JP3924379B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、複数のシンボル列をそれぞれ複数のシンボル表示位置に対して移動させて表示した後、各シンボル列に対し、それぞれ抽選により決定されたシンボルが前記複数のシンボル表示位置のいずれかに引き込まれるタイミングで前記移動表示を停止させる制御を、遊技者の停止操作から所定の制限駒数以内でリールを移動させること、および前記抽選により決定された以外のシンボルによる入賞を成立させないことを条件に実行するスロットマシンに属し、特にこの発明は、シンボル列毎のシンボル表示位置を結ぶ複数の入賞ラインのいずれかに特定のシンボル組合せが成立したとき、入賞確率が高められた大当たりゲームを所定回数の特別入賞が成立するまで実施することが可能に設定されたスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の典型的なスロットマシンは、前面の正面パネルに、矩形状をなす3個のシンボル表示窓が横一列に並列して設けられ、機体内部の各シンボル表示窓の背後位置に、それぞれ外周面に複数種のシンボルが表されたリールが配置されて成る。遊技者によるゲーム開始操作があると、各リールは一斉に回転し、それぞれのシンボル表示窓内に、リール外周面上のシンボル列が移動している状態で表示される。
【0003】
前記シンボル表示窓の形成位置には、各リールにかかるように、上、中、下、の3本の水平ライン、および右下がり、左下がりの2本の斜めラインが描かれている。前記したシンボル列の移動表示が行われている状態下で、遊技者により各リールの停止操作が順次行われると、対応するリールが停止し、すべてのリールが停止すると、各停止ライン上には、それぞれリール毎の3個のシンボルが整列した状態で表示される。このとき有効化された停止ライン上に特定のシンボルの組合せが成立していると入賞となり、遊技者に、所定枚数のメダルの払出しなどの特典が与えられる。
【0004】
この種のスロットマシンでは、遊技者によるゲーム開始操作に応じて、機体内部で抽選により入賞を成立させるかどうかを決定するようにしており、この抽選が「大当たり」となると、各リールの停止時に「7」「7」「7」のようなシンボル組合せが成立し、「ビッグボーナス」と称される、多数枚のメダルを獲得可能な大当たりゲームが開始される。このビッグボーナス時には、一般の入賞シンボルによる当たり(以下「小物当たり」という)が頻繁に生じるほか、「レギュラーボーナス」と称される特別入賞が高い確率で成立するように設定される。例えば、小物当たりの成立時には15枚のメダルが、レギュラーボーナスの成立時には120枚のメダルが、それぞれ払い出しされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のビッグボーナスゲームは、最大30回、実施することが可能であるが、レギュラーボーナスが3回成立した時点で終了となり、機体は通常のゲームモードへと復帰する。したがって遊技者がより大きな利益を得るには、レギュラーボーナスの成立を出来るだけ遅れさせて、よりたくさんの小物当たりを成立させればよい、ということになる。
【0006】
ところで近年のスロットマシンでは、遊技者による停止操作の都度、対応するリールに対し、抽選により決定されたシンボルを有効ライン上に引き込んで停止させる「引込み制御」を実施するようにしている。ただしこの引込み制御は、法規制により、通常4駒以内で実施するように定められているため、たとえレギュラーボーナスを成立させることが決定していても、停止操作された時点から4駒以内に、特別入賞用の図柄シンボル(以下、一般的な呼称にならって「リプレイ図柄」という)が存在しなければ、レギュラーボーナスの成立は不可能となる。
【0007】
そこで熟練した遊技者の間では、レギュラーボーナスの成立を阻止する遊技方法として、2個のリールが停止した時点でいずれかの有効ライン上に特別入賞シンボルが整列して、いわゆる「テンパイ」と称される状態が成立したとき、最終のリールに対し、テンパイが成立したライン上にリプレイ図柄を引き込めない位置を狙って停止操作を行うという技法が、広く行われている(以下、この技法を、一般的な呼称にならって「リプレイ外し」という)。
【0008】
図18は、リプレイ外しを実施した遊技者と、実施していない遊技者とでのビッグボーナスゲームの展開例を、メダル獲得枚数とともに示す。図中、上段の数値は、ビッグボーナスゲームの実施回数であって、中段の●印はレギュラーボーナスの成立を、■印は小物当たりの成立を、×印は「入賞はずれ」を示す。さらに下段の数値は各ゲームにおけるメダル獲得枚数であって、入賞はずれの場合にはメダル投入枚数(一律に3枚とする)分の損益が発生したものとして処理してある。
【0009】
図18(1)の例の遊技者は、リプレイ外しを実施した結果、20回のビッグボーナスゲームを実施しており、この結果、3回のレギュラーボーナスと11回の小物当たりとを出現させて、計507枚のメダルを獲得している。これに対し、図18(2)のリプレイ外しを行っていない遊技者の場合、3回のレギュラーボーナス、および1回の入賞はずれ、というゲーム展開になり、メダル獲得枚数は357枚に留まっている。
【0010】
このようにリプレイ外しを実施する熟練者とリプレイ外しを実施できない不慣れな遊技者との間には、ボーナスゲーム時に獲得できるメダル数に多大な差が生じ、平等性に欠けるという問題が発生する。
【0011】
この問題を解決するには、各リールとも、いずれの位置で停止操作がなされても必ずリプレイ図柄を引き込めるようなシンボル配列を設定すればよい。しかしながら現状ではリプレイ外しによりスロットマシンのゲーム性が高められており、また全くリプレイ外しができないとなると、遊技者側より不満が生じるおそれがあるため、リプレイ外しを完全に阻止するのは困難である。
【0012】
