JP2005023251A - ポリウレタン靴底製造用触媒 - Google Patents

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真 大久保
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)
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Abstract

【課題】表面性に優れたポリウレタン靴底、そのポリウレタン靴底を与える、生産性に優れたポリウレタン靴底の製造法及びポリウレタン靴底製造用触媒を提供すること。
【解決手段】第3級アミンと、シュウ酸及びマロン酸からなる群より選ばれた1種以上の飽和ジカルボン酸とを含有するポリウレタン靴底製造用触媒、前記触媒の存在下で、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させるポリウレタン靴底の製造法、反応前のポリオール成分の原料温度が30〜50℃である前記ポリウレタン靴底の製造法、並びに第3級アミンと、シュウ酸及びマロン酸からなる群より選ばれた1種以上の飽和ジカルボン酸とを含有するポリウレタン靴底。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタン靴底製造用触媒に関する。更に詳しくは、ポリウレタン靴底製造用触媒及び該触媒を用いるポリウレタン靴底の製造法、並びにポリウレタン靴底に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン靴底は、通常、ポリイソシアネート成分及び有機ポリオールと、触媒、架橋剤、必要に応じて界面活性剤、発泡剤、各種添加剤等とを混合させて得られたポリオール成分をモールド内に注入し、反応させることによって製造されている。
【0003】
ポリウレタン靴底は、ゴム靴底やエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)靴底と対比して、耐磨耗性に優れ、歩行時に足が疲れにくい等の利点を有するとともに、その製造プロセスが他の素材からなる靴底と対比して工程における負担が少ないことから、靴底に広く用いられている。
【0004】
ポリウレタン靴底を製造する際には、触媒として、有機錫化合物や第3級アミン化合物が用いられている。
【0005】
しかしながら、ポリウレタン靴底の製造プロセスにおいては、ポリウレタンの製造原料であるポリイソシアネート成分およびポリオール成分の混合液を密閉されたモールド内に充填したときに流動させながら樹脂化させるため、触媒量が多い場合には混合液の流動性に比して樹脂化速度が速くなり、ポリウレタン靴底の表面にエア欠け(複雑な内面形状に混合液が十分に充填しないために生じる表面欠陥、以下同じ)等が発生するため、成形された靴底が表面性に劣るという欠点がある。
【0006】
そこで、ポリウレタン触媒の量を減量させると、得られるポリウレタン靴底に発生するエア欠けが減少し、表面性が向上するものの、ポリウレタンの樹脂化が遅れるため、成形時間が長くなることから、靴底の生産性が低下するという欠点がある。
【0007】
表面性と生産性を両立させるためのポリウレタン反応触媒として、初期における活性が弱く、発泡反応の進行とともに触媒活性が増大する遅延性触媒が提案されている。遅延性触媒は、例えば、断熱材に用いられる硬質ポリウレタンフォームを製造する際などに用いられており、例えば、第3級アミンの一部をギ酸で保護した触媒や、第3級アミン及び特定の飽和ジカルボン酸からなるポリウレタン製造用触媒等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
しかしながら、ポリウレタン靴底の製造の際に、これらの触媒を用いた場合には、初期反応の遅延効果が殆ど無いため得られるポリウレタン靴底の表面性を向上させることはできず、表面性を向上させるためにその添加量を減じた場合には、初期反応が遅延し表面性は向上するが生産性が低下するという欠点がある。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−95831号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、表面性に優れたポリウレタン靴底、そのポリウレタン靴底を与える、生産性に優れたポリウレタン靴底の製造法及びポリウレタン靴底製造用触媒を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)第3級アミンと、シュウ酸及びマロン酸からなる群より選ばれた1種以上の飽和ジカルボン酸とを含有するポリウレタン靴底製造用触媒、
(2)前記触媒の存在下で、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させるポリウレタン靴底の製造法、
(3)反応前のポリオール成分の原料温度が30〜50℃である、前記(2)記載のポリウレタン靴底の製造法、並びに
