JP3928713B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
半導体装置は、半導体チップがその支持体である基板の半導体チップ取付部位にハンダや、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等の接着剤(ダイボンド剤)により接合され、更に半導体チップと金属製リードフレームを電気的に接合し、これらの一体化物がエポキシ樹脂などの封止樹脂により封止されてなる構造体である。このように、半導体装置は各種の素材により構成されているので、封止樹脂による封止時の加熱、半導体装置をプリント基板にハンダ付けする際の加熱、又は半導体チップの温度上昇に伴う素材の熱膨張率の差や機械的応力に起因する内部歪の増大により、半導体チップや封止樹脂、基板との間に応力が発生し、その応力により各種の素材の接着界面が剥離し、半導体装置としての性能に変動をきたし、その信頼性が低下するという欠点があった。
【0003】
パッケージとしての信頼性は、特に耐半田クラック性が重要であるが、半田接着時に高温下にさらされた場合にダイボンド剤と封止樹脂との剥離から生じるパッケージのクラックを阻止するために、ダイボンド剤には特に低応力性、吸湿処理後の接着性が要求されている。ダイボンド剤の低応力化のために種々の樹脂が検討されているが、中でもシリコーン系樹脂は樹脂本来の弾性率の低さから最も有利な樹脂である。
【0004】
しかし、ダイボンド剤にシリコーン系樹脂を用いた場合、硬化したシリコーン系ダイボンド剤硬化物が、この上を被覆する封止樹脂と接着しておらず、樹脂封止された半導体装置の信頼性を低下させる原因となっていた。
【0005】
シリコーン系樹脂の硬化物とその上を被覆する封止樹脂との接着性の問題点を改善するため、シリコーン系硬化物の表面を紫外線照射処理した後、封止樹脂で被覆する方法(特許第2585006号、特開平10−36510号公報参照)や、シリコーン系硬化物の表面をオゾン処理した後、封止用樹脂により被覆する方法が提案されている(特許第2701045号公報参照)。
【0006】
しかし、紫外線照射は、半導体チップからはみ出たダイボンド剤が半導体チップの影になった場合、紫外線は当たらずに部分的な剥離を起こし、半導体素子の信頼性の低下を招く原因となっている。また、紫外線照射によるシリコーン硬化物表面の改質は時間と共に変化が激しく、封止樹脂成形直前でなければその効果は失われてしまっていた。一方、オゾン処理は、オゾン濃度を高くした処理室内にシリコーン樹脂を硬化させた半導体素子を入れなければならず、連続生産がしづらく、処理室内に2〜5分以上滞留させなければならない上、処理室内のオゾン置換時間までも含めると甚だ生産性の悪い方法であった(特許第2701045号公報実施例、特公平7−61853号公報実施例参照)。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解消することを目的としており、具体的にはリフローソルダリング時にパッケージクラックが入らず、繰り返しヒートサイクルや熱衝撃にさらしたり、通電断続を繰り返したり、長時間加熱加圧下においても、ボンディングワイヤー等の導電部材が断線や破損しにくく、封止用樹脂が破壊されにくく、耐湿性、耐腐蝕性、応力緩和性に更に優れた樹脂封止型半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、基板に半導体素子をシリコーン樹脂系接着剤を用いて搭載し、その後、基板上の半導体素子を樹脂封止する半導体装置の製造方法において、基板に半導体素子を搭載後、接着剤層の露呈面及び基板の表面に空気又は酸素の大気圧下でプラズマ処理を行い、次いで硬化性エポキシ樹脂を用いて樹脂封止を行うことにより、リフローソルダリング時にパッケージクラックが入らず、繰り返しヒートサイクルや熱衝撃にさらしたり、通電断続を繰り返したり、長時間加熱加圧下においても、ボンディングワイヤー等の導電部材が断線や破損しにくく、封止用樹脂が破壊されにくく、耐湿性、耐腐蝕性、応力緩和性に更に優れる半導体装置が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0009】
