ほぼ同等の感度および解像性能を示すポジ型感光性樹脂組成物を得た。波長248nmにおける吸光度は、それぞれ9.5、6.7、5.5、4.7であった。
【0084】
(実施の形態1)
感光性樹脂組成物例1〜6で調合されたネガ型感光性樹脂組成物を電子線レジストとして用いたKrFエキシマレーザリソグラフィ用フォトマスクの製造方法の一例を図面に基づいて説明する。
【0085】
はじめに、エッチングによるクロム遮光膜形成型フォトマスクとレジスト遮光膜型フォトマスクとを比較しながらマスク製作の概略を説明する。図2(a)〜(d)は、レジスト遮光膜型フォトマスクの製造工程の概略を示す断面図、図3(a)〜(f)は、クロム遮光膜形成型フォトマスク製造工程の概略を示す断面図である。
【0086】
まず、クロム遮光膜形成型フォトマスクの製造工程を説明する。図3(a)は、石英ガラス基板10とこの石英ガラス基板10上にスパッタリング法で成膜された遮光膜11を示している。遮光膜11は、膜厚約80nmのクロム膜と、その上部に反射防止用膜として積層された膜厚約20nmの酸化クロム膜とからなる。
【0087】
次に、図3(b)に示すように、遮光膜11の上部に回転塗布法によってフォトレジスト膜12を塗布した。フォトレジスト膜12は、市販の化学増幅系ネガ型電子線レジスト「NEB22A」(住友化学(株)製)を使用した。その後、フォトレジスト膜12中の溶媒を蒸発させる目的でプリベークを120℃で実施した。プリベーク後のフォトレジスト膜12の膜厚は350nmであった。
【0088】
次に、図3(c)に示すように、電子ビーム描画装置の描画データに従ってフォトレジスト膜12に電子ビーム13を照射した。描画後、PEBと呼ばれるベーキングを100℃で実施した。
【0089】
次に、アルカリ水溶液でフォトレジスト膜12を現像した結果、図3(d)に示すように、電子ビーム13が照射された部分のフォトレジスト膜12が不溶化し、遮光膜11上にレジストパターン14が形成された。現像後、ポストベークと呼ばれるベーキングを110℃で実施した。
【0090】
次に、図3(e)に示すように、レジストパターン14をマスクにして遮光膜11をドライエッチングすることにより、レジストパターン14で覆われていない領域(矢印で示す)の遮光膜11を除去した。遮光膜11のエッチングは、塩素と酸素の混合ガスを用いる反応性イオンエッチング法によって行った。
【0091】
その後、酸素ガスを用いたプラズマアッシングでレジストパターン14を除去した後、硫酸水溶液よる洗浄および乾燥工程を経ることにより、図3(f)に示すように、クロムパターン16を遮光膜とするフォトマスクが得られた。その後、寸法検査、パターン外観検査、修正過程、最終洗浄過程を経てフォトマスクが完成する。
【0092】
次に、レジスト遮光膜型フォトマスクの製造工程を説明する。まず、図2(a)に示すように、クロムなどの遮光膜が形成されていない石英ガラス基板10を用意する。次に、図2(b)に示すように、この石英ガラス基板10上にフォトレジスト膜17を直接塗布する。ここでは、感光性樹脂組成物例1で調製したネガ型感光性樹脂組成物をネガ型電子線レジストとして使用した。
【0093】
次に、図2(c)に示すように、電子ビーム描画装置の描画データに従ってフォトレジスト膜17に電子ビーム13を照射した。なお、描画の前後で帯電防止剤塗膜の塗布、剥離を行った。
【0094】
次に、アルカリ水溶液でフォトレジスト膜17を現像した結果、図2(d)に示すように、電子ビーム13が照射された部分のフォトレジスト膜17が不溶化し、レジストパターン18を遮光膜とするフォトマスクが得られた。その後、寸法検査、パターン外観検査、修正過程、最終洗浄過程を経てフォトマスクが完成する。
【0095】
図2と図3とを比較すれば明らかなように、本発明のKrFエキシマレーザ用フォトマスクの場合、クロム遮光膜膜へのレジストパターンのエッチング転写工程がない。そのため、マスク製造時間が短くなり、欠陥の発生も少なかった。また、エッチングによる寸法精度の劣化もないため、特に精度の高いマスクパターンが求められる回路パターンでもマスク面内精度が高く、寸法のパターン疎密およびパターン寸法依存性も小さく、設計に忠実なフォトマスクを製造することができた。
【0096】
図5(a)は、本発明のKrFエキシマレーザ用フォトマスクの一例を示す平面図、(b)はこのフォトマスクをKrFエキシマレーザステッパに装着した状態を示す図5(a)のA−A線断面図である。
【0097】
このマスクPM1は、例えば実寸の1〜10倍の集積回路パターン原画を縮小投影光学系等を通してウエハに結像して転写するためのレチクルである。ここには、半導体チップの周辺が遮光部となる場合のマスクであって、ウエハ上でポジ型のレジスト膜を用い、ラインパターンを形成する場合のマスクが例示されている。