(4)第3級アミンと、シュウ酸及びマロン酸からなる群より選ばれた1種以上の飽和ジカルボン酸とを含有するポリウレタン靴底
に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のポリウレタン製造用触媒は、第3級アミンと、シュウ酸及びマロン酸からなる群より選ばれた1種以上の飽和ジカルボン酸(以下、単に「飽和ジカルボン酸」という)とを含有する触媒が用いられている点に大きな特徴がある。
【0013】
本発明において、靴底の製造の際に生産性を高めるとともに、得られるポリウレタン靴底の表面性を向上させる理由は、定かではないが、以下のとおりであると考えられる。
【0014】
例えば、硬質のポリウレタンフォームを製造する場合には、ポリオール成分の粘度が低く、水以外の有機発泡剤(例えば、代替フロンやシクロペンタン等)等の低沸点化合物が使用されることから、一般に、ポリイソシアネート成分やポリオール成分の原料温度は、室温(20℃)以下となるように調節されている。
【0015】
一方、ポリウレタン靴底を製造する場合、ポリオール成分の粘度が高く、また一般に発泡剤として水が用いられるため、ポリオール成分やポリイソシアネート成分の原料温度は、一般に30〜50℃、ほとんどの場合には35〜45℃となるように調節されている。
【0016】
第3級アミンと飽和カルボン酸とが同時に存在する場合、これらは塩の形で存在すると考えられ、初期活性が弱いのは塩の形で解離していない状態であり、反応が進行するにつれ蓄熱し、塩が解離して第3級アミンを遊離する為、触媒活性を発揮すると考えられ、ギ酸やアジピン酸は室温以下では第3級アミンと塩として存在するが、30℃以上ではかなりの部分が解離しているので、初期反応の遅延効果が見られず、原料混合物の液流れ性が不十分であり、表面性に劣るのではないかと推察される。一方でシュウ酸やマロン酸はギ酸やアジピン酸と比較してかなりの部分が解離せず塩として存在するので、初期反応の遅延効果が見られ、原料混合物の液流れ性が十分であり、エア欠けを発生させず、優れた表面性が付与されるのではないかと考えられる。一方で靴底のウレタン化反応における到達温度域(内部温度としては80℃以上)では解離するため十分な触媒活性を発現し、得られるポリウレタン靴底は十分な初期強度を示すので、脱型性が良く、生産性に優れるものと考えられる。
【0017】
第3級アミンとしては、例えば、トリエチレンジアミン(別名1,4−ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン)、2−メチル−1,4− ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、 N−(ジメチルアミノエチル)モルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N−ジメチルピペラジン、N,N’,N’−トリメチルアミノエチルピペラジン、トリス(3− ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N’’,N’’− ペンタメチルシエチレントリアミン、ビス(2− ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0] ウンデセン−7、N,N’,N’’− トリス(3− ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s− トリアジン、5−ジメチルアミノ−3− メチル−1− ペンタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−(3− ジメチルアミノプロピル)−N−メチルアミノエタノール、N−(2− ジメチルアミノエチル)−N−メチルアミノエタノール、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2− メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾールが挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、1−メチルイミダゾール、1−イソブチル−2− メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール及びトリエチレンジアミンが好ましく、トリエチレンジアミンがより好ましい。
【0018】
第3級アミン1モルあたりの飽和ジカルボン酸の量は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との初期反応の遅延、ポリウレタン靴底の生産性、ポリウレタンの耐加水分解性、及び耐金属腐食性の観点から、好ましくは0.05〜0.95モル、より好ましくは0.1〜0.4モル、更に好ましくは0.15〜0.3モルである。
【0019】