この発明は上記問題に着目してなされたもので、入賞確率の高いゲームモードが設定されている場合に、特別入賞用のシンボルの引込み対象の位置に応じて、そのシンボルの引込みを回避する操作の難易度を変動させることによって、リプレイ外しの実施を制限し、遊技者の技能によりメダルなどの遊技媒体の獲得枚数に大きな差が生じるのを防止することを技術課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、複数のシンボル列をそれぞれ複数のシンボル表示位置に対して移動させて表示した後、各シンボル列に対し、それぞれ抽選により決定されたシンボルが前記複数のシンボル表示位置のいずれかに引き込まれるタイミングで前記移動表示を停止させる制御を、遊技者の停止操作から所定の制限駒数以内でシンボル列を移動させること、および前記抽選により決定された以外のシンボルによる入賞を成立させないことを条件に実行するとともに、シンボル列毎のシンボル表示位置を結ぶ複数の入賞ラインのいずれかに特定のシンボル組合せが成立したとき、入賞確率が高められた大当たりゲームを所定回数の特別入賞が成立するまで実施することが可能なスロットマシンにおいて、各シンボル列に、それぞれ複数の前記特別入賞用のシンボルを前記制限駒数以内の数のその他のシンボルを挟んで配置する。また、少なくとも1つのシンボル列には、前記特別入賞用のシンボルと単独入賞用のシンボルとを同時に停止表示可能な間隔をもって配置した箇所が少なくとも1箇所設けられるとともに、任意のタイミングで行われた停止操作に対し、前記単独入賞用のシンボルを同時に停止表示させることなく、前記特別入賞用のシンボルを引き込み対象のシンボル表示位置に引き込むことのできる確率が、引き込み対象となるシンボル表示位置によって変動するようなシンボル配列を設定する。さらに、前記大当たりゲームにおいて前記特別入賞を成立させることが決定しているときには、あらかじめ選択されたシンボル表示位置を前記特別入賞用のシンボルの引込み対象位置に設定する。
【0014】
請求項2の発明では、前記大当たりゲームで成立し得る複数回の特別入賞毎に前記特別入賞用のシンボルの引き込み対象のシンボル表示位置を個別に定めた態様を複数とおり記憶する記憶手段が設けられ、大当たりゲームの開始時に前記記憶手段中のいずれかの態様を抽選により選択することにより、前記特別入賞用のシンボルの引込み対象のシンボル表示位置を選択する。
【0015】
【作用】
大当たりゲームで前記特別入賞用のシンボルが引込み対象となると、シンボル列毎に、あらかじめ選択されたシンボル表示位置が特別入賞用のシンボルの引込み対象位置として設定されて、このシンボルを引き込むための制御が行われる。ここで選択されたシンボル表示位置にかかる入賞ラインに特別入賞用のシンボルによるテンパイが成立していても、そのテンパイの成立ラインに対応するシンボル表示位置に特別入賞用のシンボルが引き込まれるタイミングで最後のシンボル列を停止させることによって、その他のシンボル表示位置に単独入賞用のシンボルが引き込まれる場合には、引込みの駒数を変更して入賞はずれにする必要がある。
【0016】
この発明では、いずれのシンボル列にも、特別入賞用のシンボルが制限駒数内に引き込み可能に配置されるが、これらのうち少なくとも1つのシンボル列においては、任意のタイミングで行われた停止操作に対し、単独入賞用のシンボルを同時に停止表示させることなく、特別入賞用のシンボルを引き込み対象のシンボル表示位置に引き込むことのできる確率が、特別入賞用のシンボルの引込み対象となるシンボル表示位置毎に変動する。また、大当たりゲームで特別入賞用のシンボルを引き込むときには、あらかじめ選択されたシンボル表示位置が特別入賞用のシンボルの引込み対象位置に設定されるので、いずれのシンボル表示位置が選択されたかによって、特別入賞の成立を回避するための操作の難易度を変動させることができる。
すなわち、特別入賞用のシンボルの引込みにより単独入賞用のシンボルが引き込まれる確率が比較的高いシンボル表示位置が引込み対象となる場合には、前記シンボルの引込みを容易に回避することができ、より長い時間、大当たりゲームを持続して多数の遊技媒体を獲得することができる。反対に、前記確率が比較的低いシンボル表示位置が引込み対象となる場合には、前記シンボルの引込みの回避は困難となるので、熟練者の遊技媒体の獲得枚数を抑えることができる。
【0017】
【実施例】
図1は、この発明が適用されたスロットマシンの外観を、図2は機体内部の構成を、それぞれ示す。
このスロットマシンの機体1は、ボックス形状の本体部2の前面開口に扉部3を開閉可能に取り付けて成る。前記本体部2の中空内部には、上段位置にリールブロック4や、制御回路などが配置された回路基板5などが組み込まれ、下段位置には多数枚のメダルを収容するホッパー6aを有するメダル放出機6などが組み込まれている。
【0018】
前記リールブロック4は、金属フレーム7に3個のリール8a,8b,8cが一体に組み付けられて成る。各リール8a,8b,8cの外周面には、後記する図5に示すように、ボーナスゲームにかかる特定図柄となる「7」のシンボルのほか、「プラム」,「チェリー」,「すいか」,「ベル」,「BAR」の各図柄シンボルが、所定の順序で21駒分配備されている。
さらにこのリールブロック4には、各リール8a,8b,8cを個別に回転駆動するステッピングモータ9a,9b,9cが組み付けられている。
【0019】
各リール8a,8b,8cには、図3に示すように、後記する基準信号を発生するための基準信号発生装置23が設けられる。図示例の基準信号発生装置23は、各リール8a,8b,8cの外周枠と中心のボス部との間を連結する軸部40に一体形成された突起21と、この突起21の通過位置に配設された光電センサ22とで構成される。前記光電センサ22からは、リールの回転により突起21が光電センサ22の光路を遮る毎に基準信号が発生し、後記するCPU27の計数部34へ与えられる。
【0020】
前記扉部3の本体は、所定の厚みをもたせた金属フレームにより構成され、その前面開口に3枚のパネル11,12,13が、後面に各種表示器や操作スイッチにかかる配線基板(図示せず)などが組み付けられている。
【0021】
各パネル11,12,13は、透明な合成樹脂板または強化ガラスの表面にシルクスクリーン印刷を施して形成されるもので、中央の正面パネル11の各リールへの対応位置には、それぞれ無着色で透明のシンボル表示窓20a,20b,20cが形成される。また上部パネル12および下部パネル13には機種名やゲーム情報などが描画される。
