JP3927282B2 - スライダ組立体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は,例えば,工作機械,各種組立装置,又は試験装置等の直線摺動部に適用される直動転がり案内ユニットに用いられるスライダの運搬,組立等で軌道レール,ダミー軌道レール又は挿入スリーブ等の挿入部材からスライダが脱落するのを防止するスライダ組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,メカトロ技術の発展が目覚ましく,当該技術を支える基礎的且つ汎用的な装置として直動転がり案内ユニットがある。直動転がり案内ユニットは,現在では,工作機械,半導体製造装置,搬送装置,及び産業用ロボット等の各技術分野の装置に組み込まれて使用されているが,技術の発展と共にその用途は拡大している。そして,直動転がり案内ユニット自体に対しても高精度,高速摺動化,及び小型化等の要求が益々高まっている。
【0003】
従来,図7に示された直動転がり案内ユニットが知られている。該直動転がり案内ユニットは,軌道レール22の長手方向両側面23,23には軌道溝24が形成されている。スライダ21は,軌道レール22に跨架した状態で載置され,軌道レール22の軌道溝24に沿って循環する転動体27の介在で自在に摺動する。軌道レール22には,長手方向上面34に隔置して複数個の取付孔33が形成されている。スライダ21は,軌道レール22に対して相対移動可能なケーシング25,及びケーシング25の両端にそれぞれ取り付けたエンドキャップ26を有している。ケーシング25には,転動体27が循環転走するためのリターン通路31が形成されている。ケーシング25の上部には,他の機器,部品等を取り付けるためのねじ穴39が形成されている。ケーシング25及びエンドキャップ26の各下面には,ケーシング25及びエンドキャップ26とが軌道レール22に跨がって移動するように凹部30が各々形成され,軌道レール22の各軌道溝24に対向する位置における凹部30の対向面にそれぞれ軌道溝29が形成されている。対向する軌道溝24,29で構成される軌道路にはボールや円筒ころ等の転動体27が転走するように組み込まれている。また,ケーシング25から転動体27が脱落するのを防止するために,保持バンド38が多数の転動体27を囲むようにケーシング25に設けられている。軌道レール22の長手方向上面34に形成されている取付孔33には,ボルト(図示せず)が挿通され,ボルトを取付体に形成されたねじ穴に螺入することによって軌道レール22をベッド,機台,加工台等の取付体(図示せず)に固定することができる。
【0004】
エンドキャップ26には,転動体27が軌道レール22との負荷軌道である軌道溝24からすくわれる爪,及び転動体27の循環のために転動体27を方向転換させる方向転換路が両側に形成されている。また,エンドキャップ26には,軌道レール22とスライダ21の長手方向両端部との間のシールを達成するエンドシール37が取り付けられ,転動体27及び軌道レール22とスライダ21間の両軌道溝24,29に潤滑剤を供給するためのグリースニップル40が取り付けられている。エンドキャップ26は,複数の取付孔に貫通させたねじ42等によりケーシング25の両端面に取り付けられる。軌道レール22の軌道溝24を転走する負荷域の転動体27は,エンドキャップ26内に形成された方向転換路に導かれ,次いで,ケーシング25の軌道溝29と平行して形成されたリターン通路孔31に移動し,転動体27は無限循環路内を転走する。スライダ21に形成した軌道溝29と軌道レール22に形成した軌道溝24との間を転走する負荷された転動体27の転動により,軌道レール22とスライダ21とがスムースに相対移動することができる。
【0005】
従来,直動転がり案内ユニットは,図7に示すように,スライダ21は,軌道レール22に跨架した状態で載置した状態,即ち,予めセットされた状態で販売されており,実際の使用においても,そのセットされた組合せのスライダ21と軌道レール22とが用いられていた。しかしながら,直動転がり案内ユニットに対する需要の広がりが次第に拡大して需要内容も多岐に及び,需要内容に互いに互換性が存在するものもある。即ち,同じ規格のスライダが異なる用途にそのまま使用可能となる場合がある。しかも,昨今では,製造精度,及び組立精度等についての精度管理が充実しており,スライダと軌道レールとの嵌合の規格が一致していれば,任意の軌道レールに任意のスライダを組み合わせることが可能となっている。このような場合,軌道レールはそのままでもスライダだけを交換する或いはその逆に軌道レールだけを交換するというニーズに合わせて,軌道レールだけ又はスライダだけが販売されている。