本発明の触媒は、第3級アミン及び飽和ジカルボン酸を混合したものであるが、第3級アミン及び飽和ジカルボン酸の総量は、本発明の効果を発現する観点から、本発明の触媒中、80〜100重量%が好ましく、90〜100重量%がより好ましい。本発明の目的が阻害されない範囲内であれば、他の触媒として、有機錫化合物、有機鉛化合物等の有機金属触媒が含有されていてもよい。
【0020】
本発明のポリウレタン靴底は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させることによって得られる。ポリオール溶液は、ポリオール成分、本発明の触媒、必要により、鎖延長剤、発泡剤、整泡剤等を混合することによって調製することができる。
【0021】
ポリオール成分としては、例えば、岩田敬治編「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(昭和62年9月25日、日刊工業新聞社発行)に記載されている一般に使用されているポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0022】
触媒としては、本発明の触媒が用いられる。その触媒の量は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との初期反応を遅延させるとともに、ポリウレタン靴底の生産性を高める観点から、ポリオール成分100重量部に対して、好ましく0.2〜2重量部、より好ましくは0.3〜2重量部、更に好ましくは0.5〜1.6重量部である。
【0023】
なお、触媒は、その一部又は全部を、用いられる水や鎖延長剤に予備溶解させた後に、ポリオール成分に添加することが均一分散させやすくなる観点から好ましい。
【0024】
鎖延長剤としては、脂肪族鎖延長剤及び芳香族鎖延長剤が挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。
【0025】
好適な脂肪族鎖延長剤の例としては、エチレングリコール及び1,4−ブタンジオールが挙げられ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。脂肪族鎖延長剤の量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.3〜20重量部、より好ましくは2〜15重量部、更に好ましくは5〜12重量部である。
【0026】
芳香族鎖延長剤は、ポリウレタン靴底の表面性を更に向上させる性質を有するので、本発明において好適に使用しうるものである。
【0027】
好適な芳香族鎖延長剤の例としては、芳香族ジアミンが挙げられる。芳香族ジアミンの具体例としては、2,6−トルエンジアミン(2,6−TDA)やジエチルトルエンジアミン(DE−TDA)等の岩田敬治編「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(昭和62年9月25日、日刊工業新聞社発行)に記載されているものが挙げられる。芳香族鎖延長剤の量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜1.0重量部、更に好ましくは0.1〜0.5重量部である。
【0028】
なお、脂肪族鎖延長剤と芳香族鎖延長剤とを併用する場合、両者の割合は、重量比(脂肪族鎖延長剤/芳香族鎖延長剤)にて100/0〜100/20が好ましく、更に好ましくは100/1〜100/5である。脂肪族鎖延長剤と芳香族鎖延長剤との合計量は、目的とする硬度によるため一概ではないが、良好な履き心地を得る観点から、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは2〜20重量部、より好ましくは5〜15重量部、更に好ましくは7〜12重量部である。
【0029】
好適な発泡剤は、水である。本発明の目的が阻害されない範囲内であれば、水とともに、炭化水素、クロロフルオロカーボン、水素化フルオロカーボン等を用いてもよい。なお、地球のオゾン層破壊の問題を回避するとともに、40℃程度の原料温度において発泡剤の揮発を抑制する観点から、発泡剤として、水を単独で用いることが好ましい。なお原料温度とは発泡機の原料タンクにポリイソシアネート成分あるいはポリオール成分を投入後、それぞれを一定温度に保持させた際の読み取り温度を示す。
【0030】
発泡剤として、水のみを用いる場合、その水の量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.3〜2重量部、より好ましくは0.5〜1.8重量部である。
【0031】
好適な整泡剤としては、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリオキシアルキレンポリオール変性ジメチルポリシロキサン、アルキレングリコール変性ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。整泡剤の量は、ポリオール成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜3重量部である。
【0032】
ポリイソシアネート成分としては、例えば、ポリイソシアネートプレポリマー等が挙げられる。