【0022】
正面パネル11と下部パネル13との間のフレーム部分には、始動レバー14,停止釦スイッチ15a,15b,15c,ベット釦スイッチ24a,24b,24c,メダル投入口16などが配備され、下部パネル13の下方には、メダル払出口17,メダル受け皿18などが設けられる。
【0023】
各シンボル表示窓20a,20b,20cは、それぞれ各リール8a,8b,8cの停止時に、3個のシンボルを表示可能な大きさに形成されており、正面パネル11の各シンボル表示窓20a,20b,20cの形成位置には、図4に示すように、各窓毎の上,中,下段のシンボル表示位置にかかるように、水平および斜めの合計5本の停止ラインL1〜L5が表されている。
また正面パネル11の内側には、蛍光灯より成る照明装置19が配設されている。電源投入後、照明装置19は常時点灯し、各リール8a,8b,8cの外周面に斜め上方より照明が施される。
【0024】
なおこの実施例では、機械式のリール8a,8b,8cによりシンボル列を移動させて表示するようにしているが、これらリール8a,8b,8cに代えて、ベルトやディスクのような回転体を用いてシンボル列を移動表示するようにしてもよい。また液晶表示板やCRTディスプレイの表示画面上に、シンボルを画像で表示してスクロールすることにより、シンボルを変動表示するようにしてもよい。
【0025】
この実施例のスロットマシンは、機体内に多数枚のメダルを貯留しておき、その貯留メダルの消費によりゲームを実施するという、いわゆるクレジット型のゲームを実施可能であり、メダル投入口16からのメダル投入、またはベット釦スイッチ24a〜24cの押操作による貯留メダルの消費により、ゲーム開始可能な状態が設定される。
【0026】
なお各ベッド釦スイッチのうち、正面パネル11の下方の傾斜面上に設けられたスイッチ24aは、最大投入枚数である3枚の貯留メダルを消費するためのもの、フレームの垂直面上に配置されたスイッチ24b,24cは、それぞれ2枚、1枚の貯留メダルを消費するためのものである。またメダルの投入枚数が1枚であれば、中央の停止ラインL1のみが、2枚であれば、上、中、下の3本の停止ラインL1〜L3が、3枚であれば、すべての停止ラインL1〜L5が、それぞれ有効化される。
【0027】
上記構成のスロットマシンにおいて、遊技者によるメダル投入操作(前記したメダル投入、またはベット釦スイッチ24a〜24cの操作のいずれかを意味する)で所定数の停止ラインが有効化され、ついで始動レバー14の操作により全てのリール8a,8b,8cが一斉に始動すると、後記する制御回路部25内で抽選処理が行われ、有効ライン上に入賞のシンボルの組合せを整列表示させるかどうかが決定される。
【0028】
前記抽選は、具体的には、前記した各種シンボル毎に、そのシンボルを有効ライン上に整列させるかどうかを決定するもので、いずれかのシンボルによる「当たり」を成立させることが決定すると、その後、制御回路部25は、停止釦スイッチ15a,15b,15cが操作される都度、対応するリール8a,8b,8cに対し、有効ライン上に決定されたシンボルを停止させる引込み制御を実施し、入賞を成立させる。
【0029】
ただし、停止操作時点で引込み制御の制限駒数である4駒以内に目的とするシンボルが位置しない場合は、この限りではない。また各シンボルのうち「チェリー」のシンボルについては、左側のシンボル表示窓20aの有効ライン上に停止しただけで、小口の入賞として取り扱われる(以下この「チェリー」のシンボル1個による入賞を「単独入賞」という)。
またいずれのシンボルによる入賞を成立させる場合にも、同時に他のシンボルによる入賞が成立することがないように、各リール8a,8b,8cの停止動作が制御される。
【0030】
上記の引込み制御により、すべてのリール8a,8b,8cが停止したとき、有効ライン上に同種の入賞シンボルが整列表示されたとき、所定枚数のメダルが払い出される。このメダルの払出し枚数は、各入賞シンボルに応じて個別に設定されており、このうち「プラム」のシンボル組合せが成立すると、レギュラーボーナスとなって、多量のメダルの払出しが行われる。
さらに数字の「7」「7」「7」のシンボルが整列表示されたときには大当たりとなり、レギュラーボーナスや小物当たりが高確率で発生するビッグボーナスが開始される。このビッグボーナスは、プラムのシンボルの整列によるレギュラーボーナスが3回成立するまで、もしくは最大30回のゲームが終了するまで実施される。
【0031】
「7」のシンボル組み合わせの出現により、ビッグボーナスが開始されると、熟練者は、前記したように、3回のレギュラーボーナスが早期に実施されてビッグボーナスが完了してしまうことがないように、リプレイ図柄となる「プラム」のシンボル組合せの成立を阻止する「リプレイ外し」を行う傾向がある。
【0032】
ところで前記したように、2種類の入賞を同時に成立させることは禁止されているので、たとえ目的とするシンボル表示位置にリプレイ図柄を引き込むことが可能であっても、他の入賞が同時に成立する場合には、引込み駒数を変更して入賞はずれにする必要がある。特にリール8a上の「チェリー」のシンボルは、単独で入賞を成立させるので、レギュラーボーナスを成立させる場合に、「プラム」のシンボルと「チェリー」のシンボルとが同時に表示されるような位置で、リール8aを停止させることはできないのである。
この実施例のスロットマシンは、以下に述べるようなシンボル配列とリール停止制御とにより、遊技者によるリプレイ外しの実施を制限し、もって遊技者間のメダルの獲得枚数に大きな差が生じないようにしている。
【0033】
図5は、前記リール8a,8b,8cのシンボル配列例を示す。
図中、左欄のDiは、各シンボルの配列順序を示すカウンタであって、制御回路部25には、前記引込み制御や入賞判別処理のために、各シンボルとカウンタ値とを1対1に対応づけたシンボル配列テーブルがセットされている。なおこの実施例では、リールの回転位置は、中央のシンボル表示位置、すなわち停止ラインL1の位置を基準として判断されており、以後、リールの回転位置や停止操作位置は、この基準位置に位置するシンボルのカウンタ値Diにより表すものとする。