従って、本発明は、基板に半導体素子をシリコーン樹脂系接着剤を用いて搭載し、その後、基板上の半導体素子を樹脂封止する半導体装置の製造方法であって、基板に半導体素子を搭載後、接着剤層の露呈面及び基板の表面に空気又は酸素の大気圧下でプラズマ処理を行い、次いで硬化性エポキシ樹脂を用いて樹脂封止を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法、及びこれによって得られた半導体装置を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき、更に詳細に説明する。
本発明の半導体装置は、半導体素子を基板のチップ取付部にシリコーン樹脂系接着剤により接合して搭載した後、この接着剤層の露呈面及び基板の表面にプラズマ処理を行い、次いで樹脂封止を行うことにより得られるものである。このような半導体装置としては、IC、LSI、VLSI等が例示される。
【0011】
本発明により得られる半導体装置を図面により詳細に説明すると、図1で示される半導体装置は、ワイヤーボンティング方式のパッケージ(208ピンQFP)であり、半導体チップ2が基板1にシリコーン系ダイボンド剤3によって搭載されている。5はダイボンド剤3硬化層の露呈面3a部及び基板1の表面にプラズマ処理を行った後、加熱モールドにより成型された封止用樹脂を示し、この封止用樹脂5は基板1、半導体チップ2、ボンディングワイヤー4及びインナーリード7の周辺を覆うように成形されている。
【0012】
また、図2で示される半導体装置は、BGA(Ball Grid Array)方式のパッケージであり、基板1上に半導体チップ2がシリコーン系ダイボンド剤3により接合され、この半導体チップ2上に設けられたチップパッド(図示せず)と基板1の内部に埋設された銅薄配線(図示せず)の一端とが金属ワイヤー4により連結されている。そして、基板1の上面には、半導体チップ2及び金属ワイヤー4を覆うように封止用樹脂5により成形されたモールディング部が形成してあり、基板1の下面には銅薄配線の他端に連結された複数のソルダボール6を接合させた構成とされている。このときもダイボンド剤3硬化層の側面(露呈面3a部)及び基板1の表面にプラズマ処理を行った後、封止用樹脂によりモールディング部が成形される。
【0013】
図3で示される半導体装置は、半導体チップ(図3においては、チップキャリア)2が基板1と向き合った形で、ダイボンド剤3により接合されている。また、この基板1の半導体チップ2に向き合った面には回路配線10が形成されており、この回路配線10と半導体チップ2はリード9により電気的に接続されている。そして、ダイボンド剤3硬化層の露呈面3a部及び基板1の表面にプラズマ処理を行った後、リード9の一部もしくは全部は封止用樹脂5により封止もしくは充填されている。図3で示される半導体装置においては、この半導体装置を基板に実装するため、基板1にハンダボール6が設けられており、更に、半導体チップ2を外部からの機械的応力から保護するために外枠11が設けられている。
【0014】
ここで、本発明のダイボンド剤として用いられるシリコーン樹脂系接着剤としては、硬化性シリコーン組成物、硬化性シリコーン変性有機樹脂組成物、熱可塑性シリコーン変性有機樹脂組成物などが挙げられる。硬化性シリコーン組成物としては、末端反応性ポリジオルガノシロキサンをベース樹脂として縮合反応により硬化するもの、付加反応により硬化するもの、紫外線により硬化するもの、有機過酸化物のラジカル反応により硬化するものが例示される。硬化性シリコーン変性有機樹脂組成物としては、硬化性シリコーン変性エポキシ樹脂組成物、硬化性シリコーン変性フェノール樹脂組成物、硬化性シリコーン変性ポリイミド樹脂組成物などが挙げられ、熱可塑性シリコーン変性有機樹脂組成物にはポリイミドシリコーン樹脂組成物などが例示される。
