JP3926195B2 - ポリウレタンフォーム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタンフォームに関する。更に詳しくは、靴底、靴等に好適に使用しうるポリウレタンフォーム及びその製造法、並びに該ポリウレタンフォームに使用されるポリウレタンフォーム製造用触媒組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタンフォームの製造用触媒としては、スズ系、鉄系、チタン系、マンガン系等の金属触媒や、アミン系触媒が用いられており、特に第3級アミンがポリウレタン製造用触媒として好ましいことが知られている。なかでも、トリエチレンジアミンは、その触媒活性のバランスがよいことから、特に水発泡性ウレタンフォームの製造の際に多用されている。
【0003】
一方、ポリウレタンフォームに対しては、省資源、省エネルギー、低価格化、軽量化等の観点から、低密度化が要望されている。従来のトリエチレンジアミンを用いた水発泡ポリウレタンフォームの低密度化は、その発泡剤となる水の添加量を増加させることによって行われている。しかし、水を増量させた場合、得られたポリウレタンフォームには、収縮が生じたり、フォームの表面や内部に気泡の欠陥が発生しやすいなどの成形性の面で欠点がある。
【0004】
こうした欠点を解決する方法として、トリエチレンジアミンと泡化触媒の組み合せが提案されている(特公平4−64606号公報)。
【0005】
しかしながら、近年、成形金型の形状や意匠の複雑化、低密度化が要望されているが、前記方法では、低密度化を図ると同時に、成形性及び意匠再現性を十分に満足しうるポリウレタンフォームを製造することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、発泡剤である水を増量させることなく、フォーム充填性を高め、低密度化させることができ、複雑な形状や意匠を有する成形金型を用いて成形した場合であっても、未充填部分がなく、スキン状態が良好であり、収縮及び気泡欠損の発生がほとんどないポリウレタンフォーム及びその製造法、該ポリウレタンフォームを与えるポリウレタンフォーム製造用触媒組成物、並びに該ポリウレタンフォームの特性を活かした用途、すなわち靴底及びそれが用いられた靴を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン(以下、「DCHMA 」という)及びトリエチレンジアミン(以下、「TEDA」という)を含有してなるポリウレタンフォーム製造用触媒組成物(以下、単に「触媒組成物」という)、
(2)前記触媒組成物の存在下で、2以上の活性水素を含む化合物と有機ポリイソシアネートとを反応させてなるポリウレタンフォーム、
(3)前記ポリウレタンフォームを有する靴底、
(4)前記靴底を有する靴、並びに
(5)前記触媒組成物の存在下で、2以上の活性水素を含む化合物と有機ポリイソシアネートとを反応させるポリウレタンフォームの製造法
に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の触媒組成物には、TEDAとDCHMA とが併用されている点に1つの大きな特徴がある。このように、本発明においては、TEDAとDCHMA とが併用されることにより、ポリウレタンフォームの製造において、TEDA単独又はDCHMA 単独で使用した場合と対比して、発泡剤となる水の添加量を減らした場合であっても、十分なフォーム充填性が得られるため、低密度化させたときでも未充填部分がなく、スキン状態が良好であり、気泡欠損の発生がないポリウレタンフォームを得ることができるという格別顕著に優れた効果が奏される。
【0009】
このように格別顕著に優れた効果が発現される理由は、定かではないが、おそらくDCHMA とTEDAとを併用することにより、発泡剤となる水と有機ポリイソシアネート成分の反応性が向上するので、少ない水量であってもフォーム充填性が高められることに基づくものと考えられる。
【0010】
DCHMA とTEDAとの割合は、フォーム充填性の観点から、DCHMA/TEDA(重量比)の値は、好ましくは0.8以上、より好ましくは0.9以上、更に好ましくは1.5以上、特に好ましくは1.6以上である。また、ポリウレタンフォームの気泡欠陥やスキン剥離などを回避する観点から、DCHMA/TEDA(重量比)の値は、好ましくは3.5以下、より好ましくは2.3以下、更に好ましくは2.1以下である。これらの観点から、DCHMA/TEDA(重量比)の値は、好ましくは0.8〜3.5、より好ましくは0.9〜3.5、更に好ましくは1.5〜2.3、特に好ましくは1.6〜2.1である。
【0011】
本発明の触媒組成物は、DCHMA 、TEDA、及び必要により添加剤を混合することによって得ることができる。
【0012】
添加剤としては、例えば、鎖延長剤、発泡剤、変色防止剤、安定剤、防カビ剤等が挙げられ、これらの添加剤は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。添加剤の量は、その種類によって異なるので一概には決定することができないが、通常、本発明の目的を阻害しない範囲内にあればよい。
【0013】
本発明の触媒組成物は、2以上の活性水素を有する化合物と有機ポリイソシアネートとを反応させてポリウレタンフォームを製造する際の触媒として好適に使用しうるものである。
【0014】