【0034】
この図示例では、左側のリール8aを最終に停止させるときのみリプレイ外しが可能であって、中央,右の各リールについては、どの回転位置で停止操作が行われても、必ず目的とするライン上に「プラム」のシンボルを引き込むことが可能なように、リール毎のシンボル配列がなされている。
【0035】
さらにこの図示例では、左側のリール8aについて、前記リプレイ図柄の引込みを、上,中,下の各シンボル表示位置のどの位置に設定するかにより、そのシンボル表示位置でリプレイ図柄の引込みをはずすことが可能な停止操作位置の数が変動するようなシンボル配列を設定してある。この場合のリプレイ外しは、前記した単独入賞を構成する「チェリー」のシンボルの存在により可能となる。
【0036】
すなわち各リプレイ図柄は、見かけ上、中央,右の各リールと変わらない間隔をもって配列されているが、前記した禁止事項に着目して、リール8aを、所定のシンボル表示位置にリプレイ図柄となる「プラム」のシンボルを引き込んで停止させた際に、他のシンボル表示位置に「チェリー」のシンボルが引き込まれてしまうようなシンボル配列がなされている。
【0037】
図中、リール8aにおける各回転位置のうち、図中、網点を付したカウンタ「7」の位置は、上段のシンボル表示位置にリプレイ図柄を引き込むように設定されている場合に、このリプレイ図柄(この場合、カウンタ(10)の位置にある「プラム」のシンボルが対象となる)を引込みできない停止操作位置、言い換えればリプレイ外しが可能な停止操作位置である。また斜線を付したカウンタ(15)〜(18)の各位置は、下段のシンボル表示位置にリプレイ図柄を引き込むように設定されている場合に、目的とするシンボル(この場合カウンタ(17)の位置にある「プラム」のシンボルが対象となる)にかかるリプレイ外しが可能となる停止操作位置である。
【0038】
以下、図6〜図10を用いて、上記した各停止操作位置におけるリプレイ外しの原理を説明する。なおここでは、いずれの例も、5本の停止ラインL1〜L5がすべて有効化され、かつ中央、右の各リール8b,8cは既に停止して、所定の有効ライン上に「プラム」のシンボルが、実線で示すライン上に停止しているものとする。またリール8aについては、各シンボルの左横に、それぞれシンボルに対応するカウンタDiの値を括弧付き数字により示すとともに、リール表示窓20aの前後に配置されるシンボルを、数駒分表してある。
【0039】
図6は、シンボル表示窓20aの上段のシンボル表示位置にかかるリプレイ外しの例であって、リール8b,8cの停止により、ラインL2またはL5のいずれかにリプレイ図柄となる「プラム」のシンボルが整列して、テンパイの状態が成立している。
【0040】
図6(1)は、リール8aが、前記したカウンタ(7)のシンボルが基準位置に到達した段階で停止操作された状態を示す。この場合、上段のシンボル表示位置よりも2駒あとのカウンタ(10)の位置にある「プラム」のシンボルを引込み対象として、リール8aを2駒分引き込んで停止させると、図6(2)に示すように、テンパイ成立ライン(停止ラインL2またはL5)上にリプレイ図柄となる「プラム」のシンボルを整列させることができる。しかしながらこのとき、シンボル表示窓20aの下段のシンボル表示位置に、カウンタ(8)の位置にある「チェリー」のシンボルを引き込んでしまうので、この引込み制御は採用できないことになる。
【0041】
よってこの場合は、図6(3)に示すように、リール8aを3駒以上引き込んで、「チェリー」のシンボルを窓外に逃がす必要があり、これによりリプレイ図柄の組合せは前記テンパイ成立ラインから駒ずれさせて停止することになる。
【0042】
一方、リール8aの停止操作が前記図6(1)よりも1駒前のカウンタ(6)の位置で行われた場合は、ちょうどカウンタ(7)の位置にある「プラム」のシンボルが上段のシンボル表示位置に表示されているから、リール8aを、停止操作に応じたタイミングで停止させることにより、前記テンパイ成立ラインにリプレイ図柄を揃えることが可能となる。またリール8aの停止操作が図6(1)よりも1駒あとのカウンタ(8)の位置で行われた場合は、リール8aを4駒分引き込むことにより、カウンタ(13)の位置にある「プラム」のシンボルを上段のシンボル表示位置に引き込むことができるので、同様にリプレイ図柄を整列配置することが可能となる。
【0043】
このほか前記図5に示したシンボル配列によれば、図6(1)に示す位置以外のどの回転位置で停止操作が行われても、4駒以内の引込みにより、上段のシンボル表示位置に「プラム」のシンボルを引き込むことが可能となる。よって、上段のシンボル停止操作位置がリプレイ図柄の引込み位置となる場合、リプレイ外しを行うことが可能な停止操作位置は、前記したカウンタ(7)の位置、一箇所のみということになる。
【0044】
図7〜10は、いずれもリール8b,8cの停止により、停止ラインL3またはL4のいずれかにリプレイ図柄によるテンパイが成立し、シンボル表示窓20aの下段のシンボル表示位置がリプレイ図柄の引込み位置となる例を示す。
まず図7(1)は、リール8aが、カウンタ(18)のシンボルが基準位置に到達した段階で停止操作された状態を示す。この場合、ちょうどカウンタ(17)の位置にある「プラム」のシンボルが下段のシンボル表示位置に表示されているが、カウンタ(19)の位置にある「チェリー」のシンボルが上段のシンボル表示位置に同時に表示されるため、この位置でリール8aを停止させるのは、不可能となる。
【0045】
また図7(1)の停止操作位置からつぎのカウンタ(1)の位置に配置された「プラム」のシンボルを引き込むには、5駒分の引込みが必要であるから、「プラム」のシンボルの引込みは不可能となる。したがってこの場合は、図7(2)に示すように、リール8aを4駒分(または3駒分)移動させて停止させることにより、カウンタ(19)の「チェリー」のシンボルを窓外に逃がす必要があり、リプレイ図柄の組合せは前記テンパイ成立ラインから駒ずれして停止することになる。
【0046】