【0098】
このマスクPM1のマスク基板1は、例えば平面四角形に形成された厚さ6mm程度の透明な石英ガラス基板からなる。マスク基板1の主面中央には、平面長方形状の光透過開口領域が形成され、マスク基板1の主面が露出されている。この光透過開口領域は、上記集積回路パターン領域を形成している。この集積回路パターン領域においてマスク基板1の主面上には、ウエハ上に集積回路パターンを転写するための遮光パターン2a、3aが配置されている。ここでは、遮光パターン2a、3aがウエハ上のラインパターンとして転写される場合が例示されている。
【0099】
上記遮光パターン2aは通常のフォトマスクと同様にCrなどの金属膜で構成されているが、集積回路パターン領域内における一部の領域RE(破線で示す領域)の遮光パターン3aは、本発明のレジスト膜で構成されている。
【0100】
遮光パターン2b上において略八角形の枠内領域は、上記ペリクルカバー領域を示している。すなわち、ここでは、マスクPM1のマスク基板1の主面側に、ペリクルPEがペリクル貼り付けフレームPEfを介して接合されている場合が例示されている。ペリクルPEは、透明な保護膜を持つ構成体であり、マスクPM1に異物が付着することを避けるためにマスク基板1の主面あるいは主面および裏面から一定の距離を隔てて設けられている。この一定の距離は、保護膜表面上の付着異物と異物のウエハへの転写性を考慮して設計されている。
【0101】
このペリクル張り付けフレームPEfの基部は、マスクPM1の遮光パターン2bに直接接触した状態で接合固定されている。これにより、ペリクル張り付けフレームPEfの剥離を防止できる。また、ペリクル張り付けフレームPEfの取り付け位置にレジスト膜が形成されていると、ペリクルPEの取り付け取り外しの際に、レジスト膜が剥離し異物発生の原因となる。ペリクル張り付けフレームPEfを遮光パターン2bに直接接触させた状態で接合することにより、そのような異物発生を防止できる。
【0102】
ペリクルカバー領域において、上記集積回路パターン領域を除いた領域は、集積回路パターン周辺領域を示している。この集積回路パターン周辺領域には、マスクPM1の情報検出用のマークパターン4aが形成されている。ペリクルカバー領域の外側は周辺領域を示している。この周辺領域には、マスクPM1の情報検出用のマークパターン4bが形成されている。マークパターン4bは、例えばアライメント用のマークやマスク製造で用いる校正用のマークなどとして使用される。アライメント用のマークは、検査装置やステッパにフォトマスクPM1を装着した際に、マスクPM1の位置を検出することでマスクPM1と検査装置やステッパとのアライメントを行うために用いるマークである。また、校正用のマークは、パターン合わせずれ、パターンの形状状態またはパターン転写精度を測定する際に用いるマークである。
【0103】
また、マスクMP1は、上記検査装置やステッパの装着部5が、マスクPM1の遮光パターン2bに直接接触した状態で検査装置や露光装置等に設置されるようになっている。図5(a)の太枠で示す領域5Aは装着部5が接触する領域を示している。なお、装着部5は真空吸着機構を有するものが例示されている。
【0104】
(実施の形態2)
感光性樹脂組成物例1の酸発生剤としてトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩の代わりにジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホン酸塩を用いたネガ型感光性樹脂組成物を使用し、図2の工程で電子線の代わりに通常のフォトマスク製造に使用される波長363.8nmのArイオンレーザを光源とするレーザ描画技術を使用してレジスト遮光膜型のKrFエキシマレーザ用フォトマスクを作製した。レーザ描画はチャージアップの問題が起こらず、また描画時の蓄熱の問題が生じにくいという特長がある。従って、レーザ描画の場合は特別に導電膜を形成する必要はない。Arイオンレーザ描画で作製したレジスト遮光膜型のKrFエキシマレーザ用フォトマスクを実施の形態1と同様に半導体集積回路装置の配線層加工に適用したところ、ウエハ上のポジ型レジストパターンは通常のフォトマスクを使用したものと比べ、遜色のない品質であり、やはり、全層をクロム遮光膜で構成したフォトマスクを用いた場合に比べ、製造コストおよび製造時間を大幅に引き下げることができた。
【0105】