【0006】
互換性があるスライダの保管・販売・組立の各作業に当たっては,スライダ内に組み込まれた転動体の保護,脱落防止等のため,スライダのみが取り扱われることはなく,スライダは軌道レール状の挿入部材が挿入されたセットとして扱われている。互換すべきものとして扱うスライダの数が少数であれば,本来の軌道レールと同様の材質・規格を有するダミーの軌道レールであっても対応可能である。しかしながら,多数の互換性あるスライダを扱う場合には,ダミーの軌道レールを製造することはコスト上昇要因となるので,ダミーの軌道レールに代えて,形状だけを軌道レールに似せて製作した樹脂等の成形品としての挿入スリーブが用いられている。図10に断面図を示したように,挿入スリーブ52は,断面内に中空部53を有する適宜の長さを有する長尺体であって,軌道レールの輪郭に類似した外側輪郭を有している。挿入スリーブ52の長手方向両側面54,54には,軌道溝29に対応する溝55が形成されている。溝55は,直動転がり案内ユニットとしての力を支持する必要はないが,上下に想像線で示す転動体57と転がり接触する断面弧状の転動接触部分56を有し,両転動接触部分56の間の領域は,保持バンド38の逃がし溝で非接触部分となっている。
【0007】
セットを購入した先では,図9に示すように,挿入スリーブ52と,スライダ21を嵌合させる本来の軌道レール22との端部を突き合わせ,挿入スリーブ52上にあるスライダ21を軌道レール22上へと滑らせながら移動させる。こうすることで,スライダ21内に収容されている転動体が脱落することなく,スライダ21を挿入スリーブ52から軌道レール22上に移すことができる。
【0008】
また,小型の直動転がり案内ユニットでは,保持バンド38のようなボール保持手段が設けられておらず,軌道レールからスライダを抜くと,スライダ内に収容されている転動体であるボールが脱落してしまう。このような事態を回避するためにも,軌道レールにある程度強固な脱落防止装置を使用することが提案されている。即ち,従来の直動案内ユニットの脱落防止装置として,例えば,図8に示されているストッパ装置は,図7に示した直動転がり案内ユニットにおいて,軌道レール22の両端部に形成された軌道レール取付け用のボルトが挿通される取付孔33を利用して,この取付孔33にゴム製ストッパ45を嵌め込んだものである。スライダ21が軌道レール22から抜け出そうとすると,スライダ21はゴム製ストッパ45と物理的に衝突して停止させられる。
【0009】
また,特開平9─4640号公報には,リニアガイド装置のストッパ装置が開示されている。このストッパ装置は,長手方向両側面に軸方向に延びる転動体転動溝を有する案内レールの端部において,案内レールの上面又は下面を幅方向に横切る切欠きと,この切欠きに係合すると共に少なくとも一部がスライダに当接可能に案内レール外面から突出している係止部材とを備えている。係止部材は案内レールの切欠きに挿入して,殆どワンタッチで取付けられる。スライダは,案内レールの端部から脱落したりオーバーランをしようとするときに,ストッパ装置に当接するので脱落しない。ストッパ装置は,鋼線製又は鋼板又は合成樹脂製の板部材から形成することができる。
【0010】
また,従来の直動転がり案内ユニットにおいて,実開平5−27337号公報には,トラックレールに対する着脱を垂直上下方向において押込みと引抜きとで行うストッパが開示されている。この直動転がり案内ユニットのストッパは,倒C字状に形成したストッパ本体の両端の係止脚間をトラックレール両側面の転動体転動軌道溝間より小とし,係止脚を転動体転動軌道溝間に嵌着したとき,ストッパ主体の弾性変形により,その内面の一部をトラックレールの頂面の一部に弾接させている。ストッパはトラックレールに対して垂直上下方向に押し込んで嵌着され,引き抜くことで脱着される。係止脚の係止は,トラックレール頂面のボルト穴,凹溝等を利用して行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,上記の従来の直動転がり案内ユニットの脱落防止装置は,スライダが相当の速度で衝突してもストッパとして機能するように,係止部を屈曲させていると共にある程度強度を有して形成されている。