【0015】
また、ダイボンド剤として導電性が必要とされる場合、金、銀、ニッケル、銅等の金属粉末あるいはそれらでメッキした無機粉末などが添加される。
【0016】
ダイボンド剤の性状としては、比較的低粘度の液状、比較的高粘度の液状、グリース状、ペースト状等が例示され、これをディスペンサー等の吐出機を用いて塗工することができる。更に、本ダイボンド剤を部分的に架橋させて、シート状やフィルム状の接着剤としたり、樹脂組成物が熱可塑性を有するホットメルト型である場合には、これをシート状やフィルム状のダイボンド剤とすることもできる。
【0017】
ダイボンド剤は、硬化してゴム状、あるいはゲル状の硬化物を形成するものであることが好ましい。このダイボンド剤を硬化する方法としては、その種類に応じて適宜選定され、室温もしくは加熱により硬化させる方法等が挙げられる。加熱の温度としては、例えば、50〜200℃の範囲内であることが好ましい。加熱の方法としては、熱線ランプ、ホットプレート、加熱ブロック、熱風オーブン等が例示される。
【0018】
本発明においては、上記ダイボンド剤を用いて基板のチップ取付部に半導体素子を搭載したもののダイボンド剤硬化層の露呈面及び基板表面をプラズマ処理する。
【0019】
ここで、プラズマ処理は、シリコーン樹脂系接着剤の硬化接着を行った後、封止樹脂成形までの間ならどのタイミングで行ってもよい。上述した図1〜3で示されるワイヤーをリードあるいは配線パターンにボンディングする前に行うと、シリコーン樹脂系接着剤の硬化時に揮発してワイヤーボンディング面に付着した低分子シロキサン表面の改質になり、ワイヤーの接着がよくなる。また、封止樹脂との接着力を最大に高めるためには封止樹脂成形直前もよい。プラズマ処理による接着力の向上は、▲1▼プラズマが基材表面の汚れと結合してそれを持ち去る洗浄効果、▲2▼基材表面の分子結合を分解し、活性な官能基を形成する活性効果、▲3▼プラズマ粒子が表面をナノミクロン単位で荒らし、封止樹脂接着時のアンカー効果を高める、▲4▼シリコーン樹脂系接着剤中に含有される低分子シロキサン成分の基板への滲みだしによる接着不良を防止する効果、この4つの効果により得られるものであり、これにより硬化後ダイボンド剤と封止樹脂との接着性が確実なものとなる。プラズマ処理によるシリコーン樹脂硬化物の表面改質は、紫外線照射などによる改質と違い、上記4つの効果の消失が少ないため、プラズマ処理のタイミングには特にこだわらなくてよい。
【0020】
また、プラズマ処理は、基板表面にも同時に行う。シリコーン樹脂系接着剤は、硬化前あるいは硬化時に低分子シロキサンや低粘度液状オルガノポリシロキサンが樹脂中から滲みだし、基板表面と封止樹脂との接着を阻害することがある。そこで、プラズマ処理を基板表面に対しても行うことにより、基板表面にわずかに滲みだした低分子シロキサンや低粘度液状オルガノポリシロキサンにもプラズマ処理を行うことができ、封止樹脂の接着性は向上する。
【0021】
プラズマ処理時のガスは、アルゴン、窒素、酸素、塩素、臭素、フッ素など種々用いられるが、アルゴン、窒素など不活性ガスでは、接着力の改善が得られないおそれがある。プラズマ処理による接着力の向上効果をより高めるためには、空気、酸素、塩素、臭素、フッ素などのガス雰囲気下でのプラズマ処理が望ましい。空気あるいは酸素もしくは酸素を含んだ雰囲気下でのプラズマ処理には大きな効果があり、高いレベルの接着強度を得ることができる。特に、空気中のプラズマ処理は、特殊な炉を必要としないためベルトコンベアなどの連続的な工程上に配置できるため、生産性の向上のためには好ましい。
【0022】
ここで、プラズマには、RF(高周波)プラズマ、マイクロ波プラズマ、あるいはECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマ等があり、いずれも本発明に適用可能である。