触媒組成物の量は、2以上の活性水素を有する化合物100重量部あたり、ポリウレタンフォームの生産性の観点から、好ましくは0.45重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、更に好ましくは0.55重量部以上である。また、十分な意匠再現性を確保する観点から、触媒組成物の量は、2以上の活性水素を有する化合物100重量部あたり、好ましくは1.3重量部以下、より好ましくは1.2重量部以下、更に好ましくは1.0重量部以下である。これらの観点から、触媒組成物の量は、2以上の活性水素を有する化合物100重量部あたり、好ましくは0.45〜1.3重量部、より好ましくは0.5〜1.2重量部、更に好ましくは0.55〜1.0重量部である。
【0015】
2以上の活性水素を有する化合物の代表例としては、分子量400〜10000、好ましくは1000〜7000を有する、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
【0016】
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールと、フタル酸、無水フタル酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸等の多塩基酸との縮重合物であって、末端に水酸基を有するもの等が挙げられる。
【0017】
ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールに、アルキレンオキサイドを付加重合させて得られるポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
【0018】
なお、2以上の活性水素を有する化合物には、ポリウレタンフォームの生産性及び機械的強度を適宜調整するために、鎖延長剤を適量で配合することができる。
【0019】
鎖延長剤には、2以上のイソシアネート反応性水素原子を含み、32〜400の分子量を有する化合物を用いることができる。該化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス−ヒドロキシルメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジブロモブタンジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリトリオール、キエトール、マンニトール、ソルビトール、ヒマシ油、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量400までの高級ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、分子量400までの高級ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコール、分子量400までの高級ポリブチレングリコール、4,4’−ジオキシジフェニルプロパン、ジオキシメチルヒドロキノン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−アミノプロパノール、エチレンジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、トリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ジアミン等が挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】
2以上のイソシアネート反応性水素原子を含み、32〜400の分子量を有する化合物の中では、ポリウレタンフォームの機械的強度を向上させる観点から、エチレングリコール及び1,4−ブタンジオールが好ましい。
【0021】
鎖延長剤の量は、機械的強度を保持し、良好な外観表面を得る観点から、2以上のイソシアネート反応性水素原子を含み、32〜400の分子量を有する化合物100重量部あたり、好ましくは4〜20重量部、より好ましくは7〜17重量部、更に好ましくは10〜15重量部である。
【0022】
有機ポリイソシアネートの代表例としては、トルエンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート化合物、これらの2種以上の混合物、変性物、これらのプレポリマー等が挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
有機ポリイソシアネートの中では、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート及びその変性物、並びにそれらのプレポリマーがポリウレタンフォームの機械的強度の保持及び生産性の観点から好ましい。
【0024】
なお、本明細書にいう「プレポリマー」とは、有機ポリイソシアネートを予めポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等と反応させて得られたポリマーをいう。
【0025】
プレポリマーのNCO%は、粘度が高くなって低圧発泡機での成形が困難とならないようにするために、10%以上、好ましくは13%以上、更に好ましくは15%以上であることが望ましく、また粘度が低くなって発泡機の計量精度が低くなることを避けるために、25%以下、好ましくは22%以下、特に好ましくは20%以下であることが望ましい。かかる観点からプレポリマーのNCO%は、10〜25%であり、好ましくは13〜22%であり、さらに好ましくは15〜20%である。
【0026】