そのため,ストッパの脱着に力を要すると共に製造コストも低減が困難であった。そこで,スライダが挿入部材から脱落するのを防止する脱落防止装置として,より一層着脱し易くすると共に,安価に製造できるスライダ組立体が求められている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は,上記課題を解決することであり,直動転がり案内ユニットのスライダの脱落防止を図ることができるストッパを備えたスライダ組立体として,線材を屈曲させて又は折り曲げてストッパを形成することにより安価に製造することを可能とし,また,ストッパの脚部の先端に形成した係止部を挿入部材の係合部に係合又は脱係合させることのみでストッパの挿入部材への着脱を容易にするスライダ組立体を提供することである。
【0013】
この発明は,凹部の対向面に第1軌道溝を備えたスライダ,前記第1軌道溝に対応する第2軌道溝を長手方向両側面に備え且つ前記スライダの前記凹部内に摺動自在に挿入される挿入部材,及び前記挿入部材に係合するストッパから成るスライダ組立体において
記ストッパは,前記挿入部材の側方にそれぞれ垂下する一対の脚部,前記両脚部を一体的に結ぶと共に前記挿入部材の上面を跨いで延びるブリッジ部,及び各前記脚部の先端を内側に折り曲げて突起それぞれ形成された一対の係止部から成り,前記両脚部,前記ブリッジ部及び前記両係止部から成る全体が線材を折り曲げて形成され,前記挿入部材の前記長手方向両側面には前記係止部が回動可能に係合する穴である係合部が形成されており,前記ストッパの前記係止部が前記挿入部材の前記係合部に係合し,前記ストッパが前記係止部を回動中心として前記挿入部材に対して旋回して,前記ストッパの前記ブリッジ部が前記スライダの端面に当接することによって前記スライダは前記挿入部材上から脱落が防止されることを特徴とするスライダ組立体に関する。
【0014】
この発明によるスライダ組立体は,上記のように構成されているので,ストッパが一対の脚部,ブリッジ部,及び係止部から成る簡単な構造を有しているため,その製造に際しては,例えば,線材に単純な屈曲又は曲げ加工を施すだけて安価に製作することができる。また,ストッパを挿入部材に着脱するには,単に,挿入部材の長手方向両側面に形成されている係合部に,ストッパの係止部を係合する操作,又はその逆の操作を行うだけでよいので,ストッパの挿入部材への着脱が簡単になる。
【0015】
また,このスライダ組立体において,前記挿入部材は,軌道レール,ダミーの軌道レール,又は合成樹脂製等の成形品から成る挿入スリーブである。挿入部材は,スライダ組立体の役割に応じて適宜のものを採用可能である。挿入部材としては,スライダと本来組み合わせられるべき軌道レールを直接に用いてもよく,又,少量のスライダであれば,軌道レールと略同じ構造を有するダミーの軌道レールを用いてもよい。或いは,多数のスライダを何本もの挿入部材で扱う場合等には,合成樹脂製の成形品から成る挿入部材を利用してもよい。
【0016】
また,このスライダ組立体において,前記挿入部材は,第2軌道溝を有し且つスライダが跨架する軌道レール部と,軌道レール部と一体に且つ軌道レール部よりも幅広に形成されていると共に係合部が形成されているベース部とから構成される。通常,スライダは軌道レールよりも幅広であるので,挿入部材として通常の軌道レールを採用してその軌道レールを下にして置いた場合,スライダ組立体は不安定となって転倒しやすくなるが,挿入部材を上記のように軌道レール部とベース部とで構成すると,スライダは挿入部材に安定して支持される。また,係合部は軌道レール部よりも幅広のベース部に形成されるので,その係合部と係合する係止部は,ブリッジ部の両端から垂下する脚部の先端に直ちに形成することが可能となり,ブリッジ部が長くなっても係止部の形成が複雑にならない。
【0017】
また,このスライダ組立体において,前記スライダがストッパに当接した状態では,前記ブリッジ部がスライダの端面に当接し,前記脚部がスライダの側面とベース部の長手方向両側面に沿って延びる配置となる。したがって,スライダがストッパに当接するときには,両脚部はスライダと干渉することなく,ブリッジ部がスライダの端面の全幅に渡って当接するので,スライダを停止させるためのスライダとストッパとの当接が確実となる。また,着脱時には,スライダの端面の全幅に渡る長さを有するブリッジ部を撓ませることができ,係合部に対する係止部の着脱がし易くなり,ストッパの挿入部材への着脱が容易となる。