【0023】
なお、上記接着剤層の露呈面及び基板表面へのプラズマ照射距離は、プラズマ照射器のパワー(出力)、ノズルの形状等によって異なるが、通常は0.1〜100mm程度、特に0.5〜50mm程度が好ましい。また、プラズマの照射時間としては、30分以下の照射で十分であり、好ましくは0.1〜600秒、より好ましくは0.5〜600秒程度である。
【0024】
そして、このプラズマ処理された接着剤層、基板及び半導体チップを封止用樹脂により樹脂封止する。この封止用樹脂としては、硬化性エポキシ樹脂を用いる。
【0025】
硬化性エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;環式脂肪族エポキシ樹脂;グリシジルエステル型エポキシ樹脂;グリシジルアミン型エポキシ樹脂;複素環式エポキシ樹脂が挙げられる。この硬化性エポキシ樹脂は、室温で液状もしくは室温以上の軟化点を有する固体状であることが望ましい。
【0026】
この硬化性エポキシ樹脂の硬化機構としては、例えば、熱硬化性、紫外線硬化性、湿気硬化性が挙げられるが、特に、熱硬化性であることが好ましい。
【0027】
上記封止用樹脂でプラズマ処理された接着剤層、基板及び半導体チップを封止する方法としては、例えば、トランスファーモールド、インジェクションモールド、ポッティング、キャスティング、浸漬塗布、ディスペンサー等による滴下塗布、スプレーコーティング、はけ塗りが挙げられる。
【0028】
また、この封止用樹脂を硬化させる方法としては、熱硬化性である場合には、これを50〜250℃に加熱する方法、紫外線硬化性である場合には、所用の光源により紫外線を照射する方法、湿気硬化性である場合には、室温で放置する方法等が挙げられ、この樹脂を加熱する手段としては、例えば、オーブン、ホットプレート、熱線ランプが挙げられる。
【0029】
【実施例】
以下、調製例及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、実施例中の粘度は25℃における値である。
【0030】
[調製例1] シリコーン系ダイボンド剤▲1▼の調製
を均一に混合して、粘度7,000mPa・sのシリコーン系ダイボンド剤▲1▼を調製した。
【0031】
[調製例2] シリコーン系ダイボンド剤▲2▼の調製
を均一に混合して、粘度9,000mPa・sのシリコーン系ダイボンド剤▲2▼を調製した。
【0032】
[調製例3] シリコーン変性樹脂ダイボンド剤▲3▼の調製
攪拌羽根、滴下漏斗、温度計、エステルアダプターと環流管を取り付けたフラスコに、下記式(1)のエポキシ樹脂42.0g(0.10mol)とトルエン168.0gを入れ、130℃/2時間で共沸脱水を行った。これを100℃に冷却し、触媒(2重量%−塩化白金酸の2−エチルヘキシルアルコール溶液)0.5gを滴下し、直ちに下記式(2)のオルガノポリシロキサン36.3g(0.05mol)とトルエン145.2gの混合物を30分程度で滴下し、更に100℃/6時間で熟成した。これからトルエンを除去し、黄色透明液体(η=5Pa・s/25℃、エポキシ当量400、オルガノポリシロキサン含有量46.4重量%)を得た。これを化合物Aとする。
【0033】
【化1】
【0034】
攪拌羽根、滴下漏斗、温度計、エステルアダプターと環流管を取り付けたフラスコに、下記式(3)のフェノール樹脂30.8g(0.10mol)とトルエン123.2gを入れ、130℃/2時間で共沸脱水を行った。これを100℃に冷却し、触媒(2重量%−塩化白金酸の2−エチルヘキシルアルコール溶液)0.5gを滴下し、直ちに上記式(2)のオルガノポリシロキサン36.3g(0.5mol)とトルエン145.2gの混合物を30分程度で滴下し、更に100℃/6時間で熟成した。これからトルエンを除去し、褐色透明液体(η=20Pa・s/25℃、フェノール性水酸基当量340、オルガノポリシロキサン含有量54.1重量%)を得た。これを化合物Bとする。