有機ポリイソシアネートの量は、通常、2以上の活性水素を有する化合物100重量部に対して、50〜150重量部程度であればよい。
【0027】
なお、本発明においては、必要により、2以上の活性水素を有する化合物に整泡剤を添加して用いることができる。整泡剤としては、例えば、シリコーン系整泡剤、フッ素系整泡剤、ケイ素原子及びフッ素原子を有しない界面活性剤等が挙げられる。
【0028】
発泡剤には、水をはじめ、ポリウレタンフォームの生成反応に関与しない発泡剤を用いることができる。水を用いた場合、有機ポリイソシアネートと反応して二酸化炭素を発生する。
【0029】
発泡剤の量は、その種類等によって異なるので一概には決定することができない。例えば、発泡剤として水を用いる場合、水の量は、ポリウレタンフォームの低密度化の観点から、2以上の活性水素を有する化合物100重量部あたり、好ましくは0.3〜2.0重量部、より好ましくは0.4〜1.5重量部、更に好ましくは0.5〜1.0重量部である。
【0030】
また、ポリウレタンフォームを製造する際には、必要により、顔料等の着色剤、変色防止剤、安定剤、防カビ剤等の配合剤を2以上の活性水素を有する化合物又は有機ポリイソシアネートに添加して用いることもできる。
【0031】
ポリウレタンフォームは、その原料化合物を金型内に注入し、発泡を行うことによって製造することができる。本発明のポリウレタンフォームの製造法においては、前記触媒組成物が用いられているので、複雑な形状に対応した内部形状を有する成形金型を用いても成形性よく、所定形状を有するポリウレタンフォームを製造することができる。また、本発明の製造法によれば、特に、靴底の形状に対応した内部形状を有する成形金型を用いた場合であっても、成形性よく、所定形状を有するポリウレタンフォームを製造することができる。
【0032】
なお、本発明に用いられる成形金型の材質には、特に限定がない。その例としては、鉄、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、アルミニウム合金、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、成形金型の内面形状についても特に限定がなく、目的とする靴底成形体の形状に対応した形状を有するのであればよく、任意である。
【0033】
成形を行う際には、その成形金型の内面に、離型性を向上させるために、離型剤をあらかじめ塗布、噴霧等の常法により付着させておくことが好ましい。該離型剤の代表例としては、ジメチルシリコーンオイル等のシリコーンオイル系離型剤、鉱物油、パラフィンワックス等が挙げられるが、本発明はかかる例示のみに限定されるものではない。
【0034】
成形を行った後、脱型することにより、所定の形状を有するポリウレタンフォームを得ることができる。
【0035】
得られたポリウレタンフォームの密度は、十分な機械的強度及び成形外観を確保する観点から、好ましくは0.20〜0.8g/cm3 、より好ましくは0.25〜0.6g/cm3 、更に好ましくは0.3〜0.5g/cm3 である。
【0036】
本発明の製造法によれば、ポリウレタンフォームの製造の際に、本発明の触媒組成物が用いられているので、複雑な形状、意匠等を有する成形金型を用いて成形した場合であっても、未充填部分がなく、スキン状態が良好であり、気泡欠損の発生がないという優れた性質を有するポリウレタンフォームを製造することができる。
【0037】
本発明のポリウレタンフォームの性能を活かした好適な用途としては、例えば、サンダル、紳士靴、スポーツ靴等の靴底が挙げられる。一般に、靴底は、サンダル、紳士靴等に使用されるアウトソールと、スポーツ靴等に使用されるミッドソールとに分類される。本発明のポリウレタンフォームは、特に軽量化の要求が高いサンダルやミッドソールに好適に使用しうるものである。
【0038】
本発明の靴は、通常、靴本体(甲皮等)及び靴底を一体化させることによって製造することができる。靴本体は、足の甲を包む部位であり、特にその素材や形状を問わない。
【0039】
【実施例】
実施例1〜2及び比較例1〜3
2以上の活性水素を有する化合物としてポリエステルポリオール〔花王(株)製、商品名:エディフォームE−601、水酸基価:86、分子量:1300〕85重量部及びポリエステルポリオール〔花王(株)製、商品名:エディフォームE−541、水酸基価:61、分子量:2500〕15重量部、鎖延長剤としてエチレングリコール12.8重量部、整泡剤としてシリコーン系整泡剤〔日本ユニカー(株)製、商品名:SZ−1642〕1.0重量部、発泡剤として水0.75重量部とともに、表1に示す触媒組成物をラボミキサーで混合し、ポリオール混合物を得た。
【0040】
なお、靴底等を製造する場合、その生産性が重要となることから、各実施例及び各比較例における触媒組成物の使用量は、一般に使用されている態様、即ちTEDA単独使用(比較例2)における反応性と同等となるように調整した。
【0041】
なお、TEDAは常温で固体であるので、TEDA:エチレングリコール(重量比)が約1:2となるようにTEDAをエチレングリコール(鎖延長剤として用いたエチレングリコールの一部)に溶解させて溶液として使用した。
【0042】
次に、有機ポリイソシアネート〔花王(株)製、商品名:エディフォームB−1009〕100重量部に対して、前記で得られたポリオール混合物80重量部の割合で、両者を成形機〔(株)ポリウレタンエンジニアリング製、商品名:MU−203S〕を用いて混合し、得られた混合物を以下に示す成形条件にて、下記の「ポリウレタンフォームの成形体の物性」に記載の各金型内に充填して成形し、ポリウレタンフォームを得た。そのときの反応性を以下に示す方法に従って調べた。また、得られたポリウレタンフォームの成形体の物性を以下の方法にしたがって調べた。それらの結果を表1に示す。