つぎに図8(1)は、リール8aが、カウンタ(17)の「プラム」のシンボルが基準位置に到達した段階で停止操作された状態を示す。この場合、リール8aを1駒だけ移動させて、前記カウンタ(17)のシンボルを下段のシンボル表示位置に停止させると、前記図7(1)と同様の状態になってしまう(図8(2))。この場合は、図8(3)に示すように、カウンタ(19)の「チェリー」のシンボルを窓外に逃すために、リール8aを4駒分移動させる必要があり、この引込み制御によりカウンタ(1)の位置にある「プラム」のシンボルが、上段のシンボル表示位置に停止して、前記テンパイ成立ライン上にリプレイ図柄を揃えることは、不可能となる。
【0047】
図9(1)は、カウンタ(16)のシンボルが基準位置に到達した段階で停止操作された状態を示す。この場合も、上記図7,8の例と同様、2駒分の引込みによりカウンタ(17)の「プラム」のシンボルを引き込むことは不可能である(図9(2))。また3〜4駒分の引込みを行うと、カウンタ(19)の「チェリー」のシンボルが中段または下段のシンボル表示位置に引き込まれてしまうため、リール8aの引込み駒数は0〜1駒に限定される。
図9(3)は、リール8aを1駒だけ移動させて停止させた状態を示すもので、カウンタ(17)の「プラム」のシンボルは中段のシンボル表示位置に停止することになって、リプレイ図柄の組合せは駒ずれする。
【0048】
図10(1)は、カウンタ(15)のシンボルが基準位置に到達した段階で停止操作された状態を示す。この場合も、前記図9と同様、カウンタ(19)の位置にある「チェリー」のシンボルが引き込まれるのを回避するために、引込み駒数を限定する必要があり、その結果、図10(2)(3)に示すように、カウンタ(17)の「プラム」のシンボルを、下段のシンボル表示位置に引き込むことは、不可能となる。
【0049】
一方、リール8aの停止操作が、前記図7(1)に示した停止操作位置より1駒あと、すなわちカウンタ(19)の「チェリー」のシンボルが中心に表示される位置で行われると、リール8aを4駒分移動させることにより、前記「チェリー」のシンボルを窓外に逃して、カウンタ(1)の「プラム」のシンボルを下段のシンボル表示位置に停止させることができる。またリール8aの停止操作が、図10(1)の停止操作位置よりも1駒前、すなわちカウンタ(14)の「7」のシンボルが中心に表示される位置で行われた場合は、ちょうどカウンタ(13)の「プラム」のシンボルが下段のシンボル表示位置に表示されているので、その停止操作に応じたタイミングでリール8aを停止することにより、テンパイ成立ラインにリプレイ図柄の組合せを成立させることができる。
【0050】
このほか図5に示したシンボル配列によれば、リール8aを前記図7〜10に示した4とおりのリール回転位置を除くどの回転位置で停止させても、必ず、「プラム」のシンボルを下段のシンボル表示位置に引き込むことが可能となる。よって、シンボル表示窓20aの下段のシンボル表示位置からリプレイ図柄をはずすことが可能な停止位置は、前記したカウンタ(15)〜(18)の4箇所に限定されることになる。
【0051】
ところでリール8aの前記したシンボル配列によれば、中段のシンボル表示位置に「プラム」のシンボルが表示される場合に、「チェリー」のシンボルが同時に表示されるような回転位置は、カウンタ(7)のシンボルが停止ラインL1上に位置するときのみである(図11)。しかしながらカウンタ(5)および(10)の各位置にも「プラム」のシンボルが配置されているので、リール8aを図11のような位置で停止させることが可能な停止操作位置(カウンタ(3)〜(6)の4箇所)では、これら他の位置にある「プラム」のシンボルを中段のシンボル表示位置に停止させることが可能である。よって、中段のシンボル表示位置がリプレイ図柄の引込み位置として設定されている場合には、リール8aのどの位置で停止操作がなされても、必ずリプレイ図柄を引き込むことができ、リプレイ外しは、完全に阻止される。
【0052】
このようにリール8aには、リプレイ図柄の引込み対象となるシンボル表示位置により、リプレイ外しの可能な停止操作位置の数が変動するようなシンボル配列、言い換えればリプレイ外しの難易度が変動するようなシンボル配列が設定されている。
この実施例の制御回路部25は、ビッグボーナス時に、適宜、リプレイ図柄の引込み位置を変更することにより、リプレイ外しの難易度を変動させるようにしており、これによりリプレイ外しの実施が制限され、遊技者間の獲得メダル枚数のばらつきを抑えることが可能となる。
【0053】
なおこの実施例では、いずれか有効ライン上に「プラム」のシンボルが3個整列した状態をもってレギュラーボーナスとしているが、シンボルの組合せはこれに限らず、例えばリール毎に、異なるシンボルをリプレイ図柄として設定してもよい。また前記した「チェリー」のシンボルによる単独入賞のように、リール8aの有効ライン上に「プラム」のシンボルが1個停止した状態をもって、レギュラーボーナスとしてもよい。
【0054】
図12は、上記スロットマシンの電気的構成を示す。
図中、制御回路部25はマイクロコンピュータより成り、制御主体であるCPU27,プログラム,前記図5に示したシンボル配列テーブル、抽選用の参照テーブルなどが記憶されるROM28,データの読み書きに用いられるRAM29などを含む。
【0055】
前記制御回路部25にはバス26を介して、始動レバー14,各停止釦スイッチ15a,15b,15c,ベット釦スイッチ24a,24b,24c,メダルセンサ30,リール毎の前記光電センサ22(図では各リール毎に22a,22b,22cと示す)などの入力各部や、メダル払出機6,リール毎のリール駆動部31a,31b,31cなどの出力各部が接続される。
なお前記メダルセンサ30は、メダル投入口16の内側に配備されて、機体内部へのメダルの投入を検出する。リール駆動部31a,31b,31cは、それぞれリール8a,8b,8cのステッピングモータ9a,9b,9cを駆動して、各リール8a,8b,8cを回転および停止させる。
【0056】
図13は、前記CPU27の機能の一部を示した機能ブロック図である。なお同図には、第1のリール8aについての回路構成のみが示してあるが、中央、右の各リール8b,8cについても同様の構成が設定される。