【0018】
また,このスライダ組立体において,前記ストッパの両脚部は,ブリッジ部が,挿入部材上にセットされている前記スライダ側を向くように前記スライダの端面の下側端縁を迂回して折り曲げられて形成されている。ストッパがスライダに当接してスライダを停止させる部分を脚部とすると,脚部の特定の部分のみがスライダと接触することとなってストッパの強度上,問題が生じることがある。しかし,上記のようにブリッジ部を構成すると,スライダの幅が挿入部材の幅よりも広い場合であっても,脚部はスライダを迂回して延び,スライダに当接してスライダを停止させるストッパの部分は,その長さ全体が当接できるブリッジ部とすることができ,ストッパの耐久性を向上することができる。
【0019】
また,このスライダ組立体において,挿入部材の係合部である穴は,ストッパの係止部が嵌入するだけの深さがあればよい。ストッパの係止部は,係合部が穴である場合には穴に係合する突起である。このような,係止部と係合部との形態を採ると,係止部及び係合部の形成のための製造工程は低コストで行え,係合部の形成は挿入部材の長手方向の任意の箇所で挿入部材の強度を損なうことなく行われ,且つ係止部と係合部との着脱作業も単純な嵌め合わせで済むのでストッパの挿入部材への着脱作業が迅速且つ容易に行われる。
【0020】
更に,このスライダ組立体において,前記スライダは,第1軌道溝を備えたケーシング,第1軌道溝と第2軌道溝との間を転走する転動体,ケーシングの両端面にそれぞれ固定されたエンドキャップ,及びエンドキャップの端面に取り付けられたエンドシールを有する。特に,転動体を含むスライダの場合には,一旦,挿入部材から脱落すると,転動体がスライダから飛び出して使用不可能となる場合がある。この発明によるスライダ組立体を用れば,転動体を有するスライダを実際の装置等に組み込むまでのスライダの保管と搬送中において,ストッパが挿入部材からのスライダの脱落の防止を安価に且つ着脱性良く行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して,この発明によるスライダ組立体の実施例を説明する。以下の図面において,この発明によるスライダ組立体を構成する部品であって,図7(又は図8)に示した従来の直動転がり案内ユニットと同一の構造及び機能を有する部品には,同一の符号を付しており,それらについての再度の詳細な説明を省略する。
【0022】
まず,図1〜図3を参照して,この発明によるスライダ組立体の一実施例を説明する。このスライダ組立体1は,スライダ21と,スライダ21の凹部30内に挿入された挿入部材2とから成る。スライダ21は,図7(又は図8)に示すスライダ21と同様の構造を有するスライダであって良い。即ち,このスライダ組立体1において,スライダ21は,凹部30の対向面に第1軌道溝29(いずれも図7(又は図8)参照)を備えたケーシング25,第1軌道溝29と第2軌道溝4との間を転走する転動体27(図7(又は図8)参照),ケーシング25の両端面にそれぞれ固定されたエンドキャップ26,エンドキャップ26の端面に取り付けられたエンドシール37を有する。
【0023】
挿入部材2は,軌道レール部3と,軌道レール部3と一体に形成され軌道レール部3よりも幅広のベース部5とから構成される。軌道レール部3は,その長手方向両側面6,6に,スライダ21の第1軌道溝29に対応する第2軌道溝4を備えており,スライダ21の凹部30内に両軌道溝4,29に沿って摺動自在に挿入されている。転動体が第1軌道溝29と第2軌道溝4との間を転動する。スライダ21は,軌道レール部3を跨架している。通常,スライダ21は図7(又は図8)に示すように軌道レール22よりも幅広であるので,特に軌道レール22が短く軽量であるとスライダ組立体1が傾きやすく,スライダ21が周囲の物と衝突し,その結果案内ユニットに適用した場合の精度維持が困難になるという問題がある。挿入部材2をこのように軌道レール部3と幅広のベース部5とで構成することにより,挿入部材2とスライダ21とは横に傾くことなく,スライダ21は,ベース部5によって台等の任意の支持部に対して安定して支持される。
【0024】