【0033】
ポリイソシアネートプレポリマーは、ポリオール成分とポリイソシアネートモノマーとを、ポリイソシアネートモノマーの過剰の存在下で、常法により攪拌し、反応させることによって得られる。
【0034】
ポリイソシアネートモノマーの具体例としては、トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’− ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルジイソシアネート、3,3’− ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’− ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3 ’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のポリイソシアネートモノマー、それらの変性体、例えばカルボジイミド変性体等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中では、靴底として十分な強度や耐磨耗性を得る観点から、4,4’− ジフェニルメタンジイソシアネート、及び4,4’− ジフェニルメタンジイソシアネートとそのカルボジイミド変性体との併用が好ましい。
【0035】
ポリイソシアネートプレポリマーの中では、十分な強度を確保する観点から、4,4’− ジフェニルメタンジイソシアネート及び4,4’− ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変成体を用いて得られたポリイソシアネートプレポリマーが好ましい。
【0036】
なお、4,4’− ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変成体を用いて得られたポリイソシアネートプレポリマーには、4,4’− ジフェニルメタンジイソシアネートが混在していてもよい。
【0037】
ポリオール溶液とポリイソシアネート成分とを反応させる際には、両者の割合は、イソシアネートインデックスが好ましくは80〜120、より好ましくは95〜115、更に好ましくは101〜110となるように調整することが望ましい。
【0038】
本発明のポリウレタン靴底としては、ポリウレタンエラストマー及びポリウレタンフォームが挙げられる。
【0039】
靴底用ポリウレタンエラストマーの製造法としては、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを成形機により、混合、攪拌し、成形型内に注入し、反応させる方法等が挙げられる。より具体的には、例えば、ポリオール成分、触媒、及び必要に応じて添加剤を混合し、得られるポリオール溶液をタンク等を用いて、好ましくは原料温度を30〜50℃、より好ましくは35℃〜45℃の温度に調温し、ポリイソシアネート成分をタンク等を用いて、好ましくは原料温度を30〜50℃、より好ましくは35℃〜45℃の温度に調温した後、自動混合注入型成形機、自動混合型射出成形機等の成形機を用いてポリオール溶液とポリイソシアネート成分とを混合、攪拌し、成形型内に注入、反応させる方法等が挙げられる。成形機の代表例としては、PEC〔(株)ポリウレタンエンジニアリング製、商品名〕、DESMA(クロックネル・デズマ・シューマシンネン・ゲーエムベーハー社製、商品名)が挙げられる。
【0040】
靴底用ポリウレタンフォームの製造法としては、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを成形機により、混合、攪拌し、成形型内に注入し、反応、発泡させる方法等が挙げられる。より具体的には、例えば、ポリオール成分、触媒、発泡剤及び必要に応じて添加剤を混合し、得られるポリオール溶液をタンク等を用いて、好ましくは原料温度を30〜50℃、より好ましくは35℃〜45℃の温度に調温し、ポリイソシアネート成分をタンク等を用いて、好ましくは原料温度を30〜50℃、より好ましくは35℃〜45℃の温度に調温した後、自動混合注入型発泡機、自動混合型射出発泡機等の発泡機を用いてポリオール溶液とポリイソシアネート成分とを混合、攪拌し、成形型内に注入し、反応、発泡させる方法等が挙げられる。成形機の代表例としては、PEC〔(株)ポリウレタンエンジニアリング製、商品名〕、DESMA(クロックネル・デズマ・シューマシンネン・ゲーエムベーハー社製、商品名)が挙げられる。
【0041】
かくして、得られるポリウレタン靴底の成形体密度は、好ましくは0.1〜1.3g/cm、より好ましくは0.2〜0.6g/cm、特に好ましくは0.20〜0.40g/cmである。
【0042】
本発明のポリウレタン靴底の好適な用途としては、紳士靴、スポーツ靴等の靴底が挙げられる。一般に、靴底は、サンダル、紳士靴等に使用されるアウトソールと、スポーツ靴等に使用されるミッドソールと、靴内部に装着されるインナーソール(中敷)とに分類される靴底用部材からなる。本発明は、これらの靴底用部材に好適に使用しうるものであるが、これらの中でも、特にミッドソール及び靴内部に装着されるインナーソール(中敷)に使用するのが好ましい。
