JP3923554B2 - 液体紙容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は頭部が平坦な角柱状の密封性のある液体紙容器のトップリブパネルの外観を改善する。
【0002】
【従来の技術】
頭部が平坦な角柱状の液体紙容器(フラットトップカートンと称する)は、頭部が切り妻形屋根状のゲーベルトップカートンと異なり、トップリブが合掌シールされて一方に倒され、さらに両端の三角状の折り込み部、いわゆる「耳」が側壁パネル側に折り返されている液体紙容器であり、洗剤、モーターオイル等一部の液体製品に使用されている。
その開封方法は、耳を起こしてその先端をハサミで切断するか、合掌シールされたリブの上端縁に設けられたVノッチから耳の先端を手で引きちぎって開封するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
フラットトップカートンの頭部の構造は対向するリブ同志を合掌シールして、一方に折り倒し、さらにその両端を下方に折り曲げているので、図3に示すように、外観的に見栄えの良くない点が現れるという問題がある。すなわち、図3、Aに示すように、一方に折り倒された2枚のリブの端縁が俯瞰して見ると目に入るが、これが綺麗に重なっていればまだよいが、往々にして不揃いな場合が起こり、外観を損なうという問題がある。また、図3、Bに示すように、一方に折り倒されたリブをさらに下方に折り返す場合に折り曲げ部分の外側のリブに亀裂が入り、特にその部分が印刷部である場合には外観を著しく損なうという問題がある。さらに、図3のcに示すように、耳の先端部を指で引きちぎって開封できるように、リブの先端に2個のVノッチが設けられ、互いに重なるように設計されているが、この位相が若干でもずれると、外観を損なうばかりか、指で引き裂くのが容易でなくなるという問題がある。本発明は、前述の問題点に鑑みてなされたもので、平坦な頭部と折り返し耳にわたって設けられるリブの外観に優れた液体紙容器の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためになされた本発明は、板紙を基材とする積層体を用いて、4枚の胴部側壁パネルからなる4角柱状の胴部の上端に連接された対向する折込み屋根パネル1T,3Tをそれぞれ斜め罫線に沿って外側に折り込み、同時に残りの対向する屋根パネル2T,4Tを内側に折り曲げ、前記折込み屋根パネル1T,3Tおよび前記屋根パネル2T,4Tの上端にそれぞれ連接されたリブ1R,2R,3R,4Rを対向するもの同志で水平に合掌シールして、いずれかの側に倒して平坦に折り畳み、さらにシールされた前記リブ1R,3Rの両端を前記胴部側壁パネル上に折り返してなる平坦な屋根が形成されるカートンにおいて、前記屋根パネル2T,4Tの上端に連接された対向する前記リブ2R,4Rの幅に差をもたせ、前記屋根パネル2T,4Tの上端に連接された対向する前記リブ2R,4Rを繋ぐ前記折込み屋根パネル1T,3Tの上端に連接された対向する前記リブ1R,3Rの端縁形状が傾斜した直線状であり、折り畳まれた状態で外側のリブ4Rが内側のリブ2Rを隠蔽し、前記リブ1R,3Rを中央で折り込んだ外側のリブの部分が内側のリブの部分を隠蔽してなり、
前記外側のリブ4Rが該リブ4Rの長手方向に直交して設けられた少なくとも二重の罫線に従って、折り曲げられ、前記折込み屋根パネル1T,3Tの上端に連接されされた前記リブ1R,3Rの上端縁に折り込まれた時に対向するように設けられたVノッチの大きさに差をもたせ、平坦に折り畳まれて外側のリブの部分に設けたVノッチの大きさを内側のリブの部分に設けた大きさより小さくしたことを特徴とする液体紙容器を要旨とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を図面を用いてさらに詳しく説明する。図1は本発明による液体紙容器のブランク10の展開図である。図1に示すように、本発明による液体紙容器の胴部Dは側壁パネル1〜4と糊代5が罫線a〜dを介して連接してなり、その上部に罫線fを介して折込み屋根パネル1T,3T,屋根パネル2T,4Tからなる屋根部Tとさらにその上部に罫線hを介してトップシール用のリブ1R〜4Rが設けられている。また折込み屋根パネル1T,3Tには該側壁パネルを斜めに外側に折り込む罫線gがそれぞれ設けられている。なお、底部Bは胴部Dの下側に罫線eを介して連接する部分で構成され、ヒートシールによって平らな液洩れのない底が形成されるようになっている。
【0006】
図2は本発明による液体紙容器20の斜視図であって、図2(a)は、リブ同志が合掌シールされた直後の状態であり、図2(b)は完成した液体紙容器20の状態をそれぞれ示している。