図1及び図2に示したスライダ組立体1では,スライダ21が挿入部材2から脱落するのを防止するストッパ10は,スライダ21の両側において設けられている。ストッパ10は,挿入部材2のベース部5の長手方向両側面7,7の側方に垂下する一対の脚部11と,両脚部11を一体的に結ぶと共に挿入部材2の上面8を跨いで延びるブリッジ部12と,各脚部11に形成された係止部13とから成り,全体は金属線材で構成されている。係止部13は,各脚部11の先端を内側に折り曲げることによって突起として形成されている。挿入部材2の各長手方向側面7には係止部13が係合する係合部14が形成されている。
【0025】
挿入部材2のベース部5の各長手方向側面7に形成された係合部14は,穴によって形成されている。係合部14は,ストッパ10の突起としての係止部13が嵌入するだけの深さがあればよい。また,係合部14である穴の内径は,係止部13である線材の径よりも十分大きく設定されているので,ストッパ10は,穴内に位置させた係止部13を回動中心として旋回可能である。この旋回可能であることに対応させて,ストッパ10のブリッジ部12が挿入部材2の上面8に当接した状態で,両ブリッジ部12,12間の間隔がスライダ12の長さよりも長く設定されている。したがって,一方のストッパ10を挿入部材2に取り付けた後は,既に挿入部材2に嵌装されているスライダ21を挿入部材2に対して長手方向に若干移動可能であるので,他方のストッパ10をスライダ21と干渉することなく余裕を持って挿入部材2に取り付けることができる。
【0026】
このスライダ組立体1は上記のように構成されており,特に,ストッパ10が一対の脚部11,ブリッジ部12,及び係止部13から成る簡単な構造を有しているため,ストッパ10の製造に際しては,例えば,金属線材を単純な屈曲又は曲げ加工を施すだけて安価に製作することができる。また,挿入部材2には単に穴を形成するだけであるので,係合部14の形成のための製造工程も低コストで行える。更に,係止部13と係合部14との着脱作業は,挿入部材2の各長手方向側面7に形成されている係合部14にストッパ10の係止部13を係合する操作,又はその逆の操作をして係合を外すだけでよいので,ストッパ10の挿入部材2への着脱作業が迅速且つ簡単に行われる。
【0027】
このようにして組み立てたスライダ組立体1においては,スライダ21が挿入部材2の端部から脱落しようとすると,スライダ21はストッパ10のブリッジ部12に当接する。ストッパ10はその係止部13が挿入部材12の係合部14に係合して挿入部材2から抜け止めされているので,スライダ21は,ブリッジ部12が挿入部材2の上面8に当接した状態で,挿入部材2上で停止させられ,挿入部材2の端部から脱落することがない。更に,特に,転動体27を含むスライダ21(図7参照)の場合には,一旦,挿入部材2から脱落すると,転動体27がスライダから飛び出して使用不可能となる場合があるが,このスライダ組立体1を適用すれば,転動体27を有するスライダ21を実際の装置等に組み込むまでのスライダの保管と搬送中において,転動体27を飛び出させるようなスライダの挿入部材2からの脱落を防止することができる。
【0028】
また,このスライダ組立体1において,スライダ21がストッパ10に当接した状態では,ブリッジ部12がスライダ21のエンドシール37の端面46に当接し,脚部11がスライダ21の側面47とベース部5の各長手方向側面7に沿って延びる配置となる。この当接状態では,ブリッジ部12がスライダ21の端面46の全幅に渡って当接するのでスライダ21はストッパ10によって確実に停止され,脚部11は側面47と側面7に沿うため外部からの作用で係止部13が係合部14から不用意に外れることもない。また,着脱時には端面46の全幅の長さを有するブリッジ部12を撓ませることができ,係合部14に対する係止部13の着脱,即ち,ストッパ10の挿入部材2への着脱が容易となる。
【0029
また,図1及び図2に示したスライダ組立体1は,挿入部材2をサンプル用に持ち運びができるようにその長さを短く切断し,挿入部材2の両端にストッパを配置した例である。スライダ組立体1はこれに限らず,複数のスライダ21を1本の長尺の挿入部材に挿入したものであってもよい。この場合,挿入部材2は,スライダ21と組み合わせられるべき本来の使用に供する軌道レールや,ダミーの軌道レール,又は合成樹脂製等の成形品から成る挿入スリーブであってもよい。このスライダ組立体1では,挿入部材2に形成する係合部14はスライダ21の摺動箇所に存在しておらず,且つ挿入部材2がたとえ本来の使用に供する軌道レールであっても係合部14の形成によって挿入部材2の強度を損なうこともないので,挿入部材2の長手方向の任意の箇所に複数の係合部14を形成して,各スライダ21毎にその両端側にストッパ10を設けることもできる。また,一台の装置に使用するスライダ21が一群のスライダ21である場合には,挿入部材2からの脱落防止と同時にスライダ21のグループ毎に区切るために,スライダ21のグループ毎或いは全てのスライダ21に対してその片方端又は両端にストッパ10を適用することもできる。更に,ストッパ10は,金属線材で形成した例を示したが,合成樹脂製の線材であってもよく,帯材で形成してもよい。