【0043】
【実施例】
実施例1及び比較例1〜4
ポリエステルポリオールとして、エディフォームE−601、エディフォームE−540〔以上、花王(株)製のポリエステルポリオールの商品名〕を表1に示す量で用いた。
【0044】
第3級アミン、各種有機カルボン酸及び脂肪族鎖延長剤(エチレングリコール)を表1に示す割合で、液温が60〜70℃となるように混合し、触媒と鎖延長剤との混合溶液を調製し、25℃の雰囲気中に放置し、発熱挙動がなくなったことを確認した後に用いた。
【0045】
予め60℃に加熱しておいたポリエステルポリオール100重量部に対して、触媒と脂肪族鎖延長剤との混合溶液、芳香族鎖延長剤、尿素、発泡剤、並びに添加剤として顔料〔日本ピグメント(株)製、商品名:NV−9−953〕及び整泡剤〔花王(株)製、商品名:エディフォームAS−11S〕を表1に示す割合で添加し、この得られた混合物をハンドミキサー〔日立工機(株)製、商品名:UM−15〕を用いて均一化し、ポリオール溶液を調製した。
【0046】
次に、ポアリング型の低圧発泡機〔(株)製ポリウレタンエンジニアリング製、型番MT3.22、ミキシングヘッドに長尺の長さが12.5cmのスクリューを取り付け、回転速度を4000rpmに設定〕の一方のタンク内に、前記で得られたポリオール溶液を入れ、その液温を40℃に、背圧を0.10MPaに調節し、他方のタンク内にポリイソシアネート成分〔花王(株)製、商品名:エディフォームB−3525〕を入れ、同様に液温を40℃、加圧窒素により背圧を0.10MPaに調節した。
【0047】
前記発泡機を用いてポリオール溶液とポリイソシアネート成分とを混合攪拌し、得られた混合物をシート状又は所定の靴底用成形型内に吐出し、以下に記載のポリウレタン成形体を得た。
【0048】
単位時間(秒)あたりのポリオール溶液とポリイソシアネート成分との混合物の吐出量が40.0gとなるように、それぞれのギアポンプの回転数を調整した。
【0049】
なお、フォーム物性及び成形体密度の測定には、試験用シート金型(100mm×300mm×10mmの物性測定用金型、材質:鉄)を用いた。その金型の内面に離型剤〔SAMBUファインケミカル(株)製、商品名:グリーン7000〕を噴霧し、エアガンで過剰の離型剤を除去した後、金型温度を60℃±1℃に調整し、所定の配合割合の原料混合物(ポリオール溶液及びポリイソシアネート成分)を、ミキシングヘッドの吐出口から試験用金型の吐出点までの距離が10cmとなるよう調整して吐出した。試験用金型の長尺方向(300mm方向)に水平面に対して35度の傾斜をつけ、長尺方向の高いほうの端から1cm、かつ、短尺方向に対しては中心の位置を吐出点とした。尚、金型の蓋閉めは、バリの滲出が0.2g以下となるように事前にクランプの閉めつけ強さを調整した。
【0050】
吐出が完了した時点でクランプを用いて蓋閉めした。吐出開始から3.5分間経過後にクランプを解除し、シート状の成形品を脱型した。
【0051】
表面性〔エア欠け〕の測定には、試験用靴底金型(側面意匠として深さ約3mmの波状の意匠を有し、長さ300mm、最大幅100mm、最小幅60mm、踵部の高さ40mmのミッドソールに対応した内面形状を有する成形用金型、材質:鉄)を用いた。金型内面に離型剤〔SAMBUファインケミカル(株)製、商品名:グリーン7000〕を噴霧し、エアガンで過剰の離型剤を除去した後、金型温度を60℃±1℃に調整し、所定の配合割合の原料混合物を、ミキシングヘッドの吐出口から試験用金型の吐出点までの距離が10cmとなるよう調整して吐出した。試験用金型の長尺方向に水平面に対して40度の傾斜をつけ、長尺方向の高いほうの端から1cm、かつ、短尺方向に対しては中心の位置を吐出点とした。吐出が完了した時点でクランプを用いて蓋閉めした。3.5分後クランプを解除し靴底成形品を脱型した。尚、金型の蓋閉めは、バリの滲出が0.5g以下となるように事前にクランプの閉めつけ強さを調整した。
【0052】
なお、下記の物性及び表面性の測定において、特に指定がない場合、その試験雰囲気の温度は25℃である。
【0053】
得られたポリウレタンフォームのフォーム物性及び表面性を以下の方法に従って調べた。その結果を表1に示す。
【0054】
〔フリーフォーム密度〕
高さ10.7cm、容量323cmのポリプロピレン製の円筒状カップ〔太佑機材(株)製〕に取ったウレタンフォームの上に凸な部分を切り離した残りの部分の重量を測定し、円筒状カップの体積323cmの体積で除した値を、フリーフォーム密度とした。
【0055】
〔初期反応性〕
(1) クリームタイム
ポアリング型の低圧発泡機の射出ボタンを押すと同時にストップウォッチをスタートさせる。円筒カップに吐出された原料混合物をカップの側面から凝視し、液面が上昇し始めたときの時間を示す。
【0056】
(2) ライズタイム