【0057】
図13において、メダルセンサ30からのメダル検出信号や、ベット釦スイッチ24a〜24cからの操作信号は、有効ライン設定部32に与えられ、前記5本の停止ラインL1〜L5の中からメダル投入枚数に応じたラインが有効に設定される。
【0058】
リール駆動部31aは、クロック信号を受けて駆動パルスPを生成し、この駆動パルスPをステッピングモータ9aへ供給してリール8aを駆動する。このリール駆動部31aにはCPU27の制御部33よりスタート指令やストップ指令が与えられる。
【0059】
始動レバー14が操作されると、制御部33には始動信号が入力され、これを受けて制御部33はリール駆動部31aにスタート指令を発してステッピングモータ9aを作動させる。この後、停止釦スイッチ15aが押操作されて制御部33に停止操作信号が入力されると、制御部33はリール駆動部31aへストップ指令を発してステッピングモータ9aの作動を停止させる。
【0060】
この間に前記駆動パルスPはCPU27の計数部34に与えられて計数される。この計数部による計数値Kは、リール8aが一回転するごとに前記基準信号発生装置20の光電センサ22aより与えられる基準信号によりリセットされる。この計数値Kは、リールの現在の回転角度位置、換言すれば、前記基準位置となる停止ラインL1上のシンボルを表すためのもので、具体的には、この計数値Kと同値のカウンタDiのシンボルが停止ラインL1上に位置していることを示す。シンボル検出部35は、前記計数値KによりROM28内のシンボル配列テーブルを参照して、リール8a上のどのシンボルが各ライン上に位置するのかを検出し、その検出結果を判定部36および制御部33に出力する。
【0061】
前記判定部36には、他のリール8b,8cについてのシンボル検出部からもシンボルの検出結果が与えられるもので、3個のリール8a,8b,8cがすべて停止した時点で、入賞となるシンボルの組合せが成立しているか否かを判定する。なおこの判定部36には、前記有効ライン設定部32による設定結果が与えられており、上記の判定処理は有効化されたすべてのラインについて行われる。
【0062】
抽選部37は、始動レバー14が操作されて各リール8a〜8cが回転を開始した時点で乱数による抽選を実施し、有効ライン上に成立させるシンボルの組合せを決定する。制御部33は、停止釦スイッチ15aからの停止操作信号が入力されたとき、その時点でのシンボル検出部35による検出結果に基づき、前記抽選により決定されたシンボルが有効ライン上に可能な限り停止するようなシンボルの引込み制御を実施する。
【0063】
さらにビッグボーナスゲーム時に、レギュラーボーナスにかかる抽選が当たりとなったとき、制御部33は、このレギュラーボーナス用のリプレイ図柄となる「プラム」のシンボルの組合せを、どの有効ライン上に成立させるかを選択し、選択された有効ライン上に「プラム」のシンボルが可能な限り停止するように、リールの停止タイミングを制御する。
【0064】
図14は、前記制御回路25によるスロットマシンの制御の流れを示す。なお図中、「ST」は制御の各ステップを示す。
ST1において、遊技者によるゲーム開始操作、すなわちメダルの投入操作および始動レバー14の操作があると、CPU27は、全てのリール8a,8b,8cを一斉に回転させるとともに、当たりフラグがセットされているかどうかをチェックする(ST2,3)。
【0065】
この当たりフラグは、前記抽選処理によりビッグボーナスを成立させることが決定された際にセットされるもので、一度セットされたフラグは、ビッグボーナス用の「7」のシンボル組み合わせが成立するまで有効に持ち越される。このフラグの持越しがない場合には、CPU27は、つぎのST4において、有効ライン上にいずれかの入賞となるシンボルの組合せを整列させるかどうかの抽選を実施する。この抽選の結果、特別入賞を成立させることが決定した場合には、つぎのST5が「YES」となり、続くST6で前記した当たりフラグがセットされる。
なお前回のゲームより当たりフラグが持ち越されている場合は、上記抽選処理はスキップされる。
【0066】
全てのリール8a,8b,8cの始動後、遊技者により最初の停止操作が行われると、ST7が「YES」となり、CPU27は、つぎのST8で前記当たりフラグがセットされているかどうかをチェックする。この判定が「YES」の場合は、ST10へと移行して、所定の有効ライン上に「7」のシンボルを停止させるための引込み制御が実施される。
【0067】
一方、前記抽選により、レギュラーボーナスまたはその他の小物当たりを成立させることが決定されている場合は、ST9からST11へと移行して、所定の有効ライン上に抽選結果に応じたシンボルを停止させるための引込み制御が実施される。
【0068】
また抽選が当たっていない場合は、ST8,ST9はともに「NO」となって、ST12へ進み、停止操作されたリールは、原則として停止操作に応じた位置で停止するように制御される。
以下同様にして、第2、第3の停止操作がある毎に、CPU27は、対応するリールを当たりフラグや抽選結果に基づくタイミングで停止させる。
【0069】
なおST10、11の各処理において、前記した4駒の引込み制限内で目的とするシンボルを引き込めない場合は、停止操作されたリールは、原則として停止操作に応じた位置で停止するように制御される。また目的とする入賞シンボルを引き込むことにより、他の入賞シンボルの組合せが同時成立する場合には、この同時成立が回避されるように引込み駒数を調整する必要がある。
また抽選が当たっていない場合でも、特にリール8aの停止にあたっては単独入賞となる「チェリー」のシンボルが停止表示される可能性があるので、ST12において入賞が成立する可能性のある場合には、その入賞シンボルを窓外に逃すような引込み制御を実施する必要がある。
【0070】