本発明による液体紙容器20の第1のポイントは、合掌シールされて平坦に折り畳まれるリブの幅を、図1、図2(a)に示すように、外側リブ4Rの方が内側リブ2Rより広くなるようにしている。そうすることによって、合掌シールされたリブを図2(a)の矢印方向に倒した場合に、内側リブ2Rは外側リブ4Rによって覆われ、図2(b)に示すように両リブの端縁が不揃いに見え隠れすることはなくなる。
この、リブ2Rと4Rを繋ぐリブ1Rと3Rの端縁形状は、図1で示すように緩く傾斜した直線状である。
なお、この両端縁の不揃いは、サック貼り機による筒貼り時の折り畳み精度不良、あるは成形充填機における頭部成形精度不良から生ずるものである。
【0007】
本発明における第2のポイントは、合掌シールされたリブが最後に下方に折り返される部分の罫線i,i’が少なくとも二重罫線になっていることである。
この折り返される部分は、カートン基材が4重に重なり合っており、最外の基材表面にはかなりの引っ張り張力が作用し、板紙表面に亀裂を生じることが多い。これは、板紙の性質にもよるが、乾燥している場合に特に起きやすい現象である。この折り曲げ部が無地であれば、さほど問題はないが、印刷パターンがあると板紙表面の亀裂はきわめて目障りとなり、商品価値の低下につながる。
本発明による液体紙容器20では少なくとも2重の罫線で折り曲げるので、張力が分散して、亀裂は起こりにくくなる。
【0008】
本発明における第3のポイントは、図1に示すように、リブ1Rと3Rの端縁に中央罫線jに対して対称にVノッチ6、7及び6’、7’を設けるが、これらの大きさに差をもたせ、外側となVノッチ7、7’の方を内側のVノッチ6、6’よりも小さくしていることである。
従来のものは略同サイズのVノッチが設けられていたので、合掌シールされて水平方向の位相が少しでもずれると図3に示すようにこのズレが目視でき、外観を損なうが、本発明による液体紙容器20では、図2(b)で示すように、サイズの小さいVノッチ6と6’(図示せず)によってズレが隠されて、外見はよくなる。
また、Vノッチ6と7あるいは6’と7’の間に大小の差をつけたことによって、手で開封する場合に、板紙を1枚づつ引き裂くことになるので、開封開始時の引き裂き抵抗を分散することができ、引き裂き易くなるという効果が発生する。
【0009】
本発明による液体紙容器20の基材には、板紙を中心とた、例えば次のように外側から順に積層された層構成の積層材が使用される。
1) PE/板紙/PE
2) PE/板紙/PE/AL/PE
3) PE/板紙/PE/VM−PET/PE
ここで
PE :低密度ポリエチレン
AL :アルミニウム箔
VM−PET :アルミあるいは酸化珪素蒸着を施したポリエチレンテレフタレートフィルム
PEは低密度ポリエチレンに代わって、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル、エチレン・ビニルアルコール共重合体等の中から適宜選択することができる。
【0010】
液体洗剤、アルコール溶液のように浸透性が強い内容物の場合は、カートン内側に位置するカートンブランク端面処理を行い、内容液が直接板紙層に接触しないような端部の折り返し加工が必要である。
印刷加工については従来の牛乳カートン等の液体紙容器に行われているように、積層材の最表面にフレキソ印刷、オフセット印刷あるいはグラビア印刷により多色印刷することが好ましい。
【0011】
【実施例】
本発明による液体紙容器を業務用のモーターオイルに適用すべく、サイズが、高さ160mm,幅85mm,奥行き85mmで、内容量が、1000mlの液体紙容器を作成した。
基材については、外側から次の構成を有した積層材をものを使用した。この全体の坪量は380g/m2 であった。
印刷インキ層/ポリエチレン30μm/晒クラフト紙(280g/m2 )/ポリエチレン20μm/酸化珪素蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム12μm/線状低密度ポリエチレン60μm
以上の積層構成を有するブランク10を従来と同一の端面処理を行い、サック貼り機で筒貼りした後、従来と同一のモーターオイル用の成形充填機によって、従来と略同一条件で成形、充填、シールを行った。
以上の加工を経て得られたモーターオイル入りの本発明による液体紙容器20は、ブランク10のリブの部分を前記のように変更することによって、リブの端縁部、折り曲げ部、Vノッチ部が全てすっきりした仕上がりとなり、外観は一見して粗雑さが消えて美しくなり、さらに手によるVノッチからの開封も容易となった。
【0012】