【0030
また,上記先行技術として挙げた文献に開示のストッパは,いずれも,直動転がり案内ユニットが用途の各装置に組み込まれるまでの保管や運搬等の過程で,スライダが軌道レールから滑落することがないようにするためのものであり,通常は,案内レールの端部に切欠きを形成し,この切欠きと軌道溝とにストッパを固定的に係止させた形態となっている。したがって,案内レールの長手方向途中にこのようなストッパをそのまま適用すると,切欠きは案内レールの強度を低下させると共にストッパを転動溝に係脱させる際及び係止中に転動溝を傷付ける可能性がある。一方,この発明によるスライダ組立体1によれば,挿入部材2に対するストッパ10の取付けに挿入部材2の第2軌道溝を利用していないので,挿入部材2の長手方向の途中にストッパ10を係止させても,第2軌道溝を傷つけることがない。しかも,ストッパ10は案内レールに対して旋回可能であり,ストッパ10の着脱作業を余裕を持って行うことができる。
【0031
次に,図4〜図6を参照して,この発明によるスライダ組立体の別の実施例を説明する。この実施例は,上記実施例と比較して,挿入部材とストッパとの構造が相違する以外は,ほぼ同一の構成及び機能を有しており,同様の機能を持つ部品には同一の符号を付し,重複する説明を省略する。
【0032
ライダ組立体50の挿入部材は,図2に示す断面凸型の挿入部材ではなく,図10で断面を示した合成樹脂製の挿入スリーブ52である。スライダ21の第1軌道溝29(図7,図8参照)に対向する,挿入スリーブ52の溝55が第2軌道溝として機能している。ストッパ60は,挿入スリーブ52の側方に垂下する一対の脚部61,両脚部61を一体的に連結するブリッジ部62,及び各脚部61の先端に形成された係止部63からなり,全体として金属線材を折り曲げることによって形成されている。係止部63は突起の形態を有し,係止部63が嵌入する係合部59が挿入スリーブ52の各長手方向側面54に穴として形成されている。スライダ21の幅は挿入スリーブ52の幅よりも広く設定されている。ストッパ60は挿入スリーブ52の輪郭に対応させた形状をしており,スライダ21の側面47まで延びていない。
【0033
このスライダ組立体50において,ストッパ60の両脚部61は,ブリッジ部62が,挿入スリーブ52部材上にセットされているスライダ21側を向くように折曲げ部分64で折り曲げられている。仮に,脚部61が折曲げ部分64で折り曲げられていないとすると,スライダ21が挿入スリーブ52上を移動するときにスライダ21のエンドシール37の端面46の下側端縁48がストッパ60の脚部61に衝突する。ストッパ60が脚部61に当接してスライダ21を停止させるとなると,スライダ21の下側端縁48が脚部61の特定の部分のみに接触することとなってストッパ60が損傷を受ける場合がある。しかし,上記のように脚部61を構成すると,各脚部61はスライダ21のエンドシール37の端面46の下側端縁48を迂回して各長手方向側面54に沿って延び,ブリッジ部62が挿入スリーブ52の上面58に当接してそれ以上の旋回が停止した状態で,ブリッジ部62がスライダ21の端面46に当接してスライダ21を停止させる。ストッパ60がスライダ21と当接する部分は,その長さ全体が当接できるブリッジ部62となるので,ストッパ60の耐久性を向上させることができる。
【0034
【発明の効果】
この発明によるスライダ組立体は,以上のように構成されているので,次のような効果を有する。即ち,このスライダ組立体においては,ストッパが一対の脚部,ブリッジ部,及び係止部から成る簡単な構造を有しているため,線材に単純な屈曲又は曲げ加工を施すだけでストッパを安価に製作することができる。また,ストッパの係止部が係合する係合部は,単に挿入部材に穴を形成する等の簡単な工程で製作でき,係止部と係合部との係合構造が簡単に且つ安価に製造できる。また,ストッパを挿入部材に着脱するには,単に,挿入部材に形成されている係合部に,ストッパの係止部を係合する操作,又はその逆の操作を行うだけでよいので,ストッパの挿入部材への着脱を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるスライダ組立体の一実施例を示す側面図である。