【0043】
〔反応性〕
前記で得られた混合物75gを323mL容(高さ100mm×直径62mm)のポリカップ内に充填し、フリー発泡させたときのクリームタイム、ゲルタイム及びライズタイムに到達する時間を計測した。
また、ポリカップの上端面よりも上部に膨れ上がった部分のポリウレタンフォームを刃物で切除し、ポリカップ内のポリウレタンフォームの重量をポリカップの容積(323mL)で除することにより、フリーフォーム密度を求めた。
【0044】
〔成形条件〕
混合温度:有機ポリイソシアネート及びポリオール混合物温度は、いずれも35〜45℃
金型温度:50〜55℃
脱型時間:6分間
【0045】
〔ポリウレタンフォームの成形体の物性〕
1.収縮性
内寸が縦200mm、横100mm、厚さ15mmの金型内に得られた混合物120gを注入し、成形密度0.40g/cm3 の成形体を作製した。常温下で2日間保存した後、得られた成形体の表面の収縮の有無を観察し、以下の判定基準に従って評価した。
【0046】
(判定基準)
◎:収縮なし(体積変化率が2%未満)
○:僅かな収縮あり(体積変化率が2%以上3%未満)
△:上面に収縮あり(体積変化率が3%以上5%未満)
×:上下面に収縮あり(体積変化率が5%以上)
【0047】
2.成形体内部の気泡欠陥
踵高さ35mmのサンダル金型内に、前記混合物の量を100〜133gの範囲内で変化させて注入し、密度0.34〜0.45g/cm3 の成形体を作製した。得られた成形体を切断し、気泡欠陥(ボイド)が発生しないときの最も低い密度(成形限界密度)を測定した。成形限界密度が小さいものほど、軽量化を図ることができることを示す。
【0048】
3.成形体表面の気泡欠陥
踵高さ100mmのサンダル金型内に、前記混合物188gを注入し、密度0.40g/cm3 の成形体を作製し、表面の気泡欠陥(ボイド)の有無を目視で観察し、以下の判定基準に従って評価した。
【0049】
(判定基準)
○:表面の気泡(気泡径約1mm以上)の欠陥なし
△:表面の気泡(気泡径約1mm以上)の欠陥が1個
×:表面の気泡(気泡径約1mm以上)の欠陥が2個以上
【0050】
4.フォーム充填性
図1に示される成形型1内に、有機ポリイソシアネート100重量部とポリオール混合物80重量部との混合物を表1に示す注入量で成形型1の深さが10mmの凹部2の中央部Aに注入して蓋をし、6分間経過後に蓋を取り除き、深さ1mmの凹部3に充填されているポリウレタンフォームの長さを測定した。なお、一定注入量に対して、この長さが長いほど充填性が良好であることを示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1に示された結果から、実施例1〜2で得られたポリウレタンフォームの成形体は、いずれも、ほとんど収縮が見られず、その内部及び外部にボイドがなく、成形性が良好であった。
【0053】
一方、比較例1で得られたポリウレタンフォームの表面には、気泡欠陥が生じていた。また、比較例2で得られたポリウレタンフォームの成形体には、収縮がみられ、成形体内部の気泡欠陥の限界密度も高く、フォームの充填性もよくなかった。また、比較例3においては、成形を試みたものの、金型から成形体を取り出す際に割れが生じ、成形体の物性を評価しうる成形体を得ることができなかった。
【0054】
【発明の効果】
本発明の触媒組成物を用いれば、発泡剤である水を増量させることなく、フォームの充填性を高め、低密度化を図ることができる。その結果、従来のように水を増量させたときに発生する収縮、フォーム内部の気泡欠陥(ボイド)等を発生させることなく、成形体を製造することができる。
【0055】
また、本発明の製造法によれば、複雑な形状や意匠を有する成形金型を用いて成形した場合であっても、未充填部分がなく、スキン状態が良好であり、収縮及び気泡欠損の発生がほとんどないポリウレタンフォームを製造することができる。したがって、本発明のポリウレタンフォームは、靴底及び該靴底を有する靴等に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例及び比較例で用いられた成形型の概略説明図である。
【符号の説明】
1 成形型
2 成形型の深さが10mmの凹部
3 成形型の深さが1mmの凹部
Claims (6)
- N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン及びトリエチレンジアミンを含有してなるポリウレタンフォーム製造用触媒組成物。
- N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン/トリエチレンジアミン(重量比)の値が0.8〜3.5である請求項1記載の触媒組成物。
- 請求項1又は2記載の触媒組成物の存在下で、2以上の活性水素を含む化合物と有機ポリイソシアネートとを反応させてなるポリウレタンフォーム。
- 請求項3記載のポリウレタンフォームを有する靴底。
- 請求項4記載の靴底を有する靴。
- 請求項1又は2記載の触媒組成物の存在下で、2以上の活性水素を含む化合物と有機ポリイソシアネートとを反応させるポリウレタンフォームの製造法。
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