【0035】
【化2】
【0036】
上記化合物A:54.1重量部、化合物B:45.9重量部、銀粉末:550重量部、TPP(トリフェニルホスフィン):1重量部を、均一混合して粘度10,000mPa・sシリコーン変性樹脂ダイボンド剤▲3▼を調製した。
【0037】
[調製例4] エポキシ封止用樹脂▲4▼の調製
を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉砕してエポキシ封止用樹脂▲4▼を調製した。
【0038】
[調製例5] 液状エポキシ封止用樹脂▲5▼の調製
を均一に混合して液状エポキシ樹脂組成物を調製して、これを液状エポキシ封止用樹脂▲5▼とした。
【0039】
ダイボンド剤硬化物に対する封止用樹脂の接着性
プラズマ処理による効果を確認するために、実施例1〜5及び比較例1,2の試験片を作製し、接着性試験を行った。
【0040】
[実施例1〜5]
表1に示すシリコーン系ダイボンド剤を42アロイ板上に塗布した後、150℃の熱風循環式オーブン中で30分間加熱して硬化させた。次に得られたダイボンド剤硬化物の露呈面に、プラズマ照射器(キーエンス社製、ST−7000)で5cmの距離から、空気雰囲気中、30秒、60秒又は90秒間プラズマを照射した。その後、ダイボンド剤の上に封止用樹脂▲4▼を図4に記載した金型にてトランスファーモールドで成形(成形時間60秒、成形温度180℃)し、図5に示す成形物を得た。更に、成形物を180℃で4時間ポストキュアーを行って試験片を作製した。
なお、図4の金型において、Aは上金型、Bは中金型、Cは下金型である。
【0041】
[接着性試験]
図5に示すように、基板1を固定して封止用樹脂5に矢印方向の力Fを作用させた時の剪断剥離強度を求めることによって、ダイボンド剤硬化物に対する封止用樹脂の接着性を測定した。表1に結果を記載する。
【0042】
[プラズマ照射後の経時での接着性]
上記と同様の方法でプラズマ照射後、23℃/50%RHで72時間ゴミがつかないよう保管し、これを上記と同様に封止用樹脂を成形して経時後の接着性を測定した。表1に結果を記載する。
【0043】
[比較例1]
比較のため、プラズマ処理を行わなかった以外は上記と同様の方法で試験片を作製し、接着性を測定した。
【0044】
[比較例2]
比較のため、プラズマ処理の代わりに、紫外線照射装置(低圧水銀灯120W)で5cmの距離から紫外線を照射した以外は、上記と同様の方法で試験片を作製し、接着性を測定した。
【0045】
【表1】
【0046】
半導体パッケージの接着性
[実施例6]
図1で示されるワイヤーボンティング方式のパッケージ(208ピンQFP)を作製した。なお、基板1、リード7,8は銅合金で作られている。
半導体チップ2は、上記シリコーン系ダイボンド剤▲1▼で基板1に接着し(150℃/30分)、封止用樹脂▲4▼をモールドする前に、ダイボンド剤硬化物露呈面及び基板表面に空気雰囲気下、プラズマ照射器(キーエンス社製、ST−7000)で5cmの距離から60秒間プラズマ照射し、これに樹脂封止(成形時間60秒、成形温度180℃、ポストキュアー180℃/4時間)を行って作製した。
【0047】
[比較例3]
プラズマを照射しなかった以外は、実施例6と同様にしてパッケージを作製した。
【0048】
[接着性の評価]
実施例6、比較例3で作製したパッケージを85℃/85%RHの恒温恒湿器で168時間保管後、260℃のIRリフローに通し、封止用樹脂の接着性を確認した。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
[実施例7]
図2に示されるBGA(Ball Grid Array)方式のパッケージを作製した。