クリームタイムを計測した後に継続して発泡挙動を観察する。円筒状カップの吐出された混合物が発泡反応に伴って体積膨張し、やがて体積膨張が止まる。ストップウォッチをスタートさせた時点からその体積膨張が止まるまでの時間を示す。
【0057】
(3) 初期強度
JIS K−6301第3項の方法に従い、シート成形品を吐出から3.5分経過の後脱型し、その後、試験片としてダンベル状2号形(厚さ:10mm)で速やかに打ちぬき、脱型から1.5分経過後に(株)島津製作所製、Tensile Testing Machine(型番:AGS−500G 、引っ張り速度100mm/分) を用いて引張強度試験を行った。初期強度が高いほど早期に成形品を脱型することが可能となり、初期強度が0.4MPa以上の値であれば、一般的な靴底の生産が可能であると判断される。
【0058】
(4) 液流れ性
試験用シート金型の長尺方向を水平面に対して4度の傾斜をつけ、所定の配合割合の原料混合物40gを、ミキシングヘッドの吐出口から試験用金型の吐出点までの距離が10cmとなるよう調整して吐出した。長尺方向の高いほうの端から1cm、かつ、短尺方向に対しては中心の位置を吐出点とした。金型の蓋閉めはせず、原料混合物が、流動しながら固まり、完全に固まった時点で、得られた成形体を金型から取り出し、長尺方向に最も長い距離を読み取った。これを5回繰り返してその平均値を求めた。液流れ性が優れるほど表面性に優れることを示す。
【0059】
〔成形密度〕
成形されたシート状の成形品の重量をその体積(300cm)で除して求める。
【0060】
〔最終物性〕
(1) 硬度
Asker C硬度計を用いて測定する。
(2) 引張強度
JIS K−6301第3項の方法に従い、(株)島津製作所製、Tensile Testing Machine(型番:AGS−500G 、引っ張り速度100mm/分) 、試験片としてダンベル状2号形(厚さ:10mm)を用いて引張強度試験を行う。
【0061】
〔表面性(エア欠け)〕
サンプル10個を作製し、各サンプルの側面意匠にエア欠けが発生しているサンプルの数をカウントし、以下の判定基準に基づいて評価する。
なお、エア欠けが少ないほど表面性が優れることを示す。
(評価基準)
○:エア欠けが発生したサンプルの数が2個以下(良品)
×:エア欠けが発生したサンプルの数が5以上(不良品)
【0062】
〔脱型性〕
シート状の成形品を吐出時から3.5分間経過後にで脱型する。取り出した直後に長尺方向の両端をつまみ合わせる。最も撓む部分(長尺方向の中心部分)に亀裂が発生するか否かを観察し、以下の評価基準に基づいて評価する。
なお、脱型性が良好であることは、生産性に優れていることを示す。
(判定基準)
○:亀裂の発生なし
×:亀裂発生あり
【0063】
【表1】
Figure 2005023251
【0064】
表1に示された結果より、実施例1では、クリームタイムが長く、得られた成形体は、初期強度が大きいことがわかる。このことから、実施例1によれば、クリームタイムが長いことは、原料混合物に良好な液流れ性を与えるので、ポリウレタン靴底にエア欠けを発生させず、優れた表面性が付与されるとともに、十分な初期強度を示すので、脱型性にも優れることがわかる。
【0065】
一方、比較例1では、本発明における飽和カルボン酸が用いられていないため、実施例1と同様の初期強度を有するように触媒の量を調整したときには脱型性が良好となる反面、原料混合物の流動性が悪く、表面性に劣ることがわかる。
【0066】
比較例2では、本発明における飽和カルボン酸が用いられていないため、実施例1と同様のクリームタイムを有するように触媒の量を調整したときには表面性が良好となる反面、初期強度が測定不可能な程度に劣り、金型から脱型させることができないことがわかる。
【0067】
また、比較例3〜4では、脂肪族カルボン酸として、ギ酸やアジピン酸が用いられているにもかかわらず、靴底の製造法における製造条件に際しては、クリームタイムが短いことから分かるように、初期反応の遅延効果が見られず、原料混合物の流動性が不十分であり、表面性に劣ることがわかる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の触媒によれば、ポリウレタン靴底に、優れた表面性を与えるという効果が奏される。本発明のポリウレタン靴底の製造法によれば、生産性よく、表面性に優れたポリウレタン靴底を製造することができる。

Claims (4)

  1. 第3級アミンと、シュウ酸及びマロン酸からなる群より選ばれた1種以上の飽和ジカルボン酸とを含有するポリウレタン靴底製造用触媒。
  2. 請求項1記載の触媒の存在下で、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させるポリウレタン靴底の製造法。
  3. 反応前のポリオール成分の原料温度が30〜50℃である、請求項2記載のポリウレタン靴底の製造法。
  4. 第3級アミンと、シュウ酸及びマロン酸からなる群より選ばれた1種以上の飽和ジカルボン酸とを含有するポリウレタン靴底。
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