本発明による液体紙容器は上述した実施の形態、あるいは実施例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、本発明による液体紙容器の水平断面は必ずしも正方形である必要はなく矩形であってもよい。
また、内容物についても、液体に限定されることなく、粉体、粒体状の製品であってもよい。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、板紙を中心とした積層材によるカートンブランクの合掌シールされ、一方に折り倒される2枚のリブの幅に差を設け、外側リブを下方に折り返すための罫線を少なくとも2重線とし、耳部において対向するリブ端縁のVノッチに大小の差を設けることによって、合掌シールされたリブ部分の外観をすっきりと美しくすることができる。さらに開封時に耳先端が手で引き裂き易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液体紙容器のブランク展開図
【図2】本発明による液体紙容器の斜視図
【図3】従来の液体紙容器の斜視図
【符号の説明】
1〜4 胴部側壁パネル
5 胴部糊代
6、6’ Vノッチ
7、7’ Vノッチ
a〜j 罫線
10 カートンブランク
20 本発明による液体紙容器
2T,4T 屋根パネル
1T,3T 折込み屋根パネル
1R〜4R リブ
B 底部
D 胴部
R リブ部
T 屋根部
Claims (1)
- 板紙を基材とする積層体を用いて、4枚の胴部側壁パネルからなる4角柱状の胴部の上端に連接された対向する折込み屋根パネル1T,3Tをそれぞれ斜め罫線に沿って外側に折り込み、同時に残りの対向する屋根パネル2T,4Tを内側に折り曲げ、前記折込み屋根パネル1T,3Tおよび前記屋根パネル2T,4Tの上端にそれぞれ連接されたリブ1R,2R,3R,4Rを対向するもの同志で水平に合掌シールして、いずれかの側に倒して平坦に折り畳み、さらにシールされた前記リブ1R,3Rの両端を前記胴部側壁パネル上に折り返してなる平坦な屋根が形成されるカートンにおいて、前記屋根パネル2T,4Tの上端に連接された対向する前記リブ2R,4Rの幅に差をもたせ、前記屋根パネル2T,4Tの上端に連接された対向する前記リブ2R,4Rを繋ぐ前記折込み屋根パネル1T,3Tの上端に連接された対向する前記リブ1R,3Rの端縁形状が傾斜した直線状であり、折り畳まれた状態で外側のリブ4Rが内側のリブ2Rを隠蔽し、前記リブ1R,3Rを中央で折り込んだ外側のリブの部分が内側のリブの部分を隠蔽してなり、
前記外側のリブ4Rが該リブ4Rの長手方向に直交して設けられた少なくとも二重の罫線に従って、折り曲げられ、前記折込み屋根パネル1T,3Tの上端に連接されされた前記リブ1R,3Rの上端縁に折り込まれた時に対向するように設けられたVノッチの大きさに差をもたせ、平坦に折り畳まれて外側のリブの部分に設けたVノッチの大きさを内側のリブの部分に設けた大きさより小さくしたことを特徴とする液体紙容器。
Priority Applications (1)
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JP32620595A JP3923554B2 (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 液体紙容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32620595A JP3923554B2 (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 液体紙容器 |
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JPH09142442A JPH09142442A (ja) | 1997-06-03 |
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JP32620595A Expired - Fee Related JP3923554B2 (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 液体紙容器 |
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1995
- 1995-11-22 JP JP32620595A patent/JP3923554B2/ja not_active Expired - Fee Related
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