このようにしてすべてのリール8a,8b,8cが停止すると、ST13が「YES」となり、入賞判定処理へと移行する。いずれかの有効ライン上に「7」のシンボル組み合わせが成立している場合には、ST14が「YES」となり、ST16のボーナスルーチンが実施される。またレギュラーボーナスや小物当たりが成立している場合には、ST15が「YES」となり、ST17で、成立した入賞に応じた数のメダルの払出しを行って、処理を終了する。
【0071】
図15および図16は、前記ST16のビッグボーナスルーチンの詳細な手順を示す。なお同図の手順において、iはビッグボーナスゲームの実施回数を計数するためのカウンタ、jはレギュラーボーナスの成立回数を計数するためのカウンタであって、いずれも初期値は「0」に設定される。
【0072】
この実施例では、ボーナスルーチンの最初のステップ(ST16−1)において、ビッグボーナス時に成立し得る3回のレギュラーボーナスについて、それぞれリプレイ図柄の引込み位置を個別に設定するようにしている。
【0073】
この設定処理は、具体的には、図17の設定テーブルの7とおりの態様A〜Gの中から、抽選によりいずれかの態様を選択することにより行われる。この設定テーブルは、あらかじめROM28内にセットされるもので、各態様とも、各回のレギュラーボーナス毎に、そのレギュラーボーナスが成立するまでの間のリプレイ図柄の引込み位置が、左側のシンボル表示窓20aにおける各シンボル表示位置(図中、上,中,下と示す)により示してある。また各態様には、毎時のリプレイ図柄の引込み位置により示されるリプレイ外しの難易度が「1」〜「5」の数値により付されている(ここでは数値が小さくなるほど、リプレイ外しが困難であることを示す)。
【0074】
このようにしてリプレイ図柄の引込み位置が設定され、最初のゲーム開始操作があると、ST16−2が「YES」となる。CPU27は、これを受けて、つぎのST16−3で、前記ゲーム実施回数計数用のカウンタiをインクリメントした後、各リール8a,8b,8cを一斉に回転させ、さらに入賞を成立させるかどうかの抽選を実施する(ST16−4,16−5)。
【0075】
ST16−5の処理で用いられる抽選テーブルは、通常のゲームモードよりもはるかに高い確率で当たりとなるように組まれている。この抽選によりレギュラーボーナスを成立させることが決定すると、ST16−6が「YES」となり、以下、ST16−7〜16−15の処理へと移行する。
【0076】
中央または右の各リール8b,8cが、それぞれ左側のリール8aに先だって停止操作された場合には、停止操作がある毎に、ST16−7が「YES」、ST16−8が「NO」となってST16−9へと進む。これによりCPU27は、停止操作されたリールに対し、前記設定された引込み位置に、リプレイ図柄を停止させるための引込み制御を実施する。
【0077】
例えば、前記図17の態様DやEが設定されている場合、最初にレギュラーボーナスの当たりが発生した段階では、停止ラインL2またはL5の位置が、リプレイ図柄の引込み位置となる。同様に態様FやGが設定されている場合は、初期段階では、停止ラインL3またはL4の位置がリプレイ図柄の引込み位置となり、態様A,B,Cが設定されている場合には、中央の停止ラインL1の位置のみがリプレイ図柄の引込み位置として初期設定される。(勿論、この設定は、すべての停止ラインL1〜L5が有効化されているという前提に立つものである。)
【0078】
こうして中央,右の各リール8b,8cが停止し、最後に左のリール8aが停止操作されると、ST16−11〜16−13がすべて「YES」となってST16−14へと進み、リール8aに対し、前記リプレイ図柄の引込み位置として設定された位置に、リプレイ図柄を停止させるための引込み制御が実施される。この場合、遊技者の停止操作が前記図6〜10に示した状態で実施された場合には、リプレイ図柄の組合せを目的とする位置に成立させることは、不可能となる。
【0079】
一方、左のリール8aが1番目、または2番目に停止操作される場合には、上記の処理は適用されず、CPU27は、その停止操作に応じて、リール1aに対し、リプレイ図柄をいずれか引込み可能なシンボル表示位置まで引き込むような停止制御を実施する(ST16−10)。そしてリール1aを含む2個のリールが停止した段階でいずれかの有効ライン上にリプレイ図柄のテンパイが成立すると、最終的に停止操作されたリールに対し、このテンパイ成立ライン上にリプレイ図柄が停止するような引込み制御が実施される(ST16−15)。
【0080】
さらにST16−5の抽選により、レギュラーボーナスが当たらなかった場合には、前記ST16−6は「NO」となり、ST16−16で小物当たりの成立が決定されているかどうかがチェックされる。この判定が「YES」であれば、以後、遊技者の停止操作がある都度、CPU27は、対応するリールを、所定の有効ライン上に目的とする入賞シンボルが引き込まれるタイミングで停止させ、入賞を成立させる(ST16−17)。また抽選がはずれた場合には、CPU27は、各リールを、原則として停止操作に応じたタイミングで停止し、最終的にすべての有効ライン上のシンボル組合わせを「はずれ」とする。
【0081】
このようにして1回のゲームが終了したとき、リプレイ図柄の組合せによりレギュラーボーナスが成立すると、ST16−19が「YES」となり、CPU27は、ST16−21で多量のメダルの払出しを行った後、前記カウンタjをインクリメントする。また小物当たりが成立すると、ST16−20が「YES」となり、ST16−24で入賞に応じた数のメダルの払出しが実施される。
【0082】
この後、ST16−2へと戻って、つぎのゲームが実施されることになるが、前回のゲームでレギュラーボーナスが成立した場合には、リプレイ図柄の引込み位置は、前記選択された態様の2番目の位置に更新されることになる。
こうして、計3回のレギュラーボーナスが成立した時点(ST16−23が「YES」)、または30回のビッグボーナスが実施された時点(ST16−25が「YES」)で、ST16−26へと移行し、前記した当たりフラグがリセットされる。さらにCPU27は、つぎのST16−27でカウンタi,jをリセットし、ボーナスルーチンを終了する。
【0083】
なお上記実施例では、ビッグボーナス時に、各回のレギュラーボーナスが成立するまでシンボル引込み位置を維持するようにしているが、これに限らず、抽選によりレギュラーボーナスが当たる都度、任意のシンボル引込み位置を選択するようにしてもよい。