【図2】 図1のスライダ組立体の正面図である。
【図3】 図1及び図2に示すスライダ組立体に用いられるストッパの正面図である。
【図4】 この発明によるスライダ組立体の別の実施例を示す側面図である。
【図5】 図4のスライダ組立体の正面図である。
【図6】 図4に示すスライダ組立体に用いられるストッパの斜視図である。
【図7】 従来の直動転がり案内ユニットの一例を一部を破断して示す斜視図である。
【図8】 従来の直動転がり案内ユニットのストッパを用いた一例を一部を破断して示す斜視図である。
【図9】 軌道レールと挿入部材とを突き合わせてたスライダの移し替えを説明する説明図である。
【図10】 成形品から成る挿入部材の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,50 スライダ組立体
2 挿入部材
3 軌道レール部
4,55 第2軌道溝
5 ベース部
6 長手方向側面
7 長手方向側面
8 挿入部材の上面
10,60 ストッパ
11,61 脚部
12,62 ブリッジ部
13,63 係止部
14,59 係合部
21 スライダ
23 長手方向側面
25 ケーシング
26 エンドキャップ
27 転動体
29 第1軌道溝
30 凹部
37 エンドシール
46 端面
47 側面
52 挿入スリーブ
54 長手方向側面
58 上面
64 折曲げ部分

Claims (6)

  1. 凹部の対向面に第1軌道溝を備えたスライダ,前記第1軌道溝に対応する第2軌道溝を長手方向両側面に備え且つ前記スライダの前記凹部内に摺動自在に挿入される挿入部材,及び前記挿入部材に係合するストッパから成るスライダ組立体において
    記ストッパは,前記挿入部材の側方にそれぞれ垂下する一対の脚部,前記両脚部を一体的に結ぶと共に前記挿入部材の上面を跨いで延びるブリッジ部,及び各前記脚部の先端を内側に折り曲げて突起それぞれ形成された一対の係止部から成り,前記両脚部,前記ブリッジ部及び前記両係止部から成る全体が線材を折り曲げて形成され,前記挿入部材の前記長手方向両側面には前記係止部が回動可能に係合する穴である係合部が形成されており,前記ストッパの前記係止部が前記挿入部材の前記係合部に係合し,前記ストッパが前記係止部を回動中心として前記挿入部材に対して旋回して,前記ストッパの前記ブリッジ部が前記スライダの端面に当接することによって前記スライダは前記挿入部材上から脱落が防止されることを特徴とするスライダ組立体。
  2. 前記挿入部材は,軌道レール,ダミーの軌道レール,又は合成樹脂製等の成形品から成る挿入スリーブであることを特徴とする請求項1に記載のスライダ組立体。
  3. 前記挿入部材は,前記第2軌道溝を有し且つ前記スライダが跨架する軌道レール部と,前記軌道レール部と一体に且つ前記軌道レール部よりも幅広に形成されていると共に前記係合部が形成されているベース部とから成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のスライダ組立体。
  4. 前記スライダが前記ストッパに当接した状態では,前記ブリッジ部が前記スライダの端面に当接し,前記脚部が前記スライダの側面及び前記ベース部の前記長手方向両側面に沿って延びていることを特徴とする請求項3に記載のスライダ組立体。
  5. 前記ストッパの前記両脚部は,前記ブリッジ部が前記挿入部材上にセットされている前記スライダ側を向くように前記スライダの前記端面の下側端縁を迂回して折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載のスライダ組立体。
  6. 前記スライダは,前記第1軌道溝を備えたケーシング,前記第1軌道溝と前記第2軌道溝との間を転走する転動体,前記ケーシングの両端面にそれぞれ固定されたエンドキャップ,及び前記エンドキャップの端面に取り付けられたエンドシールを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のスライダ組立体。
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