BT(ビスマレイミドトリアジン)製基板1に半導体チップ2をシリコーン系ダイボンド剤▲1▼にて接合(150℃/30分)し、搭載した。このダイボンド剤硬化物露呈面及び基板表面にプラズマ照射器(キーエンス社製、ST−7000)で5cmの距離から空気雰囲気下、60秒間プラズマ照射し、プラズマ処理を行った後、封止用樹脂▲4▼にて樹脂封止(成形時間60秒、成形温度180℃、ポストキュアー180℃/4時間)を行って図2に示すパッケージを作製した。
【0051】
[比較例4]
プラズマを照射しなかった以外は、実施例7と同様にしてパッケージを作製した。
【0052】
[信頼性の試験]
この半導体装置について、PCT(121℃,2気圧)700時間実施した後、電気特性を測定したが、実施例7の半導体装置では半導体チップ表面のアルミ配線回路等の異常は見られなかった。一方、比較例4の半導体装置では、導通不良が発生していたため、封止樹脂を除去して観察したところ、アルミ配線の一部で腐食が発生していた。
【0053】
[実施例8]
図3に示す半導体装置を作製した。
半導体チップ2とBT(ビスマレイミドトリアジン)製基板1とを、上記シリコーン系ダイボンド剤▲1▼により向き合わせた状態で密着させ、このシリコーン系ダイボンド剤を150℃で30分間加熱することにより硬化させ、半導体チップ2と基板1を接着させた。続いて、この半導体チップ2と基板1の回路配線4をリード5により電気的に接続した。更にダイボンド剤硬化物露呈面3a、チップ表面及び基板表面の12の部分にプラズマ照射器(キーエンス社製、ST−7000)で5cmの距離から空気雰囲気下、60秒間照射し、最後に、このリード9の全部を、液状エポキシ封止用樹脂▲5▼により封止した後、この液状封止用樹脂を150℃で4時間加熱することにより硬化させ、作製した。
【0054】
[比較例5]
プラズマを照射しなかった以外は、実施例8と同様にして半導体装置を作製した。
【0055】
半導体装置を−30℃で10分間、+100℃で10分間を1サイクルとするサーマルサイクル試験を100サイクル行った。サーマルサイクル試験後の半導体装置の動作不良率を求めた。結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、リフローソルダリング時にパッケージクラックが入らず、繰り返しヒートサイクルや熱衝撃にさらしたり、通電断続を繰り返したり、長時間加熱加圧下においても、ボンディングワイヤー等の導電部材が断線や破損しにくく、封止用樹脂が破壊されにくく、耐湿性、耐腐蝕性、応力緩和性に更に優れる半導体装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における半導体装置の一実施例を示す概略断面図である。
【図2】本発明における半導体装置の他の実施例を示す概略断面図である。
【図3】本発明における半導体装置の別の実施例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施例における接着試験片の封止用樹脂を成形する際に使用する金型であり、(a)は該金型の斜視図、(b)は該金型の断面図である。
【図5】本発明の実施例における接着試験片の概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 半導体チップ
3 シリコーン系ダイボンド剤
3a ダイボンド剤露呈面
4 ボンディングワイヤー
5 封止用樹脂
6 ソルダボール(ハンダボール)
7 インナーリード
8 アウターリード
9 リード
10 回路配線
11 外枠
Claims (1)
- 基板に半導体素子をシリコーン樹脂系接着剤を用いて搭載し、その後、基板上の半導体素子を樹脂封止する半導体装置の製造方法であって、基板に半導体素子を搭載後、接着剤層の露呈面及び基板の表面に空気又は酸素の大気圧下でプラズマ処理を行い、次いで硬化性エポキシ樹脂を用いて樹脂封止を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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