本発明のフォトマスクを用いて半導体集積回路装置を製造する場合の一例を示すと、ゲート加工工程までは、図3の工程に準じて製造された通常のクロム遮光体パターンを有するフォトマスクを用いたKrFリソグラフィ技術を適用し、それより上層の配線層の加工に、図2の工程で作製したレジスト遮光膜型フォトマスクを適用した。また、配線層間のスルーホール層の加工には、図2の工程で、ネガ型電子線レジストに代えて感光性樹脂組成物例4に従って調合したポジ型電子線レジストを用いて作製したホールパターン用レジスト遮光膜型フォトマスクを適用した。
【0106】
本発明の基本的なレジスト遮光膜型フォトマスクの適用構成図を図1に示す。作製したフォトマスクは、いずれも、通常のフォトマスクと同様に遮光体パターン形成面を保護するペリクルを装着し、開口数(NA0.6)、縮小率が1/5のKrFエキシマレーザステッパに装着し、フォトマスク上に形成された所定の配線パターンを半導体ウエハ上に塗布された市販のKrF用ポジ型レジストに転写した。KrFエキシマレーザ光源からのKrFレーザ光105は、本発明のKrFレーザ遮光性レジストパターン18を有するフォトマスクの石英ガラス基板10を透過し、KrFエキシマレーザステッパの投影光学系104を介して、シリコンウエハ101上の被加工膜102の上層に形成された市販のKrF用レジスト103に露光される。現像後の被加工膜上のKrF用ポジ型レジストパターンは通常のフォトマスクを使用したものと比べ、遜色のない品質であった。ゲート層まで共通で、配線層の仕様の異なる複数の品種について、その配線層のフォトマスクに図2の工程によるレジスト遮光体パターンのフォトマスクを適用したことにより、全層を、図3の工程に準じた通常のクロム遮光体パターンを有するフォトマスクを作製した場合に比べ、1品種あたりの製造コストおよび製造時間を大幅に引き下げることができた。
【0107】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0108】
【発明の効果】
本願によって開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下の通りである。
【0109】
本発明の好ましい一形態によれば、KrFリソグラフィ用フォトマスクの遮光体パターンを現像処理にて直接形成できることから、遮光膜のエッチング工程やレジストの除去工程が不要となり、フォトマスクのコスト低減、寸法精度向上、欠陥低減が可能である。また、必要に応じて、低コスト、かつ製造時間の短いフォトマスクを使用できることから、少量多品種の半導体集積回路装置を短時間に、かつ低コストで製造することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレジスト遮光膜型フォトマスクを用いた露光方法を示す構成図である。
【図2】(a)〜(d)は、レジスト遮光膜型フォトマスクの製造工程の概略を示す断面図である。
【図3】(a)〜(f)は、クロム遮光膜形成型フォトマスク製造工程の概略を示す断面図である。
【図4】レジスト用樹脂の紫外線吸収スペクトルを測定した結果を示すグラフである。
【図5】(a)は、本発明のKrFエキシマレーザ用フォトマスクの一例を示す平面図、(b)はこのフォトマスクをKrFエキシマレーザステッパに装着した状態を示す(a)のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 マスク基板
2a、3a 遮光パターン
4a、4b マークパターン
5 装着部
10 石英ガラス基板
11 遮光膜
12 フォトレジスト膜
13 電子ビーム
14 レジストパターン
16 クロムパターン
17 フォトレジスト膜
18 レジストパターン
101 シリコンウエハ
102 被加工膜
103 KrF用レジスト
104 投影光学系
105 KrFレーザ光
PE ペリクル
PEf ペリクル貼り付けフレーム
PM1 マスク

Claims (2)

  1. 下記一般式(5)で表されるナフトエ酸誘導体と、フェノール系高分子または多価フェノール化合物とのエステル化物からなり、前記フェノール系高分子または多価フェノール化合物のエステル化率が30%以上であることを特徴とする水性アルカリ可溶性樹脂。
    Figure 0003929307
    (式中、R1〜R8はカルボキシル基、水酸基、水素、炭素数1〜4の置換または無置換アルキル基、ハロゲン、フェニル基、メトキシ基、エトキシエチル基、シクロプロピル基、アセチル基の中から選ばれる原子または原子団を表わす。また、R1〜R8は、1個のカルボキシル基を必ず含み、少なくとも1個の水酸基を含む。)
  2. 請求項記載の水性アルカリ可溶性樹脂またはその誘導体を、塗膜性をもたらす高分子樹脂マトリックスとして含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
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