【0084】
また設定されたシンボル引込み位置によりリプレイ外しが行われたかどうかにより、つぎのゲームでのシンボル引込み位置を選択するようにしてもよい。
たとえば初めてレギュラーボーナスの当たりが発生したときには、最もリプレイ外しのしやすい上段のシンボル表示位置を選択し、その結果、リプレイ外しが成功した場合、つぎのレギュラーボーナスが当たったときには、より難易度の高い下段のシンボル表示位置や、リプレイ外しが不可能な中段のシンボル位置を選択すれば、リプレイ外しを制限でき、遊技者のメダル獲得枚数を所定枚数内に抑えることが可能となる。
このほか、遊技者のこれまでのメダル獲得枚数に応じて、リプレイ図柄の引込み位置を選択するようにしてもよい。
【0085】
さらに上記実施例では、左のリール8aについてのみ、リプレイ図柄の引込みをはずすことが可能なシンボル配列を設定しているが、他のリール8b,8cについても、同様のシンボル配列を設定することが可能である。
【0086】
【発明の効果】
上記したようにこの発明では、各シンボル列に、それぞれ複数個の特別入賞用のシンボルを、制限駒数以内の数のその他のシンボルを挟んで配置するとともに、少なくとも1つのシンボル列について、任意のタイミングで行われた停止操作に対し、単独入賞用のシンボルを引き込むことなく、特別入賞用のシンボルを引き込み対象のシンボル表示位置に引き込むことができる確率が、引き込み対象となるシンボル表示位置によって変動するようなシンボル配列を設定し、大当たりゲームにおいて特別入賞を成立させることが決定しているときに、あらかじめ選択されたシンボル表示位置を特別入賞用のシンボルの引込み対象の位置に設定するようにした。よって、引込み対象位置としていずれのシンボル表示位置が選択されるかによって、特別入賞の回避操作の難易度を変動させることが可能となり、熟練者によるリプレイ外しを制限して、遊技者間の遊技媒体の獲得枚数に大きな差が生じないように調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかるスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの機体内部の構成を示す正面図である。
【図3】基準信号発生装置の構成を示す斜視図である。
【図4】正面パネルの構成を示す正面図である。
【図5】リールのシンボル配列を示す説明図である。
【図6】上段のシンボル表示位置におけるリプレイ外しを示す説明図である。
【図7】下段のシンボル表示位置におけるリプレイ外しを示す説明図である。
【図8】下段のシンボル表示位置におけるリプレイ外しを示す説明図である。
【図9】下段のシンボル表示位置におけるリプレイ外しを示す説明図である。
【図10】下段のシンボル表示位置におけるリプレイ外しを示す説明図である。
【図11】中段のシンボル表示位置でのリプレイ外しが不可能であることを説明するための図である。
【図12】スロットマシンの回路構成を示すブロック図である。
【図13】CPUの機能の一部を示すブロック図である。
【図14】制御回路部の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】ボーナスルーチンにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図16】ボーナスルーチンにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図17】シンボル表示位置の設定テーブルを示す説明図である。
【図18】リプレイ外しを行った遊技者と行っていない遊技者とのゲーム展開、およびメダル獲得枚数を比較して示す図である。
【符号の説明】
8a,8b,8c リール
20a,20b,20c シンボル表示窓
14 始動レバー
25 制御回路部
27 CPU

Claims (2)

  1. 複数のシンボル列をそれぞれ複数のシンボル表示位置に対して移動させて表示した後、各シンボル列に対し、それぞれ抽選により決定されたシンボルが前記複数のシンボル表示位置のいずれかに引き込まれるタイミングで前記移動表示を停止させる制御を、遊技者の停止操作から所定の制限駒数以内でシンボル列を移動させること、および前記抽選により決定された以外のシンボルによる入賞をさせないことを条件に実行するとともに、シンボル列毎のシンボル表示位置を結ぶ複数の入賞ラインのいずれかに特定のシンボル組合せが成立したとき、入賞確率が高められた大当たりゲームを所定回数の特別入賞が成立するまで実施することが可能なスロットマシンにおいて、
    各シンボル列には、それぞれ複数個の前記特別入賞用のシンボルが前記制限駒数以内の数のその他のシンボルを挟んで配置され、
    少なくとも1つのシンボル列には、前記特別入賞用のシンボルと単独入賞用のシンボルとが同時に停止表示可能な間隔をもって配置された箇所が少なくとも1箇所設けられるとともに、任意のタイミングで行われた停止操作に対し、前記単独入賞用のシンボルを同時に停止表示させることなく、前記特別入賞用のシンボルを引き込み対象のシンボル表示位置に引き込むことのできる確率が、引き込み対象となるシンボル表示位置によって変動するようなシンボル配列が設定されており、
    前記大当たりゲームにおいて前記特別入賞用のシンボルを引き込むとき、あらかじめ選択されたシンボル表示位置を前記特別入賞用のシンボルの引込み対象位置に設定することを特徴とするスロットマシン。
  2. 請求項1に記載されたスロットマシンにおいて、
    前記大当たりゲームで成立し得る複数回の特別入賞毎に前記特別入賞用のシンボルの引込み対象のシンボル表示位置を個別に定めた態様を複数とおり記憶する記憶手段が設けられ、大当たりゲームの開始時に前記記憶手段中のいずれかの態様を抽選により選択することにより、前記特別入賞用のシンボルの引込み対象のシンボル表示位置を選択するようにしたスロットマシン。
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